JP2017190044A - バッテリ冷却風の排出構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリからドラフタまでの間を排気ダクトによって繋ぐ場合と比べて、排気ダクトの全長を短縮化し、コストを抑制できるバッテリ冷却風の排出構造を提供すること。【解決手段】車室3の下部に配置されたバッテリ4を冷却したバッテリ冷却風を、車両2に設けられたドラフタ7から車外へ排出するバッテリ冷却風の排出構造1において、車体側部材(フロアパネル11)と内装部材13との間に形成され、バッテリ4とドラフタ7との配置方向に沿って延びると共に、ドラフタ7を介して車外に連通するトリム空間10と、バッテリ4に一端を接続し、バッテリ4からドラフタ7までの間の位置でトリム空間10に他端を接続した排気ダクト20と、を備える構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、車室の下部に配置されたバッテリから排気されたバッテリ冷却風を、車両後部に設けられたドラフタから車外へ排出するバッテリ冷却風の排出構造に関する発明である。
従来、車室の下部に配置されたバッテリから排出されたバッテリ冷却風を排出するため、一端がバッテリに接続され、他端が車両後部のラゲッジルーム側部に設けられたドラフタに接続された排気ダクトを設けたバッテリ冷却風の排出構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000-247157号公報
しかしながら、従来のバッテリ冷却風の排出構造では、バッテリからドラフタまでを排気ダクトによって接続しているため、排気ダクトの全長が長くなってしまい、コストが増大するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、バッテリから排出されたバッテリ冷却風をドラフタへと導く排気ダクトの全長を短縮化し、コストを抑制することができるバッテリ冷却風の排出構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のバッテリ冷却風の排出構造は、車室の下部に配置されたバッテリから排気されたバッテリ冷却風を、車両に設けられたドラフタから車外へ排出する。そして、トリム空間と、排気ダクトと、を備えている。
前記トリム空間は、車体側部材と内装部材との間に形成され、車両前後方向に延びると共に、ドラフタを介して車外に連通する。
前記排気ダクトは、バッテリに一端を接続し、バッテリからドラフタまでの間の位置でトリム空間に他端を接続している。
よって、本発明では、バッテリ冷却風が、排気ダクトからトリム空間へと流れ込み、このトリム空間を介してドラフタから排出される。すなわち、バッテリ冷却風をバッテリからドラフタまで導く風路は、排気ダクトとトリム空間とによって構成される。そのため、排気ダクトの全長は、バッテリからトリム空間までの長さとなり、バッテリからドラフタまでの間を排気ダクトによって繋ぐ場合と比べて、長さを短くすることができる。これにより、排気ダクトの全長を短縮化し、コストを抑制することができる。
実施例1のバッテリ冷却風の排出構造が適用された車両骨格を示す斜視図である。 実施例1のバッテリ冷却風の排出構造が適用された車両骨格を示す分解斜視図である。 実施例1のバッテリ冷却風の排出構造を示す平面図である。 図3に示すA−A断面図である。 図3に示すB−B断面図である。 図3に示すC−C断面図である。 図3に示すD−D断面図である。 図3に示すE−E断面図である。 図3に示すF−F断面図である。 図3に示すG−G断面図である。 図3に示すH−H断面図である。 図3に示すJ−J断面図である。 バッテリ冷却風の流れを示す説明図である。
以下、本発明のバッテリ冷却風の排出構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1のバッテリ冷却風の排出構造の構成を、「全体構成」、「トリム空間の詳細構成」、「排気ダクトの詳細構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1のバッテリ冷却風の排出構造が適用された車両骨格を示す斜視図であり、図2は、分解斜視図である。図3は、実施例1のバッテリ冷却風の排出構造を示す平面図である。以下、図1〜図3に基づき、実施例1のバッテリ冷却風の全体構成を説明する。なお、図1及び図2は、向かって右側が車両前方となり、図3は、向かって左側が車両前方となる。
実施例1のバッテリ冷却風の排出構造1を備えた車両2は、走行駆動源としてエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両であり、図1及び図2に示すように、車室3の下部を区画するフロアパネル11(車体側部材)と、車室3の下側中央部に配置されたバッテリ4と、を備えている。なお、このバッテリ4は、フロアパネル11(車体側パネル)の上側に設置されている。また、このフロアパネル11は、バッテリ配置位置よりも車両後方位置に、段上がり状に立ち上がったキックアップ部12が形成され、このキックアップ部12の上面12aにリヤシート5のシートクッションが設置されている。
前記バッテリ4は、不図示のモータに電力を供給する蓄電装置であり、エンジンの駆動力や回生エネルギーの回収による発電電力によって充電される。
このバッテリ4のケース前部4aには、車室3内に連通した吸込口(不図示)が設けられている。また、バッテリ4のケース後部4bの車幅方向中央部には、ファン連通ダクト4cの一端が接続されている。このファン連通ダクト4cは、バッテリ4との接続部位から車両後方へと延在され、後端がバッテリ4よりも車両後方に配置された排気ファン6の吸込口6aに接続されている。
前記排気ファン6は、シロッコ型の遠心ファンであり、バッテリ4のケースを介して車室3内の空気を吸い込む。排気ファン6によって吸い込まれた空気がケース内を通過する際にバッテリ4を冷却する。そして、バッテリ4を冷却して温まった空気(以下、「バッテリ冷却風」という)は、排気ファン6の排気口6bから排出される。
なお、この排気ファン6は、フロアパネル11に形成されたトンネル部11aの上面に設置され、車幅方向中央部に位置している。また、排気口6bは、車両2の一方の側方に向いている(図3参照)。
排気ファン6から排出されたバッテリ冷却風は、図3に示すバッテリ冷却風の排出構造1を介し、車両2の後部側面に設けられたドラフタ7から車外へと排出される。このバッテリ冷却風の排出構造1は、図3に示すように、トリム空間10と、排気ダクト20と、を備えている。
[トリム空間の詳細構成]
図4〜図12は、バッテリ冷却風の排出構造が適用された車両の適宜の位置の断面図である。以下、図4〜図12に基づき、実施例1のトリム空間の詳細構成を説明する。
前記トリム空間10は、車体側部材であるフロアパネル11と、フロアパネル11の車室側面を覆う内装部材13と、の間に形成される空間(隙間)である。ここで、「車体側部材」とは、車両2の骨格を構成する剛性部材であり、スチールやアルミニウム合金、繊維強化合成樹脂等により形成されている。なお、フロアパネル11には、サイドシルやクロスメンバ等が適宜の位置に設けられており、ここではこれらを含めて車体側部材としてのフロアパネル11とする。また、「内装部材」とは、車室3内の内張り用部品であり、適宜の合成樹脂材等により形成されている。なお、この内装部材13は、ここでは車両ドアの下部に設けられるキッキングプレートや、車両後部に形成されるラゲッジルームの側部に設けられるラゲッジサイドトリムを含む。
そして、この実施例1では、トリム空間10は、車両2の側部に形成されており、図4〜図11に示すように、車両前後方向に延びている。そして、このトリム空間10の後部を形成するフロアパネル11にはドラフタ7が形成されており、トリム空間10はこのドラフタ7を介して車外に連通している。
すなわち、この実施例1では、車室3の中央部に配置されたバッテリ4の配置位置と、車両2の後部に形成されたドラフタ7の配置位置とが、車両前後方向にずれており、このバッテリ4とドラフタ7との配置位置がずれている方向(バッテリ4とドラフタ7との配置方向)が、車両前後方向となっている。そして、このトリム空間10は、バッテリ4とドラフタ7との配置方向である車両前後方向に沿って延びている。
また、このトリム空間10の内部には、図4〜図11に示すように、車両用ハーネス14が配索され、この車両用ハーネス14及びこれを固定するクリップ(不図示)等を内蔵している。ここで、車両用ハーネス14とは、各種の信号線や給電線をまとめて一つの線束にしたものであり、適宜の位置で分岐する。そして、このトリム空間10は、車両用ハーネス14が配索されるハーネス配索領域15と、車両用ハーネス14が配索されると共にバッテリ冷却風の流通を可能とする余裕領域16と、を有している。
前記ハーネス配索領域15は、図4〜図6に示すように、トリム空間10に占める車両用ハーネス14の占有割合が高く、空気が円滑に流通することのできない領域であり、トリム空間10の断面積と車両用ハーネス14の断面積との差が比較的小さい領域である。つまり、このハーネス配索領域15では、トリム空間10内が車両用ハーネス14によってほぼ占有されている。そして、このハーネス配索領域15は、車両前部から車両中間部までの間に設けられている。
前記余裕領域16は、図7〜図11に示すように、トリム空間10に示す車両用ハーネス14の占有割合が比較的低く、空気が円滑に流通することのできる領域であり、トリム空間10の断面積と車両用ハーネス14の断面積との差が比較的大きい領域である。そして、この余裕領域16は、車両中間部からドラフタ7が形成された車両後部までの間に設けられ、ハーネス配索領域15よりもドラフタ7側に位置している。
[排気ダクトの詳細構成]
以下、図4〜図12に基づき、実施例1の排気ダクトの詳細構成を説明する。
前記排気ダクト20は、フロアパネル11の上側に配置されたダクト部材であり、一端が排気ファン6の排気口6bに接続され、他端がトリム空間10に接続されて、排気ファン6からのバッテリ冷却風をトリム空間10へと導く。なお、「トリム空間10に接続されている」とは、ここでは、排気ダクト20の他端がフロアパネル11と内装部材13の間に差し込まれ、この他端の開口20aが、トリム空間10内に開放していることである(図7参照)。
そして、この排気ダクト20のトリム空間10への接続位置α(図3おいて破線αで囲む位置)は、バッテリ4とドラフタ7との間の位置に設定されている。つまり、トリム空間10がバッテリ4とドラフタ7と配置方向(ここでは、車両前後方向)に沿って延びる一方、この接続位置αを、バッテリ4とドラフタ7との間の位置に設定したことで、接続位置αは、ドラフタ7よりもバッテリ4に近い位置に設定される。
また、前記接続位置αは、ここでは、トリム空間10が有するハーネス配索領域15と余裕領域16との境界位置に設定されている。
すなわち、この排気ダクト20は、ハーネス配索領域15と余裕領域16との境界位置で、トリム空間10に接続されている。これにより、接続位置αよりも車両前側では、トリム空間10内が車両用ハーネス14によってほぼ占有されてしまい、空気が円滑に流れる空間がほとんどないことになる。一方、接続位置αよりも車両後側、つまりドラフタ7側では、トリム空間10内に空気が円滑に流れる空間を持たせることができる。
さらに、この排気ダクト20は、車幅方向中央部に位置する排気ファン6の排気口6bから、車両2の一方の側方(ここでは右側方)に向かって延在されてから、車両側部に形成されたトリム空間10の手前側(車室側)で車両後方に向かって屈曲し、トリム空間10に沿って車両後方へと延びている。そして、図1に示すように、この排気ダクト20は、フロアパネル11から立ち上がったキックアップ部12の立上り面12bに沿ってかけ上がり、上面12aに向かって延びる。そして、キックアップ部12の上側において、キックアップ部12の上面12aに設置されたリヤシート5のシートクッションの側方位置で、トリム空間10に接続されている(図3参照)。
このため、接続位置αは、キックアップ部12の上側であって、シートクッションとトリム空間10の間の位置に設定されることとなる(図7参照)。
さらに、この排気ダクト20は、フロアパネル11に形成された凹形状に収まり、車室3及びリヤシート5の足元空間への突出量を抑えるため、車幅方向から車両前後方向へと延在方向が変わる屈曲位置β(図3において破線βで囲む位置)において、断面積が次第に縮小している。つまり、高さ方向の寸法は一定であるものの、幅方向の寸法が次第に小さくなっている。これにより、排気ダクト20は、車幅方向に延びる部分(排気口6bから屈曲位置βまでの部分)の断面積よりも、車両前後方向に延びる部分(屈曲位置βから接続位置αまでの部分)の断面積の方が小さくなっている。
そして、排気ダクト20は、図3に示すようにこの屈曲位置β及びその下流位置に複数の通気孔21が形成されている。この通気孔21は、車両側方に臨む開口である。この通気孔21の開口面積は、通気孔21から漏れ出るバッテリ冷却風の風量に応じて設定されるが、ここでは、通気孔21から漏れ出るバッテリ冷却風の風量を、車室3内に大きな影響を出さず、フロアパネル11を覆うカーペット部材(不図示)の下側で分散する程度の風量とする大きさに設定されている。
次に、実施例1のバッテリ冷却風の排出構造における作用を、「ダクト長の抑制作用」、「リヤシート足元空間への影響抑制作用」、「バッテリ冷却風の円滑排気作用」に分けて説明する。
[ダクト長の抑制作用]
図13は、実施例1のバッテリ冷却風の排出構造におけるバッテリ冷却風の流れを示す説明図である。以下、図13に基づき、実施例1のダクト長の抑制作用を説明する。
実施例1では、排気ファン6が駆動すると、ファン連通ダクト4cからバッテリケースを介し、バッテリ4のケース前部4aに形成された吸込口(不図示)から空気が吸い込まれる。そして、この吸い込まれた空気が、バッテリケース内を通過する際にバッテリ4を冷却していく。
一方、バッテリ4を冷却した空気(バッテリ冷却風)は、ファン連通ダクト4cを通って、排気ファン6に吸い込まれ、排気口6bから排出される。
そして、排気口6bから排出されたバッテリ冷却風は、この排気口6bに一端が接続された排気ダクト20へと流れ込み、排気ダクト20内を流れていく。
そして、排気ダクト20を流れたバッテリ冷却風は、開口20aから排出され、排気ダクト20外へと流れ出る。
ここで、排気ダクト20は、バッテリ4とドラフタ7との間の位置に設定された接続位置αにおいて、他端がフロアパネル11と内装部材13との間に形成されたトリム空間10に接続されている。つまり、この排気ダクト20の開口20aは、接続位置αで、トリム空間10内に開放している。そのため、排気ダクト20の開口20aから排気ダクト20外へと流れ出た空気は、接続位置αにおいてトリム空間10内に流れ込み、この接続位置αからトリム空間10内をさらに流れていく。
一方、トリム空間10は、バッテリ4とドラフタ7との配置方向である車両前後方向に沿って延び、後部に形成されたドラフタ7を介して車外に連通している。そのため、排気ダクト20からトリム空間10へと流れ込んだ空気は、ドラフタ7から車外へと排出される。
このように、排気ファン6から排出された空気は、排気ダクト20からトリム空間10を流れ、ドラフタ7を介して車外に排出されるので、バッテリ冷却風をバッテリ4からドラフタ7まで導く風路は、排気ダクト20とトリム空間10とによって構成されることとなる。しかも、排気ダクト20とトリム空間10との接続位置αが、バッテリ4とドラフタ7との間の位置に設定されていることから、バッテリ冷却風は、ドラフタ7の手前でトリム空間10に流れ込む。
そのため、排気ダクト20の長さは、バッテリ4からトリム空間10までの長さとなる。すなわち、バッテリ4からドラフタ7までの間を排気ダクトによって繋ぎ、バッテリ冷却風をバッテリ4からドラフタ7まで導く風路のすべてを排気ダクトによって構成する場合と比較して、すなわち、排気ダクト20の全長を短縮化することができる。これにより、排気ダクト20の短くして、コストを抑制することができる。
[リヤシート足元空間への影響抑制作用]
実施例1のバッテリ冷却風の排出構造1を構成する排気ダクト20は、図3に示すように、排気ファン6の排気口6bから、車両2の一方の側方(ここでは右側方)に向かって延在されてから、車両側部に形成されたトリム空間10の手前側(車室側)で車両後方に向かって屈曲する。そして、トリム空間10に沿って車両後方へと延びている。
さらに、図1に示すように、この排気ダクト20は、キックアップ部12の立上り面12bに沿ってかけ上がり、図3に示すように、キックアップ部12の上面12aに設置されたリヤシート5のシートクッションの側方位置にてトリム空間10に接続されている。
これにより、リヤシート5のシートクッションの直前位置に排気ダクト20が配索されることがなく、排気ダクト20が邪魔にならず、リヤシート5の足元空間が狭くなったり、リヤシート5に対する乗降性が悪化したりといった影響を抑制することができる。
特に、この実施例1では、排気ダクト20をフロアパネル11に形成された凹形状に収まる形状とし、車室3及びリヤシート5の足元空間への突出量が抑えられている。このため、さらにリヤシート5の足元空間への影響を抑制することができる。
[バッテリ冷却風の円滑排気作用]
実施例1のバッテリ冷却風の排出構造1では、排気ダクト20をトリム空間10に接続する接続位置αを、トリム空間10が有するハーネス配索領域15と余裕領域16との境界位置に設定している。
ここで、ハーネス配索領域15には空気が円滑に流れる空間がほとんどなく、一方、余裕領域16には空気が円滑に流れる空間がある。また、余裕領域16は、ハーネス配索領域15よりもドラフタ7側に位置している。そのため、接続位置αにおいて排気ダクト20からトリム空間10へと流れ込んだバッテリ冷却風は、空気抵抗の少ない余裕領域16内を流れることになる。
これにより、トリム空間10に流れ込んだバッテリ冷却風が、接続位置αよりも車両前方、つまりドラフタ7から離れる方向に拡散してしまうことを防止でき、ドラフタ7へと向けて円滑に流通させることができ、バッテリ冷却風を円滑に排出することができる。
さらに、この実施例1では、フロアパネル11の形状等の影響により、排気ダクト20のダクト断面積が屈曲位置βにおいて次第に縮小しており、空気の流通可能面積が縮小していく。これに対し、この排気ダクト20の屈曲位置β及びその下流位置に複数の通気孔21が形成されている。
そのため、排気ダクト20を流れるバッテリ冷却風の一部は、この通気孔21からダクト外へと漏れ出ることができ、ダクト断面積が次第に縮小して空気の流通可能面積が縮小しても、通気抵抗を抑制することができて、バッテリ冷却風を円滑に流すことができる。
また、この通気孔21の開口面積が、通気孔21から漏れ出るバッテリ冷却風の風量を、車室3内に大きな影響を出さず、フロアパネル11を覆うカーペット部材(不図示)の下側で分散する程度の風量とする大きさに設定されている。このため、バッテリ4を冷却した空気が漏れ出ることでの車室3への影響はほとんど生じず、乗員が違和感を感じることを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のバッテリ冷却風の排出構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車室3の下部に配置されたバッテリ4を冷却したバッテリ冷却風を、車両2に設けられたドラフタ7から車外へ排出するバッテリ冷却風の排出構造1において、
車体側部材(フロアパネル11)と内装部材13との間に形成され、前記バッテリ4と前記ドラフタ7との配置方向に沿って延びると共に、前記ドラフタ7を介して車外に連通するトリム空間10と、
前記バッテリ4に一端を接続し、前記バッテリ4から前記ドラフタ7までの間の位置で前記トリム空間10に他端を接続した排気ダクト20と、
を備える構成とした。
これにより、バッテリからドラフタまでの間を排気ダクトによって繋ぐ場合と比べて、排気ダクトの全長を短縮化し、コストを抑制することができる。
(2) 前記トリム空間10の内部には、車両用ハーネス14が配索され、
前記トリム空間10は、前記車両用ハーネス14が配索されるハーネス配索領域15と、前記車両用ハーネス14が配索されると共に前記バッテリ冷却風の流通を可能とする余裕領域16と、を有し、
前記排気ダクト20は、前記ハーネス配索領域15と前記余裕領域16との境界位置で、前記トリム空間10に接続されている構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、トリム空間10に流れ込んだバッテリ冷却風が拡散することを防止し、トリム空間10内を円滑に流れることができる。
(3) 前記排気ダクト20は、フロアパネル11から立ち上がったキックアップ部12に沿って延び、前記キックアップ部12の上側位置であって、前記キックアップ部12の上面12aに設置されたシートクッション(リヤシート5のシートクッション)の側方位置で、前記トリム空間10に接続されている構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、シートクッションの足元空間への影響を抑制し、排気ダクト20が邪魔になることを防止できる。
(4) 前記排気ダクト20は、風流れの上流側から下流側に向かってダクト断面積が小さくなるとき、前記バッテリ冷却風の一部をダクト外に逃がす通気孔21が形成されている構成とした。
これにより、(1)〜(3)の効果に加え、ダクト断面積が次第に縮小して空気の流通可能面積が縮小しても、通気抵抗を抑制することができて、バッテリ冷却風を円滑に流すことができる。
以上、本発明のバッテリ冷却風の排出構造を実施例1に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、排気ダクト20と中間部に屈曲位置βを形成し、車幅方向から車両前後方向へと延在方向が変わる例を示したが、これに限らない。排気ダクト20は、直線状に形成してもよい。
また、実施例1では、排気ダクト20をリヤシート5のシートクッションの側方位置で、トリム空間10に接続されているが、これに限らない。フロントシートのシートクッションの側方位置でトリム空間に接続してもよい。いずれのシートであっても、シートクッションの側方位置で排気ダクトをトリム空間に接続することで、シートの足回り空間への影響を抑制することができる。
1 バッテリ冷却風の排出構造
2 車両
3 車室
4 バッテリ
6 排気ファン
7 ドラフタ
10 トリム空間
11 フロアパネル(車体側部材)
12 キックアップ部
13 内装部材
14 車両用ハーネス
15 ハーネス配索領域
16 余裕領域
20 排気ダクト
21 通気孔
α 接続位置

Claims (4)

  1. 車室の下部に配置されたバッテリを冷却したバッテリ冷却風を、車両に設けられたドラフタから車外へ排出するバッテリ冷却風の排出構造において、
    車体側部材と内装部材との間に形成され、前記バッテリと前記ドラフタとの配置方向に沿って延びると共に、前記ドラフタを介して車外に連通するトリム空間と、
    前記バッテリに一端を接続し、前記バッテリから前記ドラフタまでの間の位置で前記トリム空間に他端を接続した排気ダクトと、
    を備えることを特徴とするバッテリ冷却風の排出構造。
  2. 請求項1に記載されたバッテリ冷却風の排出構造において、
    前記トリム空間の内部には、車両用ハーネスが配索され、
    前記トリム空間は、前記車両用ハーネスが配索されるハーネス配索領域と、前記車両用ハーネスが配索されると共に前記バッテリ冷却風の流通を可能とする余裕領域と、を有し、
    前記排気ダクトは、前記ハーネス配索領域と前記余裕領域との境界位置で、前記トリム空間に接続されている
    ことを特徴とするバッテリ冷却風の排出構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたバッテリ冷却風の排出構造において、
    前記排気ダクトは、フロアパネルから立ち上がったキックアップ部に沿って延び、前記キックアップ部の上側位置であって、前記キックアップ部の上面に設置されたシートクッションの側方位置で、前記トリム空間に接続されている
    ことを特徴とするバッテリ冷却風の排出構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたバッテリ冷却風の排出構造において、
    前記排気ダクトは、風流れの上流側から下流側に向かってダクト断面積が小さくなるとき、前記バッテリ冷却風の一部をダクト外に逃がす通気孔が形成されている
    ことを特徴とするバッテリ冷却風の排出構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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