JP6512552B2 - エンジン房空気誘導体 - Google Patents
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Description
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るエンジン房空気誘導体を備えた自動車の構成を示す。この自動車は、フロントガラス1と、フロントガラス1の前方に張り出すように配置されたフロントフード2と、フロントフード2の下側に対向配置された床部材3と、フロントフード2および床部材3の側部に沿って前後方向に延びるフェンダー4と、フロントフード2、床部材3およびフェンダー4の前部を覆うように配置された前壁部5と、フロントフード2、床部材3およびフェンダー4の後部を覆うように配置されたトーボード6とを有する。フェンダー4には車幅方向内側に窪むようにタイヤハウス7が形成されており、このタイヤハウス7にフロントタイヤ8が配置されている。
床部材3は、エンジン房Rの下部を全て覆うような板状のアンダーカバーから構成されている。
フロントタイヤ8は、エンジン房Rの両側部に隣接して配置されており、その下半部が床部材3の下方に突出している。
熱交換器10は、上部側取入口12aに対向配置され、上部側取入口12aからエンジン房R内に取り入れられる空気流Fとの間で熱交換を行うものでラジエターなどから構成されている。
また、冷却ダクト13と制御ダクト14は、エンジン房R内において車幅方向中央部を前後方向に延びるように形成されている。このため、制御ダクト14の後端開口18bは、図2に示すように、床部材3の車幅方向中央部に配置される。
また、床部材3には、エンジン房Rから後方へ延びるプロペラシャフトなどを収容するために車幅方向中央部において凹状のトンネル部19が前後方向に延びるように形成されている。後端開口18bの横幅Waは、トンネル部19の横幅Wbより大きくなるように形成されている。
まず、図1に示すように、自動車を前方に走行させると、その走行速度に応じた空気流Fが自動車に対して相対的に前方から後方へ向かうように生じる。空気流Fは、前壁部5の上部側取入口12aと下部側取入口12bを介してエンジン房R内に取り入れられ、上部側取入口12aから取り入れられた空気流Fが熱交換器10と接触して熱交換が行われる。一方、下部側取入口12bから取り入れられた空気流Fは、冷却ダクト13の前端開口16aに流入すると共に制御ダクト14の前端開口18aに流入する。
このようにして、温度上昇を抑制して駆動部9の後側まで誘導された空気流Fは、後端開口16bから駆動部9の後方に順次放出されるため、駆動部9の後側に配置された後部部品を確実に冷却することができる。駆動部9の後側には、例えば、電装品および樹脂部品などの耐熱性が比較的低い後部部品が配置されており、この後部部品の故障および劣化を防ぐことができる。
このようにして、後端開口18bまで誘導された空気流Fは、後端開口18bから床部材3の真下に放出される。このように、後端開口18bから空気流Fを順次放出することにより、下部側取入口12bを介して外部の空気流Fをエンジン房R内にスムーズに取り入れることができ、エンジン房R全体に空気流Fを流通させると共に前端開口18aに隣接する冷却ダクト13の前端開口16aに空気流Fを流入させることができる。また、後端開口18bから放出された空気流Fは、自動車の前方から床部材3の下側に流入して床部材3に沿って後方へ流れる空気流Faに衝突し、床部材3に沿って流れる空気流Faを床部材3から下方に剥離させる。これにより、空気流Faは、進行速度が低下され、その後に床部材3に再び付着するように上昇して床部材3に沿って後方へと流れていく。
そこで、図2に示すように、床部材3の中央部に形成された後端開口18bから下方に向けて空気流Fを放出することにより、床部材3の下側において中央部を流れる空気流Fa2を床部材3から剥離して空気流Fa2の速度を低下させる。これにより、床部材3の下側を流れる空気流Fa1およびFa2の速度が均一化されて、空気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、制御ダクト14の前端開口18aは、下部側取入口12b近傍に配置されているため、前端開口18aから導入される空気流Fの流れがエンジン房R内に配置された機器などで乱されることはなく、その流れがある程度一定方向に揃った空気流Fを導入することができる。このため、制御ダクト14は、前端開口18aから後端開口18bまで空気流Fをスムーズに誘導して床部材3の下側を流れる空気流Fa2を床部材3から容易に剥離することができる。
実施の形態1において、エンジン房空気誘導体11は、制御ダクト14の後端開口18bの後縁部近傍に床部材3から下方に突出する突出部をさらに有することが好ましい。
例えば、図3に示すように、後端開口18bの後縁部近傍に床部材3から下方に突出する板形状の突出部21を設けることができる。
本実施の形態によれば、床部材3の下側における空気流Fa2の流れを大きく乱すことなく空気流Fa2の速度を低下させることができる。
実施の形態1および2では、制御ダクト14の後端開口18bは、床部材3の真下に開くように形成されたが、床部材3から外部に露出して床部材3の下側における空気流Fa2の流れを制御できればよく、これに限られるものではない。
例えば、図4に示すように、実施の形態1の制御ダクト14において後端開口18bに換えて後端開口31を配置することができる。この後端開口31は、床部材3から斜め後方に開くように前縁部32に対して後縁部33が上方に配置されており、制御ダクト14内を誘導された空気流を斜め後方に放出するものである。
本実施の形態によれば、床部材3の下側における空気流Fa2の流れを大きく乱すことなく空気流Fa2の速度を低下させることができる。
実施の形態1〜3では、冷却ダクト13の前端開口16aと制御ダクト14の前端開口18aは、下部側取入口12bの近傍に配置されたが、エンジン房R内に取り入れられた空気流Fをダクト内に導入することができればよく、その配置は限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、実施の形態1の冷却ダクト13および制御ダクト14に換えて、冷却ダクト41および制御ダクト42を配置することができる。
制御ダクト42は、前端部から後端部に向かって冷却ダクト41の湾曲部43に沿って下方に湾曲して延びると共に後端部が床部材3から外部に露出する湾曲部45を有し、前端開口46aが駆動部9の直前において前方に開くように配置されると共に後端開口46bが床部材3から下方に開くように配置されている。これにより、制御ダクト42は、前端開口46aから導入した空気流Fを後端開口46bから放出して、床部材3の下側を流れる空気流Fa2の流れを制御することができる。
例えば、冷却ダクトの前端開口と制御ダクトの前端開口は、熱交換器10の後方において上部側取入口12aに開くように形成することもできる。
Claims (5)
- 自動車において前側が前壁部で覆われると共に下側が床部材で覆われて内部にエンジンを配置したエンジン房が形成され、前記前壁部に形成された取入口を介して前記エンジン房内に取り入れられる空気流を誘導するエンジン房空気誘導体であって、
管形状を有し、前記エンジン房内を前後方向に延びると共に中間部において後端部側が下方に向かって湾曲する湾曲部が形成され、前端部から導入した空気流を後端部から放出して前記エンジン房の後部側を冷却する冷却ダクトと、
管形状を有すると共に前記冷却ダクトの下側に一体に設けられ、後端部が前記湾曲部に沿って下方に湾曲して延びると共に前記床部材の車幅方向中央部から外部に露出し、前端部から導入した空気流を後端部から放出して前記床部材の下側における空気流の流れを制御する制御ダクトと、
を備え、
前記湾曲部の内面により前記冷却ダクト内の空気流を下方に誘導すると共に前記湾曲部の外面により前記制御ダクト内の空気流を下方に誘導するエンジン房空気誘導体。 - 前記冷却ダクトは、前記エンジンを含む駆動部より前側に前記湾曲部を有し、前記湾曲部から後端部へ延びる後半部が前記駆動部の下側を通るように配置される請求項1に記載のエンジン房空気誘導体。
- 前記制御ダクトの後端部に形成された後端開口は、前記床部材において車幅方向中央部を前後方向に延びるトンネル部より大きな横幅を有する請求項1または2に記載のエンジン房空気誘導体。
- 前記制御ダクトの後端部の後縁部近傍に前記床部材から下方に突出する突出部をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジン房空気誘導体。
- 前記制御ダクトの後端部は、前縁部に対して後縁部が上方に配置され、前記制御ダクト内を誘導された空気流を斜め後方に放出する請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン房空気誘導体。
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