JP2017190024A - サンシェード装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シェードが展開した状態において、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制可能なサンシェード装置を提供する。
【解決手段】サンシェード装置40は、パッケージトレイ20に設けられ、パッケージトレイ20に近接して配されたリアウインドウガラスを遮蔽可能なサンシェード装置40であって、パッケージトレイ20の開口部24から引き出されて、リアウインドウガラスに沿って展開可能とされたシェード41と、開口部24の奥方に配設されるとともにシェード41を巻き取ることが可能な巻取軸42と、シェード41の上端部に取り付けられるとともに開口部24を閉塞する蓋体と、を備え、開口部24に臨む位置には棒状部材45が設けられ、シェード41は、棒状部材45によって屈曲された形で開口部24から引き出されることで、展開した状態において、開口部24を覆う構成とされている。
【選択図】図5
【解決手段】サンシェード装置40は、パッケージトレイ20に設けられ、パッケージトレイ20に近接して配されたリアウインドウガラスを遮蔽可能なサンシェード装置40であって、パッケージトレイ20の開口部24から引き出されて、リアウインドウガラスに沿って展開可能とされたシェード41と、開口部24の奥方に配設されるとともにシェード41を巻き取ることが可能な巻取軸42と、シェード41の上端部に取り付けられるとともに開口部24を閉塞する蓋体と、を備え、開口部24に臨む位置には棒状部材45が設けられ、シェード41は、棒状部材45によって屈曲された形で開口部24から引き出されることで、展開した状態において、開口部24を覆う構成とされている。
【選択図】図5
Description
本発明は、サンシェード装置に関する。
従来、サンシェード装置として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に開示のサンシェード装置では、シェード本体に、シェードレールをパーセルトリムのシェード用開口部から出し入れする際にアーム部材を下方から支持するガイド手段を設けていることが開示されている。そして、このような構成により、シェード用開口部を極力小さく設定することができるため、シェード用開口部からパーセルトリムの内部構造が見えず、外観品質を向上させることができる、と記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、シェード用開口部(開口部)をシェードレール(蓋体の一部)より小さく設定することはできず、シェード用開口部を極力小さく設定するにしても限度がある。このため、シェードシート(シェード)が展開した状態においては、依然として、開口部からその内部が視認され、乗物室内の意匠性が損なわれることが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シェードが展開した状態において、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制可能なサンシェード装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のサンシェード装置は、乗物用内装材に設けられ、前記乗物用内装材に近接して配されたウインドウガラスを遮蔽可能なサンシェード装置であって、前記乗物用内装材の意匠面に開口した開口部から引き出されて、前記ウインドウガラスに沿って展開可能とされたシェードと、前記乗物用内装材の裏面側において前記開口部の奥方に配設されるとともに、前記シェードを巻き取ることが可能な巻取軸と、前記シェードの引き出し側の端部に取り付けられるとともに、前記シェードが前記巻取軸に巻き取られた状態で、前記開口部を閉塞する蓋体と、を備え、前記開口部に臨む位置には、前記巻取軸と並行して延びるとともに前記シェードをその外周面に沿って送り出すことが可能な棒状部材が設けられ、前記シェードは、前記棒状部材によって屈曲された形で前記開口部から引き出されることで、展開した状態において、前記開口部を覆う構成とされていることに特徴を有する。
本発明によれば、シェードが展開された状態において、シェードが開口部を覆う構成とされているから、蓋体が開口部を閉塞していない状態であっても、開口部から巻取軸等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。さらに、開口部を覆う部材を既存のシェードの一部で構成しているから、開口部を覆う部材の後付感がなく、全体として統一感のある意匠を呈するものとすることができる。これらの結果、サンシェード装置を設けたことに起因して、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制することができる。
上記構成において、前記棒状部材は、前記開口部において前記巻取軸から遠い側の位置に配されているものであってもよい。このような構成によれば、開口部において巻取軸から遠い側に位置する開口縁と巻取軸との間の隙間を、シェードで覆うことができ、好適に、開口部から巻取軸等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。
上記構成において、前記蓋体は、前記シェードが展開した状態において、前記シェードが前記巻取軸に巻き取られた状態より起立した姿勢に回動して、前記シェードの引き出し側の前記端部と前記ウインドウガラスとの間を遮蔽する構成であってもよい。このような構成では、シェードの引き出し側の端部とウインドウガラスとの間の隙間の大きさに応じて、蓋体の大きさを設定することが好ましく、そのような蓋体を開口部に収容する構成においては、開口部自体も大型化することが懸念される。一方、上記のような構成によれば、開口部が大型化する場合であっても、好適に、開口部からサンシェード装置の巻取軸等が視認される事態を抑制することができる。
上記構成において、前記棒状部材は、互いに並行して2本配設され、前記シェードは、2本の前記棒状部材によってS字状に屈曲された形で前記開口部から引き出されることで、展開した状態において、前記開口部を覆う構成とされていてもよい。このような構成によれば、S字状に屈曲された部分ではシェードが少なくとも2重に構成されるから、例えば、透光性を有するシェードを用いた場合であっても、より一層、開口部内が視認される事態を抑制することができる。
本発明によれば、シェードが展開した状態において、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制可能なサンシェード装置を提供することが可能となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。なお、図3における左側を車両前方とするとともに右側を車両後方とし、上側を車両上方とするとともに下側を車両下方として説明する。
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。なお、図3における左側を車両前方とするとともに右側を車両後方とし、上側を車両上方とするとともに下側を車両下方として説明する。
図1に示すように、車両(乗物の一例)10の後方には車両前方に向かうにつれて車両上方に向かう姿勢でリアウインドウガラス(ウインドウガラスの一例)12が配設されている。リアウインドウガラス12の車幅方向における両側には、それぞれ車両上下方向に沿って延在して、互いに対向状をなす一対のピラーガーニッシュ30,30が配設されている。リアウインドウガラス12の車両前方には、天井用内装材13が配設されている。リアウインドウガラス12の下側には、略水平方向に延在するパッケージトレイ(乗物用内装材の一例)20が配設されている。そして、パッケージトレイ20にはサンシェード装置40が設けられている。このサンシェード装置40は、パッケージトレイ20に近接して配されたリアウインドウガラス12を遮蔽可能な構成とされている。
パッケージトレイ20は、図4に示すように、ボード状の基材21と、基材21の上面に貼着されて意匠面22Aを構成する表皮材22とで構成されている。パッケージトレイ20は、板状部材とされ、板厚方向(車両上下方向)に貫通する形で形成されたパッケージトレイ側開口部22Bを有している。パッケージトレイ側開口部22Bは、車幅方向に長手状をなし、平面視にて、後述する蓋体43の外形と同様の形状とされている(図1参照)。本実施形態では、このパッケージトレイ側開口部22Bは、後述するケース50で一部閉塞されており、ケース50で閉塞されていない部分が、パッケージトレイ20の意匠面22Aに開口する開口部24とされる。開口部24の車両前方にはスピーカ14やダクト(不図示)といった各種機能部品が配設されている。また、開口部24の車両後方には荷室空間15が形成されている。パッケージトレイ20は、その車両下方に位置する車体パネル16に対して締結部材26を介して取り付けられている。
ピラーガーニッシュ30,30には、図1及び図2に示すように、サンシェード装置40(その蓋体43)のスライド移動を案内する一対の案内部31,31が設けられている。案内部31は、蓋体43の摺動部43Aと嵌合可能な態様で、ピラーガーニッシュ30に凹設された溝状をなしている。案内部31は、ピラーガーニッシュ30の下端から上端にかけて延設されている。この案内部31は、車両後方に向けて膨らむように湾曲する形で延設されている(図3参照)。なお、サンシェード装置40は、案内部31の湾曲形状によって、後述する蓋体43の回動が実現可能とされており、その回動態様については後に説明する。
サンシェード装置40は、図2及び図3に示すように、シェード41と、シェード41を巻き取ることが可能な巻取軸42と、シェード41の上端部(引き出し側の端部)41Aに取り付けられた蓋体43と、を備えている。また、サンシェード装置40は、巻取軸42を回転可能に収容するとともに、巻取軸42でシェード41を巻き取ることで、シェード41を格納可能なケース50を、更に備えている。以下の説明においては、シェード41が巻取軸42に巻き取られた状態を格納状態と呼び(図3及び図5においてその外形を二点鎖線で示す)、シェード41がリアウインドウガラス12に沿って展開された状態を展開状態と呼ぶ。
ケース50は、図4及び図5に示すように、金属板材を角筒状に形成してなり、巻取軸42を回転可能に支持する構成とされている。ケース50は、パッケージトレイ20と同様に、車体パネル16に対して締結部材58を介して取り付けられている。そして、ケース50の上面には、シェード41を上方かつ前方に引き出すためのケース側開口部51が設けられている。ケース側開口部51は、パッケージトレイ20に設けられたパッケージトレイ側開口部22Bと連通する形で、車室内側に向けて開放されている。
ケース側開口部51は、図4及び図5に示すように、その車両前側に位置する前側開口縁53が、車両前方に向けてフランジ状に延設されるとともに、その車両後側に位置する後側開口縁54が、車両後方に向けてフランジ状に延設されている。前側開口縁53は、パッケージトレイ側開口部22Bの車両前側の開口縁の上方に重なる構成とされている。また、後側開口縁54は、パッケージトレイ側開口部22Bの車両後側の部分を閉塞するようにして、パッケージトレイ側開口部22Bの車両後側の開口縁の下方に重なる構成とされている。本実施形態では、ケース側開口部51は、車両前後方向における幅寸法が、パッケージトレイ側開口部22Bの幅寸法より小さいものとされるとともに、パッケージトレイ側開口部22Bの車両前側の部分と重畳する位置に配されている。つまり、本実施形態では、開口部24は、概ねケース側開口部51内の領域となっている。
後側開口縁54は、図4及び図5に示すように、蓋体43の車両後側の部分における下面に倣う形状とされ、蓋体43の車両後側の部分を下方から支持する構成とされている。また、前側開口縁53と後側開口縁54の車室内側に臨む面、つまり、上面及び開口内面は、パッケージトレイ20の表皮材22と同じ色調の不織布56で被覆されている。
シェード41は、図2及び図3に示すように、可撓性を有するシート状部材からなり、パッケージトレイ20の開口部24から引き出されて、リアウインドウガラス12に沿って展開可能とされている。シェード41を構成するシート状部材としては、例えば、半透明シート、不透明シート、メッシュシート、織布、不織布等を使用することができる。このようなシート状部材の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の合成樹脂材料を使用することができる。
巻取軸42は、図4及び図5に示すように、シェード41をその周囲に巻き取ることが可能な円筒状の部材によって構成されている。本実施形態では、巻取軸42は、図5における断面視にて、時計回りに回転して、その車両後端(図5における2時の位置42A)からシェード41を巻き取る構成とされている。巻取軸42の内部には、シェード41をケース50の内部に巻き取る方向に付勢するための図示しないコイルバネが内蔵されている。この巻取軸42は、ケース50に収容され、シェード41をその周囲に巻き取ることで、シェード41をケース50内に格納可能な構成とされている。
巻取軸42は、図4及び図5に示すように、パッケージトレイ20の裏面側において開口部24の奥方(車両下方)に、その軸線が車幅方向に沿って延びる姿勢で配設されている。巻取軸42は、車両上下方向について、少なくともその一部が開口部24と重なる位置に配されている。詳細には、巻取軸42は、車両上下方向について、その車両後側の半分程度が開口部24と重なる構成とされ、巻取軸42からシェード41が繰り出される位置42Aが開口部24と重なる位置に配されている。
蓋体43は、図2及び図3に示すように、長尺の板状部材からなり、シェード41が巻取軸42に巻き取られた状態で、開口部24を閉塞する構成とされている。蓋体43の上側の板面は、フラット状の意匠を呈する意匠面とされている。このような構成により、蓋体43は、シェード41の格納状態において、パッケージトレイ20の意匠面22Aと略面一状をなし、開口部24の上方を覆う蓋のような役目を果たす(図1参照)。
蓋体43には、図4に示すように、その下側の板面から膨出する形で膨出部43Bが設けられている。膨出部43Bは、板面の幅方向における略中央に、長尺方向に沿って延びる形で延設されており、その下端部付近に、シェード41の上端部41Aが取り付けられている。このような構成により、蓋体43は、サンシェード装置40の展開状態において、リアウインドウガラス12の上部でシェード41を展開支持するフレームの役目を果たす。蓋体43の膨出部43Bは、サンシェード装置40の格納状態において、開口部24内に収容されるようにして巻取軸42の直上に位置する。このような構成により、サンシェード装置40の格納状態において、各部をコンパクトにレイアウト可能となっている。
蓋体43には、図2に示すように、車幅方向両側に突出する形で、案内部31に沿って摺動可能とされた摺動部43Aが設けられている。摺動部43Aは、後述するギヤードワイヤ49に接続され、ギヤードワイヤ49の変位に伴って、案内部31内を摺動する構成とされている。このような構成により、蓋体43は、格納状態と展開状態との間で、案内部31に沿ってスライド移動可能となっている。
蓋体43は、図3に示すように、展開状態において、格納状態より起立した姿勢に回動して、シェード41の上端部41Aとリアウインドウガラス12との間を遮蔽する構成とされている。この蓋体43は、その後側辺部43Cが起立姿勢においてリアウインドウガラス12の車室内面に沿うようにして、その両端部が端側に向かうにつれて緩やかに傾斜する形をなしている。
続いて、サンシェード装置40が格納状態から展開状態に変更される態様について説明する。
図2に示すように、リアウインドウガラス12の下部にはモータ47が配設されており、このモータ47の駆動軸にはピニオンギヤ48が取り付けられている。このピニオンギヤ48には、当該ピニオンギヤ48が回転することで一対の案内部31,31の内側に沿って上下方向に駆動されるギヤードワイヤ49が噛み合っている。このギヤードワイヤ49の先端には、上記した摺動部43Aが取り付けられている。
図2に示すように、リアウインドウガラス12の下部にはモータ47が配設されており、このモータ47の駆動軸にはピニオンギヤ48が取り付けられている。このピニオンギヤ48には、当該ピニオンギヤ48が回転することで一対の案内部31,31の内側に沿って上下方向に駆動されるギヤードワイヤ49が噛み合っている。このギヤードワイヤ49の先端には、上記した摺動部43Aが取り付けられている。
したがって、モータ47の駆動力によってピニオンギヤ48が正転あるいは逆転すると、ギヤードワイヤ49の先端に取り付けられた摺動部43Aが案内部31に沿って上方向あるいは下方向に駆動される。これにより、蓋体43を、摺動部43Aと共に、その格納状態と展開状態の間において、車両上下方向にスライドさせることが可能となっている。
蓋体43が車両上方かつ前方に向けてスライド移動すると、シェード41は巻取軸42から引き出されて、蓋体43に追従する態様でその上端部41Aが車両上方かつ前方に向けて移動する。そして、シェード41が蓋体43と巻取軸42との間で張設される。すると、シェード41は、リアウインドウガラス12に沿って展開した状態となり、シェード41でリアウインドウガラス12から車室内に向かう光や、車室側からの視線を遮蔽可能となっている。
また、蓋体43は、湾曲形状をなす案内部31に沿ってスライド移動する過程で、案内部31の湾曲に伴って、後側辺部43Cが上方に向けて回動する。すると、蓋体43は、シェード41とリアウインドウガラス12との間の間隙Gを埋めるような姿勢となり、蓋体43でシェード41とリアウインドウガラス12との間の間隙Gから車室内に向かう光を遮蔽可能となっている。
ところで、サンシェード装置40は、その格納状態では、パッケージトレイ20の開口部24を蓋体43で閉塞するが、その展開状態では、開口部24から蓋体43が外れた状態となる。このため、サンシェード装置40の展開状態において、リアウインドウガラス12の車室外側の者、或いは、後部座席の乗員から開口部24内が視認され、車室内の意匠性が損なわれることが懸念される。このため、サンシェード装置40の展開状態において、開口部24内が視認されないようにするための対策が求められる。特に、サンシェード装置40を限られたスペース内においてスピーカ14等の他の部品と干渉することなく配置するために、開口部24の奥方にサンシェード装置40の各部を集約して配置するような場合には、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態が発生し易く、そのような対策が特に必要とされる。そこで、本願発明者は、鋭意検討した結果、パッケージトレイ20の開口部24に臨む位置に棒状部材45を設け、シェード41の一部を用いて開口部24を覆う構成のサンシェード装置40を、新たに開発した。
棒状部材45は、図4及び図5に示すように、巻取軸42と並行して延びるとともにシェード41をその外周面46に沿って送り出すことが可能な構成とされている。具体的には、棒状部材45は、その中心を軸として回転自在なシャフトであり、シェード41の引き出し及び巻き取りに伴って回転する構成とされている。棒状部材45は、開口部24内において、ケース50のケース側開口部51付近に取り付けられている。
棒状部材45は、互いに並行して2本配設されている。以下の説明では、2本の棒状部材45のうち、相対的に車両後方に配されたものを第1棒状部材45Aと呼び、相対的に車両前方に配されたものを第2棒状部材45Bと呼び、これらを総称する場合には単に棒状部材45と呼ぶ。
棒状部材45のうち、第1棒状部材45Aは、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に配されている。本実施形態では、第1棒状部材45Aは、開口部24における車両後側の位置、つまり、ケース側開口部51の後側開口縁54付近に配されている。言い換えれば、第1棒状部材45Aは、シェード41の展開状態における巻取軸42からの位置42Aより、車両後方に位置している。また、第2棒状部材45Bは、開口部24における車両前側の位置、つまり、ケース側開口部51の前側開口縁53付近に配されている。このように、第1棒状部材45Aと第2棒状部材45Bとは、車両前後方向において、開口部24の幅方向両側にそれぞれ配されている。
また、第1棒状部材45A及び第2棒状部材45Bは、格納状態における蓋体43の下面に沿って並列して配され、蓋体43をそれぞれ下方から支持可能な構成とされている。なお、「蓋体43を下方から支持可能」とは、蓋体43の格納状態においてこれを下方から支持する態様であってもよく、蓋体43が不測に開口部24の奥方に変位しようとする際に、これを下方から支持する態様であってもよい。本実施形態では、格納状態において、第1棒状部材45Aは蓋体43を下方から支持する一方、第2棒状部材45Bは蓋体43から離間してその下方に位置して、蓋体43が不測に開口部24の奥方に変位しようとする際に、これを下方から支持する構成とされている。
シェード41は、図5に示すように、棒状部材45によって屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。本実施形態では、シェード41は、2本の棒状部材45A,45BによってS字状に屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。詳細には、シェード41は、巻取軸42から車両上方に引き出された後に、第2棒状部材45Bの外周面46に沿って車両後方に向けて屈曲されるとともに、第1棒状部材45Aの外周面46に沿って車両前方に向けて屈曲された形とされる。シェード41のうち、S字状に屈曲された部分(以下、屈曲部41Bと呼ぶ)は、シェード41が2重に折り返されたような態様となっている。また、シェード41は、棒状部材45によって遠回りした形で、開口部24から引き出される構成とも言える。なお、「棒状部材45によって遠回りした形」とは、シェード41が棒状部材45と係合せずにそのままの開口部24から引き出される経路に比べて、シェード41の経路が棒状部材45によって遠回りしている状態を意味している。
そして、シェード41は、図5に示すように、展開した状態において、開口部24を覆う構成とされている。具体的には、シェード41は、開口部24内に屈曲部41Bが位置してこれを閉塞するとともに、第1棒状部材45Aの車両後方、つまり、巻取軸42の繰り出し位置42Aより車両後方から車両上方かつ前方に向けて引き出される構成とされている。ところで、サンシェード装置40は、シェード41の展開に伴って、巻取軸42に巻き取られたシェード41の巻き数が低減し、巻取軸42の周囲に配されたシェード41の厚さ寸法が低減する。すると、巻取軸42の周囲には、繰り出されたシェード41の量に応じて隙間Cが生じることとなる。本実施形態では、巻取軸42は、その車両後側の半分程度が開口部24と重なる構成とされているから、巻取軸42の車両後方において、開口部24と重なる位置に隙間Cが形成される。シェード41は、そのような隙間Cに対してその車両上方に回り込んで、当該隙間Cを覆う構成とされている。
続いて、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、シェード41が展開された状態において、シェード41が開口部24を覆う構成とされているから、蓋体43が開口部24を閉塞していない状態であっても、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。さらに、開口部24を覆う部材を既存のシェード41の一部である屈曲部41Bで構成しているから、開口部24を覆う部材の後付感がなく、全体として統一感のある意匠を呈するものとすることができる。これらの結果、サンシェード装置40を設けたことに起因して、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制することができる。
本実施形態では、シェード41が展開された状態において、シェード41が開口部24を覆う構成とされているから、蓋体43が開口部24を閉塞していない状態であっても、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。さらに、開口部24を覆う部材を既存のシェード41の一部である屈曲部41Bで構成しているから、開口部24を覆う部材の後付感がなく、全体として統一感のある意匠を呈するものとすることができる。これらの結果、サンシェード装置40を設けたことに起因して、乗物室内の意匠性が損なわれる事態の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、棒状部材45は、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に配されている。このため、開口部24において巻取軸42から遠い側に位置する後側開口縁54と巻取軸42との間の隙間Cを、シェード41で覆うことができ、好適に、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、蓋体43は、シェード41が展開した状態において、シェード41が巻取軸42に巻き取られた状態より起立した姿勢に回動して、シェード41の上端部41Aとリアウインドウガラス12との間を遮蔽する構成である。このような構成では、シェード41の上端部41Aとリアウインドウガラス12との間の間隙Gの大きさに応じて、蓋体43の大きさを設定することが好ましく、そのような蓋体43を開口部24に収容する構成においては、開口部24自体も大型化することが懸念される。一方、上記のような構成によれば、開口部24が大型化する場合であっても、好適に、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、棒状部材45A,45Bは、互いに並行して2本配設され、シェード41は、2本の棒状部材45A,45BによってS字状に屈曲された形で開口部24から引き出されることで、展開した状態において、開口部24覆う構成とされている。このため、S字状に屈曲された屈曲部41Bではシェード41が少なくとも2重に構成されるから、例えば、透光性を有するシェード41を用いた場合であっても、より一層、開口部24内が視認される事態を抑制することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。本実施形態では、実施形態1とは棒状部材の構成が異なるサンシェード装置140を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。本実施形態では、実施形態1とは棒状部材の構成が異なるサンシェード装置140を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
棒状部材145は、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に1本配されている。つまり、棒状部材145は、実施形態1の第1棒状部材45Aに相当する態様とされており、その説明を省略する。
シェード41は、棒状部材145によって屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。本実施形態では、シェード41は、棒状部材145によってL字状に屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。詳細には、シェード41は、巻取軸42から車両上方に引き出された後に、棒状部材145の外周面146に沿って車両前方に向けて屈曲された形とされる。そして、シェード41は、展開した状態において、L字状に屈曲した部分141Bが、開口部24を覆う構成とされている。
本実施形態では、棒状部材145を1本設けて、シェード41をL字状に屈曲させるという簡易な構成で、特に車室外側から開口部24内が視認される事態を、好適に抑制することができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図7によって説明する。本実施形態では、巻取軸42が車両上下方向について、その車両前側の半分程度が開口部24と重なる配置構成であるサンシェード装置240を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次に、本発明の実施形態3を図7によって説明する。本実施形態では、巻取軸42が車両上下方向について、その車両前側の半分程度が開口部24と重なる配置構成であるサンシェード装置240を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
棒状部材245は、互いに並行して2本配設されている。以下の説明では、2本の棒状部材245のうち、相対的に車両前方に配されたものを第1棒状部材245Aと呼び、相対的に車両後方に配されたものを第2棒状部材245Bと呼び、これらを総称する場合には単に棒状部材245と呼ぶ。
棒状部材245のうち、第1棒状部材245Aは、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に配されている。本実施形態では、第1棒状部材245Aは、開口部24における車両前側の位置、つまり、ケース側開口部51の前側開口縁53付近に配されている。また、第2棒状部材245Bは、開口部24における車両後側の位置、つまり、ケース側開口部51の後側開口縁54付近に配されている。このように、第1棒状部材245Aと第2棒状部材245Bとは、車両前後方向において、開口部24の幅方向両側にそれぞれ配されている。
シェード41は、棒状部材245によって屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。本実施形態では、シェード41は、2本の棒状部材245A,245BによってS字状に屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。詳細には、シェード41は、巻取軸42から車両上方に引き出された後に、第1棒状部材245Aの外周面246に沿って車両後方に向けて屈曲されるとともに、第2棒状部材245Bの外周面246に沿って車両前方に向けて屈曲された形とされる。
そして、シェード41は、展開した状態において、開口部24を覆う構成とされている。具体的には、シェード41は、開口部24内に屈曲部241Bが位置してこれを閉塞するとともに、第2棒状部材45Aの車両後方から車両上方かつ前方に引き出される構成とされている。本実施形態では、巻取軸42は、その車両前側の半分程度が開口部24と重なる構成とされているから、巻取軸42の車両前方において、開口部24と重なる位置に隙間Cが形成されることとなる。シェード41は、そのような隙間Cに対してその車両上方に回り込んで、当該隙間Cを覆う構成とされている。
また、本実施形態では、棒状部材245は、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に配されている。このため、開口部24において巻取軸42から遠い側に位置する前側開口縁53と巻取軸42との間の隙間Cを、シェード41で覆うことができ、好適に、開口部24から巻取軸42等の内部構造が視認される事態を抑制することができる。本実施形態では、特に後部座席の乗員から開口部24内が視認される事態を、好適に抑制することができる。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図8によって説明する。本実施形態では、実施形態3とは棒状部材の構成が異なるサンシェード装置340を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次に、本発明の実施形態4を図8によって説明する。本実施形態では、実施形態3とは棒状部材の構成が異なるサンシェード装置340を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
棒状部材345は、開口部24において巻取軸42から遠い側の位置に1本配されている。つまり、棒状部材345は、実施形態3の第1棒状部材245Aに相当する態様とされており、その説明を省略する。
シェード41は、棒状部材345によって屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。本実施形態では、シェード41は、棒状部材345によってV字状に屈曲された形で開口部24から引き出される構成とされている。詳細には、シェード41は、巻取軸42から車両上方かつ前方に引き出された後に、棒状部材345の外周面346に沿って車両後方かつ下方に向けて屈曲された形とされる。そして、シェード41は、展開した状態において、V字状に屈曲した部分341Bが、開口部24を覆う構成とされている。なお、本実施形態では、シェード41は、屈曲された後に、巻取軸42(その周囲に巻き取られたシェード41)の下方から上方に回り込んで、開口部24から引き出されている。
本実施形態では、棒状部材345を1本設けて、シェード41をV字状に屈曲させるという簡易な構成で、特に後部座席の乗員から開口部24内が視認される事態を、好適に抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、棒状部材の構成、配設数、配置は適宜変更可能である。上記実施形態では、棒状部材が回転自在の構成とされるものを例示したが、棒状部材は、シェードのすべりの良い材質のもので回転不能な構成とされてもよい。また、上記実施形態では、棒状部材はケースに取り付けられているものを例示したが、棒状部材は開口部に臨む位置に配されていれば、ケース以外の部品に取り付けられていてもよい。
(2)上記実施形態以外にも、シェードの構成、棒状部材による屈曲態様、巻取軸による巻き取り態様は適宜変更可能である。例えば、シェードが巻取軸に巻き取られる方向は上記実施形態のものと反対向きであってもよい。また、開口部の大きさや、巻取軸と開口部との位置関係に応じて、シェードの屈曲部の大きさ、形状を適宜設定可能である。
(3)上記実施形態以外にも、蓋体の構成は適宜変更可能である。例えば、蓋体は、膨出部を有していない構成であってもよく、また、シェードが展開した状態において、シェードが巻取軸に巻き取られた状態より起立した姿勢に回動しないものであってもよい。さらに、蓋体が起立した姿勢に回動する機構は、上記実施形態のもの以外の機構であってもよい。
(4)上記実施形態以外にも、開口部の構成、形状は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、開口部がケース側開口部内の領域とされるものを例示したが、開口部はパッケージトレイ側開口部内の領域とされるものであってもよい。また、開口部は、貫通孔に限られず、蓋体を収容可能な態様でパッケージトレイに凹設された凹部によってその一部が構成されていてもよい。
(5)上記実施形態以外にも、シェードの格納状態と展開状態とを変更する構成は適宜設計可能である。例えば、折り畳み自在の複数のアーム部材によって伸縮自在に構成されたアーム手段によって、蓋体をスライド移動させ、シェードの格納状態と展開状態とを変更する構成であってもよい。また、上記実施形態では、蓋体をモータの駆動力によって移動させる例について説明したが、蓋体を手動で移動させてもよい。
(6)上記各実施形態で例示したサンシェード装置は、車両用に限定されず、ウインドウガラスを備える種々の乗物に搭載することが可能である。
(7)上記各実施形態では、リアウインドウガラスを覆うサンシェード装置を例示したが、これに限定されない。例えば、サイドウインドウガラスを覆うサンシェード装置に本発明を適用してもよい。また、シェードの展開方向及び収容方向は上下方向に限定されない。
12…リアウインドウガラス(ウインドウガラス)、20…パッケージトレイ(乗物用内装材)、22A…意匠面、24…開口部、40,140,240,340…サンシェード装置、41…シェード、41A…上端部(引き出し側の端部)、42…巻取軸、43…蓋体、45,45A,45B,145,245,245A,245B,345…棒状部材、46,146,246,346…外周面
Claims (4)
- 乗物用内装材に設けられ、前記乗物用内装材に近接して配されたウインドウガラスを遮蔽可能なサンシェード装置であって、
前記乗物用内装材の意匠面に開口した開口部から引き出されて、前記ウインドウガラスに沿って展開可能とされたシェードと、
前記乗物用内装材の裏面側において前記開口部の奥方に配設されるとともに、前記シェードを巻き取ることが可能な巻取軸と、
前記シェードの引き出し側の端部に取り付けられるとともに、前記シェードが前記巻取軸に巻き取られた状態で、前記開口部を閉塞する蓋体と、を備え、
前記開口部に臨む位置には、前記巻取軸と並行して延びるとともに前記シェードをその外周面に沿って送り出すことが可能な棒状部材が設けられ、
前記シェードは、前記棒状部材によって屈曲された形で前記開口部から引き出されることで、展開した状態において、前記開口部を覆う構成とされていることを特徴とするサンシェード装置。 - 前記棒状部材は、前記開口部において前記巻取軸から遠い側の位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
- 前記蓋体は、前記シェードが展開した状態において、前記シェードが前記巻取軸に巻き取られた状態より起立した姿勢に回動して、前記シェードの引き出し側の前記端部と前記ウインドウガラスとの間を遮蔽する構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード装置。
- 前記棒状部材は、互いに並行して2本配設され、
前記シェードは、2本の前記棒状部材によってS字状に屈曲された形で前記開口部から引き出されることで、展開した状態において、前記開口部を覆う構成とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンシェード装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016079775A JP2017190024A (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | サンシェード装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2016079775A Pending JP2017190024A (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | サンシェード装置 |
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-
2016
- 2016-04-12 JP JP2016079775A patent/JP2017190024A/ja active Pending
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