JP2017189628A - 調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内側部の中央部分に載置した食材に充分な熱量を加えることにより、調理状態を向上させることができる、調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器を提供する。
【解決手段】蒸し具100は、内鍋10の周縁部に懸架されることにより内鍋10に収容され、内鍋10が加熱手段により加熱されて内鍋10で生じる蒸気により食材を調理するものであって、その上端部111が内鍋10の周縁部に懸架される外側部110と、外側部110の内側に形成される有底筒状の内側部120と、内側部120の外周端部と内鍋10の側壁との間に形成される複数の開口部140・140・・と、を備え、内側部120の略中央部上面には、上方に突出する突起部130が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器の技術に関し、より詳細には、調理鍋の内部で食材を蒸して調理を行う蒸し具、及び、蒸し具を内部に収容して炊飯を行う炊飯器の技術に関する。
従来、調理鍋の内部に収容した状態で調理鍋を加熱し、調理鍋の内部で生じる蒸気により食材を調理する調理鍋用蒸し具が知られている。また、調理鍋用蒸し具を用いる調理鍋として、炊飯器の内鍋を使用する技術についても公知となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−196427号公報
前記従来技術に係る調理鍋用蒸し具は、調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、外側部の内周側に形成される有底筒状の内側部と、外側部と内側部との間に形成される複数の開口部と、を備えている。そして、内側部に食材を載置した状態で調理鍋を加熱して、調理鍋の内部の水を沸騰させることにより、開口部から流入する蒸気で食材を調理するのである。
しかし、前記の構成によれば、開口部が内側部よりも外側に配置されているため、調理用蒸し具の径が大きくなった場合に、開口部から流入する蒸気が内側部の中央部分に充分に流れないことがある。この場合、内側部の中央部分に載置した食材に加える熱量が不足し、調理状態が悪くなるという問題があった。
本発明は、上記の状況を鑑み、内側部に載置した食材に充分な熱量を加えることにより、調理状態を向上させることができる、調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、調理鍋の周縁部に懸架されることにより前記調理鍋に収容され、前記調理鍋が加熱手段により加熱されて前記調理鍋内で生じる蒸気により食材を調理する、調理鍋用蒸し具であって、その上端部が前記調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、前記外側部の内側に形成される有底筒状の内側部と、前記内側部の外周端部と前記調理鍋の側壁との間に形成される複数の開口部と、を備え、前記内側部の略中央部上面には、上方に突出する突起部が形成されるものである。
請求項2においては、前記内側部の略中央部下面には、前記突起部と略同形状の窪みが形成されるものである。
請求項3においては、前記外側部は、その下部が前記調理鍋に収容される筒状に形成され、前記突起部は、前記外側部の上端部よりも低く形成されるものである。
請求項4においては、前記突起部には、前記突起部の上部と前記内側部の下面とを連通する連通孔が開口されるものである。
請求項5においては、前記突起部における連通孔は、前記内側部の側面部の高さよりも高い位置に形成されるものである。
請求項6においては、前記外側部と前記内側部とは分割可能に形成され、前記外側部と前記内側部との間に前記開口部が形成されるものである。
請求項7においては、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の調理用蒸し具と、前記調理鍋として、その周縁部に前記調理用蒸し具を懸架することにより前記調理用蒸し具を収容する、内鍋と、前記加熱手段として、前記内鍋を加熱する、内鍋加熱手段と、を備えるものである。
請求項8においては、前記突起部の外径は、前記内鍋加熱手段の外径よりも小さく形成されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器によれば、内側部の中央部分に載置した食材に充分な熱量を加えることにより、調理状態を向上させることができる。
第一実施形態に係る蒸し具を用いた電気炊飯器の全体的な構成を示した側面断面図。 (a)、(b)はそれぞれ、第一実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 (a)は第一実施形態に係る蒸し具と電気炊飯器の蓋体との関係を示した側面断面図、(b)は内蓋を示した底面図、(c)は(b)におけるA−A線断面図。 (a)、(b)はそれぞれ、第二実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 (a)、(b)はそれぞれ、第三実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 第三実施形態に係る蒸し具を分離した状態の断面図。
[炊飯器1]
まず、本発明に係る調理用蒸し具の第一実施形態である蒸し具100を用いた炊飯器1の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
なお、以下の説明では、図1における左側を炊飯器1の前側とし、図1における右側を炊飯器1の後側として前後方向を規定する。また、図1における手前側を炊飯器1の左側とし、図1における奥側を炊飯器1の右側として左右方向を規定する。
炊飯器1は、米粒と水とを含む被調理物を、電気を用いて調理する調理器具である。図1に示すように、炊飯器1は、主として、内鍋10と、炊飯器本体20と、蓋体30と、図示しないマイコン制御装置と、により構成される。
内鍋10は、その内部に炊飯器1の被調理物である米粒と水とを収容する部材である。内鍋10は、磁性体金属又は磁性体金属を含有する金属製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。なお、内鍋10は、土鍋等セラミック製であってもよい。本実施形態に係る内鍋10は図1に示す如く、蒸し具100がその周縁部に懸架されて収容されている。
炊飯器本体20は、炊飯器1の主たる構造体を成す部材である。炊飯器本体20は、主として、外ケース21と、肩部材22と、底部材23と、内ケース24と、により構成される。
炊飯器本体20の外ケース21は、炊飯器本体20の外周面の外装(外壁)を成す部材である。外ケース21は、ステンレス等の金属製で、上下側面が開口された筒状に形成される。
炊飯器本体20の肩部材22は、炊飯器本体20の上端部(肩部)を成す部材である。肩部材22は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、上下側面が開口された概ね筒状に形成される。肩部材22は、外ケース21の上方に配置されて、下端部が外ケース21の上端部に固定される。肩部材22の後端部には、把持部51やヒンジ部52等が配設される。また、肩部材22の前端部には、操作パネル部53等が配設される。
操作パネル部53は、炊飯や、保温や、メニュー選択等の炊飯器1の機能に関する各種のスイッチ55が配設される。ユーザーは、各種のスイッチ55の操作によって、炊飯器1の機能を適宜に実行させることができる。また、操作パネル部53には、液晶表示部61が配設される。液晶表示部61には、ユーザーによって選択された炊飯器1の機能等が表示される。操作パネル部53の下方(外ケース21の内側)には、操作基板62が配設される。
炊飯器本体20の底部材23は、炊飯器本体20の底部(下側面)を成す部材である。底部材23は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、板面を上下方向へ向けた概ね平板状に形成される。底部材23は、外ケース21の下端部に固定され、外ケース21の下側の開口部を被覆している。
炊飯器本体20の内ケース24は、炊飯器本体20の内周面(内壁)を成し、その内部に内鍋10を収容する部材である。内ケース24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。
なお、内ケース24と外ケース21及び底部材23との間、即ち炊飯器本体20の内部には、炊飯器1を構成する各部材が配設される。例えば、炊飯器本体20の内部には、内ケース24の前方に後述する制御基板63が配設される。さらに、炊飯器本体20の内部には、内鍋加熱手段であるワークコイル64や、保温ヒータ65や、内鍋温度検出手段であるセンタセンサ66等が配設される。
ワークコイル64は、内ケース24の内部に収容された内鍋10を加熱する内鍋加熱手段である。ワークコイル64は、それぞれ環状に形成された底部コイル67と、コーナーコイル68と、より構成される。底部コイル67は、側面視で内ケース24の略中央の下方に配置される。コーナーコイル68は、側面視で内ケース24の外側端部の下方に配置される。底部コイル67及びコーナーコイル68は、渦電流を発生可能に構成され、内ケース24の内部に収容された内鍋10が、底部コイル67及びコーナーコイル68の渦電流と内鍋10の電気抵抗とによって発熱(加熱)するように構成される。
なお、本実施形態においては、炊飯器1における内鍋加熱手段をIH(Induction Heating:誘導加熱)式であるものとして構成しているが、内鍋10の加熱方法はIH式に限定されるものではない。即ち、内鍋加熱手段を電熱ヒータ等として内鍋10を加熱する構成としても差し支えない。
保温ヒータ65は、内鍋10の内部で調理された被調理物を主に保温(加熱)する部材である。保温ヒータ65は、リング状に形成され、内ケース24の上下中途部の外方に巻装される。
センタセンサ66は、内鍋10の温度を検出する内鍋温度検出手段である。センタセンサ66は、内ケース24の下側面の略中央に開口された開口部54から、上方へ向けて突出される。センタセンサ66の上端部は、内ケース24の内部に収容された内鍋10の下側面に当接する。
蓋体30は、炊飯器1の天部(上側面)を成す部材である。蓋体30は、肩部材22の上側の開口部を被覆するとともに、前記ヒンジ部52を介して当該肩部材22(ひいては炊飯器本体20)に対して開閉可能に支持される。蓋体30は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製であり、主として、円盤状に形成されて蓋体30の上面を成す上板31と、環状に形成されて蓋体30の下面を成す下板32と、により構成される。環状に形成された下板32の側面視で中央には、金属製の放熱板34が配設される。放熱板34には、蓋ヒータ35が配設される。また、下板32の下方には、内カバー33が配設される。
蓋体30の内カバー33は、内鍋10からのふきこぼれ等を防止する部材である。内カバー33は、金属製で、円盤状に形成される。内カバー33は、下板32に着脱可能に取り付けられる。内カバー33は、蓋体30が炊飯器本体20に対して閉塞した状態で、内鍋10の上側縁部を略密閉するように構成される。内カバー33の略中央部にはパッキン36が介挿されており、このパッキン36から内鍋10の内部で生じた蒸気を放出可能としている。
蓋体30の蓋ヒータ35は、放熱板34を加熱して、その熱伝導によって内カバー33を加熱する部材である。蓋ヒータ35は、リング状に形成され、放熱板34の上面側に載置される。
上記の如く構成した炊飯器1において炊飯を行う際には、まず、使用者によって内鍋10の内部に米と水とが入れられる。その後、使用者によって操作パネル部53におけるスイッチ55が操作されてメニューが選択され、炊飯開始操作が行われる。そして、マイコン制御装置がセンタセンサ66で検出する内鍋10の温度等に基づいて、ワークコイル64による内鍋10の加熱出力及び加熱時間を制御する。具体的には、高出力で内鍋10を加熱する炊き上げ工程や加熱を休止する休止工程、蒸らし工程等を経て、内鍋10の内部において炊飯を行うのである。
[蒸し具100]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第一実施形態である蒸し具100について、図1から図3を用いて説明する。蒸し具100は図1に示す如く、本実施形態における調理鍋である内鍋10の周縁部に懸架されることにより、内鍋10に収容される耐熱樹脂製の部材である。そして、前記の如く内鍋10がワークコイル64等の加熱手段により加熱されて内鍋10の内部で生じる蒸気(図2(a)中の矢印Vo・Vo・・)により、蒸し具100の内部に載置した食材(図2(a)中の固体食材Ms及び液体食材Ml)を調理するのである。本実施形態における蒸し具100は耐熱樹脂製とするが、セラミック等の他の耐熱素材を用いることも可能である。
なお、本実施形態においては蒸し具100を炊飯器1と共に使用する構成について説明するが、本発明に係る調理用蒸し具は炊飯器と別に使用することも可能である。この場合、内部に水を入れた調理鍋の周縁部に蒸し具100を懸架し、調理鍋を加熱手段により加熱する。これにより、調理鍋の内部で生じる蒸気により、蒸し具100の内部に載置した食材を調理するのである。
蒸し具100は、その上端における最外周部に形成される外側部110と、外側部110の内側に形成される内側部120と、内側部120の外側に形成される複数の開口部140・140・・と、を備える。
外側部110は、その外径が内鍋10の内径と略同径か幾分小さい円環状(短円筒状)に形成されることにより、内鍋10に挿入可能に構成される。そして、外側部110の上端部111が拡径して、内鍋10の周縁部よりも大きく形成されることにより、上端部111が内鍋10の周縁部に掛止される。即ち、蒸し具100は図1に示す如く内鍋10の周縁部に懸架可能に構成されている。
なお、本実施形態に係る外側部110は円環状に形成しているが、内鍋10に懸架可能であれば他の構成とすることも可能である。例えば、外側部を複数の掛止板やフック等により構成することにより、蒸し具100を内鍋10に掛止する構成とすることもできる。
内側部120は、外側部110の内側に、底部122を有する筒状(皿状)に形成され、図2(a)に示す如く、その内部である底部122に食材を載置することで蒸し調理を可能に構成されている。内側部120の外径は外側部110の内径よりも小さく形成されており、内側部120の上端部が外側部110の下端部に挿通される。そして、内側部120の外周面と外側部110の内周面とを連結部121が連結することにより、内側部120は外側部110の内側に連結される。
本実施形態においては、外側部110と内側部120との間における連結部121を除く部分は、蒸し具100を上下方向に開口する開口部140として形成されている。即ち、この開口部140によって内鍋10の内部空間と内側部120の上側の空間とが連通されているのである。なお、本実施形態においては、開口部140が外側部110と内側部120との間に形成される構成としたが、前記の如く外側部を円環状に形成しない場合はこの構成に限定されるものではない。即ち、開口部は内側部120の外周端部と調理鍋である内鍋10の側壁との間に形成されていれば差し支えない。
本実施形態に係る蒸し具100によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具100の内部に載置した食材を調理することを可能としている。具体的には、図2(a)に示す如く食材を内側部120の底部122に載置した状態で、前記の如く炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部140・140・・を通じて、図2(a)及び(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具100の内側部120に流入する。この蒸気により、内側部120の底部122に載置した食材を蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具100は、内側部120の底部122における略中央部上面に、上方に突出する突起部130が形成されている。具体的には図2(a)及び(b)に示す如く、底部122の略中央部上面が上方に膨出するドーム状に形成されているのである。
上記の如く、本実施形態に係る蒸し具100においては内側部120に突起部130を形成することにより、内側部120の内部における調理状態を向上させることができる。具体的には図2(a)に示す如く、内側部120の底部122に食材を入れた際に、固体食材Msと比較して比熱が高いために加熱されにくい液体食材Mlが突起部130によって外側に流され、底部122における外周部分に溜まることになる。一方、比較的に加熱されやすい固体食材Msは底部122の中央部分に留まる。このため、図2(a)及び(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く、蒸し具100の内側部120の外側から開口部140・140・・を通じて流入する蒸気を、加熱されにくい液体食材Mlに対して優先的に流すことができる。また、固体食材Msが少なく、液体食材Mlの比率が多い場合でも、液体食材Mlを内側部120の中央部分よりも、蒸気により加熱されやすい外周部分を多く配分することができる。このように、食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部120における調理状態を向上させることができるのである。
さらに、本実施形態に係る蒸し具100においては内側部120に突起部130を形成することにより、内側部の底部を平坦に形成する場合と比較して、内側部120の底部122が食材と接する面積、即ち伝熱面積を大きくすることができる。これにより、内側部120の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から内側部120の底部122を通じて伝導される熱量を大きくすることができる。なお、突起部130は上方に突出していれば、上記の如く液体食材Mlを外側に流すことができるため、その厚さは限定されるものではない。しかし、上記の如く内鍋10の内部の熱を、底部122を通じて伝導させるという観点からは、突起部130の厚さは図2(a)に示す如く薄く(突起部130以外の部分と同程度の厚さに)形成することが好ましい。即ち、突起部130の直下にあたる、内側部120の略中央部下面には、突起部130と略同形状の窪みが形成されることが好ましい。
また、本実施形態に係る蒸し具100において、突起部130の外径は図1に示す如く、内鍋加熱手段であるワークコイル64や蓋ヒータ35の外径よりも小さく形成されている。これにより、突起部130よりも外側にあたる内側部120の外周部分は、内側部120の中央部分よりも加熱効率がより向上する。つまり、食材の加熱効率をより向上させることが可能となるため、内側部120における調理状態をさらに向上させることができるのである。
また、本実施形態に係る蒸し具100においては図2(a)及び(b)に示す如く、外側部110と内側部120とを連結する連結部121の上面を、内側が下がる方向に傾斜させて形成している。これにより、炊飯時に発生する蒸気が液化しても、連結部121の上面に溜まらずに内側部120の内部に流下するように構成している。即ち、連結部121の上面に水滴や調理用のつゆなどが留まりにくいため、使用者が蒸し具100を炊飯器1から取り出す際に、これらが手に付着することを防止して、衛生的に操作できるのである。
また、本実施形態に係る炊飯器1においては、放熱板34の上下位置を内カバー33の上面に近づける構成としている。具体的には図3(a)に示す如く、放熱板34の上下位置hが内鍋10の最上端におけるフランジ部の上下位置eよりも低くなるように構成している。これにより、蓋ヒータ35からの熱伝導率を向上させて、蒸し具100の内部に載置した食材の加熱効率を向上させることが可能となる。また加熱効率が向上することによって、炊飯時や保温時における他の加熱手段からの加熱量を削減することが可能となる。特に、保温時における米飯の黄ばみを抑制したり、炊飯時における内カバー33への水滴の付着を抑制したりすることができる。また、他の加熱手段における通電量を低減させることにより、省エネ化を促進することができる。
また、本実施形態に係る炊飯器1においては、図3(b)の網掛け部分及び図3(c)に示す如く、内カバー33には多数の突出部33a・33a・・が内鍋10の側(図3(a)における下側)に突出して形成されている。これにより、蒸し具100の内側部120に例えばレトルト食品を入れて蒸し調理である炊飯を行った場合に、レトルト食品の容器が内カバー33におけるパッキン36の周辺を閉塞することなく、突出部33aの間で蒸気の経路を確保することができる。また、図3(a)に示す如く、パッキン36の周辺においては、パッキン36と内カバー33との間で上下方向に間隙dを形成している。これによっても、レトルト食品の容器によってパッキン36が閉塞されることを防止している。
[蒸し具200]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第二実施形態である蒸し具200について、図4を用いて説明する。本実施形態以降で説明する蒸し具については、炊飯器と共に、又は、炊飯器と別に使用する態様は前記実施形態における蒸し具100と同様である。このため、本実施形態以降においては蒸し具の使用方法等の説明は省略し、既出の構成と異なる部分を中心に説明を行う。
本実施形態に係る蒸し具200についても、前記第一実施形態における蒸し具100と同様に、その上端における最外周部に形成される外側部210と、外側部210の内側に形成される内側部220と、内側部220の外側に形成される複数の開口部240・240・・と、を備える。そして、図4(a)に示す如く固体食材Msを内側部220の底部222に載置した状態で炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部240・240・・を通じて、図4(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具200の内側部220に流入する。この蒸気により、内側部220の底部222に載置した固体食材Msを蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具200は、内側部220の底部222における略中央部上面に、上方に突出する突起部230が形成されている。具体的には図4(a)及び(b)に示す如く、底部222の略中央部上面において、上方に向かうにつれて縮径する円錐台状に突起部230が形成されているのである。
本実施形態に係る蒸し具200は、上記の如く構成することにより、内側部220の内部における調理状態をより向上させることができる。具体的には図4(a)に示す如く、内側部220の底部222において、突起部230が形成されている中央部分に食材を配置することがなく、外周部分のみに食材を配置することになる。つまり、全ての食材を、内側部220の外側から開口部240・240・・を通じて流入する蒸気が届き易い外周部分に配置することができるのである。このように、食材の加熱効率を向上させることが可能となるため、内側部220における調理状態をより向上させることができるのである。
さらに、本実施形態に係る蒸し具200においては内側部220に円錐台状の突起部230を形成することにより、突起部230の側面部分を固体食材Msに接することが可能となる構成としている。即ち、本実施形態によれば、内側部を平坦に形成する場合と比較して、内側部220が食材と接する面積、即ち伝熱面積をさらに大きくすることができる。これにより、内側部220の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から内側部220を通じて伝導される熱量をより大きくすることができる。
突起部230は、内側部220の内部において、開口部240・240・・から図4(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く流入する蒸気の流動性を妨げないという観点から、外側部210の上端部よりも低く形成することが好ましい。このため、本実施形態に係る突起部230の上端部の上下位置Hは、図4(a)に示す如く、外側部210の上端部の上下位置Eoよりも低くなるように構成している。
本実施形態に係る蒸し具200において、突起部230には、その上部と内側部220の下面とを連通する連通孔230aが開口されている。具体的には、円錐台状の突起部230の上面において、上下方向に連通する連通孔230aが開口されるのである。
本実施形態に係る蒸し具200によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具200の内部に載置した固体食材Msの調理状態をより向上させることができる。具体的には、炊飯器1による炊飯を行った際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、連通孔230aを通じて、図4(a)及び(b)中の矢印Vi・Viに示す如く蒸し具200の内側部220に流入する。つまり、開口部240・240・・から流入する蒸気が届き難い、内側部220の中央部付近(突起部230の周辺)に、連通孔230aから流入した蒸気を流すことができるのである。この蒸気により、内側部220の中央部付近に載置した食材であっても、充分に加熱して蒸し調理を行うことができるのである。このように、内側部220に載置した固体食材Msを全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部220における調理状態をより向上させることができるのである。
突起部230における連通孔230aは、内側部220に載置する食材が液体を含む場合に、内側部220における内容量を確保するという観点から、内側部220の上端部よりも高い位置に形成する必要がある。このため、本実施形態に係る突起部230に開口する連通孔230aは、図4(a)に示す如く、内側部220の上端部の上下位置Eiよりも高くなるように構成している。
本実施形態に係る蒸し具200においては、突起部230を上側が縮径する円錐台状に形成している。換言すれば、突起部230の内周面を、上側が縮径する方向に傾斜させて形成している。これにより、蒸気のみを連通孔230aに連通させて、炊飯時におけるおねばや水分が突起部230の内側から連通孔230aを通じて入って来にくくしている。
また、本実施形態に係る蒸し具200においては、外側部210の内周面における連結部221の上方に、内側に突出する二箇所の把持部212・212を形成している。この把持部212・212を持つことにより、使用者が炊飯器1から蒸し具200を取り出しやすくしている。本実施形態においては、把持部212・212を連結部221の上方に形成することにより、開口部240・240・・を通って上昇する蒸気が使用者の手に触れないように構成している。
また、本実施形態に係る蒸し具200においては、内側部220の底部222に、同心円に形成された多数の突起222a・222a・・が形成されている。この突起222a・222a・・により、食材が液体の場合に、内側部220の底部222が液体食材と接する面積、即ち伝熱面積をより大きくすることができ、内側部220の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から底部222を通じて伝導される熱量をさらに大きくすることができる。また、図4(a)に示す如く食材が固体食材Msの場合には、突起222a・222a・・と固体食材Msとの間に蒸気を流入させることが可能となり、固体食材Msに対する加熱効率をさらに向上させることが可能となる。さらに、突起222a・222a・・の先端部は鋭く尖って形成されている。これにより、固体食材Msが突起222a・222a・・と接触する面積を小さくして、蒸気に触れる面積を確保している。即ち、固体食材Msが突起222a・222a・・に固着して離れなくなることを防止するとともに、蒸気による固体食材Msに対する加熱効率をより向上させているのである。なお、本実施形態における突起222a・222a・・は同心円状に形成したが、平行線状など他の形状でも差し支えない。
[蒸し具300]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第三実施形態である蒸し具300について、図5及び図6を用いて説明する。
本実施形態に係る蒸し具300についても、前記実施形態における蒸し具と同様に、その上端における最外周部に形成される外側部310と、外側部310の内側に形成される内側部320と、内側部320の外側に形成される複数の開口部340・340・・と、を備える。そして、図5(a)に示す如く液体食材Mlを内側部320の底部322に載置した状態で炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部340・340・・を通じて、図5(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具300の内側部320に流入する。この蒸気により、内側部320の底部322に載置した液体食材Mlを蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具300は、内側部320の底部322における略中央部上面に、上方に突出する突起部330が形成されている。具体的には図5(a)及び(b)に示す如く、底部322の略中央部上面において、上方に向かうにつれて縮径する円錐台状に突起部330が形成されているのである。
本実施形態に係る蒸し具300において、突起部330には、その上部と内側部320の下面とを連通する二個の連通孔330a・330aが開口されている。具体的には、円錐台状の突起部330の側面上部において、水平方向に連通する連通孔330a・330aが開口されるのである。本実施形態においては図5(b)に示す如く、連通孔330a・330aは開口部340・340・・が開口していない方向(連結部321が形成されている方向)に向けて開口されている。
本実施形態に係る蒸し具300によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具300の内部に載置した食材の調理状態をより向上させることができる。具体的には、炊飯器1による炊飯を行った際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、連通孔330a・330aを通じて、図5(a)及び(b)中の矢印Vi・Viに示す如く蒸し具300の内側部320に流入する。つまり、開口部340・340・・から流入する蒸気が届き難い、内側部320の中央部付近(突起部330の周辺)に、連通孔330a・330aから流入した蒸気を流すことができる。
本実施形態における連通孔330a・330aは、開口部340・340・・が開口していない方向に向けて開口しているため、連通孔330a・330aからの蒸気を、開口部340・340・・からの蒸気がより届き難い部分に流通させることができる。この蒸気により、内側部320の中央部付近に載置した食材であっても、充分に加熱して蒸し調理を行うことができるのである。このように、内側部320に載置した食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部320における調理状態をより向上させることが可能となる。なお、本実施形態において連通孔330aは二箇所に形成される構成としたが、その数は限定されるものではない。ただし、食材の加熱効率という観点より、連通孔は複数個を開口することが好ましい。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、突起部330の上端部分で連通孔330a・330aの上方に、外側に突出する庇部330b・330bを形成している。つまり、庇部330b・330bによって連通孔330a・330aの上方を覆っているのである。これにより、内側部320の内部に食材を入れる際に、食材や調理用のつゆなどが連通孔330a・330aを通って落下し、内鍋10の内部に入ることを防止できる。また、炊飯時においては、連通孔330a・330aを通じて流入する蒸気を、庇部330b・330bによって内側部320の底部322の方向に誘導することにより、より効果的に食材を加熱することが可能となる。加えて、庇部330b・330bは、使用者が突起部330を持って蒸し具300を支持する際に指でつまみやすく形成されているため、持ち手として使用することも可能である。突起部330は蒸し具300における略中央部に形成されているため、突起部330を持ち上げることで、使用者は安定して蒸し具300を支持することが可能となる。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、外側部310と内側部320とは分割可能に形成されている。具体的には図6中の矢印Xに示す如く、外側部310の下部に形成された挿通孔310aに、上側から内側部320の下部を挿入する。そして、内側部320の上端部において外側に突出して形成された連結部321を外側部310の挿通孔310aに係合させることにより、外側部310と内側部320とを組み合わせて蒸し具300を構成するのである。この際、外側部310と内側部320との間における連結部321の無い部分が、開口部340・340・・として形成されるのである。
本実施形態においては上記の如く構成することにより、外側部310と内側部320とを別々に使用・洗浄等を行うことができるため、蒸し具300の利便性やメンテナンス性を向上させることができる。例えば、外側部310に対して食材を入れた複数の内側部320を準備し、外側部310を調理鍋にセットした状態で内側部320のみを交換することにより、連続して蒸し調理を行うことが可能となる。また、内側部320から外側部310を取り外すことによってデザイン性が向上するため、内側部320をそのまま食卓で使用することも可能となる。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、外側部310の内周面におけるそれぞれの開口部340・340・・の上方に、内側に突出する誘導板313・313・・を形成している。この誘導板313・313・・により、炊飯時に開口部340・340・・を通じて流入する蒸気を、内側部320の底部322の方向に誘導することにより、より効果的に食材を加熱することが可能となる。加えて、誘導板313・313・・によって外側部310の剛性を向上させて、変形を防止している。本実施形態においては上記の如く、外側部310と内側部320とは分離可能に構成しているため、外側部310の剛性が向上することはより好適である。なお、内側部320と外側部310とを係合させる際には、誘導板313・313・・を内側部320における開口部340・340・・を通過させるのである。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては図5(b)に示す如く、連結部321の一部を窪ませることにより、注ぎ口323を形成している。これにより、内側部320の内部の食材を円滑に皿等に注ぐことができる構成としている。注ぎ口323は、内側部320の中心を通る直線上に複数設ける構成とすることも可能である。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては図5(a)及び(b)に示す如く、内側部320の底部322における外周部分に、その深さが大きくなる溝部322aを形成している。これにより、比較的に加熱されにくい液体食材Mlを外側の溝部322aに流し、底部322における外周部分に溜まる構成としている。即ち、内側部320の外側から開口部340・340・・を通じて流入する蒸気が当りやすい部分に液体食材Mlが多くなるようにしているのである。つまり、液体食材Mlを、開口部340・340・・からの蒸気により加熱されやすい部分に多く配分することができる。このように、食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部320における調理状態を向上させているのである。加えて、溝部322aによって内側部320の剛性を向上させて、変形を防止している。
1 炊飯器
10 内鍋
100 蒸し具
110 外側部
120 内側部
130 突起部
140 開口部
本発明は、調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器の技術に関し、より詳細には、調理鍋の内部で食材を蒸して調理を行う蒸し具、及び、蒸し具を内部に収容して炊飯を行う炊飯器の技術に関する。
従来、調理鍋の内部に収容した状態で調理鍋を加熱し、調理鍋の内部で生じる蒸気により食材を調理する調理鍋用蒸し具が知られている。また、調理鍋用蒸し具を用いる調理鍋として、炊飯器の内鍋を使用する技術についても公知となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−196427号公報
前記従来技術に係る調理鍋用蒸し具は、調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、外側部の内周側に形成される有底筒状の内側部と、外側部と内側部との間に形成される複数の開口部と、を備えている。そして、内側部に食材を載置した状態で調理鍋を加熱して、調理鍋の内部の水を沸騰させることにより、開口部から流入する蒸気で食材を調理するのである。
しかし、前記の構成によれば、開口部が内側部よりも外側に配置されているため、調理用蒸し具の径が大きくなった場合に、開口部から流入する蒸気が内側部の中央部分に充分に流れないことがある。この場合、内側部の中央部分に載置した食材に加える熱量が不足し、調理状態が悪くなるという問題があった。
本発明は、上記の状況を鑑み、内側部に載置した食材に充分な熱量を加えることにより、調理状態を向上させることができる、調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
第一の発明は、調理鍋の周縁部に懸架されることにより調理鍋に収容され、調理鍋が加熱手段により加熱されて調理鍋内で生じる蒸気により食材を調理する調理鍋用蒸し具であって、その上端部が調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、外側部の内側に形成される有底筒状の内側部と、内側部の外周端部と調理鍋の側壁との間に形成される複数の開口部とを備え、内側部の略中央部上面には、上方に突出する突起部が形成され、突起部には、突起部の上部と内側部の下面とを連通する連通孔が開口され、該連通孔は、内側の側面部の高さよりも高い位置に形成されることを特徴とする調理鍋用蒸し具である。
第二の発明は、調理鍋の周縁部に懸架されることにより調理鍋に収容され、調理鍋が加熱手段により加熱されて調理鍋内で生じる蒸気により食材を調理する調理鍋用蒸し具であって、その上端部が調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、外側部の内側に形成される有底筒状の内側部と、内側部の外周端部と調理鍋の側壁との間に形成される複数の開口部とを備え、内側部の略中央部上面には、上方に突出する突起部が形成され、突起部には、該突起部の上部と内側部の下面とを連通する連通孔が開口され、該連通孔は、内側の側面部の高さよりも高い位置に形成される調理鍋用蒸し具と、調理鍋として、その周縁部に調理用蒸し具を懸架することにより調理用蒸し具を収容する、内鍋と、加熱手段として、内鍋を加熱する内鍋加熱手段とを備える炊飯器である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る調理鍋用蒸し具、及び、蒸し具を用いる炊飯器によれば、内側部の中央部分に載置した食材に充分な熱量を加えることにより、調理状態を向上させることができる。
第一実施形態に係る蒸し具を用いた電気炊飯器の全体的な構成を示した側面断面図。 (a)、(b)はそれぞれ、第一実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 (a)は第一実施形態に係る蒸し具と電気炊飯器の蓋体との関係を示した側面断面図、(b)は内蓋を示した底面図、(c)は(b)におけるA−A線断面図。 (a)、(b)はそれぞれ、第二実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 (a)、(b)はそれぞれ、第三実施形態に係る蒸し具を示した断面図及び斜視図。 第三実施形態に係る蒸し具を分離した状態の断面図。
[炊飯器1]
まず、本発明に係る調理用蒸し具の第一実施形態である蒸し具100を用いた炊飯器1の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
なお、以下の説明では、図1における左側を炊飯器1の前側とし、図1における右側を炊飯器1の後側として前後方向を規定する。また、図1における手前側を炊飯器1の左側とし、図1における奥側を炊飯器1の右側として左右方向を規定する。
炊飯器1は、米粒と水とを含む被調理物を、電気を用いて調理する調理器具である。図1に示すように、炊飯器1は、主として、内鍋10と、炊飯器本体20と、蓋体30と、図示しないマイコン制御装置と、により構成される。
内鍋10は、その内部に炊飯器1の被調理物である米粒と水とを収容する部材である。内鍋10は、磁性体金属又は磁性体金属を含有する金属製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。なお、内鍋10は、土鍋等セラミック製であってもよい。本実施形態に係る内鍋10は図1に示す如く、蒸し具100がその周縁部に懸架されて収容されている。
炊飯器本体20は、炊飯器1の主たる構造体を成す部材である。炊飯器本体20は、主として、外ケース21と、肩部材22と、底部材23と、内ケース24と、により構成される。
炊飯器本体20の外ケース21は、炊飯器本体20の外周面の外装(外壁)を成す部材である。外ケース21は、ステンレス等の金属製で、上下側面が開口された筒状に形成される。
炊飯器本体20の肩部材22は、炊飯器本体20の上端部(肩部)を成す部材である。肩部材22は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、上下側面が開口された概ね筒状に形成される。肩部材22は、外ケース21の上方に配置されて、下端部が外ケース21の上端部に固定される。肩部材22の後端部には、把持部51やヒンジ部52等が配設される。また、肩部材22の前端部には、操作パネル部53等が配設される。
操作パネル部53は、炊飯や、保温や、メニュー選択等の炊飯器1の機能に関する各種のスイッチ55が配設される。ユーザーは、各種のスイッチ55の操作によって、炊飯器1の機能を適宜に実行させることができる。また、操作パネル部53には、液晶表示部61が配設される。液晶表示部61には、ユーザーによって選択された炊飯器1の機能等が表示される。操作パネル部53の下方(外ケース21の内側)には、操作基板62が配設される。
炊飯器本体20の底部材23は、炊飯器本体20の底部(下側面)を成す部材である。底部材23は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、板面を上下方向へ向けた概ね平板状に形成される。底部材23は、外ケース21の下端部に固定され、外ケース21の下側の開口部を被覆している。
炊飯器本体20の内ケース24は、炊飯器本体20の内周面(内壁)を成し、その内部に内鍋10を収容する部材である。内ケース24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。
なお、内ケース24と外ケース21及び底部材23との間、即ち炊飯器本体20の内部には、炊飯器1を構成する各部材が配設される。例えば、炊飯器本体20の内部には、内ケース24の前方に後述する制御基板63が配設される。さらに、炊飯器本体20の内部には、内鍋加熱手段であるワークコイル64や、保温ヒータ65や、内鍋温度検出手段であるセンタセンサ66等が配設される。
ワークコイル64は、内ケース24の内部に収容された内鍋10を加熱する内鍋加熱手段である。ワークコイル64は、それぞれ環状に形成された底部コイル67と、コーナーコイル68と、より構成される。底部コイル67は、側面視で内ケース24の略中央の下方に配置される。コーナーコイル68は、側面視で内ケース24の外側端部の下方に配置される。底部コイル67及びコーナーコイル68は、渦電流を発生可能に構成され、内ケース24の内部に収容された内鍋10が、底部コイル67及びコーナーコイル68の渦電流と内鍋10の電気抵抗とによって発熱(加熱)するように構成される。
なお、本実施形態においては、炊飯器1における内鍋加熱手段をIH(Induction Heating:誘導加熱)式であるものとして構成しているが、内鍋10の加熱方法はIH式に限定されるものではない。即ち、内鍋加熱手段を電熱ヒータ等として内鍋10を加熱する構成としても差し支えない。
保温ヒータ65は、内鍋10の内部で調理された被調理物を主に保温(加熱)する部材である。保温ヒータ65は、リング状に形成され、内ケース24の上下中途部の外方に巻装される。
センタセンサ66は、内鍋10の温度を検出する内鍋温度検出手段である。センタセンサ66は、内ケース24の下側面の略中央に開口された開口部54から、上方へ向けて突出される。センタセンサ66の上端部は、内ケース24の内部に収容された内鍋10の下側面に当接する。
蓋体30は、炊飯器1の天部(上側面)を成す部材である。蓋体30は、肩部材22の上側の開口部を被覆するとともに、前記ヒンジ部52を介して当該肩部材22(ひいては炊飯器本体20)に対して開閉可能に支持される。蓋体30は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製であり、主として、円盤状に形成されて蓋体30の上面を成す上板31と、環状に形成されて蓋体30の下面を成す下板32と、により構成される。環状に形成された下板32の側面視で中央には、金属製の放熱板34が配設される。放熱板34には、蓋ヒータ35が配設される。また、下板32の下方には、内カバー33が配設される。
蓋体30の内カバー33は、内鍋10からのふきこぼれ等を防止する部材である。内カバー33は、金属製で、円盤状に形成される。内カバー33は、下板32に着脱可能に取り付けられる。内カバー33は、蓋体30が炊飯器本体20に対して閉塞した状態で、内鍋10の上側縁部を略密閉するように構成される。内カバー33の略中央部にはパッキン36が介挿されており、このパッキン36から内鍋10の内部で生じた蒸気を放出可能としている。
蓋体30の蓋ヒータ35は、放熱板34を加熱して、その熱伝導によって内カバー33を加熱する部材である。蓋ヒータ35は、リング状に形成され、放熱板34の上面側に載置される。
上記の如く構成した炊飯器1において炊飯を行う際には、まず、使用者によって内鍋10の内部に米と水とが入れられる。その後、使用者によって操作パネル部53におけるスイッチ55が操作されてメニューが選択され、炊飯開始操作が行われる。そして、マイコン制御装置がセンタセンサ66で検出する内鍋10の温度等に基づいて、ワークコイル64による内鍋10の加熱出力及び加熱時間を制御する。具体的には、高出力で内鍋10を加熱する炊き上げ工程や加熱を休止する休止工程、蒸らし工程等を経て、内鍋10の内部において炊飯を行うのである。
[蒸し具100]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第一実施形態である蒸し具100について、図1から図3を用いて説明する。蒸し具100は図1に示す如く、本実施形態における調理鍋である内鍋10の周縁部に懸架されることにより、内鍋10に収容される耐熱樹脂製の部材である。そして、前記の如く内鍋10がワークコイル64等の加熱手段により加熱されて内鍋10の内部で生じる蒸気(図2(a)中の矢印Vo・Vo・・)により、蒸し具100の内部に載置した食材(図2(a)中の固体食材Ms及び液体食材Ml)を調理するのである。本実施形態における蒸し具100は耐熱樹脂製とするが、セラミック等の他の耐熱素材を用いることも可能である。
なお、本実施形態においては蒸し具100を炊飯器1と共に使用する構成について説明するが、本発明に係る調理用蒸し具は炊飯器と別に使用することも可能である。この場合、内部に水を入れた調理鍋の周縁部に蒸し具100を懸架し、調理鍋を加熱手段により加熱する。これにより、調理鍋の内部で生じる蒸気により、蒸し具100の内部に載置した食材を調理するのである。
蒸し具100は、その上端における最外周部に形成される外側部110と、外側部110の内側に形成される内側部120と、内側部120の外側に形成される複数の開口部140・140・・と、を備える。
外側部110は、その外径が内鍋10の内径と略同径か幾分小さい円環状(短円筒状)に形成されることにより、内鍋10に挿入可能に構成される。そして、外側部110の上端部111が拡径して、内鍋10の周縁部よりも大きく形成されることにより、上端部111が内鍋10の周縁部に掛止される。即ち、蒸し具100は図1に示す如く内鍋10の周縁部に懸架可能に構成されている。
なお、本実施形態に係る外側部110は円環状に形成しているが、内鍋10に懸架可能であれば他の構成とすることも可能である。例えば、外側部を複数の掛止板やフック等により構成することにより、蒸し具100を内鍋10に掛止する構成とすることもできる。
内側部120は、外側部110の内側に、底部122を有する筒状(皿状)に形成され、図2(a)に示す如く、その内部である底部122に食材を載置することで蒸し調理を可能に構成されている。内側部120の外径は外側部110の内径よりも小さく形成されており、内側部120の上端部が外側部110の下端部に挿通される。そして、内側部120の外周面と外側部110の内周面とを連結部121が連結することにより、内側部120は外側部110の内側に連結される。
本実施形態においては、外側部110と内側部120との間における連結部121を除く部分は、蒸し具100を上下方向に開口する開口部140として形成されている。即ち、この開口部140によって内鍋10の内部空間と内側部120の上側の空間とが連通されているのである。なお、本実施形態においては、開口部140が外側部110と内側部120との間に形成される構成としたが、前記の如く外側部を円環状に形成しない場合はこの構成に限定されるものではない。即ち、開口部は内側部120の外周端部と調理鍋である内鍋10の側壁との間に形成されていれば差し支えない。
本実施形態に係る蒸し具100によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具100の内部に載置した食材を調理することを可能としている。具体的には、図2(a)に示す如く食材を内側部120の底部122に載置した状態で、前記の如く炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部140・140・・を通じて、図2(a)及び(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具100の内側部120に流入する。この蒸気により、内側部120の底部122に載置した食材を蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具100は、内側部120の底部122における略中央部上面に、上方に突出する突起部130が形成されている。具体的には図2(a)及び(b)に示す如く、底部122の略中央部上面が上方に膨出するドーム状に形成されているのである。
上記の如く、本実施形態に係る蒸し具100においては内側部120に突起部130を形成することにより、内側部120の内部における調理状態を向上させることができる。具体的には図2(a)に示す如く、内側部120の底部122に食材を入れた際に、固体食材Msと比較して比熱が高いために加熱されにくい液体食材Mlが突起部130によって外側に流され、底部122における外周部分に溜まることになる。一方、比較的に加熱されやすい固体食材Msは底部122の中央部分に留まる。このため、図2(a)及び(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く、蒸し具100の内側部120の外側から開口部140・140・・を通じて流入する蒸気を、加熱されにくい液体食材Mlに対して優先的に流すことができる。また、固体食材Msが少なく、液体食材Mlの比率が多い場合でも、液体食材Mlを内側部120の中央部分よりも、蒸気により加熱されやすい外周部分を多く配分することができる。このように、食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部120における調理状態を向上させることができるのである。
さらに、本実施形態に係る蒸し具100においては内側部120に突起部130を形成することにより、内側部の底部を平坦に形成する場合と比較して、内側部120の底部122が食材と接する面積、即ち伝熱面積を大きくすることができる。これにより、内側部120の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から内側部120の底部122を通じて伝導される熱量を大きくすることができる。なお、突起部130は上方に突出していれば、上記の如く液体食材Mlを外側に流すことができるため、その厚さは限定されるものではない。しかし、上記の如く内鍋10の内部の熱を、底部122を通じて伝導させるという観点からは、突起部130の厚さは図2(a)に示す如く薄く(突起部130以外の部分と同程度の厚さに)形成することが好ましい。即ち、突起部130の直下にあたる、内側部120の略中央部下面には、突起部130と略同形状の窪みが形成されることが好ましい。
また、本実施形態に係る蒸し具100において、突起部130の外径は図1に示す如く、内鍋加熱手段であるワークコイル64や蓋ヒータ35の外径よりも小さく形成されている。これにより、突起部130よりも外側にあたる内側部120の外周部分は、内側部120の中央部分よりも加熱効率がより向上する。つまり、食材の加熱効率をより向上させることが可能となるため、内側部120における調理状態をさらに向上させることができるのである。
また、本実施形態に係る蒸し具100においては図2(a)及び(b)に示す如く、外側部110と内側部120とを連結する連結部121の上面を、内側が下がる方向に傾斜させて形成している。これにより、炊飯時に発生する蒸気が液化しても、連結部121の上面に溜まらずに内側部120の内部に流下するように構成している。即ち、連結部121の上面に水滴や調理用のつゆなどが留まりにくいため、使用者が蒸し具100を炊飯器1から取り出す際に、これらが手に付着することを防止して、衛生的に操作できるのである。
また、本実施形態に係る炊飯器1においては、放熱板34の上下位置を内カバー33の上面に近づける構成としている。具体的には図3(a)に示す如く、放熱板34の上下位置hが内鍋10の最上端におけるフランジ部の上下位置eよりも低くなるように構成している。これにより、蓋ヒータ35からの熱伝導率を向上させて、蒸し具100の内部に載置した食材の加熱効率を向上させることが可能となる。また加熱効率が向上することによって、炊飯時や保温時における他の加熱手段からの加熱量を削減することが可能となる。特に、保温時における米飯の黄ばみを抑制したり、炊飯時における内カバー33への水滴の付着を抑制したりすることができる。また、他の加熱手段における通電量を低減させることにより、省エネ化を促進することができる。
また、本実施形態に係る炊飯器1においては、図3(b)の網掛け部分及び図3(c)に示す如く、内カバー33には多数の突出部33a・33a・・が内鍋10の側(図3(a)における下側)に突出して形成されている。これにより、蒸し具100の内側部120に例えばレトルト食品を入れて蒸し調理である炊飯を行った場合に、レトルト食品の容器が内カバー33におけるパッキン36の周辺を閉塞することなく、突出部33aの間で蒸気の経路を確保することができる。また、図3(a)に示す如く、パッキン36の周辺においては、パッキン36と内カバー33との間で上下方向に間隙dを形成している。これによっても、レトルト食品の容器によってパッキン36が閉塞されることを防止している。
[蒸し具200]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第二実施形態である蒸し具200について、図4を用いて説明する。本実施形態以降で説明する蒸し具については、炊飯器と共に、又は、炊飯器と別に使用する態様は前記実施形態における蒸し具100と同様である。このため、本実施形態以降においては蒸し具の使用方法等の説明は省略し、既出の構成と異なる部分を中心に説明を行う。
本実施形態に係る蒸し具200についても、前記第一実施形態における蒸し具100と同様に、その上端における最外周部に形成される外側部210と、外側部210の内側に形成される内側部220と、内側部220の外側に形成される複数の開口部240・240・・と、を備える。そして、図4(a)に示す如く固体食材Msを内側部220の底部222に載置した状態で炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部240・240・・を通じて、図4(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具200の内側部220に流入する。この蒸気により、内側部220の底部222に載置した固体食材Msを蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具200は、内側部220の底部222における略中央部上面に、上方に突出する突起部230が形成されている。具体的には図4(a)及び(b)に示す如く、底部222の略中央部上面において、上方に向かうにつれて縮径する円錐台状に突起部230が形成されているのである。
本実施形態に係る蒸し具200は、上記の如く構成することにより、内側部220の内部における調理状態をより向上させることができる。具体的には図4(a)に示す如く、内側部220の底部222において、突起部230が形成されている中央部分に食材を配置することがなく、外周部分のみに食材を配置することになる。つまり、全ての食材を、内側部220の外側から開口部240・240・・を通じて流入する蒸気が届き易い外周部分に配置することができるのである。このように、食材の加熱効率を向上させることが可能となるため、内側部220における調理状態をより向上させることができるのである。
さらに、本実施形態に係る蒸し具200においては内側部220に円錐台状の突起部230を形成することにより、突起部230の側面部分を固体食材Msに接することが可能となる構成としている。即ち、本実施形態によれば、内側部を平坦に形成する場合と比較して、内側部220が食材と接する面積、即ち伝熱面積をさらに大きくすることができる。これにより、内側部220の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から内側部220を通じて伝導される熱量をより大きくすることができる。
突起部230は、内側部220の内部において、開口部240・240・・から図4(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く流入する蒸気の流動性を妨げないという観点から、外側部210の上端部よりも低く形成することが好ましい。このため、本実施形態に係る突起部230の上端部の上下位置Hは、図4(a)に示す如く、外側部210の上端部の上下位置Eoよりも低くなるように構成している。
本実施形態に係る蒸し具200において、突起部230には、その上部と内側部220の下面とを連通する連通孔230aが開口されている。具体的には、円錐台状の突起部230の上面において、上下方向に連通する連通孔230aが開口されるのである。
本実施形態に係る蒸し具200によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具200の内部に載置した固体食材Msの調理状態をより向上させることができる。具体的には、炊飯器1による炊飯を行った際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、連通孔230aを通じて、図4(a)及び(b)中の矢印Vi・Viに示す如く蒸し具200の内側部220に流入する。つまり、開口部240・240・・から流入する蒸気が届き難い、内側部220の中央部付近(突起部230の周辺)に、連通孔230aから流入した蒸気を流すことができるのである。この蒸気により、内側部220の中央部付近に載置した食材であっても、充分に加熱して蒸し調理を行うことができるのである。このように、内側部220に載置した固体食材Msを全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部220における調理状態をより向上させることができるのである。
突起部230における連通孔230aは、内側部220に載置する食材が液体を含む場合に、内側部220における内容量を確保するという観点から、内側部220の上端部よりも高い位置に形成する必要がある。このため、本実施形態に係る突起部230に開口する連通孔230aは、図4(a)に示す如く、内側部220の上端部の上下位置Eiよりも高くなるように構成している。
本実施形態に係る蒸し具200においては、突起部230を上側が縮径する円錐台状に形成している。換言すれば、突起部230の内周面を、上側が縮径する方向に傾斜させて形成している。これにより、蒸気のみを連通孔230aに連通させて、炊飯時におけるおねばや水分が突起部230の内側から連通孔230aを通じて入って来にくくしている。
また、本実施形態に係る蒸し具200においては、外側部210の内周面における連結部221の上方に、内側に突出する二箇所の把持部212・212を形成している。この把持部212・212を持つことにより、使用者が炊飯器1から蒸し具200を取り出しやすくしている。本実施形態においては、把持部212・212を連結部221の上方に形成することにより、開口部240・240・・を通って上昇する蒸気が使用者の手に触れないように構成している。
また、本実施形態に係る蒸し具200においては、内側部220の底部222に、同心円に形成された多数の突起222a・222a・・が形成されている。この突起222a・222a・・により、食材が液体の場合に、内側部220の底部222が液体食材と接する面積、即ち伝熱面積をより大きくすることができ、内側部220の内部に載置した食材に対して、内鍋10の内部から底部222を通じて伝導される熱量をさらに大きくすることができる。また、図4(a)に示す如く食材が固体食材Msの場合には、突起222a・222a・・と固体食材Msとの間に蒸気を流入させることが可能となり、固体食材Msに対する加熱効率をさらに向上させることが可能となる。さらに、突起222a・222a・・の先端部は鋭く尖って形成されている。これにより、固体食材Msが突起222a・222a・・と接触する面積を小さくして、蒸気に触れる面積を確保している。即ち、固体食材Msが突起222a・222a・・に固着して離れなくなることを防止するとともに、蒸気による固体食材Msに対する加熱効率をより向上させているのである。なお、本実施形態における突起222a・222a・・は同心円状に形成したが、平行線状など他の形状でも差し支えない。
[蒸し具300]
次に、本発明に係る調理用蒸し具の第三実施形態である蒸し具300について、図5及び図6を用いて説明する。
本実施形態に係る蒸し具300についても、前記実施形態における蒸し具と同様に、その上端における最外周部に形成される外側部310と、外側部310の内側に形成される内側部320と、内側部320の外側に形成される複数の開口部340・340・・と、を備える。そして、図5(a)に示す如く液体食材Mlを内側部320の底部322に載置した状態で炊飯器1による炊飯を行う。その際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、開口部340・340・・を通じて、図5(b)中の矢印Vo・Vo・・に示す如く蒸し具300の内側部320に流入する。この蒸気により、内側部320の底部322に載置した液体食材Mlを蒸して調理するのである。
本実施形態に係る蒸し具300は、内側部320の底部322における略中央部上面に、上方に突出する突起部330が形成されている。具体的には図5(a)及び(b)に示す如く、底部322の略中央部上面において、上方に向かうにつれて縮径する円錐台状に突起部330が形成されているのである。
本実施形態に係る蒸し具300において、突起部330には、その上部と内側部320の下面とを連通する二個の連通孔330a・330aが開口されている。具体的には、円錐台状の突起部330の側面上部において、水平方向に連通する連通孔330a・330aが開口されるのである。本実施形態においては図5(b)に示す如く、連通孔330a・330aは開口部340・340・・が開口していない方向(連結部321が形成されている方向)に向けて開口されている。
本実施形態に係る蒸し具300によれば、上記の如く構成することにより、蒸し具300の内部に載置した食材の調理状態をより向上させることができる。具体的には、炊飯器1による炊飯を行った際に内鍋10の内部の水が沸騰して生じた高温の蒸気が、連通孔330a・330aを通じて、図5(a)及び(b)中の矢印Vi・Viに示す如く蒸し具300の内側部320に流入する。つまり、開口部340・340・・から流入する蒸気が届き難い、内側部320の中央部付近(突起部330の周辺)に、連通孔330a・330aから流入した蒸気を流すことができる。
本実施形態における連通孔330a・330aは、開口部340・340・・が開口していない方向に向けて開口しているため、連通孔330a・330aからの蒸気を、開口部340・340・・からの蒸気がより届き難い部分に流通させることができる。この蒸気により、内側部320の中央部付近に載置した食材であっても、充分に加熱して蒸し調理を行うことができるのである。このように、内側部320に載置した食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部320における調理状態をより向上させることが可能となる。なお、本実施形態において連通孔330aは二箇所に形成される構成としたが、その数は限定されるものではない。ただし、食材の加熱効率という観点より、連通孔は複数個を開口することが好ましい。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、突起部330の上端部分で連通孔330a・330aの上方に、外側に突出する庇部330b・330bを形成している。つまり、庇部330b・330bによって連通孔330a・330aの上方を覆っているのである。これにより、内側部320の内部に食材を入れる際に、食材や調理用のつゆなどが連通孔330a・330aを通って落下し、内鍋10の内部に入ることを防止できる。また、炊飯時においては、連通孔330a・330aを通じて流入する蒸気を、庇部330b・330bによって内側部320の底部322の方向に誘導することにより、より効果的に食材を加熱することが可能となる。加えて、庇部330b・330bは、使用者が突起部330を持って蒸し具300を支持する際に指でつまみやすく形成されているため、持ち手として使用することも可能である。突起部330は蒸し具300における略中央部に形成されているため、突起部330を持ち上げることで、使用者は安定して蒸し具300を支持することが可能となる。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、外側部310と内側部320とは分割可能に形成されている。具体的には図6中の矢印Xに示す如く、外側部310の下部に形成された挿通孔310aに、上側から内側部320の下部を挿入する。そして、内側部320の上端部において外側に突出して形成された連結部321を外側部310の挿通孔310aに係合させることにより、外側部310と内側部320とを組み合わせて蒸し具300を構成するのである。この際、外側部310と内側部320との間における連結部321の無い部分が、開口部340・340・・として形成されるのである。
本実施形態においては上記の如く構成することにより、外側部310と内側部320とを別々に使用・洗浄等を行うことができるため、蒸し具300の利便性やメンテナンス性を向上させることができる。例えば、外側部310に対して食材を入れた複数の内側部320を準備し、外側部310を調理鍋にセットした状態で内側部320のみを交換することにより、連続して蒸し調理を行うことが可能となる。また、内側部320から外側部310を取り外すことによってデザイン性が向上するため、内側部320をそのまま食卓で使用することも可能となる。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては、外側部310の内周面におけるそれぞれの開口部340・340・・の上方に、内側に突出する誘導板313・313・・を形成している。この誘導板313・313・・により、炊飯時に開口部340・340・・を通じて流入する蒸気を、内側部320の底部322の方向に誘導することにより、より効果的に食材を加熱することが可能となる。加えて、誘導板313・313・・によって外側部310の剛性を向上させて、変形を防止している。本実施形態においては上記の如く、外側部310と内側部320とは分離可能に構成しているため、外側部310の剛性が向上することはより好適である。なお、内側部320と外側部310とを係合させる際には、誘導板313・313・・を内側部320における開口部340・340・・を通過させるのである。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては図5(b)に示す如く、連結部321の一部を窪ませることにより、注ぎ口323を形成している。これにより、内側部320の内部の食材を円滑に皿等に注ぐことができる構成としている。注ぎ口323は、内側部320の中心を通る直線上に複数設ける構成とすることも可能である。
また、本実施形態に係る蒸し具300においては図5(a)及び(b)に示す如く、内側部320の底部322における外周部分に、その深さが大きくなる溝部322aを形成している。これにより、比較的に加熱されにくい液体食材Mlを外側の溝部322aに流し、底部322における外周部分に溜まる構成としている。即ち、内側部320の外側から開口部340・340・・を通じて流入する蒸気が当りやすい部分に液体食材Mlが多くなるようにしているのである。つまり、液体食材Mlを、開口部340・340・・からの蒸気により加熱されやすい部分に多く配分することができる。このように、食材を全体的にバランス良く加熱することが可能となるため、内側部320における調理状態を向上させているのである。加えて、溝部322aによって内側部320の剛性を向上させて、変形を防止している。
1 炊飯器
10 内鍋
100 蒸し具
110 外側部
120 内側部
130 突起部
140 開口部

Claims (8)

  1. 調理鍋の周縁部に懸架されることにより前記調理鍋に収容され、前記調理鍋が加熱手段により加熱されて前記調理鍋内で生じる蒸気により食材を調理する、調理鍋用蒸し具であって、
    その上端部が前記調理鍋の周縁部に懸架される外側部と、前記外側部の内側に形成される有底筒状の内側部と、前記内側部の外周端部と前記調理鍋の側壁との間に形成される複数の開口部と、を備え、
    前記内側部の略中央部上面には、上方に突出する突起部が形成される、
    ことを特徴とする、調理鍋用蒸し具。
  2. 前記内側部の略中央部下面には、前記突起部と略同形状の窪みが形成される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の調理鍋用蒸し具。
  3. 前記外側部は、その下部が前記調理鍋に収容される筒状に形成され、
    前記突起部は、前記外側部の上端部よりも低く形成される、
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の調理鍋用蒸し具。
  4. 前記突起部には、前記突起部の上部と前記内側部の下面とを連通する連通孔が開口される、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の調理鍋用蒸し具。
  5. 前記突起部における連通孔は、前記内側部の側面部の高さよりも高い位置に形成される、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の調理鍋用蒸し具。
  6. 前記外側部と前記内側部とは分割可能に形成され、前記外側部と前記内側部との間に前記開口部が形成される、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の調理鍋用蒸し具。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の調理用蒸し具と、
    前記調理鍋として、その周縁部に前記調理用蒸し具を懸架することにより前記調理用蒸し具を収容する、内鍋と、
    前記加熱手段として、前記内鍋を加熱する、内鍋加熱手段と、を備える、
    ことを特徴とする、蒸し具を用いる炊飯器。
  8. 前記突起部の外径は、前記内鍋加熱手段の外径よりも小さく形成される、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の蒸し具を用いる炊飯器。
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