JP2017186400A - 末端ブロック型アイオノマ及びその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素透過性が高く、触媒性能を著しく低下させることがなく、かつ低コストな電解質及びその製造方法、並びに、これを用いた固体高分子型燃料電池を提供すること。【解決手段】末端ブロック型アイオノマは、スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、高分子鎖の末端に結合している親水部の凝集構造からなる親水性ブロックとを備えている。このような末端ブロック型アイオノマは、スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させることにより親水部の凝集構造からなる親水性ブロックを含む反応溶液を作製し、反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、親水性ブロックを開始剤として親水性モノマ及び疎水性モノマをさらに共重合させることにより得られる。【選択図】図1
Description
本発明は、末端ブロック型アイオノマ及びその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池に関し、さらに詳しくは、酸素透過性に優れた末端ブロック型アイオノマ及びその製造方法、並びに、このような末端ブロック型アイオノマを空気極の触媒層アイオノマとして用いた固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池の電極(触媒層)に用いるアイオノマは、Pt等からなる触媒へのプロトンパスとしての役割を担っている。触媒層アイオノマには、従来、ナフィオン(登録商標)に代表されるテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロスルホニルビニルエーテル(PSVE、PFSVE)との共重合体が用いられていた。しかし、カソードにおいて、アイオノマは、触媒表面への酸素供給の障害となる。また、アイオノマ内のスルホン酸基が触媒を被毒し、酸素還元活性を低下させるという問題がある。
これらの問題の内、酸素供給性を改善する方法として、TFEよりも嵩高い分子構造をアイオノマに導入することが提案されている。例えば、特許文献1には、
(a)PDD(パーフルオロジメチルジオキソール)とPFSVE(パーフルオロスルホニルビニルエーテル:CF2=CF(O)(CF2CF2)SO2F)とを含む混合溶液を調製し、
(b)混合溶液に開始剤を加えてモノマを共重合させ、PDD/PFSVE共重合体を得る方法が開示されている。
同文献には、PDD/PFSVEアイオノマーの酸素透過率は、TFEとPSEPVE(パーフルオロスルホニルエトキシプロピルビニルエーテル:CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F)との共重合体よりも高くなる点が記載されている。
(a)PDD(パーフルオロジメチルジオキソール)とPFSVE(パーフルオロスルホニルビニルエーテル:CF2=CF(O)(CF2CF2)SO2F)とを含む混合溶液を調製し、
(b)混合溶液に開始剤を加えてモノマを共重合させ、PDD/PFSVE共重合体を得る方法が開示されている。
同文献には、PDD/PFSVEアイオノマーの酸素透過率は、TFEとPSEPVE(パーフルオロスルホニルエトキシプロピルビニルエーテル:CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F)との共重合体よりも高くなる点が記載されている。
特許文献2には、
(a)PDDとPSVE(CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F)との混合物をオートクレーブ中において共重合させ、
(b)得られたポリマーを加水分解処理及び酸型化処理し、PDD/PSVE−H共重合体を得る方法が開示されている。
(a)PDDとPSVE(CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F)との混合物をオートクレーブ中において共重合させ、
(b)得られたポリマーを加水分解処理及び酸型化処理し、PDD/PSVE−H共重合体を得る方法が開示されている。
さらに、特許文献3、4には、ヨウ素移動重合法を用いてTFE/PSVE共重合体とPDDとを共重合させ、(PPDD)−(TFE/PSVE共重合体)−(PPDD)ブロックポリマーを得る方法が開示されている。
同文献には、このようにして得られたブロックポリマーは、イオン交換容量が同等以上である従来のイオン交換樹脂よりも高い含水率を有する点が記載されている。
同文献には、このようにして得られたブロックポリマーは、イオン交換容量が同等以上である従来のイオン交換樹脂よりも高い含水率を有する点が記載されている。
特許文献1、2に記載の方法は、PDDとPSVEとをランダム共重合させる方法である。このようなランダム共重合で得られたアイオノマを触媒層に用いた場合、触媒/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度(触媒近傍の空間に存在するアイオノマの単位体積あたりの重量)が高くなる。そのため、酸素透過性の向上効果は限定的である。また、スルホン酸被毒により触媒性能が低下するために、燃料電池性能の向上効果も限定的である。
一方、特許文献3、4に記載の方法は、ヨウ素移動重合法を用いてブロック共重合体を合成する方法である。しかし、ヨウ素移動重合法でブロック共重合体を合成した場合において、ヨウ素が残留した時には、触媒が被毒して性能が低下する。また、重合プロセスも多段になるため、コストがかかる。
本発明が解決しようとする課題は、酸素透過性が高く、触媒性能を著しく低下させることがなく、しかも従来に比べて低コストな電解質及びその製造方法、並びに、このような電解質を用いた固体高分子型燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、
スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、
前記高分子鎖の末端に結合している前記親水部の凝集構造からなる親水性ブロックと
を備えていることを要旨とする。
スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、
前記高分子鎖の末端に結合している前記親水部の凝集構造からなる親水性ブロックと
を備えていることを要旨とする。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマの製造方法は、
スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させ、親水部の凝集構造からなる親水性ブロック、並びに、未反応の前記親水性モノマ及び前記開始剤を含む反応溶液を得る第1重合工程と、
前記反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、前記親水性ブロックを開始剤として、前記親水性モノマ及び前記疎水性モノマをさらに共重合させる第2重合工程と
を備えていることを要旨とする。
スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させ、親水部の凝集構造からなる親水性ブロック、並びに、未反応の前記親水性モノマ及び前記開始剤を含む反応溶液を得る第1重合工程と、
前記反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、前記親水性ブロックを開始剤として、前記親水性モノマ及び前記疎水性モノマをさらに共重合させる第2重合工程と
を備えていることを要旨とする。
さらに、本発明に係る固体高分子型燃料電池は、本発明に係る末端ブロック型アイオノマを空気極の触媒層アイオノマとして用いたことを要旨とする。
親水性モノマと疎水性モノマから電解質を合成する場合において、先に親水性モノマのみを部分的に重合させ、次いで疎水性モノマを加えてさらに重合させると、親水部と疎水部のランダム共重合体からなる高分子鎖の末端に、適度な大きさの親水性ブロックが結合している末端ブロック型アイオノマが得られる。
このような末端ブロック型アイオノマを触媒層アイオノマとして用いると、酸素透過性が向上し、かつ、スルホン酸基による触媒の被毒も低減される。これは、主として末端の親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するために、触媒/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度が減少するためと考えられる。さらに、このような末端ブロック型アイオノマは、反応溶液への親水性モノマ及び疎水性モノマの添加順序を変えるだけで得られるため、コストの上昇を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 末端ブロック型アイオノマ]
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、
スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、
前記高分子鎖の末端に結合している前記親水部の凝集構造からなる親水性ブロックと
を備えている。
[1. 末端ブロック型アイオノマ]
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、
スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、
前記高分子鎖の末端に結合している前記親水部の凝集構造からなる親水性ブロックと
を備えている。
[1.1. 高分子鎖]
本発明において、「高分子鎖」とは、親水部と疎水部とのランダム共重合体をいう。高分子鎖の分子構造は、特に限定されない。例えば、高分子鎖は、直鎖状の構造を備えた高分子であっても良く、あるいは分岐状の構造を備えた高分子であっても良い。また、高分子鎖に含まれる親水部と疎水部の比率も特に限定されない。さらに、高分子鎖は、C−H結合のみを含む炭化水素系高分子であっても良く、あるいは、C−F結合を含むフッ素系高分子であっても良い。高い耐久性を得るためには、高分子鎖は、C−F結合を含み、かつ、C−H結合を含まないもの(パーフルオロ系高分子)が好ましい。
本発明において、「高分子鎖」とは、親水部と疎水部とのランダム共重合体をいう。高分子鎖の分子構造は、特に限定されない。例えば、高分子鎖は、直鎖状の構造を備えた高分子であっても良く、あるいは分岐状の構造を備えた高分子であっても良い。また、高分子鎖に含まれる親水部と疎水部の比率も特に限定されない。さらに、高分子鎖は、C−H結合のみを含む炭化水素系高分子であっても良く、あるいは、C−F結合を含むフッ素系高分子であっても良い。高い耐久性を得るためには、高分子鎖は、C−F結合を含み、かつ、C−H結合を含まないもの(パーフルオロ系高分子)が好ましい。
「親水部」とは、高分子鎖中において、スルホン酸基が結合している部分の最小の繰り返し単位をいう。親水部は、いずれかの部分にスルホン酸基を備えていれば良く、スルホン酸基以外の部分の構造は、特に限定されない。高分子鎖は、いずれか1種の親水部を備えているものでも良く、あるいは、2種以上の親水部を備えているものでも良い。
「疎水部」とは、高分子鎖中において、酸基(スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基など)が結合していない部分の最小の繰り返し単位をいう。疎水部の構造は、特に限定されない。高分子鎖は、いずれか1種の疎水部を備えているものでも良く、あるいは、2種以上の疎水部を備えているものでも良い。
疎水部としては、具体的には、以下のようなものがある。
但し、
Rf1〜Rf4は、それぞれ独立に、フッ素、若しくは、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基、
Rf5は、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基。
Rf1〜Rf4は、それぞれ独立に、フッ素、若しくは、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基、
Rf5は、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基。
これらの中でも、末端ブロック型アイオノマは、親水部が式(A1)で表される構造(特に、a=0、b=2であるもの)を備え、疎水部が式(B1)で表される構造を備えているものが好ましい。これは、ポリマの密度が低下することで酸素が透過しやすくなり、またスルホン酸の触媒被毒による活性低下を抑制できるためである。この場合、Rf1及びRf2は、それぞれ、−CF3が好ましい。これは、モノマの反応性が高いためである。
[1.2. 親水性ブロック]
本発明において、「親水性ブロック」とは、親水部の凝集構造をいう。親水性ブロックは、高分子鎖の末端に結合している。末端ブロック型アイオノマは、高分子鎖の一つの末端にのみ親水性ブロックが結合しているものでも良く、あるいは、高分子鎖の2以上の末端に親水性ブロックが結合しているものでも良い。
「親水部の凝集構造」とは、開始剤共存下において1種又は2種以上の親水性モノマを重合させることにより得られる構造をいう。親水性ブロックは、1種又は2種以上の親水部の繰り返しからなる。
「親水部の繰り返し数」とは、親水性ブロックに含まれる親水部(最小の繰り返し単位)の数をいう。
本発明において、「親水性ブロック」とは、親水部の凝集構造をいう。親水性ブロックは、高分子鎖の末端に結合している。末端ブロック型アイオノマは、高分子鎖の一つの末端にのみ親水性ブロックが結合しているものでも良く、あるいは、高分子鎖の2以上の末端に親水性ブロックが結合しているものでも良い。
「親水部の凝集構造」とは、開始剤共存下において1種又は2種以上の親水性モノマを重合させることにより得られる構造をいう。親水性ブロックは、1種又は2種以上の親水部の繰り返しからなる。
「親水部の繰り返し数」とは、親水性ブロックに含まれる親水部(最小の繰り返し単位)の数をいう。
親水部の繰り返し数は、末端ブロック型アイオノマの酸素透過性や触媒被毒性に影響を与える。一般に、親水部の繰り返し数が多くなるほど、末端ブロック型アイオノマの酸素透過性が向上し、あるいは、触媒被毒性が低下する。このような効果を得るためには、親水部の繰り返し数は、2以上が好ましい。繰り返し数は、好ましくは、5以上、さらに好ましくは、10以上である。
一方、親水部の繰り返し数が大きくなりすぎると、局所的に水が凝集しやすくなり、出力点付近でフラッディングにより性能が低下するおそれがある。従って、親水部の繰り返し数は、20以下が好ましい。繰り返し数は、好ましくは、18以下、さらに好ましくは、15以下である。
一方、親水部の繰り返し数が大きくなりすぎると、局所的に水が凝集しやすくなり、出力点付近でフラッディングにより性能が低下するおそれがある。従って、親水部の繰り返し数は、20以下が好ましい。繰り返し数は、好ましくは、18以下、さらに好ましくは、15以下である。
[1.3. 界面酸素透過抵抗]
「界面酸素透過抵抗」とは、アイオノマで被覆されている触媒に酸素を供給した時に、酸素がアイオノマを透過してアイオノマ/触媒界面に到達する際の抵抗をいう。界面酸素透過抵抗は、触媒(例えば、Pt)表面を厚さ50〜200nmのアイオノマで被覆した状態で測定された限界電流密度の逆数で表される。
界面酸素透過抵抗は、出力点(ここでは、電圧:0.7V)での電流密度と相関がある。一般に、界面酸素透過抵抗が小さくなるほど、出力点における電流密度が高くなる。
「界面酸素透過抵抗」とは、アイオノマで被覆されている触媒に酸素を供給した時に、酸素がアイオノマを透過してアイオノマ/触媒界面に到達する際の抵抗をいう。界面酸素透過抵抗は、触媒(例えば、Pt)表面を厚さ50〜200nmのアイオノマで被覆した状態で測定された限界電流密度の逆数で表される。
界面酸素透過抵抗は、出力点(ここでは、電圧:0.7V)での電流密度と相関がある。一般に、界面酸素透過抵抗が小さくなるほど、出力点における電流密度が高くなる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、従来のアイオノマに比べて界面酸素透過抵抗が小さい。これは、主として末端の親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するために、触媒表面近傍に相対的に大きな隙間が形成され、酸素が拡散しやすくなるためと考えられる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、Ptの表面を末端ブロック型アイオノマで被覆した時の界面酸素透過抵抗は、3.8×10-4cm2・atm/mA以下となる。この値を出力点における電流密度に換算すると、約1.5A/cm2となる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、Ptの表面を末端ブロック型アイオノマで被覆した時の界面酸素透過抵抗は、3.8×10-4cm2・atm/mA以下となる。この値を出力点における電流密度に換算すると、約1.5A/cm2となる。
[1.4. 酸素還元反応(ORR)活性]
酸素還元反応(ORR)活性は、触媒性能を表す尺度である。本発明において、ORR活性は、回転ディスク電極法を用いて測定された、0.82V(RHE)での電流密度で表される。
ORR活性は、効率点(電流密度:0.2A/cm2)における電圧と相関がある。一般に、ORR活性が高くなるほど、効率点での電圧が高くなる。
酸素還元反応(ORR)活性は、触媒性能を表す尺度である。本発明において、ORR活性は、回転ディスク電極法を用いて測定された、0.82V(RHE)での電流密度で表される。
ORR活性は、効率点(電流密度:0.2A/cm2)における電圧と相関がある。一般に、ORR活性が高くなるほど、効率点での電圧が高くなる。
本質的に高いORR活性を示す触媒であっても、触媒表面が被毒されると、ORR活性が低下する。スルホン酸基は、触媒を被毒し、触媒性能を低下させる原因となる。これに対し、本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、従来のアイオノマに比べて触媒のORR活性が低下しにくい。これは、主として末端の親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するために、スルホン酸基と触媒との吸着箇所が少なくなるためと考えられる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、Pt(111)の表面を前記末端ブロック型アイオノマで被覆した時のORR活性は、24.3mA/cm2@0.82V以上となる。この値を効率点における電圧に換算すると、約835mVとなる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、Pt(111)の表面を前記末端ブロック型アイオノマで被覆した時のORR活性は、24.3mA/cm2@0.82V以上となる。この値を効率点における電圧に換算すると、約835mVとなる。
[1.5. 融点低下水率]
「融点低下水率」とは、−55℃〜0℃間で融解を示す水分率をいう。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、融点低下水率が29%以上となる。
「融点低下水率」とは、−55℃〜0℃間で融解を示す水分率をいう。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、融点低下水率が29%以上となる。
[1.6. 当量重量(EW)]
当量重量(EW)は、末端ブロック型アイオノマに含まれる親水部の割合、及び親水部及び疎水部の分子構造により制御することができる。一般に、EWが小さくなるほど、高い伝導度が得られる。一方、EWが高くなりすぎると、アイオノマが水に溶解又は膨潤しやすくなる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、EWは、600g/mol以上1100g/mol以下となる。
当量重量(EW)は、末端ブロック型アイオノマに含まれる親水部の割合、及び親水部及び疎水部の分子構造により制御することができる。一般に、EWが小さくなるほど、高い伝導度が得られる。一方、EWが高くなりすぎると、アイオノマが水に溶解又は膨潤しやすくなる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマにおいて、分子構造を最適化すると、EWは、600g/mol以上1100g/mol以下となる。
[2. 固体高分子型燃料電池]
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、本発明に係る末端ブロック型アイオノマを空気極の触媒層アイオノマとして用いたことを特徴とする。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、酸素透過性が高く、かつ、触媒性能の低下が少ない。そのため、本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、固体高分子型燃料電池の空気極の触媒層アイオノマとして好適である。
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、本発明に係る末端ブロック型アイオノマを空気極の触媒層アイオノマとして用いたことを特徴とする。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、酸素透過性が高く、かつ、触媒性能の低下が少ない。そのため、本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、固体高分子型燃料電池の空気極の触媒層アイオノマとして好適である。
[3. 末端ブロック型アイオノマの製造方法]
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、以下のようにして製造することができる。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、以下のようにして製造することができる。
[3.1. 第1重合工程]
まず、スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させ、親水部の凝集構造からなる親水性ブロック、並びに、未反応の前記親水性モノマ及び前記開始剤を含む反応溶液を得る(第1重合工程)。
まず、スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させ、親水部の凝集構造からなる親水性ブロック、並びに、未反応の前記親水性モノマ及び前記開始剤を含む反応溶液を得る(第1重合工程)。
[3.1.1. 親水性モノマ]
「親水性モノマ」とは、重合性基と、重合性基に結合しているスルホン酸基(−SO3H)又はその前駆体とを備えているものをいう。スルホン酸基の前駆体としては、例えば、−SO2F、−SO2Clなどがある。スルホン酸基又はその前駆体は、重合性基に直接、結合していても良く、あるいは、有機基を介して結合していても良い。
「親水性モノマ」とは、重合性基と、重合性基に結合しているスルホン酸基(−SO3H)又はその前駆体とを備えているものをいう。スルホン酸基の前駆体としては、例えば、−SO2F、−SO2Clなどがある。スルホン酸基又はその前駆体は、重合性基に直接、結合していても良く、あるいは、有機基を介して結合していても良い。
「重合性基」とは、構造中に炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を備えている官能基をいう。重合性基としては、例えば、トリフルオロビニル基(CF2=CF−)、ジフルオロメチレン基(CF2=C<)などがある。
末端ブロック型アイオノマを製造する際には、親水性モノマとして、これらのいずれか1種のモノマを用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、式(a1)で表されるモノマは、末端ブロック型アイオノマを製造するための親水性モノマとして好適である。これは、分子内・分子間のスルホン酸が凝集して連続性の高いプロトンパスを形成しやすいためである。
これらの中でも、式(a1)で表されるモノマは、末端ブロック型アイオノマを製造するための親水性モノマとして好適である。これは、分子内・分子間のスルホン酸が凝集して連続性の高いプロトンパスを形成しやすいためである。
[3.1.2. 開始剤]
親水性モノマを重合させるための開始剤は、特に限定されるものではなく、親水性モノマの種類に応じて最適なものを選択することができる。
開始剤としては、例えば、
(a)ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)ダイマーパーオキシド、
(b)CF3CF2CF2C(=O)OOC(=O)CF2CF2CF3(ヘプタフルオロブチリルパーオキシド、HFBP)、
(c)FSO2CF2(C=O)OOC(=O)CF2SO2F(RFUP)、
などがある。
親水性モノマを重合させるための開始剤は、特に限定されるものではなく、親水性モノマの種類に応じて最適なものを選択することができる。
開始剤としては、例えば、
(a)ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)ダイマーパーオキシド、
(b)CF3CF2CF2C(=O)OOC(=O)CF2CF2CF3(ヘプタフルオロブチリルパーオキシド、HFBP)、
(c)FSO2CF2(C=O)OOC(=O)CF2SO2F(RFUP)、
などがある。
[3.1.3. 重合条件]
第1重合工程は、反応溶液中の親水性モノマのすべてを反応させるのではなく、一部を反応させる。これにより、親水性ブロックと未反応の親水性モノマとを含む反応溶液が得られる。この場合、第1重合工程は、親水部の繰り返し数が2以上20以下である親水性ブロックが得られるように、親水性モノマと開始剤とを反応させるのが好ましい。反応溶液に含まれる親水性ブロックの量、及び親水性ブロック中の親水部の繰り返し数は、重合条件により制御することができる。
第1重合工程は、反応溶液中の親水性モノマのすべてを反応させるのではなく、一部を反応させる。これにより、親水性ブロックと未反応の親水性モノマとを含む反応溶液が得られる。この場合、第1重合工程は、親水部の繰り返し数が2以上20以下である親水性ブロックが得られるように、親水性モノマと開始剤とを反応させるのが好ましい。反応溶液に含まれる親水性ブロックの量、及び親水性ブロック中の親水部の繰り返し数は、重合条件により制御することができる。
一般に、重合時間が長くなるほど、反応溶液に含まれる親水性ブロックの量が多くなり、あるいは、親水性ブロック中の親水部の繰り返し数が大きくなる。適度な繰り返し数の親水性ブロックを適量生成させるためには、重合時間は、15分以上が好ましい。重合時間は、好ましくは、20分以上、さらに好ましくは、30分以上である。
一方、重合時間が長くなりすぎると、親水性ブロックの生成量が過剰となり、あるいは、親水性ブロック中の親水部の繰り返し数が過度に大きくなる。従って、重合時間は、2時間以下が好ましい。重合時間は、好ましくは、1.5時間以下、さらに好ましくは、1時間以下である。
一方、重合時間が長くなりすぎると、親水性ブロックの生成量が過剰となり、あるいは、親水性ブロック中の親水部の繰り返し数が過度に大きくなる。従って、重合時間は、2時間以下が好ましい。重合時間は、好ましくは、1.5時間以下、さらに好ましくは、1時間以下である。
また、親水性モノマと開始剤とを反応させる際の反応溶液の温度が低すぎると、現実的な時間内に重合反応が進行しない。従って、反応溶液の温度は、−80℃以上が好ましい。反応溶液の温度は、好ましくは、−70℃以上である。
一方、反応溶液の温度が高くなりすぎると、重合反応が過度に進行する。従って、反応溶液の温度は、40℃以下が好ましい。反応溶液の温度は、好ましくは、25℃以下である。
一方、反応溶液の温度が高くなりすぎると、重合反応が過度に進行する。従って、反応溶液の温度は、40℃以下が好ましい。反応溶液の温度は、好ましくは、25℃以下である。
[3.2. 第2重合工程]
次に、前記反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、前記親水性ブロックを開始剤として、前記親水性モノマ及び前記疎水性モノマをさらに共重合させる(第2重合工程)。
次に、前記反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、前記親水性ブロックを開始剤として、前記親水性モノマ及び前記疎水性モノマをさらに共重合させる(第2重合工程)。
[3.2.1. 疎水性モノマ]
「疎水性モノマ」とは、重合性基を備え、かつ、構造中に酸基(スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基など)を備えていないモノマをいう。疎水性モノマの構造は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なモノマを用いることができる。
「疎水性モノマ」とは、重合性基を備え、かつ、構造中に酸基(スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基など)を備えていないモノマをいう。疎水性モノマの構造は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なモノマを用いることができる。
疎水性モノマとしては、具体的には、以下のようなものがある。
但し、
Rf1〜Rf4は、それぞれ独立に、フッ素、若しくは、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基、
Rf5は、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基。
Rf1〜Rf4は、それぞれ独立に、フッ素、若しくは、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基、
Rf5は、途中にエーテル結合を含んでいても良い炭素数が1以上10以下であるパーフルオロアルキル基。
末端ブロック型アイオノマを製造する際には、疎水性モノマとして、これらのいずれか1種のモノマを用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、式(b1)で表されるモノマは、末端ブロック型アイオノマを製造するための疎水性モノマとして好適である。これは、嵩高い分子構造を持つために、高い酸素透過性が得られるためである。この場合、Rf1及びRf2は、それぞれ、−CF3が好ましい。これは、モノマの反応性が高いためである。
これらの中でも、式(b1)で表されるモノマは、末端ブロック型アイオノマを製造するための疎水性モノマとして好適である。これは、嵩高い分子構造を持つために、高い酸素透過性が得られるためである。この場合、Rf1及びRf2は、それぞれ、−CF3が好ましい。これは、モノマの反応性が高いためである。
[3.2.2. 重合条件]
反応溶液に疎水性モノマを加えてさらに反応させると、親水性ブロックを開始剤として、親水性モノマ及び疎水性モノマがさらに共重合し、本発明に係る末端ブロック型アイオノマ又はその前駆体が得られる。
重合条件は、特に限定されるものではなく、親水性ブロック−親水性モノマ−疎水性モノマ間の反応が効率よく進行する条件であれば良い。
反応溶液に疎水性モノマを加えてさらに反応させると、親水性ブロックを開始剤として、親水性モノマ及び疎水性モノマがさらに共重合し、本発明に係る末端ブロック型アイオノマ又はその前駆体が得られる。
重合条件は、特に限定されるものではなく、親水性ブロック−親水性モノマ−疎水性モノマ間の反応が効率よく進行する条件であれば良い。
[3.3. 加水分解及び酸洗浄工程]
親水性モノマとして、スルホン酸基の前駆体を備えたモノマを用いた場合、末端ブロック型アイオノマの前駆体が得られる。この場合、得られた前駆体の加水分解及び酸洗浄を行い、酸型にする。加水分解及び酸洗浄の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、親水性モノマの種類に応じて最適な方法及び条件を選択することができる。
親水性モノマとして、スルホン酸基の前駆体を備えたモノマを用いた場合、末端ブロック型アイオノマの前駆体が得られる。この場合、得られた前駆体の加水分解及び酸洗浄を行い、酸型にする。加水分解及び酸洗浄の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、親水性モノマの種類に応じて最適な方法及び条件を選択することができる。
[4. 作用]
親水性モノマと疎水性モノマから電解質を合成する場合において、先に親水性モノマのみを部分的に重合させ、次いで疎水性モノマを加えてさらに重合させると、親水部と疎水部のランダム共重合体からなる高分子鎖の末端に、適度な大きさの親水性ブロックが結合している末端ブロック型アイオノマが得られる。
親水性モノマと疎水性モノマから電解質を合成する場合において、先に親水性モノマのみを部分的に重合させ、次いで疎水性モノマを加えてさらに重合させると、親水部と疎水部のランダム共重合体からなる高分子鎖の末端に、適度な大きさの親水性ブロックが結合している末端ブロック型アイオノマが得られる。
このような末端ブロック型アイオノマを触媒層アイオノマとして用いると、酸素透過性が向上し、かつ、スルホン酸基による触媒の被毒も低減される。これは、主として末端の親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するために、触媒/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度が減少するためと考えられる。すなわち、触媒表面近傍に相対的に大きな隙間が形成されるために、酸素透過性が向上する。また、スルホン酸基と触媒との吸着箇所が少なくなるために、スルホン酸基による触媒の被毒が低減される。さらに、このような末端ブロック型アイオノマは、反応溶液への親水性モノマ及び疎水性モノマの添加順序を変えるだけで得られるため、コストの上昇を抑制することができる。
(実施例1、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
オートクレーブに式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、−80℃に冷やした後、減圧と窒素充填を繰り返して酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて30分間放置した。次に、溶液にPDDを投入し、室温に上昇させて72時間反応させた。親水性モノマとPDDのモル比は、親水性モノマ:PDD=3:1とした。
真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により酸洗浄することで酸型の末端ブロック型アイオノマを得た。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
オートクレーブに式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、−80℃に冷やした後、減圧と窒素充填を繰り返して酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて30分間放置した。次に、溶液にPDDを投入し、室温に上昇させて72時間反応させた。親水性モノマとPDDのモル比は、親水性モノマ:PDD=3:1とした。
真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により酸洗浄することで酸型の末端ブロック型アイオノマを得た。
[1.2. 比較例1]
オートクレーブを窒素置換後にドライアイスで冷却し、PDD、次いで式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)の順で注入した。最後に、開始剤(HFPOダイマーパーオキシド)を投入した。内容物を磁器攪拌しながら室温に温め、3日間反応させた。その後、さらに追加の開始剤(1mLのHFPOダイマーパーオキシド溶液)を注入し、ランダム型アイオノマを得た。
[1.3. 比較例2]
市販のアイオノマ溶液(ナフィオン(登録商標)溶液:DE2020)をそのまま試験に供した。
オートクレーブを窒素置換後にドライアイスで冷却し、PDD、次いで式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)の順で注入した。最後に、開始剤(HFPOダイマーパーオキシド)を投入した。内容物を磁器攪拌しながら室温に温め、3日間反応させた。その後、さらに追加の開始剤(1mLのHFPOダイマーパーオキシド溶液)を注入し、ランダム型アイオノマを得た。
[1.3. 比較例2]
市販のアイオノマ溶液(ナフィオン(登録商標)溶液:DE2020)をそのまま試験に供した。
[2. 試験方法]
[2.1. MEA性能]
得られたアイオノマをカソード側の触媒層アイオノマとして用いて膜電極接合体(MEA)を作製し、MEA性能を評価した。MEA性能は、効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧値、及び出力点(電圧:0.7V)での電流密度で評価した。
[2.2. ORR活性]
Pt単結晶の(111)面上にアイオノマの薄膜(厚さ35nm狙い)を形成した。この試料を用いて、3極式回転ディスク電極法(Hanging meniscus方式)により、過塩素酸中においてサイクリックボルタモグラム(CV)及び酸素飽和下での酸素還元反応(ORR)活性を測定した。
[2.1. MEA性能]
得られたアイオノマをカソード側の触媒層アイオノマとして用いて膜電極接合体(MEA)を作製し、MEA性能を評価した。MEA性能は、効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧値、及び出力点(電圧:0.7V)での電流密度で評価した。
[2.2. ORR活性]
Pt単結晶の(111)面上にアイオノマの薄膜(厚さ35nm狙い)を形成した。この試料を用いて、3極式回転ディスク電極法(Hanging meniscus方式)により、過塩素酸中においてサイクリックボルタモグラム(CV)及び酸素飽和下での酸素還元反応(ORR)活性を測定した。
[2.3. 界面酸素透過抵抗]
Pt上に厚さが50〜200nmとなるようにアイオノマを塗布した。この試料を用いて、80℃、60%RHの条件下で限界電流密度を測定した。得られた限界電流密度の逆数を界面酸素透過抵抗とした。
[2.4. 示差走査熱量分析(DSC)]
得られたアイオノマをキャスト成形し、キャスト膜を得た。このキャスト膜を用いて、示差走査熱量分析(DSC)を行った。
Pt上に厚さが50〜200nmとなるようにアイオノマを塗布した。この試料を用いて、80℃、60%RHの条件下で限界電流密度を測定した。得られた限界電流密度の逆数を界面酸素透過抵抗とした。
[2.4. 示差走査熱量分析(DSC)]
得られたアイオノマをキャスト成形し、キャスト膜を得た。このキャスト膜を用いて、示差走査熱量分析(DSC)を行った。
[3. 結果]
[3.1. MEA性能、界面酸素透過抵抗、及びORR活性]
表1にMEA性能及びアイオノマ性能を示す。図1に、効率点(ここでは、電流密度:0.2A/cm2)での電圧とORR活性との関係を示す。図2に、出力点(ここでは、電圧:0.7V)での電流密度と界面酸素透過抵抗との関係を示す。表1及び図1〜図2より、以下のことが分かる。
[3.1. MEA性能、界面酸素透過抵抗、及びORR活性]
表1にMEA性能及びアイオノマ性能を示す。図1に、効率点(ここでは、電流密度:0.2A/cm2)での電圧とORR活性との関係を示す。図2に、出力点(ここでは、電圧:0.7V)での電流密度と界面酸素透過抵抗との関係を示す。表1及び図1〜図2より、以下のことが分かる。
(1)EWは、いずれのアイオノマともほぼ同等であった。
(2)MEA性能は、アイオノマの種類により大きく異なった。効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧、及び出力点(電圧:0.7V)での電流密度のいずれも、実施例1(末端ブロック型アイオノマ)>比較例1(ランダム型アイオノマ)≫比較例2(ランダム型アイオノマ)の順となった。
(2)MEA性能は、アイオノマの種類により大きく異なった。効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧、及び出力点(電圧:0.7V)での電流密度のいずれも、実施例1(末端ブロック型アイオノマ)>比較例1(ランダム型アイオノマ)≫比較例2(ランダム型アイオノマ)の順となった。
(3)比較例1のORR活性は、比較例2のそれより著しく大きい。これは、(B3)構造よりも(B1)構造を導入したアイオノマは、主鎖が剛直になり、スルホン酸基が触媒に吸着しにくくなるためと考えられる。また、実施例1のORR活性は、比較例1のそれよりさらに大きい。これは、主として高分子鎖の末端に形成された親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するため、及びこれによって触媒表面に吸着するスルホン酸基の数が減少したためと考えられる。
(4)効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧とORR活性との間には、正の相関がある(図1参照)。図1より、MEAの効率を上げるためには、ORR活性を向上させることが重要であることがわかる。
(4)効率点(電流密度:0.2A/cm2)での電圧とORR活性との間には、正の相関がある(図1参照)。図1より、MEAの効率を上げるためには、ORR活性を向上させることが重要であることがわかる。
(5)比較例1の界面酸素透過抵抗は、比較例2のそれより著しく小さい。これは、高分子鎖内に嵩高い分子構造(ジオキソール環)を導入することによって、酸素の拡散が容易となるためと考えられる。また、実施例1の界面酸素透過抵抗は、比較例1のそれよりさらに小さい。これは、主として高分子鎖の末端に形成された親水性ブロックを介してアイオノマが触媒に吸着するため、及びこれによって触媒/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度が低下したためと考えられる。
(6)出力点での電流密度と界面酸素透過抵抗との間には、負の相関がある(図2参照)。図2より、高出力を得るためには、アイオノマの酸素透過性を向上させることが重要であることがわかる。
(6)出力点での電流密度と界面酸素透過抵抗との間には、負の相関がある(図2参照)。図2より、高出力を得るためには、アイオノマの酸素透過性を向上させることが重要であることがわかる。
[3.2. 示差走査熱量分析(DSC)]
DSCを用いて、アイオノマーキャスト膜のクラスター半径分布曲線を求めた。また、昇温過程のDSC曲線から、以下の式(1)を使ってバルク水量Wfを、式(2)を使って凍結可能なクラスター水(融点低下水)量Wfcを求め、全水分量Wtから差し引くことによって、不凍水量Wnfを求めた(式(3))。
ここで、mは試料の乾燥重量、dq/dtはDSCの熱流束シグナル、ΔH0はT0での融解エンタルピーである(T0はバルク水の融点)。
DSCを用いて、アイオノマーキャスト膜のクラスター半径分布曲線を求めた。また、昇温過程のDSC曲線から、以下の式(1)を使ってバルク水量Wfを、式(2)を使って凍結可能なクラスター水(融点低下水)量Wfcを求め、全水分量Wtから差し引くことによって、不凍水量Wnfを求めた(式(3))。
ここで、mは試料の乾燥重量、dq/dtはDSCの熱流束シグナル、ΔH0はT0での融解エンタルピーである(T0はバルク水の融点)。
図3の下図に、DSCにより得られたアイオノマーキャスト膜のクラスター半径分布曲線を示す。また、図3の上図に、クラスター径分布及び水分率を示す。図3より、以下のことが分かる。
(1)実施例1のクラスター体積は、比較例1のそれより大きい。これは、高分子鎖の末端に親水性ブロックが導入されたためと考えられる。
(2)実施例1の末端ブロック型アイオノマは、比較例1のランダム型アイオノマの約1.5倍の融点低下水を含有することができる。
(1)実施例1のクラスター体積は、比較例1のそれより大きい。これは、高分子鎖の末端に親水性ブロックが導入されたためと考えられる。
(2)実施例1の末端ブロック型アイオノマは、比較例1のランダム型アイオノマの約1.5倍の融点低下水を含有することができる。
(参考例1〜3)
[1. 試料の作製]
オートクレーブ中に式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて所定時間攪拌した。攪拌時間は、30分間(参考例1)、1時間(参考例2)、又は2時間(参考例3)とした。真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により洗浄することで酸型のアイオノマ(ホモポリマー)を得た。
[1. 試料の作製]
オートクレーブ中に式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて所定時間攪拌した。攪拌時間は、30分間(参考例1)、1時間(参考例2)、又は2時間(参考例3)とした。真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により洗浄することで酸型のアイオノマ(ホモポリマー)を得た。
[2. 試験方法及び結果]
得られたアイオノマの分子量、収率、及び反応溶液中の残りの開始剤の量を測定した。また、アイオノマの分子量から親水基の繰り返し数を算出した。表2に結果を示す。表2より、以下のことがわかる。
(1)攪拌時間(重合時間)が長くなるほど、親水基の繰り返し数が大きくなる。
(2)実験を行った条件では、反応溶液中には、少量のホモポリマー(親水性ブロック)が形成され、大半のモノマ及び開始剤は、未反応のまま残った。
得られたアイオノマの分子量、収率、及び反応溶液中の残りの開始剤の量を測定した。また、アイオノマの分子量から親水基の繰り返し数を算出した。表2に結果を示す。表2より、以下のことがわかる。
(1)攪拌時間(重合時間)が長くなるほど、親水基の繰り返し数が大きくなる。
(2)実験を行った条件では、反応溶液中には、少量のホモポリマー(親水性ブロック)が形成され、大半のモノマ及び開始剤は、未反応のまま残った。
(実施例2〜3、比較例3)
[1. 試験方法]
シミュレーションにより各種のアイオノマをPt上に配置し、構造を最適化した。Pt表面からの距離と、その場所でのアイオノマ密度を算出した。シミュレーションには、以下の3種類のアイオノマを用いた。
[1. 試験方法]
シミュレーションにより各種のアイオノマをPt上に配置し、構造を最適化した。Pt表面からの距離と、その場所でのアイオノマ密度を算出した。シミュレーションには、以下の3種類のアイオノマを用いた。
(a)実施例2: 高分子鎖が疎水部20個の繰り返しからなり、両末端に親水部5個の繰り返しからなる親水性ブロックを有する両末端ブロック型アイオノマ(分子量:約6000、EW:約800)。
(b)実施例3: 高分子鎖が疎水部20個の繰り返しからなり、一方の末端に親水部10個の繰り返しからなる親水性ブロックを有する片末端ブロック型アイオノマ(分子量:約6000、EW:約800)。
(c)比較例3: 疎水部20個と親水部10個とがランダムに結合しているランダム型アイオノマ(分子量:約6000、EW:約800)。
(b)実施例3: 高分子鎖が疎水部20個の繰り返しからなり、一方の末端に親水部10個の繰り返しからなる親水性ブロックを有する片末端ブロック型アイオノマ(分子量:約6000、EW:約800)。
(c)比較例3: 疎水部20個と親水部10個とがランダムに結合しているランダム型アイオノマ(分子量:約6000、EW:約800)。
[2. 結果]
図4に、ランダム型アイオノマ、両末端ブロック型アイオノマ、及び片末端ブロック型アイオノマの分子構造(上図)、並びに、Pt/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度を示す。また、表3にPt表面からのアイオノマの積算密度を示す。図4及び表3より、以下のことがわかる。
図4に、ランダム型アイオノマ、両末端ブロック型アイオノマ、及び片末端ブロック型アイオノマの分子構造(上図)、並びに、Pt/アイオノマ界面近傍におけるアイオノマ密度を示す。また、表3にPt表面からのアイオノマの積算密度を示す。図4及び表3より、以下のことがわかる。
Pt表面から5Å(0.5nm)以下の領域では、アイオノマ密度は、比較例3(ランダム型)>実施例2(両末端ブロック型)>実施例3(片末端ブロック型)の順となった(図4参照)。積算密度についても、同様の傾向が見られた(表3参照)。この結果は、高分子鎖の末端により大きな親水性ブロックを形成することによって、酸素透過性が向上し、かつ、触媒性能の低下も抑制できることを示している。
(実施例4〜6、比較例4)
[1. 試料の作製]
オートクレーブ中に式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて所定時間攪拌した。攪拌時間は、0分(比較例4)、30分(実施例4)、1時間(実施例5)、2時間(実施例6)とした。その後、PDDを加えて室温で3日間重合させた。真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により酸洗浄することで酸型のアイオノマを得た。
[1. 試料の作製]
オートクレーブ中に式(a1)で表される親水性モノマ(a=0、b=2)を入れ、酸素を脱気した。次いで、開始剤(HFBP)を0.01mol%加えて所定時間攪拌した。攪拌時間は、0分(比較例4)、30分(実施例4)、1時間(実施例5)、2時間(実施例6)とした。その後、PDDを加えて室温で3日間重合させた。真空乾燥後、得られた固体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸により酸洗浄することで酸型のアイオノマを得た。
[2. 試験方法及び結果]
得られた酸型のアイオノマをカソード側の触媒層アイオノマとして用いてMEAを作製し、MEA性能を評価した。表4に、効率点及び出力点での性能を示す。なお、表4中の電圧は、すべて高周波抵抗(電解質膜のプロトン抵抗、及び拡散層などの電気抵抗)による電圧損失を補正した値である。表4より、親水部の繰り返し数が20を超えると、出力点における電流密度が低下することがわかる。
得られた酸型のアイオノマをカソード側の触媒層アイオノマとして用いてMEAを作製し、MEA性能を評価した。表4に、効率点及び出力点での性能を示す。なお、表4中の電圧は、すべて高周波抵抗(電解質膜のプロトン抵抗、及び拡散層などの電気抵抗)による電圧損失を補正した値である。表4より、親水部の繰り返し数が20を超えると、出力点における電流密度が低下することがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る末端ブロック型アイオノマは、固体高分子型燃料電池の空気極の触媒層アイオノマ、燃料極の触媒層アイオノマ、電解質膜などに用いることができる。
Claims (12)
- スルホン酸基を備えた親水部と疎水部とのランダム共重合体からなる高分子鎖と、
前記高分子鎖の末端に結合している前記親水部の凝集構造からなる親水性ブロックと
を備えた末端ブロック型アイオノマ。 - 前記親水性ブロックは、前記親水部の繰り返し数が2以上20以下である請求項1に記載の末端ブロック型アイオノマ。
- Ptの表面を前記末端ブロック型アイオノマで被覆した時の界面酸素透過抵抗が3.8×10-4cm2・atm/mA以下である請求項1から3までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマ。
- Pt(111)の表面を前記末端ブロック型アイオノマで被覆した時のORR活性が24.3mA/cm2@0.82V以上である請求項1から4までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマ。
- 融点低下水率が29%以上である請求項1から5までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマ。
- EWが600g/mol以上1100g/mol以下である請求項1から6までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマ。
- 請求項1から7までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマを空気極の触媒層アイオノマとして用いた固体高分子型燃料電池。
- スルホン酸基又はその前駆体を備えた親水性モノマと開始剤とを反応させ、親水部の凝集構造からなる親水性ブロック、並びに、未反応の前記親水性モノマ及び前記開始剤を含む反応溶液を得る第1重合工程と、
前記反応溶液にさらに疎水性モノマを加え、前記親水性ブロックを開始剤として、前記親水性モノマ及び前記疎水性モノマをさらに共重合させる第2重合工程と
を備えた末端ブロック型アイオノマの製造方法。 - 前記第1重合工程は、前記親水部の繰り返し数が2以上20以下である前記親水性ブロックが得られるように、前記親水性モノマと前記開始剤とを反応させるものである請求項9に記載の末端ブロック型アイオノマの製造方法。
- 前記第1重合工程は、
重合時間が15分以上2時間以下であり、
前記反応溶液の温度が−80℃以上40℃以下である
請求項9から11までのいずれか1項に記載の末端ブロック型アイオノマの製造方法。
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