JP5549585B2 - 固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料、該触媒層用材料の前駆材料、該触媒層用材料および該前駆材料の製造方法、および、該触媒層用材料を使用した固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、に関する。
固体高分子形燃料電池における膜電極接合体は、固体高分子電解質膜の両面に電極層(一方が陽極層で他方が陰極層である)を接合した構造を有する。電極層は通常固体高分子電解質膜側から触媒層およびガス拡散層から構成され、触媒層とガス拡散層の間やガス拡散層の外側にさらに他の層(撥水層など)を有することもある。触媒層は通常固体高分子電解質膜に接する層であり、水素分子から水素イオンと電子を形成する反応を促進する触媒を含む陽極触媒層と、水素イオンと酸素分子と電子から水を形成する反応を促進する触媒を含む陰極触媒層とからなる。両触媒としては、白金や白金系合金などの貴金属系触媒が使用されている。触媒層は、上記触媒の微粒子を担持したカーボン粒子と高分子電解質から主として構成されている。
固体高分子電解質膜および触媒層における高分子電解質には、下式で表されるフルオロスルホニル基(−SOF基)を有するパーフルオロモノマーとテトラフルオロエチレンとを共重合し、次いで得られたコポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基(−SOH基)に変換して得られるスルホン酸基含有パーフルオロポリマーが汎用的に用いられている。ただし、下式中、Yはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、nは1〜12の整数を示し、mは0〜3の整数を示し、pは0または1を示し、かつ、m+p>0である。
CF=CF−(OCFCFY)−O−(CF−SOF。
通常触媒層は、触媒担持カーボン粒子からなる粉末と高分子電解質を混合し、この混合物をシート状に成形して電解質膜に積層させるか、またはこの混合物のスラリーを電解質膜に塗布することにより形成される。触媒担持カーボン粒子としては白金系触媒の微粒子を担持したカーボンブラックが代表的なものである。触媒層には上記2成分以外に、フィブリル化ポリテトラフルオロエチレンなどの補強剤、熱可塑性フッ素樹脂などのバインダー、フッ素系撥水剤などの撥水剤、などが任意に配合される。
触媒層においては、カーボン粒子に担持された触媒微粒子と高分子電解質とが充分接触している必要があると考えられる。代表的な触媒微粒子担持カーボンブラックは、直径1〜5nm程度の触媒微粒子を担持した直径10〜50nm程度のカーボン粒子(一次粒子)が凝集した直径0.1〜1μm程度の凝集粒子(二次粒子)からなっていると考えられている。凝集粒子(二次粒子)は多孔質であり、また一次粒子もまた多孔質であると考えられる。触媒微粒子担持カーボンブラックと高分子電解質との混合物においては、上記凝集粒子の内部空隙内に充分高分子電解質が充填されず、高分子電解質が充填されていない空隙が多数存在する(すなわち、高分子電解質と接触していない一次粒子表面が多く存在する)と考えられている。したがって、一次粒子表面に存在する触媒微粒子もまた高分子電解質に接触していないものが多数存在していると考えられる。さらに、一次粒子においても、仮にその表面が高分子電解質に覆われていても、その一次粒子の細孔の内部まで充分に高分子電解質が充填されず、細孔内部に存在する触媒微粒子は高分子電解質と接触していないと考えられる(非特許文献1を参照)。
触媒微粒子による触媒作用の発現には、触媒微粒子が水素イオンの移動チャンネルである高分子電解質に接触していることが必要であると考えられる。すなわち、陽極触媒層では、触媒微粒子表面で生成した水素イオンが触媒微粒子表面に接触した高分子電解質を通って移動し、陰極触媒層では、水素イオンが高分子電解質を通って触媒微粒子表面に至りそこで酸素分子と反応して水が生成すると考えられる。したがって、高分子電解質に接触していない触媒微粒子は触媒として作用しないことより、高分子電解質に接触していない触媒微粒子の量が多くなると触媒の利用効率が低下する。触媒層に使用される触媒は、白金や白金系合金などの貴金属系触媒であり、高価な材料であること、希少な資源であることなどの理由により、触媒の利用効率の向上が望まれている。
貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子と高分子電解質の接触面積を向上する手段として、コロイド状高分子電解質を貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子に吸着させる方法が知られている(非特許文献1、特許文献1を参照)。この吸着法によりカーボン粒子の二次粒子の内部空隙にまで高分子電解質を充填することができるとされている。また、高分子電解質をより微細化して貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子に吸着させることにより、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の一次粒子の細孔内部にまで高分子電解質を導入して、高分子電解質を細孔内部の触媒微粒子まで接触させることができると期待されている(非特許文献1を参照)。しかし、充分微細な高分子電解質の微粒子を製造することは容易ではなく、また吸着などにより貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の二次粒子の内部空隙や一次粒子の細孔内部にまで充分に高分子電解質を満たすことも容易ではない。
一方、反応硬化性のスルホン酸基含有化合物を貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子からなる粉末と混合し、混合物を反応硬化させて貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子を含有する高分子電解質材料を製造することが知られている(特許文献2を参照)。反応硬化性のスルホン酸基含有化合物として低粘度の液状の低分子化合物を用いることにより、反応硬化性のスルホン酸基含有化合物が貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の二次粒子の空隙や一次粒子の細孔の内部に充分浸透する、とされている。また、その後、反応硬化性のスルホン酸基含有化合物を反応硬化(高分子量化)させることにより高分子電解質とすると、高分子電解質が貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の二次粒子の内部空隙や一次粒子の細孔内部を充分満たした材料が得られる、とされている。具体的には、スルホン酸基含有加水分解性シラン化合物と他の加水分解性シラン化合物を使用して、スルホン酸基含有オルガノポリシロキサンからなる高分子電解質を形成している。しかし、スルホン酸基含有オルガノポリシロキサンは、汎用されている前記スルホン酸基含有パーフルオロポリマーに比較して、その固体高分子形燃料電池用の高分子電解質としての評価が充分ではない。したがって、高分子電解質としての電気的特性、耐久性などの化学的ないし機械的特性、加工性などの電極層製造上の特性などは前記スルホン酸基含有パーフルオロポリマーに比較して充分とはいえないと予想される。
特開平9−92293号公報 特開2005−32668号公報 2003年10月1日発行「電子とイオンの機能化学シリーズ Vol.4、固体高分子形燃料電池のすべて」(株式会社 エヌ・ティー・エス)、96〜136ページ。
本発明は、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として評価が進んでいる前記スルホン酸基含有パーフルオロポリマーなどのスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを使用した固体高分子型燃料電池において、貴金属系触媒の利用効率の向上を目的とするものである。貴金属系触媒の利用効率(触媒の質量活性)を向上させることにより、従来に比較して出力電流を増大させることができ、またより少ない触媒量で従来と同様の出力電流を得ることができる。
本発明は、貴金属系触媒の利用効率が高い触媒層用材料およびその製造方法を提供する。また、該触媒層用材料を製造するための前駆材料とその製造方法、および、該触媒層用材料を使用した触媒層を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供する。
本発明は、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料、該触媒層用材料の前駆材料、該触媒層用材料および該前駆材料の製造方法、および、該触媒層用材料を使用した固体高分子形燃料電池用膜電極接合体に係わる下記発明である。
<1> 貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーとを有する、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料の前駆材料を製造する方法であって、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の存在下にフルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーを含むモノマーを重合してフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを形成し、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーが、フルオロスルホニル基および2−メチレン−1,3−ジオキソラン構造を有するパーフルオロモノマーを含むことを特徴とする前記前駆材料の製造方法。
> フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーとともにフルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマーを共重合させる、上記<>に記載の前駆材料の製造方法。
> フルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマーが、2以上の付加重合性基を有するパーフルオロモノマーを含む、上記<>に記載の前駆材料の製造方法。
> 重合を水系媒体中で行う、上記<>〜<>のいずれかに記載の前駆材料の製造方法。
> 前記前駆材料が、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対し、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを5〜300質量部有する、上記<>〜<>のいずれかに記載の前駆材料の製造方法。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかに記載の前駆材料の製造方法で得られた、前駆材料。
> 上記<>〜<>のいずれかに記載の製造方法で前記前駆材料を製造し、次いで前記前駆材料中のポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換してスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとすることを特徴とする、貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとを有する、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料の製造方法。
> スルホン酸基を有するパーフルオロポリマーのイオン交換容量が、0.5〜3.5ミリ当量/グラム乾燥ポリマーである、上記<>に記載の触媒層用材料の製造方法。
<9> 上記<7>または<8>に記載の触媒層用材料の製造方法で得られた、触媒層用材料。
10> 触媒層を含む陽極層と、触媒層を含む陰極層と、前記陽極層と前記陰極層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体において、前記陽極層および前記陰極層の少なくとも一方における触媒層が、上記<9>に記載の触媒層用材料を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
11> 触媒層を含む陽極層と、触媒層を含む陰極層と、前記陽極層と前記陰極層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体の製造方法において、上記<>または<>に記載の製造方法によって触媒層用材料を製造し、次いで固体高分子電解質膜の少なくとも片面に前記触媒層用材料を使用した触媒層を形成する(但し、片面のみに前記触媒層用材料を使用した触媒層を形成する場合は他の材料により他方の触媒層を形成する)ことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
本発明は、固体高分子型燃料電池において触媒層の貴金属系触媒の利用効率(触媒の質量活性)を向上させることができる。貴金属系触媒の利用効率向上により、従来に比較して出力電流を増大させることができ、また従来より少ない量の貴金属系触媒の使用で従来と同様の出力電流を得ることもできる。
本発明において、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料の前駆材料とは、貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーとを含有する材料であって、該パーフルオロポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することにより、触媒層用材料となる材料をいう。また、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを「前駆体」ともいい、該フルオロスルホニル基を「前駆体基」ともいう。
本発明において、触媒層用材料とは固体高分子形燃料電池用の触媒層を製造するための材料をいい、貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとを含有する。固体高分子形燃料電池の触媒層は、この触媒層用材料のみから、またはこの触媒層用材料と触媒層を形成する他の任意の原材料を組合わせて製造される。
本発明において、特に言及しない限り、モノマーとは付加重合性の不飽和二重結合(本発明においては付加重合性基ともいう)を有する化合物をいう。モノマーのうち、付加重合性の不飽和二重結合を1個有する化合物をモノエン、付加重合性の不飽和二重結合を2個有する化合物をジエンともいう。また、付加重合性の不飽和二重結合を2個以上有する化合物をポリエンと総称する。
以下、各原材料から本発明を説明する。
<貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子>
貴金属系触媒としては、白金族元素およびレニウムからなる群から選択される金属元素からなる触媒や、白金族元素およびレニウムからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む合金または金属間化合物からなる触媒が好ましい。白金族の元素としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が特に好適である。上記合金の例としては、白金−パラジウム、白金−ルテニウム、白金−ロジウム、パラジウム−ロジウム等が挙げられる。金属間化合物の例としては、TiPt、TiPt等が挙げられる。陽極触媒層における貴金属系触媒としては白金や白金−ルテニウム合金が好ましく、陰極触媒層における貴金属系触媒としては白金や白金−コバルト合金が好ましい。
触媒を担持するカーボン粒子の材料であるカーボン材料としては、細孔の発達したカーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等種々の炭素材料が好ましく使用できる。固体高分子形燃料電池では、通常カーボンブラックが使用されることが多く、該カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。また、活性炭としては、種々の炭素原子を含む材料を炭化及び賦活処理して得られる種々の活性炭が使用できる。カーボン粒子の比表面積は200m/g以上が好ましく、特に400〜1000m/gが好ましい。比表面積の低いカーボン粒子を使用すると、触媒の利用効率が低下しやすい。なお、この比表面積とは、窒素吸着法(窒素BET法)により測定した比表面積(JIS K 6217−2:2001)を意味する。カーボン粒子の大きさは特に限定されるものではないが最大長さが100μm以下のものが適当である。前記のように、カーボンブラックの場合、直径10〜50nm程度の一次粒子が凝集した直径0.1〜1μm程度の凝集粒子(二次粒子)からなっているものを用いることができる。
カーボン粒子に担持されている貴金属系触媒の量は、貴金属系触媒担持カーボン粒子に対して、10〜70質量%であることが好ましく、特に40〜60質量%であることが好ましい。貴金属系触媒の担持量が少なすぎると、反応に必要な触媒量が不足するおそれがあり、担持量が多すぎるとカーボン粒子上で触媒微粒子同士の凝集が起こりやすくなり、かえって性能が低下するおそれがある。
貴金属系触媒微粒子の平均粒径(X線回折法で測定して得られるもの)は、従来燃料電池用触媒として使用されていたカーボン粒子に担持された貴金属系触媒微粒子における触媒微粒子の平均粒径と同程度のものが採用される。その平均粒子径は1〜10nmが好ましく、特に1〜5nmが好ましい。
貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子は、通常、貴金属化合物をカーボン粒子に担持して還元することにより得られる。カーボン粒子表面で貴金属化合物が還元されることにより貴金属の微粒子がカーボン粒子表面に析出する。例えば、溶媒溶解性の貴金属化合物の溶液とカーボン粒子を接触させてカーボン粒子に貴金属化合物を付着させ、溶媒を除去した後貴金属化合物を貴金属系金属に変換させて、カーボン粒子上に貴金属系金属微粒子を形成させる。貴金属化合物を貴金属系金属に変換する反応は通常還元反応であり、例えば水素含有窒素中で加熱することにより貴金属系金属微粒子を形成することができる。貴金属化合物とともに他の金属化合物を使用して、同様に貴金属と他の金属との合金や固溶体などの貴金属系触媒を形成することができる。金属化合物としては、金属酸、金属酸塩、金属錯体などを使用しうる。例えば、白金化合物の場合、塩化白金酸、塩化白金酸塩、ジニトロジアンミン白金[Pt(NH(NO]などを使用しうる。
本発明において使用する貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子としては、上記方法で製造されたものに限られない。また、市販の、燃料電池用の貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子を使用することもできる。
<フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマー>
フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーは、フルオロスルホニル基と付加重合性基とを有するパーフルオロ化合物(炭素原子に結合した水素原子の代わりにフッ素原子を有し、かつ炭素原子に結合した水素原子を実質的に有しない化合物をいう。炭素原子に結合したフッ素原子の一部は塩素原子に置換されていてもよい。)である。以下、このフルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーをモノマー(a)という。モノマー(a)としては、フルオロスルホニル基を1個以上と付加重合性基を1個有する、パーフルオロの化合物が好ましい。このパーフルオロ化合物であるモノマー(a)は付加重合性基を1個有することよりモノエンであり、以下この化合物を「フルオロスルホニル基含有パーフルオロモノエン」という。フルオロスルホニル基含有パーフルオロモノエンにおけるフルオロスルホニル基の数は、1個または2個が好ましい。
フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを製造するためのモノマー(a)として、2種以上のモノマー(a)を用いることができる。しかし、通常は1種類のモノマー(a)を使用してパーフルオロポリマーを製造する。フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーは、モノマー(a)と他のパーフルオロモノマーを共重合して得られるコポリマーが好ましい。モノマー(a)のみを重合して得られるポリマーは強度などの機械的物性や耐久性が不充分になりやすい。したがって、これらを補うために、モノマー(a)と共重合しうるフルオロスルホニル基を有しないモノマーをモノマー(a)と共重合することが好ましい。
フルオロスルホニル基含有パーフルオロモノエンとしては公知の化合物を使用できる。例えば、前記の汎用のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを製造するために使用されている下記式(1)で表されるフルオロスルホニル基含有パーフルオロモノエンを使用できる。そのほか、下記式(2)〜(6)で表される、フルオロスルホニル基を1または2個有するパーフルオロモノエンを使用することもできる。
イオン交換容量が大きくてプロトン伝導性の大きい樹脂を得るためには、重合反応性の高い下記式(4)〜(6)のモノエンを使用するのが好ましい。これらモノエンを用いると、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子におけるカーボンの量に対するフルオロスルホニル基含有ポリマーの量比を高めることが容易である。合成の容易さから下記式(4)のモノエンの使用が特に好適である。
Figure 0005549585
ただし、式中、Yはフッ素原子またはトリフルオロメチル基、nは1〜12の整数、mは0〜3の整数、pは0または1(ただし、m+p>0)を示す。kは2〜6の整数を示す。Rf1、Rf2は、それぞれ独立に、単結合またはエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖パーフルオロアルキレン基を示す。qは0または1を示す。Rf3は、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基を示す。Rf4、Rf5は、それぞれ独立に、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜8のパーフルオロアルキレン基を示す。Rf6は、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基を示す。
<フルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマー>
フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーは、前記モノマー(a)と共重合しうるフルオロスルホニル基を有しないモノマーと、前記モノマー(a)との共重合体であることが好ましい。前記モノマー(a)と共重合しうるフルオロスルホニル基を有しないモノマーとしては、フルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマー(以下、モノマー(b)という)が好ましい。モノマー(b)としては、付加重合性基を1個以上有する、パーフルオロの化合物が好ましい。モノマー(b)はモノエンまたはポリエンであり、モノエンまたはジエンであることが好ましい。フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを製造するためのモノマー(b)として、2種以上のモノマー(b)を用いることができる。
モノマー(b)であるパーフルオロモノエンとしては、各種パーフルオロポリマーを製造するために使用されている、または各種パーフルオロポリマーを製造するためのモノマーとして公知の、パーフルオロモノエンを使用できる。パーフルオロモノエンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン(以下、TFEともいう)などのパーフルオロオレフィン類、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルキルアルケニルエーテル)類、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)やパーフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)などのパーフルオロ環状エーテル系モノエンなどが挙げられる。
モノマー(b)であるパーフルオロジエンとしては、各種パーフルオロポリマーを製造するために使用されている、または各種パーフルオロポリマーを製造するためのモノマーとして公知の、パーフルオロジエンを使用できる。例えば、パーフルオロアルカジエン類、パーフルオロ(ジアルケニルエーテル)類、パーフルオロ(ジアルケニルオキシアルカン)類、パーフルオロ環状エーテル系モノエンの残基を2個有するパーフルオロアルカン類などが挙げられる。パーフルオロジエン以外の、モノマー(b)であるパーフルオロポリエンとしては、付加重合性基の数が3〜5個のパーフルオロ化合物が好ましく、特にパーフルオロアルケニルオキシ基を3〜5個有するパーフルオロアルカン類が好ましい。
パーフルオロポリエンの内の一部は環化重合しうるモノマーであり、例えば、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)などのパーフルオロジエンは環化重合して主鎖に環を有する線状ポリマーとなる。したがって、このような環化重合しうるパーフルオロジエンをモノマー(b)としてモノマー(a)と共重合させた場合は、得られるフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーは線状のポリマーとなる。通常、環化重合しうるモノマーは、2つの付加重合性基間の最短距離が炭素原子や酸素原子などの原子の数で表して2〜4個の距離である分子構造を有する化合物である。パーフルオロ(3,6−ジオキサ−1,7−オクタジエン)[CF2=CFOCF2CF2OCF=CF2]は濃度が低いときにはそれが環化重合した線状ポリマーが生成し、濃度が高くなると架橋ポリマーが生成することが知られている。本発明においてはモノマー(b)としてこのようなモノマーを用いることもできる。
環化重合しうるモノマー以外のポリエンは、架橋性モノマーとなる。架橋性モノマーであるモノマー(b)をモノマー(a)と共重合させた場合、得られるフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーは網状ないし立体格子状の構造を有する架橋ポリマーとなる。架橋ポリマーは熱可塑性がないポリマーであり、溶媒溶解性も低いないし溶媒溶解性がない。したがって、線状ポリマーに比較して架橋ポリマーは成形加工が困難で、また架橋が多すぎると脆いポリマーとなりやすい。その一方で、架橋ポリマーは、溶媒溶解性が低い、水膨潤性が低い、ポリマー鎖の破断による低分子量化が起こりにくい、などの理由により耐久性の高いポリマーとなりやすい。後述のように、本発明におけるフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマー、ひいてはスルホン酸基を有するパーフルオロポリマー、は架橋ポリマーであることが好ましい。したがって、本発明において使用されるモノマー(b)の少なくとも一部は架橋性モノマーであることが好ましい。以下この架橋性モノマーを架橋性モノマー(b)という。上記のように架橋性モノマー(b)は環化重合しうるモノマー以外のポリエンであり、前記のようにパーフルオロジエンであることが好ましい。架橋性モノマー(b)であるパーフルオロジエンとしては、例えば下記式(7)〜(9)に示すような化合物が好ましい。
Figure 0005549585
ただし、Qf1は炭素原子間に酸素原子を有していてもよい、炭素数3〜20のパーフルオロアルキレン基、jは0または1を示す。Qf2は単結合、酸素原子、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基を示す。
上記Qf1としては以下の基が好ましい。
−(CF
−(CFCFYO)−(CF−(OCFYCF
aは3〜12の整数を示す。Yはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、bは1以上の整数、cは2以上の整数、dは0以上の整数であってかつb+c+dは全炭素数が24以下となる数を示す。
<フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマー>
本発明において製造されるフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーは、モノマー(a)が重合して形成されるモノマー単位(以下、モノマー単位(a)という)を有するパーフルオロポリマーである。好ましくは、モノマー単位(a)とともに、さらにモノマー(b)が重合して形成されるモノマー単位(以下、モノマー単位(b)という)を有するパーフルオロポリマーである。それぞれのモノマー単位は2種以上含まれていてもよい。
フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーはスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーの前駆体であり、ポリマー中のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することによりスルホン酸基含有パーフルオロポリマーが得られる。したがって、スルホン酸基含有パーフルオロポリマー中のスルホン酸基の密度(本発明ではイオン交換容量で表す)は、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマー中のフルオロスルホニル基の密度に依存する。パーフルオロポリマー中のフルオロスルホニル基の密度は、モノマー単位(a)の全モノマー単位に対するモル比と、モノマー単位(a)が有するフルオロスルホニル基の数(通常は1個か2個)と、各モノマー単位の分子量にほぼ依存すると考えられる。したがって、スルホン酸基の密度の高いスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを得るためにはフルオロスルホニル基の密度の高いフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーが必要である。
従来、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーにおいては、ポリマー中のスルホン酸基を有する単位(モノマー単位(a)に由来する単位であり、以下、単位(s)という)の含有割合(ポリマー中の全単位に対する単位(s)のモル比)が制限されていた。単位(s)の割合の高いポリマーは強度等の機械的物性や耐久性が低いものであった。したがって、これら物性を補うためにテトラフルオロエチレン単位などのモノマー単位(b)を比較的多く含んでいた。一方、スルホン酸基は水素イオンの移動作用の元となる基であり、スルホン酸基の密度の高いポリマーほど高分子電解質としての作用効果が優れていると考えられる。スルホン酸基含有パーフルオロポリマー中の単位(s)の含有割合が高く、かつ機械的、化学的物性の高いポリマーとして、架橋ポリマーが考えられる。しかし架橋ポリマーは成形加工性が低く、例えば、触媒担持カーボン粒子からなる粉末とこの架橋ポリマーを均一に混合して両者を密に接触させ、しかも薄いシート状の層に成形することは困難であった。
後述のように、本発明では触媒担持カーボン粒子からなる粉末とスルホン酸基含有パーフルオロポリマーとを混合する工程を必要とすることなく両者が密に接触した触媒層用材料が得られる。したがって、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーは架橋ポリマーであってもよく、スルホン酸基の密度の高いポリマーや機械的、化学的耐久性の高いポリマーが得られることより、むしろ架橋ポリマーであることが好ましい。本発明においては、触媒担持カーボン粒子とポリマーとの均一で密な接触をもたらすための混合を必要としないことより、非熱可塑性で溶媒溶解性のない架橋ポリマーであってもポリマーの加工性の低さが問題となることは少ない。また、フルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーの加水分解操作や触媒層用材料からの触媒層形成操作などにおいて溶媒を使用しても、ポリマーが溶媒に溶解するおそれが少なく、ポリマー形成時のカーボン粒子とポリマーの密な接触が阻害されるおそれが少ない。
また、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーが線状ポリマーである場合も、触媒担持カーボン粒子と該線状ポリマーが従来よりも密に接触した材料が得られることより、スルホン酸基含有パーフルオロポリマー自体のスルホン酸基密度等の物性やポリマー構造が従来のポリマーと同等程度であったとしても、従来よりも優れた物性(電気化学的物性も含む)の触媒層用材料が得られる。また、触媒層に使用されるスルホン酸基含有パーフルオロポリマーは、固体高分子膜用のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーに比較して機械的物性の性能はあまり高いものを要求されないことより、この点でもスルホン酸基密度は固体高分子膜用のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーよりも高くすることができる。
本発明におけるフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーは、全モノマー単位に対するモノマー単位(a)の割合は、5〜99.9モル%であることが好ましく、特に10〜99.5モル%であることが好ましい。このうち、フルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーが線状ポリマーである場合(すなわち、モノマー単位(b)がモノエンまたは環化重合しうるポリエンのモノマー単位である場合)は、全モノマー単位に対するモノマー単位(a)の割合は5〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがさらに好ましく、特に15〜50モル%であることが好ましい。フルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーが架橋ポリマーである場合(すなわち、モノマー単位(b)が架橋性モノマー(b)のモノマー単位を含む場合)は、全モノマー単位に対するモノマー単位(a)の割合は20〜99.9モル%であることが好ましく、50〜99.5モル%であることがさらに好ましく、特に70〜99モル%であることが好ましい。線状ポリマーの場合と同様にモノマー単位(a)の割合が低い架橋ポリマーも使用できるが、架橋ポリマーの特徴を活かすには、上述のようにモノマー単位(a)の割合が高いポリマーが好ましい。
フルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーが架橋ポリマーである場合、モノマー単位(b)としては架橋性モノマー(b)のモノマー単位以外に非架橋性のモノマー(b)のモノマー単位を有していてもよい。この場合を含めて、架橋ポリマーであるフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマー中の全モノマー単位に対する、架橋性モノマー(b)のモノマー単位の割合は0.1〜80モル%であることが好ましく、0.5〜50モル%であることがさらに好ましく、特に1〜30モル%であることが好ましい。
また、フルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマー中のモノマー単位(a)の分子量とモノマー単位(a)におけるフルオロスルホニル基の数は、後述のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーのイオン交換容量に関係する。したがって、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーの目的とするイオン交換容量の数値に従いモノマー単位(a)のモル分率を調節して、必要なフルオロスルホニル基密度を有するパーフルオロポリマーとすることができる。
さらに、線状のフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーの重量平均分子量は、1×10〜1×10が好ましく、特に5×10〜5×10が好ましい。ポリマーが線状ポリマーの場合、その分子量が小さすぎると、膨潤度等の物性が経時的に変化するため耐久性が不十分になるおそれがある。一方、分子量が大きすぎると、成形などの加工性が低下するおそれがある。したがって、ポリマーが線状ポリマーの場合は上記範囲の内で1×10以上であることがより好ましい。一方、ポリマーが架橋ポリマーの場合には3次元網目構造を有する高分子量体であり、分子量の測定は困難である。
本発明におけるフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーは、モノマー(a)の1種以上を重合することにより、または、モノマー(a)の1種以上とモノマー(b)の1種以上とを共重合することにより、得られるポリマーである。重合は通常重合開始剤の存在下で行われる。重合開始剤としてはラジカル発生剤が好ましく、重合温度でラジカルを発生しうる有機過酸化物、アゾ化合物、無機過酸化物などが好ましい。重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に対し質量比で0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。具体的な重合開始剤としては、例えば、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ビスアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類などが挙げられる。
<前駆材料およびその製造方法>
本発明の前駆材料は、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の存在下にモノマー(a)[さらに任意にモノマー(b)]を重合して得られるフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーと当該貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子とを含む前駆材料である。この前駆材料は、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の存在下にモノマー(a)[さらに任意にモノマー(b)]を重合して得られる。前駆材料における貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子におけるカーボンの量とフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーの量的割合は、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対して、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを5〜300質量部有することが好ましい。特に10〜200質量部であることが好ましい。
モノマーを重合する方法としては、通常、含フッ素オレフィン重合体の製造に用いられる、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊重合などの公知の重合方法を採用できる。モノマー(a)は通常常温で液体であり、少なくとも重合条件下で液体であることが好ましい。モノマー(b)は通常常温で液体ないし気体であり、少なくとも重合条件下で液体ないし気体であることが好ましい。両者の相互溶解性は高く、両者は通常均一に混合し、モノマー(b)が気体の場合はモノマー(b)はモノマー(a)に溶解する。モノマー(a)とモノマー(b)とを共重合させる場合、両者の混合物を重合容器に仕込んで重合を行うか、モノマー(a)を仕込んだ重合容器にモノマー(b)を導入しながら重合を行うことが好ましい。重合条件として、重合温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、通常−20℃〜+150℃程度である。そのうちでも、25〜100℃が好ましい。圧力は常圧から加圧条件を採用できる。重合時間はモノマーの反応性によるが、通常1時間から50時間程度が採用される。
貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の存在下にモノマーを重合する際の重合方法としては、上記懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊重合などの公知の重合方法を採用できる。貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の粒子表面とポリマーとが密に接触した前駆材料を形成するためには、モノマーを当該カーボン粒子の内部(二次粒子の内部空隙や一次粒子の細孔内部)で重合させることが好ましい。本発明においては、液体や気体のモノマーや溶媒に溶解したモノマーをカーボン粒子に接触させることにより、モノマーをカーボン粒子の二次粒子の内部空隙や一次粒子の細孔内部にまで浸透させることができると考えられる。したがって、二次粒子の内部空隙や一次粒子の細孔内部にまで浸透したモノマーを重合させることにより、カーボン粒子とポリマーが密に接触した前駆材料が得られると考えられる。
重合方法としては、特に水系媒体を使用した懸濁重合と乳化重合が好ましく、そのうちでも懸濁重合が好ましい。本発明においては貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の嵩に対してポリマー量が少ないことより、塊重合は容易とはいえない。また、溶液重合もカーボン粒子表面近傍やカーボン粒子内部にポリマーを密に充填することは容易ではない。一方、懸濁重合や乳化重合では、カーボン粒子とモノマーを含む懸濁粒子や乳化粒子を形成して重合することより、カーボン粒子内にモノマーを充分浸透させることができる。また、モノマー量が少なくても懸濁粒子や乳化粒子の形成が容易であり、相対的に少ないポリマー量の前駆材料の粒子を容易に製造することができる。さらに、架橋ポリマーを製造する場合も、製造される前駆材料が比較的小さな粒子状であることより、ポリマーの加工性が少ない場合であっても問題は少ない。例えば、塊重合であれば得られた塊状の材料を粉砕するなどの加工が必要となるが、懸濁重合や乳化重合で得られる前駆材料ではこのような加工は通常必要ではない。本発明では前記貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の大きさから、重合方法としては通常懸濁重合が採用される。
上記懸濁重合においては、基本的に、重合容器に水と貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子からなる粉末とモノマーと重合開始剤を添加し、激しく撹拌して触媒担持カーボン粒子とモノマーと重合開始剤を含む懸濁粒子を形成し、その状態を維持しながら系の温度を上昇させて重合を行う。前記のように、モノマーの一部は重合開始時や重合途中に添加してもよい。重合容器に添加する触媒担持カーボン粒子からなる粉末とモノマーと重合開始剤は予め混合し、その混合物を重合容器の水系媒体に添加することが好ましい。水系媒体としては水以外に分子量調整剤として水溶性の連鎖移動剤を少量含有していてもよい。水溶性の連鎖移動剤としてはメタノールやエタノールなどの水溶性アルコールなど、水と均一に混合しうる水溶性の極性溶媒が好ましい。また、モノマーや重合開始剤を溶解するための溶媒を使用することができる。この溶媒は通常非水溶性であり、モノマーや開始剤を溶解して水系媒体に分散させるために使用される。さらに、この懸濁重合において、通常の懸濁重合において使用されるような各種添加剤を使用することもできる。たとえば、乳化剤などの界面活性剤を少量添加して懸濁粒子の分散安定化を図ることができる。そのほか、pH緩衝剤、分子量調整剤として疎水性の連鎖移動剤などを必要により使用できる。懸濁重合において、触媒担持カーボン粒子とモノマーの合計量は、水系媒体に対し1〜30質量%程度が適当である。
後述のフルオロスルホニル基のスルホン酸基への変換において、ポリマー中のフルオロスルホニル基の実質的全数をスルホン酸基に変換する反応を比較的短時間で行うために、前駆材料は粒子径の小さい粒子であることが好ましい。懸濁重合や他の重合法で比較的大きな粒子や塊状体が得られた場合は粉砕などで粒子径を小さくすることができる。前駆材料の平均粒子径は、Microtrac社製のMT3300の測定で10μm未満が好ましく、特に5μm未満が好ましい。
<触媒層用材料およびその製造方法>
触媒層用材料は、前記前駆材料に含有されているフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することにより得られる。スルホン酸基への変換は、公知のフルオロスルホニル基をアルカリで加水分解する方法で行われることが好ましい。たとえば、前記前駆材料をアルカリ水溶液に分散させてフルオロスルホニル基を加水分解してスルホン酸塩基とし、次にスルホン酸塩基の陽イオン(Kなど)を水素イオンに変換することによって行われる。加水分解反応および陽イオンの変換は通常0℃〜120℃の範囲の温度で行われる。アルカリ水溶液としては、NaOHやKOH等のアルカリ金属水酸化物などのアルカリを水や水と極性溶媒との混合溶媒に溶解した溶液が好ましい。スルホン酸塩基の陽イオン(Kなど)を水素イオンに変換するには塩酸、硝酸や硫酸などの酸の水溶液と接触させることにより行うことが好ましい。極性溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類やジメチルスルホキシド等の水と相溶性のある極性溶媒が好ましい。
得られるスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーのイオン交換容量は、0.5〜3.5ミリ当量/グラム乾燥ポリマーであることが好ましく、特に1〜3ミリ当量/グラム乾燥ポリマーであることが好ましい。スルホン酸基含有パーフルオロポリマーのイオン交換容量が0.5ミリ当量/グラム乾燥ポリマー未満であると電気抵抗が大きくなり、水素イオンの移動チャンネルである高分子電解質としての電気的要求特性を満たさない。イオン交換容量は大きいほど好ましいが、フルオロスルホニル基含有モノマーの分子量によって、合成可能なポリマーのイオン交換容量の上限値が決まる。したがって、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーのイオン交換容量の上限は3.5ミリ当量/グラム乾燥ポリマー程度となる。電気的特性が高くかつ他の機械的物性も良好な高分子電解質としては、イオン交換容量が1〜3ミリ当量/グラム乾燥ポリマーのスルホン酸基含有パーフルオロポリマーが好ましい。線状ポリマーの場合は、1〜2ミリ当量/グラム乾燥ポリマーが特に好ましく、架橋ポリマーの場合は、その特徴を活かすために、1.5〜3ミリ当量/グラム乾燥ポリマーが特に好ましい。
得られる触媒層用材料における貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボンとスルホン酸基含有パーフルオロポリマーの量的割合は、フルオロスルホニル基とスルホン酸基の相違はあるものの、ポリマーの分子量に対するその相違は実質的に無視できることより、前駆材料における貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボンとフルオロスルホニル基含有パーフルオロポリマーの量的割合にほぼ等しい。したがって、前記のように、触媒層用材料における貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボンとスルホン酸基含有含フッ素ポリマーの量的割合は、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対し、スルホン酸基を有するパーフルオロポリマーを5〜300質量部有することが好ましい。特に10〜200質量部であることが好ましい。
<固体高分子形燃料電池用膜電極接合体およびその製造方法>
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、触媒層を含む陽極層と、触媒層を含む陰極層と、前記陽極層と前記陰極層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体であり、陽極層および陰極層の少なくとも一方における触媒層が上記の触媒層用材料を含むことを特徴とする。また、本発明の膜電極接合体は、上記の製造方法によって触媒層用材料を製造し、次いで固体高分子電解質膜の少なくとも片面にその触媒層用材料を使用した触媒層を形成する(但し、片面のみに前記触媒層用材料を使用した触媒層を形成する場合は他の材料により他方の触媒層を形成する)ことを特徴とする。
本発明の膜電極接合体は、従来の膜電極接合体と同様の構造を有し、2つの触媒層の少なくとも一方が前記触媒層用材料を含む。触媒層の一方は従来の材料を使用した触媒層から構成されていてもよい。本発明の触媒層用材料は、陽極層の触媒層用材料としても使用できるが、陰極層の触媒層用材料として特に適している。陽極層の反応に比較して陰極層の反応は触媒量に依存する傾向が大きいことより、燃料電池性能を向上させるためには陽極層よりも陰極層における触媒の利用効率を高めることが有効である。また、陰極層では反応により水が生成することより該層中のポリマーが膨潤しやすく、それによって電極構造が崩れ、反応ガスが通り難くなるおそれがある。したがって、特に陰極層におけるスルホン酸基含有パーフルオロポリマーとしては特に膨潤が少ない架橋ポリマーの使用が有効である。
前記触媒層用材料を含む触媒層は、前記触媒層用材料以外の成分をさらに含有していてもよい。例えば、触媒層用材料中のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーが加工性の低い架橋ポリマーである場合は、バインダーとして熱可塑性のパーフルオロポリマーなどの線状ポリマーを使用できる。また、触媒層用材料中のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーの量が触媒層中におけるポリマー量として充分でない場合(貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の量が多すぎる場合など)、他のスルホン酸基含有ポリマーを触媒層用材料と併用することができる。バインダーとしてのポリマーはスルホン酸基含有ポリマーであることが好ましく、従来公知のスルホン酸基含有ポリマー(例えば、前記式(1)、(2)、(3)などで表されるフルオロスルホニル基含有パーフルオロモノマーとTFEの共重合体から得られるスルホン酸基含有パーフルオロポリマー)やモノマー(a)と非架橋性のモノマー(b)とのコポリマーから前記と同様にして得られる線状のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを用いることができる。併用するスルホン酸基含有ポリマーもこのような線状のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーや架橋したスルホン酸基含有パーフルオロポリマーが好ましい。このようなポリマーを使用する場合であっても、ポリマー全体としての平均のイオン交換容量は前記の範囲内にあることが好ましく、また、触媒層における貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子とスルホン酸基含有パーフルオロポリマーとの割合も前記と同様の範囲にあることが好ましい。さらに、触媒層形成を容易にする加工助剤(たとえば分散剤など)を少量前記触媒層用材料と併用することもできる。
触媒層は、前記触媒層用材料などを液状分散媒に分散したスラリーを使用して形成することが好ましい。また、触媒層用材料などをプレス等により直接シート状に成形して触媒層を形成することもできる。上記スラリー(以下、塗工液という)を使用する場合、塗工液を直接固体高分子電解質膜(以下単に電解質膜という)に塗工し、分散媒を除去して触媒層を形成することができる。また、塗工液を剥離性支持フィルム上に塗工して分散媒を除去し、次いで、形成された触媒層を電解質膜と積層した後剥離性支持フィルムを除去して、電解質膜上に触媒層を形成することもできる。また、後述のカーボンペーパーなどの拡散層用材料上に塗工液を塗工して、同様の方法で電解質膜上に触媒層とガス拡散層を形成することもできる。前記触媒層用材料を含まず、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子とスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを含むスラリーを使用して、同様の方法で触媒層を形成することができる。塗工液の固形分濃度の調整や塗工の繰り返し回数を調整することなどにより、触媒層の厚さを調整できる。これらの方法により、電解質膜の両面に触媒層を形成することができる。
前記触媒層用材料を含む塗工液(スラリー)に使用する液状分散媒としては、従来スルホン酸基含有パーフルオロポリマーを使用した触媒層形成に使用されていた液状分散媒を使用できる。塗工液の固形分濃度は1〜30質量%が好ましく、特に5〜20質量%が好ましい。
電解質膜の両面の電極層は、通常、触媒層の外側(電解質膜に接していない側)にガス拡散層を有する。さらに、触媒層とガス拡散層の間やガス拡散層の外側にさらに他の層(撥水層など)を有していてもよい。ガス拡散層は、触媒層へ均一にガスを拡散させる機能と集電体としての機能を有する。
電解質膜としては、従来公知のもの(例えば、前記式(1)、(2)、(3)などで表されるフルオロスルホニル基含有パーフルオロモノマーとTFEの共重合体から得られるスルホン酸基含有パーフルオロポリマーを使用した電解質膜など)を使用できる。また、電解質膜用のスルホン酸基含有パーフルオロポリマーとして市販のものを使用して得られる電解質膜や市販の電解質膜を使用することもできる。本発明における電解質膜は上記スルホン酸基含有パーフルオロポリマーに限られるものではなく、他のスルホン酸基を有するポリマーから構成されていてもよい。また、本発明における電解質膜はスルホン酸基含有ポリマーのみからなるものに限られるものではなく、ポリテトラフルオロエチレンのフィブリルや多孔体などの補強材で補強された補強膜であってもよい。さらに、本発明における電解質膜は、変性電解質膜であってもよい。例えば、スルホン酸基含有パーフルオロポリマーからなる電解質膜をセリウムなどの金属イオンで変性することにより、その耐久性が向上することが知られている。このような変性電解質膜を本発明の膜電極接合体に使用することにより、より耐久性の優れた膜電極接合体とすることができる。
ガス拡散層としては、多孔質の導電体からなり、特に炭素質材料からなる多孔質体が好ましい。具体的には、通常ガス拡散層用材料として使用されているカーボンペーパーやカーボンクロスなどの炭素質多孔質体が好ましい。ガス拡散層は上記のようにして形成した触媒層の表面にガス拡散層材料を積層することにより形成される。例えば、前記のように電解質膜表面に触媒層を形成した後、その触媒層表面にガス拡散層材料を積層する方法でガス拡散層を形成することができる。また、まず触媒層とガス拡散層を有する積層体を形成した後その触媒層表面を積層面として電解質膜と積層する方法でガス拡散層を形成することもできる。撥水層などの他の層も同様に形成できる。例えば、ガス拡散層の表面にフッ素樹脂などからなる撥水層を形成する場合は、上記と同様にして層を形成することができる。また、予め撥水性材料で表面をコートしたガス拡散層材料を使用することにより、また、予め撥水性材料を含浸したガス拡散層材料を使用することなどにより、撥水性を有するガス拡散層を形成することもできる。
本発明の膜電極接合体は、水素などの燃料ガスの通路となる溝が形成されたセパレータと空気などの酸化剤ガスの通路となる溝が形成されたセパレータとの間に挟まれ、セルに組み込まれて燃料電池が得られる。例えば固体高分子形燃料電池では、膜電極接合体の陽極側には水素ガスが供給され、陰極側には酸素または空気が供給される。本発明の膜電極接合体は、水素/酸素型の燃料電池のみならず、直接メタノール型燃料電池(DMFC)にも使用することができる。DMFCの燃料に用いるメタノールやメタノール水溶液は、液フィードであってもガスフィードであってもよい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例においては、以下の略号を用いる。
AK225cb:CClFCFCHClF
AK141b:CHCCl
IPP:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
S1a:下記式(1a)で表される化合物
S3a:下記式(3a)で表される化合物
S4a:下記式(4a)で表される化合物
D8a:下記式(8a)で表される化合物
MMD:下記式(10)で表される化合物
Figure 0005549585
[例1]
前駆材料C1の調製
温度計、ジムロート冷却器、及び撹拌機を備えた1000mlの丸底四つ口フラスコに、白金触媒微粒子担持カーボン粒子からなる粉末である、白金担持量50質量%の白金担持カーボン(TEC10E50E、田中貴金属社製)12.5gを超音波で水に分散させたスラリー138gと水393gを添加した。ゆっくり撹拌しながらS4aの16.08g、D8aの4.02g、およびIPP609mgの混合液を添加し、さらに水106.5gを添加した。10分間十分に撹拌した後、氷浴で内温5℃以下まで冷却した。真空ポンプを用いて圧力を13.3kPaまで徐々に下げ、窒素を導入して大気圧に戻した。この圧力を下げて窒素を導入する操作を合計3回繰り返した。ウオーターバスで内温を40℃に上昇させた。40℃で7時間撹拌した後、ろ過し、得られた固体をジクロロメタンで洗浄した。60℃の真空乾燥器で恒量になるまで乾燥し、18.08gの固形分C1を得た。上記白金触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対しては、89質量部の増加であった。
[例2]
前駆材料C2の調製
温度計、ジムロート冷却器、滴下ロート(側管なし)、及び撹拌機を備えた1000mlの丸底四つ口フラスコに、例1と同じ白金担持量50wt%の白金担持カーボン(TEC10E50E、田中貴金属社製)15.00gを添加した。フラスコをドライアイス−エタノールで冷却した。真空ポンプで系内を真空にした。S4aの11.45g、MMDの11.05g、AK225cbの4.50g、およびIPP450mgの混合液を滴下ロートに添加し、次いで、少量の水を添加した。真空ラインを閉じて、ゆっくり撹拌しながら滴下ロートからモノマー混合液をフラスコに添加した。冷却浴をはずした後、予め窒素バブリングした水750gを滴下ロートより添加した。フラスコ内に窒素ガスを導入して窒素シールした。10分間十分に撹拌した後、ウオーターバスで内温を40℃に上昇させた。40℃で7時間撹拌した後、ろ過し、得られた固体をジクロロメタンで洗浄した。60℃の真空乾燥器で恒量になるまで乾燥し、17.11gの固形分C2を得た。上記白金触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対しては、28質量部の増加であった。
[例3]
触媒層用材料E1の調製
上記で得られた前駆材料C1を、メタノール30質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む水溶液に、80℃で16時間浸漬させることにより、該ポリマー中の−SOF基が加水分解され、−SOK基に変換された。次いで、該ポリマーを、3モル/L塩酸水溶液に、25℃で2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返した。該前駆材料をイオン交換水で充分に水洗し、該ポリマー中の−SOK基がスルホン酸基に変換された、触媒層用材料E1を得た。触媒層用材料E1の元素分析を行ったところ、該ポリマーのイオン交換容量は、2.2ミリ当量/グラム乾燥ポリマーであった。
[例4]
触媒層用材料E2の調製
例3と同様にして、前駆材料C2から触媒層用材料E2を得た。触媒層用材料E2の元素分析を行ったところ、該ポリマーのイオン交換容量は、1.8ミリ当量/グラム乾燥ポリマーであった。
[例5]
電解質液状組成物S2の調製
(例5−1)
ポリマーP2の合成:
国際公開第2007−013532号に記載の方法により、S3aを合成し、さらに、テトラフルオロエチレンと共重合させてポリマーP2を得た。ポリマーP2のTQ値は248℃であった。
なお、TQ値は、溶融流動性の指標であって、容量流速100mm/秒を示す温度(℃)と定義される。容量流速とは、ポリマーを2.94MPa加圧下、長さ1mm、内径1mmのノズルから溶融流出せしめ、流出するポリマーをmm/秒の単位で示したものである。
上記で得られたポリマーP2を、ジメチルスルホキシドの30質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む水溶液に、80℃で16時間浸漬させることにより、該ポリマー中の−SOF基が加水分解され、−SOK基に変換された。次いで、該ポリマーを、3モル/L塩酸水溶液に、50℃で2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返した。該ポリマーをイオン交換水で充分に水洗し、該ポリマー中の−SOK基がスルホン酸基に変換された、ポリマーQ2を得た。ポリマーQ2のイオン交換容量は1.64ミリ当量/グラム乾燥ポリマーであった。
(例5−2)
電解質液状組成物S2の調整
ポリマーQ2に、エタノール、水および1−ブタノールの混合溶媒(エタノール/水/1−ブタノール=35/50/15質量比)を加え、固形分濃度を15質量%に調整し、オートクレーブを用い125℃で8時間、撹拌した。さらに水を加え、固形分濃度を9.5質量%に調製し、ポリマーQ2が分散媒に分散した液状組成物S2を得た。分散媒の組成は、エタノール/水/1−ブタノール=21/70/9(質量比)であった。
[例6]
固体高分子電解質膜の作製
液状組成物S2を、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体からなるシート(商品名:アフレックス100N、旭硝子社製、厚さ100μm)(以下、ETFEシートと記す。)上に、ダイコータにて塗布し、80℃で30分乾燥し、さらに190℃で30分のアニールを施し、厚さ25μmの固体高分子電解質膜を形成した。
[例7]
膜電極接合体 MEA1の作製、評価
上記で得られた触媒層用材料E1の8gを水31gに加え、更にエタノール36gを加え、10分間超音波を照射し触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、液状組成物S2を14g加え、固形分濃度を10.5質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液を別途用意したETFEシート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.2mg/cmの触媒層を形成した。
上記で得られた固体高分子電解質膜からETFEシートを剥離した後、固体高分子電解質膜を2枚の触媒層で挟み、プレス温度150℃、プレス時間5分、圧力3MPaの条件にて加熱プレスし、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を接合し、触媒層からETFEフィルムを剥離して、電極面積25cmの膜触媒層接合体を得た。窒素雰囲気下で、膜触媒層接合体に160℃で30分熱処理を行い、触媒層中のプロトン伝導性ポリマーを安定化させた。
カーボンペーパーからなるガス拡散層上に、カーボンとポリテトラフルオロエチレンとからなるカーボン層を形成した。このカーボン層と触媒層とが接するように、膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み、膜電極接合体 MEA1を得た。
膜電極接合体MEA1を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、陽極側に水素70ml/min、陰極側に酸素166ml/minを、それぞれ150kPa(絶対圧力)に加圧して供給した。ガスの加湿度を、水素、空気共に相対湿度100%にし、各電流密度におけるセル電圧、抵抗値をそれぞれ記録した。そして、抵抗値で補正したIR Free電圧を算出し、その電圧値が0.9Vになる時の電流密度を求めた。そして、その電流密度を陰極に使用している単位面積当たりの白金質量で除した値で、電極の質量活性を評価した(下記式参照)。電極の質量活性とは、白金単位質量当たりの電極の活性を示す指標であり、同じ白金量を電極に用いた場合、質量活性が高い電極は高い発電性能を示すことができる。結果を表1に示す。
電極の質量活性=(IR Free電圧が0.9Vになる電流密度)/(陰極の単位面積当たりの白金質量)。
[例8]
膜電極接合体 MEA2の作製、評価
上記で得られた触媒層用材料E2の8gを水39gに加え、更にエタノールを38g加え、10分間超音波を照射し触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、S1aとテトラフルオロエチレンとの共重合体(TQ220℃)をアルカリ加水分解後、酸型化処理した電解質を含有する液状組成物(電解質ポリマーのイオン交換容量:1.1ミリ当量/グラム乾燥ポリマー、溶媒組成:エタノール/水 60/40質量%、固形分濃度:28重量%、以下、液状組成物Aと略す。)を8g加え、固形分濃度を11質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液を別途用意したETFEシート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.2mg/cmの触媒層を形成した。その後、例7と同様の方法で膜電極接合体 MEA2を作製し、同様の方法で電極の質量活性を評価する。結果を表1に示す。
[例9](比較例)
膜電極接合体 MEA3の作製
白金担持量50wt%の白金担持カーボン(TEC10E50E、田中貴金属社製)8gに水49gを加え、更にエタノールを47g加え、10分間超音波を照射し、触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、液状組成物Aを13g加え固形分濃度を10質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液を別途用意したETFEシート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.2mg/cmの触媒層を形成した。その後、例7と同様の方法で膜電極接合体 MEA3を作製し、同様の方法で電極の質量活性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005549585
本発明の触媒層用材料は、貴金属系触媒と高分子電解質とを含む材料であり、固体高分子型燃料電池の触媒層に使用される。本発明の前駆材料は、この触媒層用材料を製造するための前駆体である。本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体として使用される。

なお、2008年4月9日に出願された日本特許出願2008−101477号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーとを有する、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料の前駆材料を製造する方法であって、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子の存在下にフルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーを含むモノマーを重合してフルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを形成し、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーが、フルオロスルホニル基および2−メチレン−1,3−ジオキソラン構造を有するパーフルオロモノマーを含むことを特徴とする前記前駆材料の製造方法。
  2. フルオロスルホニル基を有するパーフルオロモノマーとともにフルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマーを共重合させる、請求項に記載の前駆材料の製造方法。
  3. フルオロスルホニル基を有しないパーフルオロモノマーが、2以上の付加重合性基を有するパーフルオロモノマーを含む、請求項に記載の前駆材料の製造方法。
  4. 重合を水系媒体中で行う、請求項のいずれかに記載の前駆材料の製造方法。
  5. 前記前駆材料が、貴金属系触媒微粒子担持カーボン粒子のカーボン100質量部に対し、フルオロスルホニル基を有するパーフルオロポリマーを5〜300質量部有する、請求項のいずれかに記載の前駆材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の前駆材料の製造方法で得られた、前駆材料。
  7. 請求項のいずれかに記載の製造方法で前記前駆材料を製造し、次いで前記前駆材料中のポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換してスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとすることを特徴とする、貴金属系触媒微粒子を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロポリマーとを有する、固体高分子形燃料電池用の触媒層用材料の製造方法。
  8. スルホン酸基を有するパーフルオロポリマーのイオン交換容量が、0.5〜3.5ミリ当量/グラム乾燥ポリマーである、請求項に記載の触媒層用材料の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の触媒層用材料の製造方法で得られた、触媒層用材料。
  10. 触媒層を含む陽極層と、触媒層を含む陰極層と、前記陽極層と前記陰極層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体において、前記陽極層および前記陰極層の少なくとも一方における触媒層が、請求項に記載の触媒層用材料を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  11. 触媒層を含む陽極層と、触媒層を含む陰極層と、前記陽極層と前記陰極層との間に配置される固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体の製造方法において、請求項またはに記載の製造方法によって触媒層用材料を製造し、次いで固体高分子電解質膜の少なくとも片面に前記触媒層用材料を使用した触媒層を形成する(但し、片面のみに前記触媒層用材料を使用した触媒層を形成する場合は他の材料により他方の触媒層を形成する)ことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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