JP2005251419A - 固体高分子電解質型燃料電池用meaの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐久性に優れる燃料電池用MEAを提供することを目的とする。
【解決手段】 固体高分子電解質膜と、触媒層とをホットプレスにより接合させた後、得られた接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】 固体高分子電解質膜と、触媒層とをホットプレスにより接合させた後、得られた接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法に関し、より詳細には固体高分子電解質膜と触媒層とを接合した後に行う熱処理に関するものである。
燃料電池は、水素(燃料)と酸素とを電気化学的に反応させることにより発電させるシステムである。この反応による生成物は原理的に水であることから環境への負荷が少なく、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、注目されている。燃料電池としては、固体高分子電解質型、固体酸化物型、溶融炭酸塩型、リン酸型などが挙げられるが、中でも、他の燃料電池と比較して低温で作動し高出力密度が得られる固体高分子電解質型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源などとして期待され開発が進められている。
固体高分子電解質型燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜、及びその膜を挟持する2つの電極、すなわち、水素が供給されるアノードと酸素が供給されるカソードが配置された膜−電極接合体(MEA)と呼ばれる基本構成を有している。電極は触媒層とも呼ばれ、反応ガスや電池反応による生成水は電極内の孔を通ることにより輸送される。
従来のMEAの製造は、電極触媒および固体高分子電解質などを溶媒に混合分散させたスラリーを塗布後乾燥することにより作製した触媒層を用いて、固体高分子電解質膜を触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層の順となるように挟持し、これをホットプレスにより接合してMEAとする方法などが用いられている。
MEAにおいて電極反応により生成したプロトンは、固体高分子電解質を介して伝導する。従って、触媒層などに含まれる固体高分子電解質は、電池の特性を大きく左右するものである。
固体高分子電解質としては、化学的安定性・耐久性を向上させたパーフルオロカーボン重合体などが従来から用いられている。前記パーフルオロカーボン重合体には、電解質基としてスルホン酸基やカルボン酸基等を持つタイプがあり、例えば、固体高分子電解質型燃料電池に適用する場合には、電解質基としてスルホン酸基を備えたパーフルオロカーボン重合体が一般的に使用されている。前記パーフルオロカーボン重合体は、主鎖部分の強い疎水性と、電解質基の親水性との作用により、数nm程度の球状クラスターが1nm程度の間隔の狭いチャンネルによって繋がった構造を有している。そして、前記球状クラスター内に含まれる電解質基上を水とともにプロトンが移動することにより、プロトン伝導性を発現するのである。
固体高分子電解質型燃料電池は、コストとともに問題となっているのが電池の寿命であり、自動車で5000時間、家庭用では4万時間ともいわれている。従って、固体高分子電解質型燃料電池を産業上利用するには、より優れた耐久性を有する固体高分子電解質型燃料電池用MEAの開発が所望されている。
そこで、本発明が目的とするところは、長期にわたって所望の発電性能を維持することができる固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法を提供することである。
本発明は、固体高分子電解質膜と、触媒層とをホットプレスにより接合させた後、得られた接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法である。
本発明の製造方法を適用することにより、耐久性に優れた燃料電池用MEAを提供することができる。
本発明は、固体高分子電解質膜と、触媒層とをホットプレスにより接合させた後、得られた接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法である。
上述した通り、電極反応により生成したプロトンは水とともに固体高分子電解質中を移動するものであり、従って固体高分子電解質中の水はMEAの特性を大きく左右する。本発明の方法によれば、従来の方法により得られたMEAに水蒸気を含む気体雰囲気下での追加の熱処理を加えることにより、固体高分子電解質膜および触媒層内に含まれる固体高分子電解質を劣化させること無く、MEAの耐久性を大幅に向上することができる。
以下、本発明のMEAの製造方法について、順を追って説明する。
まず、PTFEシートなどの離型シート上に触媒層を形成し、これを用いて固体高分子電解質膜を触媒層が内側となるように挟持してホットプレスした後、離型シートを剥がして接合体を得る。
離型シート上に触媒層を形成するには、触媒が担持された導電性担体と固体高分子電解質を、水やアルコール系有機溶媒などの溶媒中に混合分散させ触媒層インクを調製し、前記触媒層インクを離型シート上にスクリーン印刷法、沈積法、あるいはスプレー法などにより所望の厚さに塗布・乾燥させる方法などが用いられる。
触媒層に用いられる前記触媒としては、水素の酸化反応、及び酸素の還元反応に触媒作用を有することが求められ、特に限定されないが、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等などから選択される。
前記触媒が導電性担体に担持されたときの粒子径は1〜30nmであることが好ましい。担持の容易さという観点から1nm以上であることが好ましく、触媒利用率の観点から30nm以下であることが好ましい。なお、本発明における「触媒の平均粒径」は、X線回折における触媒の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒の微粒子径の平均値により測定することができる。
触媒が担持される前記導電性担体としては、触媒を高分散担持させるために十分な比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであればよく、例えば、主成分がカーボンであるのが好ましい。より具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、黒鉛などが挙げられる。前記導電性担体として、特に好ましくは、BET比表面積が50m2/g以上であるカーボンブラックである。
なお、本発明においてカーボンとは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
また、導電性担体への触媒の担持は公知の方法で行うことができる。導電性担体における触媒の担持量は、特に限定されないが、15〜70質量%程度とするのがよい。15質量%未満では充分な活性が得られない場合がある。また、70質量%を超えると均一に分散し難く、触媒の高分散坦持が困難となる場合がある。触媒の担持量は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)によって調べることができる。
触媒層に用いられる固体高分子電解質としては特に限定されないが、少なくとも高いプロトン伝導性を有する部材が挙げられ、好ましくはスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が挙げられる。特に好ましくは下記式に基づく重合単位からなる共重合体などが挙げられる。
(式中、l及びmは整数であり、pは0〜3の整数であり、qは0又は1であり、nは1〜12の整数であり、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。)
触媒層インクにおける前記固体高分子電解質の含有量は、得られる触媒層が所望の特性を有するように適宜決定すればよいが、導電性担体重量1に対して0.1〜1.5、より好ましくは0.2〜1.4、さらに好ましくは0.3〜1.3程度とするのがよい。触媒層内のプロトン伝導性の観点から0.1以上が好ましく、得られる触媒層内での水の排出性の観点から1.5以下であることが好ましい。また、触媒層インクにおいて、触媒が担持された導電性担体、および固体高分子電解質などを合わせた固形分の濃度は、5〜40質量%程度とするのがよい。
触媒層インクにおける前記固体高分子電解質の含有量は、得られる触媒層が所望の特性を有するように適宜決定すればよいが、導電性担体重量1に対して0.1〜1.5、より好ましくは0.2〜1.4、さらに好ましくは0.3〜1.3程度とするのがよい。触媒層内のプロトン伝導性の観点から0.1以上が好ましく、得られる触媒層内での水の排出性の観点から1.5以下であることが好ましい。また、触媒層インクにおいて、触媒が担持された導電性担体、および固体高分子電解質などを合わせた固形分の濃度は、5〜40質量%程度とするのがよい。
触媒層インクには、導電性担体、固体高分子電解質などの他に、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体といった撥水性高分子などが含まれてもよい。これにより、得られる触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。
次に、離型シート上に作成した触媒層を用いて固体高分子電解質膜を挟持した後、ホットプレスを行う。ホットプレスは、100〜200℃、好ましくは110〜170℃で、電極面に対して1〜5MPaのプレス圧力で行うのが好ましい。これにより固体高分子電解質膜と触媒層との接合性を高めることができる。ホットプレスを行った後、離型シートを剥がすことにより、触媒層と固体高分子電解質膜とからなる接合体を得ることができる。
前記固体高分子電解質膜としては、特に限定されないが、触媒層の説明において列挙したのと同様の固体高分子電解質からなるのものなどが挙げられる。その例としては、デュポン社製NAFION、旭硝子社製FLEMION、旭化成社製ACIPLEX等が挙げられる。その他、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベースポリマーとする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜などを用いてもよい。
固体高分子電解質膜と、触媒層とに含まれる固体高分子電解質は、同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよいが、触媒層と固体高分子電解質膜との接合性などを考慮すると同じものを用いるのが望ましい。
前記固体高分子電解質膜の厚みとしては、得られるMEAの特性を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは15〜150μmである。製膜時の強度や燃料電池作動時の耐久性の観点から5μm以上であることが好ましく、燃料電池作動時の出力特性の観点から300μm以下であることが好ましい。
なお、触媒層と固体高分子電解質膜とを含む接合体の製造方法は、上述した方法に限定されない。すなわち、触媒層インクを固体高分子電解質膜上に塗布・乾燥させた後ホットプレスしてMEAとする方法、触媒層インクを後述のガス拡散層上に塗布・乾燥させて触媒層を形成し、これを固体高分子電解質膜とホットプレスにより接合する方法、などであってもよく各種公知技術を適宜用いて行えばよい。
本発明では、得られた接合体を、さらに水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を行う。これにより、得られるMEAの耐久性を向上させることができる。
前記気体雰囲気は、水蒸気のみからなるものであってもよいが、水蒸気の他、空気、不活性ガスなどを含んでいてもよい。なかでも、前記気体雰囲気が水蒸気と不活性ガスとを含むのが好ましく、触媒の酸化劣化などを防止することができる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられるが、コストなどの観点からは窒素がより好ましい。
前記気体雰囲気における水蒸気の体積比率は、30%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。体積比率が30%未満では、期待するほどの効果が得られない恐れがあるため望ましくない。
前記気体雰囲気が空気を含む場合、空気の体積比率は、20%以下、好ましくは10%以下とするのがよい。空気の体積比率が20%を超えると触媒の酸化劣化が生じる恐れがある。
また、前記気体雰囲気が不活性ガスを含む場合、不活性ガスの体積比率は、70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下とするのが好ましい。これにより、触媒の酸化劣化を抑制することができ、発電特性に優れるMEAが得られる。
熱処理温度としては、水蒸気を用いるという点から100℃以上であることが必要であるが、130〜300℃が好ましく、より好ましくは150〜250℃であり、さらに好ましくは170〜220℃である。なお、熱処理温度は、ホットプレスを施した温度より高くするのが望ましい。これにより、得られるMEAの耐久性をより向上させることができる。
熱処理時間は特に限定されないが、5分〜1時間程度の範囲が適当である。また、前記熱処理時の気体雰囲気圧力は、特に規定されないが、0.1MPa程度の常圧下や、これよりも加圧した状態や減圧した状態でも構わない。
熱処理時のMEAの状態は特に規定されないが、MEAそのままの状態でオーブン中などに置いた状態や、固体高分子膜の寸法変化を避けるために固定した状態で熱処理したり、また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の樹脂製シートに挟んだり、これを更にステンレススチール製等の金属板に挟んだ状態で熱処理を行っても構わない。
本発明のMEAは、触媒層において固体高分子電解質膜と接している面とは反対側の面にガス拡散層を配置させてもよい。前記ガス拡散層としては、特に限定されず、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料を基材とするものなどが挙げられる。また、撥水性を高めてフラッディング現象を防ぐために、公知の手段を用いて、前記ガス拡散層の撥水処理を行ったり、前記ガス拡散層上に炭素粒子集合体からなる層を形成するのが好ましい。
前記撥水処理を行う方法として、例えば、ガス拡散層をポリテトラフルオロエチレンといったフッ素などを有する撥水性高分子の分散液に浸漬した後、オーブン等で加熱乾燥させることで撥水処理を行う方法が挙げられる。
前記ガス拡散層上に炭素粒子集合体からなる層を形成する方法としては、まず、カーボンブラックなどの炭素粒子、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素を含有する撥水性高分子等を、水、パーフルオロベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒などの溶媒中に分散させることによりスラリーを調製する。次に、前記スラリーをガス拡散層上に塗布し乾燥、もしくは、前記スラリーを一度乾燥させ粉砕することで粉体にし、これを前記ガス拡散層上に塗布する方法などが挙げられる。前記方法において、炭素粒子集合体からなる層が形成された前記ガス拡散層上は、マッフル炉や焼成炉を用いて300〜400℃程度で熱処理を施すのが好ましい。
本発明の方法により得られるMEAは、水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことにより、耐久性を向上させることができる。従って、前記MEAを用いた燃料電池は、車両などの移動体用電源、定置用電源などとして高い発電量を長期に亘って示すことができる。
なお、上述した本発明のMEAの製造方法は、固体高分子電解質膜と触媒層とを含む接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理をさらに加えることを特徴とするものである。よって、その他の要件に関して、上述したものは一例を示したに過ぎず、従来公知技術において利用することができる他の方法を本発明のMEAの製造方法に適宜用いることができる。
以下、本発明の実施形態について、実施例を挙げて更に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
<実施例1>
1.ガス拡散層作製
(1−1)カーボンペーパー撥水処理
厚さ270μmのカーボンペーパー(東レ社製TGP−H−090)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液(ダイキン工業社製ポリフロンD−1E、60wt%)に浸漬後、オーブン内にて80℃、1時間乾燥させることにより、カーボンペーパー中にPTFEを分散させた。このとき、PTFE含有量は25wt%であった。
1.ガス拡散層作製
(1−1)カーボンペーパー撥水処理
厚さ270μmのカーボンペーパー(東レ社製TGP−H−090)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液(ダイキン工業社製ポリフロンD−1E、60wt%)に浸漬後、オーブン内にて80℃、1時間乾燥させることにより、カーボンペーパー中にPTFEを分散させた。このとき、PTFE含有量は25wt%であった。
(1−2)炭素粒子集合体からなる層の形成
炭素粒子としてカーボンブラック(CABOT社製VULCAN XC−72R)5.4g、(1−1)と同じPTFE分散液1.0g、水29.6gをホモジナイザーにて3時間混合分散し、スラリー化した。このスラリーを先に撥水処理化したカーボンペーパーの片面上にバーコーターを用いて塗布後、オーブン内にて80℃、1時間乾燥させ、さらにマッフル炉にて350℃、1時間熱処理を行った。その結果、カーボンペーパー1cm2あたりに形成された層の重量は3.0mgであり、また層の厚さは50μmであった。この後、一辺6cmの正方形に切り出した。
炭素粒子としてカーボンブラック(CABOT社製VULCAN XC−72R)5.4g、(1−1)と同じPTFE分散液1.0g、水29.6gをホモジナイザーにて3時間混合分散し、スラリー化した。このスラリーを先に撥水処理化したカーボンペーパーの片面上にバーコーターを用いて塗布後、オーブン内にて80℃、1時間乾燥させ、さらにマッフル炉にて350℃、1時間熱処理を行った。その結果、カーボンペーパー1cm2あたりに形成された層の重量は3.0mgであり、また層の厚さは50μmであった。この後、一辺6cmの正方形に切り出した。
2.MEA作製
(2−1)触媒層インク調製
白金担持カーボン(田中貴金属工業社製 TEC10E50E、白金含量46.5wt%)10g、固体高分子電解質溶液(DuPont社製 NAFION溶液DE520、電解質含量5wt%)90g、純水25g、2−プロパノール(和光純薬工業社製 特級試薬)10gを、20℃で保持するよう設定したウォーターバス中のガラス容器にて、ホモジナイザーを用いて3時間混合分散することで、触媒層インクとした。
(2−1)触媒層インク調製
白金担持カーボン(田中貴金属工業社製 TEC10E50E、白金含量46.5wt%)10g、固体高分子電解質溶液(DuPont社製 NAFION溶液DE520、電解質含量5wt%)90g、純水25g、2−プロパノール(和光純薬工業社製 特級試薬)10gを、20℃で保持するよう設定したウォーターバス中のガラス容器にて、ホモジナイザーを用いて3時間混合分散することで、触媒層インクとした。
(2−2)触媒層形成
厚さ200μmのPTFE製シート(ニチアス社製ナフロン(登録商標)シート)の片面上に、スクリーンプリンターを用いて先に調製した触媒層インクを塗布し、オーブン中で100℃、30分間乾燥させた後、一辺5cmの正方形に切り出した。
厚さ200μmのPTFE製シート(ニチアス社製ナフロン(登録商標)シート)の片面上に、スクリーンプリンターを用いて先に調製した触媒層インクを塗布し、オーブン中で100℃、30分間乾燥させた後、一辺5cmの正方形に切り出した。
(2−3)MEA化
一辺8cmの正方形で厚さ50μmの固体高分子電解質膜(DuPont社製NAFION NR−112)を挟んで、先に作製した2枚の触媒層形成PTFE製シートの触媒層形成側が対向するように重ねて、片側PTFE製シートあたり3MPaの圧力で、130℃、10分間ホットプレスし、冷却後PTFE製シートのみを剥がすことで、固体高分子電解質膜に触媒層を転写させ接合体を得た。このとき、PTFE製シートから固体高分子電解質への触媒層の転写率が100%で、電解質膜上の片面触媒層面積1cm2あたりの白金重量が0.40mgとなるようにした。また、触媒層の厚さは、それぞれ10μmであった。
一辺8cmの正方形で厚さ50μmの固体高分子電解質膜(DuPont社製NAFION NR−112)を挟んで、先に作製した2枚の触媒層形成PTFE製シートの触媒層形成側が対向するように重ねて、片側PTFE製シートあたり3MPaの圧力で、130℃、10分間ホットプレスし、冷却後PTFE製シートのみを剥がすことで、固体高分子電解質膜に触媒層を転写させ接合体を得た。このとき、PTFE製シートから固体高分子電解質への触媒層の転写率が100%で、電解質膜上の片面触媒層面積1cm2あたりの白金重量が0.40mgとなるようにした。また、触媒層の厚さは、それぞれ10μmであった。
3.熱処理
前記接合体を、水蒸気50体積%、窒素50体積%で満たしたオーブン中で、200℃、30分間熱処理し、MEAを得た。
前記接合体を、水蒸気50体積%、窒素50体積%で満たしたオーブン中で、200℃、30分間熱処理し、MEAを得た。
4.評価用単セル組立
先に作製したガス拡散層を2枚用いて炭素粒子集合体からなる層が対向するようにして、上記工程3で熱処理を施したMEAを挟んで重ねた状態とし、これをグラファイト製セパレータで挟持し、さらに金メッキしたステンレス製集電板で挟持して、評価用単セルとした。
先に作製したガス拡散層を2枚用いて炭素粒子集合体からなる層が対向するようにして、上記工程3で熱処理を施したMEAを挟んで重ねた状態とし、これをグラファイト製セパレータで挟持し、さらに金メッキしたステンレス製集電板で挟持して、評価用単セルとした。
5.単セル評価
発電は、単セル温度70℃、アノード加湿温度59℃、カソード加湿温度55℃に設定し、常圧でアノード側から水素、カソード側から空気を供給することで行った。この条件で、電流密度1A/cm2で連続発電し、耐久性を評価した。
発電は、単セル温度70℃、アノード加湿温度59℃、カソード加湿温度55℃に設定し、常圧でアノード側から水素、カソード側から空気を供給することで行った。この条件で、電流密度1A/cm2で連続発電し、耐久性を評価した。
6.評価結果
発電開始時電圧0.593V、500時間連続運転後電圧0.529Vであり、電圧維持率は89.2%であった。
発電開始時電圧0.593V、500時間連続運転後電圧0.529Vであり、電圧維持率は89.2%であった。
<実施例2>
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を170℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を170℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.598V、500時間連続運転後電圧0.539Vであり、電圧維持率は90.1%であった。
<実施例3>
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を150℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を150℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.588V、500時間連続運転後電圧0.511Vであり、電圧維持率は86.9%であった。
<実施例4>
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を130℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を130℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.582V、500時間連続運転後電圧0.497Vであり、電圧維持率は85.4%であった。
<実施例5>
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を120℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、接合体の熱処理温度を120℃とした、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.577V、500時間連続運転後電圧0.479Vであり、電圧維持率は83.0%であった。
<実施例6>
実施例1の工程3において、水蒸気60体積%、窒素40体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、水蒸気60体積%、窒素40体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.599V、500時間連続運転後電圧0.542Vであり、電圧維持率は90.5%であった。
<実施例7>
実施例1の工程3において、水蒸気70体積%、窒素30体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、水蒸気70体積%、窒素30体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.595V、500時間連続運転後電圧0.542Vであり、電圧維持率は91.1%であった。
<実施例8>
実施例1の工程3において、水蒸気100体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、水蒸気100体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.591V、500時間連続運転後電圧0.531Vであり、電圧維持率は89.8%であった。
<実施例9>
実施例1の工程3において、水蒸気80体積%、空気20体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、水蒸気80体積%、空気20体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.579V、500時間連続運転後電圧0.464Vであり、電圧維持率は80.1%であった。
<比較例1>
実施例1において、接合体の熱処理をしなかった、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、接合体の熱処理をしなかった、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.582V、500時間連続運転後電圧0.438Vであり、電圧維持率は75.3%であった。
<比較例2>
実施例1において、130℃、10分間ホットプレスした後、圧力を保持したまま200℃に昇温して30分間保持し、その後熱処理をしなかった、こと以外は実施例1と同様にして、MEAを作製した。
実施例1において、130℃、10分間ホットプレスした後、圧力を保持したまま200℃に昇温して30分間保持し、その後熱処理をしなかった、こと以外は実施例1と同様にして、MEAを作製した。
評価結果は、発電開始時電圧0.569V、500時間連続運転後電圧0.385Vであり、電圧維持率は67.7%であった。
<比較例3>
実施例1の工程3において、空気100体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
実施例1の工程3において、空気100体積%の雰囲気下で熱処理した、こと以外は実施例1と同様にした。
評価結果は、発電開始時電圧0.577V、500時間連続運転後電圧0.410Vであり、電圧維持率は71.1%であった。
実施例1〜9、比較例1〜3から明らかなように、連続運転時の電圧低下が抑制され、耐久性の向上が証明された。
Claims (2)
- 固体高分子電解質膜と、触媒層とをホットプレスにより接合させた後、得られた接合体を水蒸気を含む気体雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法。
- 前記気体雰囲気が、水蒸気と不活性ガス雰囲気とを含むことを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池用MEAの製造方法。
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JP2004056291A JP2005251419A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 固体高分子電解質型燃料電池用meaの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007052650A1 (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-10 | Asahi Glass Company, Limited | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 |
KR100746329B1 (ko) | 2005-11-22 | 2007-08-03 | 한국과학기술원 | 직접 메탄올 연료전지용 막/전극 접합체의 열처리 방법 |
KR101191052B1 (ko) | 2010-03-29 | 2012-10-15 | 한국에너지기술연구원 | 고분자 전해질 연료전지 사전활성화 방법 |
-
2004
- 2004-03-01 JP JP2004056291A patent/JP2005251419A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8007953B2 (en) | 2005-10-31 | 2011-08-30 | Asahi Glass Company, Limited | Process for producing membrane/electrode assembly for polymer electrolyte fuel cell |
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