JP2017186266A - 液体眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法 - Google Patents

液体眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】涙液油層安定化効果が高く、かつ高温製剤安定化された眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法を提供することを目的とする。【解決手段】(A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満及び(B)ビタミンA1〜20万単位/100mL含有する液体眼科用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、流動パラフィンを含有する液体眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法に関するものである。
涙液油層は、マイボーム腺から分泌される脂質から構成される。加齢やホルモン変化により、前記油層が減少することが知られている。さらにそれはコンタクトレンズ装用により助長されることが知られている。油層が減少することにより、涙液油層が不安定化し、ドライアイを発症し、さらには眼精疲労を引き起こす一因となる。これまで、ドライアイ治療を目的とした油性成分(植物油、流動パラフィン、白色ワセリン等)を含む点眼剤や眼軟膏等が知られている。
特開2008−94839号公報
しかしながら、上記点眼剤や眼軟膏は、涙液油層安定化効果は十分でなかった。また、眼軟膏に汎用される白色ワセリン等は意外にも涙液油層安定効果が十分でないことが明らかとなり、単純に油性成分を用いることで、涙液油層安定効果が得られるものでないことも明らかになった。本発明者らは、眼精疲労の原因として、加齢等による涙液油層変化に注目し、油層安定化の技術開発を進めた結果、油性成分(ひまし油、ごま油、流動パラフィン、白色ワセリン等)のうち、流動パラフィンが、涙液油層安定化効果が最も高いことを見出した。しかしながら、流動パラフィン含量を高めた液体眼科用組成物は、組成物においては高温で析出物が発生するという製剤安定性上の課題が明らかとなった。本発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、涙液油層安定化効果が高く、かつ高温製剤安定化された眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、流動パラフィンを含む液体眼科用組成物が、油層安定化効果が高いことを見出すと共に、この液体眼科用組成物の「高温製剤安定性が悪い」という課題を知見した。この「高温製剤安定性が悪い」という課題を、ビタミンAの添加により解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記液体眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法を提供する。
[1].(A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満及び(B)ビタミンA1〜20万単位/100mL含有する液体眼科用組成物。
[2].(A)ビタミンAが、レチノールパルミチン酸エステル及びレチノール酢酸エステルから選ばれる1種以上である[1]記載の液体眼科用組成物。
[3].さらに、(C)ビタミンEを含有する[1]又は[2]記載の液体眼科用組成物。
[4].(C)成分の配合量が0.01〜0.4W/V%である[3]記載の液体眼科用組成物。
[5].(C)ビタミンEが、ビタミンE酢酸エステルである[3]又は[4]記載の液体眼科用組成物。
[6].涙液油層安定化剤である、[1]〜[5]のいずれかに記載の液体眼科用組成物。
[7].[1]〜[6]のいずれかに記載の液体眼科用組成物と、液体眼科用組成物が充填されたプラスチック製容器と、このプラスチック製容器を密封した包囲体とを有する、眼科用製品。
[8].包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間容積中の不活性ガス濃度が、50容積%以上である[7]記載の眼科用製品。
[9].包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間に、脱酸素剤を封入した[7]又は[8]記載の眼科用製品。
[10].包囲体が脱酸素機能を有する包囲体である[7]〜[9]のいずれかに記載の眼科用製品。
[11].(A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満を含有する眼科用組成物に、(B)ビタミンA1〜20万単位/100mLを配合する、上記眼科用組成物の白濁抑制方法。
本発明によれば、涙液油層安定化効果が高く、高温製剤安定性に優れた液体眼科用組成物、眼科用製品及び白濁抑制方法を提供することができる。
[液体眼科用組成物]
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の液体眼科用組成物は、流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満及びビタミンA1〜20万単位/100mL含有するものである。
(A)流動パラフィン
流動パラフィンは鉱油、ミネラルオイルとも呼ばれており、流動パラフィンや軽質流動パラフィンが挙げられる。中でも、流動パラフィンが好ましい。液体眼科用組成物中の配合量は99W/V%(質量/容量、g/mL以下同じ)以上100W/V%未満であり、99〜99.995W/V%が好ましく、99.5〜99.995W/V%がより好ましい。下限以下では、(B)成分等を配合した場合に製剤透過率が低くなり、異物試験の工程を困難にして製造が効率的に行えないといった問題がある。100質量%では高温製剤安定性を十分改善するだけのビタミンAを配合することができない。
(B)ビタミンA
ビタミンAを用いることで、涙液油層安定性と、流動パラフィンを含む液体眼科用組成物が有する、「高温製剤安定性が悪い」という課題とを両立できるものである。単に油性成分というのみではこのことは達成し得ない。ビタミンAとしては、例えば、ビタミンAそれ自体の他に、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA誘導体等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノール、レチノイン酸、レチノイド等が挙げられる。中でも、レチノールパルミチン酸エステルが好ましい。液体眼科用組成物中の配合量は、1〜20万単位であり、好ましくは2.5〜10万単位、より好ましくは3〜5万単位である。下限以下、上限以上では製剤安定性が悪くなる。例えば、174万国際単位/gの場合、液体眼科用組成物中の配合量は0.006〜0.11W/V%であり、好ましくは0.015〜0.055W/V%、より好ましくは0.0175〜0.028W/V%である。
(C)ビタミンE
本発明の眼科用組成物には、流動パラフィンを含む液体眼科用組成物が有する、「高温製剤安定性が悪い」という課題の改善効果を高める観点から、(C)ビタミンEを配合することが好ましい。ビタミンEとしては、例えば、トコフェロール、トコトリエノール、これらの塩、誘導体(エステル)を総称する意味で使用される。具体的には、例えば、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等があり、これらの誘導体としては、例えば、ビタミンE酢酸エステル(酢酸トコフェロール)、ビタミンEニコチン酸エステル、ビタミンEコハク酸エステル、ビタミンEリノレン酸エステル等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、酢酸トコフェロール(酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール等)が好ましい。液体眼科用組成物中の配合量は、高温製剤安定性の向上の点から、0.01〜0.4W/V%が好ましく、0.01〜0.2W/V%がより好ましく、0.1〜0.15W/V%がさらに好ましい。
本発明の眼科用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を適量配合することができる。その他の成分としては、界面活性剤、多価アルコール、粘稠剤、清涼化剤、酸化防止剤、薬物等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤、アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)の陽イオン性界面活性剤等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。界面活性剤の配合量は、眼科用組成物中0.0001〜9.9W/Vの範囲から適宜選定することができる。また、本発明の眼科用組成物は界面活性剤がなくても、製剤安定性を得ることができるため、界面活性剤の配合量を組成物中、0.1W/V%未満、又は無配合とすることができる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。多価アルコールの配合量は、眼科用組成物中0.001〜5W/V%が好ましい。
粘稠剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。粘稠化剤の配合量は、眼科用組成物中0.003〜3W/V%が好ましい。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。清涼化剤、酸化防止剤のそれぞれの配合量は、眼科用組成物中0.0001〜0.2w/v%が好ましい。
薬物(薬学的有効成分)としては、例えば、充血除去剤(例えば、ナファゾリン塩酸塩、塩酸テトラヒドロゾリン、フェニレフリン塩酸塩、エピネフリン、エフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、硝酸テトラヒドロゾリン、ナファゾリン硝酸塩等)、消炎・収斂剤(例えば、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン塩化物水和物、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム塩酸塩、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、サリチル酸メチル、トラネキサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム等)、抗ヒスタミン剤(例えば、塩酸イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジル、クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、抗アレルギー剤(例えば、クロモグリク酸ナトリウム等)、水溶性ビタミン(活性型ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12等)、脂溶性ビタミン、アミノ酸(例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルタチオン等)、サルファ剤、殺菌剤(例えば、イオウ、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等)、局所麻酔剤(例えば、リドカイン、塩酸リドカイン、プロカイン塩酸塩、ジブカイン塩酸塩等)、散瞳剤(例えば、トロピカミド等)が挙げられる。薬物の含有量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、眼への刺激性、組成物の安定性等の点から、組成物中0.001〜5W/V%が好ましい。前記その他の成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
本発明の眼科用組成物は実質的に水を含まないことが好ましく、水の配合量は、液体眼科用組成物中の配合量は0.1W/V%以下が好ましい。
本発明の眼科用組成物には、ワセリンを併用することもできるが、涙液油層安定化作用、高温製剤安定化の観点から、液体眼科用組成物中の配合量は1W/V%以下が好ましく、0.5W/V%以下がより好ましく、0W/V%がさらに好ましい。
本発明の眼科用組成物は、液体の油性眼科用組成物であり、軟膏等とは異なるものである。なお、本発明において「液体」とは、流動性を有しており、粘度300mPa・s以下(25℃、回転数2rpm、ブルックフィールド粘度計 コーンプレートタイプ、英弘精機株式会社製)である。
本発明の眼科用組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、各成分を50〜90℃で、パルセーター、プロペラ羽根、パドル羽根、タービン羽根等で混合し、溶解確認後、流動パラフィンで100mL等の最終容量にする。
本発明の眼科用組成物は、点眼剤、コンタクトレンズ用点眼剤、洗眼剤等として好適に使用できるが、特に点眼剤として好適に使用できる。点眼剤又はコンタクトレンズ用点眼剤として使用する場合、1回につき30〜60μL、1日につき3〜6回点眼することにより、本発明の効果をより発揮することができる。洗眼剤として使用する場合、1回につき3〜6mL、1日につき3〜6回洗眼することにより、本発明の効果をより発揮することができる。特に、涙液油層を安定化するためには、本発明の眼科用組成物を点眼することが好ましい。
本発明の眼科用組成物は、涙液油層安定化作用を有するため、涙液油層安定化剤として用いることができる。また、本発明は、(A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満を含有する眼科用組成物に、(B)ビタミンA1〜20万単位/100mLを配合する、上記眼科用組成物の白濁抑制方法を提供する。これらの発明の好適な成分、量等は上記と同じである。
[眼科用製品]
本発明の液体眼科用組成物は、液体眼科用組成物が充填されたプラスチック製容器と、このプラスチック製容器を密封した包囲体とを有する、眼科用製品とすることができる。
プラスチック製容器としては特に限定されず、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、塩化ビニル等の材質またはこれら材質の複合体からなるもの等を用いることができる。特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
眼科用組成物を充填したプラスチック製容器を、包囲体で密封する。包囲体としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ポリ塩化ビニルフィルム、アルミ箔、アルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール系・ポリアミド系フィルム、ポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルムまたはラミネートフィルム等、これらの複合、多層フィルム等が挙げられる。
酸素透過係数は、10cc/m2・24hr・atm以下(即ち、0〜10cc/m2・24hr・atm)の酸素非透過性包囲体が好ましい。
流動パラフィンを含む液体眼科用組成物が有する、「高温製剤安定性が悪い」という課題の改善効果を高める観点から、包囲体とプラスチック製容器等は下記方法が好ましい。
(1)包囲体とプラスチック製容器との間に形成された容積中の不活性ガス濃度を、50容積%以上とする。
(2)包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間に、脱酸素剤を封入する。
(3)包囲体が脱酸素機能を有する包囲体
(1)不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。中でも窒素ガスが好ましい。不活性ガスの濃度は、包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間容積中、好ましくは50容積%以上、より好ましくは80容積%%以上、さらに好ましくは90容積%以上である。上限は特に限定されず、100容積%以下である。このような濃度にするためには、包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間を、不活性ガスで置換すればよい。
(2)脱酸素剤
脱酸素剤としては、具体的には三菱ガス化学(株)製のエージレス(FX、SA、Z−PT、GL、G)、(株)常盤産業製のバイタロン等を用いることができる。
(3)脱酸素機能を有する包囲体
脱酸素機能を有する包囲体しては、共同印刷(株)製のオキシキャッチ(登録商標)ICA、シールドエアー社製のCryovac(登録商標) OSフィルム、スタープラスチック工業(株)製のハイスターO2、三菱ガス化学(株)製のエージレスオーマック、東洋製罐(株)製のオキシデック等を用いることができる。
[白濁抑制方法]
本発明は、(A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満を含有する眼科用組成物に、(B)ビタミンA1〜20万単位/100mLを配合する、上記眼科用組成物の白濁抑制方法を提供する。好ましい成分、配合量等は上記と同じである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜24、比較例1〜7]
下記表に記載の組成の各成分を混合し、60℃においてプロペラ羽根で撹拌し、溶解確認後、流動パラフィンで100mL等の最終容量にして油性点眼剤を調製した。得られた油性点眼剤について下記評価を行った。結果を表中に併記する。
[涙液油層安定性試験]
涙液油層安定性の評価は、ドライアイ観察装置DR−1(興和株式会社製)を用いてBUT(break up time)を測定することで行った。DR−1は涙液油層表面と涙液水層との境界面で反射される光の干渉像を測定できる装置である。健常眼では、均一な灰色または白色の干渉像が観察され、涙液油層が崩壊すると干渉像が消失する。被験者に各油性点眼剤を点眼し10分経過後、数度瞬目し、その瞬目から涙液油層の崩壊までの時間(BUT)を測定した。被験者はBUTが10秒以下の人3名を選択した。結果を3名の平均値から、下記評価基準で示す。
[涙液油層安定性評価]
◎:油層BUTが60秒以上
○:油層BUTが30秒以上60秒未満
△:油層BUTが10秒以上30秒未満
×:油層BUTが10秒未満
[製剤安定性試験]
各油性点眼剤15mLを、ポリエチレンテレフタレート製容器(15mL:酸素透過係数は、10cc/m2・24hr・atm以下)に充填した。これを、アルミニウムを蒸着したPET(ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン)フィルム製包囲体に入れ、密封した。
なお、表中に不活性ガスに記載のある例は、記載のガスで上記空間を置換し、脱酸素剤に記載があるものは、上記空間に脱酸素剤(エージレスZ−PT)を封入し、フィルムと記載のあるものは、脱酸素機能を有する包囲体(三菱ガス化学(株)製のエージレスオーマック)を使用した。
これらを50℃・75%RH・1ヶ月保存し、室温まで戻した後の外観を、下記評価基準に基づき目視にて評価した。
[製剤安定性評価]
◎:無色透明
○:わずかに白濁しているが、振とうすると無色透明になる
△:わずかに白濁しているが、異物試験に問題ない
×:全体的に白濁しており、異物試験に不適当
全体的に白濁していることと、わずかに白濁していることには、大きな差があり、本発明においては△以上を製剤安定性合格とした。
Figure 2017186266
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実施例及び比較例を調製する際に用いた原料を以下に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
流動パラフィン(カネダ(株)製、ハイコールM352)
レチノールパルミチン酸エステル(DSMニュートリションジャパン(株)製、レチノールパルミチン酸エステル、174万国際単位/g)
酢酸トコフェロール(理研ビタミン(株)製、理研Eアセテートα)
ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業(株)製)
ひまし油(カネダ(株)製)
ごま油(カネダ(株)製)
ワセリン(丸石製薬(株)製)
メントール:l−メントール(高砂香料工業(株)製)
ボルネオール:d−ボルネオール(小城製薬(株)製)
クロロブタノール(メルク(株)製)
ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業(株)製)
レチノール酢酸エステル:酢酸レチノール(和光純薬工業(株)製)

Claims (11)

  1. (A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満及び(B)ビタミンA1〜20万単位/100mL含有する液体眼科用組成物。
  2. (A)ビタミンAが、レチノールパルミチン酸エステル及びレチノール酢酸エステルから選ばれる1種以上である請求項1記載の液体眼科用組成物。
  3. さらに、(C)ビタミンEを含有する請求項1又は2記載の液体眼科用組成物。
  4. (C)成分の配合量が0.01〜0.4W/V%である請求項3記載の液体眼科用組成物。
  5. (C)ビタミンEが、ビタミンE酢酸エステルである請求項3又は4記載の液体眼科用組成物。
  6. 涙液油層安定化剤である、請求項1〜5のいずれか1項記載の液体眼科用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の液体眼科用組成物と、液体眼科用組成物が充填されたプラスチック製容器と、このプラスチック製容器を密封した包囲体とを有する、眼科用製品。
  8. 包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間容積中の不活性ガス濃度が、50容積%以上である請求項7記載の眼科用製品。
  9. 包囲体とプラスチック製容器との間に形成された空間に、脱酸素剤を封入した請求項7又は8記載の眼科用製品。
  10. 包囲体が脱酸素機能を有する包囲体である請求項7〜9のいずれか1項記載の眼科用製品。
  11. (A)流動パラフィン99W/V%以上100W/V%未満を含有する眼科用組成物に、(B)ビタミンA1〜20万単位/100mLを配合する、上記眼科用組成物の白濁抑制方法。
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