JP2019011265A - 油性製剤 - Google Patents

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【課題】本発明は、ヒマシ油を含有しながらも皮膚感作性が低減された油性製剤を提供することを目的とする。【解決手段】ヒマシ油10質量%以上、ビタミンA類及び水0〜8質量%を含有する油性製剤。【選択図】なし

Description

本発明は油性製剤に関する。
従来、ヒマシ油には皮膚感作性があることが知られており、ヒマシ油の接触により、腫れや痒みといったアレルギー性接触皮膚炎が生じることが報告されている(非特許文献1)。
このような皮膚炎が生じると、その製剤の使用を断念せざるを得ないことも多いことから、皮膚感作性を低減させることは重要である。
吉川邦彦ら、ヒマシ油による接触性皮膚炎の1例、皮膚、第28巻、増刊第2号昭和61年8月、増263−増265
そこで、本発明は、ヒマシ油を含有しながらも皮膚感作性が低減された油性製剤を提供することを目的とする。
本発明者が前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、ヒマシ油とビタミンA類とを組み合わせることにより、ヒマシ油を含有する油性製剤において、ヒマシ油の皮膚感作性を低減できることを見出した。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.ヒマシ油10質量%以上、ビタミンA類及び水0〜8質量%を含有する油性製剤。
項2.更にビタミンE類を含有する、項1に記載の油性製剤。
本発明によれは、ヒマシ油とビタミンA類とを組み合わせることにより、ヒマシ油を含有する油性製剤において、ヒマシ油の皮膚感作性を低減できる。
図1は、ヒマシ油を含有する各油性製剤におけるペプチド結合性試験の結果を示す。
本発明は、ヒマシ油10質量%以上、ビタミンA類及び水0〜8質量%を含有する油性製剤に関する。
ヒマシ油は、トウゴマ(Ricinus communis)の種子から得られる脂肪油であり、従来公知の油である。ヒマシ油は、薬学的または香粧学的に許容可能である限り制限されない。
本発明の油性製剤中、ヒマシ油の含有量は10質量%以上である限り制限されない。本発明を制限するものではないが、ヒマシ油の含有量は、油性製剤中、好ましくは20〜99.99質量%、より好ましくは30〜99.99質量%、更に好ましくは40〜99.99質量%、更により好ましくは50〜99.99質量%、特に好ましくは60〜99.99質量%、特により好ましくは70〜99.99質量%が例示される。本発明の油性製剤において、ヒマシ油の含有量はこの限りにおいて制限されないが、より好ましくは80〜99.99質量%、更に好ましくは90〜99.99質量%、更により好ましくは95〜99.99質量%、特に好ましくは98〜99.99質量%、特により好ましくは99〜99.99質量%が例示される。
ビタミンA類としては、薬学的または香粧学的に許容される限り制限されず、レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、ビタミンA脂肪酸エステル、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエート等が例示される。ビタミンA類として、好ましくはパルミチン酸レチノール、酢酸レチノールが例示され、より好ましくはパルミチン酸レチノールが例示される。
ビタミンA類は、ビタミンA油に含まれているものであってもよく、ビタミンA油として従来公知のものを使用できる。ビタミンA油として、前記ビタミンA類に植物油を加えたもの、その希釈物、濃縮物等が例示される。本発明を制限するものではないが、ビタミンA油としては、ビタミンA油1gあたりビタミンA類を3000IU以上含むものが好ましく例示される。なお、加えられる植物油の含有量について、植物油がヒマシ油である場合、これは前記ヒマシ油の含有量に合算され、植物油がヒマシ油以外の油である場合、これは後述の油性成分の含有量に合算される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビタミンA類の含有量は制限されないが、油性製剤100g中、好ましくは500〜700,000IU、より好ましくは5,000〜500,000IU、更に好ましくは5,000〜70,000IU、特に好ましくは10,000〜70,000IUが例示される。
本発明の油性製剤は、水を含んでいても、含んでいなくてもよいが、水を含む場合、その含有量は8質量%以下である。このことから、水の含有量は、本発明の油性製剤中、0〜8質量%、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜3質量%、更に好ましくは0〜2質量%、更により好ましくは0〜1質量%、特に好ましくは0〜0.5質量%、特により好ましくは0〜0.3質量%、更に特に好ましくは0質量%が例示される。
本発明の油性製剤は、更にビタミンE類を含んでいても良い。ビタミンE類としては、薬学的または香粧学的に許容される限り制限されず、トコフェロール、トコトリエノール、これらの誘導体、これらの塩が例示される。トコフェロール、トコトリエノールは、α−、β−、γ−、δ−のいずれであってもよく、また、d体、dl体のいずれであってもよい。
ビタミンE類として、好ましくはトコフェロール、その誘導体、これらの塩が例示される。トコフェロールの誘導体としては、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、リノレン酸トコフェロール等のトコフェロール有機酸エステル等が例示される。これらのトコフェロールの誘導体も、d体、dl体のいずれであってもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビタミンE類の含有量は制限されないが、油性製剤中、好ましくは0.001〜0.7質量%、より好ましくは0.001〜0.1質量%、更に好ましくは0.001〜0.05質量%が例示される。
本発明の油性製剤には、ヒマシ油以外の油性成分(以下、本明細書において「油性成分」は「ヒマシ油以外の油性成分」を意味する)を任意に含有してもよい。油性成分としては、薬学的または香粧学的に許容される限り制限されないが、ウイキョウ油、ハッカ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ゴマ油、ダイズ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ツバキ油、ラッカセイ油、アルモンド油、小麦胚芽油、ヒマワリ油、綿実油、オリブ油、ローズ油、ベニバナ油等の動植物油脂、流動パラフィン、ワセリン、マクロゴール4000、マクロゴール6000等が例示される。油性成分として好ましくは、ウイキョウ油、ハッカ油、ベルガモット油、ユーカリ油、流動パラフィン、ワセリン、マクロゴール4000、マクロゴール6000等が例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
油性成分の含有量も制限されないが、本発明の油性製剤が油性成分を含有する場合、油性製剤中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.0001〜40質量%、より好ましくは0.0001〜30質量%、更に好ましくは0.0001〜20質量%、更により好ましくは0.0001〜10質量%、特に好ましくは0.0001〜8質量%、特により好ましくは0.0001〜5質量%、更に特に0.0001〜3質量%が例示される。
本発明の油性製剤には、前記成分以外に、薬学的または香粧学的に許容される他の任意の成分を更に含有していてもよい。任意の成分としては、界面活性剤、pH調整剤、緩衝剤、可溶化剤、防腐剤、増粘剤、安定化剤、粘稠化剤、抗酸化剤、分散剤、等張化剤、キレート剤、清涼化剤、着色剤、香料、各種有用成分(抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ピント調節機能改善剤、消炎剤、収斂剤、抗菌剤、角膜保護剤、充血除去剤、アミノ酸、ビタミン剤(ビタミンA類及びビタミンE類以外)等)等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよく、また、その含有量も目的等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の油性製剤は、10質量%以上のヒマシ油、ビタミンA類、必要に応じて水、ビタミンE類、油性成分、任意の成分を混合することにより製造できる。
本発明の油性製剤の剤形は制限されないが、好ましくは粘膜及び/または皮膚に適用される油性外用剤(眼科用薬(点眼剤、洗眼剤等)、点鼻薬、外皮用薬、坐薬等を含む)が例示され、より好ましくは油性眼科用薬、更に好ましくは点眼剤が例示される。
本発明の油性製剤の形態も制限されず、前記剤形等に応じて適宜決定すればよい。本発明の油性製剤の形態として、室温(24℃)で液状、半固形状、固形状等が例示され、より好ましくは液状、半固形状が例示される。本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、好ましくは液状が例示される。
本発明の油性製剤は、澄明であってもよく、澄明でなくてもよい。本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、好ましくは澄明が例示される。また、本発明の油性製剤は有色、無色を問わない。
本発明の油性製剤のpHも制限されず、使用目的に応じて決定すればよいが、通常、24℃でpH5.5〜8が例示される。本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、そのpHとして好ましくは24℃でpH6〜7.5が例示される。pHは、卓上型pHメーターF−52(堀場製作所製)で測定される。
本発明の油性製剤の粘度は、前記剤形、形態等に応じて適宜決定すればよく制限されないが、本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、好ましくは24℃で50〜800cp、より好ましくは200〜700cp、更に好ましくは300〜700cpが例示される。粘度は、ブルックフィールド粘度計(LVDV-II+)(Brookfield Engineering Labs社製)においてスピンドルFを使用し、スクリュー管No.7(35×78、マルエル社製)に、油性製剤50gを充填し、回転速度4rpm、24℃にて、計測開始から5分後の粘度である。
本発明の油性製剤の使用目的も、前記剤形、形態等に応じて適宜決定すればよく制限されないが、保湿、シワ抑制、紫外線ケア、角質軟化、角化抑制、皮膚のバリア機能向上等が例示される。本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、例えば、疲れ目、かすみ目、目のかゆみ、充血、ドライアイ、紫外線による眼炎(雪目等)、目の不快感、結膜炎、ものもらい、なみだ目、異物感等の予防や改善を目的として、また、角膜保護、角膜修復、抗アレルギー、抗菌、紫外線ケア、眼病予防、ドライアイ対策、眼瞼摩擦の潤滑、涙液油層の補充等を目的として使用できる。
本発明の油性製剤は、プラスチック製、ガラス製、缶等の従来公知の容器に収容することができ、これを粘膜及び/または皮膚に適用して使用することができる。
本発明を制限するものではないが、本発明の油性製剤が油性眼科用薬として使用される場合、油性眼科用薬を従来の眼科用薬に使用されている容器に充填することができ、特に油性点眼剤の場合は、容器として、例えば、第十六改正日本薬局方解説書の製剤総則の点眼剤の説明に従うものが好ましい。本発明の油性点眼剤は、通常、このような点眼剤用の容器から目に直接滴下することにより使用される。容器の素材も制限されず、ポリプロピレン製(PP)、ポリエチレンテレフタレート製(PET)、ポリアクリレート製、ポリエチレン製(PE)、低密度ポリエチレン製(LDPE)、ポリカーボネート製等のプラスチック製、ガラス製等の従来公知のものが例示され、好ましくはプラスチック製である。また、容器は、異物の観察に差し支えのない程度の透明性を有していれば良く、有色であっても無色であってもよい。
本発明において容器は、ビタミンA類の光安定性を向上できる点から、オレンジ色等の有色であることがより好ましい。これにより、特に光照射下でのビタミンA類の光安定性を一層向上できる。オレンジ色等の有色とは、特に限定されないが、波長600nmにおける光透過率が、好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下であるものをいう。無色透明の容器の少なくとも一部分が、オレンジ色等の有色のフィルムで包装されたものであってもよい。このような有色の容器は公知であり、本発明において従来公知の容器を使用してもよい。本発明において使用される容器が透明である場合や波長600nmにおける光透過率が高い場合、油性製剤を収容した容器は遮光下で保存されることが好ましい。波長600nmにおける光透過率は、分光光度計を用いて測定する。
また、容器の容量も制限されないが、好ましくは3〜500mLが例示され、本発明の油性製剤が油性点眼剤として使用される場合、より好ましくは5〜15mLが例示される。
本発明の油性製剤の使用回数や使用量等も制限されず、前記形態、剤形、適用者の年齢、症状、使用目的等に応じて適宜決定すればよく、通常1日1〜数回を皮膚に適用すればよい。
本発明を制限するものではないが、本発明の油性製剤を油性眼科用薬として使用する場合、その使用回数や使用量も制限されず、通常1日1〜数回、好ましくは1日3〜6回、より好ましくは1日3〜4回が例示され、特に油性点眼剤として使用する場合、通常1回あたり1〜数滴、好ましくは1回あたり1〜2滴が例示される。また、油性点眼剤の場合、目に滴下して使用される限り制限されないが、好ましくは滴下後10〜60秒間、より好ましくは40〜60秒間は目を閉じておくことが好適な例示として挙げられる。
本発明によれば、ヒマシ油とビタミンA類とを組み合わせて使用することにより、ヒマシ油の皮膚感作性を抑制することができる。このことから、本発明によれば、ヒマシ油に起因するアレルギー性接触皮膚炎を抑制することができる。本発明において皮膚感作性は、後述の実施例に示すペプチド結合性試験に従い評価される。
また、特に、本発明の油性製剤は油性眼科用薬としても使用可能であるが、水が多く含まれる点眼剤は目に入った際に冷たく感じることから、点眼剤が苦手な人は、滴下された瞬間が分かることから、使用が怖かったり、不快であったりし、敬遠することも多々ある。本発明によれば、水の含有量が0〜8質量%と非常に低く、後述の実施例に示す通り、滴下されたことに気づきにくく、ヒマシ油に起因する皮膚感作性のリスクを抑制しながら、点眼剤が苦手な人にとっても非常に利用しやすい油性点眼剤を提供できる。一方、滴下したことに気づくことにより使用感を高めたい場合は、後述の実施例に示す通り、更にl−メントールを添加すればよく、これにより、皮膚感作性のリスクを抑制しながら、点眼したことに気づきやすくなる。
本発明はまた、ヒマシ油を含む油性製剤において、ビタミンA類を組み合わせることを特徴とする、ヒマシ油の皮膚感作性抑制方法を提供するともいえる。該方法において使用されるヒマシ油、ビタミンA類、油性製剤等は前述と同様に説明され、また、該方法において該油性製剤に使用可能な成分、各成分の含有量等も前述と同様に説明される。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例1
次の表1に従い、各成分を混合し、油性製剤を調製した(実施例1〜4、比較例2及び3)。また、ヒマシ油のみを含む油性製剤を比較例1とした。
得られた実施例1〜4及び比較例1〜3について、ペプチド結合性試験により皮膚感作性の評価を行った。ペプチド結合性試験は、皮膚感作性試験の一つであり、皮膚感作性成立の初期段階の反応であるハプテンとタンパク質との結合性に基づく評価方法である。これらの結合率が高いほど皮膚感作性のリスクが高いと判断できる。試験手順は次の通りとした。
前述のようにして得た実施例1〜4及び比較例1〜3の各油性製剤を100mg/1mLとなるようにDMSO(ジメチルスルホキシド)と混合し、被験溶液を得た。HPLC(高速液体クロマトグラフ)用のバイアル遮光瓶を用いて、各被験溶液について、次の通り2つの検体(サンプル、コントロール)を調製した。
サンプル 被験溶液:システイン含有ペプチド=1:1
コントロール DMSO:システイン含有ペプチド=1:1
ここで、システイン含有ペプチドとしては、「H-Phe-Thr-Leu-Cyc-Phe-Arg-NH2」の配列を有する合成ペプチドを使用した。
これらの検体を調製後、遮光下で40℃、24時間静置した。次いで、各検体について、未反応のシステイン含有ペプチド量(ピーク面積)をHPLCを用いて次の条件で分析した。
カラム:ODSカラム 4.6mm×150mm
温度:40℃
UV検出波長:220nm
移動層・流速:0.1%リン酸水溶液と0.1%リン酸アセトニトリルを混合し、平衡化した後、システイン含有ペプチドのピークが13分になるよう流速を調節した。
このようにして得たサンプル及びコントロールのピーク面積から、次の式により、ペプチド結合率を算出した。
ペプチド結合率
=(1−(サンプルのピーク面積/コントロールのピーク面積))×100
結果を表1に示す。
表1から明らかなように、ヒマシ油のみを含有する比較例1では、結合率が5.29%と高い値であった。また、ヒマシ油に酢酸トコフェロール(ビタミンE類)を組み合わせた比較例2及び3においても、結合率が5.59%、5.18%であり、酢酸トコフェロールの含有量にかかわらず、ヒマシ油のみを含有する比較例1と同様の結果となった。
これに対して、ヒマシ油にパルミチン酸レチノール(ビタミンA類)を組み合わせた実施例1〜4では、結合率が高くても1.92%であった。
このことから、ヒマシ油とビタミンA類とを組み合わせることにより、ヒマシ油単体よりも、ペプチド結合率が低くなり、皮膚感作性リスクが低減したことが分かった。
また、実施例1〜4から分かる通り、ヒマシ油にビタミンA類とビタミンE類とを組み合わせた実施例3及び4では、ヒマシ油にビタミンA類のみを組みあわせた実施例1及び2よりも、ペプチド結合率を更に低減できたことが分かった。
試験例2
前記試験例1で調製した油性製剤(実施例3)と、次の表2に従い各成分を混合して調製した、l−メントールを添加した油性製剤(実施例5)について、これを油性点眼剤として、目に適用した際の使用感を評価した。評価は、日常的に点眼剤を使用している者10名に、点眼の際、油性製剤を点眼したことに気づいた場合を「気づきあり」、点眼したことに気づかなかった場合を「気づきなし」と判定してもらう方法で行った。
表2から明らかなように、l−メントールを含んでいない実施例3では油性点眼剤を滴下したことに気づきにくかったが(10名中8名が「気づきなし」と判定した)、更にl−メントールを含有する実施例5では、被験者全員が滴下したことに気づいた(10名中10名が「気づきあり」と判定した)。このように、l−メントールを更に組み合わせることにより、使用感を変更できた。このことから、皮膚感作性リスクを低減しながら、使用者の好みに応じて使用感を適宜変更でき、より使い勝手のよい油性製剤を提供できることが分かった。
処方例
表3及び4に示す処方に従い油性製剤を調製した。処方例1〜13、18〜21、23、25及び26は、(A)成分及び(B)成分を混合して調製した。処方例14〜17、22及び24は、(B)成分を混合して得た混合液を80℃に温め、攪拌しながら、これに、別途(A)成分を混合して得た混合液を、少しずつ加えることにより調製した。これらは、前記試験例の場合と同様に、ペプチド結合率が低減されており、ヒマシ油に起因するアレルギー性接触皮膚炎の抑制効果が期待できる油性製剤である。

Claims (2)

  1. ヒマシ油10質量%以上、ビタミンA類及び水0〜8質量%を含有する油性製剤。
  2. 更にビタミンE類を含有する、請求項1に記載の油性製剤。
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