JP2017185854A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑制しつつ、二次衝突時の衝撃エネルギ吸収荷重を安定的に発生させることができるステアリング装置を提供すること。【解決手段】ステアリング装置(10)は、規制モード中のインナパイプ(14)に接触し、インナパイプ(14)の後方から衝撃が加わることによりインナパイプ(14)が変位した際に、衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部(21)を有している。締結機構(50)は、一対の脚部(42)を貫通し回転可能に設けられた軸部材(51)を含み、軸部材(51)は、カム形状を呈するカム部(51b)を含んでいる。カム部(51b)に向かって付勢可能な長尺状のストッパ部材(18)が、アウタコラム(40)に設けられている。エネルギ吸収部(21)は、ストッパ部材(18)の一端部(18a)に設けられ、過移動防止部(22)は、ストッパ部材(18)の他端部(18b)に取り付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、ステアリングホイールの前後方向への位置調節機能と、二次衝突時の衝撃エネルギ吸収機能とを有したステアリング装置に関する。
車両は、様々な体格の運転者が運転する。各運転者の体格に合わせて、前後方向にステアリングホイールの位置を調節することができるステアリング装置が知られている。このようなステアリング装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1に開示された技術について、図10(a)及び図10(b)を参照して説明する。図10(a)は、特許文献1の図6に開示され、実線によって示された移動モードに対応している。図10(b)は、特許文献1の図6に開示され、破線によって示された規制モードに対応している。符号は、適宜振り直している。
図10(a)を参照する。特許文献1に示されるような、ステアリング装置110は、アウタコラム140と、このアウタコラム140によって車両前後方向へ移動可能に保持されたインナパイプ114と、を有している。インナパイプ114は、締結機構150によって、車両前後方向への移動が許容される移動モードと、移動が規制される規制モードと、が切り替えられる。ステアリング装置110は、インナパイプ114が移動可能に設けられた移動モードの状態にある。
締結機構150は、回動可能に設けられた操作レバー152を含む。この操作レバー152に、リンク機構170を介して過移動防止部122が取り付けられている。過移動防止部122は、移動モード時にアウタコラムに形成された開口部123から内方へ突出し、インナパイプ114と当接することで、インナパイプ114の過移動を防止する。即ち、インナパイプ114が過移動防止部122の位置まで移動すると、インナパイプ114は、過移動防止部122に接触し、移動が防止される。
図10(b)を参照する。図10(b)には、規制モード状態のステアリング装置110が示されている。図10(a)に示された状態から、矢印(図10(a)参照)によって示されるように操作レバー152を回動させることにより、移動モードから規制モードに切り替えることができる。
規制モード中は、締結機構150の締結力によって、インナパイプ114の移動が規制される。二次衝突時、発生する荷重は、白抜き矢印によって示されるように、インナパイプ114を介して前方に加わる。このとき、締結機構150の締結力に抗して、インナパイプ114が前方へ移動し、インナパイプ114とアウタコラム140との間において発生する摩擦力によって、衝撃エネルギを吸収する。
規制モード中のステアリング装置110は、過移動防止部122がアウタコラム140の内方から後退している。これにより、インナパイプ114は、衝突時において過移動防止部122に接触しない。ステアリング装置110は、規制モード中に過移動防止部122を後退させることにより、安定的な衝撃エネルギの吸収を可能としている。
このようなステアリング装置において、部品点数の増加を抑制しつつ、より多くの衝撃エネルギを吸収することができれば望ましい。
特開2005−1517号公報
本発明は、部品点数の増加を抑制しつつ、二次衝突時の衝撃エネルギの吸収荷重を安定的に発生させることができるステアリング装置の提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、ブラケットに支持されたアウタコラムと、このアウタコラムによって車両前後方向へ移動及び固定可能に保持されたインナパイプと、を有し、
前記アウタコラムは、前記インナパイプの外周を保持するパイプ保持部と、このパイプ保持部の軸方向に沿って形成された開口と、この開口の幅方向両側で且つ前記パイプ保持部から延びる一対の脚部と、
この一対の脚部と前記ブラケットの両アウタコラム支持部に挿通する軸部材を有する締結機構と、を有し、
前記インナパイプは、前記締結機構によって、車両前後方向への移動が許容される移動モードと、移動が規制される規制モードと、が切り替えられ、
前記移動モード時に前記インナパイプの外周に重なる位置に臨むと共に、前記規制モード時に前記インナパイプから離間する過移動防止部を有した、ステアリング装置において、
前記規制モード中の前記インナパイプに接触し、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部をさらに有し、
前記軸部材は、カム形状を呈するカム部を含み、
このカム部に向かって付勢可能な長尺状のストッパ部材が、前記一対の脚部の間に配置され、
前記エネルギ吸収部は、前記ストッパ部材の一端部に設けられ、
前記過移動防止部は、前記ストッパ部材の他端部に取り付けられている。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記ストッパ部材は、略U字状に湾曲した板ばねによって構成され、
前記カム部は、前記ストッパ部材によって挟み込まれている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記一対の脚部には、前記ストッパ部材を支持する支持部が形成されている。
請求項1に係る発明では、ストッパ部材は、カム部に向かって付勢可能である。軸部材を回転させると、カム部も回転し、カム部によってストッパ部材が変位する。これにより、規制モード中は、ストッパ部材の一端部に設けられたエネルギ吸収部がインナパイプに接触する。このため、二次衝突時には、インナパイプとアウタコラムとの摩擦荷重にインナパイプとエネルギ吸収部との摩擦荷重が加わり、衝撃エネルギを吸収する。これにより、衝撃エネルギの吸収量を増加させることができる。ここで、ストッパ部材の他端部には、過移動防止部が取り付けられている。即ち、ストッパ部材は過移動防止部材とエネルギ吸収部とを有しており、1つの部材でテレスコ調整範囲の規制と衝撃エネルギ吸収を行うことができるため、部品点数の増加を抑制できる。即ち、本発明によれば、部品点数の増加を抑制しつつ、衝撃エネルギの吸収量を増加させることができる。
請求項2に係る発明では、略U字状に湾曲した板ばねによって構成されたストッパ部材によって、カム部は、挟み込まれている。ストッパ部材そのものの付勢力を利用することができる。ストッパ部材をばねによって付勢する場合に比べて、部品点数を削減することができる。
請求項3に係る発明では、一対の脚部には、ストッパ部材を支持する支持部が形成されている。これにより、ストッパ部材の回転を防止し、規制モード及び移動モードを安定して行うことができ、確実なエネルギ吸収を行うことができる。
本発明の実施例1によるステアリング装置の左側面図である。 図1の2−2線断面図である。 図2の3−3線断面図である。 図1の4矢視図である。 図3の5−5線断面図である。 図3に示されたステアリング装置の移動モード時における作用について説明する図である。 図1に示されたステアリング装置のエネルギ吸収性能について説明する図である。 本発明の実施例2によるステアリング装置の断面図である。 本発明の実施例3によるステアリング装置の断面図である。 従来の技術の基本構成について説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例1>
図1を参照する。図1には、ステアリング装置10が左側方から見た状態によって示されている。本発明によるステアリング装置10は、乗員が自身の体格に合わせてステアリングホイールの位置を車両前後方向(図面左右方向)に調節することができるものである。即ち、ステアリング装置10は、いわゆるテレスコピック機能を備えている。
図2を参照する。ステアリング装置10は、車体に固定されたブラケット30と、このブラケット30に支持され、一対の脚部42,42を有するアウタコラム40と、このアウタコラム40によって車両前後方向へ移動可能に保持されているインナパイプ14と、このインナパイプ14の内部に配置され後端にステアリングホイールが取り付け可能なステアリングシャフト15と、締結機構50と、を有している。
図2に示されている状態において、インナパイプ14は、前後方向への移動が規制されている。即ち、図2には、規制モード中のステアリング装置10が示されている。
締結機構50は、長孔34a,34a、及び、ボルト挿通孔42a,42aに挿通され先端に雄ねじが切られた軸部材51に、操作レバー52、締結カム53、及び、ナット56が取り付けられてなる。
操作レバー52は、軸部材51を回転させるための部品である。
締結カム53は、軸部材51を回転させた際に、脚部42,42の間隔を変位させるための部材である。締結カム53は、軸部材51と共に回転可能な可動カム53aと、この可動カム53aに接触し回転不能な固定カム53bと、からなる。
軸部材51は、本体部である軸部材本体部51aの中央に上下に平面を有する略長円断面状のカム部51bが一体的に形成されてなる。即ち、カム部51bは、上面が平面状に形成され、下面が平面状に形成されている。これらの上下の平面がそれぞれ円弧状の曲面によって繋がれている。カム部51bは、軸部材51が回転することにより後述するストッパ部材18を上下に変位させることができるカム形状を呈している。
図3、及び、図4を参照する。インナパイプ14の下部で且つ一対の脚部42,42の間には、略U字状に湾曲した金属板製のストッパ部材18が設けられている。
ストッパ部材18は、軸部材51のカム部51bに向かって付勢可能な板ばねである。ストッパ部材18は、略U字状に湾曲した部位であるストッパ部材底部18cと、このストッパ部材底部18cの上端から後方に向かって延びる上辺部18dと、ストッパ部材底部18cの下端から後方に向かって延びる下辺部18eと、からなる。また、下辺部18eには幅方向外方に向かって延びる延出部18f,18f(図5も併せて参照)が形成されている。軸部材51のカム部51bの上方に上辺部18d、下方に下辺部18eが配置され、上辺部18dはカム部51bを下方へ向かって付勢し、下辺部18eはカム部51bを上方へ向かって付勢している。軸部材51の回転によって、上辺部18d及び下辺部18eが上下方向に変位する。
上辺部18dの一端部18aは、インナパイプ14に向かって湾曲しており、二次衝突時にインナパイプ14に当接して、衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部21となっている。下辺部18eの他端部18bは、インナパイプ14に向かって湾曲しており、移動モード時にインナパイプ14の過移動を防止する過移動防止部22が設けられている。また、下辺部18eは、全体にリブ18gが設けられている。
エネルギ吸収部21の先端は、インナパイプ14の外周に沿って円弧状に形成された弧状部21aと、この弧状部21aの両端に形成され湾曲している端部21b,21bと、からなる。
図2を参照する。ブラケット30は、車体に固定されている車体取付部31と、この車体取付部31の左右の下部に一体的に形成されアウタコラム40を狭持している左右のアウタコラム支持部32,32と、からなる。
車体取付部31の左右の端部には、ばね24,24の上端部を取り付けるためのばね取付部33,33が設けられている。ばね24,24の下端部は、軸部材51の両端部に形成された係止部51cに係止されている。係止部51cは、軸部材51の径が小さく形成され、くびれた部位である。
アウタコラム支持部32,32には、それぞれ、チルト調整用の長孔34a,34aが形成されている。図に示される状態において、アウタコラム支持部32,32は、互いに略平行に対向している。
アウタコラム40は、インナパイプ14を保持するパイプ保持部41と、このパイプ保持部41の下方で且つ軸方向に沿って形成された開口と、この開口の幅方向両側に形成され、パイプ保持部41から下方に延びる一対の脚部42,42と、を有している。パイプ保持部41は、インナパイプ14の外周に沿って配置されている。
脚部42,42には、それぞれ、略水平にボルト挿通孔42a,42aが形成されている。図2に示される状態において、脚部42,42の外側面は、それぞれアウタコラム支持部32,32の内側面に接触していると共に、これらのアウタコラム支持部32,32によって互いに近接するように挟持されている。
図3、図6を参照する。脚部42,42にはそれぞれ、ストッパ部材18を支持する前方支持部44,44、突出支持部45,45、後方支持部46,46が一体的に形成されている。前方支持部44,44は、脚部42,42の前方端からそれぞれ幅方向内側に向かって形成された略方形状の部位で、ストッパ部材18の前端位置を規制する。前方支持部44,44には、ストッパ部材底部18cが当接している。突出支持部45,45は、脚部42,42の内側面からそれぞれ幅方向内側に向かって突出形成された部位で、ボルト挿通孔42a,42aよりも前方側に位置している。突出支持部45,45には、ストッパ部材18の下辺部18eが当接している。後方支持部46,46は、脚部42,42の後方側にそれぞれ形成され、上方に向かって切欠かれたスリット状の部位で、ストッパ部材18の後端位置を規制する。後方支持部46,46には、ストッパ部材18の延出部18f,18fが配置される。
図5を参照する。インナパイプ14の下面の一部は、上方に向かって凹むインナパイプ凹部14aが軸方向に沿って形成されている。このインナパイプ凹部14aの軸方向長さが、インナパイプ14の前後方向に移動可能な長さとなる。なお、インナパイプ凹部14aに代えて、過移動防止部22が臨むことのできる長孔としてもよい。
図1を参照する。インナパイプ14を前後方向に移動させる場合には、ステアリング装置10を移動モードに変更する必要がある。移動モードに変更するためには、矢印(1)によって示されるように、操作レバー52を下方に向かって回動させる。
図2を参照する。操作レバー52を回動させることにより、軸部材51が回転し、軸部材51と共に可動カム53aも回転する。このとき、固定カム53bは、回転しない。可動カム53aと固定カム53bの対向する面には、それぞれ凹凸形状が連続的に形成されている。固定カム53bを基準とした場合に、可動カム53aの凹凸形状が変化することにより、可動カム53aとの間の隙間αが狭まり、脚部42,42間の隙間βが広がる。これによりパイプ保持部41におけるインナパイプ14の固定が解除され、規制モードから移動モードへの切り替えが終了し、インナパイプ14を前後方向に変位させることができる。
規制モードから移動モードに切り替わる際に、軸部材51が回転すると、軸部材51の中央に形成されたカム部51bも回転する。
図6を参照する。移動モード時、カム部51bの上下の平面は、インナパイプ14の軸心と平行となる。ストッパ部材18は、カム部51bが回転することにより、上辺部18d及び下辺部18eが互いに近接するように変位する。即ち、上辺部18dは、下方に変位してカム部51bの上方の平面と当接し、下辺部18eは、上方に変位してカム部51bの下方の平面と当接する。このとき、ストッパ部材18のカム部51bに向かって付勢される力は僅かであり、又は、付勢していない。この状態において大きな付勢力を有していると、規制モードへ変更する際、レバー回動時に大きな操作力が必要となり、レバーの操作性が悪化するからである。
上辺部18dが下方に変位することにより、エネルギ吸収部21は、インナパイプ14から離間する。そして、下辺部18eが上方に変位することにより、過移動防止部22は、インナパイプ凹部14aに臨む位置まで変位する。移動モードにおいて、エネルギ吸収部21はインナパイプ14から離間し、過移動防止部22はインナパイプ14に臨んでいる。
矢印(3)によって示されるように、移動モードでは、インナパイプ14を車両前後方向に変位させることができる。このとき、所定の量を超えてインナパイプ14を移動させようとすると、インナパイプ凹部14aの軸方向端縁14b,14cが過移動防止部22に接触する。これにより、インナパイプ14が所定の範囲を超えて移動することが防止される。テレスコ最縮時、即ち、インナパイプ凹部14aの後方側の軸方向端縁14bと過移動防止部22とが接触すると、ストッパ部材18には車体前方への荷重がかかる。しかし、ストッパ部材18のストッパ部材底部18cと脚部42,42に形成された前方支持部44,44とが当接しているので、ストッパ部材18の前方への移動を防止することができる。また、テレスコ最伸時、即ち、インナパイプ凹部14aの前方側の軸方向端縁14cと過移動防止部22とが接触すると、ストッパ部材18には車体後方への荷重がかかる。しかし、ストッパ部材18の延出部18f,18fと脚部42,42に形成された後方支持部46,46とが当接しているので、ストッパ部材18の後方への移動を防止することができる。過移動防止部22には、樹脂やゴム等から形成された緩衝部材が装着されており、インナパイプ凹部14aの軸方向端縁14b,14cと当接した際の衝撃や異音を防止している。また、移動モードにおいて、エネルギ吸収部21はインナパイプ14から離間しているので、テレスコ操作の妨げにならない。
図2、図3に示される規制モード時、操作レバー52を上方に向かって回動すると、軸部材51が回転し、軸部材51と共に可動カム53aも回転する。そして、可動カム53aと固定カム53bとの間の隙間αが広がり、脚部42,42間の隙間βが狭まる。これにより、パイプ保持部41によってインナパイプ14が固定され、規制モードとなる。
図3を参照する。規制モード時、軸部材51が回転することにより、カム部51bの上下の平面は、インナパイプ14の軸心に平行な状態から傾くように変位する。すると、ストッパ部材18の上辺部18d及び下辺部18eはカム部51bによって押し広げられ、付勢力に抗して互いに離間するように変位する。即ち、上辺部18dは、上方に変位して、下辺部18eは、下方に変位する。上辺部18dが上方に変位することにより、エネルギ吸収部21は、インナパイプ14に当接する。そして、下辺部18eが下方に変位することにより、過移動防止部22は、インナパイプ凹部14aから離間する位置まで変位する。規制モードにおいて、エネルギ吸収部21はインナパイプ14に当接し、過移動防止部22はインナパイプ14から離間している。
規制モード時、上辺部18d及び下辺部18eは、ストッパ部材底部18cを起点として離間するように変位する。ストッパ部材底部18cが前方支持部44,44に当接し、下辺部18eが突出支持部45,45に当接していることで、ストッパ部材18の回転を防止し、上辺部18d及び下辺部18eの変位を安定させることができる。
図3を参照する。二次衝突時、締結機構50の締結力に抗して、インナパイプ14が前方へ移動する。衝撃エネルギの一部は、パイプ保持部41とインナパイプ14との摩擦荷重において吸収される。
運転中のステアリング装置10は、規制モードとされている。規制モードでは、エネルギ吸収部21がインナパイプ14に当接している。この状態で二次衝突が起きると、インナパイプ14の前方移動により、インナパイプ14とエネルギ吸収部21との摩擦荷重によって衝撃エネルギの一部を吸収することができる。
図5を参照する。エネルギ吸収部21の先端はインナパイプ14の外形に沿って円弧状に形成された弧状部21aが形成されており、この弧状部21aの端部21b,21bがインナパイプ凹部14aを跨ぐように幅方向両側からそれぞれ当接する。二次衝突時、インナパイプ14とエネルギ吸収部21の端部21b,21bとが当接しつつ、インナパイプ14が前方移動する。この摩擦荷重により、二次衝突時の衝突エネルギを確実に吸収することができる。また、エネルギ吸収部21によってインナパイプ凹部14aの幅方向両側が削られることで二次衝突時の衝突エネルギを吸収する構造としても良い。
図7を参照する。図7には、インナパイプに加わった荷重とインナパイプの変位量との関係のグラフが示されている。縦軸は、インナパイプに加わった荷重、横軸は、インナパイプの変位である。
規制モード中、過移動防止部22はインナパイプ凹部14aと接触していない。即ち、二次衝突時にインナパイプ14が前方へ移動しても、インナパイプ14と過移動防止部22とが接触しない。よって、インナパイプ14と過移動防止部22が当接する荷重が発生することなく、一定の荷重で衝撃エネルギを吸収することができる。また、インナパイプ14の前後方向位置にかかわらず、安定して一定のエネルギ吸収荷重を発生させることができる。
ステアリング装置10は、アウタコラム40とインナパイプ14との摩擦荷重に加え、インナパイプ14とエネルギ吸収部21との摩擦荷重によっても衝撃エネルギを吸収している。概ね、図7に示された二重鎖線L1より下の部分がアウタコラム40とインナパイプ14との摩擦荷重によるエネルギ吸収量であり、二重鎖線L1より上の部分がインナパイプ14とエネルギ吸収部21との摩擦荷重によるエネルギ吸収量である。アウタコラム40とインナパイプ14との摩擦荷重のみで衝撃を吸収する構造であると、パイプ保持部41におけるインナパイプ14の保持力を大きくして、衝撃エネルギの吸収量を増加させることが考えられる。しかし、この場合には、操作レバー52の操作荷重が増大してしまうため、エネルギ吸収荷重の調整が難しく、高いエネルギ吸収荷重を要する車両に対応することが困難という課題がある。本発明によれば、さらに、インナパイプ14とエネルギ吸収部21との摩擦荷重が加わることで、操作レバー52の操作性を確保しつつ、高いエネルギ吸収荷重を要する車両にも対応することができる。
以上をまとめて、以下のように言うことができる。
ストッパ部材18の一端部18aに設けられたエネルギ吸収部21は、インナパイプ14に接触する。このため、二次衝突時にインナパイプ14が前方へ移動すると、アウタコラム40とインナパイプ14との摩擦荷重に加え、エネルギ吸収部21とインナパイプ14との摩擦荷重によって、この衝撃エネルギを吸収することができる。これにより、衝撃エネルギの吸収量を増加させることができる。ここで、ストッパ部材18の他端部18bには、過移動防止部22が設けられている。即ち、ストッパ部材18に、インナパイプ14の前後方向の移動量を規制する部材と、衝撃エネルギを吸収する部材とが一体的に形成されている。ストッパ部材18とは別体にてエネルギ吸収部21を構成する場合に比べて、部品点数を削減することができる。
なお、高い衝撃エネルギ吸収荷重が必要でない場合には、本発明の構造により、インナパイプ14のストローク量を減らすことができる。この場合には、ステアリング装置10を小型化できると共に、レイアウトの自由度を高めることができる。
さらに、略U字状に湾曲した板ばねによって構成されたストッパ部材18によって、カム部51bは、挟み込まれている。ストッパ部材18そのものの付勢力を利用することができる。ストッパ部材18をばねによって付勢する場合に比べて、部品点数を削減することができる。
さらに、カム部51bは、軸部材51の本体である軸部材本体部51aに一体的に形成されている。部品点数を増加することなくカム部51bを形成することができる。
さらに、下辺部18eは、全体にリブ18gが設けられ、曲げ剛性が高められている。即ち、ストッパ部材18の過移動防止部22を支持している部位には、リブ18gが設けられている。これにより、過移動防止部22にインナパイプ14が接触した場合に、インナパイプ14をより確実に止めることができる。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図8は実施例2のステアリング装置の断面構成を示し、上記図3に対応させて表している。実施例2によるステアリング装置10Aにおいては、前方支持部44Aと、突出支持部45Aと、を略L字に連続して形成した。その他の基本的な構成については、実施例1によるステアリング装置と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
このような、ステアリング装置10Aにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、前方支持部44A,44Aと、突出支持部45A,45Aと、を一体に形成しているので、容易に成形できるという効果を有する。
<実施例3>
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図9は実施例3のステアリング装置の断面構成を示し、上記図3に対応させて表している。実施例3によるステアリング装置10Bにおいては、実施例1によるステアリング装置10(図3参照)に用いたストッパ部材18に代え、シーソー状のストッパ部材18Bが採用されている。その他の基本的な構成については、実施例1によるステアリング装置と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
アウタコラム40Bの脚部42,42にはそれぞれ、ばね61B,61Bの下端を受ける座部47B,47Bと、ストッパ部材18Bの回転軸となる軸部48B,48Bと、が設けられている。座部47B,47Bは、脚部42,42に一体的に形成されている。軸部48B,48Bは、脚部42,42に形成された図示しないピン孔に挿入された円柱状のピンからなる。
ストッパ部材18Bは、長尺状の金属板によって形成され、軸部48Bに係合する係合部18Bkと、この係合部18Bkから前方に延びる前部ストッパ部材18Bhと、係合部18Bkから後方に延びる後部ストッパ部材18Biと、後部ストッパ部材18Biの下面部に設けられ、ばね61B,61Bが取り付けられるばね取付部18Bj,18Bjと、を有している。
前部ストッパ部材18Bhの先端は、インナパイプ14に向かって立ち上がるエネルギ吸収部21Bとなっている。後部ストッパ部材18Biの先端には、インナパイプ14に向かって立ち上がる過移動防止部22Bが形成されている。
後部ストッパ部材18Biは、ばね61B,61B,の付勢力により、上方に向かって付勢されている。図に示した規制モード時、後部ストッパ部材18Biは、カム部51bによって、ばね61B,61Bの付勢力に抗して、下方に押圧されている。この状態において、ストッパ部材18Bは軸部48Bを中心に搖動し、前部ストッパ部材18Bhは上方へ移動し、エネルギ吸収部21Bが、インナパイプ14に接触している。
移動モード時には、カム部51bの回転によって後部ストッパ部材18Biへの押圧が解除され、ばね61Bの付勢力によって後部ストッパ部材18Biが上昇する。すると、ストッパ部材18Bは軸部48Bを中心に搖動し、エネルギ吸収部21Bがインナパイプ14から離間すると共に、過移動防止部22Bがインナパイプ凹部14aに臨む。
このような、ステアリング装置10Bにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。
尚、本発明による角度調節も可能なステアリング装置を例に説明したが、角度調節ができない形式のものであっても適用可能である。
また、エネルギ吸収部21は、単にインナパイプ14に接触するだけのものの他、インナパイプ14に引っ掛かって変形しながらエネルギを吸収するものであってもよい。これらは、必要なエネルギの吸収量によって適宜選択することができる。
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明のステアリング装置は、乗用車のステアリング系に採用するのに好適である。
10,10A,10B…ステアリング装置
14…インナパイプ
18,18B…ストッパ部材
21…エネルギ吸収部
22…過移動防止部
30…ブラケット
40…アウタコラム
41…パイプ保持部
42…脚部
50…締結機構
51…軸部材
51a…軸部材本体部
51b…カム部

Claims (3)

  1. ブラケットに支持されたアウタコラムと、このアウタコラムによって車両前後方向へ移動及び固定可能に保持されたインナパイプと、を有し、
    前記アウタコラムは、前記インナパイプの外周を保持するパイプ保持部と、このパイプ保持部の軸方向に沿って形成された開口と、この開口の幅方向両側で且つ前記パイプ保持部から延びる一対の脚部と、
    この一対の脚部と前記ブラケットの両アウタコラム支持部に挿通する軸部材を有する締結機構と、を有し
    前記インナパイプは、前記締結機構によって、車両前後方向への移動が許容される移動モードと、移動が規制される規制モードと、が切り替えられ、
    前記移動モード時に前記インナパイプの外周に重なる位置に臨むと共に、前記規制モード時に前記インナパイプから離間する過移動防止部を有した、ステアリング装置において、
    前記規制モード中の前記インナパイプに接触し、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部をさらに有し、
    前記軸部材は、カム形状を呈するカム部を含み、
    このカム部に向かって付勢可能な長尺状のストッパ部材が、前記一対の脚部の間に配置され、
    前記エネルギ吸収部は、前記ストッパ部材の一端部に設けられ、
    前記過移動防止部は、前記ストッパ部材の他端部に取り付けられていることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記ストッパ部材は、略U字状に湾曲した板ばねによって構成され、
    前記カム部は、前記ストッパ部材によって挟み込まれていることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記一対の脚部には、前記ストッパ部材を支持する支持部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のステアリング装置。
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