JP2017185850A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リダクション機構におけるプラネタリキャリアとトランスアクスルケースとの間の摩擦力を低減できる車両の制御装置を提供する。【解決手段】運転者による要求パワーが増加した際(ST1でYES判定)、キャリア−ケース間の油膜厚さが所定値t1未満で(ST2でYES判定)、キャリア−ケース間の温度が所定値T1を超えている状況で(ST3でYES判定)、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で反転した場合に(ST4でYES判定)、トルクダウンガタ詰め制御を実行する(ST5)。このトルクダウンガタ詰め制御では、エンジンのトルクを低下させる。これにより、プラネタリキャリアに作用するスラスト力が低減し、プラネタリキャリアとトランスアクスルケースとの間の摩擦力を低減でき、摩擦熱の発生や摩耗の発生を抑制することができる。【選択図】図5

Description

本発明は車両の制御装置に係る。特に、本発明は、遊星歯車機構を有する動力伝達装置を搭載した車両に適用される制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているハイブリッド車両用のトランスアクスル(動力伝達装置)は、主に発電機として機能する第1モータジェネレータ、主に電動機として機能する第2モータジェネレータ、動力分割機構(変速機)、リダクション機構(減速機)等を備えており、エンジンから入力されるトルク(動力)とモータジェネレータが出力するトルク(動力)との一方または両方を駆動輪に向けて伝達するようになっている。
また、前記動力分割機構およびリダクション機構は、それぞれ、はすば歯車で成るサンギヤ、リングギヤおよびピニオン等を有する遊星歯車機構で構成されている。例えば、動力分割機構は、第1モータジェネレータが連結されるサンギヤ、車両の出力軸側の回転体に連結されるリングギヤ、これらサンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオン、このピニオンを自転可能に支持すると共にエンジンからの動力が入力されるプラネタリキャリアを備えている。また、リダクション機構は、第2モータジェネレータが連結されるサンギヤ、前記動力分割機構のリングギヤに一体形成されたリングギヤ、これらサンギヤおよびリングギヤ(リダクション機構のリングギヤ)に噛み合うピニオン、このピニオンを自転可能に支持するプラネタリキャリアを備えている。また、このリダクション機構のプラネタリキャリアは、トランスアクスルケースに回り止めされた状態で支持されている。
このリダクション機構のプラネタリキャリアをトランスアクスルケースに回り止めした状態で支持する構成として具体的には、トランスアクスルケースに、プラネタリキャリアを嵌め込むための凹部を設けておき、この凹部の内周部に、その周方向に亘って複数の係合溝を形成しておく。一方、プラネタリキャリアの外周部に前記各係合溝の形成位置に対応する複数の外歯を形成しておく。そして、プラネタリキャリアの各外歯を、トランスアクスルケースの各係合溝にそれぞれ位置合わせした状態で、プラネタリキャリアをトランスアクスルケースの凹部に嵌め込む。これにより、各外歯がそれぞれ係合溝に挿入された状態となり、プラネタリキャリアが回り止めされた状態でトランスアクスルケースに支持される。なお、この場合、プラネタリキャリアの嵌め込み作業を容易にするために、プラネタリキャリアの外歯の前記周方向の幅寸法は、トランスアクスルケースの係合溝の周方向の幅寸法よりも僅かに短くなっている。つまり、プラネタリキャリアの外歯とトランスアクスルケースの係合溝の内壁との間にはガタ(隙間)が存在している。
特開2011−252530号公報 特開2007−239910号公報
ところで、前記トランスアクスルにあっては、エンジンから動力分割機構にトルク(エンジントルク)が入力された状態では、この動力分割機構を構成する前記はすば歯車同士の噛み合いによってスラスト方向の分力が発生する。この場合、このスラスト方向の力(分力)は、動力分割機構からリダクション機構に伝達され、このリダクション機構においてプラネタリキャリアに対しその中心線に沿う方向の押圧力として作用する。これにより、プラネタリキャリアがトランスアクスルケースに押し付けられた(中心線に沿う方向に押し付けられた)状態となる。つまり、プラネタリキャリアがトランスアクスルケースの凹部の底面に押し付けられた状態となる。
一方、前記ハイブリッド車両にあっては、第1モータジェネレータが逆転力行状態となり且つ第2モータジェネレータが正回転負トルクとなる所謂動力循環モードとなる場合がある。例えば、運転者の加速要求が比較的高い高速走行状態等において、この動力循環モードとなる場合がある。
前述の如くプラネタリキャリアがトランスアクスルケースに押し付けられた状態で動力循環モードとなる場合に、第2モータジェネレータからのトルクの方向が正回転方向(力行状態でのトルクの方向)と負回転方向(回生状態でのトルクの方向)との間で反転すると、これに起因して、前記ガタ分だけ、プラネタリキャリアがトランスアクスルケースの凹部内で回動することになる。つまり、プラネタリキャリアがトランスアクスルケースの凹部の底面に押し付けられた状態のまま、プラネタリキャリアが凹部内で回動することになる。このような状況が繰り返されると、プラネタリキャリアとトランスアクスルケース(トランスアクスルケースの凹部の底面)との摺接箇所において摩擦熱が発生したり、この摺接箇所において摩耗(例えばトランスアクスルケースの摩耗)が発生したりするといった不具合を招く可能性がある。
なお、特許文献2には、遊星歯車機構を構成する各ギヤの歯先の向きを規定することでプラネタリキャリアの中心線に沿う方向のガタを詰めることが開示されているが、この場合にも、前述したようにプラネタリキャリアが回動する状況では、前記の不具合を招く可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前記リダクション機構におけるプラネタリキャリアとトランスアクスルケースとの間の摩擦力を低減できる車両の制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、原動機から受けた動力を車両出力軸に向けて伝達する変速機と、電動機からの動力を受けるサンギヤ、車両出力軸側の回転体に連結するリングギヤ、前記サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合うピニオン、このピニオンを回転可能に支持すると共にケースに回転不能に支持されたプラネタリキャリアを備えた遊星歯車機構で成る減速機と、が動力伝達可能に連結されて成る動力伝達装置を搭載し、前記動力伝達装置を構成するギヤとして、前記原動機のトルク発生時に前記プラネタリキャリアに対してその中心線に沿う方向に作用する分力を生じさせるはすば歯車が備えられた車両に適用される制御装置を前提とする。この車両の制御装置に対し、前記原動機からの動力が前記車両出力軸に向けて伝達されている状態で、前記電動機のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、前記原動機のトルクを低下させるトルクダウン制御部を備えさせている。
この特定事項により、原動機からの動力が車両出力軸に向けて伝達されている状態では、はすば歯車同士の噛み合いによってスラスト方向の分力が発生しており、このスラスト方向の力(分力)は、変速機から減速機に伝達され、この減速機においてプラネタリキャリアに対しその中心線に沿う方向の押圧力として作用する。これにより、プラネタリキャリアがケースに押し付けられた(中心線に沿う方向で押し付けられた)状態となっている。この状態で、電動機のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わった際には、プラネタリキャリアが、その中心線に沿う方向でケースに押し付けられた状態のままケースに対して相対的に回動してしまう虞がある。本解決手段では、このような状況において、トルクダウン制御部によって、原動機のトルクを低下させるようにしている。これにより、前記スラスト方向の力(プラネタリキャリアをケースに押し付けている力)が低下し、プラネタリキャリアがケースに対して相対的に回動したとしても、プラネタリキャリアとケースとの間の摩擦力を低減でき、摩擦熱の発生や摩耗の発生を抑制することができる。
本発明では、原動機からの動力が車両出力軸に向けて伝達されている状態で、電動機のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、原動機のトルクを低下させるようにしている。これにより、スラスト方向の力が低下し、プラネタリキャリアとケースとの間の摩擦力を低減でき、摩擦熱の発生や摩耗の発生を抑制することができる。
実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 リダクション機構におけるプラネタリキャリアの支持構造を示す図である。 トランスアクスルケースの凹部にプラネタリキャリアが嵌め込まれた状態を示す斜視図である。 トルクダウンガタ詰め制御の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。この図1に示すように、ハイブリッド車両HVは、車両走行用の動力を発生するエンジン(内燃機関)1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2、動力分割機構3、リダクション機構4、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、左右のドライブシャフト61,61、左右の駆動輪(前輪)6,6、左右の従動輪(後輪:図示せず)、および、ECU(Electronic Control Unit)100等を備えており、このECU100により実行されるプログラムによって本発明に係る車両の制御装置が実現される。
なお、ECU100は、例えば、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、バッテリECU等によって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
次に、エンジン1、モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構3、リダクション機構4、および、ECU100等の各部について説明する。
−エンジン−
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等、燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置(原動機)であって、吸気通路11に設けられたスロットルバルブ13のスロットル開度、燃料噴射装置15(図2参照)による燃料噴射量、および、点火装置16(図2参照)の点火時期等の運転状態を制御できるように構成されている。
エンジン1には、出力軸であるクランクシャフト10の回転角(クランク角)を検出するクランクポジションセンサ101が設けられている。このクランクポジションセンサ101の出力信号からエンジン回転数Neを算出することができる。また、エンジン1には排気通路12が接続されており、燃焼後の排気ガスは排気通路12を経て図示しない酸化触媒等の排気浄化装置による浄化が行われた後に大気中に放出される。
前記エンジン1のスロットルバルブ13の制御には、例えば、エンジン回転数Neおよび運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)等のエンジン1の状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットル開度を制御する周知の電子スロットル制御が採用されている。スロットルバルブ13の開度はスロットル開度センサ103によって検出される。
そして、エンジン1からの動力は、クランクシャフト10およびダンパ2を介してインプットシャフト21に伝達される。ダンパ2は、例えばコイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
−モータジェネレータ−
図1に示すように、第1モータジェネレータMG1は、インプットシャフト21に対して相対回転可能に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト21に対して相対回転可能に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機として機能するとともに発電機としても機能する。
図2に示すように、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、それぞれインバータ200を介してバッテリ(蓄電装置)300に接続されている。インバータ200はECU100によって制御され、そのインバータ200の制御により各モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はインバータ200を介してバッテリ300に充電される。また、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ300からインバータ200を介して供給される。
−動力分割機構−
図1に示すように、動力分割機構3は、複数の歯車要素の中心で自転するはすば外歯歯車(ヘリカルギヤ)からなるサンギヤS3と、サンギヤS3に外接しながらその周囲を自転しつつ公転するはすば外歯歯車からなるピニオンP3と、ピニオンP3と噛み合うように中空環状に形成されたはすば内歯歯車のリングギヤR3と、ピニオンP3を支持するとともに、このピニオンP3の公転を通じて自転するプラネタリキャリアCA3とを有する遊星歯車機構によって構成されている。
プラネタリキャリアCA3はエンジン1側のインプットシャフト21に一体回転可能に連結されている。サンギヤS3は、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに一体回転可能に連結されている。リングギヤR3は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53およびデファレンシャル装置54を介してドライブシャフト61,61に連結されている。
そして、このような構成の動力分割機構3において、プラネタリキャリアCA3に入力されるエンジン1のトルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤS3に入力されると、出力要素であるリングギヤR3には、エンジン1から入力されたトルクより大きいトルクが現れる。この場合、第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、プラネタリキャリアCA3から入力されるエンジン1の動力が、サンギヤS3側とリングギヤR3側とにそのギヤ比に応じて分配される。
一方、エンジン1の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の動力がサンギヤS3およびプラネタリキャリアCA3を介してクランクシャフト10に与えられてエンジン1がクランキングされる。
また、車両の走行中にあっては、動力分割機構3において、リングギヤR3の回転数(回転速度)が一定であるときに、第1モータジェネレータMG1の回転数を上下に変化させることにより、エンジン1の回転数を連続的に(無段階に)変化させることができる。つまり、動力分割機構3が変速機として機能する。
このように、動力分割機構3は、エンジン1(本発明でいう原動機)から受けた動力をドライブシャフト61,61(本発明でいう車両出力軸)に向けて伝達する変速機として構成されている。
−リダクション機構−
リダクション機構4は、複数の歯車要素の中心で自転するはすば外歯歯車からなるサンギヤS4と、後述する支持構造によってトランスアクスルケース8(図3および図4を参照)に回り止めされた状態で支持されているプラネタリキャリアCA4に回転可能に支持され且つサンギヤS4に外接しながら自転するはすば外歯歯車からなるピニオンP4と、ピニオンP4と噛み合うように中空環状に形成されたはすば内歯歯車からなるリングギヤR4とを有する遊星歯車機構によって構成されている。
このリダクション機構4のリングギヤR4と、前記動力分割機構3のリングギヤR3と、カウンタドライブギヤ51とは互いに一体となっている。また、サンギヤS4は第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと一体回転可能に連結されている。
このリダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2からの出力(回転数)を適宜の減速比で減速する。そして、リダクション機構4を経た動力は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、および、ドライブシャフト61,61を介して左右の駆動輪6,6に伝達される。
このように、リダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2(本発明でいう電動機)からの動力を受けるサンギヤS4、カウンタドライブギヤ51(本発明でいう車両出力軸側の回転体)に連結するリングギヤR4、サンギヤS4およびリングギヤR4に噛み合うピニオンP4、このピニオンP4を回転可能に支持すると共にトランスアクスルケース8に回転不能に支持されたプラネタリキャリアCA4を備えた遊星歯車機構で成る減速機として構成されている。
これら動力分割機構3およびリダクション機構4によって本発明でいう動力伝達装置9が構成されている。
−リダクション機構のプラネタリキャリア支持構造−
次に、前記リダクション機構4におけるプラネタリキャリアCA4の支持構造について説明する。
図3はプラネタリキャリアCA4の支持構造を示す図であって、プラネタリキャリアCA4の中心線に沿う方向から見た図である。また、図4はトランスアクスルケース8の凹部81にプラネタリキャリアCA4が嵌め込まれた状態を示す斜視図である。
これらの図に示すように、プラネタリキャリアCA4は、キャリアプレート41と、キャリアリテーナ42と、各ピニオンP4を支持するピニオンシャフト43とが一体的に組み付けられた構成になっている。
キャリアリテーナ42は、環状板部44の外縁部における複数箇所に、中心線に沿う方向に突出する仕切り凸部45を設けた形状となっている。このキャリアリテーナ42の仕切り凸部45がキャリアプレート41に接合されていることで、キャリアリテーナ42の環状板部44とキャリアプレート41との間に各ピニオンP4を収容する空間が形成されている。この空間内に各ピニオンP4が収容され、前記キャリアリテーナ42の環状板部44とキャリアプレート41との間に亘って配設された前記ピニオンシャフト43によってピニオンP4が回転可能に支持されている。また、隣り合う仕切り凸部45同士の間には開口部46が設けられており、この開口部46にピニオンP4が臨んでリングギヤR4に噛み合っている。
プラネタリキャリアCA4をトランスアクスルケース8に回り止めした状態で支持する構成として具体的には、トランスアクスルケース8に、プラネタリキャリアCA4を嵌め込むための凹部81を設けておき、この凹部81の内周部に、その周方向に亘って複数の係合溝82,82,…を形成しておく。一方、プラネタリキャリアCA4のキャリアプレート41の外周部に前記各係合溝82,82,…の形成位置に対応する複数の外歯47,47,…を形成しておく。そして、プラネタリキャリアCA4の各外歯47,47,…を、トランスアクスルケース8の各係合溝82,82,…にそれぞれ位置合わせした状態で、プラネタリキャリアCA4をトランスアクスルケース8の凹部81に嵌め込む。これにより、各外歯47,47,…がそれぞれ係合溝82,82,…に挿入された状態となり、プラネタリキャリアCA4が回り止めされた状態でトランスアクスルケース8に支持されている。
なお、プラネタリキャリアCA4の嵌め込み作業を容易にするために、プラネタリキャリアCA4の外歯47の周方向の幅寸法は、トランスアクスルケース8の係合溝82の周方向の幅寸法よりも僅かに短くなっている。つまり、プラネタリキャリアCA4の外歯47とトランスアクスルケース8の係合溝82の内壁との間にはガタ(隙間)が存在している。即ち、ルーズフィット状態でプラネタリキャリアCA4はトランスアクスルケース8の凹部81に嵌め込まれている。
−ECU−
ECU100は、前記したハイブリッドシステムの制御を行う電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAM等を備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはイグニッションのOFF時等において保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図2に示すように、ECU100には、クランクポジションセンサ101、アクセルペダル7(図1参照)の開度を検出するアクセル開度センサ102、エンジン1のスロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ103、シフトレバー90の操作位置を検出するシフトポジションセンサ104、トランスアクスルケース8内に貯留されているオイルの温度を検出する油温センサ105、ハイブリッドシステム(車両システム)の起動と停止とを切り替えるパワースイッチ106、車両の速度に応じた信号を出力する車速センサ107、ブレーキペダルに対する踏力(ブレーキ踏力)を検出するブレーキペダルセンサ108、バッテリ300の充放電電流を検出する電流センサ109、および、バッテリ温度センサ110等が接続されている。さらに、ECU100には、エンジン冷却水温を検出する水温センサ、吸入空気量を検出するエアフロメータ等のエンジン1の運転状態を示すセンサ等が接続されており、これら各センサからの信号がECU100に入力される。
また、ECU100には、エンジン1のスロットルバルブ13を開閉駆動するスロットルモータ14、燃料噴射装置(インジェクタ)15、および、点火装置(点火プラグおよびイグナイタ)16等が接続されている。
そして、ECU100は、前記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットルバルブ13の開度制御(吸入空気量制御)、燃料噴射量制御(インジェクタの開閉制御)、点火時期制御(点火プラグの駆動制御)等を含むエンジン1の各種制御を実行する。
さらに、ECU100は、バッテリ300を管理するために、前記電流センサ109にて検出された充放電電流の積算値や、バッテリ温度センサ110にて検出されたバッテリ温度等に基づいて、バッテリ300の充電状態(SOC:State of Charge)や、バッテリ300の入力制限Winおよび出力制限Wout等を演算する。
また、ECU100には前記インバータ200が接続されている。インバータ200は、例えば、ECU100からの指令信号(例えば、第1モータジェネレータMG1のトルク指令値、第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に応じてバッテリ300からの直流電流を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する電流に変換する一方、エンジン1の動力により第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流、および、回生ブレーキにより第2モータジェネレータMG2で発電された交流電流を、バッテリ300に充電するための直流電流に変換する。また、インバータ200は、第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流を車両走行状態に応じて、第2モータジェネレータMG2の駆動用電力として供給する。
−ハイブリッドシステムの制御−
このように構成されたハイブリッド車両HVは、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動輪6,6に出力すべきトルク(要求トルク)を計算し、この要求トルクに対応する要求駆動力により走行するようにエンジン1とモータジェネレータMG1,MG2とが運転制御される。
エンジン1およびモータジェネレータMG1,MG2の運転制御として、具体的には、燃料消費量の削減を図るために、要求トルクが比較的低い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用して前記要求トルクが得られるようにする。一方、要求トルクが比較的高い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用するとともに、エンジン1を駆動し、これら駆動源からの動力により、前記要求トルクが得られるようにする。
より具体的には、車両の発進時や低速走行時等であってエンジン1の運転効率が低い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(EV走行)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによって運転者がEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
一方、通常走行(HV走行またはエンジン走行)時には、例えば、動力分割機構3によりエンジン1の動力を2経路に分け、その一方の動力で駆動輪6,6の直接駆動(直達トルクによる駆動)を行い、他方の動力で第1モータジェネレータMG1を駆動して発電を行う。このとき、第1モータジェネレータMG1の駆動により発生する電力で第2モータジェネレータMG2を駆動して駆動輪6,6の駆動補助を行う(電気パスによる駆動)。
このように、動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジン1からの動力の主部を駆動輪6,6に機械的に伝達し、そのエンジン1からの動力の残部を第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される電気式無段変速機としての機能が発揮される。これにより、駆動輪6,6の回転数(回転速度)およびトルクに依存することなく、エンジン回転数およびエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6,6に要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジン1の運転状態を得ることが可能となる。
また、高速走行時には、さらにバッテリ300からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2からのトルクを増大させて駆動輪6,6に対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
また、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ300に蓄える。なお、バッテリ300の充電量(前記SOC)が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン1からの動力を増大させ、第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ300に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても必要に応じてエンジン1からの動力を増大させる制御を行う場合もある。例えば、前述のようにバッテリ300の充電が必要な場合や、エアコンディショナ等の補機を駆動する場合や、エンジン1の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
また、本実施形態のハイブリッド車両HVにおいては、車両の運転状態やバッテリ300の状態によって、燃費を改善させるために、エンジン1を停止させる。そして、その後も、ハイブリッド車両HVの運転状態やバッテリ300の状態を検出して、エンジン1を再始動させる。このように、ハイブリッド車両HVにおいては、エンジン1が間欠運転(エンジン停止と再始動とを繰り返す運転)される。
−トルクダウンガタ詰め制御−
ところで、前述したハイブリッド車両の動力伝達装置9にあっては、エンジン1から動力分割機構3にトルク(エンジントルク)が入力された状態では、この動力分割機構3を構成する各はすば歯車(サンギヤS3、ピニオンP3、リングギヤR3)同士の噛み合いによってスラスト方向の分力が発生する。この場合、このスラスト方向の力(分力)は、動力分割機構3からリダクション機構4に伝達され、このリダクション機構4においてプラネタリキャリアCA4に対しその中心線に沿う方向の押圧力として作用する。これにより、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8に押し付けられた(中心線に沿う方向に押し付けられた)状態となる。つまり、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81の底面に押し付けられた状態となる。一方、前記ハイブリッド車両にあっては、第1モータジェネレータMG1が逆転力行状態となり且つ第2モータジェネレータMG2が正回転負トルクとなる所謂動力循環モードとなる場合がある。例えば、運転者の加速要求が比較的高い高速走行状態等において、この動力循環モードとなる場合がある。前述の如くプラネタリキャリアCA4がトランスアクスルケース8に押し付けられた状態で動力循環モードとなる場合に、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が正回転方向(力行状態でのトルクの方向)と負回転方向(回生状態でのトルクの方向)との間で反転すると、これに起因して、前記ガタ分だけ、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81内で回動することになる。つまり、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81の底面に押し付けられた状態のまま、プラネタリキャリアCAが凹部81内で回動することになる。このような状況が繰り返されると、プラネタリキャリアCAとトランスアクスルケース8の凹部81の底面との摺接箇所において摩擦熱が発生したり、この摺接箇所において摩耗(例えばトランスアクスルケース8の摩耗)が発生したりするといった不具合を招く可能性がある。
本実施形態は、この点に鑑み、リダクション機構4におけるプラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間の摩擦力を低減できるようにしている。
具体的には、エンジン1からの動力がドライブシャフト61に向けて伝達されている状態で、第2モータジェネレータMG2のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、エンジン1のトルクを低下させるようにしている。また、このエンジン1のトルクを低下させるのに伴い、第2モータジェネレータMG2のトルクを増大させ、前記エンジン1のトルク低下分に相当する駆動力を補うように第2モータジェネレータMG2による駆動力アシストを行うようにしている。
この動作は、前記ECU100によって実行される。このため、ECU100において、この制御を実行する機能部分が本発明でいうトルクダウン制御部として構成されている。
以下、前記トルクダウンガタ詰め制御の手順について図5のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、エンジン1の始動後、所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、運転者による要求パワーが増加したか否かを判定する。この判定は、前記動力循環モードに移行する可能性が高いか否かを判定するための動作であって、前記アクセル開度センサ102からの出力信号に基づいて行われる。つまり、アクセル開度センサ102からの出力信号に基づいて算出されるアクセルペダル7の開度が所定開度以上となった場合に、ステップST1でYES判定されることになる。
運転者による要求パワーが増加しておらず、ステップST1でNO判定された場合には、ステップST7において、後述するトルクダウンガタ詰め制御を実行することなく(非実行とし)、そのままリターンされる。
一方、運転者による要求パワーが増加し、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間(キャリア−ケース間)の油膜厚さが所定値t1未満となっているか否かを判定する。
この油膜厚さは、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8の凹部81の底面との間の面圧、この両者間に存在するオイルの温度、プラネタリキャリアCA4が前記ガタ分だけ回動する際における回動速度それぞれに相関がある。つまり、前記面圧が高いほど油膜厚さは小さくなり、前記オイルの温度が高いほどオイルの粘度が低くなるため油膜厚さは小さくなり、前記プラネタリキャリアCA4の回動速度が高いほど油膜厚さは小さくなる。
前記面圧は、エンジン1からのトルク(エンジントルク)に基づいて算出することが可能である。これはエンジントルクと前記スラスト力とは比例関係にあるからである。このエンジントルクは、スロットル開度センサ103からの出力信号や燃料噴射装置15への燃料噴射指令信号(燃料噴射時期および燃料噴射量を決定する信号)等に基づいてマップまたは演算式により求められる。また、前記オイルの温度は、前記油温センサ105からの出力信号に基づいて算出される。また、前記プラネタリキャリアCA4の回動速度は、ECU100から出力される指令信号(第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に基づいてマップまたは演算式により求められる。
このようにして求められた前記面圧、前記オイルの温度、および、前記プラネタリキャリアCA4の回動速度を変数とする所定の演算式によって、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間の油膜厚さを算出し、この算出した油膜厚さが所定値t1未満となっているか否かをステップST2において判定する。なお、この油膜厚さの算出に当たっては、前記面圧、前記オイルの温度、および、前記プラネタリキャリアCA4の回動速度をパラメータとして油膜厚さを抽出するようにした油膜厚さ算出マップ(前記ROMに記憶されたマップ)を利用するようにしてもよい。
前記油膜厚さが所定値t1以上となっており、ステップST2でNO判定された場合には、仮に、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間で摺接が生じたとしても(前記第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が反転することでプラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81内で回動して、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間で摺接が生じたとしても)摩擦熱の発生や摩耗の発生は抑制されるとして、ステップST7において、後述するトルクダウンガタ詰め制御を実行することなく(非実行とし)、そのままリターンされる。
一方、前記油膜厚さが所定値t1未満となっており、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間(キャリア−ケース間)の温度が所定値T1を超えているか否かを判定する。
このキャリア−ケース間の温度は、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間に存在するオイルの粘度に相関がある。つまり、このキャリア−ケース間の温度が高いほどオイルの粘度は低く、前記油膜厚さは小さくなる。このキャリア−ケース間の温度は、第2モータジェネレータMG2の温度またはこの第2モータジェネレータMG2周辺のオイルの温度を図示しないセンサ(サーミスタ)によって検出することで推定される。
前記キャリア−ケース間の温度が所定値T1以下となっており、ステップST3でNO判定された場合には、仮に、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8との間で摺接が生じたとしてもオイルの粘度は十分に高く、摩擦熱の発生や摩耗の発生は抑制されるとして、ステップST7において、後述するトルクダウンガタ詰め制御を実行することなく(非実行とし)、そのままリターンされる。
一方、前記キャリア−ケース間の温度が所定値T1を超えており、ステップST3でYES判定された場合には、ステップST4に移り、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が正回転方向(力行状態でのトルクの方向)と負回転方向(回生状態でのトルクの方向)との間で反転したか否かを判定する。つまり、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81内で回動する状況となったか否かを判定する。
この判定は、ECU100から出力される指令信号(第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に基づいて行われる。
第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が反転しておらず、ステップST4でNO判定された場合には、プラネタリキャリアCAがトランスアクスルケース8の凹部81内で回動する状況にはなっていない、つまり、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8とが摺接する状況にはないとして、ステップST7において、後述するトルクダウンガタ詰め制御を実行することなく(非実行とし)、そのままリターンされる。
一方、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が反転し、ステップST4でYES判定された場合には、ステップST5に移り、トルクダウンガタ詰め制御を実行する。
このトルクダウンガタ詰め制御としては、前述したように、エンジン1のトルクを低下させると共に、前記ガタを詰めるように第2モータジェネレータMG2のトルク(正回転方向のトルク)を制御するものである。具体的には、点火装置16の点火時期を遅角側に移行させることでエンジン1のトルクを短時間のうちに低下させると共に、第2モータジェネレータMG2のトルクを増大させる。この場合の点火時期の遅角量は、プラネタリキャリアCA4がトランスアクスルケース8に押し付けられた状態が解除される程度のスラスト方向の力が生じる値として実験またはシミュレーションによって決定される。また、第2モータジェネレータMG2のトルクの増大量としては、前記点火時期を遅角させたことによるエンジン1のトルクの低下量に相当する量に設定される。これにより、運転者の要求パワーを確保しながらも、プラネタリキャリアCAとトランスアクスルケース8の凹部81の底面との間の摩擦力を低減することができる。また、第2モータジェネレータMG2のトルクによって前記ガタを詰めた状態(ガタ詰め状態)を維持できる。
そして、このトルクダウンガタ詰め制御では、前記第2モータジェネレータMG2のトルクの制御(駆動力アシスト)を行った後、点火装置16の点火時期を再び進角側に戻していき、エンジン1のトルクが運転者の要求パワーを満たす値となるように制御する。これに伴い、第2モータジェネレータMG2のトルクを低下させる。この場合の第2モータジェネレータMG2のトルクとしては、前記ガタ詰め状態が維持されるトルクに設定される。
このステップST5における点火装置16の点火時期を遅角側に移行させる動作が、本発明でいう「トルクダウン制御部による動作であって、原動機からの動力が車両出力軸に向けて伝達されている状態で、電動機のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、原動機のトルクを低下させる動作」に相当する。
このようなトルクダウンガタ詰め制御を実行した後、ステップST6に移り、この制御の解除条件が成立したか否かを判定する。この解除条件としては、運転者の要求パワーが減少したこと等が挙げられる。
トルクダウンガタ詰め制御の解除条件が成立した場合には、ステップST6でYES判定され、ステップST7において、トルクダウンガタ詰め制御を停止して(非実行として)リターンされる。つまり、前述した通常のハイブリッドシステムの制御に戻す。
一方、トルクダウンガタ詰め制御の解除条件が成立していない場合には、ステップST6でNO判定され、そのままリターンされる。そして、次回のルーチンにあっては、依然として、ステップST1〜ステップST4の判定がそれぞれYES判定される状況である場合には、前述したトルクダウンガタ詰め制御が実行され、ステップST1〜ステップST4の何れかでNO判定されるか、または、ステップST6でYES判定されるまで、トルクダウンガタ詰め制御が実行されることになる。
以上説明したように、本実施形態では、エンジン1からの動力がドライブシャフト61に向けて伝達されている状態で、第2モータジェネレータMG2のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、エンジン1のトルクを低下させることで、前記スラスト方向の分力を小さくすると共に、このトルク低下分の駆動力アシストが行われるように第2モータジェネレータMG2のトルクを制御している。これにより、運転者の要求パワーを満たしながらも、プラネタリキャリアCAとトランスアクスルケース8との間の摩擦力を低減でき、摩擦熱の発生や摩耗の発生を抑制することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、前記実施形態のトルクダウンガタ詰め制御では、第2モータジェネレータMG2のトルクを正回転方向のトルクとすることで、プラネタリキャリアCA4とトランスアクスルケース8の凹部81の底面との間のガタを詰めるようにしていた。本発明はこれに限らず、第2モータジェネレータMG2のトルクを負回転方向のトルクとすることで、前記ガタを詰めるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で反転する状況の一例として動力循環モードを挙げた。本発明はこれに限らず、動力循環モード以外の車両走行状態において、第2モータジェネレータMG2からのトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で反転した場合に、前述したトルクダウンガタ詰め制御を実行するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、点火装置16の点火時期を遅角側に移行させることでエンジン1のトルクを低下させるようにしていた。本発明はこれに限らず、燃料噴射量、燃料噴射時期およびスロットル開度のうちの一つまたは複数の制御によってエンジン1のトルクを低下させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、FF方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式のハイブリッド車両に対しても適用が可能である。
本発明は、ハイブリッド車両のリダクション機構におけるプラネタリキャリアとトランスアクスルケースとの間の摩擦力を低減する制御に適用可能である。
1 エンジン(原動機)
3 動力分割機構(変速機)
4 リダクション機構(減速機)
51 カウンタドライブギヤ(回転体)
61 ドライブシャフト(車両出力軸)
8 トランスアクスルケース(ケース)
100 ECU
MG2 第2モータジェネレータ(電動機)
S4 サンギヤ
P4 ピニオン
R4 リングギヤ
CA4 プラネタリキャリア

Claims (1)

  1. 原動機から受けた動力を車両出力軸に向けて伝達する変速機と、電動機からの動力を受けるサンギヤ、車両出力軸側の回転体に連結するリングギヤ、前記サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合うピニオン、このピニオンを回転可能に支持すると共にケースに回転不能に支持されたプラネタリキャリアを備えた遊星歯車機構で成る減速機と、が動力伝達可能に連結されて成る動力伝達装置を搭載し、前記動力伝達装置を構成するギヤとして、前記原動機のトルク発生時に前記プラネタリキャリアに対してその中心線に沿う方向に作用する分力を生じさせるはすば歯車が備えられた車両に適用される制御装置において、
    前記原動機からの動力が前記車両出力軸に向けて伝達されている状態で、前記電動機のトルクの方向が正回転方向と負回転方向との間で切り替わる際、前記原動機のトルクを低下させるトルクダウン制御部を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
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