JP2017183081A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力が十分な蓄電素子の提供。【解決手段】正極11と、負極12と、電解質塩を含有する電解液と、を含み、正極11は、活物質を含有する正極活物質層112を有し、負極12は、活物質を含有し且つ前記正極活物質層に対向する負極活物質層122と、負極活物質層122の外側に配置された導電性の外縁層123とを有し、外縁層123は、多孔質であり、孔内に電解液を含有する、蓄電素子。負極活物質層122の面積の80〜90%の面積である正極活物質層112を有する蓄電素子。【選択図】図7

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極を備えたリチウムイオン二次電池が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電池では、負極は、集電体と、集電体上に形成された上記の負極活物質層と、多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金が担持された多孔質体層と、を有する。多孔質体層は、負極活物質層の上に重ねられている。
特許文献1に記載の電池では、必ずしも出力が十分でない場合がある。
特開2011−018585号公報
本実施形態は、出力が十分な蓄電素子を提供することを課題とする。本実施形態は、出力が十分な蓄電素子を製造できる蓄電素子の製造方法を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、正極と、負極と、電解質塩を含有する電解液と、を含み、正極は、活物質を含有する正極活物質層を有し、負極は、活物質を含有し且つ正極活物質層に対向する負極活物質層と、該負極活物質層の外側に配置された導電性の外縁層とを有し、外縁層は、多孔質であり、孔内に電解液を含有する。
詳しくは、本実施形態の蓄電素子は、正極と、負極と、電解質塩を含有する電解液と、を含み、正極は、活物質を含有する正極活物質層を有し、負極は、活物質を含有し且つ正極活物質層に対向する負極活物質層を有し、負極活物質層は、厚み方向に見たときに、正極活物質層の外縁よりも外側にはみ出たはみ出し部を有し、負極は、負極活物質層のはみ出し部の外側に外縁層をさらに有し、外縁層は、多孔質であり、孔内に電解液を含有する。
斯かる構成の蓄電素子では、充放電反応によって、正極活物質層と、負極活物質層との間で、電解液の電解質塩が移動する。特に、正極活物質層と、負極活物質層における正極活物質層に対向する部分(以下、対向部分ともいう)との間で電解質塩が移動する。比較的大きい電流での放電時には、負極活物質層における対向部分にて、電解質塩の濃度が一時的に低下する。ところが、上記のはみ出し部を介して外縁層から対向部分に電解液が供給されることによって、いったん低下した電解質塩の濃度を上げることができる。電解質塩の濃度が上がる分、蓄電素子の出力が低下することを抑制できる。従って、上記の蓄電素子は、十分な出力を有することができる。
上記の蓄電素子では、負極活物質層の面積に対する、正極活物質層の面積の比は、80%以上90%以下であってもよい。上記面積の比が80%以上であることにより、蓄電素子がより十分な出力を有することができる。上記面積の比が90%以下であることにより、蓄電素子の容量が経時的に低下することを抑制できる。
本実施形態の蓄電素子の製造方法は、活物質を含有する正極活物質層を有する正極を作製することと、活物質を含有する負極活物質層と、該負極活物質層の外縁部の外側に配置され且つ電解液に溶解する成分が配合された外縁層と、を有する負極を作製することと、正極活物質層と負極活物質層とが互いに対向した状態であって、厚み方向に見たときに正極活物質層の外側に負極活物質層がはみ出して外縁層が正極活物質層と対向しない状態となるように、正極と負極とを配置することと、外縁層に電解液を接触させることによって電解液に溶解する成分を外縁層から電解液に溶出させて外縁層を多孔質に形成し、形成された孔に電解液を供給することと、を備える。
斯かる構成の製造方法では、多孔質な外縁層の孔に電解液を供給することができる。従って、上述した理由と同様の理由により、十分な出力を有する蓄電素子を製造できる。
上記の蓄電素子の製造方法では、負極を作製することにおいて、電解液に溶解する成分として、活性リチウムを用いてもよい。これにより、外縁層から活性リチウムが電解液に溶出し、電解液に溶出した活性リチウムが、外縁層に接する負極活物質層の外縁部(正極活物質層と対向しない部分)の活物質と不可逆的に反応できる。即ち、負極活物質層の外縁部(正極活物質層と対向しない部分)にて、蓄電素子の使用前に、あらかじめ活物質を活性リチウムと不可逆的に反応させることができる。蓄電素子が充電された状態で使用されると、上記外縁部の活物質が徐々に不可逆的な反応を起こし、これによって経時的に蓄電素子の容量が低下し得る。ところが、上記の製造方法では、上記外縁部にてあらかじめ活物質を活性リチウムと反応させて不可逆的な反応を起こさせることで、経時的に容量が低下することを抑制することができる。
本実施形態によれば、出力が十分な蓄電素子を提供できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、互いに対向した正極活物質層及び負極活物質層を厚み方向に見た状態を示す図である 図9は、蓄電素子の製造方法の工程を表したフローチャート図である。 図10は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図11は、製造した各蓄電素子の直流抵抗値を表すグラフである。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図8に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111の表面に沿って配置され且つ活物質を含む正極活物質層112と、を有する。本実施形態では、正極活物質層112は、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。正極活物質層112は、金属箔111の厚み方向の両側にそれぞれ配置される。なお、正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112の厚みは、通常、25μm以上50μm以下である。正極活物質層112の目付量は、通常、6.2mg/cm以上11.8mg/cm 以下である。正極活物質層112の密度は、通常、2.4g/cm以上2.8g/cm 以下である。厚み、目付量、及び密度は、金属箔111の一方の面を覆うように配置された1層分における密度である。
正極11の活物質(正極活物質)は、粒子状であり、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質の平均粒子径は、通常、3μm以上8μm以下である。
正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。
本実施形態では、正極11の活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物(ただし、0<p≦1.3であり、q+r+s=1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiCoO などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素樹脂を含む。フッ素樹脂は、分子中に少なくともC−F結合を有する樹脂である。本実施形態のバインダは、フッ素樹脂であり、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(ホモポリマー)である。
正極活物質層112の導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。導電助剤の平均粒子径は、通常、20μm以上50μm以下である。
負極12は、金属箔121(負極基材)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、負極活物質層122の外縁部と接する外縁層123と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)非被覆部125を有する。なお、負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極活物質層122は、粒子状の負極活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極活物質層112と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。負極活物質層122の厚みは、通常、10μm以上70μm以下である。
負極活物質層122の面積は、正極活物質層112の面積よりも大きい。負極活物質層122の面積に対する、正極活物質層112の面積の比は、80%以上90%以下である。斯かる面積の比は、84%以上であることが好ましい。この場合、正極活物質層112の全部が負極活物質層122と対向している。負極活物質層122は、厚み方向に見たときに、正極活物質層112の外縁よりも外側にはみ出したはみ出し部122aを有する。即ち、正極活物質層112は、厚み方向に見たときに、負極活物質層122の内側に配置されている。厚み方向に見たときに、負極活物質層122の周縁の少なくとも一部は、正極活物質層112の周縁よりも外側に配置される。負極活物質層122の周縁の一部は、正極活物質層112の周縁の一部と重なり得る。
互いに対向する負極活物質層122及び正極活物質層112を厚み方向に見たときに、幅方向において、負極活物質層122の外縁は、正極活物質層112よりも1mm以上4mm以下外方へはみ出している。互いに対向する負極活物質層122及び正極活物質層112を厚み方向に見たときに、長手方向の一方側において、負極活物質層122の外縁は、正極活物質層112よりも10mm以上50mm以下外方へはみ出している。
負極活物質層122では、バインダの比率は、負極の活物質とバインダとの合計質量に対して、2質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。負極活物質の平均粒子径は、通常、2μm以上4μm以下である。
負極活物質層122の目付量(1層分)は、通常、2.5mg/cm以上5.0mg/cm 以下である。負極活物質層122の密度(1層分)は、通常、0.9g/cm以上1.5g/cm 以下である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
外縁層123は、導電性である。外縁層123の電気抵抗率は、50Ωcm以下である。外縁層123の電気抵抗率は、通常、5Ωcm以上である。例えば、テープ等によって外縁層123を剥離させ、テープに付着した状態で外縁層の電気抵抗率を四端子法で測定することができる。外縁層123は、負極活物質層122の外縁部と接し、外縁部を側方から覆う。外縁層123は、負極活物質層122の上記はみ出し部122aの外側に配置されている。外縁層123は、負極活物質層122と厚み方向に重ならない。外縁層123は、負極活物質を含有しない。外縁層123は、電解液に溶解する成分が電解液へと溶出することによって斯かる成分が存在していた部分に孔が形成され、斯かる孔によって多孔質となっている。外縁層123は、形成された孔内に電解液(後に詳述)を含有する。
外縁層123は、負極活物質層122の外縁に沿って該外縁の外側に配置されている。外縁層123は、通常、1mm以上4mm以下の幅(負極活物質層122の外縁に沿う方向に垂直な方向の長さ)を有する。外縁層123の厚みは、通常、25μm以上200μm以下である。外縁層123は、正極活物質層112に対向していない。外縁層123の厚みは、負極活物質層122の厚みと略同じである。
外縁層123は、粒子状の導電助剤と、バインダと、樹脂と、を含有する。外縁層123は、通常、導電助剤を1質量%以上10質量%以下含む。外縁層123は、通常、バインダを1質量%以上10質量%以下含む。外縁層123の導電助剤としては、正極活物質層112に含まれる導電助剤と同様のものが挙げられる。外縁層123のバインダとしては、正極活物質層112や負極活物質層122に含まれるバインダと同様のものが挙げられる。
外縁層123に含まれる樹脂は、外縁層123が電解液と接触する前に、電解液に溶解する成分を被覆していたものである。外縁層123に含まれる樹脂は、電解液を含浸する。外縁層123は、通常、樹脂を5質量%以上80質量%以下含む。外縁層123における空隙率は、通常、30体積%以上80体積%以下である。外縁層123の孔(空隙)は、電解液に溶解する成分が電解液に溶解することによって生じた孔、導電助剤やバインダの間の空隙によって形成された孔などを含む。
外縁層123に含まれる樹脂としては、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリホルムアルデヒド、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エチレン酢酸ビニル、エチレンアクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリイミド、ポリテオフェン、ポリ(パラ−フェニレン)、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、シリカチタニア系共重合体、不飽和ポリカルボン酸、及び、ポリシロキサンからなる群より選択された少なくとも1種が挙げられる。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、多孔質なセパレータ基材を有する。本実施形態のセパレータ4は、セパレータ基材のみを有する。セパレータ4は、正極11及び負極12間の短絡を防ぐために正極11及び負極12の間に配置されている。
セパレータ基材は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ基材の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。
ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、図9に示すように、正極活物質を含有する正極活物質層112を有する正極11を作製する(ステップ1)。負極活物質を含有する負極活物質層122と、該負極活物質層122の外縁部の外側に配置され且つ電解液に溶解する成分が配合された外縁層123と、を有する負極を作製する(ステップ2)。正極活物質層112と負極活物質層122とが互いに対向した状態であって、厚み方向に見たときに、正極活物質層112の外側に負極活物質層122がはみ出して外縁層123が正極活物質層112と対向しない状態となるように、正極11と負極12とを配置する(ステップ3)。外縁層123に電解液を接触させることによって電解液に溶解する成分を外縁層123から電解液に溶出させて外縁層123を多孔質に形成し、形成された孔に電解液を供給する(ステップ4)。
ステップ1では、金属箔111(正極基材)に正極活物質を含む合剤を塗布することで、正極活物質層112を形成し、正極11を作製する。詳しくは、金属箔111の両面に、正極活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。合剤の塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された正極活物質層112を所定の圧力でロールプレスする。
ステップ2では、まず、金属箔121(負極基材)の両面に、負極活物質を含む合剤をそれぞれ塗布することで、負極活物質層122を形成する。塗布方法としては、上記の正極の合剤の塗布方法と同様な方法が採用される。次に、樹脂で被覆された状態の金属リチウム(活性リチウム)と、導電助剤と、バインダと、溶媒とを含む外縁層用の組成物を負極活物質層122の周縁の一部に接するように塗布する。詳しくは、帯状に形成した負極活物質層122の長手方向に延びる外縁に接するように外縁層用の組成物を塗布する。また、負極活物質層122の幅方向に延びる外縁の一方に接するように外縁層用の組成物を塗布する。外縁層用の組成物を塗布した後、合剤及び組成物の溶媒を乾燥によって除去し、負極12を作製する。
ステップ2では、活性リチウムと、該活性リチウムを被覆した樹脂と、を含有する材料を外縁層用の組成物に配合する。活性リチウムは、リチウムイオン二次電池の充放電反応に寄与する物質である。活性リチウムとしては、金属リチウムなどがあげられる。樹脂については、上述したため、説明を繰り返さない。
ステップ3では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、まず、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。正極11と負極12とを、厚み方向に見たときに、正極活物質層112が負極活物質層122の内側に配置されるように、重ね合わせる。また、外縁層123が正極活物質層112に対向しないように、正極11と負極12とを重ね合わせる。即ち、正極活物質層112の外側に負極活物質層122がはみ出して外縁層123が正極活物質層112と対向しない状態となるように、正極11と負極12とを重ね合わせる。次に、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
ステップ4では、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって、外縁層123に電解液を接触させる。電解液に溶解する成分を外縁層123から電解液に溶出させて外縁層123を多孔質に形成し、形成された孔に電解液を供給する。また、ステップ4では、以下のようにして蓄電素子1を組み立てる。ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1は、正極11と、負極12と、電解質塩を含有する電解液と、を含む。正極11は、活物質を含有する正極活物質層112を有する。負極12は、活物質を含有し且つ正極活物質層112に対向する負極活物質層122を有する、負極12は、負極活物質層122の外側に導電性の外縁層123をさらに有する。
詳しくは、上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1では、負極12は、負極活物質層122の外縁部を側方から覆い且つ活物質を含有しない外縁層123を有する。負極活物質層122は、厚み方向に見たときに、正極活物質層112の外縁よりも外側にはみ出たはみ出し部122aを有する。外縁層123は、はみ出し部122aの外側に配置される。外縁層123は、多孔質であり、孔内に電解液を含有する。
充放電反応によって、正極活物質層112と、負極活物質層122との間で、電解液の電解質塩が移動する。特に、正極活物質層112と、負極活物質層122における正極活物質層112に対向する部分(以下、対向部分ともいう)との間で電解質塩が移動する。比較的大きい電流での放電時には、負極活物質層122における対向部分にて、電解質塩の濃度が一時的に低下する。ところが、上記のはみ出し部122aを介して外縁層123から対向部分に電解液が供給されることによって、いったん低下した電解質塩の濃度を上げることができる。電解質塩の濃度が上がる分、蓄電素子1の出力が低下することを抑制できる。従って、上記の蓄電素子1は、十分な出力を有することができる。なお、セパレータ4を介して対向部分に電解液が供給されることよりも、上記のはみ出し部122aを介して外縁層123から対向部分に電解液が供給されることの方が効率的であると考えられる。
上記の蓄電素子1では、正極活物質層112と、該正極活物質層112に対向する負極活物質層122との間で充放電反応が進行する。即ち、負極活物質層122において、充放電反応に寄与する部分は、正極活物質層112に対向する部分である。ところが、充電状態で上記の蓄電素子1が放置されると、負極活物質層122において正極活物質層112に対向する部分(対向部分)と、対向しない部分(上記のはみ出し部122a)との間の電位差によって、負極活物質層122において対向部分から、はみ出し部122aへとリチウムが徐々に拡散する。上記の蓄電素子1では、負極12の活物質が非晶質炭素(難黒鉛化炭素)であり、充電状態で放置されると、外縁層123に接する負極活物質層122のはみ出し部122aにて、非晶質炭素と、対向部分から拡散してきたリチウムとが徐々に不可逆的に反応する。これにより、経時的に容量が低下し得る。ところが、上記の蓄電素子1では、正極活物質層112の面積に対する、負極活物質層122の面積の比が比較的小さいことから、はみ出し部122aの面積が比較的小さい。はみ出し部122aの面積が比較的小さい分、非晶質炭素がリチウムと不可逆的に反応することが起こりにくい。従って、経時的に容量が低下することが抑制されている。
上記の蓄電素子1では、負極活物質層122の面積に対する、正極活物質層112の面積の比は、80%以上90%以下である。斯かる面積の比が80%以上であることにより、蓄電素子1がより十分な出力を有することができる。一方、斯かる面積の比が90%以下であることにより、上記のごとく不可逆的に反応するリチウムの量を少なくすることができる。従って、経時的に容量が低下することを抑制することができる。
上記の蓄電素子1では、負極12の活物質の平均粒子径は、通常、2μm以上4μm以下である。斯かる平均粒子径が2μm以上であることにより、経時的に容量が低下することを抑制することができる。一方、斯かる平均粒子径が4μm以下であることにより、蓄電素子1がより十分な出力を有することができる。
上記の実施形態の蓄電素子1の製造方法では、上述したように、多孔質な外縁層の孔に電解液を供給することができる。従って、上述した理由と同様の理由により、十分な出力を有する蓄電素子を製造できる。
上記の実施形態の蓄電素子1の製造方法では、電解液に溶解する成分として、活性リチウムを用いる。これにより、外縁層123から活性リチウムが電解液に溶出し、電解液に溶出した活性リチウムが、外縁層123に接する負極活物質層122のはみ出し部122a(正極活物質層112と対向しない部分)の活物質と不可逆的に反応できる。即ち、負極活物質層122のはみ出し部122aにて、蓄電素子1の使用前に、あらかじめ活物質を活性リチウムと不可逆的に反応させることができる。蓄電素子1が充電された状態で使用されると、電位差によって、負極活物質層122の対向部分(正極活物質層112と対向する部分)からリチウムが上記はみ出し部122aへ拡散し、拡散してきたリチウムと上記はみ出し部122aの活物質とが徐々に不可逆的な反応を起こす。これによって経時的に蓄電素子1の容量が低下し得る。ところが、上記の製造方法では、上記はみ出し部122aにてあらかじめ活物質を活性リチウムと反応させて不可逆的な反応を起こさせることで、経時的に容量が低下することを抑制することができる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、正極活物質層が金属箔に直接接した正極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、正極活物質層及び金属箔の間に、バインダと導電助剤とを含む導電層(活物質を含まない)を有してもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図10に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。
(実施例1)
(1)正極の作製
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、平均粒子径が5μmの活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の粒子とを、混合し、混練することで、正極用の合剤を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量(固形分)は、それぞれ4.5質量%、4.5質量%、91質量%とした。調製した正極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が8.6mg/cmとなるように、帯状のアルミニウム箔(15μm厚み)の両面にそれぞれ塗布し、乾燥して、所定の圧力でロールプレスし、帯状の正極活物質層を形成した。
(2)負極の作製
まず、活物質層を形成した。詳しくは、活物質として、平均粒子径が4μmの粒子状の非晶質炭素(難黒鉛化炭素)を用いた。バインダとしては、PVdFを用いた。負極用の合剤は、溶剤としてNMPと、バインダと、活物質とを混合、混練することで調製した。93質量%となるように活物質を配合し、7質量%となるようにバインダを配合した。調製した負極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が4.0mg/cmとなるように、銅箔(10μm厚み)の両面にそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行い、真空乾燥して、水分等を除去した。負極活物質層(1層分)の厚みは、35μmであった。
次に、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、金属リチウムを含有する樹脂(金属リチウムを90質量%含有)とを、混合し、混練することで、外縁層用の組成物を調製した。導電助剤、バインダ、金属リチウムを含有する樹脂の配合量(固形分)は、それぞれ4.5質量%、4.5質量%、91質量%とした。調製した外縁層用の組成物を、乾燥後の塗布量(目付量)が4mg/cmとなるように、負極活物質層の周縁における一部の外側に塗布し、乾燥して、外縁層(幅3mm)を形成した。なお、負極活物質層の長手方向に延びる両外縁の外側と、幅方向に延びる外縁の一方の外側とに外縁層用の組成物を塗布した。
続いて、ロールプレスを行った。その後、真空乾燥して、水分等を除去した。プレス後の負極活物質層(1層分)の厚みは、35μmであった。負極活物質層の密度は、1.1g/cmであった。外縁層の厚みは、35μmであった。外縁層の目付量は、1.1g/cmであった。
(3)セパレータ
セパレータとして厚みが22μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。ポリエチレン製微多孔膜の透気度は、100秒/100ccであった。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、いずれも1容量部ずつ混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ケース内への電極体の配置
上記の正極、上記の負極、上記の電解液、セパレータ、及びケースを用いて、一般的な方法によって電池を製造した。
まず、セパレータが上記の正極および負極の間に配されて積層されてなるシート状物を巻回した。積層時には、正極活物質層と負極活物質層とを互いに対向させ、厚み方向に見て、負極活物質層の内側に正極活物質層を配置した。また、正極活物質層に対向しないように外縁層を配置した。次に、巻回されてなる電極体を、ケースとしてのアルミニウム製の角形電槽缶のケース本体内に配置した。続いて、正極及び負極を2つの外部端子それぞれに電気的に接続させた。さらに、ケース本体に蓋板を取り付けた。上記の電解液を、ケースの蓋板に形成された注液口からケース内に注入した。最後に、ケースの注液口を封止することにより、ケースを密閉した。
(実施例2〜4)
それぞれ表1に示す構成に変更した点以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
<出力の評価>
出力の評価として、各電池の電気抵抗を求め、比較した。なお、テープによって外縁層を剥離させ、テープに付着した状態で外縁層の電気抵抗率を四端子法で測定した。
(放電DCR)
各電池を15%SOC又は25%SOCに調整した後、−10℃で4時間放置した。その後、200ACCCV放電(CV電圧2.5V)で10秒間放電した。各秒数で通電された電流I、電圧Vからオームの法則によってDCR(電気抵抗)Rを算出した。
(充電DCR)
各電池を75%SOC又は85%SOCに調整した後、−10℃で4時間放置した。その後、200ACCCV放電(CV電圧24V)で10秒間充電した。各秒数で通電された電流I、電圧Vからオームの法則によってDCR(電気抵抗)Rを算出した。
実施例の電池では、十分な出力を発揮できた。また、経時的に容量が低下することを抑制できる。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、
112:正極活物質層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、 123:外縁層、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 正極と、負極と、電解質塩を含有する電解液と、を含み、
    前記正極は、活物質を含有する正極活物質層を有し、
    前記負極は、活物質を含有し且つ前記正極活物質層に対向する負極活物質層と、該負極活物質層の外側に配置された導電性の外縁層とを有し、
    前記外縁層は、多孔質であり、孔内に前記電解液を含有する、蓄電素子。
  2. 正極と、負極と、電解質塩を含有する電解液と、を含み、
    前記正極は、活物質を含有する正極活物質層を有し、
    前記負極は、活物質を含有し且つ前記正極活物質層に対向する負極活物質層を有し、
    前記負極活物質層は、厚み方向に見たときに、前記正極活物質層の外縁よりも外側にはみ出たはみ出し部を有し、
    前記負極は、前記負極活物質層のはみ出し部の外側に外縁層をさらに有し、
    前記外縁層は、多孔質であり、孔内に前記電解液を含有する、蓄電素子。
  3. 前記負極活物質層の面積に対する、前記正極活物質層の面積の比は、80%以上90%以下である、請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 活物質を含有する正極活物質層を有する正極を作製することと、
    活物質を含有する負極活物質層と、該負極活物質層の外縁部の外側に配置され且つ電解液に溶解する成分が配合された外縁層と、を有する負極を作製することと、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層とが互いに対向した状態であって、厚み方向に見たときに前記正極活物質層の外側に前記負極活物質層がはみ出して前記外縁層が前記正極活物質層と対向しない状態となるように、前記正極と前記負極とを配置することと、
    前記外縁層に電解液を接触させることによって前記電解液に溶解する成分を前記外縁層から前記電解液に溶出させて前記外縁層を多孔質に形成し、形成された孔に前記電解液を供給することと、を備える、蓄電素子の製造方法。
  5. 前記負極を作製することでは、前記電解液に溶解する成分として、活性リチウムを用いる、請求項4に記載の蓄電素子の製造方法。
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