JP2017182703A - 車椅子介助システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子利用者に駅係員が行う介助業務を効率化するとともにミスを防止する。【解決手段】車椅子介助システム1は、乗車駅係員端末2と、降車駅係員端末3と、利用者端末4と、サーバ5とを備える。サーバ5は、列車の駅発着時刻を含む時刻表情報を有する。乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3の操作によって駅係員が介助可能な日時がサーバ5に記憶される。利用者端末4は、乗車希望日時、乗車駅及び降車駅を含む介助申し込み情報の入力を受け付けて、入力された前記介助申し込み情報をサーバ5に送信する。サーバ5は、時刻表情報を参照して、乗車希望日時から所定の時間内であって乗車駅で駅係員が介助可能な乗車候補日時及び降車駅で駅係員の介助可能な降車候補日時を抽出し、その乗車候補日時及び降車候補日時をそれぞれ乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3に表示させる。これにより、駅係員が介助可能な日時の情報がサーバ5に集中する。【選択図】図1

Description

本発明は、車椅子利用者が鉄道を利用するときの介助を支援するための車椅子介助システムに関する。
車椅子利用者が鉄道を利用する場合、駅係員が介助業務を行っており、従来から概ね以下のような運用が行われている。
(1)車椅子での列車の乗車について、予め、車椅子利用者から電話で又は直接に申し込みを受け付ける。乗車当日の申し込みが大半である。
(2)下記の内容を駅係員が車椅子利用者から伺い、介助記録簿に記載する。
1.乗車日 2.乗車区間 3.乗車希望列車(列車名・出発時刻)
4.指定席希望(なし・あり) 5.付き添いの有無
6.車椅子の有無(電動・手動) 7.同行する人数
8.きっぶの受け取り(乗車当日・その他)
9.その他(連絡先・お帰りのご要望など)
(3)乗車駅の駅係員は、降車駅に電話連絡するとともに、乗車駅で介助に対応する対応要員を手配する。
(4)降車駅の駅係員は、その電話連絡内容を介助記録簿に記載し、降車駅で介助に対応する対応要員を手配する。
(5)対応要員が手配できない場合は、対応可能な列車を乗降駅間で調整する。
(6)車椅子利用者の乗車時に、乗車駅の駅係員は、乗車列車・車両について降車駅に電話連絡する。
(7)降車駅の駅係員は、電話連絡のあった列車・車両にて車椅子利用者を待ち受ける。
しかしながら、このような運用では、介助業務の予約状況や駅係員のスケジュールが分かり難く、対応要員の割り振りの調整に時間がかかる。さらに、乗降駅間の連携に時間がかかる。このため、車椅子利用者が、申し込みから乗車までに長時間待たされる場合がある。
また、車椅子利用者の駅への到着に駅係員が気付かない場合があり、対応すべき駅係員と車椅子利用者がスムーズに出会えない場合がある。
また、介助業務のミスが発生する場合がある。例えば、駅係員の失念や伝達ミス等によって、乗降の車両、番線の間違いが発生する。
なお、車椅子利用者の駅構内での移動を支援するものとして、移動支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。その移動支援システムでは、案内ロボットが車椅子を乗せて走行する。しかし、このような移動支援システムは、設備が大掛かりとなるので導入が容易ではない。
特開2015−32292号公報
本発明は、上記問題を解決するものであり、車椅子利用者に駅係員が行う介助業務を効率化するとともにミスを防止することを目的とする。
本発明の車椅子介助システムは、車椅子利用者が鉄道を利用するときの介助を支援するためのシステムであって、乗車駅の駅係員によって操作される乗車駅係員端末と、降車駅の駅係員によって操作される降車駅係員端末と、車椅子利用者によって操作される利用者端末と、前記乗車駅係員端末、降車駅係員端末及び利用者端末と無線又は有線で接続されたサーバとを備え、前記サーバは、列車の駅発着時刻を含む時刻表情報を有し、前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって駅係員が介助可能な日時が前記サーバに記憶され、前記利用者端末は、乗車希望日時、乗車駅及び降車駅を含む介助申し込み情報の入力を受け付けて、入力された前記介助申し込み情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記介助申し込み情報を受信したとき、前記時刻表情報を参照して、前記乗車希望日時から所定の時間内であって乗車駅で駅係員が介助可能な乗車候補日時及び降車駅で駅係員の介助可能な降車候補日時を抽出し、その乗車候補日時及び降車候補日時をそれぞれ前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末に表示させ、
前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって前記乗車候補日時及びそれに対応する降車候補日時の両方が承認されたとき、前記サーバは、承認された前記乗車候補日時を前記利用者端末に表示させ、
前記利用者端末は、表示された前記乗車候補日時の中から介助を利用したい利用日時が選択可能とされていることを特徴とする。
この車椅子介助システムにおいて、前記利用者端末は、予め前記サーバに登録された利用者IDを有し、前記利用者端末の操作によって前記利用日時が選択されたとき、前記サーバは、選択された前記利用日時及びそれに対応する降車日時をそれぞれ前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末に表示させ、前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって、前記利用日時及びそれに対応する降車日時の両方が承認されたとき、前記サーバは、前記利用者ID、承認された前記利用日時及びそれに対応する降車日時、並びに乗車駅及び降車駅を予約情報として記憶するとともに、前記利用者端末に介助申し込みのチケット発行を通知することが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、発信装置IDを発信する発信装置をさらに備え、
前記発信装置IDは、前記発信装置が設置された位置と関係付けられており、
前記利用者端末は、車椅子利用者に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、発信装置IDを受信したとき、利用者ID及び受信した前記発信装置IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記利用者ID及び発信装置IDを受信した時、その利用者IDが前記予約情報として記憶されており、その発信装置IDが乗車駅に設置された発信装置から発信されたものである場合、前記乗車駅係員端末に車椅子利用者の到着と、前記発信装置IDと関係付けられた位置情報とを通知することが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記サーバは、前記利用者端末から利用者ID及び発信装置IDを受信した時、その利用者IDが前記予約情報として記憶されておらず、その発信装置IDが駅に設置された発信装置から発信されたものである場合、前記利用者端末に介助の要否を確認する表示をさせることが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記サーバは、前記予約情報に基づいて乗車駅での介助予定時刻になったことを判断して前記乗車駅係員端末にアラームを発生させることが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記降車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、前記サーバは、前記予約情報として降車駅における介助予定場所がさら記憶され、該サーバは、前記予約情報に基づいて降車駅での介助予定時刻になったことを判断して前記降車駅係員端末にアラームを発生させるとともに前記介助予定場所を通知し、前記降車駅係員端末は、前記発信装置IDを受信したとき、受信した前記発信装置IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記降車駅係員端末から受信した発信装置IDに基づいて前記介助予定場所に到着したことを判断し、その降車駅係員端末にアラームを停止させることが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記サーバは、前記予約情報として乗車する列車の乗車位置候補がさらに記憶され、その乗車位置候補を前記乗車駅係員端末に送信し、前記乗車駅係員端末は、前記乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされており、前記乗車駅係員端末の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報が前記サーバに送信され、前記サーバは、前記乗車駅係員端末から受信した前記乗車位置情報を前記降車駅係員端末に送信することが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記乗車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、前記乗車駅係員端末は、乗車の介助が完了した時に受信した発信装置IDに基づいて乗車位置候補を検出し、その乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされており、乗車の介助が完了した時の前記乗車駅係員端末の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報が前記サーバに送信され、前記サーバは、前記降車駅係員端末に前記乗車位置情報を送信することが好ましい。
この車椅子介助システムにおいて、前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、前記利用者端末は、緊急介助依頼が入力可能とされており、緊急介助依頼が入力されたとき、受信した発信装置IDとともにその緊急介助依頼を前記サーバに通知し、前記サーバは、前記利用者端末から発信装置ID及び緊急介助依頼を受信したとき、受信したその発信装置IDに基づいてその利用者端末の位置を検出し、その位置が所定の駅内である場合、その駅の前記乗車駅係員端末又は降車駅係員端末にアラームを発生させるとともにその発信装置ID及び前記利用者端末の位置を通知し、前記乗車駅係員端末又は降車駅係員端末は、その端末が受信した発信装置IDが通知を受けた前記発信装置IDと同じであるとき、前記アラームを停止することが好ましい。
本発明の車椅子介助システムによれば、駅係員が介助可能な日時がサーバに集中して記憶されるので、介助業務におけるスケジュールの調整が効率化される。また、予め定められた手順で、サーバを中心に乗車駅係員端末、降車駅係員端末及び利用者端末に情報が伝達されるので、介助業務におけるミスが防止される。
本発明の一実施形態に係る車椅子介助システムの構成図。 同システムにおける予約機能の処理フロー図。 同システムにおけるチェックイン機能の処理フロー図。 同システムにおけるアラーム通知機能の処理フロー図。 同システムにおける情報連携機能の処理フロー図。 同システムにおける緊急介助依頼機能の処理フロー図。
本発明の一実施形態に係る車椅子介助システムを図1乃至図7を参照して説明する。図1に示すように、車椅子介助システム1は、車椅子利用者が鉄道を利用するときの介助を支援するためのシステムである。この車椅子介助システム1は、乗車駅係員端末2と、降車駅係員端末3と、利用者端末4と、サーバ5とを備える。乗車駅係員端末2は、乗車駅20の駅係員P2によって操作される情報端末である。降車駅係員端末3は、降車駅30の駅係員P3によって操作される情報端末である。利用者端末4は、車椅子利用者P4によって操作される情報端末である。サーバ5は、乗車駅係員端末2、降車駅係員端末3及び利用者端末4と無線又は有線で接続されている。このサーバ5は、列車の駅発着時刻を含む時刻表情報を有する。
車椅子介助システム1の各構成をさらに詳述する。乗車駅係員端末2は、例えば、携帯端末2aや据置型情報端末2bであり、駅係員用ソフトウェアを有し、その駅係員用ソフトウェアが実行されることにより乗車駅係員端末2として動作する。携帯端末2aは、例えばスマートフォン等であり、表示装置及び入力装置としてのタッチパネル付きディスプレイ、CPU及びメモリ等を有し、携帯電話網や無線LAN等を利用した通信機能を有する。据置型情報端末2bは、例えばパソコン等であり、ディスプレイ、入力装置としてのキーボード及びマウス、CPU及びメモリ等を有する。なお、乗車駅係員端末2として、据置型情報端末2bの代わりに、タブレットPC等の携帯可能なコンピュータを用いてもよい。なお、携帯端末2aは、乗車駅係員端末2としての全機能が利用でき、据置型情報端末2bは、後述するような携帯されて移動することを前提とした機能は利用できない。
降車駅係員端末3は、例えば、携帯端末3aや据置型情報端末3bであり、駅係員用ソフトウェアを有し、その駅係員用ソフトウェアが実行されることにより降車駅係員端末3として動作する。携帯端末3aは、例えばスマートフォン等であり、表示装置及び入力装置としてのタッチパネル付きディスプレイ、CPU及びメモリ等を有し、携帯電話網や無線LAN等を利用した通信機能を有する。据置型情報端末3bは、例えばパソコン等であり、ディスプレイ、入力装置としてのキーボード及びマウス、CPU及びメモリ等を有する。なお、降車駅係員端末3として、据置型情報端末3bの代わりに、タブレットPC等の携帯可能なコンピュータを用いてもよい。なお、携帯端末3aは、降車駅係員端末3としての全機能が利用でき、据置型情報端末3bは、後述するような携帯されて移動することを前提とした機能は利用できない。
列車の利用のし方によって同じ駅が乗車駅にも降車駅にもなるので、駅係員用ソフトウェアは、同じ情報端末が乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3の両方として機能するように作られる。
利用者端末4は、例えば、携帯端末4aや据置型情報端末4bであり、利用者用ソフトウェアを有し、その利用者用ソフトウェアが実行されることにより利用者端末4として動作する。携帯端末4aは、例えばスマートフォン等であり、表示装置及び入力装置としてのタッチパネル付きディスプレイ、CPU及びメモリ等を有し、携帯電話網等を利用した通信機能を有する。据置型情報端末4bは、例えばパソコン等であり、ディスプレイ、入力装置としてのキーボード及びマウス、CPU及びメモリ等を有する。なお、利用者端末4として、据置型情報端末4bの代わりに、タブレットPC等の携帯可能なコンピュータを用いてもよい。なお、携帯端末4aは、利用者端末4としての全機能が利用でき、据置型情報端末4bは、後述するような携帯されて移動することを前提とした機能は利用できない。
サーバ5は、車椅子介助システムサーバと呼ばれ、車椅子介助システム1に関する主要な処理を実行するサーバである。本実施形態では、サーバ5は、乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3と仮想プライベートネットワーク6(VPN)で接続され、利用者端末4とインターネット7で接続される。サーバ5が有する時刻表情報は、例えば指令所装置からネットワークを介して取得される。指令所装置は、線区における列車運行の監視及び管理を行う装置である。サーバ5の記憶装置に時刻表情報を直接入力してもよい。
上記のように構成された車椅子介助システム1における予約機能について説明する。図2に示すように、降車駅係員のスケジュール入力として、降車駅係員端末3の操作によって降車駅の駅係員が介助可能な日時がサーバ5に記憶される(ステップS201)。すなわち、サーバ5における駅係員のスケジュールのデータが更新される(ステップS202)。乗車駅係員のスケジュール入力として、乗車駅係員端末2の操作によって乗車駅の駅係員が介助可能な日時がサーバ5に記憶される(ステップS203)。すなわち、サーバ5における駅係員のスケジュールのデータが更新される(ステップS204)。なお、乗車駅係員のスケジュール入力(ステップS201)と、降車駅係員のスケジュール入力(ステップS203)とは、いずれも駅係員のスケジュール入力であり、この時点では、どちらの駅が乗車駅と降車駅であるかは確定していないことが多く、入力順序は、この逆であっても構わない。
車椅子利用者の介助申し込みとして、利用者端末は、乗車希望日時、乗車駅及び降車駅を含む介助申し込み情報の入力を受け付けて、入力された介助申し込み情報をサーバ5に送信する(ステップS205)。介助申し込み情報は、乗車希望日時、乗車駅及び降車駅以外の情報を含んでもよい。そのような情報は、従来の介助記録簿に記載されていた事項であり、例えば、指定席希望の有無、付き添いの有無等である。
サーバ5は、介助申し込み情報を受信したとき、スケジュール調整を行う(ステップS206)。具体的には、サーバ5は、乗車希望日時から所定の時間内であって乗車駅で駅係員が介助可能な乗車候補日時及び降車駅で駅係員の介助可能な降車候補日時を抽出する。サーバ5は、乗車駅及び対応する降車駅の両方でそれぞれの駅係員が介助可能となるようにスケジュール調整を行う。また、乗車希望日時通りでなくても、乗車希望日時から所定の時間内であれば、車椅子利用者は、鉄道を利用する可能性があるので、そのように乗車候補日時に選択の幅をもたせて、スケジュー調整が行われる。
サーバ5は、そのように抽出した乗車候補日時及び降車候補日時を駅係員に承認の依頼を行う(ステップS207、候補承認依頼)。具体的には、サーバ5は、前のステップで抽出した乗車候補日時を乗車駅係員端末2に表示させ、降車候補日時を降車駅係員端末3に表示させる。
乗車駅係員端末2の表示を見た駅係員は、介助可能であることを確認し、乗車駅係員端末2の操作によって乗車候補日時を承認する(ステップS208)。降車駅係員端末3の表示を見た駅係員は、介助可能であることを確認し、降車駅係員端末3の操作によってその候補日時を承認する(ステップS209)。
乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3の操作によって乗車候補日時及びそれに対応する降車候補日時の両方が承認されたとき、サーバ5は、車椅子利用への候補連絡として、承認された乗車候補日時を利用者端末4に表示させる(ステップS210)。なお、このとき、承認された乗車候補日時に加えて、それに対応する降車候補日時も利用者端末4に表示してもよい。利用者端末4は、表示された乗車候補日時の中から介助を利用したい利用日時が選択可能とされている(ステップS211)。
なお、乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3の操作によって乗車候補日時及びそれに対応する降車候補日時の少なくとも一方が承認されなかったとき、サーバ5に記憶されていた介助可能な日時が間違っていることになる。この場合、サーバ5が、承認しなかった方の駅係員の端末にスケジュール入力を促す表示をさせることが望ましい。
利用者端末4は、予めサーバ5に登録された利用者IDを有する。すなわち、各利用者端末4は、利用者IDを用いてサーバ5に識別される。利用者IDは、例えば一意の番号であり、氏名の重複が無ければ氏名でもよい。利用者端末4の操作によって利用日時が選択されたとき(ステップS211)、駅係員への日時承認依頼として、サーバ5は、選択された利用日時及びそれに対応する降車日時をそれぞれ乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3に表示させる(ステップS212)。
乗車駅係員端末2の操作によって、利用日時が承認され(ステップS213)、降車駅係員端末3の操作によって、その利用日時に対応する降車日時が承認され(ステップS214)、すなわち、その両方が承認されたとき、サーバ5は、利用者ID、承認された利用日時及びそれに対応する降車日時、並びに乗車駅及び降車駅を予約情報として記憶する。そして、サーバ5は、利用者端末4に介助申し込みの受付完了の連絡として、介助申し込みのチケット発行を通知する(ステップS215)。このチケットには、少なくとも利用日時(乗車日時)及び乗車駅が表示され、それ以外に、列車種別、乗車位置等を表示するようにシステムを構成してもよい。チケット発行の通知は、例えば、サーバ5がこのチケットを利用者端末4に表示させることによって行われる。このチケットは、利用者端末4及びサーバ5に保存される。
このように、車椅子介助システム1は、駅係員が介助可能な日時がサーバ5に集中して記憶されるので、介助業務におけるスケジュールの調整が効率化される。また、予め定められた手順で、サーバ5を中心に乗車駅係員端末2、降車駅係員端末3及び利用者端末4に情報が伝達されるので、介助業務におけるミスが防止される。
次に、車椅子介助システム1におけるチェックイン機能について説明する。車椅子介助システム1は、発信装置8をさらに備える(図1参照)。発信装置8は、発信装置IDを発信する装置である。発信装置ID81は、発信装置8が設置された位置と関係づけられている。利用者端末4は、車椅子利用者に携帯される携帯端末4aであり、発信装置ID81を受信する機能を有する。
本実施形態では、発信装置8は、ビーコンである。ビーコンは、低消費電力の近距離無線通信等を用いて存在や位置を伝えるための信号を発信する装置である。ビーコンが発信する信号には、ビーコンIDが含まれる。発信装置ID81は、ビーコンIDである。発信装置ID81と、発信装置8が設置された位置との関係は、例えば、サーバ5に予め記憶される。発信装置ID81は、発信装置8の位置情報そのものを含んでもよい。
図3に示すように、利用者端末4は、発信装置ID81(ビーコンID)を受信したとき、利用者ID及び受信した発信装置ID81をサーバ5に送信する(ステップS301)。
サーバ5は、利用者ID及び発信装置ID81を受信した時、その利用者IDが前記予約情報として記憶されており(ステップS302、予約有無確認で予約有り)、その発信装置IDが乗車駅に設置された発信装置から発信されたものである場合(ステップS303、利用者所在確認)、乗車駅係員端末2に車椅子利用者の到着と、発信装置ID81と関係付けられた位置情報とを通知する(ステップS304、利用者到着連絡)。
車椅子利用者の到着及び位置情報の通知を受け、乗車駅係員端末2の操作によって承認が行われると(ステップS305)、サーバ5は、利用者端末4に介助開始連絡をする(ステップS306)。
サーバ5は、利用者端末4から利用者ID及び発信装置IDを受信した時(ステップS301)、その利用者IDが予約情報として記憶されておらず(ステップS302で予約無し)、その発信装置IDが駅に設置された発信装置から発信されたものである場合、利用者端末4に介助の要否を確認する表示をさせる(ステップS307)。介助が必要であれば、車椅子介助システム1は、予約処理へ進む(ステップS308)。具体的には、車椅子利用者は、利用者端末4を用いて介助申し込みを行うことになる(図2のステップS205)。
次に、車椅子介助システム1における乗車駅係員端末2へのアラーム通知機能について説明する。図4に示すように、サーバ5は、予約情報に基づいて乗車駅での介助予定時刻になったことを判断して乗車駅係員端末2にアラームを発生させる(ステップS401、アラーム通知)。乗車駅での介助予定時刻は、サーバ5に予約情報として記憶された利用日時より所定時間前とされる。その所定時間は、適宜に設定される。
そのアラームは、乗車駅係員端末2の操作によって停止される(ステップS402、アラーム手動停止)。
これにより、車椅子介助システム1は、乗車駅係員が介助を失念することを防ぐことができる。
次に、車椅子介助システム1における降車駅係員端末3へのアラーム通知機能について説明する。降車駅係員端末3は、駅係員に携帯される携帯端末3aであり、発信装置ID81を受信する機能を有する(図1参照)。サーバ5は、予約情報として降車駅における介助予定場所がさらに記憶される。介助予定場所は、車椅子利用者が乗車する列車及び降車駅に基づいて時刻表情報を参照して決められ、サーバ5が自動的に決定しても、サーバ5に直接入力してもよい。
サーバ5は、予約情報に基づいて降車駅での介助予定時刻になったことを判断して降車駅係員端末3にアラームを発生させるとともに介助予定場所を通知する(図4のステップS403)。降車駅での介助予定時刻は、サーバ5に予約情報として記憶された降車日時より所定時間前とされる。その所定時間は、適宜に設定される。
これにより、車椅子介助システム1は、降車駅係員が介助を失念することを防ぐことができる。
そして、降車駅係員端末3は、発信装置ID81(ビーコンID)を受信したとき、受信した発信装置ID81をサーバ5に送信する(ステップS404)。サーバは、降車駅係員端末3から受信した発信装置ID81に基づいて介助予定場所に到着したことを判断し(ステップS405、介助場所到着チェック)、その降車駅係員端末3にアラームを停止させる(ステップS406)。
これにより、降車駅の駅係員は、介助予定場所に到着したことを知ることができるとともに、降車駅係員端末3のアラームを手動で停止する手間が省かれる。
次に、車椅子介助システム1における乗車駅と降車駅の駅係員間の情報連携機能について説明する。サーバ5は、予約情報として乗車する列車の乗車位置候補がさらに記憶される(図1参照)。乗車位置候補は、車椅子利用者が乗車する列車及び乗車駅に基づいて時刻表情報を参照して決められ、サーバ5が自動的に決定しても、サーバ5に直接入力してもよい。
サーバ5は、乗車位置候補を乗車駅係員端末2に送信する。乗車駅係員端末2は、その乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされている。乗車位置情報は、車椅子利用者が乗車した列車における位置情報である。乗車駅係員端末2の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報がサーバ5に送信される。サーバ5は、乗車駅係員端末2から受信した乗車位置情報を降車駅係員端末3に送信する。なお、サーバ5は、乗車駅係員端末2から受信した乗車位置情報に基づいて、予約情報として記憶されている降車駅における介助予定場所を更新するように構成してもよい。
これにより、降車駅の駅係員は、車椅子利用者が列車のどこに乗車しているかを知ることができる。
次に、車椅子介助システム1における乗車駅と降車駅の駅係員間の情報連携機能で、乗車駅の駅係員がホームにいる場合についてさらに説明する。乗車駅係員端末2は、駅係員に携帯される携帯端末2aであり、発信装置ID81を受信する機能を有する(図1参照)。乗車駅係員端末2は、乗車の介助が完了した時に受信した発信装置IDに基づいて乗車位置候補を検出し、その乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされている。乗車位置候補は、乗車駅係員端末2が受信した発信装置ID81に基づいて、当該発信装置8の周辺の扉(乗車する列車の扉)に絞り込まれる。発信装置ID81と扉との関係は、予め乗車駅係員端末2に記憶される。発信装置ID81と扉との関係をサーバ5に予め記憶し、乗車駅係員端末2がその情報を取得するように構成してもよい。
図5に示すように、乗車の介助が完了した時(ステップS501)の乗車駅係員端末2の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報がサーバ5に送信される(ステップS502、乗車時降車設定)。サーバ5は、乗車の介助が完了したという介助ステータス(介助の進捗状況)を記録する(ステップS503、介助ステータス更新)。
サーバ5は、降車駅係員端末3に乗車位置情報を送信する(ステップS504、降車情報通知)。
降車駅の駅係員は、降車の介助が完了すると、降車駅係員端末3の操作によって、降車介助の完了をサーバ5に送信する(ステップS505)。サーバ5は、降車の介助が完了したという介助ステータス(介助の進捗状況)を記録する(ステップS506、介助ステータス更新)。
これにより、乗車駅の駅係員から降車駅の駅係員に必要な情報が確実に伝達される。
次に、車椅子介助システム1における緊急介助依頼機能について説明する。この機能は、介助の予約の有無にかかわらず、車椅子利用者が緊急に介助が必要になった時に駅係員に介助の依頼をする機能である。
乗車駅係員端末2は、駅係員に携帯される携帯端末2aである。降車駅係員端末3は、駅係員に携帯される携帯端末3aである。乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3は、発信装置ID81を受信する機能を有する(図1参照)。
図6に示すように、利用者端末4は、緊急介助依頼が入力可能とされており、緊急介助依頼が入力されたとき(ステップS602)、受信した発信装置ID81(ビーコンID)とともにその緊急介助依頼をサーバ5に通知する(ステップS602)。
サーバ5は、利用者端末4から発信装置ID81及び緊急介助依頼を受信したとき、受信したその発信装置ID81に基づいてその利用者端末4の位置を検出する。その位置が所定の駅内である場合、サーバ5は、その駅の乗車駅係員端末2又は降車駅係員端末3にアラームを発生させるとともにその発信装置ID81及び利用者端末4の位置を通知する(ステップS603、アラーム通知)。なお、図6では、サーバ5が乗車駅係員端末2にアラームを発生させる例を示している。緊急介助依頼であるので、サーバ5がアラームを発生させる駅係員の端末は、乗車駅係員端末2及び降車駅係員端末3の一方に限定されない。
乗車駅係員端末2又は降車駅係員端末3は、その端末が受信した発信装置ID81が(ステップS604)通知を受けた発信装置ID81と同じであるとき(ステップS605)、アラームを停止する(ステップS606)。例えば、乗車駅係員端末2が受信した発信装置ID81は、乗車駅係員端末2の端末の現在位置を示す。サーバ5から通知を受けた発信装置ID81は、利用者端末4の現在位置を示す。したがって、乗車駅係員端末2が受信した発信装置ID81が通知を受けた発信装置ID81と同じであるとき、乗車駅係員端末2が利用者端末4の位置、すなわち介助場所に到着したと判断される。乗車駅係員端末2の代わりに降車駅係員端末3の場合も同様である。
これにより、車椅子利用者は、駅係員に緊急の介助依頼をすることができる。駅係員は、その緊急介助依頼と利用者端末4の位置を知ることが出来、さらに、利用者端末4の位置、すなわち介助場所に到着したことを知ることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、車椅子介助システム1において、ビーコンを用いて位置情報を取得する代わりに、高精度のGPSを用いて位置情報を取得してもよい。
1 車椅子介助システム
2 乗車駅係員端末
2a 携帯端末
3 降車駅係員端末
3a 携帯端末
4 利用者端末
5 サーバ
8 発信装置
81 発信装置ID

Claims (9)

  1. 車椅子利用者が鉄道を利用するときの介助を支援するための車椅子介助システムであって、
    乗車駅の駅係員によって操作される乗車駅係員端末と、
    降車駅の駅係員によって操作される降車駅係員端末と、
    車椅子利用者によって操作される利用者端末と、
    前記乗車駅係員端末、降車駅係員端末及び利用者端末と無線又は有線で接続されたサーバとを備え、
    前記サーバは、列車の駅発着時刻を含む時刻表情報を有し、
    前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって駅係員が介助可能な日時が前記サーバに記憶され、
    前記利用者端末は、乗車希望日時、乗車駅及び降車駅を含む介助申し込み情報の入力を受け付けて、入力された前記介助申し込み情報を前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記介助申し込み情報を受信したとき、前記時刻表情報を参照して、前記乗車希望日時から所定の時間内であって乗車駅で駅係員が介助可能な乗車候補日時及び降車駅で駅係員の介助可能な降車候補日時を抽出し、その乗車候補日時及び降車候補日時をそれぞれ前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末に表示させ、
    前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって前記乗車候補日時及びそれに対応する降車候補日時の両方が承認されたとき、前記サーバは、承認された前記乗車候補日時を前記利用者端末に表示させ、
    前記利用者端末は、表示された前記乗車候補日時の中から介助を利用したい利用日時が選択可能とされていることを特徴とする車椅子介助システム。
  2. 前記利用者端末は、予め前記サーバに登録された利用者IDを有し、
    前記利用者端末の操作によって前記利用日時が選択されたとき、前記サーバは、選択された前記利用日時及びそれに対応する降車日時をそれぞれ前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末に表示させ、
    前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末の操作によって、前記利用日時及びそれに対応する降車日時の両方が承認されたとき、前記サーバは、前記利用者ID、承認された前記利用日時及びそれに対応する降車日時、並びに乗車駅及び降車駅を予約情報として記憶するとともに、前記利用者端末に介助申し込みのチケット発行を通知することを特徴とする請求項1に記載の車椅子介助システム。
  3. 発信装置IDを発信する発信装置をさらに備え、
    前記発信装置IDは、前記発信装置が設置された位置と関係付けられており、
    前記利用者端末は、車椅子利用者に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、発信装置IDを受信したとき、利用者ID及び受信した前記発信装置IDを前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記利用者ID及び発信装置IDを受信した時、その利用者IDが前記予約情報として記憶されており、その発信装置IDが乗車駅に設置された発信装置から発信されたものである場合、前記乗車駅係員端末に車椅子利用者の到着と、前記発信装置IDと関係付けられた位置情報とを通知することを特徴とする請求項2に記載の車椅子介助システム。
  4. 前記サーバは、前記利用者端末から利用者ID及び発信装置IDを受信した時、その利用者IDが前記予約情報として記憶されておらず、その発信装置IDが駅に設置された発信装置から発信されたものである場合、前記利用者端末に介助の要否を確認する表示をさせることを特徴とする請求項3に記載の車椅子介助システム。
  5. 前記サーバは、前記予約情報に基づいて乗車駅での介助予定時刻になったことを判断して前記乗車駅係員端末にアラームを発生させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の車椅子介助システム。
  6. 前記降車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、
    前記サーバは、前記予約情報として降車駅における介助予定場所がさら記憶され、
    該サーバは、前記予約情報に基づいて降車駅での介助予定時刻になったことを判断して前記降車駅係員端末にアラームを発生させるとともに前記介助予定場所を通知し、
    前記降車駅係員端末は、前記発信装置IDを受信したとき、受信した前記発信装置IDを前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記降車駅係員端末から受信した発信装置IDに基づいて前記介助予定場所に到着したことを判断し、その降車駅係員端末にアラームを停止させることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の車椅子介助システム。
  7. 前記サーバは、前記予約情報として乗車する列車の乗車位置候補がさらに記憶され、その乗車位置候補を前記乗車駅係員端末に送信し、
    前記乗車駅係員端末は、前記乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされており、
    前記乗車駅係員端末の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報が前記サーバに送信され、
    前記サーバは、前記乗車駅係員端末から受信した前記乗車位置情報を前記降車駅係員端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の車椅子介助システム。
  8. 前記乗車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、
    前記乗車駅係員端末は、乗車の介助が完了した時に受信した発信装置IDに基づいて乗車位置候補を検出し、その乗車位置候補の中から乗車位置情報が選択して入力可能とされており、
    乗車の介助が完了した時の前記乗車駅係員端末の操作によって、車椅子利用者が列車に乗車したことと、乗車位置情報が前記サーバに送信され、
    前記サーバは、前記降車駅係員端末に前記乗車位置情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の車椅子介助システム。
  9. 前記乗車駅係員端末及び降車駅係員端末は、駅係員に携帯される携帯端末であり、前記発信装置IDを受信する機能を有し、
    前記利用者端末は、緊急介助依頼が入力可能とされており、緊急介助依頼が入力されたとき、受信した発信装置IDとともにその緊急介助依頼を前記サーバに通知し、
    前記サーバは、前記利用者端末から発信装置ID及び緊急介助依頼を受信したとき、受信したその発信装置IDに基づいてその利用者端末の位置を検出し、その位置が所定の駅内である場合、その駅の前記乗車駅係員端末又は降車駅係員端末にアラームを発生させるとともにその発信装置ID及び前記利用者端末の位置を通知し、
    前記乗車駅係員端末又は降車駅係員端末は、その端末が受信した発信装置IDが通知を受けた前記発信装置IDと同じであるとき、前記アラームを停止することを特徴とする請求項3に記載の介助支援システム。

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