JP2017180469A - 車両および車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給可能な車両において、外部給電時に内燃機関にデポジットが堆積するのを抑制する。【解決手段】車両は、エンジンと、エンジンを用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備える。エンジンは、エンジンの排気を吸気側に還流するためのEGR装置を含む。車両は、エンジンの負荷に応じてEGR装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備える。制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合には、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限する。【選択図】図4

Description

この発明は、車両およびその制御方法に関し、特に、内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給することが可能な車両およびその制御方法に関する。
停車時に車両外部へ電力を供給する(以下、車両外部への給電を「外部給電」とも称する。)ことが可能に構成された車両が知られている。このような車両の代表例であるハイブリッド車両においては、車両に搭載された蓄電装置に蓄えられた電力を供給するだけでなく、内燃機関の動力を用いて発電された電力を供給することも可能である。
たとえば特開2013−142380号公報(特許文献1)には、外部給電を行なう際に、車両外部からの情報(将来の予測を含んだ電力需要量の時間推移、または将来の予測を含んだ他の電力源からの供給可能電力量)に基づいて、内燃機関の制御量を決定する電力供給システムが開示される。
内燃機関には、内燃機関の排気の一部を吸気側に還流するための還流装置(以下、「EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置」とも称する。)が設けられているものがある。特許文献1では、内燃機関の制御量として、内燃機関による発電量、およびEGR装置による排気の還流量(以下、「EGR量」とも称する。)を決定する。より具体的には、特許文献1では、外部給電時、将来的に電力需要が増加する見込みがないと判断された場合には、EGR量を、車両の走行時と同様の手法により、内燃機関の回転数および要求トルクに応じて設定する。一方、現在から一定期間後までに電力使用量が現在よりも増加する見込みがあると判断された場合には、上記のEGR量設定値に対して、EGR増加量を上乗せする。このように、特許文献1においては、将来的に電力需要量の増加が見込まれる場合には、触媒温度の低下を許容することが可能となるため、EGR量を増加させる。これにより、触媒の排気浄化性能を保ちつつ、内燃機関の発電効率を向上させる。
特開2013−142380号公報
上記の車両において、外部給電時には、内燃機関は、通常、車両走行時よりも相対的に負荷が低い状態で長時間運転される。
ここで、内燃機関の負荷が低い状態でEGR装置を作動させると、吸気側に還流された排気に含まれる未燃の燃料(煤、炭化水素など)がインジェクタの噴射孔や点火プラグに付着して、徐々に堆積しやすくなる。このデポジットの堆積によってインジェクタの詰まりや点火プラグの燻りが発生すると、正常な燃料噴射および点火が不可能になるため、内燃機関の燃焼状態が不安定になり、失火状態に至る可能性がある。また、失火状態が継続すると、未燃の燃料が触媒に達するため、未燃燃料と酸素との反応により触媒の温度が上昇して、触媒が溶損する虞がある。
なお、内燃機関の負荷が高い状態では、インジェクタの噴射孔から噴射される燃焼噴射量が多くなるため、噴射孔付近のデポジットを燃料噴射によって吹き飛ばすことが可能である。また、燃焼室温度も上昇するため、点火プラグの燻りを解消することができる。
一方、外部給電時には、上記のように低負荷の運転が長時間に亘って行なわれるため、堆積したデポジットを除去することが難しくなる。このため、特許文献1に記載されるように、外部給電時において、車両走行時と同等以上のEGR量を設定すると、デポジットの堆積を促進させてしまうことになる。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給可能な車両において、外部給電時に内燃機関にデポジットが堆積するのを抑制することである。
本発明のある局面に従う車両は、内燃機関と、内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備える。内燃機関は、内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含む。車両は、内燃機関の負荷に応じて還流装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備える。制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合には、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限する。
上記車両によれば、内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給する外部給電時には、外部給電時でないときよりも、同一の負荷に対する排気の還流量(EGR量)が制限される。これにより、混合気に含まれる還流排気の未燃成分が少なくなるため、外部給電中に低負荷の運転が長時間に亘って行なわれても、内燃機関にデポジットが堆積するのを抑制することができる。この結果、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りを防止できるため、内燃機関が失火状態に至るのを未然に回避することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、内燃機関の回転速度の変動幅が閾値以上となるときには、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限する。
このようにすれば、内燃機関の回転速度の変動幅が大きいことからインジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していると判断される場合には、EGR量が制限される。言い換えれば、外部給電時であっても、内燃機関の回転速度の変動幅が小さく、インジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していないと判断される場合には、EGR量が制限されない。これにより、内燃機関が失火状態に至るのを回避しつつ、EGRによる燃費向上の効果を享受することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が閾値以上となるときには、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限する。
このようにすれば、排気通路の空燃比の変動幅が大きいことからインジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していると判断される場合には、EGR量が制限される。言い換えれば、外部給電時であっても、排気通路の空燃比の変動幅が小さく、インジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していないと判断される場合には、EGR量が制限されない。これにより、内燃機関が失火状態に至るのを回避しつつ、EGRによる燃費向上の効果を享受することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置による車両外部への電力の出力を開始してからの経過時間が長くなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする。
このようにすれば、低負荷での運転時間が長くなるほどデポジットの堆積が促進するところ、内燃機関の運転時間が長くなるほどEGR量の制限が強化されてEGR量が減少するため、デポジットの堆積を効果的に抑制することができる。その一方で、低負荷での運転時間が短いときには、EGR量の制限が緩和されるためにEGR量を増やすことができる。この結果、デポジットの堆積を抑制しつつ、燃費を向上させることができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関の負荷が高くなるほど、排気の還流量の低減量を小さくする。
このようにすれば、内燃機関にデポジットが堆積しにくい高負荷で運転している場合には、EGR量の制限が緩和される。すなわち、高負荷での運転時には、外部給電時でないときと同等レベルまでEGR量を増やすことができる。これにより、デポジットの堆積を抑制しつつ、EGRによる燃費向上の効果を得ることができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関の回転速度の変動幅が大きくなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする。
このようにすれば、内燃機関の回転速度の変動幅が大きくなるほど、インジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りの程度が高いと判断されてEGR量の制限が強化される。これにより、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りのさらなる進行が抑制されるため、失火状態に至るのを回避することができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が大きくなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする。
このようにすれば、排気通路の空燃比の変動幅が大きくなるほど、インジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りの程度が高いと判断されてEGR量の制限が強化されるため、EGR量が減少する。これにより、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りのさらなる進行が抑制されるため、失火状態に至るのを回避することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合には、還流装置の作動を停止させる。
このようにすれば、外部給電時に内燃機関にデポジットが堆積するのをより確実に抑制することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、内燃機関の回転速度の変動幅が閾値以上となるときには、還流装置の作動を停止させる。
このようにすれば、内燃機関の回転速度の変動幅が大きいことからインジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していると判断される場合には、排気の還流が行なわれないため、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りのさらなる進行をより確実に抑制することができる。
好ましくは、制御装置は、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が閾値以上となるときには、還流装置を停止させる。
このようにすれば、排気通路の空燃比の変動幅が大きいことからインジェクタの詰まりまたは点火プラグの燻りが発生していると判断される場合には、排気の還流が行なわれないため、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りのさらなる進行をより確実に抑制することができる。
この発明の別の局面に従えば、車両の制御方法であって、車両は、内燃機関と、内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを含む。内燃機関は、内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含む。車両の制御方法は、電力出力装置による車両外部への電力の出力が要求されているか否かを判定するステップと、内燃機関の負荷に応じて還流装置による排気の還流量を設定するステップと、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合には、電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対して設定される排気の還流量を制限するステップとを備える。
上記車両の制御方法によれば、内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給する外部給電時には、外部給電時でないときよりも、同一の負荷に対する排気の還流量(EGR量)が制限される。これにより、外部給電中に低負荷の運転が長時間に亘って行なわれても、内燃機関にデポジットが堆積するのを抑制することができる。この結果、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りを防止することができるため、内燃機関が失火状態に至るのを未然に回避することができる。
この発明によれば、内燃機関を用いて発電された電力を車両外部へ供給可能な車両において、外部給電時に内燃機関にデポジットが堆積するのを抑制することができる。これにより、インジェクタの詰まりや点火プラグの燻りを防止できるため、内燃機関が失火状態に至るのを未然に回避することができる。
この発明の実施の形態1による車両の代表例として示されるハイブリッド車両の全体構成を示すブロック図である。 図1に示したエンジンの構成図である。 図1および図2に示した制御装置の機能ブロック図である。 制御装置によるEGR量の制御を説明するためのフローチャートである。 外部給電モード時におけるEGR開度の変化を示すタイミングチャートである。 エンジンの負荷とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2による車両における外部給電モード時のEGR制限制御の特徴を説明するためのフローチャートである。 エンジンの回転速度の変動幅とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2の変形例による車両における外部給電モード時のEGR制限制御の特徴を説明するためのフローチャートである。 排気通路の空燃比の変動幅とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
(ハイブリッド車両の全体構成)
図1は、この発明の実施の形態1による車両の代表例として示されるハイブリッド車両1の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、ハイブリッド車両1は、エンジン100と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割装置4と、減速機5と、駆動輪6とを備える。また、ハイブリッド車両1は、蓄電装置Bと、PCU(Power Control Unit)20と、電圧変換器30と、外部給電口40と、制御装置200とをさらに備える。
ハイブリッド車両1は、エンジン100およびモータジェネレータMG2の少なくとも一方から出力される駆動力によって走行可能である。動力分割装置4は、エンジン100が発生する駆動力を、駆動輪6を駆動するための駆動力と、モータジェネレータMG1を駆動するための駆動力とに分割可能に構成される。動力分割装置4は、たとえば遊星歯車機構によって構成される。
エンジン100は、たとえばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関により構成される。エンジン100は、排気の一部を吸気側に還流するための還流装置(EGR装置)を有する。EGR装置における排気の還流量(EGR量)は、エンジン100の運転状態や、外部給電が要求されているか否かに応じて、制御装置200により制御される。エンジン100およびEGR装置の構成については、後ほど詳しく説明する。
モータジェネレータMG1,MG2は、交流回転電機であり、たとえば三相交流同期電動発電機である。モータジェネレータMG1は、動力分割装置4を経由して伝達されるエンジン100の駆動力を用いて、発電機として動作する。たとえば、蓄電装置Bの充電状態(以下、「SOC(State of Charge)」とも称する。)が所定の下限に達すると、エンジン100が始動してモータジェネレータMG1により発電が行なわれる。モータジェネレータMG1によって発電された電力は、PCU20により電圧変換された後、蓄電装置Bに蓄電されたり、モータジェネレータMG2に直接供給される。また、外部給電時には、モータジェネレータMG1によって発電された電力は、電圧変換器30によってさらに電圧変換されて外部給電口40から車両外部へ供給される。
モータジェネレータMG2は、蓄電装置Bに蓄えられた電力、およびモータジェネレータMG1によって発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。モータジェネレータMG2の駆動力は、減速機5を介して駆動輪6に伝達される。なお、図1では、駆動輪6は前輪として示されているが、前輪に代えて、または前輪とともに、モータジェネレータMG2によって後輪を駆動してもよい。
なお、ハイブリッド車両1の制動時には、減速機5を介して駆動輪6によりモータジェネレータMG2が駆動されることにより、モータジェネレータMG2が発電機として動作する。モータジェネレータMG2による発電電力は、PCU20によって電圧変換された後、蓄電装置Bに蓄えることができる。
PCU20は、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するための駆動装置である。PCU20は、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するためのインバータを含み、さらに、インバータと蓄電装置Bとの間で電圧変換するためのコンバータを含み得る。
蓄電装置Bは、再充電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置Bは、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子のセルを含んで構成される。蓄電装置Bには、蓄電装置Bの温度TB、電流IBおよび電圧VBを検出するためのセンサ(図示せず)が設けられる。センサによる検出値は制御装置200へ出力される。制御装置200は、センサによる検出値に基づいて蓄電装置BのSOCを算出する。
電圧変換器30は、制御装置200から受ける駆動信号DSによって外部給電時に駆動されることにより、蓄電装置BおよびPCU20の少なくとも一方から受ける電力を電圧変換して外部給電口40へ出力する。具体的には、電圧変換器30は、エンジン100を用いてモータジェネレータMG1により発電された電力を、PCU20から直接受けるか、または発電電力を一時的に蓄える蓄電装置Bから受けると、その発電電力を外部給電用に電圧変換して外部給電口40へ出力する。電圧変換器30は、たとえばインバータによって構成される。なお、電圧変換器30を双方向に電圧変換可能に構成することにより、車両外部の電源から供給され外部給電口40から入力される電力を電圧変換して蓄電装置Bを充電可能としてもよい。すなわち、外部給電口40は、外部給電時に車両外部へ電力を供給するための電力インターフェイスを構成する。
制御装置200は、代表的には、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ領域と、入出力インターフェイス(いずれも図示せず)とを主体とするECU(Electronic Control Unit)により構成される。制御装置200は、予めROM等に格納されたプログラムをCPUがRAMに読出して実行することによって、ハイブリッド車両1の走行および蓄電装置Bの充放電に係る制御を実行する。制御装置200はさらに、EGR装置を含むエンジン100の制御、および電圧変換器30による外部給電制御を実行する。なお、ECUの少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
(エンジン100の構成)
図2は、図1に示したエンジン100の構成図である。図2を参照して、エンジン100には、エアクリーナ102から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ104により調整される。スロットルバルブ104は、スロットルモータ312により駆動される。
吸入された空気は、シリンダ(燃焼室)106において燃料と混合される。シリンダ106には、インジェクタ108から燃料が噴射される。シリンダ106内の混合気は、点火プラグ110により着火されて燃焼する。燃焼後の混合気すなわち排気ガスは、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。混合気の燃焼によりピストン114が押し下げられ、クランクシャフト116が回転する。
シリンダ106の頭頂部には、吸気バルブ118および排気バルブ120が設けられる。シリンダ106に導入される空気の量および時期は、吸気バルブ118により制御される。シリンダ106から排出される排気の量および時期は、排気バルブ120により制御される。
エンジン100は、EGR装置を含む。EGR装置は、EGR通路140と、EGRバルブ142とを有する。EGR通路140は、エンジン100の排気を吸気側(たとえば吸気マニホールド)へ還流するための管路である。EGRバルブ142は、EGR通路140に設けられ、制御装置200によって開閉が制御される。EGRバルブ142が開かれると、EGR通路140によって排気路と給気路とが連通され、EGRバルブ142が閉じられると、EGR通路140は遮断される。EGRバルブ142を開いて排気を吸気路に還流することによって燃焼温度が下がるため、窒素酸化物(NOx)の発生が抑制される。また、排気が入ることによってインテークマニホールドの負圧が減少するため、ポンピングロスを低減させ、燃費を向上させることができる。
制御装置200は、エンジン100が所望の運転状態になるように、スロットルバルブ104の開度(スロットル開度)、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量等を制御する。具体的には、制御装置200は、点火プラグ110に制御信号を出力して点火時期を調整し、スロットルバルブ104に制御信号を出力してスロットル開度を調整し、インジェクタ108に制御信号を出力して所定のタイミングで所定時間、インジェクタ108のノズルを開く。
制御装置200には、クランク角センサ302、スロットル開度センサ306、A/Fセンサ304、アクセルペダルセンサ、および車速センサから信号が入力される。クランク角センサ302は、クランクシャフト116の回転速度(エンジン回転速度)およびクランクシャフト116の回転角度を示す信号を出力する。スロットル開度センサ306は、スロットル開度を示す信号を出力する。A/Fセンサ304は、排気通路の空燃比A/Fを示す信号を出力する。アクセルペダルセンサは、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出し、検出された操作量を示す信号を出力する。車速センサは、ハイブリッド車両1の車速を検出し、検出された車速を示す信号を出力する。
また、制御装置200は、外部給電スイッチ308から信号PSを受ける。外部給電スイッチ308は、利用者が外部給電を要求するためのスイッチである。外部給電スイッチ308がオン操作されると、信号PSが活性化される。なお、外部給電の要求については、外部給電スイッチ308を設けることなく、外部給電口40に給電コネクタが接続された場合、または外部給電口40に接続された給電コネクタから給電要求信号を受けた場合などに、外部給電が要求されたものと判断するようにしてもよい。制御装置200は、各種センサおよび外部給電スイッチ308からの信号に基づいて、エンジン100を制御する。
(制御装置200の構成)
図3は、図1および図2に示した制御装置200の機能ブロック図である。図3には、制御装置200による機能のうちの、エンジン100の制御に関連する部分の機能ブロックが示される。
図3を参照して、制御装置200は、SOC算出部202と、HV制御部204と、外部給電制御部206と、EGR制御部208とを含む。SOC算出部202は、蓄電装置Bの温度TB、電流IBおよび電圧VBの検出値に基づいて蓄電装置BのSOCを算出する。なお、SOCの算出方法については、種々の公知の手法を用いることができる。
HV制御部204は、ハイブリッド車両1の制御全般を実行する。代表的なものとして、HV制御部204は、エンジン100を停止させた状態でモータジェネレータMG2の出力によって走行するEV走行の実行中にハイブリッド車両1に要求されるパワーが閾値(エンジン始動閾値)を超えたとき、または、蓄電装置BのSOCが所定の下限を下回ったときには、エンジン始動指令を生成してエンジン100を始動させる。そして、エンジン100の作動中、HV制御部204は、エンジン100が所望の動作点で運転されるように、スロットル開度、点火時期、燃料噴射時期、および燃料噴射量等を制御する。
外部給電制御部206は、ハイブリッド車両1の停車中に外部給電スイッチ308(図2)がオン操作されると、ハイブリッド車両1の動作モードを「外部給電モード」とする。そして、外部給電モード時、外部給電制御部206は、電圧変換器30(図1)を駆動するための駆動信号DSを生成して電圧変換器30へ出力する。また、外部給電制御部206は、外部給電モード時は、その旨をEGR制御部208へ通知する。
EGR制御部208は、EGRバルブ142の開閉を制御する。具体的には、EGR制御部208は、エンジン100の負荷に応じてEGRバルブ142の開度(以下、「EGR開度」とも称する。)を調整することによって、排気の還流量(EGR量)を制御する。具体的には、エンジン100を作動させた状態で走行するHV走行を行なっている場合には、EGR制御部208は、エンジン100の負荷および回転速度の組み合わせで規定される動作点に応じて、EGR開度を制御する。EGR開度は、全開状態(EGR開度が100%)および全閉状態(EGR開度が0%)を含んで制御される。たとえば、EGR制御部208は、動作点ごとに予めEGR開度を定めた開度マップの参照により、EGR開度の目標値を算出する。開度マップは、制御装置200内のROM等に予め格納されている。なお、開度マップのマップ値は、実験結果等に基づいて、その動作点において燃費が最良となるように、エンジン100の動作点を示すパラメータ値に対応したEGR開度に予め適合されている。EGR制御部208は、目標値に従ってEGR開度を制御する。
このようにして、ハイブリッド車両1がHV走行を行なっているときには、エンジン100に要求される負荷が変化すると、これに対応してEGR開度の目標値が変化する。EGR制御部208は、目標値の変化に追従するようにEGR開度(すなわち、EGR量)を制御する。これにより、ハイブリッド車両1の燃費を向上させることができる。
一方、ハイブリッド車両1の動作モードが外部給電モードであるときには、エンジン100は、上述したHV走行時に比べて相対的に負荷が低い状態で、長時間運転される。一般的に、エンジン100の負荷が低い状態でEGR装置を作動させた場合には、吸気側に還流された排気に含まれる未燃の燃料がインジェクタ108の噴射孔や点火プラグ110に付着して堆積しやすくなる。そのため、外部給電モード時においても、HV走行時と同様のEGR量の制御を行なうと、デポジットの堆積が促進され、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りを誘発させることになる。この結果、エンジン100の燃焼状態が不安定になり、失火状態に至る可能性がある。
そこで、この実施の形態1では、EGR制御部208は、外部給電モード時には、外部給電モードでないときよりも、同一のエンジン負荷に対するEGR量を制限する。これにより、混合気に含まれる還流排気の未燃成分が少なくなるため、外部給電モード中に低負荷の運転が長時間に亘って行なわれても、エンジン100にデポジットが堆積するのを抑制することができる。この結果、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りを防止できるため、エンジン100が失火状態に至るのを未然に回避することができる。
以下の説明では、それぞれのEGR量の制御を区別するために、外部給電モードでないときのEGR量の制御を「EGR通常制御」とも記し、外部給電モード時のEGR量の制御を「EGR制限制御」とも表記する。
図4は、制御装置200によるEGR量の制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、制御装置200に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図4を参照して、制御装置200は、まず、EGR装置による排気の還流を実行するための所定のEGR実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS10)。たとえば、EGR実行条件としては、(1)エンジン始動後あるいはフューエルカット復帰後所定時間が経過していること、(2)エンジン100の体積効率が所定値以上であること、(3)アイドルオフであること、(4)エンジン100の冷却水温が所定温度以上であること、(5)燃料増量中でないこと、等が代表的に挙げられる。
これらのEGR実行条件が全て成立して排気の還流が可能である場合には(ステップS10のYES判定時)、制御装置200は、EGR装置の作動を許可する。一方、EGR実行条件のいずれかが成立せず排気の還流が不可能である場合には(ステップS10のNO判定時)、制御装置200は、EGR装置の作動を停止(EGRカット)させる(ステップS30)。具体的には、制御装置200は、EGRバルブ142を全閉状態(EGR開度が0%)とする。
EGR装置の作動が許可されると(ステップS10のYES判定時)、制御装置200は、次いで、ハイブリッド車両1の動作モードが外部給電モードであるか否かを判定する(ステップS20)。動作モードが外部給電モードでないと判定されると(ステップS20のNO判定時)、制御装置200は、EGR通常制御を実行する(ステップS40)。すなわち、制御装置200は、上述した開度マップの参照により、エンジン100の負荷および回転速度で規定される動作点に応じてEGR開度の目標値を決定する。そして、制御装置200は、目標値に従ってEGR開度を制御する。
これに対して、動作モードが外部給電モードであると判定されると(ステップS20のYES判定時)、制御装置200は、EGR制限制御を実行する(ステップS50)。具体的には、制御装置200は、EGR通常制御の実行時に比べて、同一のエンジン100の動作点に対するEGR開度の目標値を制限する。これにより、外部給電モード時におけるEGR量を低減させて、デポジットの堆積を抑制する。
(EGR制限制御)
以下、図4に示されたステップS50によるEGR制限制御の実施例について詳細に説明する。
図5は、外部給電モード時におけるEGR開度の変化を示すタイミングチャートである。図5を参照して、破線k1は、EGR通常制御を実行した場合のEGR開度の変化を示し、実線k2〜k4は、EGR制限制御を実行した場合のEGR開度の変化を示す。なお、破線k1と実線k2〜k4とは、互いに同一のエンジン負荷に対するEGR開度の変化を示している。
外部給電モード時は、蓄電装置BのSOCが所定の下限を下回ると、エンジン100が始動する(時刻t1)。EGR装置が作動すると、EGR制御部208(図3)は、エンジン100の負荷に応じてEGR開度を制御する。なお、EGR通常制御の実行時には、EGR制御部208は、上述したように、エンジン100の動作点に対するEGR開度の目標値を、開度マップの参照により算出する。そして、EGR制御部208は、目標値(図中のX%に相当)に従ってEGR開度を制御する。
これに対して、EGR制限制御においては、EGR制御部208は、所望の動作点に対するEGR開度の目標値を、開度マップのマップ値よりも小さい値に制限する。これにより、EGR制限制御では、同一の動作点に対するEGR開度は、EGR通常制御よりも小さくなるように制御される。以下の説明では、同一の動作点に対するEGR通常制御でのEGR開度とEGR制限制御でのEGR開度との差分(図中のΔXに相当)を「EGR開度の低減量」とも称する。
EGR制限制御において、EGR制御部208は、エンジン100が始動してからの経過時間に応じてEGR開度の低減量を変化させることができる。具体的には、図5の実線k2に示すように、EGR制御部208は、エンジン100が始動してからの経過時間が長くなるほど、EGR開度の低減量を大きくする。言い換えれば、EGR制御部208は、エンジン100が始動してからの経過時間が長くなるほど、EGR開度を小さくする。これによれば、低負荷での運転時間が長くなるほどデポジットの堆積が促進されるところ、低負荷での運転時間が長くなるほどEGR量の制限が強化されるため、デポジットの堆積を効果的に抑制することができる。一方、低負荷での運転時間が短いときには、EGR量の制限が緩和されるため、EGRによる燃費向上の効果を得ることができる。この結果、デポジットの堆積を抑制しつつ、燃費を向上させることができる。
あるいは、図5の実線k3に示すように、EGR制御部208は、外部給電モード時には、EGR開度を所定値(図中のY%に相当)に固定するようにしてもよい。この所定値Y%は、外部給電モード時に想定される負荷の最小値に対してもデポジットの堆積を抑制することができるように、実験結果等に基づいて予め適合されている。これによれば、外部給電モード時においても、デポジットの堆積を抑制できる限度でEGRによる燃費向上の効果を得ることができる。
あるいは、図5の実線k4に示すように、EGR制御部208は、外部給電モード時には、EGR装置の作動を停止(EGRカット)させてもよい。EGRバルブ142を全閉状態(EGR開度が0%)とすることにより、外部給電モード時におけるデポジットの堆積をより確実に抑制することができる。
なお、上述したEGR制限制御のうち、外部給電モード時におけるEGR開度の低減量を変化させる実施例については、エンジン100を始動してからの経過時間に応じてEGR開度の低減量を変化させる構成の他に、エンジン100の負荷に応じてEGR開度の低減量を変化させる構成とすることも可能である。図6は、エンジン100の負荷とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。図6を参照して、EGR制御部208は、エンジン100の負荷が高くなるほど、EGR開度の低減量を小さくする。すなわち、EGR制御部208は、エンジン100の負荷が高くなるほど、EGR量の制限を緩和する。
エンジンの負荷が高いと、燃焼温度が上昇して排気に含まれる未燃の燃料も少なくなるため、EGR装置を作動させてもデポジットが堆積しにくくなる。したがって、このような場合には、EGR量の制限を緩和する、すなわち、EGR通常制御時と同等レベルまでEGR量を増やすことによって、デポジットの堆積を抑制しつつ、EGRによる燃費向上の効果を得ることができる。
このように本実施の形態1による車両によれば、外部給電モード時は、外部給電モードでないときよりも、同一のエンジン負荷に対するEGR量が制限される。これにより、外部給電中に低負荷の運転が長時間に亘って行なわれても、エンジン100にデポジットが堆積するのを抑制することができる。この結果、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りを防止することができるため、エンジン100が失火状態に至るのを未然に回避することができる。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1では、外部給電モード時にはEGR制限制御を行なう構成について説明したが、外部給電中にEGR量を制限することによってデポジットの堆積を抑制することができる反面、EGRによる燃費向上の効果が薄まってしまう可能性がある。言い換えれば、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りが回避されていれば、EGR装置を積極的に用いることが、燃費を高める点で有利である。
実施の形態2では、燃費のさらなる向上が可能なEGR制限制御について説明する。なお、この発明の実施の形態2による車両の全体構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰返さない。また、エンジン100の制御構成についても、制御装置200(EGR制御部208)によるEGR量の制御を除いて、図3および図4と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
図7は、この発明の実施の形態2による車両における外部給電モード時のEGR制限制御の特徴を説明するためのフローチャートである。実施の形態2による外部給電モード時のEGR制限制御では、図4のフローチャートにおけるステップS50(EGR制限制御)が、図7のフローチャートに従って実行される。その他の制御動作については、実施の形態1と同様とすればよいので詳細な説明は繰返さない。
図7を参照して、動作モードが外部給電モードであるときには、EGR制御部208は、インジェクタ108の詰まりや点火プラグの燻りが発生していないかどうかを判断する。この判断は、たとえば、エンジン100の回転速度の変動を監視することによって行なうことができる。具体的には、インジェクタ108の詰まりによって燃料噴射量が減少すると、燃焼室内での燃焼が緩慢となるため、燃焼状態が不安定となり、エンジン100の回転速度が大きく変動する。点火プラグ110の燻りによって正常な点火ができなくなることによっても、同様の現象が起こり得る。
EGR制御部208は、クランク角センサ302(図2)からの信号に基づいてエンジン100の回転速度の変動を監視する。EGR制御部208は、エンジン100の回転速度の変動幅と閾値とを比較し(ステップS51)、回転速度の変動幅が閾値以上となると(ステップS51のYES判定時)、インジェクタ108の詰まりまたは点火プラグ110の燻りが発生していると判断する(ステップS52)。
インジェクタ108の詰まりまたは点火プラグ110の燻りが発生しているときには、EGR制御部208は、外部給電モードでないときよりも、同一のエンジン負荷に対するEGR量を制限する(ステップS53)。EGR制御部208は、図5の実線k2〜k4および図6に示したように、同一の動作点に対するEGR開度を、EGR通常制御よりも小さくなるように(EGRカットを含む)制御する。
なお、実施の形態2においては、エンジン100の回転速度の変動幅の大きさに応じて、EGR開度の低減量を変化させる構成としてもよい。図8は、エンジン100の回転速度の変動幅とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。図8を参照して、EGR制御部208は、エンジン100の回転速度の変動幅が大きくなるほど、EGR開度の低減量を大きくする。すなわち、EGR制御部208は、エンジン100の回転速度の変動幅が大きくなるほど、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りの程度が高いと判断して、EGR量の制限を強化する。これにより、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りのさらなる進行が抑制されるため、エンジン100が失火状態に至るのを回避することができる。
図7に戻って、エンジン100の回転速度の変動幅が閾値よりも小さいとき(ステップS51のNO判定時)には、EGR制御部208は、インジェクタ108の詰まりおよび点火プラグ110の燻りが発生していないと判断する。この場合、EGR制御部208は、上述したようなEGR量の制限を行なわないこととする(ステップS54)。したがって、EGR制御部208は、EGR通常制御を実行することにより、エンジン100の動作点に応じてEGR開度を制御する。
なお、ステップS54の処理に代えて、EGR制御部208は、インジェクタ108の詰まりおよび点火プラグ110の燻りが発生していないときにもEGR量の制限を行ないつつ、インジェクタ108の詰まりまたは点火プラグ110の燻りが発生しているときよりも、EGR量の制限を緩和するようにしてもよい。デポジットの堆積を抑制できる点で好ましい。
[実施の形態2の変形例]
インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りが発生していないかどうかの判断は、排気通路の空燃比A/Fの変動を監視することによっても行なうことができる。インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りが生じると、燃料噴射量や点火時期の制御が不安定となるため、燃焼室内で燃焼された混合気の空燃比も安定せず、大きく変動するためである。
図9は、この発明の実施の形態2の変形例による車両における外部給電モード時のEGR制限制御の特徴を説明するためのフローチャートである。実施の形態2の変形例による外部給電モード時のEGR制限制御では、図4のフローチャートにおけるステップS50(EGR制限制御)が、図9のフローチャートに従って実行される。
図9を参照して、動作モードが外部給電モードであるときには、EGR制御部208は、インジェクタ108の詰まりや点火プラグの燻りが発生していないかどうかを判断する。具体的には、EGR制御部208は、A/Fセンサ304(図2)からの信号に基づいて排気通路の空燃比A/Fの変動を監視する。EGR制御部208は、排気通路の空燃比A/Fの変動幅と閾値とを比較する(ステップS55)。そして、EGR制御部208は、図7と同様のステップS52〜S54により、比較結果に基づいたEGR量の制御を実行する。
なお、実施の形態2の変形例においては、排気通路の空燃比A/Fの変動幅の大きさに応じて、EGR開度の低減量を変化させる構成としてもよい。図10は、排気通路の空燃比A/Fの変動幅とEGR開度の低減量との関係を説明するための模式図である。図10を参照して、EGR制御部208は、排気通路の空燃比A/Fの変動幅が大きくなるほど、EGR開度の低減量を大きくする。すなわち、EGR制御部208は、排気通路の空燃比A/Fの変動幅が大きくなるほど、インジェクタ108の詰まりまたは点火プラグの燻りの程度が高いと判断して、EGR量の制限を強化する。これにより、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りのさらなる進行が抑制されるため、エンジン100が失火状態に至るのを回避することができる。
このように本実施の形態2および変形例による車両によれば、外部給電モード時であっても、インジェクタ108の詰まりや点火プラグ110の燻りが発生していない場合には、EGR量の制限を行なわない、もしくはEGR量の制限を緩和することにより、EGRによる燃費向上の効果を享受することができる。この結果、エンジン100が失火状態に至るのを回避しつつ、燃費を向上させることができる。
なお、上述の実施の形態1および2において、エンジン100は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応し、電圧変換器30および外部給電口40は、この発明における「電力出力装置」の一実施例を形成する。EGR装置は、この発明における「還流装置」の一実施例に対応する。
また、上述の実施の形態1および2では、外部給電が可能な車両の代表例としてハイブリッド車両について説明したが、この発明は、エンジンを用いて発電された電力を車両外部へ供給するための電力出力装置が搭載されていれば、他の形式の車両にも適用可能である。すなわち、たとえば、エンジンのみを駆動力源とするエンジン車両や、図1とは異なる構成のハイブリッド車両にもこの発明は適用可能である。たとえば、モータジェネレータMG1を駆動するためにのみエンジン100を用い、モータジェネレータMG2でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車両や、エンジン100で生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車両、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車両などにも、この発明は適用可能である。また、モータを切り離してエンジンのみの動力によって走行するハイブリッド車両にもこの発明は適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハイブリッド車両、4 動力分割装置、5 減速機、6 駆動輪、20 PCU、30 電圧変換器、40 外部給電口、100 エンジン、102 エアクリーナ、104 スロットルバルブ、106 シリンダ、108 インジェクタ、110 点火プラグ、112 三元触媒、114 ピストン、116 クランクシャフト、118 吸気バルブ、120 排気バルブ、140 EGR通路、142 EGRバルブ、200 制御装置、202 SOC算出部、204 HV制御部、206 外部給電制御部、208 EGR制御部、302 クランク角センサ、304 A/Fセンサ、308 外部給電スイッチ、MG1,MG2 モータジェネレータ、B 蓄電装置。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備え、
    前記内燃機関は、前記内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含み、
    前記内燃機関の負荷に応じて前記還流装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、前記内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が閾値以上となるときには、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限する、車両。
  2. 前記制御装置は、前記電力出力装置による車両外部への電力の出力を開始してからの経過時間が長くなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置は、前記内燃機関の負荷が高くなるほど、排気の還流量の低減量を小さくする、請求項1に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、前記内燃機関の回転速度の変動幅が大きくなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする、請求項1に記載の車両。
  5. 前記制御装置は、前記内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が大きくなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする、請求項1に記載の車両。
  6. 内燃機関と、
    前記内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備え、
    前記内燃機関は、前記内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含み、
    前記内燃機関の負荷に応じて前記還流装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合には、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限し、
    前記制御装置は、前記電力出力装置による車両外部への電力の出力を開始してからの経過時間が長くなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする、車両。
  7. 内燃機関と、
    前記内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備え、
    前記内燃機関は、前記内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含み、
    前記内燃機関の負荷に応じて前記還流装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、前記内燃機関の回転速度の変動幅が閾値以上となるときには、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力しない場合に比べて、同一の負荷に対する排気の還流量を制限し、
    前記制御装置は、前記電力出力装置による車両外部への電力の出力を開始してからの経過時間が長くなるほど、排気の還流量の低減量を大きくする、車両。
  8. 内燃機関と、
    前記内燃機関を用いて発電された電力を、車両外部へ出力するように構成された電力出力装置とを備え、
    前記内燃機関は、前記内燃機関の排気を吸気側に還流するための還流装置を含み、
    前記内燃機関の負荷に応じて前記還流装置による排気の還流量を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記電力出力装置によって車両外部へ電力を出力する場合であって、前記内燃機関の排気通路の空燃比の変動幅が閾値以上となるときには、前記還流装置を停止させる、車両。
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