JP2023120700A - 内燃機関の制御装置および内燃機関の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基準燃料と性状が異なる燃料を使用した場合であっても、基準燃料の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御する。【解決手段】エンジンECU200は、軽油と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期を補正し、エンジン1を運転する。そして、この運転状態において、軽油使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する。【選択図】図10
Description
本開示は、内燃機関の制御装置、および内燃機関の制御方法に関する。
脱炭素社会に向けて、カーボンニュートラルで環境負荷の少ないバイオ燃料の使用が拡大している。たとえば、菜種油や廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油に混合した、バイオ燃料混合軽油がディーゼルエンジンの燃料として用いられている。
ところで、ディーゼルエンジン等、内燃機関の制御は、運転状態に基づいて参照される目標燃料噴射量マップや目標噴射時期マップ等の各種制御マップを用いて制御されることが一般的である。制御マップは、基準燃料を用いて適合されており、ディーゼルエンジンでは、たとえば、軽油を基準燃料として、制御マップを適合している。バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて発熱量が小さい。このため、バイオディーゼル燃料を使用した際、基準燃料(軽油)に適合した制御マップに基づいて、燃料噴射制御を実行すると、出力トルクの低下を招く等の課題がある。
特開2020-26734号公報(特許文献1)には、軽油より発熱量が低い含酸素燃料を使用した際に、目標アイドル回転速度を得るための燃料噴射量と、軽油を使用した際に目標アイドル回転速度を得るための燃料噴射量とを比較することにより、燃料噴射量の補正係数を求め、この補正係数を用いて燃料噴射制御を行うことにより、出力トルクの低下を抑止している。
バイオディーゼル燃料は、軽油(基準燃料)と比較して、一般的に、単位体積当たりの発熱量が小さく、セタン価が低く、また、動粘度が高い。このため、バイオディーゼル燃料を使用した場合、軽油と比較して、熱発生率(単位クランク角度当たりの熱量)が小さく、また、着火時期が遅くなる。バイオディーゼル燃料を使用した際に、特許文献1のように、燃料噴射量を補正することにより、出力トルクの低下を抑制すると、熱発生率の分布が、軽油使用時に比較して遅角側でかつ大きな値になる。このため、効率よくトルクを出力することができず、燃料消費率の悪化等を招く懸念がある。
本開示の目的は、基準燃料に対して単位体積当たりの発熱量等の性状が異なる燃料を使用した場合であっても、基準燃料の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御することにより、燃料消費率の悪化等を抑制することである。
本開示の内燃機関の制御装置は、基準燃料に適合した制御マップを用いて内燃機関を制御する内燃機関の制御装置である。内燃機関の制御装置は、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されているか否かを判定する燃料性状判定部と、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう、燃料噴射時期補正値を算出する噴射時期補正部と、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて内燃機関を制御し運転している状態において、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する燃料補正値算出部と、を備える。
この構成によれば、噴射時期補正部は、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期補正値を算出する。燃料補正量算出部は、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて内燃機関を制御し運転している状態において、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する。
噴射時期補正部で算出した燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて内燃機関を運転することにより、基準燃料と性状が異なる燃料を使用した運転において、着火時期が基準燃料を使用した際の着火時期と同じになる。着火時期が基準燃料を使用した際の着火時期と同じになるので、燃料噴射補正値算出部によって、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出することができる。これにより、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるように、燃料噴射時期補正値、燃料噴射量補正値、および、燃料噴射圧補正を算出することができ、基準燃料の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御することが可能になる。
好ましくは、制御マップは、目標着火時期マップを含み、制御装置は、着火時期を取得する着火時期取得部をさらに備え、噴射時期補正部は、目標着火時期マップから求めた目標着火時期と着火時期取得部で取得した着火時期との偏差に基づいて、燃料噴射時期補正値を算出するようにしてよい。
この構成によれば、目標着火時期マップから求めた目標着火時期と着火時期取得部で取得した着火時期との偏差に基づいて、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期補正値を求めることができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関の回転速度を取得する回転速度取得部をさらに備え、燃料補正値算出部は、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期用いて内燃機関を制御し運転している状態において、回転速度が目標回転速度に一致するよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期用いて内燃機関を制御し運転している状態において、回転速度が目標回転速度に一致するよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出することにより、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になる燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を得ることができる。
好ましくは、制御マップは、目標燃料噴射量マップと目標燃料噴射圧マップを含み、燃料補正値算出部は、目標燃料噴射量マップから求めた目標燃料噴射量および目標燃料噴射圧マップから求めた目標燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転したときの回転速度である第1回転速度を取得し、第1回転速度と目標回転速度との偏差である第1回転速度差を算出するとともに、第1回転速度差に基づいて燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第1処理と、第1処理のあと、回転速度取得部で取得した回転速度と目標回転速度との偏差である補正後回転速度差を算出し、補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、第1回転速度差と回転速度差増減量とに基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第2処理と、補正後回転速度差が所定範囲内になるまで第2処理を繰り返し実行する収束処理と、を実行し、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射量と目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射量補正値を算出し、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射圧と目標燃料噴射圧に基づいて前記燃料噴射圧補正値を算出するようにしてもよい。
基準燃料と性状が異なる燃料の使用に、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう燃料噴射を行うためには、燃料噴射時期に加えて、燃料噴射量と燃料噴射率を制御する必要がある。燃料噴射量は、燃料噴射時間(燃料噴射弁の開弁時間)および燃料噴射圧によって、変化する。また、燃料噴射率(単位時間当たりに噴射される燃料量)は、燃料噴射圧によって影響を受ける。このため、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量と燃料噴射圧の両方の値が収束するように演算することが好ましい。
この構成によれば、燃料補正値算出部は、目標燃料噴射量マップから求めた目標燃料噴射量および目標燃料噴射圧マップから求めた目標燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転したときの回転速度である第1回転速度と目標回転速度との偏差である第1回転速度差を算出する。第1回転速度差に基づいて燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第1処理を行ったあと、回転速度取得部で取得した回転速度と目標回転速度との偏差である補正後回転速度差を算出し、補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、回転速度差増減量に基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第2処理を実行する。
そして、燃料補正値算出部は、補正後回転速度差が所定範囲内になるまで第2処理を繰り返し実行する収束処理を行い、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射量と目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射量補正値を算出し、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射圧と目標燃料噴射圧に基づいて前記燃料噴射圧補正値を算出する。
第1処理による運転は、目標燃料噴射量および目標燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転したときの回転速度である第1回転速度と目標回転速度との偏差である第1回転速度差に基づいて、燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を制御する。第1処理時の燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量は、第1回転速度差の大きさに応じて設定され、内燃機関が制御される。
第2処理による運転は、回転速度取得部で取得した回転速度と目標回転速度との偏差である補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、回転速度差増減量に基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を制御する。第2処理時の燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量は、回転速度差増減量に応じて設定され、内燃機関が制御され運転される。
第2処理による運転は、補正後回転速度差が所定範囲内になるまで繰り返し実行され、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射量と目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射量補正値が算出され、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射圧と目標燃料噴射圧に基づいて燃料噴射圧補正値が算出される。回転速度差増減量に基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出しているので、補正後回転速度差が所定範囲内に収束する燃料噴射量と燃料噴射圧を求めることができ、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になる燃料噴射量補正値と燃料噴射圧補正値を算出することができる。
好ましくは、噴射時期補正部は、内燃機関がアイドル運転状態のとき、燃料噴射時期補正値を算出し、燃料補正値算出部は、アイドル運転状態のとき、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、内燃機関の運転状態が比較的安定しているときに、燃料噴射時期補正値、燃料噴射量補正値、および、燃料噴射圧補正値を算出することができ、精度よく各補正値を求めることができる。
本開示に内燃機関の制御方法は、基準燃料に適合した制御マップを用いて内燃機関を制御する、内燃機関の制御方法である。制御マップは、目標着火時期マップを含み、制御方法は、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されているか否かを判定し、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期補正値を算出し、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて内燃機関を制御する補正制御運転を実行し、内燃機関が補正制御運転により運転されている状態において、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する。
この方法によれば、基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期補正値を算出し、燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて内燃機関を制御する補正制御運転を実行する。補正制御運転では、基準燃料と性状が異なる燃料を使用していても、着火時期が基準燃料を使用したときの着火時期と同じになるので、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出することができる。これにより、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるように、燃料噴射時期補正値、燃料噴射量補正値、および、燃料噴射圧補正を算出することができ、基準燃料の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御することが可能になる。
好ましくは、制御マップは、目標燃料噴射量マップと目標燃料噴射圧マップを、さらに含む。内燃機関が補正制御運転により運転されている状態において、目標燃料噴射量マップから求めた目標燃料噴射量および目標燃料噴射圧マップから求めた目標燃料噴射圧を用いて内燃機関が制御されているときの回転速度である第1回転速度を取得する。そして、第1回転速度と目標回転速度の差である第1回転速度差を算出し、第1回転速度差に基づいて燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出するとともに、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第1収束制御運転を行う。この第1収束制御運転のあと、内燃機関の回転速度と目標回転速度との偏差である補正後回転速度差を算出し、補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、回転速度差増減量に基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出し、目標燃料噴射量を燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および目標燃料噴射圧を燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて内燃機関を運転する第2収束制御運転を行う。そして、補正後回転速度差が所定範囲内になるまで、前記第2収束制御運転を繰り返し実行し、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射量と目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射量補正値を算出し、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射圧と目標燃料噴射圧に基づいて燃料噴射圧補正値を算出するようにしてもよい。
この方法によれば、第1収束制御運転では、燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量が、第1回転速度差の大きさに応じて設定され、内燃機関が制御され運転される。第2収束制御運転では、燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量が、回転速度差増減量に応じて設定され、内燃機関が制御される。第2収束制御運転は、補正後回転速度差が所定範囲内になるまで繰り返し実行され、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射量と目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射量補正値が算出され、補正後回転速度差が所定範囲内になったときの燃料噴射圧と目標燃料噴射圧に基づいて燃料噴射圧補正値が算出される。回転速度差増減量に基づいて燃料噴射量補正量および燃料噴射圧補正量を算出しているので、補正後回転速度差が所定範囲内に収束する燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を求めることができ、基準燃料の使用時と同等の熱発生率になる、燃料噴射量補正値と燃料噴射圧補正値を算出することができる。
本開示によれば、基準燃料に対して単位体積当たりの発熱量等の性状が異なる燃料を使用した場合であっても、基準燃料の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御することにより、燃料消費率の悪化等を抑制することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置を搭載したハイブリッド車両Vの全体構成図である。ハイブリッド車両Vは、エンジン1と、第1モータジェネレータ(以下「第1MG」と称する。)2と、第2モータジェネレータ(以下「第2MG」と称する。)3と、第1インバータ4と、第2インバータ5と、昇圧コンバータ(双方向コンバータ)6と、蓄電装置7と、駆動輪8を備える。
エンジン1は、排気浄化装置を備えた、圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であり、その詳細は後述する。第1MG2および第2MG3は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。
ハイブリッド車両Vはシリーズハイブリッド車であり、第1MG2は、エンジン1によって駆動される発電機(ジェネレータ)として用いられる。第1MG2が発電した交流電力は、第1インバータ4によって直流電力に変換され、昇圧コンバータ6を介して蓄電装置7に供給し、蓄電装置7を充電する。このとき、昇圧コンバータ6は、降圧回路として動作する。また、第1MG2が発電した電力は、第2インバータ5を介して第2MG3へ供給される。第1インバータ4は、蓄電装置7から供給された直流電力を、第1MG2を駆動するための交流電力に変換して、第1MG2を用いて、エンジン1をクランキング、あるいは、モータリングするようにしてもよい。
第2MG3は、主として電動機として動作し、駆動輪8を駆動する。第2MG3は、蓄電装置7からの電力および第1MG2の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、第2MG3の駆動力は駆動輪8に伝達される。一方、ハイブリッド車両Vの制動時や下り坂では、第2MG3は、発電機として動作して回生発電を行なう。第2MG3が発電した電力は、第2インバータ5を介して蓄電装置7に充電される。また、第2インバータ5は、昇圧コンバータ6で昇圧された蓄電装置7の直流電力を、第2MG3を駆動するための交流電力に変換する。
蓄電装置7は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池を含んで構成される。蓄電装置7は、第1MG2および第2MG3の少なくとも一方が発電した電力を受けて充電される。そして、蓄電装置7は、その蓄えられた電力を第2インバータ5、および第1インバータ4へ供給する。なお、蓄電装置7として電気二重層キャパシタ等も採用可能である。
蓄電装置7には、監視ユニット7aが設けられる。監視ユニット7aには、蓄電装置7の電圧、入出力電流および温度をそれぞれ検出する電圧センサ、電流センサおよび温度センサ(いずれも図示せず)が含まれる。監視ユニット7aは、各センサの検出値(蓄電装置7の電圧、入出力電流および温度)をバッテリECU110に出力する。
ハイブリッド車両Vは、さらに、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)100と、バッテリECU110と、各種センサ120と、エンジンECU200とを備える。ハイブリッドECU100、バッテリECU110、およびエンジンECU200は、CAN(Controller Area Network)150を通じて互いに通信可能に構成されている。
ハイブリッドECU100は、CPU(Central Processing Unit)、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリ(ROMおよびRAM)に記憶された情報、各種センサ120からの情報、バッテリECU110、エンジンECU200からの情報に基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、ハイブリッドECU100は、演算処理の結果に基づいて、第1インバータ4,第2インバータ5、および昇圧コンバータ6を制御するとともに、エンジンECU200に指令を出力する。
バッテリECU110も、CPU、メモリ(ROMおよびRAM)、入出力ポート等を含む(いずれも図示せず)。バッテリECU110は、監視ユニット7aからの蓄電装置7の入出力電流および/または電圧の検出値に基づいて蓄電装置7の蓄電量を示すSOC(State Of Charge)を算出する。SOCは、たとえば、蓄電装置7の満充電容量に対する現在の蓄電量を百分率で表される。そして、バッテリECU110は、算出されたSOCをハイブリッドECU100へ出力する。なお、ハイブリッドECU100においてSOCを算出してもよい。
図2は、エンジン1の概略構成図である。エンジン1は、圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であり、エンジン本体10のシリンダ(気筒)12に形成された燃焼室に、燃料噴射弁(インジェクター)14から燃料を噴射し、圧縮自己着火を行う内燃機関である。本実施の形態において、エンジン1は4気筒である。エンジン1の吸気通路20には、エアクリーナ22、インタークーラ24、および吸気絞り弁(電子制御スロットル)26が設けられており、エアクリーナ22で異物が除去された新気(空気)は、ターボ過給機30のコンプレッサ32で過給(圧縮)され、インタークーラ24で冷却されて、吸気マニホールド28に供給され、吸気ポートから各燃焼室に供給される。
燃焼室から排出される排気(排気ガス)は、排気マニホールド50に集められ、排気通路52を介して、外気に放出される。また、排気の一部は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路60を介して、吸気マニホールド28に還流される。EGR通路60には、EGRクーラ62とEGR弁64が設けられる。
排気通路52には、上流側から、ターボ過給機30のタービン34、酸化触媒70、DPF(Diesel Particulate Filter)72が設けられている。DPF72は、排気中の微粒子(PM)を捕集し、捕集した微粒子を適宜燃焼除去することにより浄化する。また、図示しないが、DPF72の下流に、尿素添加弁および選択還元触媒を設けられる。なお、尿素添加弁および選択還元触媒に代えて、NOx吸蔵還元触媒(NSR(NOx Storage-Reduction)触媒)を設けてもよい。
燃料タンク40には、燃料が貯留されている。燃料タンク40内の燃料は、高圧燃料ポンプ41によって、燃料通路42を介してコモンレール43に圧送される。コモンレール43に蓄えられた高圧の燃料が、インジェクター14から燃焼室(筒内)に噴射される。
エンジンECU200は、CPU220、ROMおよびRAMからなるメモリ240、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリ240に記憶された情報、各種センサ120(図1参照)からの情報に基づいて所定の演算処理を実行し、インジェクター14、吸気絞り弁16、高圧燃料ポンプ41等を制御する。
エンジンECU200に入力される各種センサ120としては、たとえば、たとえば、エンジン回転速度センサ121、アクセルペダルセンサ122、燃焼圧センサ123、燃圧センサ124、冷却水温センサ125、燃料レベルゲージ126、等である。エンジン回転速度センサ121は、エンジン1の回転速度NEを検出する。アクセルペダルセンサ122は、ユーザによるアクセルペダル操作量(以下「アクセル開度」ともいう)APを検出する。燃焼圧センサ123は、燃焼室(筒内)圧力に基づいて燃焼圧Pcbを検出する。燃圧センサ124は、コモンレール43内の燃料圧力(燃料噴射圧)Pcrを検出する。冷却水温センサ125は、エンジン1の冷却水温度THWを検出する。燃料レベルゲージ126は、燃料タンク40に貯留された燃料量を検出する。
上記のように構成されたエンジン1の燃料噴射制御は、運転状態(たとえば、要求負荷(アクセル開度AP)、エンジン回転速度NE、冷却水温度THW、等)に基づいて、目標燃料噴射量マップ、目標燃料噴射時期マップ、および、目標燃料噴射圧マップ、等の制御マップを参照(マップ検索)して、実行される。制御マップは、基準燃料を用いてエンジン1を運転した際に、出力トルク、燃料消費率、排気エミッション、等が最適になるよう、適合され設定されている。本実施の形態では、基準燃料として軽油を用い、各制御マップが設定されている。
エンジン1では、たとえば、菜種油や廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油に混合した、バイオ燃料混合軽油を燃料として用いられることがある。バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて、単位体積当たりの発熱量が小さい。図3は、エンジン1において、軽油とバイオディーゼル燃料を使用した場合における熱発生率を説明する図である。図3において、縦軸は熱発生率(J/deg)であり、横軸はクランク角(CA)であり、クランク角=0は、圧縮行程における上死点(TDC(Top Dead Center)を示している。
図3において、実線は、軽油を使用し各制御マップを用いてエンジン1を運転した際の熱発生率である。破線は、同様に、バイオディーゼル燃料を使用してエンジン1を運転した際の熱発生率である。バイオディーゼル燃料は、軽油と比較して、一般的に、発熱量が小さく、セタン価が低く、動粘度が高い。このため、破線で示した熱発生率(バイオディーゼル燃料)は、実線で示した熱発生率(軽油)に比較して、熱発生率が小さく、着火時期が遅くなる。このため、バイオディーゼル燃料を使用した場合には、軽油に比較して、出力トルクが小さくなる。
軽油使用時と同等の出力トルクが得られるまで、バイオディーゼル燃料の燃料噴射量を増量すると、熱発生率は、図3に一点鎖線で示すように、軽油使用時の熱発生率より大きな値となる。これは、バイオディーゼル燃料の燃焼重心(投入熱量(投入燃料)の50%が燃焼したクランク角)Bが、軽油の燃焼重心Aよりも遅角側に位置するので、同等の出力トルクを得るために、より多くのバイオディーゼル燃料を噴射する必要があるからである。このため、燃料消費率の悪化を招く懸念がある。また、バイオディーゼル燃料は、軽油に比較して、動粘度が高いため、燃料噴射率が低下するとともに燃料噴霧の粒径が大きくなる可能性があり、排気エミッション(特に、スモーク)が悪化する懸念がある。
軽油と性状が異なるバイオディーゼル燃料を使用した際であっても、基準燃料である軽油使用時と同等な熱発生率が得られるように、燃料噴射を制御することにより、出力トルクの低下を抑制しつつ、燃料消費率の悪化や排気エミッションの悪化を抑制することができる。そこで、本実施の形態では、軽油使用時と同等な熱発生率が得られるよう、燃料噴射時期、燃料噴射量、および、燃料噴射圧の補正値を求める。
図4は、エンジンECU200で実行される補正値算出制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、ハイブリッド車両Vの起動後、割り込み要求があったときに実行される。
図5は、エンジンECU200で実行される、補正値算出制御の割り込み要求処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、ハイブリッド車両Vが起動されたときに実行される。たとえば、パワースイッチがONされ、ハイブリッド車両Vが起動されると、ステップ(以下、ステップを「S]と略す)30において、燃料タンク40への給油が行われたか否かを判定する。本実施の形態では、燃料レベルゲージ126で検出した、燃料タンク40の燃料量を用いて、給油が行われたか否かを判定する。たとえば、前回、ハイブリッド車両Vが停止したとき(パワースイッチがOFFされたとき)の燃料量よりも、今回のハイブリッド車両Vの起動時の燃料量の方が多いとき、給油が行われたと判定する。なお、ハイブリッド車両Vの停止から今回のハイブリッド車両Vの起動までの間に、燃料リッド(フェールリッド)が開かれた履歴がある場合、給油が行われたと判定してもよい。S30において、燃料タンク40への給油が行われたと判定されるとS31へ進む。燃料タンク40への給油が行われていないと判定されると、今回のルーチンを終了する。
S31では、ハイブリッド車両Vの起動後、所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間は、給油前に燃料タンク40に貯留されていた燃料と給油されたバイオ燃料混合軽油が、混ざり合うのに十分な時間とされる。ハイブリッド車両Vの走行時の振動によって、燃料タンク40内の燃料の攪拌が期待できるので、所定期間は、起動後の数分間であってよい。ハイブリッド車両Vの起動後、所定期間が経過するまで、S31が繰り返し処理され、所定期間が経過すると、S31で肯定判定されS32へ進む。S32では、補正値算出制御の割り込み要求を行い、今回のルーチンを終了する。
S32が処理され、割り込み要求があると、図4を参照して、S10で、エンジン1の暖機が完了しているか否かを判定する。たとえば、冷却水温度THWが80℃以上のとき、暖機が完了していると判定し、肯定判定されS11へ進む。冷却水温度THWが80℃未満の場合は、エンジン1の暖機が完了するまで、S10の処理を繰り返す。
S11では、エンジン1のアイドル回転制御を実行する。アイドル回転制御は、エンジン1の無負荷運転時の回転速度(アイドル回転速度)を目標アイドル回転速度NEitrgに一致するよう制御するものである。本実施の形態では、エンジン1の燃料噴射制御は、制御マップを用いて実行される。図6および図7は、本実施の形態で用いられる制御マップの一例を示している。図6(A)は目標燃料噴射量Qtrgマップであり、図6(B)は目標燃料噴射時期Injctrgである。また、図7(A)は目標着火時期Igtrgであり、目標燃料噴射圧Pcrtrgである。これら制御マップは、軽油を用いてエンジン1を運転した際に、出力トルク、燃料消費率、排気エミッション、等が最適になるよう、適合され設定されている。本実施の形態において、各制御マップの入力パラメータは、エンジン回転速度NEと要求負荷Lである。本実施の形態において、要求負荷Lは、アクセル開度APと蓄電装置7のSOCに基づいて、ハイブリッドECU100によって演算され、たとえば、0%~100%の値として、エンジンECU200に出力される。
アイドル回転制御では、要求負荷Lが0%とされる。要求負荷L(=0%)と目標アイドル回転速度NEitrgを入力パラメータとして、目標燃料噴射量Qtrgマップから、アイドル時目標燃料噴射量Qitrgを算出する。次に、エンジン回転速度センサ121で検出した回転速度NEと目標アイドル回転速度NEitrgとから、アイドル時補正量Qiscを、たとえば、「Qisc=k1×(NEitrg-NE)」として算出する。そして、燃料噴射量Qを「Q=Qitrg+Qisc」として算出する。なお、k1は適合定数である。
エンジン回転速度センサ121で検出した回転速度NEと要求負荷L(=0%)を入力パラメータとして目標燃料噴射時期Injctrgマップから算出した、目標燃料噴射時期Injctrgを燃料噴射時期Injcとする(Injc=Injctrg)。また、回転速度NEと要求負荷L(=0%)を入力パラメータとして目標燃料噴射圧Pcrtrgマップから算出した、目標燃料噴射圧Pcrtrgを燃料噴射圧Pcrとする(Pcr=Pcrtrg)。
そして、コモンレール43内の圧力が燃料噴射圧Pcrになるよう高圧燃料ポンプ41を制御するとともに、燃料噴射時期Injcに燃料噴射量Qに相当する燃料が噴射されるようインジェクター14を制御する。なお、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射等の分割噴射が実行される場合、燃料噴射時期Injcはメイン噴射の噴射時期であり、燃料噴射量Qは総噴射量である。パイロット噴射時期およびプレ噴射時期は、燃料噴射時期Injc(メイン噴射時期)から所定量進角したタイミングであってよい。また、パイロット噴射量、プレ噴射量、および、メイン噴射量は、燃料噴射量Q(総噴射量)を、所定の比率で分配した量であってよい。
アイドル回転制御において、エンジン1のアイドル回転が安定すると、S12へ進んで、アイドル時補正量Qiscの絶対値(|Qisc|)が、所定値αより大きいか否かを判定する。アイドル時補正量Qiscの絶対値が所定値α以下のとき((|Qisc|≦α)、否定判定され今回のルーチンを終了する。アイドル時補正量Qiscの絶対値が所定値αより大きいとき((|Qisc|>α)、肯定判定されS13へ進む。目標燃料噴射量Qtrgマップは、軽油に適合した制御マップである。このため、軽油が使用されている場合、燃料噴射量Qが(目標燃料噴射量Qtrgマップから算出した)アイドル時目標燃料噴射量Qitrgであれば、アイドル回転速度を目標アイドル回転速度NEitrgに維持することができ、アイドル時補正量Qiscは小さな値になる。しかし、軽油と性状の異なるバイオディーゼル燃料等の燃料を使用すると、発熱量の相違等に起因して、アイドル回転速度を目標アイドル回転速度NEitrgに維持するために、アイドル時補正量Qiscは大きな値になる。たとえば、バイオディーゼル燃料は、軽油に比較して発熱量が小さいため、アイドル時補正量Qiscは、所定値αより大きな正の値になる。したがって、アイドル時補正量Qiscの大きさに基づいて、軽油(基準燃料)と性状が異なる燃料が使用されているか否かを判定できる。なお、S12の処理が、本件開示の「燃料性状判定部」に相当する。
続くS13では、アイドル回転制御を解除する。エンジン1のアイドル回転速度を目標アイドル回転速度NEitrgに一致する制御が解除され、エンジン回転速度センサ121で検出した回転速度NEと要求負荷L(=0%)を入力パラメータとして目標燃料噴射量Qtrgマップから算出された、目標燃料噴射量Qtrgを燃料噴射量Qとして(Q=Qtrg)、無負荷運転(アイドル運転)が実行される。これにより、アイドル回転速度は、成り行きの状態になる。
続くS14では、着火時期Igを算出する。たとえば、燃焼圧センサ123で検出した燃焼圧Pcbの波形から着火時期Igを算出する。着火時期Igの算出は、燃焼光を検出し電気信号に変換する光学式の着火時期センサで検出してもよい。また、エンジン1の振動に基づいて着火時期を推定し、着火時期Igを算出するものであってもよい。
S15では、着火時期偏差Cinjを算出する。回転速度NEと要求負荷L(=0%)を入力パラメータとして、目標着火時期Igtrgマップ(図7(A))から目標着火時期Igtrgを算出し、S14で算出した着火時期Igから目標着火時期Igtrgを減算することにより、着火時期偏差Cinjを算出する(Cinj=Ig-Igtrg)。
S16では、着火時期偏差Cinjに基づいて、燃料噴射時期Injcを補正する。本実施の形態では、着火時期偏差Cinjの値を燃料噴射時期補正値として用い、回転速度NEと要求負荷L(=0%)を入力パラメータとして目標燃料噴射時期Injctrgマップから算出した目標燃料噴射時期Injctrgに着火時期偏差Cinjを加算することにより、燃料噴射時期Injcを算出する(Injc=Injctrg+Cinj)。なお、エンジン特性として、燃料噴射時期が変化した分だけ着火時期が変化しない場合、着火時期偏差Cinjと適合定数k2を用いて、燃料噴射時期補正値を「k2×Cinj」として算出し、燃料噴射時期Injcを「Injc=Injctrg+k2×Cinj」のように算出してもよい。これにより、エンジン1の着火時期が目標着火時期になるよう、燃料噴射時期Injcが算出(補正)される。
そして、着火時期偏差Cinjに基づいて補正された燃料噴射時期Injc(=Injctrg+Cinj)と回転速度NEと要求負荷L(=0%)から算出した燃料噴射量Q(=Qtrg)とを用いてインジェクター14を制御し、回転速度NEと要求負荷L(=0%)から算出した燃料噴射圧Pcr(=Pcrtrg)を用いて高圧燃料ポンプ41を制御して、エンジン1を運転する。なお、S15あるいはS16の処理が、本件開示の「噴射時期補正部」に相当する。
続くS17では、エンジン回転速度センサ121で検出した回転速度NEと目標アイドル回転速度NEitrgとから、第1回転速度差ΔNE1を算出する。第1回転速度差ΔNE1は、回転速度NEから目標アイドル回転速度NEitrgを減算した値である(ΔNE1=NE-NEitrg)。
S18では、第1回転速度差ΔNE1の絶対値(|ΔNE1|)が所定値βより大きいか否かを判定する。|ΔNE1|が所定値β以下の場合(|ΔNE1|≦β)、否定判定され今回のルーチンを終了する。|ΔNE1|が所定値βより大きいとき(|ΔNE1|>β)、肯定判定されS19へ進む。
S19では、噴射量/噴射圧補正制御を実行する。図8は、噴射量/噴射圧補正制御の処理を示すフローチャートである。図8を参照して、S18で肯定判定されると、S61において、第1回転速度差ΔNE1に基づいて、燃料噴射量補正量Qhと燃料噴射圧補正量Phを算出する。図9は、補正量算出マップの一例を示す図である。図9(A)は燃料噴射量補正量Qhを算出するマップであり、図9(B)は燃料噴射圧補正量Phを算出するマップである。
図9(A)において、横軸は回転速度差であり、縦軸は燃料噴射量補正量Qhである。図9(B)において、横軸は回転速度差である、縦軸は燃料噴射圧補正量Phである。図9(A)、(B)に示すように、回転速度差が正の値であるとき、燃料噴射量補正量Qhおよび燃料噴射圧補正量Phは負の値をとり、回転速度差が負の値であるとき、燃料噴射量補正量Qhおよび燃料噴射圧補正量Phは正の値をとる。本実施の形態では、各補正量は、原点を通る線形の関数としているが、原点を通る非線形の関数であってよい。ΔNE1が負の値の場合、図9に示すように、燃料噴射量補正量Qhは正の値であるQh1になり、燃料噴射圧補正量Phは正の値であるPh1として算出される。
続くS62では、目標燃料噴射量Qtrgに、S61で算出した燃料噴射量補正量Qhを加算した値を、燃料噴射量Qとして算出する(Q=Qtrg+Qh)。また、目標燃料噴射圧Pcrtrgに、S61で算出した燃料噴射圧補正量Phを加算した値を、燃料噴射圧Pcrとして算出する(PCr=PCrtrg+Ph)。そして、燃料噴射量Q(=Qtrg+Qh)と補正後の燃料噴射時期Injc(=Injctrg+Cinj)とを用いてインジェクター14を制御し、燃料噴射圧Pcr(=Pcetrg+ph)になるよう高圧燃料ポンプ41を制御する。なお、S17、S61、およびS62の処理が、本開示における「第1処理」、あるいは、「第1収束運転制御」に相当する。
S63では、エンジン回転速度センサ121で検出した回転速度NEから目標アイドル回転速度NEitrgを減算し、補正後回転速度差ΔNE(=NE-NEitrg)を算出する。
続くS64では、補正後回転速度差ΔNEの絶対値(|ΔNE|)が、所定値βより大きいか否かを判定する。|ΔNE|が所定値βより大きい場合(|ΔNE|>β)、肯定判定されS65へ進む。
S65では、補正後回転速度差ΔNEが0以下であるか否かを判定する。補正後回転速度差ΔNEが0より大きく(ΔNE>0)、補正後回転速度差ΔNEが正の値である場合は、否定判定されS66へ進む。補正後回転速度差ΔNEが0以下であり(ΔNE≦0)、補正後回転速度差ΔNEが負の値である場合は、肯定判定されS67へ進む。
S66では、回転速度差増減量hidを「h」に設定し、S68へ進む。S67では、回転速度差増減量hidを「-h」に設定し、S68へ進む。hは正の値であり、補正後回転速度差ΔNEの絶対値(|ΔNE|)が所定値β以下になるよう(換言すると、軽油使用時と同等の熱発生率になるよう)、燃料噴射量Qと燃料噴射圧Pcrとを速やかに収束させるために予め設定された値である。本実施の形態では、たとえば、5[rpm]に設定されている。
S68では、フラグFが1であるか否かを判定する。なお、フラグFの初期値は0に設定される。フラグFが0であり、否定判定されるとS69へ進み、フラグFが1であり、肯定判定されると、S70へ進む。
S69では、第1回転速度差ΔNE1に回転速度差増減量hidを加算した値を、補正量算出用回転速度差ΔNE0に設定したあと、S71へ進んで、フラグFを1に設定し、S72へ進む。S70では、前回の補正量算出用回転速度差ΔNE0に回転速度差増減量hidを加算した値を、今回の補正量算出用回転速度差ΔNE0に設定し、S72へ進む。
S72では、補正量算出用回転速度差ΔNE0を用いて、図9の補正量算出マップから、燃料噴射量補正量Qhと燃料噴射圧補正量Phを算出する。たとえば、補正後回転速度差ΔNEが正の値であり、回転速度差増減量hidがhに設定され、S69で補正量算出用回転速度差ΔNE0が算出されると、図9に示すよう、第1回転速度差ΔNE1に回転速度差増減量hid(=h)が加算されたΔNE0を用いて、燃料噴射量補正量QhとしてQh2が算出され、燃料噴射圧補正量PhとしてPh2が算出される。
また、S69が一旦処理され、S71でフラグFが1に設定されると、S70によって補正量算出用回転速度差ΔNE0が算出される。この場合、たとえば、補正後回転速度差ΔNEが正の値であり、回転速度差増減量hidがhに設定されたときには、図9に示すよう、前回のΔNE0に回転速度差増減量hid(=h)が加算された新たなΔNE0を用いて、燃料噴射量補正量QhとしてQh3が算出され、燃料噴射圧補正量PhとしてPh3が算出される。S72で、燃料噴射量補正量Qhと燃料噴射圧補正量Phが算出されると、S62へ進む。
S72に続くS62では、目標燃料噴射量Qtrgに、S72で算出した燃料噴射量補正量Qhを加算した値を、燃料噴射量Qとして算出する(Q=Qtrg+Qh)。また、目標燃料噴射圧Pcrtrgに、S72で算出した燃料噴射圧補正量Phを加算した値を、燃料噴射圧Pcrとして算出する(PCr=PCrtrg+Ph)。そして、燃料噴射量Q(=Qtrg+Qh)と補正後の燃料噴射時期Injc(=Injctrg+Cinj)を用いてインジェクター14を制御し、燃料噴射圧Pcr(=Pcetrg+ph)になるよう高圧燃料ポンプ41を制御する。
そして、S62~68、S70、およびS72の処理が繰り返し実行され、回転速度NEが目標アイドル回転速度NEitrgに一致する方向に目標燃料噴射量Qtrgおよび目標燃料噴射圧Pcrtrgが補正されると、補正後回転速度差ΔNEの絶対値(|ΔNE|)が所定値β以下(|ΔNE|≦β)になり、S64で否定判定されS75へ進んで、フラグFを0にセットしたあと、S20(図4)に進む。なお、所定値βは、エンジン1のアイドル運転状態において、軽油(基準燃料)使用時の熱発生率とほぼ同等の熱発生率で運転されていると見なせる許容値であり、予め実験等によって設定される。本実施の形態では、所定値βは、10[rpm]として設定されている。なお、S62~S72の処理が、本開示の「第2処理」あるいは「第2収束制御運転」に相当し、これらを繰り返し実行する処理が、本開示の「収束処理」に相当する。
図4を参照して、S20では、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出する。燃料噴射量補正値Cqは、S64(図8)で否定判定されたときの(S62で算出された)燃料噴射量Qを目標燃料噴射量Qtrgで除算した値として算出される(Cq=Q/Qtrg)。燃料噴射圧補正値Cpcrは、S64(図8)で否定判定されたときの(S62で算出された)燃料噴射圧Pcrを目標燃料噴射圧Pcrtrgで除算した値として算出される(Cpcr=Pcr/Pcrtrg)。S20で、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出すると、今回のルーチンを終了する。
補正値算出制御によって、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)、燃料噴射量補正値Cq、および、燃料噴射圧補正値Cpcrが算出されると、これら補正値を用いて燃料噴射制御が実行される。目標燃料噴射時期Injctrgに燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)を加算することにより、燃料噴射時期Injc(=Injctrg+Cinj)が算出され、目標燃料噴射量Qtrgに燃料噴射量補正値Cqを乗算して燃料噴射量Q(=Cq×Qtrg)を算出し、目標燃料噴射圧Pcrtrgに燃料噴射圧補正値Cpcrを乗算して燃料噴射圧Pcr(=Cpcr×Pcrtrg)を算出する。そして、燃料噴射時期Injc(=Injctrg+Cinj)および燃料噴射量Q(=Cq×Qtrg)を用いてインジェクター14を制御し、燃料噴射圧Pcr(=Cpcr×Pcrtrg)になるよう高圧燃料ポンプ41を制御する。なお、S18で否定判定された場合には、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrが算出されないので、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)を用いて目標燃料噴射時期Injctrgのみが補正され、燃料噴射時期Injcが算出される。
図10は、本実施の形態の作用効果を説明する図である。図10において、図3と同様に、実線は、軽油を使用し各制御マップを用いてエンジン1を運転した際の熱発生率であり、破線は、バイオディーゼル燃料を使用し各制御マップを用いてエンジン1を運転した際の熱発生率を示している。本実施の形態において、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)を用いて燃料噴射時期を補正することにより、二点鎖線で示すように、主に、着火時期が進角側に移動する。そして、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを用いて燃料噴射量および燃料噴射圧を補正することにより、一点鎖線で示すように、熱発生率が増大する。これにより、バイオディーゼル燃料の使用時であっても、軽油使用時と同等の出力トルク得る場合に、軽油使用時と同等な熱発生率が得ることができ、軽油使用時とバイオディーゼル燃料使用時の燃焼重心をほぼ同等にできるので、燃料消費率の悪化を抑制することが可能になる。また、燃料噴射圧補正値Cpcrを用いて燃料噴射圧を補正し、軽油使用時と同等な熱発生率を実現しているので、燃料噴射率の低下に起因した排気エミッションの悪化を抑制できる。
本実施の形態によれば、軽油(基準燃料)と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき(S12で肯定判定)、着火時期Igが目標着火時期Igtrgになるよう、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)を算出し(S13~S15)、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)により補正した燃料噴射時期Injcを用いてエンジン1を制御し運転している状態において、軽油(基準燃料)の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出する(S19,S20)。
燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)により補正した燃料噴射時期Injcを用いてエンジン1を運転することにより、軽油(基準燃料)と性状が異なる燃料を使用した運転において、着火時期が軽油(基準燃料)を使用した際の着火時期と同じになる。着火時期が軽油(基準燃料)を使用した際の着火時期と同じになるので、軽油(基準燃料)の使用時と同等の熱発生率になるよう燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出することができる。これにより、軽油(基準燃料)の使用時と同等の熱発生率になるように、燃料噴射時期補正値(着火時期偏差Cinj)、燃料噴射量補正値Cq、および、燃料噴射圧補正値Cpcrを算出することができ、軽油(基準燃料)の使用時と同等の熱発生率が得られるよう燃料噴射を制御することが可能になる。
上記実施の形態では、図5を用いて説明した、補正値算出制御の割り込み要求処理で割り込み要求が発生したとき、図4の補正値算出制御の処理を実行していた。しかし、補正値算出制御(図4)の実行タイミングは、これに限られない。たとえば、ハイブリッド車両Vの運転席に設けた補正開始スイッチが操作されたときに、補正値算出制御を実行してもよい。また、ハイブリッド車両Vの停車時に、補正値算出制御を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、エンジン1のアイドル運転状態(無負荷運転状態)において、各補正値を算出していたが、所定の運転状態(たとえば、要求負荷Lが20%である運転状態、等)において、各補正値を算出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、エンジン回転速度NEの変動(エンジン回転速度NEと目標アイドル回転速度NEitrgとの偏差)を用いて、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出していたが、出力トルクの変動(実出力トルクと目標出力トルクとの偏差)を用いて、燃料噴射量補正値Cqおよび燃料噴射圧補正値Cpcrを算出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、ハイブリッド車両Vに搭載されたエンジン1について説明したが、エンジン1は、蓄電装置やモータジェネレータを備えない、コンベンショナルな車両に搭載されていてもよい。この場合、図6および図7に示した制御マップにおいて、要求負荷Lに代えてアクセル開度APを用いることが好ましい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、2 第1モータジェネレータ(第1MG)、3 第2モータジェネレータ(第2MG)、4 第1インバータ、5 第2インバータ、6 昇圧コンバータ、7 蓄電装置、7a 監視ユニット、8 駆動輪、10 エンジン本体、12 シリンダ(気筒)、14 燃料噴射弁(インジェクター)、20 吸気通路、22 エアクリーナ、24 インタークーラ、26 吸気絞り弁、28 給気マニホールド、30 ターボ過給機、32 コンプレッサ、34 タービン、40 燃料タンク、41 高圧燃料ポンプ、42 燃料通路、43 コモンレール、50 排気マニホールド、52 排気通路、60 ERG通路、62 EGRクーラ、64 EGR弁、70 酸化触媒、72 DPF、100 ハイブリッドECU、110 バッテリECU、120 各種センサ、121 エンジン回転速度センサ、122 アクセルペダルセンサ、123 燃焼圧センサ、124 燃圧センサ、125 冷却水温センサ、126 燃料レベルゲージ、200 エンジンECU、210 CPU、220 メモリ、V ハイブリッド車両。
Claims (7)
- 基準燃料に適合した制御マップを用いて内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置であって、
前記基準燃料と性状が異なる燃料が使用されているか否かを判定する燃料性状判定部と、
前記基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう、燃料噴射時期補正値を算出する噴射時期補正部と、
前記燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて前記内燃機関を制御し運転している状態において、前記基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する、燃料補正値算出部と、を備える内燃機関の制御装置。 - 前記制御マップは、目標着火時期マップを含み、
前記制御装置は、着火時期を取得する着火時期取得部をさらに備え、
前記噴射時期補正部は、前記目標着火時期マップから求めた目標着火時期と前記着火時期取得部で取得した着火時期との偏差に基づいて、前記燃料噴射時期補正値を算出する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の回転速度を取得する回転速度取得部をさらに備え、
前記燃料補正値算出部は、前記燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期用いて前記内燃機関を制御し運転している状態において、前記回転速度が目標回転速度に一致するよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御マップは、目標燃料噴射量マップと目標燃料噴射圧マップを含み、
前記燃料補正値算出部は、
前記目標燃料噴射量マップから求めた目標燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧マップから求めた目標燃料噴射圧を用いて前記内燃機関を運転したときの回転速度である第1回転速度を取得し、
前記第1回転速度と前記目標回転速度との偏差である第1回転速度差を算出するとともに、前記第1回転速度差に基づいて燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出し、前記目標燃料噴射量を前記燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧を前記燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて前記内燃機関を運転する第1処理と、
前記第1処理のあと、前記回転速度取得部で取得した回転速度と前記目標回転速度との偏差である補正後回転速度差を算出し、前記補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、前記回転速度差増減量に基づいて前記燃料噴射量補正量および前記燃料噴射圧補正量を算出し、前記目標燃料噴射量を前記燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧を前記燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて前記内燃機関を運転する第2処理と、
前記補正後回転速度差が所定範囲内になるまで前記第2処理を繰り返し実行する収束処理と、を実行し、
前記補正後回転速度差が所定範囲内になったときの前記燃料噴射量と前記目標燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射量補正値を算出し、前記補正後回転速度差が所定範囲内になったときの前記燃料噴射圧と前記目標燃料噴射圧に基づいて前記燃料噴射圧補正値を算出する、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記噴射時期補正部は、前記内燃機関がアイドル運転状態のとき、前記燃料噴射時期補正値を算出し、
前記燃料補正値算出部は、前記アイドル運転状態のとき、前記燃料噴射量補正値および前記燃料噴射圧補正値を算出する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 基準燃料に適合した制御マップを用いて内燃機関を制御する、内燃機関の制御方法であって、
前記制御マップは、目標着火時期マップを含み、
前記基準燃料と性状が異なる燃料が使用されているか否かを判定し、
前記基準燃料と性状が異なる燃料が使用されていると判定されたとき、着火時期が目標着火時期になるよう燃料噴射時期補正値を算出し、前記燃料噴射時期補正値により補正した燃料噴射時期を用いて前記内燃機関を制御する補正制御運転を実行し、
前記内燃機関が前記補正制御運転により運転されている状態において、前記基準燃料の使用時と同等の熱発生率になるよう、燃料噴射量補正値および燃料噴射圧補正値を算出する、内燃機関の制御方法。 - 前記制御マップは、目標燃料噴射量マップと目標燃料噴射圧マップを、さらに含み、
前記内燃機関が前記補正制御運転により運転されている状態において、
前記目標燃料噴射量マップから求めた目標燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧マップから求めた目標燃料噴射圧を用いて前記内燃機関が制御されているときの回転速度である第1回転速度を取得し、
前記第1回転速度と目標回転速度の差である第1回転速度差を算出し、
前記第1回転速度差に基づいて燃料噴射量補正量と燃料噴射圧補正量を算出するとともに、前記目標燃料噴射量を前記燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧を前記燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて前記内燃機関を運転する第1収束制御運転を行い、
前記第1収束制御運転のあと、前記内燃機関の回転速度と前記目標回転速度との偏差である補正後回転速度差を算出し、前記補正後回転速度差に基づいて回転速度差増減量を算出し、前記回転速度差増減量に基づいて前記燃料噴射量補正量および前記燃料噴射圧補正量を算出し、前記目標燃料噴射量を前記燃料噴射量補正量で補正した燃料噴射量および前記目標燃料噴射圧を前記燃料噴射圧補正量で補正した燃料噴射圧を用いて前記内燃機関を運転する第2収束制御運転を行い、
前記補正後回転速度差が所定範囲内になるまで、前記第2収束制御運転を繰り返し実行し、
前記補正後回転速度差が所定範囲内になったときの前記燃料噴射量と前記目標燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射量補正値を算出し、前記補正後回転速度差が所定範囲内になったときの前記燃料噴射圧と前記目標燃料噴射圧に基づいて前記燃料噴射圧補正値を算出する、請求項6に記載の内燃機関の制御方法。
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---|---|---|---|
JP2022023692A JP2023120700A (ja) | 2022-02-18 | 2022-02-18 | 内燃機関の制御装置および内燃機関の制御方法 |
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