JP2023161873A - 車両の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動力源である内燃機関を備える車両の運転者が要求する要求駆動力に基づいて機関駆動力を取得し且つ機関駆動力に基づいて内燃機関が備える燃料噴射弁、過給アクチュエータ及びEGR弁を制御する制御装置を備え、運転者によって加速が要求された場合であっても煤の排出量を抑制し且つ要求駆動力を発生させることができる車両の制御システムを提供する。【解決手段】車両は内燃機関とは異なる駆動力源である電動機を備え、制御装置は、燃料噴射量が気筒内の酸素量及び酸素濃度に基づいて取得される黒煙限界噴射量よりも小さくなるように機関駆動力を取得し、燃料噴射量が黒煙限界噴射量と等しい場合に内燃機関が発生させる駆動力である制限駆動力が要求駆動力より小さいときには要求駆動力と機関駆動力との差分に相当する駆動力を電動機に発生させる。【選択図】図8

Description

本発明は、車両の制御システムに関する。例えば、排気(燃焼ガス)の一部を吸気経路にEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスとして還流させるEGR装置を備える内燃機関を含む車両の制御システムに関する。
この種の車両の制御システムは、運転者が要求する駆動力(出力)を内燃機関に発生させ且つNOx(窒素酸化物)の排出が抑制されるように気筒(燃焼室)内のEGRガス量(EGR率)を制御する。一般に、EGR率が低下すると、気筒内の混合気の燃焼速度が増加して駆動力が増加する一方、気筒内の温度が上昇してNOx排出量(即ち、排気に含まれるNOxの量)が増加する。そこで、従来の車両の制御システムの1つは、運転者によって加速(即ち、駆動力の上昇)が要求された場合、加速要求EGR率を取得し且つ加速要求EGR率に基づいてEGR率を低下させることによって駆動力の確保とNOx排出量の抑制とのバランスを図っていた(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018-59443号公報
ところで、気筒内の混合気における燃料濃度が高くなると、煤(スート、粒子状物質(PM))の排出量が増加する。そのため、加速が要求されたとき、運転者が要求する駆動力を内燃機関に発生させるために燃料噴射量が増加すると、煤の排出量が増加する虞がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、運転者によって加速が要求された場合であっても煤の排出量を抑制し且つ運転者が要求する駆動力を発生させることができる車両の制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明に係る車両の制御システムは、車両の駆動力源である内燃機関と、前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関の排気通路に配設されたタービン、前記内燃機関の吸気通路に配設され且つ前記タービンと連動するコンプレッサ、前記コンプレッサによって加圧された吸気の圧力である過給圧を制御するための過給アクチュエータを備える過給機と、前記排気通路と前記吸気通路とを連通して前記気筒から排出された排気の一部をEGRガスとして還流させるEGR経路に配設され、前記気筒に流入する前記EGRガスの量に相関するEGR率を制御するために開度が調整されるEGR弁と、制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記車両の運転者が要求する加速度に基づいて要求駆動力を取得し、前記要求駆動力に基づいて前記内燃機関が発生させる駆動力の目標値である機関駆動力を取得し、前記機関駆動力に基づいて前記気筒内に噴射される燃料の目標値である燃料噴射量、前記過給圧の目標値である目標過給圧、及び前記EGR率の目標値である目標EGR率を取得し、前記燃料噴射量、前記目標過給圧及び前記目標EGR率に基づいて前記燃料噴射弁、前記過給アクチュエータ及び前記EGR弁を制御する。
更に、前記車両は、前記内燃機関とは異なる駆動力源である電動機を備え、前記制御装置は、前記燃料噴射量が前記気筒内の酸素量及び酸素濃度に基づいて取得される黒煙限界噴射量よりも小さくなるように前記機関駆動力を取得し、前記燃料噴射量が前記黒煙限界噴射量と等しい場合に前記内燃機関が発生させる駆動力である制限駆動力が前記要求駆動力より小さければ、前記要求駆動力と前記機関駆動力との差分に相当する駆動力を前記電動機に発生させる。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記目標過給圧と前記過給圧との差分が所定の圧力閾値よりも大きいときに成立する加速制御条件が成立している場合、前記内燃機関の運転状態に基づいて取得される環境保障EGR率よりも大きな値の範囲において、前記EGR率を前記加速制御条件が成立していない場合と比較して小さな値に設定する。
本発明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明に係る車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記要求駆動力が前記制限駆動力以下であるとき、前記電動機に駆動力を発生させない。
第1の発明に係る車両の制御システムにおいて、燃料噴射量が黒煙限界噴射量よりも大きくなることが回避される。即ち、機関駆動力が制限駆動力よりも大きくなることが回避される。そのため、煤の排出量を抑制することが可能となる。
一方、制限駆動力が要求駆動力より小さいときには、機関駆動力の最大値(即ち、燃料噴射量が黒煙限界噴射量と等しい場合に内燃機関が発生させる駆動力)が制限駆動力よりも小さくなる。この場合には、要求駆動力に対する機関駆動力の不足量(即ち、要求駆動力と機関駆動力との差分)に相当する駆動力を電動機が発生させる。そのため、加速時に運転者が要求する駆動力を内燃機関及び電動機によって発生させることが可能となる。
第2の発明において、EGR率が環境保障EGR率よりも大きな値に維持される。そのため、NOxの排出量を抑制することが可能となる。
第3の発明において、電動機が駆動力を発生させるのは、要求駆動力が制限駆動力よりも大きい場合に限定される。そのため、電動機が消費する電力が必要以上に増加することが回避される。
本発明に係る車両の制御システムが適用される車両の概略構成図である。 車両に搭載されたエンジンシステムの概略構成図である。 アクセルペダル開度Ap及び機関回転速度NEと、要求駆動力Drと、の関係を表したグラフ(マップ)である。 機関回転速度NE、吸入空気量Ga及びEGR率Erと、制限駆動力Dgと、の関係を表したグラフである。 機関駆動力De及び大気圧Poと、目標過給圧Ptgtと、の関係を表したグラフである。 大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deと、ベースEGR率Ebと、の関係を表したグラフである。 トランスミッションの変速状態、機関回転速度NE及びアクセルペダル開度Apと、重み係数kと、の関係を表したグラフである。 アクセルペダル開度Apの上昇に伴う各パラメータの変化を示したタイムチャートである。 車両の制御システムの制御装置が実行する「駆動力制御処理ルーチン」を示したフローチャートである。 制御装置が実行する「EGR弁制御処理ルーチン」を示したフローチャートである。
本発明の実施形態を図1~図10を参照しながら説明する。説明中の同じ参照番号は、重複する説明をしないが同じ機能を有する同じ要素を意味する。本実施形態に係る車両の制御システムは、図1に示される車両1に適用される。車両1は、内燃機関2、電動機3、ECU4、前輪11a~11b、後輪12a~12b、クラッチ13a~13b、トランスミッション14、ディファレンシャルギア15、トランスミッションシャフト16、プロペラシャフト17、ドライブシャフト18、インバータ31及びバッテリ32を含んでいる。
内燃機関2及び電動機3は、駆動力源として車両1に搭載されている。即ち、車両1は、ハイブリッド車両である。内燃機関2は、クランクシャフト2aを回転させるトルクを発生させる。内燃機関2を含んだエンジンシステムについては、図2を参照しながら後述される。
電動機3は、電動機(モータ)及び発電機(ジェネレータ)の何れとしても機能することができる周知の三相同期発電電動機である。電動機3は、電動機として作動するとき、電動機シャフト3aを回転させるトルクを発生させる。この場合、インバータ31は、ECU4からの指示に応じてバッテリ32から供給された直流電力を三相交流に変換して電動機3へ供給する。
一方、電動機3は、発電機として作動するとき、電動機シャフト3aを回転させるトルクを電力に変換する。この場合、インバータ31は、ECU4からの指示に応じて電動機3から供給された三相交流電力を直流電力へ変化してバッテリ32へ供給する。バッテリ32は、充放電が可能な二次電池(本実施形態において、リチウムイオンバッテリ)である。
クラッチ13a、13bは、ECU4からの指示に応じて接続状態と遮断状態との間で切換えられる。クラッチ13aが接続状態であるとき、クランクシャフト2aと電動機シャフト3aとが互いにトルク伝達可能に接続される。クラッチ13bが接続状態であるとき、電動機シャフト3aとトランスミッションシャフト16とが互いにトルク伝達可能に接続される。
トランスミッション14は、ECU4からの指示に応じてギア比(具体的には、プロペラシャフト17の回転速度(出力側回転速度)に対するトランスミッションシャフト16の回転速度(入力側回転速度)の比率)を3段階に切換え可能な変速機である。トランスミッション14の変速状態は、ギア比が高い状態から低い状態へ、順に、「第1速」、「第2速」及び「第3速」とも称呼される。
プロペラシャフト17とドライブシャフト18とは、ディファレンシャルギア15を介して互いにトルク伝達可能に接続されている。後輪12a、12bは、車両1の駆動輪であり、ドライブシャフト18の回転と共に回転する。
ECU4は、CPU、ROM、RAM及びEEPROMを含む電子制御ユニット(Electronic Control Unit、制御装置)である。CPUは、所定のプログラムを逐次実行することによってデータの読み込み、数値演算、及び演算結果の出力等を行う。ROMは、CPUが実行するプログラム及びマップ(ルックアップテーブル)等を記憶している。RAMは、CPUによって参照されるデータを一時的に記憶する。EEPROMは、CPUによって参照されるデータを記憶し、更に、ECU4が作動を停止しても記憶したデータを保持する。
図2に示されるように、内燃機関2は、過給機5、吸気システム6、排気システム7、EGRシステム8と共にエンジンシステムを構成している。内燃機関2は、複数の燃料噴射弁21を含んでいる。燃料噴射弁21のそれぞれは、ECU4からの指示に応じて図示しないコモンレール装置の蓄圧室から供給される高圧の燃料を気筒(燃焼室)内に噴射する。
過給機5は、タービン51、可変ノズル機構52、ノズルアクチュエータ52a及びコンプレッサ53を含んでいる。タービン51は、内燃機関2の各気筒から排出される排気(燃焼ガス)の圧力によって作動(回転)する。可変ノズル機構52は、タービン51に流入する排気の絞り機構であるノズルベーンを備えている。可変ノズル機構52は、便宜上、「過給アクチュエータ」とも称呼される。
具体的には、ノズルベーンの状態であるノズル閉度Vnに応じてタービン51における排気流路の閉度(即ち、排気流路が絞られる程度)が変化する。ノズルアクチュエータ52aは、ECU4からの指示に応じてノズル閉度Vnを所定の全開位置(全開状態)から全閉位置(全閉状態)までの間で変化させる。コンプレッサ53は、タービン51と連動して作動(回転)し、内燃機関2の各気筒に吸入される空気(吸気)を加圧する。
吸気システム6は、吸気通路である吸気管61a~61b、吸気マニホールド62、インタークーラ63、スロットル弁64及びスロットルアクチュエータ64aを含んでいる。吸気管61aは、外部(車外)から吸入された吸気(新気)をコンプレッサ53に導入する。吸気管61bは、コンプレッサ53から排出された吸気を吸気マニホールド62に導入する。吸気マニホールド62は、内燃機関2の各気筒に吸気を導入する。
インタークーラ63は、吸気管61bに配設(介装)されている。インタークーラ63は、コンプレッサ53にて加圧されて温度が上昇した吸気を冷却する。スロットル弁64は、吸気管61bのインタークーラ63よりも下流の位置に配設されている。スロットル弁64は、その回転位置に応じて吸気管61bの開度を調整する。スロットルアクチュエータ64aは、ECU4からの指示に応じてスロットル弁64の回転位置を調整する。
排気システム7は、排気マニホールド71、排気通路である排気管72a~72b及び排ガス浄化装置73を含んでいる。排気マニホールド71は、内燃機関2の各気筒から排出された排気(燃焼ガス)を排気管72aに導入する。排気管72aは、排気をタービン51に導入する。排気管72bは、タービン51から排出された排気を外部(車外)に排出する。排ガス浄化装置73は、排気管72bに配設されている。排ガス浄化装置73は、周知の酸化触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)及びSCR(Selective Catalytic Reduction)等を含んでおり、排気を浄化する。
EGRシステム8は、EGR管81、EGRクーラ82及びEGR弁83を含んでいる。EGR管81は、排気管72aと吸気管61bとを連通するEGR経路である。EGRクーラ82は、EGR管81に配設されている。EGRクーラ82は、排気管72aから流入した高温の排気(即ち、EGRガス)を冷却する。EGR弁83は、ECU4からの指示に応じてEGR管81の開度を所定の全開状態から全閉状態までの間で変化させる。EGR弁83は、排気管72aから吸気管61bに還流するEGRガスの量(具体的には、内燃機関2の気筒に吸入される空気に占めるEGRガスの濃度(質量比率)であるEGR率Er)を調整する。
ECU4は、クランク角度センサ91、カムポジションセンサ92、エアフローセンサ93、ノズル閉度センサ94、圧力センサ95a~95c、温度センサ96a~96b、アクセル開度センサ97及び車速センサ98と接続されている。
クランク角度センサ91は、内燃機関2のクランクシャフト2aが所定角度だけ回転する毎にパルス信号をECU4へ出力する。カムポジションセンサ92は、内燃機関2の図示しないカムシャフトの回転位置に応じた信号をECU4へ出力する。ECU4は、クランク角度センサ91から入力された信号に基づいて内燃機関2の機関回転速度NEを取得する。ECU4は、クランク角度センサ91及びカムポジションセンサ92から入力された信号に基づいて内燃機関2が備える特定の気筒のクランク角度CAを取得する。
エアフローセンサ93は、吸気管61aを流れる吸気の量(具体的には、単位時間あたりの質量)である吸入空気量Gaを検出し、吸入空気量Gaを表す信号をECU4へ出力する。ノズル閉度センサ94は、ノズル閉度Vnを検出し、ノズル閉度Vnを表す信号をECU4へ出力する。圧力センサ95aは、吸気管61aにおけるエアフローセンサ93よりも下流の位置に配設されている。圧力センサ95aは、コンプレッサ53に流入する吸気の圧力である大気圧Poを検出し、大気圧Poを表す信号をECU4へ出力する。
圧力センサ95bは、吸気管61bにおけるコンプレッサ53とインタークーラ63との間の位置に配設されている。圧力センサ95bは、コンプレッサ53から流出した吸気の圧力である過給圧Pbtを検出し、過給圧Pbtを表す信号をECU4へ出力する。圧力センサ95cは、吸気マニホールド62に配設されている。圧力センサ95cは、内燃機関2の気筒に流入する吸気の圧力であるインマニ圧力Pmを検出し、インマニ圧力Pmを表す信号をECU4へ出力する。
温度センサ96aは、吸気管61aにおけるエアフローセンサ93の近傍の位置に配設されている。温度センサ96aは、吸気管61aを流れる吸気の温度である吸気温度Tiを検出し、吸気温度Tiを表す信号をECU4へ出力する。温度センサ96bは、吸気マニホールド62に配設されている。温度センサ96bは、内燃機関2の気筒に流入する吸気の温度であるインマニ温度Tmを検出し、インマニ温度Tmを表す信号をECU4へ出力する。
アクセル開度センサ97は、車両1の加速度を制御するために運転者が操作するアクセルペダル(不図示)の開度であるアクセルペダル開度Apを検出し、アクセルペダル開度Apを表す信号をECU4へ出力する。運転者が車両1を加速させるとき(即ち、内燃機関2に対する要求出力(具体的には、後述される要求駆動力Dr)が大きくなるとき)、アクセルペダル開度Apが大きくなる。アクセルペダル開度Apは、0%から100%までの値によって表される。車速センサ98は、車両1の走行速度である車速Vsを検出し、車速Vsを表す信号をECU4へ出力する。
(駆動力の制御)
車両1の走行中、ECU4は、内燃機関2が発生させる駆動力(出力)の目標値である機関駆動力Deと、電動機3が発生させる駆動力の目標値である電動機駆動力Dmと、を取得(決定)する。ECU4は、機関駆動力Deに応じて燃料噴射量Qiを取得し、更に、クランク角度CAによって表される燃料噴射タイミングとそのタイミングにおける燃料噴射量との(複数の)組合せを含む燃料噴射パターンを燃料噴射量Qiに応じて決定する。ECU4は、燃料噴射パターンに従って各気筒の燃料噴射弁21に燃料を噴射させる。燃料噴射量Qiは、機関駆動力Deが大きくなるほど大きくなる。
一方、ECU4は、電動機3が電動機駆動力Dmに等しい駆動力を発生するようにインバータ31を制御する。電動機駆動力Dmが「0」であるとき、ECU4は、電動機3に駆動力を発生させない。即ち、この場合、車両1は、内燃機関2が発生させる駆動力のみによって走行する。電動機3が駆動力を発生させている期間(即ち、電動機駆動力Dmが「0」よりも大きくなっている期間)は、便宜上、「電動機併用期間」とも称呼される。
なお、ECU4が実行する、車両1を減速させるときに電動機3に発電をさせる「回生制動処理」及びバッテリ32の蓄電量(残容量)が所定値よりも減少したときに内燃機関2が発生させた駆動力を用いて電動機3に発電をさせる「強制充電処理」に関する説明は、本明細書において割愛される。
以下、機関駆動力De及び電動機駆動力Dmを取得するためにECU4が実行する処理について具体的に説明する。ECU4は、アクセルペダル開度Ap及び機関回転速度NEに基づいて要求駆動力Drを取得(決定)する。具体的には、ECU4は、要求駆動力Drを、図3に例示されるアクセルペダル開度Ap及び機関回転速度NEと、要求駆動力Drと、の関係にアクセルペダル開度Ap及び機関回転速度NEを適用することによって取得する。図3から理解されるように、アクセルペダル開度Apが大きくなるほど要求駆動力Drが大きくなり、機関回転速度NEが大きくなるほど要求駆動力Drが大きくなる。
加えて、ECU4は、制限駆動力Dgを取得する。制限駆動力Dgは内燃機関2の気筒内の酸素量及び酸素濃度に基づいて取得される値である。機関駆動力Deが制限駆動力Dgと等しい場合の燃料噴射量Qiは、便宜上、「黒煙限界噴射量」とも称呼される。燃料噴射量Qiが黒煙限界噴射量よりも大きくなると(即ち、機関駆動力Deが制限駆動力Dgよりも大きくなると)、排気に含まれる煤(スート、粒子状物質)の量が所定の基準値(環境黒煙基準値)を超える可能性が高くなる。
制限駆動力Dgは、内燃機関2の気筒内の酸素量が増加するほど(例えば、吸入空気量Gaが増加するほど)増加する。更に、制限駆動力Dgは、気筒内の酸素濃度が増加するほど(例えば、EGR率Erが減少するほど)増加する。具体的には、ECU4は、制限駆動力Dgを、図4に例示される機関回転速度NE、吸入空気量Ga及びEGR率Erと、制限駆動力Dgと、の関係に機関回転速度NE、吸入空気量Ga及びEGR率Erを適用することによって取得する。
制限駆動力Dgの取得に際してECU4は、EGR率Erを取得(推定)する。具体的には、ECU4は、吸入空気量Ga、過給圧Pbt、インマニ圧力Pm、吸気温度Ti及びインマニ温度Tm等に基づいて周知の方法により単位時間あたりの内燃機関2の気筒に流入するガス(新気及びEGRガス)の合計質量である筒内総空気量Ggを推定する。加えて、ECU4は、筒内総空気量Ggと吸入空気量Gaと差分をEGRガス量Evとして取得し、更に、筒内総空気量Ggに対するEGRガス量Evの比をEGR率Erとして取得する(即ち、Er=Ev/Gg=(Gg-Ga)/Gg)。
要求駆動力Drが制限駆動力Dg以下であれば、ECU4は、機関駆動力Deを要求駆動力Drに等しい値に設定する。この場合、ECU4は、電動機駆動力Dmを「0」に設定する。一方、要求駆動力Drが制限駆動力Dgよりも大きければ、ECU4は、機関駆動力Deを制限駆動力Dgに等しい値に設定する。この場合、ECU4は、電動機駆動力Dmを、要求駆動力Drと制限駆動力Dgとの差分に等しい値に設定する(即ち、Pm=Pr-Pg)。換言すれば、電動機駆動力Dmは、要求駆動力Drと機関駆動力Deとの差分と等しくなる。
機関駆動力Deが取得されると、ECU4は、過給圧Pbtの目標値である目標過給圧Ptgt、及びEGR率Erの目標値である目標EGR率Etgtを取得する。ECU4は、目標過給圧Ptgtを、機関駆動力De及び大気圧Poに基づいて取得する。
具体的には、ECU4は、目標過給圧Ptgtを、図5に例示される機関駆動力De及び大気圧Poと、目標過給圧Ptgtと、の関係に機関駆動力De及び大気圧Poを適用することによって取得する。図5(及び、後述される図6)に示される圧力p1は、海水面における大気圧Po(即ち、標準気圧、1気圧)に等しい。図5から理解されるように、機関駆動力Deが大きくなるほど目標過給圧Ptgtが大きくなり、大気圧Poが小さくなるほど目標過給圧Ptgtが小さくなる。
目標過給圧Ptgtが取得されると、ECU4は、過給圧Pbtが目標過給圧Ptgtに近づくようにノズル閉度Vnをフィードバック制御する。具体的には、ECU4は、目標過給圧Ptgtと過給圧Pbtとの差分である圧力差分Pdif(即ち、Pdif=Ptgt-Pbt)に応じてノズル閉度Vnの変化量であるノズル変化量ΔVnを取得する。加えて、ECU4は、ノズルアクチュエータ52aを制御してノズル閉度Vnをノズル変化量ΔVnだけ変化させる。
次に、目標EGR率Etgtの取得方法について説明する。「加速制御条件」が成立していなければ、ECU4は、目標EGR率Etgtを後述されるベースEGR率Ebに等しい値に設定する。加速制御条件は、圧力差分Pdifが所定の圧力閾値Pthよりも大きいときに成立する(即ち、Pdif=Ptgt-Pbt>Pth)。換言すれば、運転者がアクセルペダル開度Apを増加させて車両1の加速を要求した後(即ち、目標過給圧Ptgtが増加した後)、過給圧Pbtが未だ充分に上昇していない場合に加速制御条件が成立する。加速制御条件が成立している期間は、便宜上、「加速制御期間」とも称呼される。
ECU4は、ベースEGR率Ebを、図6に例示される大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deと、ベースEGR率Ebと、の関係に大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deを適用することによって取得する。大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deと、ベースEGR率Ebと、の関係は、過給圧Pbtが目標過給圧Ptgtと等しく且つEGR率ErがベースEGR率Ebと等しい場合に内燃機関2の排気に含まれるNOx及び煤の量が少なくなり且つ内燃機関2の燃費が良好となるように予め適合されている。
本実施形態におけるベースEGR率Ebは、大気圧Poが小さくなるほど小さな値に設定される。そのため、大気圧Poが比較的低い高地を車両1が走行する場合における内燃機関2の出力低下が過大となることが回避される。
例えば、図6に示される実線Laは、大気圧Poが圧力p1と等しい場合において、ベースEGR率Ebが値e2と等しくなる機関回転速度NEと機関駆動力Deとの組合せの集合を表している。点Paは、実線La上の点(即ち、機関回転速度NEと機関駆動力Deとの組合せ)である。従って、大気圧Poが圧力p1と等しく、且つ機関回転速度NE及び機関駆動力Deのそれぞれが点Paによって表される値と等しいとき、ベースEGR率Ebは値e2と等しくなる。
一方、破線Lbは、大気圧Poが(圧力p1よりも低い)圧力p2と等しい場合において、ベースEGR率Ebが値e2と等しくなる機関回転速度NEと機関駆動力Deとの組合せの集合を表している。そのため、大気圧Poが圧力p2と等しく、且つ機関回転速度NE及び機関駆動力Deのそれぞれが点Paによって表される値と等しいとき、ベースEGR率Ebは(値e1よりも大きく且つ)値e2よりも小さい値となる。即ち、機関回転速度NE及び機関駆動力Deが同一であれば、大気圧Poが圧力p1から圧力p2に低下すると、ベースEGR率Ebが小さくなっている。
ただし、ECU4は、EGR率Erが後述される環境保障EGR率Eminよりも小さくならないようにEGR弁83を制御する。具体的には、ECU4は、目標EGR率Etgt及び環境保障EGR率Eminの内、小さい方の値を最終EGR率Efinとして取得し、EGR率Erが最終EGR率Efinに近づくようにEGR弁83をフィードバック制御する。EGR弁83の制御に用いられる最終EGR率Efinは、便宜上、「目標EGR率」とも称呼される。
ECU4は、環境保障EGR率Eminを、(ベースEGR率Ebと同様に)大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deと、環境保障EGR率Eminと、の関係に大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deを適用することによって取得する。環境保障EGR率Eminは、ベースEGR率Ebよりも小さい値に設定される。例えば、図6に示される一点鎖線Lcは、大気圧Poが圧力p1と等しい場合において、環境保障EGR率Eminが値e2と等しくなる機関回転速度NEと機関駆動力Deとの組合せの集合を表している。EGR率Erが環境保障EGR率Eminよりも小さくなると、排気に含まれるNOxの量が所定の基準値(環境NOx基準値)を超える可能性が高くなる。
一方、加速制御条件が成立していると、ECU4は、目標EGR率Etgtを、ベースEGR率Eb及び加速要求EGR率Eacc及び重み係数kに基づいて取得する。ECU4は、加速要求EGR率Eaccを加速要求駆動力Daccに基づいて取得する。
ECU4は、加速要求駆動力Daccを、圧力差分Pdifに基づいて取得する。具体的には、ECU4は、圧力差分Pdifが大きくなるほど加速要求駆動力Daccを大きな値に設定する。従って、運転者が車両1の加速を要求したとき(即ち、目標過給圧Ptgtが増加したとき)、ターボラグ(過給遅れ)によって過給圧Pbtの増加が遅れると、加速要求駆動力Daccが比較的大きな値となる。
ECU4は、加速要求EGR率Eaccを、(ベースEGR率Ebと同様に)大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deと、加速要求EGR率Eaccと、の関係に大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deを適用することによって取得する。ECU4は、加速要求EGR率EaccをベースEGR率Ebよりも小さい値に設定し、且つ加速要求駆動力Daccが大きくなるほど加速要求EGR率Eaccを小さな値に設定する。更に、ECU4は、加速要求EGR率Eaccを大気圧Poが小さくなるほど小さな値に設定する。
加えて、ECU4は、重み係数kを、図7に例示されるトランスミッション14の変速状態(即ち、第1速、第2速及び第3速の何れか)、機関回転速度NE及びアクセルペダル開度Apと、重み係数kと、の関係にトランスミッション14の変速状態、機関回転速度NE及びアクセルペダル開度Apを適用することによって取得する。重み係数kは、「0」より大きく且つ「1」より小さい値である(即ち、0<k<1)。
ECU4は、車両1の運転者が要求する車速Vsの増加量(即ち、車両1の加速度)が大きくなるほど重み係数kを大きな値に設定する。具体的には、ECU4は、機関回転速度NEが大きくなるほど重み係数kを小さな値に設定し、アクセルペダル開度Apが大きくなるほど重み係数kを大きな値に設定する。加えて、ECU4は、ギア比が低くなるほど(即ち、車速Vsが増加し難い状態であるほど)重み係数kを大きな値に設定する。
更に、ECU4は、目標EGR率Etgtを、下式(1)にベースEGR率Eb、加速要求EGR率Eacc及び重み係数kを適用することによって取得(算出)する。式(1)から理解されるように、重み係数kが大きくなるほど加速要求EGR率Eaccと目標EGR率Etgtとの差分が小さくなる。即ち、重み係数kが大きくなるほど目標EGR率Etgtが小さくなる。
Etgt=Eacc×k+Eb×(1-k) ……(1)
加速制御条件が成立している場合であっても(上述した加速制御条件が成立していない場合と同様に)、ECU4は、EGR率Erが環境保障EGR率Eminよりも小さくならないようにEGR弁83を制御する。即ち、ECU4は、目標EGR率Etgt及び環境保障EGR率Eminの内、小さい方の値を最終EGR率Efinとして取得し、EGR率Erが最終EGR率Efinに近づくようにEGR弁83を制御する。
換言すれば、加速制御条件の成否に依らず、ECU4は、EGR率Erを環境保障EGR率Emin以上に維持することによって排気に含まれるNOxの量が環境NOx基準値を超えることを回避する。加えて、ECU4は、機関駆動力Deを制限駆動力Dg以下に維持することによって排気に含まれる煤の量が環境黒煙基準値を超えることを回避する。その上で、ECU4は、加速制御条件の成立時には目標EGR率Etgtを(加速制御条件の未成立時と比較して)小さな値に設定して機関回転速度NEの増加(ひいては、車速Vsの増加)を促進する。
(タイムチャート)
加速制御条件の成否に基づいて決定される最終EGR率Efinについて、図8の例を参照しながら具体的に説明する。なお、図8に示される期間において、車両1は、大気圧Poが圧力p1よりも小さい高地を走行しており、且つトランスミッション14の変速状態は第2速に維持されている。加えて、クラッチ13a、13bは接続状態に維持されている。
図8の実線L1に示されるように、アクセルペダル開度Apが時刻t1にて増加を開始して時刻t4にて100%に達している。アクセルペダル開度Apの上昇に伴い、実線L2aに示されるように要求駆動力Drが上昇している。
その結果、時刻t3以降(時刻t6まで)、要求駆動力Drが、破線L2bによって示される制限駆動力Dgよりも大きくなっている。即ち、時刻t3から時刻t6までの期間は、電動機併用期間に相当する。そのため、時刻t3から時刻t6までの期間において、機関駆動力Deが制限駆動力Dgに等しい値に設定され、且つ電動機駆動力Dmが要求駆動力Drと制限駆動力Dgとの差分に等しい値に設定される。
アクセルペダル開度Apの上昇に伴う機関駆動力Deの上昇によって、実線L3aによって示される目標過給圧Ptgtが上昇している。一方、大気圧Poが小さいことに起因して、破線L3bによって示される過給圧Pbtの上昇は比較的緩慢となっている。そのため、時刻t2以降(時刻t7まで)、圧力差分Pdifが圧力閾値Pthよりも大きくなっている。即ち、時刻t2から時刻t7までの期間において、加速制御条件が成立している。換言すれば、時刻t2から時刻t7までの期間は、加速制御期間に相当する。そのため、時刻t2から時刻t7までの期間において、一点鎖線L2cによって示される加速要求駆動力Daccが取得されている。
時刻t8以降、過給圧Pbtは、目標過給圧Ptgtと略等しくなっている(実線L3a及び破線L3bを参照)。その後、時刻t9にてアクセルペダル開度Apが100%から減少しているため(実線L1を参照)、要求駆動力Dr(ひいては、機関駆動力De)、目標過給圧Ptgt及び過給圧Pbtは何れも減少していている(実線L2a、実線L3a及び破線L3bを参照)。機関駆動力Deの上昇(及び、電動機併用期間における電動機3による駆動力の発生)によって、実線L4に示される機関回転速度NEは時刻t9までの期間において上昇し、時刻t9以降、減少している。
一方、時刻t9までの期間において、機関駆動力Deの上昇に伴い、破線L5aによって示されるベースEGR率Ebが減少している。同様に、破線L5bによって示される環境保障EGR率Eminが(ベースEGR率Ebよりも小さい値の範囲において)減少している。上述したように、時刻t2から時刻t7までの期間においては加速制御条件が成立しているので、一点鎖線L5cによって示されるように、加速要求EGR率Eaccが取得されている。
時刻t2から時刻t5までの期間において、加速要求EGR率Eaccは、環境保障EGR率Eminよりも小さくなっている。一方、時刻t5から時刻t7までの期間において、加速要求EGR率Eaccは、環境保障EGR率Eminよりも大きくなっている。そのため、(不連続線である)実線L5dによって示される最終EGR率Efinは、時刻t2から時刻t5までの期間において環境保障EGR率Eminに等しくなり、時刻t5から時刻t7までの期間において加速要求EGR率Eaccに等しくなっている。
一方、加速制御条件が成立していないとき(即ち、時刻t2までの期間、及び時刻t7以降の期間)、最終EGR率Efinは、(環境保障EGR率Eminよりも大きい)ベースEGR率Ebと等しい値に設定されている(破線L5a及び実線L5dを参照)。
(具体的作動)
次に、ECU4の具体的作動について説明する。ECU4のCPU(以下、単位「CPU」とも称呼される)は、図9にフローチャートにより表された「駆動力制御処理ルーチン」を所定の時間周期が経過する毎に実行する。
適当なタイミングとなると、CPUは、図9のステップ900から処理を開始してステップ905に進み、アクセルペダル開度Ap及び機関回転速度NEを図3に示される関係に適用することによって要求駆動力Drを取得する。次いで、CPUは、ステップ910に進み、機関回転速度NE、吸入空気量Ga及びEGR率Erを図4に示される関係に適用することによって制限駆動力Dgを取得する。
更に、CPUは、ステップ915に進み、要求駆動力Drが制限駆動力Dgよりも大きいか否かを判定する。即ち、CPUは、現時点が電動機併用期間であるか否かを判定する。要求駆動力Drが制限駆動力Dgよりも大きければ、CPUは、ステップ915にて「Yes」と判定してステップ920乃至ステップ955の処理を順に実行し、更に、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を終了する。
ステップ920:CPUは、機関駆動力Deを制限駆動力Dgに等しい値に設定する。
ステップ925:CPUは、電動機駆動力Dmを要求駆動力Drと制限駆動力Dgとの差分に等しい値に設定する。
ステップ930:CPUは、機関駆動力Deに基づいて、燃料噴射量Qi及び目標過給圧Ptgtを取得する。この際にCPUは、機関駆動力De及び大気圧Poを図5に示される関係に適用することによって目標過給圧Ptgtを取得する。
ステップ935:CPUは、圧力差分Pdifを目標過給圧Ptgtと過給圧Pbtとの差分に等しい値に設定する。
ステップ940:CPUは、圧力差分Pdifに基づいてノズル変化量ΔVnを取得する。具体的には、CPUは、圧力差分Pdifが正の値であれば(即ち、目標過給圧Ptgtが過給圧Pbtよりも大きければ)ノズル変化量ΔVnを正の値に設定し、圧力差分Pdifが負の値であればノズル変化量ΔVnを負の値に設定する。ただし、CPUは、圧力差分Pdifの大きさ|Pdif|が所定値(微少な値)よりも小さければ、ノズル変化量ΔVnを「0」に設定する。
ステップ945:CPUは、ノズル変化量ΔVnに基づいて可変ノズル機構52を制御する。具体的には、CPUは、ノズル閉度Vnがノズル変化量ΔVnだけ変化するようにノズルアクチュエータ52aを制御する。例えば、ノズル変化量ΔVnを正の値であれば(即ち、目標過給圧Ptgtが過給圧Pbtよりも大きければ)、ノズル閉度Vnが増加する。従って、タービン51における排気流路がより絞られた状態となる。
ステップ950:CPUは、EGR弁制御処理を実行する。具体的には、CPUは、後述される図10にフローチャートにより示されるEGR弁制御処理を実行する。
ステップ955:CPUは、電動機3に電動機駆動力Dmに等しい駆動力を発生させる。具体的には、CPUは、インバータ31を制御してバッテリ32から電動機3へ供給される電力を調整する。
一方、要求駆動力Drが制限駆動力Dg以下であれば、CPUは、ステップ915にて「No」と判定してステップ960に進み、機関駆動力Deを制限駆動力Dgに等しい値に設定する。次いで、CPUは、ステップ965に進み、電動機駆動力Dmを「0」に設定する。更に、CPUは、ステップ930に進む。
次に、図10にフローチャートにより表された「EGR弁制御処理ルーチン」について説明する。CPUは、ステップ950に進むと、図10のステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、内燃機関2の運転状態に基づいてベースEGR率Eb及び環境保障EGR率Eminを取得する。具体的には、CPUは、大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deを図6に示される関係に適用することによってベースEGR率Ebを取得する。同様に、CPUは、大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deに基づいて環境保障EGR率Eminを取得する。
次いで、CPUは、ステップ1010に進み、加速制御条件が成立しているか否かを判定する。即ち、CPUは、圧力差分Pdifが圧力閾値Pthよりも大きいか否かを判定する。加速制御条件が成立していれば、CPUは、ステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1015乃至ステップ1030の処理を順に実行し、更に、ステップ1035に進む。
一方、加速制御条件が成立していなければ、CPUは、ステップ1010にて「No」と判定してステップ1050に進み、目標EGR率EtgtをベースEGR率Ebに等しい値に設定する。次いで、CPUは、ステップ1035に直接進む。
ステップ1015:CPUは、圧力差分Pdifに基づいて加速要求駆動力Daccを取得する。
ステップ1020:CPUは、(ベースEGR率Eb及び環境保障EGR率Eminと同様に)大気圧Po、機関回転速度NE及び機関駆動力Deに基づいて加速要求EGR率Eaccを取得する。
ステップ1025:CPUは、トランスミッション14の変速状態、機関回転速度NE及びアクセルペダル開度Apを図7に示される関係に適用することによって重み係数kを取得する。
ステップ1030:CPUは、ベースEGR率Eb、加速要求EGR率Eacc及び重み係数kを上記式(1)に適用することによって目標EGR率Etgtを取得する。
ステップ1035にてCPUは、目標EGR率Etgtが環境保障EGR率Eminよりも小さいか否かを判定する。目標EGR率Etgtが環境保障EGR率Eminよりも小さければ、CPUは、ステップ1035にて「Yes」と判定してステップ1040に進み、最終EGR率Efinを環境保障EGR率Eminに等しい値に設定する。次いで、CPUは、ステップ1045に進む。
一方、目標EGR率Etgtが環境保障EGR率Emin以上であれば、CPUは、ステップ1035にて「No」と判定してステップ1055に進み、最終EGR率Efinを目標EGR率Etgtに等しい値に設定する。次いで、CPUは、ステップ1045に進む。
ステップ1045にてCPUは、EGR率Erが最終EGR率Efinに近づくようにEGR弁83を制御する。具体的には、CPUは、最終EGR率EfinとEGR率Erとの差分であるEGR率差分Edifを取得し(即ち、Edif=Efin-Er)、EGR率差分Edifに応じてEGR弁83をフィードバック制御する。即ち、ノズルアクチュエータ52aに対して実行された図9のステップ940及びステップ950の処理と同様の処理がEGR弁83に対して実行される。
次いで、CPUは、ステップ1095に進み、本ルーチンの処理を終了して図9のステップ955に進む。
なお、CPUは、図示しないルーチンを実行することによって、トランスミッション14の変速状態(即ち、第1速、第2速及び第3速の何れか)及びクラッチ13a、13bの状態(即ち、接続状態及び遮断状態の何れか)を車速Vs及びアクセルペダル開度Ap等に基づいて制御する。
以上、説明したように、本実施形態に係る車両の制御システムによれば、EGR率Erが環境保障EGR率Eminより小さくなることが回避され且つ機関駆動力Deが制限駆動力Dgよりも大きくなること(即ち、燃料噴射量Qiが黒煙限界噴射量よりも大きくなること)が回避される。加えて、要求駆動力Drが制限駆動力Dgよりも大きい場合、電動機3が駆動力を発生させるので、ターボラグに起因して圧力差分Pdifが比較的大きくなっても、要求駆動力Drと車両1の駆動力(即ち、内燃機関2の出力と電動機3の出力の和)との差分が大きくなることが回避される。
例えば、大気圧Poが圧力p1よりも低くなる高地を車両1が走行しているときに目標過給圧Ptgtが上昇すると、大気圧Poが圧力p1と等しい低地の走行時と比較して過給圧Pbtの上昇が緩慢となり、加速制御条件が成立する頻度が上昇する。過給圧Pbtの上昇が緩慢となることに起因して内燃機関2の気筒内酸素量が所望の値(具体的には、過給圧Pbtが目標過給圧Ptgtと等しい場合における気筒内酸素量)よりも小さくなると、制限駆動力Dgが低下して要求駆動力Drよりも小さくなる可能性が高くなる。このような場合には、電動機駆動力Dmが「0」よりも大きな値に設定されて電動機3が駆動力を発生させる。
加えて、大気圧Poが小さくなるほど目標過給圧Ptgtが小さな値に設定される(図5を参照)。そのため、大気圧Poが圧力p1よりも小さい高地を車両1が走行しているときに過給圧Pbtを目標過給圧Ptgtと等しくするために過給機5に過剰な負荷が加えられることが回避される。例えば、大気圧Poが圧力p1よりも小さい環境にて過給圧Pbtを上昇させようとしたため、タービン51及びコンプレッサ53の回転速度が過大となること、及びタービン51の温度が過大となること、が回避される。
一方、ベースEGR率Eb及び加速要求EGR率Eaccは、大気圧Poが小さくなるほど小さな値に設定される。従って、最終EGR率Efinは、環境保障EGR率Eminよりも大きい値の範囲において、大気圧Poが小さくなるほど小さくなる。そのため、大気圧Poが圧力p1よりも小さい高地を車両1が走行している場合であっても、機関駆動力Deが低下することが可及的に回避される。
仮に、大気圧Poが圧力p1よりも小さい所定の閾値よりも低いことを開始条件として、大気圧Poが圧力p1と等しい場合と比較して電動機併用期間を長くする制御及び/又は電動機駆動力Dmを増加させる制御が実行されると、バッテリ32の蓄電量が早期に低下する可能性が高くなる。一方、本実施形態に係る車両の制御システムによれば、要求駆動力Drが制限駆動力Dg以下であるときには電動機駆動力Dmが「0」に設定されるので、バッテリ32に充電された電力の消費が最小限に留められる。
以上、本発明の実施形態を上記の構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。従って本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、例えば下記のように変更が可能である。
ECU4は、電動機併用期間において(即ち、要求駆動力Drが制限駆動力Dgよりも大きいとき)、機関駆動力Deを制限駆動力Dgに等しい値に設定し且つ電動機駆動力Dmを要求駆動力Drと制限駆動力Dgとの差分に等しい値に設定していた。これに代えて、ECU4は、電動機併用期間において、機関駆動力Deを制限駆動力Dgよりも所定の調整駆動力Ddだけ小さい値に設定し(即ち、De=Dg-Dd)且つ電動機駆動力Dmを要求駆動力Drと制限駆動力Dgとの差分に調整駆動力Ddを加えた値に設定しても良い(即ち、Dm=Dr-Dg+Dd)。
ECU4は、大気圧Poが小さくなるほど目標過給圧Ptgtを小さな値に設定していた。これに代えて、或いは、これに加えて、ECU4は、過給機5に過剰な負荷が加えられているときに成立する所定の過給機負荷条件が成立したとき、過給機負荷条件が成立していない場合と比較して目標過給圧Ptgtを小さな値に設定しても良い。この態様において過給機負荷条件が成立すると、目標過給圧Ptgtが小さくなり、過給機5に加えられる負荷が減少する。その際、過給圧Pbtが小さくなって制限駆動力Dgが小さくなる。
車両1においては、内燃機関2が発生させる駆動力及び電動機3が発生させる駆動力が、共に後輪12a、12bに伝達されていた。これに代えて、車両1は、内燃機関2が発生させる駆動力及び電動機3が発生させる駆動力の一方が前輪11a、11bに伝達され、他方が後輪12a、12bに伝達されるように構成されても良い。
ECU4は、吸入空気量Ga、過給圧Pbt、インマニ圧力Pm、吸気温度Ti及びインマニ温度Tm等に基づいてEGR率Erを取得(推定)していた。これに代えて、EGRガス流量Geを検出するセンサ(ガス流量センサ)がEGR管81に配設され、且つECU4が吸入空気量Ga及びEGRガス流量Geに基づいてEGR率Erを取得するように車両1が構成されても良い。
大気圧Poを検出する圧力センサ95aは、吸気管61aに配設されていた。これに代えて、圧力センサ95aは、内燃機関2を含むエンジンシステムの周囲(外部)の気圧を検出できる位置に配設されても良い。
上述したECU4によって実現されていた処理は、複数のECUによって実行されても良い。
1…車両
2…内燃機関
2a…クランクシャフト
3…電動機
3a…電動機シャフト
4…ECU
5…過給機
6…吸気システム
7…排気システム
8…EGRシステム
11a、11b…前輪
12a、12b…後輪
13a、13b…クラッチ
14…トランスミッション
15…ディファレンシャルギア
16…トランスミッションシャフト
17…プロペラシャフト
18…ドライブシャフト
21…燃料噴射弁
31…インバータ
32…バッテリ
51…タービン
52…可変ノズル機構
52a…ノズルアクチュエータ
53…コンプレッサ
61a、61b…吸気管
62…吸気マニホールド
63…インタークーラ
64…スロットル弁
64a…スロットルアクチュエータ
71…排気マニホールド
72a、72b…排気管
73…排ガス浄化装置
81…EGR管
82…EGRクーラ
83…EGR弁
91…クランク角度センサ
92…カムポジションセンサ
93…エアフローセンサ
94…ノズル閉度センサ
95a~95c…圧力センサ
96a、96b…温度センサ
97…アクセル開度センサ
98…車速センサ

Claims (3)

  1. 車両の駆動力源である内燃機関と、
    前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の排気通路に配設されたタービン、前記内燃機関の吸気通路に配設され且つ前記タービンと連動するコンプレッサ、前記コンプレッサによって加圧された吸気の圧力である過給圧を制御するための過給アクチュエータを備える過給機と、
    前記排気通路と前記吸気通路とを連通して前記気筒から排出された排気の一部をEGRガスとして還流させるEGR経路に配設され、前記気筒に流入する前記EGRガスの量に相関するEGR率を制御するために開度が調整されるEGR弁と、
    前記車両の運転者が要求する加速度に基づいて要求駆動力を取得し、
    前記要求駆動力に基づいて前記内燃機関が発生させる駆動力の目標値である機関駆動力を取得し、
    前記機関駆動力に基づいて前記気筒内に噴射される燃料の目標値である燃料噴射量、前記過給圧の目標値である目標過給圧、及び前記EGR率の目標値である目標EGR率を取得し、
    前記燃料噴射量、前記目標過給圧及び前記目標EGR率に基づいて前記燃料噴射弁、前記過給アクチュエータ及び前記EGR弁を制御する、制御装置と、
    を備える車両の制御システムであって、
    前記車両は、
    前記内燃機関とは異なる駆動力源である電動機を備え、
    前記制御装置は、
    前記燃料噴射量が前記気筒内の酸素量及び酸素濃度に基づいて取得される黒煙限界噴射量よりも小さくなるように前記機関駆動力を取得し、
    前記燃料噴射量が前記黒煙限界噴射量と等しい場合に前記内燃機関が発生させる駆動力である制限駆動力が前記要求駆動力より小さければ、前記要求駆動力と前記機関駆動力との差分に相当する駆動力を前記電動機に発生させる、
    車両の制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両の制御システムであって、
    前記制御装置は、
    前記目標過給圧と前記過給圧との差分が所定の圧力閾値よりも大きいときに成立する加速制御条件が成立している場合、前記内燃機関の運転状態に基づいて取得される環境保障EGR率よりも大きな値の範囲において、前記EGR率を前記加速制御条件が成立していない場合と比較して小さな値に設定する、
    車両の制御システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御システムであって、
    前記制御装置は、
    前記要求駆動力が前記制限駆動力以下であるとき、前記電動機に駆動力を発生させない、車両の制御システム。
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