JP2014240617A - 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 - Google Patents
内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014240617A JP2014240617A JP2013122736A JP2013122736A JP2014240617A JP 2014240617 A JP2014240617 A JP 2014240617A JP 2013122736 A JP2013122736 A JP 2013122736A JP 2013122736 A JP2013122736 A JP 2013122736A JP 2014240617 A JP2014240617 A JP 2014240617A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- rate waveform
- heat generation
- fuel
- generation rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】ディーゼルエンジンにおいて、気筒内に噴射される燃料の各反応形態に対して理想熱発生率波形モデルを作成するに際し、燃料の軽質分と重質分とを個別に扱い、これら成分に対する酸素密度および燃料密度の影響度合いを考慮して、これら成分の反応の開始時期、反応速度、位相差、反応分割比に基づいて各反応形態に対応した理想熱発生率波形モデルを作成する。この理想熱発生率波形モデルをフィルタ処理によって円滑化することにより各反応形態の理想熱発生率波形を作成する。各反応の理想熱発生率波形と、検出された筒内圧力から求められた実熱発生率波形とを比較して異常が生じているか否かを診断する。
【選択図】図18
Description
前記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、使用する燃料の性状に基づいて前記波形構成要素を規定することにより理想熱発生率波形の形状の適正化が図れるようにしている。さらに、燃料の性状による理想熱発生率波形への影響度合いを気筒内の酸素密度や燃料密度に応じて変化させることにより、理想熱発生率波形の形状の適正化を図っている。
具体的に、本発明は、燃料噴射弁から気筒内に噴射された燃料の燃焼を行う内燃機関における前記燃料の反応の熱発生率波形を作成する装置を対象とする。この熱発生率波形作成装置に対し、前記燃料噴射弁から噴射された燃料の反応の理想熱発生率波形を作成するに際し、燃料性状に基づいて前記理想熱発生率波形の形状を規定する構成としている。
図1は本実施形態に係るディーゼルエンジン1(以下、単にエンジンという)およびその制御系統の概略構成図である。
ECU100は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータと入出力回路とを備えている。図3に示すように、ECU100の入力回路には、クランクポジションセンサ40、レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44a,44b、排気温センサ45a,45b、水温センサ46、アクセル開度センサ47、吸気圧センサ48、吸気温センサ49、筒内圧センサ4A、外気温センサ4B、および、外気圧センサ4Cなどが接続されている。各センサの機能は周知であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本実施形態に係るエンジン1における燃焼室3内での燃焼形態の概略について説明する。
後述する燃焼状態診断に利用される理想熱発生率波形を作成する際には、燃料の反応開始時期、反応速度、反応量を規定する必要がある。そして、これら波形構成要素(反応開始時期、反応速度、反応量)を規定するためには、気筒内における酸素密度、燃料密度および筒内温度を求めておく必要がある。
酸素密度は、燃料に対する酸素供給能力(時間的な酸素供給能力)を表す指標であり、EGRの実施の有無や、EGR量(気筒内の残留ガス量(所謂内部EGR量)も含む)や、走行している道路の標高などに応じて変動するものである。そして、この酸素密度が変化すると、燃料の各反応における反応開始時期、反応速度および反応量に影響を及ぼす。つまり、酸素密度が低くなるほど、反応開始時期は遅角側に移行し、反応速度は低くなり(反応が緩慢になり)、反応量が低下することになる。特に、燃料の各反応のうち低温酸化反応、熱分解反応、高温酸化反応については、その影響が現れる。
酸素密度ρo2=吸気中の酸素量/反応開始時の行程容積 …(2)
ここで、吸気中の酸素量(質量)は、エアフローメータ43によって検出された吸入空気量、外気温センサ4Bによって検出された外気温度、外気圧センサ4Cによって検出された外気圧力等から算出できる。また、隙間容積の一例としては、ピストン13が圧縮上死点に達した時点の行程容積(圧縮端容積)が挙げられる。これによれば、隙間容積を固定値として扱えるため、酸素密度ρo2の算出が簡素化でき、また、その信頼性も高まることになる。式(1)で使用される隙間容積はこれに限定されるものではない。
次に、気筒内における燃料密度を求めるための手法について説明する。
燃料密度ρfuel=燃料噴射量/燃料噴射開始時の行程容積 …(4)
ここで、燃料噴射量はインジェクタ23から噴射された燃料量(例えばメイン噴射での燃料量)である。この燃料噴射量は、レール圧センサ41によって検出された燃料噴射圧力およびインジェクタ23の開弁期間(指令噴射期間)から算出できる。また、反応開始時の行程容積は、筒内温度が後述する反応温度に達した時点での筒内容積(キャビティ内領域の容積とキャビティ外領域の容積との和)である。この筒内温度と筒内容積との関係は、外気温センサ4Bによって検出された外気温度、圧縮比、気筒内の予熱量(パイロット噴射等による予熱量)等をパラメータとし、予め実験やシミュレーションによって規定されている。燃料の各反応それぞれにおける反応開始時期、反応速度、反応量は、その反応時における燃料密度ρfuelに応じて変化する。このため、各反応それぞれにおける反応開始時期、反応速度、反応量を求めるためには、その反応時における燃料密度ρfuelを個別に特定しておく必要がある。なお、前記燃料の軽質分の反応と重質分の反応との位相差や反応量の分割比は燃料反応時における燃料密度ρfuelに応じて変化する可能性がある。
気筒内の温度を求めるための手法としては、吸気温度、ピストン位置(吸入ガスの圧縮度合い)、前記パイロット噴射等による予熱状態等をパラメータとし、予め実験やシミュレーションによって、これらパラメータと気筒内の温度との関係を求めてマップ化し、このマップを前記ROMに記憶させている。つまり、吸気温度、ピストン位置、予熱状態等のパラメータを前記マップに当て嵌めることで気筒内の温度が求められるようになっている。
次に、本実施形態の特徴である熱発生率波形の作成(理想熱発生率波形の作成)、燃焼状態診断(気筒内での燃料の各反応形態の診断)、および、その診断結果に応じて実行される制御パラメータの補正について説明する。
前記理想熱発生率波形の作成について説明する。まず、理想熱発生率波形の作成の概略について説明する。
なお、前記理想熱発生率波形モデル(三角形モデル)の作成の詳細については後述する。
次に、前記理想熱発生率波形の作成の第1手順である燃料の反応形態の分離について説明する。
気化反応は、前記インジェクタ23から噴射された燃料が気筒内の熱を受けて気化するものである。この反応は、一般的には気筒内ガス温度が500K以上となっている環境下に燃料が晒された状態で、燃料噴霧の拡散がある程度進んだ際に開始する噴霧律速の反応となっている。
なお、この気化反応は吸熱反応であるため、この反応量(発生熱量)としては負の値となる。また、この気化反応は、反応に要する酸素量が僅かであるため、酸素密度の影響を殆ど受けないものとなっている。
低温酸化反応は、ディーゼルエンジン1の燃料である軽油中に含まれる低温酸化反応成分(n−セタン(C16H34)等の直鎖単結合組成の燃料等)が燃焼する反応である。この低温酸化反応成分は、気筒内温度が比較的低い場合であっても着火が可能な成分であって、このn−セタン等の量が多いほど(高セタン燃料であるほど)気筒内での低温酸化反応が進み易く着火遅れが抑制されることになる。具体的に、n−セタン等の低温酸化反応成分は、一般的には、気筒内温度が約750Kに達した時点で燃焼(低温酸化反応)を開始する。なお、n−セタン等以外の燃料成分(高温酸化反応成分)は気筒内温度が約900Kに達するまで燃焼(高温酸化反応)を開始しない。
熱分解反応は、燃料成分の熱分解を行う反応であって、一般に、その反応温度は約800Kとなっている。
予混合燃焼による高温酸化反応の反応温度は、一般に約900Kとなっている。つまり、気筒内温度が900Kに達したことで燃焼を開始する反応が、この予混合燃焼による高温酸化反応である。
拡散燃焼による高温酸化反応の反応温度は、一般に約1000Kとなっている。つまり、温度が1000K以上となっている気筒内に向けて噴射された燃料が、噴射後、直ちに燃焼を開始する反応が、この拡散燃焼による高温酸化反応である。
Grd=GrdB×(基準エンジン回転速度/実エンジン回転速度)2
×(d/基準d)×(N/基準N) …(8)
GrdB:基準反応速度、Grd:反応速度、d:インジェクタ23の噴孔径、N:インジェクタ23の噴孔数、A,B:実験等により求められた定数
なお、前記式(8)は、インジェクタ23の基準噴孔径に対する実噴孔径の比、および、インジェクタ23の基準噴孔数に対する実噴孔数の比が乗算されていることにより、一般化された式となっている。また、この式(8)は、回転速度補正係数が乗算されていることで、エンジン回転速度に応じて補正された反応速度が求められるものとなっている。
前述したように酸素密度は、燃料の各反応における反応開始時期、反応速度、反応量、前記重質分理想熱発生率波形モデルと軽質分理想熱発生率波形モデルとの位相差、前記重質分理想熱発生率波形モデルでの反応量と軽質分理想熱発生率波形モデルでの反応量との比(分割比)に影響を及ぼす。また、燃料密度も燃料の各反応における反応速度に影響を及ぼす。
前述したように酸素密度が低くなるほど反応開始時期は遅角側に移行する。この場合の反応開始時期は以下の式(9)によって算出される。
ここで、基準温度到達時期は、前述したように、低温酸化反応では約750K、熱分解反応では約800K、予混合燃焼による高温酸化反応では約900K、拡散燃焼による高温酸化反応では約1000Kそれぞれの温度に到達する時期(クランク角度位置)となっている。
前述したように酸素密度が低くなるほど反応速度は低くなる。つまり、反応速度勾配が小さくなる。この場合の反応速度勾配は以下の式(10)によって算出される。
ここで、基準反応速度勾配は、低温酸化反応では約40[J/CA2/mm3]、熱分解反応では約−0.2[J/CA2/mm3]となっている。NEは前記酸素密度の算出タイミングにおけるエンジン回転速度である。この式(10)では、基準回転速度を2000rpmに設定して前記酸素密度の算出タイミングにおける反応速度勾配を求めるもとのなっている。
前述したように酸素密度が低くなるほど反応量は低下する。この場合の反応量効率は以下の式(11)によって算出される。
ここで、酸素密度補正係数は、酸素密度の影響による反応量効率の補正量である。この酸素密度補正係数の設定に当たっては、予め実験やシミュレーションによって求められて作成された酸素密度補正係数マップが前記ROMに記憶されており、この酸素密度補正係数マップから酸素密度補正係数が抽出される。この酸素密度補正係数マップは、前述した勾配補正係数マップ(図11)と同様の傾向を表すものとなる。つまり、酸素密度の変化に対する酸素密度補正係数の変化をWiebe関数によって表すものとなる。
前述したように、酸素密度が低くなるほど、各理想熱発生率波形モデル(軽質分理想熱発生率波形モデルおよび重質分理想熱発生率波形モデル)の位相差が拡大していく。つまり、酸素密度が低くなるほど反応開始時期は遅角側に移行していくが、その移行量は、前記軽質分理想熱発生率波形モデルよりも重質分理想熱発生率波形モデルの方が大きく影響を受ける。
前述したように、酸素密度が低くなるほど、各理想熱発生率波形モデルの反応分割比が小さくなっていく。つまり、酸素密度が低くなるほど重質分理想熱発生率波形モデルでの反応量が多くなっていくことで、この重質分理想熱発生率波形モデルでの反応量と軽質分理想熱発生率波形モデルでの反応量との比が小さくなっていく。例えば軽質分理想熱発生率波形モデルでの反応量と重質分理想熱発生率波形モデルでの反応量との比が「5:0」となる状態から「3:2」となる状態に近付いていく。
次に、前記分離された各反応形態それぞれに対する理想熱発生率波形モデルの作成について説明する。
反応速度は、前記反応速度勾配に基づいて設定され、理想熱発生率波形モデルを二等辺三角形に近似させた場合、熱発生率が上昇する期間での反応速度と、熱発生率が下降する期間での反応速度とでは、それらの絶対値は一致している。
各反応における反応量効率[J/mm3]は燃焼期間を適正化すれば定数(例えば高温酸化反応の場合は30J/mm3)と見なすことができる。このため、発生熱量としては、この反応量効率に燃料噴射量(前記有効噴射量)を乗算したものとなる。
以上の三角形の勾配(反応速度)および三角形の面積(発生熱量)から三角形の底辺の長さに相当する燃焼期間が求められる。
これより、B=A/αとなる。
よって、A=SQRT[2S/{(1+1/α)G}]となる。
L=A+B=A(1+1/α)
=(1+1/α)×SQRT[2S/{(1+1/α)G}]
理想熱発生率波形モデルが二等辺三角形の場合にはα=1であり、
L=2×SQRT(S/G)=2×SQRT(30×Fq/G)となる。
このようにして、噴射量(噴射量指令値:発生熱量に相関のある値)と勾配(反応速度)が与えられれば燃焼期間が確定されることになる。
以上のようにして理想熱発生率波形モデルを作成した後、この理想熱発生率波形モデルを周知のフィルタ処理(例えばWiebeフィルタによる処理)によって円滑化することにより、理想熱発生率波形を作成する。以下、具体的に説明する。
前記理想熱発生率波形と比較される実熱発生率波形は、前記筒内圧センサ4Aによって検出される筒内圧力の変化に応じて作成される。つまり、気筒内での熱発生率と筒内圧力との間には相関がある(熱発生率が高いほど筒内圧力は高くなる)ので、この筒内圧センサ4Aによって検出される筒内圧力から実熱発生率波形を作成することができる。この検出した筒内圧力から実熱発生率波形を作成する処理については公知であるため、ここでの説明は省略する。
燃焼状態の診断(反応形態の診断)としては、前記理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離の大きさに基づいて行われる。例えば、その乖離が予め設定された閾値(本発明でいう異常判定乖離量)以上となっている反応形態が存在している場合には、その反応形態に異常が生じていると診断することになる。例えば熱発生率の偏差が10[J/°CA]以上となっている反応形態が存在する場合や、理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形のクランク角度側への偏差(進角側または遅角側の偏差)が3°CA以上となっている反応形態が存在する場合には、その反応形態に異常が生じていると診断する。これら値はこれに限定されるものではなく、実験やシミュレーションによって適宜設定される。
前記理想熱発生率波形と実熱発生率波形との比較による燃焼状態の診断において、上述した如く理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離が予め設定された閾値を超える反応形態が存在する場合、その反応形態に異常が生じていると診断され、この乖離を小さくするようにエンジン1の制御パラメータが補正されることになる。
以上説明した実施形態は、自動車に搭載された直列4気筒ディーゼルエンジン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン、水平対向型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。また、本発明は軽油を燃料とするディーゼルエンジンに限らず、ガソリンやその他の燃料を使用するエンジンに対しても適用が可能である。
12 シリンダボア
13 ピストン
13b キャビティ
23 インジェクタ(燃料噴射弁)
3 燃焼室
4A 筒内圧センサ
100 ECU
I 気化反応の理想熱発生率波形モデル
II 低温酸化反応の軽質分理想熱発生率波形モデル
II' 低温酸化反応の重質分理想熱発生率波形モデル
III 熱分解反応の理想熱発生率波形モデル
IV 予混合燃焼による高温酸化反応の軽質分理想熱発生率波形モデル
IV' 予混合燃焼による高温酸化反応の重質分理想熱発生率波形モデル
V 拡散燃焼による高温酸化反応の軽質分理想熱発生率波形モデル
V' 拡散燃焼による高温酸化反応の重質分理想熱発生率波形モデル
Claims (14)
- 燃料噴射弁から気筒内に噴射された燃料の燃焼を行う内燃機関における前記燃料の反応の熱発生率波形を作成する装置であって、
前記燃料噴射弁から噴射された燃料の反応の理想熱発生率波形を作成するに際し、燃料性状に基づいて前記理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項1記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料性状による理想熱発生率波形の形状に対する影響度合いを気筒内の酸素密度に応じて変更して理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項1または2記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料性状による理想熱発生率波形の形状に対する影響度合いを気筒内の燃料密度に応じて変更して理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項2記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の軽質分の理想熱発生率波形と重質分の理想熱発生率波形とに対し、前記気筒内の酸素密度が低いほど、これら理想熱発生率波形の位相差を大きくして理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項2記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の軽質分の理想熱発生率波形と重質分の理想熱発生率波形とに対し、前記気筒内の酸素密度が低いほど、重質分の反応量に対する軽質分の反応量の比率を小さくして理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項2記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の軽質分の理想熱発生率波形と重質分の理想熱発生率波形とに対し、前記気筒内の酸素密度が低いほど、これら理想熱発生率波形の反応勾配を小さくして理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項2、4〜6のうち何れか一つに記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の反応として少なくとも低温酸化反応、熱分解反応、高温酸化反応を有しており、
前記各反応それぞれに対し、前記燃料性状による理想熱発生率波形の形状に対する影響度合いを気筒内の酸素密度に応じて変更して理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項3記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の軽質分の理想熱発生率波形と重質分の理想熱発生率波形とに対し、前記気筒内の燃料密度が低いほど、これら理想熱発生率波形の反応勾配を小さくして理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項3または8記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記燃料の反応として少なくとも低温酸化反応、熱分解反応、高温酸化反応を有しており、
前記各反応のうち高温酸化反応に対し、前記燃料性状による理想熱発生率波形の形状に対する影響度合いを気筒内の燃料密度に応じて変更して理想熱発生率波形の形状を規定する構成となっていることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項1〜9のうち何れか一つに記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記理想熱発生率波形は、前記燃料の各反応の開始時期を基点として、反応速度を斜辺の勾配、反応量を面積、反応期間を底辺の長さとする三角形で成る理想熱発生率波形モデルを作成し、各反応の理想熱発生率波形モデルをフィルタ処理によって円滑化することで作成されることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項10記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置において、
前記理想熱発生率波形モデルは、燃料の軽質分の反応に対応する軽質分理想熱発生率波形モデルと燃料の重質分の反応に対応する重質分理想熱発生率波形モデルとを有し、
これら軽質分理想熱発生率波形モデルおよび重質分理想熱発生率波形モデルをフィルタ処理によって円滑化することで前記理想熱発生率波形が作成されることを特徴とする内燃機関の熱発生率波形作成装置。 - 請求項1〜11のうち何れか一つに記載の内燃機関の熱発生率波形作成装置によって求められた理想熱発生率波形と、気筒内で実際に燃料が反応した際の実熱発生率波形とを比較し、理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離が所定量以上となっている場合に、燃料の反応に異常が生じていると診断する構成となっていることを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
- 請求項12記載の内燃機関の燃焼状態診断装置において、
前記理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離が所定の異常判定乖離量以上となっている反応が存在しており、その反応に異常が生じていると診断された際において、理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離が所定の補正可能乖離量以下である場合には、内燃機関の制御パラメータの補正を行って前記乖離を前記異常判定乖離量未満にする制御を行う一方、理想熱発生率波形に対する実熱発生率波形の乖離が前記補正可能乖離量を超えている場合には、内燃機関に故障が生じていると診断することを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。 - 請求項12または13記載の内燃機関の燃焼状態診断装置において、
車両に実装または実験装置に搭載されていることを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013122736A JP6036562B2 (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013122736A JP6036562B2 (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014240617A true JP2014240617A (ja) | 2014-12-25 |
JP6036562B2 JP6036562B2 (ja) | 2016-11-30 |
Family
ID=52139984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013122736A Active JP6036562B2 (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6036562B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017002845A (ja) * | 2015-06-11 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 燃料推定装置 |
JP2017155638A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
US11078856B2 (en) * | 2015-11-24 | 2021-08-03 | Fujitsu Limited | Wiebe function parameter identification method and information processing device |
Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09137753A (ja) * | 1995-11-14 | 1997-05-27 | Unisia Jecs Corp | 内燃機関の排気還流装置の故障診断装置 |
JP2000054889A (ja) * | 1998-08-12 | 2000-02-22 | Hitachi Ltd | エンジン燃焼制御装置 |
JP2001159379A (ja) * | 1999-09-22 | 2001-06-12 | Mitsubishi Motors Corp | 蓄圧式燃料噴射装置 |
JP2001355471A (ja) * | 2000-06-15 | 2001-12-26 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮自己着火式内燃機関 |
JP2005320872A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Denso Corp | 燃料噴射システム |
JP2006183466A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の燃焼制御装置 |
JP2007170345A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃焼異常検出装置 |
JP2009185628A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御システム |
JP2009197672A (ja) * | 2008-02-21 | 2009-09-03 | Denso Corp | 燃焼状態検出装置 |
JP2012057471A (ja) * | 2010-09-03 | 2012-03-22 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料制御装置 |
JP2012154244A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2012197677A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
WO2013061393A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
WO2013183163A1 (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-12 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の燃焼状態診断装置 |
-
2013
- 2013-06-11 JP JP2013122736A patent/JP6036562B2/ja active Active
Patent Citations (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09137753A (ja) * | 1995-11-14 | 1997-05-27 | Unisia Jecs Corp | 内燃機関の排気還流装置の故障診断装置 |
JP2000054889A (ja) * | 1998-08-12 | 2000-02-22 | Hitachi Ltd | エンジン燃焼制御装置 |
JP2001159379A (ja) * | 1999-09-22 | 2001-06-12 | Mitsubishi Motors Corp | 蓄圧式燃料噴射装置 |
JP2001355471A (ja) * | 2000-06-15 | 2001-12-26 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮自己着火式内燃機関 |
JP2005320872A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Denso Corp | 燃料噴射システム |
JP2006183466A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の燃焼制御装置 |
JP2007170345A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃焼異常検出装置 |
JP2009185628A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御システム |
JP2009197672A (ja) * | 2008-02-21 | 2009-09-03 | Denso Corp | 燃焼状態検出装置 |
JP2012057471A (ja) * | 2010-09-03 | 2012-03-22 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料制御装置 |
JP2012154244A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2012197677A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
WO2013061393A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JPWO2013061393A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2015-04-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
WO2013183163A1 (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-12 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の燃焼状態診断装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017002845A (ja) * | 2015-06-11 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 燃料推定装置 |
US11078856B2 (en) * | 2015-11-24 | 2021-08-03 | Fujitsu Limited | Wiebe function parameter identification method and information processing device |
JP2017155638A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6036562B2 (ja) | 2016-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9593634B2 (en) | Heat release rate waveform generating device and combustion state diagnostic system for internal combustion engine | |
JP5716869B2 (ja) | 内燃機関の燃焼状態診断装置 | |
JP5853891B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5962584B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5949675B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置及び燃焼状態診断装置 | |
JP6015563B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置及び燃焼状態診断装置 | |
JP6036562B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5962585B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5720479B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5983560B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5582076B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2014202182A (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5983559B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP2014214647A (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP2014202181A (ja) | 内燃機関の筒内温度推定装置および熱発生率波形作成装置ならびに燃焼状態診断装置 | |
JP5962592B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5892144B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2013224616A (ja) | 内燃機関のトルク推定装置および運転制御装置 | |
JP5949669B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5949676B2 (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
JP5817342B2 (ja) | 内燃機関の制御目標値設定方法及び内燃機関の制御装置 | |
JP2013224615A (ja) | 内燃機関の筒内ガス量推定装置および故障診断装置 | |
JP2013227927A (ja) | 内燃機関の燃料圧力制御装置 | |
JP2014190251A (ja) | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 | |
CN114542300A (zh) | 用于增压发动机的方法和系统 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150702 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160518 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160524 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161017 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6036562 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |