JP2001159379A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JP2001159379A JP2000137688A JP2000137688A JP2001159379A JP 2001159379 A JP2001159379 A JP 2001159379A JP 2000137688 A JP2000137688 A JP 2000137688A JP 2000137688 A JP2000137688 A JP 2000137688A JP 2001159379 A JP2001159379 A JP 2001159379A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状態に応じた噴射率制御を実現し、且つ
構造の簡略化を図るようにした蓄圧式燃料噴射装置を提
供する。 【解決手段】 燃料供給ポンプ1により供給された燃料
を高圧状態で蓄圧する蓄圧室2と、蓄圧室2と燃料噴射
弁8とを接続する燃料通路30に介装され該燃料通路3
0を連通と遮断とに切り換える電磁式弁装置4と、この
電磁式弁装置4よりも下流の燃料通路から分岐し蓄圧室
2よりも十分に低い所定の圧力に保たれた分岐通路32
と、燃料噴射弁8から燃料タンク10まで連通する燃料
戻り通路33に介装され燃料の噴射状態を噴射と無噴射
とに切り換える電磁式弁装置9と、電磁式弁装置4を電
磁式弁装置9に先行して開作動させ、その後に電磁式弁
装置9を開作動させると共に、機関運転状態に応じて電
磁式弁装置4作動後の電磁式弁装置9の開作動時期を制
御し、且つ蓄圧室2の圧力を切り換えるよう燃料供給ポ
ンプ1の供給状態を制御する制御手段40とを備えた構
成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧式燃料噴射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射装置とし
て、蓄圧室に蓄圧した高圧燃料をエンジンの各気筒に安
定に供給して低速域から高速域までの広い運転領域にお
いてエンジン性能を向上可能とする蓄圧式燃料噴射装置
(コモンレールシステム)がある。このような燃料噴射
装置を用いた場合でも、燃料噴射開始直後における燃料
噴射率が過大であると、燃焼の初期に急激な爆発燃焼が
行われ、エンジン騒音が増大するばかりでなく排気ガス
中の窒素酸化物(NOx)が増大する。
【0003】このような不具合を解消するため、各回の
燃料噴射サイクルの初期段階において低めの燃料噴射率
で燃料を噴射し、機関の運転状態に応じて噴射率を制御
する蓄圧式燃料噴射装置が提案されている。このような
燃料噴射装置として例えば、特開平8−218967号
公報に開示されたものがある。この燃料噴射装置は、燃
料噴射期間が長い燃料噴射特性を要求される低速低負荷
運転時には、燃料噴射開始直後から噴射量が緩やかに増
加する噴射率(以下「デルタ型噴射率」という)と、燃
料噴射期間が短い燃料噴射特性を要求される高速高負荷
運転時には、燃料噴射開始直後から急峻に噴射量を増加
させ短期間に大量の燃料を噴射させる噴射率(以下「矩
形型噴射率」という)とを選択可能としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記燃料噴射装置は、
高圧燃料蓄圧室としてのコモンレールと燃料噴射弁の燃
料溜室とを連通する燃料通路に介装した電磁弁を開弁し
て前記燃料通路の高圧燃料を低圧側に排出し、次いで、
前記電磁弁を閉弁して前記燃料通路に高圧燃料蓄圧室か
ら高圧燃料を供給して燃料噴射弁の燃料溜室の内圧を低
圧から高圧へ徐々に上昇させる即ち、燃料通路の油圧的
応答遅れの時間を利用して燃料噴射率を緩やかな傾きで
増加させてデルタ型噴射率を得るようにしており、その
ため噴射開始時期は、燃料通路の油圧的応答遅れを利用
することから精度的に好ましくなく、また、噴射初期の
圧力は開弁圧により決まるため噴射率制御の自由度が低
く、運転状態に応じて最適な燃料噴射率を得ることがで
きず、従って、蓄圧式燃料噴射装置本来のメリットを十
分に発揮することができない。
【0005】このため、本発明では、機関の運転状態に
応じた噴射率制御を実現し、且つ構造の簡略化を図るよ
うにした蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目的とし
ている。更に、機関の各運転条件で要求される排出ガス
・燃費性能を実現する最適な燃料噴射率形状を得るよう
にした蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明では、燃料供給ポンプで加圧された高圧
燃料は、第1蓄圧室に貯溜され、第1電磁式弁装置、燃
料通路を介して内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射
弁に供給されると共に、前記燃料通路の第1電磁式弁装
置の下流側に接続された分岐通路に供給され、前記第1
蓄圧室の燃圧よりも低い一定圧に貯溜される。分岐通路
の低圧燃料は、逆止弁を通して分岐通路から燃料通路を
経て燃料噴射弁に供給される。
【0007】燃料噴射に際し、前記第1電磁式弁装置を
燃料噴射弁から燃料タンクまで連通する燃料戻り通路上
に介装され燃料の噴射状態を噴射と無噴射とに切り換え
る第2電磁式弁装置に先行して開作動させ、その後に第
2電磁式弁装置を開作動させると共に、機関の運転状態
に応じて第1電磁式弁装置作動後の第2電磁式弁装置の
開作動時期を制御し、且つ制御手段により第1蓄圧室の
圧力を切り換えるよう燃料供給ポンプの供給状態を制御
する。これにより、デルタ型噴射率及び矩形型噴射率を
実現することが可能となり、蓄圧式燃料噴射装置のメリ
ットを失うことなく、低排出ガス化及び燃費の改善に有
効な噴射率制御を実現することができる。
【0008】請求項2の発明では、請求項1の蓄圧式燃
料噴射装置において、機関がEGR制御を実行し且つ中
・高速高負荷運転状態にあるときには、過給圧が大き
く、EGR量が少ないために、第1電磁式弁装置を、該
第1電磁式弁装置を開動作させてから燃料噴射弁に供給
する燃圧が分岐通路の燃圧よりも高く第1蓄圧室の燃圧
よりも低い所定圧に達するまでの時間第2電磁式弁装置
に先行させることによりデルタ型の噴射率波形を形成
し、筒内最大圧力を抑えた定圧燃焼によりNOxと燃費
のトレードオフを改善し、主噴射後半を高圧・高噴射率
としてスモークを低減させる。
【0009】請求項3の発明では、請求項1の蓄圧式燃
料噴射装置において、機関がEGR制御を実行し且つ低
負荷運転状態にあるときには、過給圧が小さく、EGR
量が多いために、第1電磁式弁装置を、該第1電磁式弁
装置を開動作させてから燃料噴射弁に供給する燃圧が第
1蓄圧室の燃圧に略達するまでの時間第2電磁式弁装置
に先行させて矩形の噴射率波形を形成し、燃焼速度の低
下する高EGR雰囲気での高圧・短期間噴射による燃焼
速度増大効果により、NOxと燃費のトレードオフを改
善する。
【0010】請求項4の発明では、第1電磁式弁装置
を、第2電磁式弁装置を開動作させてから燃料噴射弁に
供給する燃圧が分岐通路の燃圧よりも高く、第1蓄圧室
の燃圧よりも低い所定圧に達するまでの時間第2電磁式
弁装置に遅らせて、ブーツ型の噴射率波形を形成して初
期噴射量を低減させ、主噴射後半は高圧・高噴射率とす
る。初期噴射量低減効果により低騒音、低NOxが、主
噴射後半の高圧・高噴射率によりスモークの低減が図ら
れるとともに、機関がEGR制御を実行し且つ低・中速
高負荷運転状態にあるときには、過給圧が中程度で、E
GR量が少ないために、ブーツ型の噴射率波形により初
期噴射量を低減させることで低騒音、低NOxを実現さ
せ、主噴射後半を高圧・高噴射率とすることでスモーク
の低減を図る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施形態
としての蓄圧式燃料噴射装置の概略構成図である。
【0012】図1において、蓄圧式燃料噴射装置は、内
燃機関としてのディーゼルエンジン(図示せず)に搭載
されるもので、燃料供給ポンプとしての高圧燃料ポンプ
1、第1蓄圧室としての高圧蓄圧室(高圧CR)2、第
2蓄圧室としての低圧蓄圧室(低圧CR)3、低圧蓄圧
室3からの低圧燃料と高圧蓄圧室2からの高圧燃料とを
切り換える第1電磁式弁装置としての低・高圧蓄圧室切
換弁(以下、単に「切換弁」という)4、低圧蓄圧室3
の圧力を制御する圧力制御弁5、逆止弁6、オリフィス
7、燃料噴射弁8、燃料噴射弁8の噴射開始・終了時期
を制御する第2電磁式弁装置としての開閉弁9、燃料タ
ンク10、燃料通路30〜33、及び制御手段としての
電子制御装置(ECU)40等により構成されている。
尚、低圧蓄圧室3は、連設する噴射管を蓄圧室に置き換
えることも可能である。
【0013】高圧燃料ポンプ1は、内燃機関としてのエ
ンジンにより駆動されて燃料タンク10の燃料を吸入、
加圧して吐出する。電子制御装置40は、エンジン回転
センサにより検出されたエンジン回転数Neと、アクセ
ル開度センサにより検出されたアクセルペダル踏込量
(アクセル開度)Accとに応じて高圧燃料ポンプ1を制
御して圧送ストロークを可変調整し、更に、高圧蓄圧室
2に設けられている圧力センサにより検出された燃圧
(PHP)に応じて圧送ストローク(燃料供給量)をフィ
ードバック制御することにより、エンジン運転状態に適
合する高圧燃料を得るようになっている。
【0014】高圧燃料ポンプ1から吐出された高圧燃料
は、高圧蓄圧室2に貯溜される。この高圧蓄圧室2は、
前記エンジンの各気筒に共通するものであり、燃料通路
30を介して燃料噴射弁8に接続されており、当該燃料
通路30の途中に切換弁4が介装されている。切換弁4
は、弁装置11と、電磁弁12とにより構成され、弁装
置11は、バルブホルダ13に弁体としての針弁14が
収納されている。針弁14は、入口ポート13aと出口
ポート13bとの間に介在されてこれら間を連通・遮断
するもので、スプリング(図示せず)により付勢されて
閉弁されている。入口ポート13aは、燃料通路13
c、制御オリフィスとしての入口側オリフィス13dを
通して針弁14の背面(ピストン)に形成された圧力制
御室17に連通されている。この圧力制御室17は、制
御オリフィスとしての出口側オリフィス13e、電磁弁
12を通して燃料リーク通路13fに接続されている。
【0015】弁装置11の入口ポート13aは、燃料通
路30を介して高圧蓄圧室2に、出口ポート13bは、
燃料通路30aを介して燃料噴射弁8に接続され、燃料
リーク通路13fは、リーク燃料通路31を介して燃料
タンク10に接続されている。また、電磁弁12は、電
子制御装置40により制御される。高圧蓄圧室2の高圧
燃料は、入口側オリフィス13dを通して圧力制御室1
7に供給される。電磁弁12が閉弁しているときには圧
力制御室17の高圧燃料が針弁14を押し下げ、スプリ
ングのばね力と協働して閉弁し、入口ポート13aと出
口ポート13bとを遮断する。電磁弁12が開弁する
と、圧力制御室17の高圧燃料が出口側オリフィス13
eを通して燃料リーク通路13fに排出され、これに伴
い圧力制御室17の圧力が低下し、高圧燃料により針弁
14がスプリングのばね力に抗して押し上げられて開弁
し、入口ポート13aと出口ポート13bとが連通され
る。これにより、高圧蓄圧室2の高圧燃料が燃料噴射弁
8の燃料室22に供給される。電磁弁12の開弁時に出
口側オリフィス13eからリークした燃料は、リーク燃
料通路31を通して燃料タンク10に排出される。
【0016】燃料通路30には切換弁4の下流において
燃料通路30aから分岐した分岐通路32を介して各気
筒に共通の低圧蓄圧室3が接続されている。この低圧蓄
圧室3には、高圧蓄圧室2の燃圧PHPよりも十分に低い
燃圧PLPの燃料を貯溜する。分岐通路32の途中には逆
止弁6とオリフィス7とが並列に接続されており、逆止
弁6は、低圧蓄圧室3から燃料通路30方向にのみ燃料
の流れを許容する。燃料通路30内の燃圧が分岐通路3
2内の燃圧よりも高い場合、燃料通路30内の燃料がオ
リフィス7を通して分岐通路32に流入し、更に低圧蓄
圧室3に流入する。分岐通路32の低圧蓄圧室3と燃料
タンク10との間には低圧蓄圧室3の燃圧(PLP)を調
整する圧力制御弁5が設けられている。この圧力制御弁
5は、自動弁例えば、リリーフ弁により構成されてお
り、低圧蓄圧室3の燃圧を一定圧に調整する。
【0017】エンジンの各気筒に設けられている燃料噴
射弁8は、燃料通路30にオリフィス20を介して接続
された圧力制御室21及び燃料室(燃料溜)22を有
し、圧力制御室21は、オリフィス23、燃料戻り通路
33を介して燃料タンク10に接続されている。そし
て、燃料戻り通路33の途中に例えば、二方電磁弁から
なる燃料噴射時期制御用の開閉弁9が接続されている。
【0018】燃料噴射弁8は、ノズル(噴孔)8aを開
閉する針弁25と、圧力制御室21内に摺動可能に収納
された油圧ピストン26とを有し、針弁25は、スプリ
ング(図示せず)によりノズル8a側に付勢されて閉弁
されている。燃料通路30aから圧力制御室21と燃料
室22とに燃料が供給されると共に噴射時期制御用の開
閉弁9を閉弁されている場合前記スプリングのばね力と
圧力制御室21の燃圧による力との合力が針弁25に加
わり、当該針弁25は、燃料室22内の燃圧による力に
抗してノズル8aを閉塞する。開閉弁9が開弁して圧力
制御室21内の燃料が燃料タンク10側(大気開放側)
へ排出されると、燃料室22内の燃圧による力により針
弁25が前記スプリングのばね力に抗して油圧ピストン
26側へ移動してノズル8aが開口し、燃料室22内の
燃料がノズル8aからエンジンの燃焼室へ噴射される。
【0019】以下、上記構成の蓄圧式燃料噴射装置の作
動の一例を説明する。電子制御装置40の制御下で、高
圧蓄圧室2内の燃料圧即ち、高圧燃料ポンプ1の吐出圧
がエンジン運転状態に適合するように制御され、エンジ
ン運転状態(エンジン回転数、アクセルペダル踏込量
等)に応じて燃料噴射期間(燃料噴射開始・終了時期)
が設定される。
【0020】切換弁4(電磁弁12)及び開閉弁9が共
に閉弁されているときには、高圧蓄圧室2の高圧燃料が
入口側オリフィス13dを通して圧力制御室17に供給
されており、圧力制御室17の高圧燃料が針弁14を押
し下げ、この圧力制御室17の圧力による力とスプリン
グのばね力との合力が針弁14の先端に加わる高圧蓄圧
室2の燃圧により針弁14を押し上げようとする力より
も大きく、針弁14を押し下げて入口ポート13aと出
口ポート13bとを遮断している。
【0021】切換弁4の下流側の燃料通路30aには低
圧蓄圧室3から低圧燃料が供給されており、この低圧燃
料が燃料噴射弁8の圧力制御室21及び燃料室22に供
給されている。開閉弁9が閉弁されていることで圧力制
御室21内に供給された燃圧による力が油圧ピストン2
6を介して針弁25に加わり、当該針弁25によりノズ
ル8aが閉塞されて閉弁されている。
【0022】この状態で開閉弁9のみが開弁されると、
燃料噴射弁8の圧力制御室21内の低圧燃料がオリフィ
ス23及び燃料戻り通路33を通して燃料タンク10に
排出される。これにより油圧ピストン26を介して針弁
25に加わる燃圧による力とスプリングのばね力との合
力が、当該針弁25を押し上げるように作用する燃料室
22内の燃圧による力よりも小さくなった時点で針弁2
5が上昇してノズル8aが開口され、低圧燃料が噴射さ
れる。
【0023】開閉弁9が開弁された状態のまま噴射率切
換用の切換弁4が開弁(電磁弁12が開弁)すると、圧
力制御室17の高圧燃料が出口側オリフィス13eを通
して燃料リーク通路13fに排出され、これに伴い圧力
制御室17の圧力が低下する。そして、圧力制御室17
の針弁14の背面に作用する圧力とスプリングのばね力
との合力が、針弁14の先端に加わる高圧燃料圧による
力よりも小さくなると、針弁14が押し上げられて開弁
し、入口ポート13aと出口ポート13bとが連通され
る。これにより、高圧蓄圧室2の高圧燃料が燃料噴射弁
8の燃料室22に供給されて噴射される。
【0024】従って、低圧燃料の噴射量は、開閉弁9を
開弁したときから切換弁4を開弁するまでの時間が長い
程多くなり、短くなる程少なくなる。そして、切換弁4
が開閉弁9よりも早く開弁すると高圧蓄圧室2の高圧燃
料が燃料噴射前に燃料噴射弁8へ供給されるため初期噴
射圧が高くなる。初期噴射圧は、切換弁4を開閉弁9よ
りも早く開弁する程高くなる。切換弁4を開弁(電磁弁
12を開弁)した時から燃料噴射弁8の開閉弁9を開弁
するまでの期間ΔTiと燃料噴射開始圧力(初期噴射圧
力)との関係は、図2に示すように表される。従って、
前記期間ΔTiを長くする程噴射開始圧力が高くなる。
そこで、本発明においては、切換弁4を開弁したときの
噴射開始圧力の圧力上昇勾配を利用して、噴射率を制御
する。
【0025】図3に切換弁4の開弁から開閉弁9の開弁
までの時間ΔTiと噴射率波形の変化の一例を示す。図
3(A)に示すように時間ΔTiが短い(噴射弁開弁時
期に対する切換弁4の開弁時期を少し前に(早く)す
る)場合には、燃料噴射開始直後から噴射量が緩やかに
増加するデルタ型噴射率となり、同図(B)に示すよう
に時間ΔTiが長い(噴射弁開弁時期に対する切換弁4
の開弁時期を大幅に前にする)場合には、燃料噴射開始
直後から急峻に噴射量を増加させ短期間に大量の燃料を
噴射させる略矩形型噴射率となる。また、同図(C)に
示すように噴射弁開弁時期に対する切換弁4の開弁時期
を後にする場合には、低圧初期噴射に続いて高圧噴射が
行われる所謂ブーツ型噴射率となる。
【0026】そして、噴射率立ち上がり勾配、及び最高
噴射圧は、高圧蓄圧室2の燃圧により制御され、当該燃
圧は、高圧燃料ポンプ1の燃料供給量(吐出圧)により
決定され、高圧燃料ポンプ1の燃料供給量は、エンジン
の運転状態に応じて電子制御装置40により制御され
る。図3において、点線で示すように高圧蓄圧室2の燃
圧が高い場合には、これに応じて噴射率波形も高くな
る。
【0027】例えば、燃料噴射期間が長い燃料噴射特性
を要求される低速低負荷運転時には、燃料噴射開始直後
から噴射量が緩やかに増加するデルタ型噴射率とし、燃
料噴射期間が短い燃料噴射特性を要求される高速高負荷
運転時には、燃料噴射開始直後から急峻に噴射量を増加
させ短期間に大量の燃料を噴射させる矩形型噴射率と
し、更に、運転状態に応じて最高噴射圧を制御する。こ
れにより、噴射率制御の自由度が高くなり、エンジンの
運転状態に応じた最適な燃料噴射率を得ることができ、
蓄圧式燃料噴射装置本来のメリットを失うことなく、低
排出ガス化及び燃費の改善に有効な手段である噴射率制
御をすることが可能となる。
【0028】燃料噴射終了時期になると、図3に示すよ
うに噴射時期制御用の開閉弁9が閉弁され、燃料通路3
0aからオリフィス20を通して圧力制御室21に供給
された高圧燃料が油圧ピストン26を介して針弁25に
作用し、当該針弁25がノズル8aを閉塞して、燃料噴
射が終了する。燃料噴射終了時点で燃料噴射率が急速に
立ち下がってエンジンからの黒煙(スモーク)やパティ
キュレート(粒状物質PM)の排出量が低減される。噴
射率切換用の切換弁4は、燃料噴射終了時期における開
閉弁9の閉弁と同時に閉弁され、或いは、燃料噴射時期
終了時期から所定時間が経過した時点で閉弁される。
【0029】燃料噴射弁8の燃料室22と噴射率切換用
の切換弁4との間において、燃料通路30内の高圧燃料
は、分岐通路32のオリフィス7を通して低圧蓄圧室3
に流入し、これにより、燃料通路30内の燃料圧は、各
回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が終了した時点から
漸減して、次回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が開始
されるまでに圧力制御弁5により設定される低圧噴射に
適合する燃料圧に低下し、次回の低圧噴射での噴射率
は、所要のものとなる。 (第2の実施の形態)上述したように第1の実施の形態
によれば、低圧・高圧蓄圧室(コモンレール)の圧力と
切換弁の燃料噴射弁の開弁時期に対する切換時期を変化
させることで、噴射率の形状を任意の噴射率形状に制御
することが可能である。しかしながら、噴射率形状制御
の効果を更に得るためには、エンジンの運転条件に対応
した最適な噴射率形状を選定することが好ましい。
【0030】ところで、一般的にエンジンの高出力化を
図るために過給機を用いることが知られている。また、
ディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを低減させる
方法の一つとして、燃焼済みの排気ガスの一部を吸入側
へ混入することにより燃焼を緩慢にして最高燃焼温度を
下げてNOxを低減するEGR(排気ガス再循環)装置
がある。そして、EGR装置を備えたエンジンにおいて
は、排気ガスの一部を吸気側に戻すためにエンジンの運
転条件によって噴射率の制御が第1の実施の形態の場合
と異なる制御が必要となる。
【0031】そこで、過給機及びEGR装置を備えたエ
ンジンにおいて、どのような運転状態のときに(シリン
ダ内の雰囲気がどうなっているかによって)要求される
噴射率形状が最適であるかを、エンジン回転数と負荷と
により設定して、各運転条件で要求される排出ガス・燃
費特性を実現する噴射率形状の制御を行う。燃費的に
は、噴射率形状を矩形として上死点近傍(TDC)で一
挙に燃焼させることが最も有利であるが、初期の熱発生
率が高くなり、NOxが多くなる。従って、これを改善
するために運転状態に応じた最適な噴射率形状を見い出
すことが必要である。
【0032】そこで、図4に示すように低・中速高負荷
運転領域では、ブーツ型噴射率波形とし、中・高速高負
荷運転領域では、デルタ型噴射率波形とし、低負荷転領
域では矩形型噴射率波形とする。低・中速高負荷運転領
域においては、過給圧は、低負荷運転領域に比べて少し
高く、高速高負荷に比べて低い中程度である。また、負
荷が高くなると、燃料が多くなり、その分大量の空気が
必要となる。従って、EGR量を多くすると空気量が少
なくなるために相対的に負荷が高いときにはEGR量を
少なくしている。このときエンジン回転数が低いと、高
速高負荷運転領域のときよりも着火遅れ時間が長くなる
ので、初期噴射量を多くすると、着火時に一度に燃焼す
る燃料が多くなるためにNOxの発生が多くなり、騒音
が大きくなる。
【0033】これを防ぐために、噴射率波形をブーツ型
として、先端の噴射率波形(領域I)により低圧噴射率
を維持して初期噴射量を少なく抑え一度に燃焼する燃料
を少なくする。そして、噴射期間を長めに設定していた
ことを回復するためにあるタイミングで高圧・高噴射率
波形(領域II)として一挙に燃料を噴射させて噴射量を
確保する。このように低・中速高負荷運転領域において
ブーツ型噴射率波形とすることで、初期噴射量低減効果
により低騒音、低NOxを実現し、主噴射後半は高圧・
高噴射率によりスモークを低減させる。
【0034】しかしながら、デルタ型噴射率波形とした
場合には、エンジン回転数が低いと燃焼期間に余裕がで
るためにこの間に高噴射率の燃料が多量に噴射されるの
で、NOxの低減、低騒音のメリットが無くなってしま
う。中・高速高負荷領域においては、過給圧が大きく、
EGR量が少ないので着火遅れ期間が短くなってくるた
めにできるだけ速く燃料を噴射させる必要がある。しか
しながら、噴射率波形が矩形の場合には、一度に大量の
燃料が噴射されてしまうのでNOxの発生が多くなり、
騒音も大きくなる。また、一度に大量の燃料が燃焼する
と筒内圧Pmaxが高くなってしまうので、エンジンにも悪
影響が出る。
【0035】従って、NOxの発生を低減させ、最大筒
内圧Pmaxを抑えるために、噴射率波形をデルタ型にし、
更に、必要な燃料を噴射するために後半は高圧・高噴射
率となるように噴射させる。このとき、噴射率波形をブ
ーツ型にすると、低圧噴射と高圧噴射との境の段差部分
で一度燃焼が終了してしまい、これに伴い筒内圧が一度
下がってしまう。しかしながら、段差のないデルタ型波
形とすることで、一定圧を保ったままで筒内圧が推移す
る燃焼となる(領域III)。これにより、燃費の悪化を
抑えることが可能となる。また、エンジンの小型化、軽
量化が可能となる。これは、筒内圧力線図から、圧縮→
TDC→着火において、燃料を一挙に噴射すると一度に
燃焼して最大筒内圧Pmaxが急激に高くなり、エンジンの
許容圧力限界を超えてしまうような悪影響が出るため
に、エンジンの堅牢化が必要となり、大型化、重量が嵩
む等の問題がある。従って、同じ最大筒内圧Pmaxであれ
ば、デルタ型波形として緩やかに燃焼させる方がエンジ
ンに悪影響を及ぼすことが無く、その分出力を上げるこ
とが可能となる。
【0036】また、緩やかな燃焼として熱発生率の波形
をなだらかにすると、NOxの発生を抑えることができ
る。これは、着火遅れの期間中にシリンダ内に噴射され
た燃料が蒸発(気化)すると一挙に燃焼してしまうの
で、熱発生率が大きくなり、NOxが発生しやすくな
る。そこで、デルタ型波形として初期噴射率を少なくし
(領域III)、後半で噴射量を多くする(領域IV)。初
期噴射率を少なくすると燃焼時間が長くなり燃費が悪く
なるが、後半の噴射量を多くすることにより燃費の悪化
を少なくする。
【0037】このように中・高速高負荷運転領域におい
て噴射率波形をデルタ型とすることで、最大筒内圧Pmax
を抑えた定圧燃焼でNOxの発生、燃費のトレードオフ
を改善し(領域III)、主噴射後半では、高圧・高噴射
率によりスモークを低減する(領域IV)。低負荷運転領
域においては、過給圧が小さく、EGR量が多く、これ
に伴い空気量が少ない状態であるために着火遅れが長
い。そのため着火遅れ期間中に燃料を一気に噴射するこ
とにより予混合燃焼主体の燃焼状態にすることができ
る。即ち、EGRの効果が発揮される運転領域であるか
ら、EGRガスが入っていることで燃焼期間が延びるの
を、噴射期間を短期間として予混合燃焼主体の燃焼状態
とすることで補っている。このようにEGR量が多いの
で、噴射率波形が矩形でもPmaxの問題はなくなだらかな
燃焼となり、燃費が向上する。また、EGR量が多いの
でNOxの問題はない。従って、低負荷運転領域では、
噴射率波形を矩形とすることで、高EGRの雰囲気で燃
焼速度を速くして、NOxの発生を抑え、燃費のトレー
ドオフを改善することができる。
【0038】この低負荷運転領域において、噴射率波形
を矩形以外のブーツ型、或いはデルタ型波形とすると、
燃焼期間が長くなり一挙に燃焼させることができない。
上述した各運転領域(運転条件)における噴射率波形
は、図5及び図6に示すようなマップにより設定する。
図5は、図1に示す燃料噴射弁8の開弁時期(開閉弁9
の開弁時期)を基準として切換弁4の開弁時期を、エン
ジン回転数と負荷とにより最適な状態に設定するための
マップである。また、図6は、各運転領域における要求
噴射圧力を設定するためのマップで、定圧蓄圧室圧力L
Pを一定としてエンジン回転数と負荷とにより高圧蓄圧
室の圧力を制御して噴射圧力を設定する。これらの設定
は、図1に示す制御装置(ECU)40より行われる。
【0039】例えば、エンジン回転数が一定で、負荷が
低くなると、切換弁4の開弁時期を燃料噴射弁8の開弁
時期に対して前にしてデルタ型波形から矩形にして低速
・低負荷の状態とし(図3(B)参照)、高圧蓄圧室圧
力HPを要求噴射圧力に下げて噴射圧力を低くする。ま
た、高速・低負荷のときには、高圧蓄圧室の圧力を高く
して、噴射率を高くし、切換弁4の開弁時期を燃料噴射
弁8よりもかなり前にして、矩形でありながら、一挙に
噴射圧が高くなったようにする(図3(B)破線部分参
照)。このようにして、エンジン回転数と負荷に応じて
切換弁4の燃料噴射弁8の開弁時期に対する開弁時期を
制御すると共に噴射圧力を制御することで、最適な噴射
率波形を実現することができる。このように、低圧・高
圧の燃料圧並びに低・高圧室切換弁の切換時期をマップ
で与えて、噴射率波形を所望の噴射率波形に制御する。
【0040】次に、ディーゼルエンジンの燃焼形態につ
いて図7〜図9を参照し説明する。先ず、一般的なディ
ーゼルエンジンの燃焼形態を図7により説明する。図7
(a)の曲線Iに示すように圧縮行程において筒内圧力
が高くなり、これに伴い同図(b)の曲線IIに示すよう
に燃焼室の空気温度が上昇し、曲線IIIのように燃料の
発火温度が徐々に低くなる。一方、同図(c)のように
矩形噴射率波形の燃料が燃焼室に噴射され、所定のクラ
ンク角度で着火する。燃料の着火により、筒内圧力が最
大圧力Pmaxに上昇し(領域Iaで示す)、膨張行程にお
いて徐々に低下する。また、曲線IVで示すように燃焼室
内の燃焼による熱発生率は、着火遅れ期間中に噴射され
た燃料噴射量が多く、予混合燃焼量が多くなるために、
着火した時点から急激に上昇し(領域IVaで示す)、N
Oxの主な発生要因となっている。そして、後燃えが長
いために(領域IVbで示す)スモークの発生要因となっ
ている。
【0041】次に、本発明における燃焼形態について図
8及び図9により説明する。先ず、中・高速高負荷領域
における燃焼形態について図8により説明する。中・高
速高負荷運転領域において図8(c)のようにデルタ型
噴射率波形とすると、初期噴射率が低減されていること
で、同図(a)の曲線Vで示すように最大筒内圧力Pmax
が低減されると共に(領域Vaで示す)、同図(b)の
曲線VIで示すように熱発生率がなだらかに変化する。こ
の結果、NOxの発生が抑えられ(領域VIaで示す)、
燃焼後期活性化が図られてスモークの低減が図られる
(領域VIb、領域VIcで示す)。
【0042】また、低・中速高負荷運転領域において同
図(e)のようにブーツ型噴射率波形とすると、初期噴
射率が低減され、上述と同様に最大筒内圧力Pmaxが低減
されると共に(同図(a))、同図(d)の曲線VIIに
示すように熱発生率がなだらかに変化し、NOxの発生
が抑えられ(領域VIIaで示す)、燃焼後期活性化が図
られてスモークの低減が図られる(領域VIIb、領域VII
cで示す)。尚、図中点線で示す曲線は、図7に示す従
来の燃焼形態を表している。
【0043】次に、低負荷領域における燃焼形態につい
て図9により説明する。低負荷領域においては、EGR
の効果が発揮される運転領域であるから、図9(c)の
ように矩形噴射率波形とすることにより、EGRガスが
入っていることで燃焼期間が延びるのを、噴射期間を短
期間とすることで補っている。即ち、予混合燃焼が増大
し、燃焼速度が増大する。また、予混合燃焼量が多くて
も、最大筒内圧Pmaxは低減されて同図(a)の曲線VIII
で示すように測定範囲内にある(領域VIIIaで示す)。
【0044】上述したように、エンジンの各運転条件に
応じた噴射率に制御することで、燃焼の最適化が図ら
れ、低排出ガス・低騒音、及び低燃費を実現することが
可能となる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、低速低負荷運
転時には、燃料噴射開始直後から噴射量が緩やかに増加
するデルタ型噴射率とし、高速高負荷運転時には、燃料
噴射開始直後から急峻に噴射量を増加させ短期間に大量
の燃料を噴射させる矩形型噴射率とし、更に、運転状態
に応じて最高噴射圧を制御することにより、噴射率制御
の自由度を高くすることができ、機関の運転状態に応じ
た最適な燃料噴射率を得ることができ、蓄圧式燃料噴射
装置本来のメリットを失うことなく、低排出ガス化及び
燃費の改善に有効な手段である噴射率制御をすることが
可能となる。また、装置の簡略化を図ることが可能とな
り、コストの低減が図られる。
【0046】請求項2の発明では、機関が過給機及びE
GR装置を備え、EGR制御を実行し且つ中・高速高負
荷運転状態にあるときには、過給圧が大きく、EGR量
が少ないためにデルタ型の噴射率波形を形成して筒内最
大圧力を抑えることで、定圧燃焼によりNOxと燃費の
トレードオフを改善し、主噴射後半を高圧・高噴射率と
してスモークを低減させることができる。
【0047】請求項3の発明では、機関が過給機及びE
GR装置を備え、EGR制御を実行し且つ低負荷運転状
態にあるときには、過給圧が小さく、EGR量が多いた
めに矩形の噴射率波形を形成して燃焼速度の低下する高
EGR雰囲気での高圧・短期間噴射による燃焼速度増大
効果により、NOxと燃費のトレードオフを改善するこ
とができる。
【0048】請求項4の発明では、ブーツ型の噴射率波
形を形成することで、初期噴射量を低減させ、主噴射後
半は高圧・高噴射率として、初期噴射量低減効果により
低騒音、低NOxが図られ、主噴射後半の高圧・高噴射
率によりスモークの低減が図られ、更に、機関がEGR
制御を実行し且つ低・中速高負荷運転状態にあるときに
は、過給圧が中程度で、EGR量が少ないためにブーツ
型の噴射率波形として初期噴射量を低減させることで低
騒音、低NOxを実現し、主噴射後半を高圧・高噴射率
とすることでスモークの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射装置
を示す概略図である。
【図2】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の第1の実施の
形態における低・高圧蓄圧室切換弁の開弁から噴射弁の
開閉弁の開弁までの時間と噴射開始圧力との関係を示す
図である。
【図3】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の作動及び噴射
率波形の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における機関の各運
転領域に対する噴射率波形の一例を示す図である。
【図5】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の切換弁の開弁
時期を最適な状態に設定するためのマップの一例を示す
図である。
【図6】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁の
各運転領域における要求噴射圧力を最適な状態に設定す
るためのマップの一例を示す図である。
【図7】一般的なディーゼルエンジンの燃焼形態の説明
図である。
【図8】本発明における中・高速高負荷運転領域及び低
・中速高負荷領域における燃焼形態の説明図である。
【図9】本発明における低負荷領域における燃焼形態の
説明図である。
【符号の説明】
1 高圧燃料ポンプ(燃料供給ポンプ) 2 高圧蓄圧室(第1蓄圧室) 3 低圧蓄圧室(第2蓄圧室) 4 低・高圧蓄圧室切換弁(第1電磁式弁装置) 5 圧力制御弁 6 逆止弁 7 オリフィス 8 燃料噴射弁 9 開閉弁(第2電磁式弁装置) 13f 燃料リーク通路 17 圧力制御室 30 燃料通路 32 分岐通路 40 電子制御装置(制御手段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 21/08 F02D 21/08 L 23/00 23/00 J 23/02 23/02 J H 41/04 375 41/04 375 41/40 41/40 C 43/00 301 43/00 301H 301J 301N 301R 45/00 310 45/00 310K 310J F02M 45/00 F02M 45/00 A E 47/02 47/02 55/02 350 55/02 350C 350P 350U (72)発明者 琴岡 正二郎 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AA11 AA13 AB02 AC01 AC09 AD12 BA12 BA17 BA22 BA24 BA25 BA61 CB07T CB07U CB09 CB11 CB12 CB16 CC06T CC08T CC14 CC64T CC66 CC67 CC68U CC70 DA04 DA06 DA08 DA11 DA12 DA13 DA14 DB06 DB08 DB09 DC04 DC09 DC18 3G084 AA01 BA08 BA13 BA14 BA15 BA20 CA03 CA04 DA04 DA13 EC01 FA10 FA33 3G092 AA02 AA06 AA17 AA18 BB01 BB06 BB08 BB10 BB12 DB03 DC09 DF03 EA17 FA06 FA50 GA05 GA06 HA06Z HE01Z HF08Z 3G301 HA02 JA02 JA24 JA25 JA37 KA06 KA08 KA09 LB11 LC01 LC06 MA11 MA18 MA27 MA28 ND02 PB08A PB08Z PE01Z PF03Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給ポンプにより供給された燃料を
    高圧状態で蓄圧する第1蓄圧室と、 前記第1蓄圧室と燃料噴射弁とを接続する燃料通路に介
    装され該燃料通路を連通と遮断とに切り換える第1電磁
    式弁装置と、 前記第1電磁式弁装置よりも下流の燃料通路から分岐し
    前記第1蓄圧室よりも十分に低い所定の圧力に保たれた
    分岐通路と、 前記燃料噴射弁から燃料タンクまで連通する燃料戻り通
    路上に介装され燃料の噴射状態を噴射と無噴射とに切り
    換える第2電磁式弁装置と、 前記第1電磁式弁装置を前記第2電磁式弁装置に先行し
    て開作動させ、その後に前記第2電磁式弁装置を開作動
    させると共に、機関運転状態に応じて前記第1電磁式弁
    装置作動後の前記第2電磁式弁装置の開作動時期を制御
    し、且つ前記第1蓄圧室の圧力を切り換えるよう燃料供
    給ポンプの供給状態を制御する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の蓄圧式燃料噴射装置におい
    て、 前記機関は過給機及びEGR装置を具備し、該機関がE
    GR制御を実行し且つ中・高速高負荷運転状態にあると
    きには、 前記第1電磁式弁装置を、該第1電磁式弁装置を開動作
    させてから前記燃料噴射弁に供給する燃圧が前記分岐通
    路の燃圧よりも高く前記第1蓄圧室の燃圧よりも低い所
    定圧に達するまでの時間前記第2電磁式弁装置に先行さ
    せることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の蓄圧式燃料噴射装置におい
    て、 前記機関は過給機及びEGR装置を具備し、該機関がE
    GR制御を実行し且つ低負荷運転状態にあるときには、 前記第1電磁式弁装置を、該第1電磁式弁装置を開動作
    させてから前記燃料噴射弁に供給する燃圧が前記第1蓄
    圧室の燃圧に略達するまでの時間前記第2電磁式弁装置
    に先行させることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 燃料供給ポンプにより供給された燃料を
    高圧状態で蓄圧する第1蓄圧室と、 前記第1蓄圧室と燃料噴射弁とを接続する燃料通路に介
    装され該燃料通路を連通と遮断とに切り換える第1電磁
    式弁装置と、 前記第1電磁式弁装置よりも下流の燃料通路から分岐し
    前記第1蓄圧室よりも十分に低い所定の圧力に保たれた
    分岐通路と、 前記燃料噴射弁から燃料タンクまで連通する燃料戻り通
    路上に介装され燃料の噴射状態を噴射と無噴射とに切り
    換える第2電磁式弁装置と、 前記第1電磁式弁装置を前記第2電磁式弁装置よりも遅
    らせて開作動させると共に、機関運転状態に応じて前記
    第2電磁式弁装置作動後の前記第1電磁式弁装置の開作
    動時期を制御し、且つ前記第1蓄圧室の圧力を切り換え
    るよう燃料供給ポンプの供給状態を制御する制御手段
    と、 前記機関の吸気通路に加圧空気を供給する過給機と、 前記機関の排気通路から吸気通路に排ガスを供給可能に
    設けられたEGR装置とを備え、 前記機関がEGR制御を実行し且つ低・中速高負荷運転
    状態にあるときには、 前記第1電磁式弁装置を、前記第2電磁式弁装置を開動
    作させてから前記燃料噴射弁に供給する燃圧が前記分岐
    通路の燃圧よりも高く前記第1蓄圧室の燃圧よりも低い
    所定圧に達するまでの時間前記第2電磁式弁装置に遅ら
    せることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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