JP3382758B2 - 内燃機関の二流体噴射装置 - Google Patents
内燃機関の二流体噴射装置Info
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/30—Use of alternative fuels, e.g. biofuels
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- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に適用され
る二流体噴射装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図3にディーゼル機関における従来形の
二流体噴射装置の構成図を示す。図において1は二流体
噴射弁、2は逆止弁、3はガス噴射管、4は圧縮ガス溜
め、5はコンプレッサ、7は燃料噴射管、8は燃料噴射
ポンプ、9はコントローラ、10はシリンダヘッド、1
1はピストン、12は燃焼室、13は元ガス溜め、14
はガス抽出用逆止弁である。 【0003】15はリリーフ弁、16は抽出ガス通路、
17は抽気孔、18は高圧カット弁、19は燃料噴射ポ
ンプ制御用信号、20はガス抽出制御用信号、21はガ
ス噴射用作動油ポンプを示している。本従来例では、燃
料と噴射ガスをそれぞれ噴射用の針弁を有し各燃料とガ
スを独立に噴射できる二流体噴射弁1を用い、燃料噴射
ポンプ8とガス噴射用針弁の作動用の作動油ポンプ21
を有した場合の構成を示している。 【0004】次に前記従来例の作用について述べる。ピ
ストン11が上昇し燃焼室12内のガスが高温高圧に圧
縮された時点で所定の時期に燃料噴射ポンプ8から燃料
が吐出され燃料噴射管7を通って噴射弁1から燃料が高
圧で燃焼室12内に噴射され、自己着火により燃焼が開
始する。同時に図において噴射用のガスは高圧カット弁
18を通じてガス抽気用信号20により抽出時期を制御
し、自己あるいは他のシリンダ内の圧縮空気の一部また
は高圧の燃焼ガスを取り出してコンプレッサ5によりシ
リンダ内圧力よりも高い圧力に昇圧して圧縮ガス溜め4
に蓄えるようにしている。 【0005】このときの圧縮圧力は、シリンダ内への噴
射時のガス流速をできるだけ高めるため、通常は全運転
領域でのシリンダ内最高圧力のほぼ2倍となるよう一定
の圧力で蓄圧されている。ここで抽出されるガスは、高
圧カット弁18と抽気用逆止弁14により、定められた
圧力の範囲のシリンダ内空気あるいは燃焼ガスを元ガス
溜め13に蓄えるようにし、また取り出す空気の量はシ
リンダからの圧縮空気取り出し口の通路面積により調整
するようにしてある。 【0006】このような構成とすることによって機関の
圧縮時に一旦シリンダ外に流出した圧縮空気は空気噴射
時に再びシリンダ内に戻されるためピストン11の圧縮
仕事の損失はなく、従って空気の圧縮は機関の圧縮圧力
から噴射に必要な圧力までの昇圧でよく、ガスの圧縮動
力を必要最小限とするようにしてある。 【0007】圧縮ガス溜め4に溜めた噴射用高圧ガスは
燃料とガスとの噴射用の針弁をそれぞれ有し、各々を別
々に噴射することができるガス噴射弁1に送られ、ガス
噴射用の針弁作動用ポンプ21の作動油圧により噴射弁
1から燃料噴射との時間的関係を制御し、かつ作動油ポ
ンプラックと燃料噴射ポンプラックを機械的に連動させ
ることによりその燃料とガス噴射量の比をほぼ一定にな
るようにして、燃焼室12内に噴射するようにしてあ
る。 【0008】また噴射用ガスの噴射量は、噴射作動油ポ
ンプ21のラックを機械的に燃料噴射ポンプ8と連動さ
せており、噴射する燃料と空気の比がほぼ一定になるよ
うな設定となっており、さらに噴射の時期については燃
料噴射用の制御信号を利用して燃料噴射との相対的な時
間関係をほぼ一定に保ってガスを噴射するように、電子
制御を行っている。 【0009】上記のようなガス噴射装置を用いて燃焼室
12内に直接ガスを噴射することにより、特に高温の燃
焼ガスと周囲の低温ガスとの混合促進を利用し急速な温
度低減によりNOx生成を抑制すると共に、燃料噴射終
了後の緩慢な燃焼を防止し、燃焼期間が短く黒煙、HC
等の未燃成分が少ない完全燃焼が得られるようにしてい
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例には
次のような欠点がある。即ち噴射ガス流速を最大の音速
とするためには噴射ガス圧力は噴射時のシリンダ内圧力
のほぼ2倍であれば良く、エンジンの運転状態、すなわ
ち負荷やガスの噴射時期によってその必要圧力は異な
る。これに対し従来は、シリンダ内に噴射するガスは常
にシリンダ内最高圧力のほぼ2倍になるよう昇圧されて
おり、特に低負荷あるいはNOx低減のための噴射時期
遅延運転条件下ではガスの圧縮圧力が過大であり、余分
なガス圧縮仕事による損失が生じ、熱効率の低下を招い
ている。 【0011】またガス噴射の時期と量は、運転領域の全
域で燃料噴射の時期と量を基にそれぞれ相対的な関係を
保つとともに、NOx、Smokeの排出の多い高負荷
域の燃料噴射量とガス噴射量の比を基準に、ガス噴射用
作動油ポンプ21のラック量を機械的に燃料噴射用ポン
プ8のラックと連動させて設定している。従って、運転
領域全域で燃料噴射量とガス噴射量の比がほぼ一定とな
っている。ところが、一般に高負荷と低負荷では必要噴
射圧力が異なり、低負荷の方が燃料噴射圧力が低いた
め、単位燃料量当たりの燃料噴霧の混合エネルギは低負
荷の方が高負荷に比べて相対的に少なくなる。 【0012】従って、要求される噴射燃料量に対する噴
射用ガスの運動エネルギは高負荷よりも低負荷の方が相
対的に多くすべきであるのに対し、従来は上記のように
燃料とガスの噴射量の比は運転条件に対してほぼ一定に
設定しているため、特に低負荷では噴射用ガスの噴射に
よる混合促進の効果が十分得られず、また噴射時期につ
いても同様で、全運転領域で燃料噴射に対するガス噴射
の相対的な時期が一定であるため、ガス噴射による混合
促進の効果が十分得られない欠点があった。 【0013】本発明はこのような欠点を解消し全運転領
域で無駄な圧縮仕事を低減して熱効率の損失を防ぎ、か
つガス噴射による燃焼改善効果を効果的に得られる事を
目的としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明に係る内燃機関の
二流体噴射装置は、内燃機関のシリンダ内から自己ある
いは他のシリンダの圧縮空気または燃焼ガスの一部を取
り出し、コンプレッサにより昇圧して圧縮ガス溜めに貯
留した噴射用ガスを噴射弁に供給し燃料の噴射とともに
前記シリンダ内に噴射する二流体噴射装置において、エ
ンジン回転数とアクセル開度とシリンダ内圧力と前記噴
射用ガスの圧力とをそれぞれ検知するセンサと、圧縮ガ
ス溜めに付設されて前記噴射用ガスの圧力を制御するリ
リーフ弁と、前記センサからの検知信号により前記リリ
ーフ弁を開閉して前記噴射用ガスの噴射圧力、噴射時
期、及び噴射量をエンジンの運転状態に応じて制御する
コントローラとを有してなることを特徴としている。 【0015】次に前記構成の作用について説明する。運
転状態をエンジン回転数センサとアクセル開度センサと
により検知し、それに応じてガスの噴射時期及び量をコ
ントローラにより設定する。さらに設定されたガス噴射
時期のシリンダ内圧力を検知し、該圧力を基に必要な噴
射用ガスの圧縮圧力を計算し、その圧力となるよう圧縮
ガス溜めに取り付けたリリーフ弁の開閉により圧力を制
御するとともに、作動油ポンプはガス噴射時期と量の制
御信号により定められた時期に所定の量の噴射用ガスを
シリンダ内に噴射する。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明に係る二流体噴射装置を備
えた内燃機関は、内燃機関特にディーゼル機関又はシリ
ンダ内に燃料を噴射する方式のガソリン機関に適用され
るものであり、上死点付近で噴射される燃料より僅か遅
れたタイミングでその時のシリンダ圧力の約2倍の高圧
に圧縮された圧縮ガス溜め5内より音速に近い高速でシ
リンダ内にガスを噴射し、シリンダ内に強い乱れを発生
させて空気利用率を高め機関の燃焼効率の向上をはかっ
た内燃機関である。 【0017】前記構造の簡単な機関は従来より存在して
いたが本発明のものは、さらにエンジン回転数とアクセ
ル開度とシリンダ内圧力、及び噴射用ガスの圧力をそれ
ぞれ検知するセンサと、前記噴射用ガス圧力制御用リリ
ーフ弁と、前記センサからの検知信号により前記リリー
フ弁等を開閉し噴射用ガスの噴射時期及び量をエンジン
の運転状態に応じて詳細に制御するコントローラとを有
してなり、前記二流体機関の性能向上をはかったもので
ある。 【0018】図1に本発明の実施形態を示す。本例は従
来例と同様ディーゼル機関のガス噴射の場合を例にとっ
て示している。図1において符号1〜21は図3の従来
例と同じ構成要素を示しており、本発明が従来例と異っ
ているのは作動油ポンプ制御用信号22とシリンダ内圧
力センサ23と図示のように圧縮ガス溜め4に付設され
た圧縮ガスリリーフ弁24とリリーフガス通路25と圧
縮ガス圧力センサ26と圧縮ガス圧力制御用信号27と
が追加されていることである。図において噴射用のガス
の抽出から噴射弁1への供給まで及び作動油ポンプ21
によるガスの噴射については、従来と同じである。 【0019】本例は圧縮ガス溜め4内の噴射用圧縮ガス
の圧力をシリンダ内圧力センサ23で検知した圧力値を
用いてコントローラ9により計算するとともに、その圧
力となるようリリーフ弁24を開閉する電子制御を行う
ようにしている。リリーフ弁24を通ったガスは元ガス
溜め13に返されるため、必要噴射ガス圧力が低い場合
は、抽出ガス量が結果的に減少し、ガスの圧縮仕事が必
要最小限となるようにしている。また、ガス噴射圧力P
aとガス噴射期間Δθinj をガス噴射の時期Δθdとガ
ス噴射量比Ga/Gfとを運転状態に応じて制御する例
を図2に示している。 【0020】たとえば強い乱流混合効果が必要な低速高
負荷域では噴射ガス流速を高くするためにガスの噴射圧
力Paを高く、比較的噴射ガス流速は低くても効果の得
られる高速低負荷域ではガスの噴射圧力Paを低く制御
する。また燃料噴射のエネルギ(すなわち燃料噴霧自体
の乱流混合エネルギ)が低い低負荷域では燃料噴射重量
Gfに対する噴射ガス重量Gaの比Ga/Gfを多く
し、比較的燃料噴射のエネルギが高い高負荷域では燃料
噴射重量に対する噴射ガス重量の比Ga/Gfを少なく
する。 【0021】さらに燃焼反応の進行に対する乱流混合促
進時期の絶対的な時間関係を低速から高速まで一定に保
つため、1サイクルの時間が長い低速域では燃料噴射開
始からのガス噴射開始の遅れΔθdをクランク角度ベー
スで短く、一方1サイクルの時間が短い高速域では燃料
噴射開始からのガス噴射開始の遅れΔθdをクランク角
度ベースで長くする。又、NOx、黒煙、HCの排出の
多い高負荷域ではこれを抑制するためガス噴射期間Δθ
inj を長くしてガス噴射量を多くし、低負荷域では逆に
Δθinj を短かくする。 【0022】このように運転状態に応じてコントローラ
9により作動油ポンプ21の作動をコントロールするよ
うにしており、運転状態に応じて最適なガス噴射条件が
得られるようにしている。本例は燃料とガスの噴射を同
一の噴射弁で行う場合を示しているが、別々の噴射弁か
ら行う場合もガスの噴射系は基本的には同様な構成であ
る。 【0023】 【発明の効果】本発明は前記のとおり構成とすることに
より、運転状態に応じた必要最小限のガス圧縮動力で済
むため、損失が少なく、また運転条件に応じたガス噴射
時期及び量の制御により、エンジン運転領域全域で、ガ
ス噴射による混合促進、燃焼改善の効果が効率的に得ら
れ、機関の熱効率を維持あるいは向上し、かつNOx、
黒煙、HC等の未燃成分が少ないクリーンで燃焼期間の
短い良好な燃焼が得られ、低燃費率、低公害の内燃機関
を実現することができる。
る二流体噴射装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図3にディーゼル機関における従来形の
二流体噴射装置の構成図を示す。図において1は二流体
噴射弁、2は逆止弁、3はガス噴射管、4は圧縮ガス溜
め、5はコンプレッサ、7は燃料噴射管、8は燃料噴射
ポンプ、9はコントローラ、10はシリンダヘッド、1
1はピストン、12は燃焼室、13は元ガス溜め、14
はガス抽出用逆止弁である。 【0003】15はリリーフ弁、16は抽出ガス通路、
17は抽気孔、18は高圧カット弁、19は燃料噴射ポ
ンプ制御用信号、20はガス抽出制御用信号、21はガ
ス噴射用作動油ポンプを示している。本従来例では、燃
料と噴射ガスをそれぞれ噴射用の針弁を有し各燃料とガ
スを独立に噴射できる二流体噴射弁1を用い、燃料噴射
ポンプ8とガス噴射用針弁の作動用の作動油ポンプ21
を有した場合の構成を示している。 【0004】次に前記従来例の作用について述べる。ピ
ストン11が上昇し燃焼室12内のガスが高温高圧に圧
縮された時点で所定の時期に燃料噴射ポンプ8から燃料
が吐出され燃料噴射管7を通って噴射弁1から燃料が高
圧で燃焼室12内に噴射され、自己着火により燃焼が開
始する。同時に図において噴射用のガスは高圧カット弁
18を通じてガス抽気用信号20により抽出時期を制御
し、自己あるいは他のシリンダ内の圧縮空気の一部また
は高圧の燃焼ガスを取り出してコンプレッサ5によりシ
リンダ内圧力よりも高い圧力に昇圧して圧縮ガス溜め4
に蓄えるようにしている。 【0005】このときの圧縮圧力は、シリンダ内への噴
射時のガス流速をできるだけ高めるため、通常は全運転
領域でのシリンダ内最高圧力のほぼ2倍となるよう一定
の圧力で蓄圧されている。ここで抽出されるガスは、高
圧カット弁18と抽気用逆止弁14により、定められた
圧力の範囲のシリンダ内空気あるいは燃焼ガスを元ガス
溜め13に蓄えるようにし、また取り出す空気の量はシ
リンダからの圧縮空気取り出し口の通路面積により調整
するようにしてある。 【0006】このような構成とすることによって機関の
圧縮時に一旦シリンダ外に流出した圧縮空気は空気噴射
時に再びシリンダ内に戻されるためピストン11の圧縮
仕事の損失はなく、従って空気の圧縮は機関の圧縮圧力
から噴射に必要な圧力までの昇圧でよく、ガスの圧縮動
力を必要最小限とするようにしてある。 【0007】圧縮ガス溜め4に溜めた噴射用高圧ガスは
燃料とガスとの噴射用の針弁をそれぞれ有し、各々を別
々に噴射することができるガス噴射弁1に送られ、ガス
噴射用の針弁作動用ポンプ21の作動油圧により噴射弁
1から燃料噴射との時間的関係を制御し、かつ作動油ポ
ンプラックと燃料噴射ポンプラックを機械的に連動させ
ることによりその燃料とガス噴射量の比をほぼ一定にな
るようにして、燃焼室12内に噴射するようにしてあ
る。 【0008】また噴射用ガスの噴射量は、噴射作動油ポ
ンプ21のラックを機械的に燃料噴射ポンプ8と連動さ
せており、噴射する燃料と空気の比がほぼ一定になるよ
うな設定となっており、さらに噴射の時期については燃
料噴射用の制御信号を利用して燃料噴射との相対的な時
間関係をほぼ一定に保ってガスを噴射するように、電子
制御を行っている。 【0009】上記のようなガス噴射装置を用いて燃焼室
12内に直接ガスを噴射することにより、特に高温の燃
焼ガスと周囲の低温ガスとの混合促進を利用し急速な温
度低減によりNOx生成を抑制すると共に、燃料噴射終
了後の緩慢な燃焼を防止し、燃焼期間が短く黒煙、HC
等の未燃成分が少ない完全燃焼が得られるようにしてい
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例には
次のような欠点がある。即ち噴射ガス流速を最大の音速
とするためには噴射ガス圧力は噴射時のシリンダ内圧力
のほぼ2倍であれば良く、エンジンの運転状態、すなわ
ち負荷やガスの噴射時期によってその必要圧力は異な
る。これに対し従来は、シリンダ内に噴射するガスは常
にシリンダ内最高圧力のほぼ2倍になるよう昇圧されて
おり、特に低負荷あるいはNOx低減のための噴射時期
遅延運転条件下ではガスの圧縮圧力が過大であり、余分
なガス圧縮仕事による損失が生じ、熱効率の低下を招い
ている。 【0011】またガス噴射の時期と量は、運転領域の全
域で燃料噴射の時期と量を基にそれぞれ相対的な関係を
保つとともに、NOx、Smokeの排出の多い高負荷
域の燃料噴射量とガス噴射量の比を基準に、ガス噴射用
作動油ポンプ21のラック量を機械的に燃料噴射用ポン
プ8のラックと連動させて設定している。従って、運転
領域全域で燃料噴射量とガス噴射量の比がほぼ一定とな
っている。ところが、一般に高負荷と低負荷では必要噴
射圧力が異なり、低負荷の方が燃料噴射圧力が低いた
め、単位燃料量当たりの燃料噴霧の混合エネルギは低負
荷の方が高負荷に比べて相対的に少なくなる。 【0012】従って、要求される噴射燃料量に対する噴
射用ガスの運動エネルギは高負荷よりも低負荷の方が相
対的に多くすべきであるのに対し、従来は上記のように
燃料とガスの噴射量の比は運転条件に対してほぼ一定に
設定しているため、特に低負荷では噴射用ガスの噴射に
よる混合促進の効果が十分得られず、また噴射時期につ
いても同様で、全運転領域で燃料噴射に対するガス噴射
の相対的な時期が一定であるため、ガス噴射による混合
促進の効果が十分得られない欠点があった。 【0013】本発明はこのような欠点を解消し全運転領
域で無駄な圧縮仕事を低減して熱効率の損失を防ぎ、か
つガス噴射による燃焼改善効果を効果的に得られる事を
目的としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明に係る内燃機関の
二流体噴射装置は、内燃機関のシリンダ内から自己ある
いは他のシリンダの圧縮空気または燃焼ガスの一部を取
り出し、コンプレッサにより昇圧して圧縮ガス溜めに貯
留した噴射用ガスを噴射弁に供給し燃料の噴射とともに
前記シリンダ内に噴射する二流体噴射装置において、エ
ンジン回転数とアクセル開度とシリンダ内圧力と前記噴
射用ガスの圧力とをそれぞれ検知するセンサと、圧縮ガ
ス溜めに付設されて前記噴射用ガスの圧力を制御するリ
リーフ弁と、前記センサからの検知信号により前記リリ
ーフ弁を開閉して前記噴射用ガスの噴射圧力、噴射時
期、及び噴射量をエンジンの運転状態に応じて制御する
コントローラとを有してなることを特徴としている。 【0015】次に前記構成の作用について説明する。運
転状態をエンジン回転数センサとアクセル開度センサと
により検知し、それに応じてガスの噴射時期及び量をコ
ントローラにより設定する。さらに設定されたガス噴射
時期のシリンダ内圧力を検知し、該圧力を基に必要な噴
射用ガスの圧縮圧力を計算し、その圧力となるよう圧縮
ガス溜めに取り付けたリリーフ弁の開閉により圧力を制
御するとともに、作動油ポンプはガス噴射時期と量の制
御信号により定められた時期に所定の量の噴射用ガスを
シリンダ内に噴射する。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明に係る二流体噴射装置を備
えた内燃機関は、内燃機関特にディーゼル機関又はシリ
ンダ内に燃料を噴射する方式のガソリン機関に適用され
るものであり、上死点付近で噴射される燃料より僅か遅
れたタイミングでその時のシリンダ圧力の約2倍の高圧
に圧縮された圧縮ガス溜め5内より音速に近い高速でシ
リンダ内にガスを噴射し、シリンダ内に強い乱れを発生
させて空気利用率を高め機関の燃焼効率の向上をはかっ
た内燃機関である。 【0017】前記構造の簡単な機関は従来より存在して
いたが本発明のものは、さらにエンジン回転数とアクセ
ル開度とシリンダ内圧力、及び噴射用ガスの圧力をそれ
ぞれ検知するセンサと、前記噴射用ガス圧力制御用リリ
ーフ弁と、前記センサからの検知信号により前記リリー
フ弁等を開閉し噴射用ガスの噴射時期及び量をエンジン
の運転状態に応じて詳細に制御するコントローラとを有
してなり、前記二流体機関の性能向上をはかったもので
ある。 【0018】図1に本発明の実施形態を示す。本例は従
来例と同様ディーゼル機関のガス噴射の場合を例にとっ
て示している。図1において符号1〜21は図3の従来
例と同じ構成要素を示しており、本発明が従来例と異っ
ているのは作動油ポンプ制御用信号22とシリンダ内圧
力センサ23と図示のように圧縮ガス溜め4に付設され
た圧縮ガスリリーフ弁24とリリーフガス通路25と圧
縮ガス圧力センサ26と圧縮ガス圧力制御用信号27と
が追加されていることである。図において噴射用のガス
の抽出から噴射弁1への供給まで及び作動油ポンプ21
によるガスの噴射については、従来と同じである。 【0019】本例は圧縮ガス溜め4内の噴射用圧縮ガス
の圧力をシリンダ内圧力センサ23で検知した圧力値を
用いてコントローラ9により計算するとともに、その圧
力となるようリリーフ弁24を開閉する電子制御を行う
ようにしている。リリーフ弁24を通ったガスは元ガス
溜め13に返されるため、必要噴射ガス圧力が低い場合
は、抽出ガス量が結果的に減少し、ガスの圧縮仕事が必
要最小限となるようにしている。また、ガス噴射圧力P
aとガス噴射期間Δθinj をガス噴射の時期Δθdとガ
ス噴射量比Ga/Gfとを運転状態に応じて制御する例
を図2に示している。 【0020】たとえば強い乱流混合効果が必要な低速高
負荷域では噴射ガス流速を高くするためにガスの噴射圧
力Paを高く、比較的噴射ガス流速は低くても効果の得
られる高速低負荷域ではガスの噴射圧力Paを低く制御
する。また燃料噴射のエネルギ(すなわち燃料噴霧自体
の乱流混合エネルギ)が低い低負荷域では燃料噴射重量
Gfに対する噴射ガス重量Gaの比Ga/Gfを多く
し、比較的燃料噴射のエネルギが高い高負荷域では燃料
噴射重量に対する噴射ガス重量の比Ga/Gfを少なく
する。 【0021】さらに燃焼反応の進行に対する乱流混合促
進時期の絶対的な時間関係を低速から高速まで一定に保
つため、1サイクルの時間が長い低速域では燃料噴射開
始からのガス噴射開始の遅れΔθdをクランク角度ベー
スで短く、一方1サイクルの時間が短い高速域では燃料
噴射開始からのガス噴射開始の遅れΔθdをクランク角
度ベースで長くする。又、NOx、黒煙、HCの排出の
多い高負荷域ではこれを抑制するためガス噴射期間Δθ
inj を長くしてガス噴射量を多くし、低負荷域では逆に
Δθinj を短かくする。 【0022】このように運転状態に応じてコントローラ
9により作動油ポンプ21の作動をコントロールするよ
うにしており、運転状態に応じて最適なガス噴射条件が
得られるようにしている。本例は燃料とガスの噴射を同
一の噴射弁で行う場合を示しているが、別々の噴射弁か
ら行う場合もガスの噴射系は基本的には同様な構成であ
る。 【0023】 【発明の効果】本発明は前記のとおり構成とすることに
より、運転状態に応じた必要最小限のガス圧縮動力で済
むため、損失が少なく、また運転条件に応じたガス噴射
時期及び量の制御により、エンジン運転領域全域で、ガ
ス噴射による混合促進、燃焼改善の効果が効率的に得ら
れ、機関の熱効率を維持あるいは向上し、かつNOx、
黒煙、HC等の未燃成分が少ないクリーンで燃焼期間の
短い良好な燃焼が得られ、低燃費率、低公害の内燃機関
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるガス噴射装置の
構成図。 【図2】本発明の第1実施形態に係わるガス噴射条件制
御の説明図。 【図3】従来のガス噴射装置の構成図。 【符号の説明】 1…二流体噴射弁、2…逆止弁、3…ガス噴射管、4…
圧縮ガス溜め、5…コンプレッサ、6…高圧カット弁、
7…燃料噴射管、8…燃料噴射ポンプ、9…コントロー
ラ、10…シリンダヘッド、11…ピストン、12…燃
焼室、13…元ガス溜め、14…抽気用逆止弁、15…
リリーフ弁、16…抽気用通路、17…抽気孔、18…
高圧カット弁、19…燃料噴射制御用信号、20…抽気
用信号、21…作動油ポンプ、22…作動油ポンプ制御
用信号、23…シリンダ内圧力センサ、24…圧縮ガス
リリーフ弁、25…リリーフガス通路、26…圧縮ガス
圧力センサ、27…圧縮ガス圧力制御用信号。
構成図。 【図2】本発明の第1実施形態に係わるガス噴射条件制
御の説明図。 【図3】従来のガス噴射装置の構成図。 【符号の説明】 1…二流体噴射弁、2…逆止弁、3…ガス噴射管、4…
圧縮ガス溜め、5…コンプレッサ、6…高圧カット弁、
7…燃料噴射管、8…燃料噴射ポンプ、9…コントロー
ラ、10…シリンダヘッド、11…ピストン、12…燃
焼室、13…元ガス溜め、14…抽気用逆止弁、15…
リリーフ弁、16…抽気用通路、17…抽気孔、18…
高圧カット弁、19…燃料噴射制御用信号、20…抽気
用信号、21…作動油ポンプ、22…作動油ポンプ制御
用信号、23…シリンダ内圧力センサ、24…圧縮ガス
リリーフ弁、25…リリーフガス通路、26…圧縮ガス
圧力センサ、27…圧縮ガス圧力制御用信号。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
F02M 25/07 580 F02M 25/07 580C
67/02 67/02
67/04 67/04
67/06 67/06
(56)参考文献 特開 平2−238168(JP,A)
特開 平6−42410(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F02D 41/02 380
F02B 47/08
F02D 41/40
F02M 21/02 301
F02M 21/04
F02M 25/07 580
F02M 67/02
F02M 67/04
F02M 67/06
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内燃機関のシリンダ内から自己あるいは
他のシリンダの圧縮空気または燃焼ガスの一部を取り出
し、コンプレッサにより昇圧して圧縮ガス溜めに貯留し
た噴射用ガスを噴射弁に供給し燃料の噴射とともに前記
シリンダ内に噴射する二流体噴射装置において、エンジ
ン回転数とアクセル開度とシリンダ内圧力と前記噴射用
ガスの圧力とをそれぞれ検知するセンサと、圧縮ガス溜
めに付設されて前記噴射用ガスの圧力を制御するリリー
フ弁と、前記センサからの検知信号により前記リリーフ
弁を開閉して前記噴射用ガスの噴射圧力、噴射時期、及
び噴射量をエンジンの運転状態に応じて制御するコント
ローラとを有してなる内燃機関の二流体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22752995A JP3382758B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 内燃機関の二流体噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22752995A JP3382758B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 内燃機関の二流体噴射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0953485A JPH0953485A (ja) | 1997-02-25 |
JP3382758B2 true JP3382758B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=16862339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22752995A Expired - Fee Related JP3382758B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 内燃機関の二流体噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3382758B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002097255A1 (fr) * | 2001-05-22 | 2002-12-05 | Hitachi, Ltd. | Moteur thermique a allumage par compression |
JP4135912B2 (ja) * | 2003-05-16 | 2008-08-20 | 本田技研工業株式会社 | 筒内噴射式内燃機関 |
DE102005016281B4 (de) * | 2005-04-08 | 2010-01-14 | Continental Automotive Gmbh | Betriebsverfahren und Vorrichtung für eine gasbetriebene Brennkraftmaschine |
CN102705110B (zh) * | 2012-06-12 | 2015-07-01 | 北京朗第伦索汽车燃气系统有限公司 | 一种获取燃气实际喷射时间的方法及装置 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP22752995A patent/JP3382758B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0953485A (ja) | 1997-02-25 |
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