JP2017179267A - 樹脂組成物、成形品、電線・ケーブルおよび電線・ケーブルの製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形品、電線・ケーブルおよび電線・ケーブルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも樹脂肉厚を薄くした場合にも良好な耐摩耗特性、耐熱性及び難燃性を有する樹脂組成物、成形品、電線・ケーブル及びその製造方法を提供する。【解決手段】ポリオレフィン樹脂、酸化防止剤のアミン化合物、酸化防止剤のイミダゾール化合物及び金属不活性化剤を含有する樹脂組成物、成形品、電線・ケーブル及びその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、成形品、電線・ケーブルおよび電線・ケーブルの製造方法に関する。
詳しくは、従来よりも樹脂肉厚を薄くした場合にも良好な耐摩耗特性、耐熱性、難燃性を有する樹脂組成物、さらには押出成形機を用いて成形された電線・ケーブルなどの成形品に関し、特に、自動車、電気・電子機器などに使用される電線・ケーブルの被覆材料として好適な樹脂組成物および該樹脂組成物を使用する電線・ケーブルの製造方法に関する。
近年、自動車、電気・電子機器などに使用される電線・ケーブルは、配線スペースの省略や製品の軽量化、小型化が要求されており、その被覆材料には、被膜を薄肉化しても従来の厚みと同等の性能が要求されている。
従来の絶縁電線では、被覆材料に一般的な低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体などを使用したものが多く見られている。しかしながら、これらを使用した樹脂では、薄肉化した場合に摩耗特性が低下して十分な要求性能を満たさない。そのため、分子量分布の狭いメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンを使用するこれらの特許に記載の方法では、いずれも、良好な耐摩耗性は期待できるが、絶縁電線の経済的な押出線速ではメルトフラクチャーによる外観荒れが発生する。
従来、150℃で10,000時間の耐熱寿命のように、極めて耐熱寿命の長い性能を示す樹脂組成物を調製もしくは作製するためには、多量に酸化防止剤(劣化防止剤もしくは老化防止剤)を添加させる必要があった。しかしながら、この結果、耐熱寿命は向上するものの、耐摩耗性などの機械特性が著しく低下し、さらに酸化防止剤のような燃焼しやすい成分を増やすことで難燃特性が著しく低下するという問題があった。このように、耐熱老化性、耐摩耗性、難燃性を両立する樹脂組成物を調製もしくは作製することは非常に難しかった。
例えば、このような長期の耐熱寿命を達成するために一次酸化防止剤として、多量のヒンダードフェノール系老化防止剤が使用されている。また、相乗効果を期待して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤のような二次酸化防止剤を併用することも試みられているが、必ずしも酸化防止剤の使用総量が減少するものでなかった。しかも、上記のように、ヒンダードフェノール系酸化防止剤もチオエーテル系酸化防止剤も非常に燃えやすい成分であるため、難燃特性を著しく低下させる。
特開平10−168248号公報 特開2007−100110号公報
上記のように、耐熱老化性を高めるためには、多量の酸化防止剤を添加する必要がありその結果、耐摩耗性、難燃性を低下させてしまう。このように、耐熱老化性と耐摩耗性、難燃性を両立させるのは非常に困難であった。
従って、本発明は、従来よりも樹脂肉厚を薄くした場合にも良好な耐摩耗特性、耐熱性、難燃性を有する樹脂組成物、該樹脂組成物からなる電線・ケーブルなどの成形品、該樹脂組成物で成形された電線・ケーブルおよびこれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、樹脂の種類、酸化防止剤の種類およびその組み合わせ、各種の添加剤の種類と添加量が重要であることがわかった。特に、一次酸化防止剤として、アミン系酸化防止剤、なかでも芳香族アミン化合物を使用し、イミダゾール系酸化防止剤と金属不活性剤を組み合わせることで、酸化防止剤の添加量が少なくでき、効率的に耐熱老化性を向上させることが可能となった。この知見を基に、さらに検討した結果、被覆を薄肉化した場合にも従来品同等の耐熱老化性、耐摩耗性、難燃性を維持することが可能となることを見出し、本発明に至った。芳香族アミン化合物は燃焼時に生成する燃焼を拡大させるOHラジカルを効率的にトラップすることができ、その効果により難燃性を向上させたものと考えている。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって達成された。
<1>ポリオレフィン樹脂、酸化防止剤のアミン化合物、酸化防止剤のイミダゾール化合物および金属不活性化剤を含有することを特徴とする樹脂組成物。
<2>前記酸化防止剤のアミン化合物が、芳香族アミン化合物であることを特徴とする<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記金属不活性化剤が、下記一般式(M)で表される化合物であることを特徴とする<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
Figure 2017179267
一般式(M)において、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Rはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアシルアミノ基を示す。
<4>前記ポリオレフィン樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5>前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、前記アミン化合物の酸化防止剤を0.1〜6質量部、前記イミダゾール化合物の酸化防止剤を7〜20質量部および前記金属不活性化剤を0.1〜6質量部を含有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6>前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、フェノール化合物の酸化防止剤を0〜2質量部含有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<7>前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、チオエーテル化合物の酸化防止剤を0〜5質量部含有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<8>前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、三酸化アンチモンを6〜14質量部含有し、かつ、該三酸化アンチモンの含有モル量に対して、2〜5倍モルの臭素量となる臭素系難燃剤を含有することを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<9>前記の全ての酸化防止剤および前記金属不活性化剤の合計含有量が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、10〜28質量部であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<10>前記樹脂組成物が、電線もしくはケーブルの被覆材樹脂組成物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<11>前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
<12>導体上に、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる被覆層を有することを特徴とする電線・ケーブル。
<13>導体上に、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を押出成形して被覆層を形成することを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
本発明により、従来よりも樹脂肉厚を薄くした場合にも良好な耐摩耗特性、耐熱性、難燃性を有する樹脂組成物、該樹脂組成物からなる電線・ケーブルなどの成形品、該樹脂組成物で成形された電線・ケーブルおよびこれらの製造方法を提供することが可能となった。
<<樹脂組成物>>
本発明の樹脂組成物は、少なくとも、ポリオレフィン樹脂、酸化防止剤のアミン化合物、酸化防止剤のイミダゾール化合物および金属不活性化剤を含有する。
以下、樹脂組成物に含有する成分を詳細に説明する。
<樹脂>
本発明では、樹脂成分として、少なくともポリオレフィン樹脂を使用する。
ポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸もしくエステル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、塩化ビニルのようにエチレン性不飽和基を有するモノマーを単独もしくは共重合して得られる樹脂である。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体や、スチレン系、ブタジエン系などの熱可塑性ラストマー、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴムが挙げられ、酸変性されていてもよい。ここで、酸変性は、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体によるものが好ましい。
ポリエチレンは、エチレンの単独重合またはα−オレフィンとの共重合体であって、酸変性体も含むが、密度、形状、分子量により、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)などに分類されている。また、製造する際に、使用する触媒により、チーグラー・ナッタ触媒を使用するチーグラ触媒ポリエチレン、メタロセン触媒を使用するメタロセン触媒ポリエチレンに分類される。
なお、ポリオレフィンにおける「低密度」とは、密度(比重)が0.940g/cm以下を意味する。
ポリプロピレンは、ホモポリプロピレン(h−PP)、エチレンとの共重合体であるランダムポリポロレン(r−PP)、ブロックポリプロピレン(br−PP)が代表的である。
本発明では、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび酸変性ポリオレフィンから選択される少なくとも1種の樹脂が好ましく、低密度ポリエチレン、ブロックポリプロピレン、酸変性ポリエチレンおよび酸変性ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の樹脂がより好ましい。
本発明では、特に、低密度ポリエチレン、または、低密度ポリエチレンと、ポリプロピレンおよび酸変性ポリオレフィンから選択される少なくとも1種の樹脂との併用が好ましい。
(低密度ポリエチレン)
低密度ポリエチレンの密度は、0.940g/cm以下が好ましく、0.900〜0.940g/cmがより好ましく、0.910〜0.930g/cmがさらに好ましい。
なお、密度は、JIS K 7112の方法に従って測定した密度である。
また、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト(Melt Flow Rate;MFR)は、0.1〜20g/10minが好ましく、0.2〜10g/10minがより好ましい。
なお、メルトフローレイト(MFR)は、試験機械はJIS K6760で定められた押出し形プラストメータ(メルトインデクサー)を用い、JIS K7210の方法で測定できる。
低密度ポリエチレン(LDPE)としては、市販されているものを用いることができ、例えば、東ソー(株)製のペトロセン180R、ペトロセン170R、ペトロセン173R、住友化学(株)製のスミカセンF218−0、スミカセンF200、スミカセンG401、日本ポリエチレン(株)製のノバテック LF443、ノバテック LF280H、ノバテック LF448Kなどが挙げられる。
1)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
本発明では、低密度ポリエチレンのなかでも、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンのメルトフローレイト(MFR)は、0.1〜20g/10minが好ましく、0.2〜10g/10minがより好ましく、0.5〜8g/10minがさら好ましく、0.5〜6g/10minが特に好ましく、0.7〜4g/10minが最も好ましい。
このような高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂の市販品としては、例えば、ノバテック LF280(商品名 日本ポリエチレン(株)製、MFR0.7g/10min、密度0.928g/cm)、ノバテック LF440HB(商品名 日本ポリエチレン(株)製、MFR2.8g/10min、密度0.924g/cm)、ノバテック HE30(商品名 日本ポリエチレン(株)製、MFR0.27g/10min、密度0.920g/cm)、ノバテック LS640(商品名 日本ポリエチレン(株)製、MFR5.0g/10min、密度0.924g/cm)などが挙げられる。
なお、高圧ラジカル法ポリエチレン樹脂とは、エチレンモノマーを高圧ラジカル重合法により重合したエチレン重合体であり、ノバテック LF280などは単独重合体である。
2)メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン
本発明では、低密度ポリエチレンのなかでも、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン樹脂も好ましい。
メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(Me−LLDPE)とは、メタロセン触媒にて重合された狭分子量分布のエチレン−α―オレフィン共重合体である。例えば、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンなどが用いられる。
ここで、メタロセン触媒は、金属中心に結合もしくは配位された1つまたは複数のシクロペンタジエニル基(環)を含む有機金属触媒である。シクロペンタジエニル基(環)はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アミド基、アルコキシ基などの置換基で置換されていてもよく、また、インデニル、テトラヒドロインデニルもしくはフルオレニルなどの飽和または不飽和の多環式ペンタジエニル基を形成してもよい。触媒はシクロペンタジエニル型でない他の配位子も含んでよい。金属中心は元素の周期律表の第IV族またはランタニド系列が挙げられる。
メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレイト(MFR)は、0.1〜20g/10minが好ましく、0.5〜8g/10minがより好ましく、1〜4g/10minがさらに好ましい。
メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンとしては、例えば、プライムポリマー社製のエボリューSP2040(商品名)、宇部丸善ポリエチレン社製のユメリット0540F(商品名)、日本ポリエチレン社製のハーモレックスNH464A(商品名)が挙げられる。
(ポリプロピレン)
ポリプロピレンは、ホモプロピレン、ランダムプロピレン、ブロックポリプロピレンのいずれでも構わないが、本発明ではブロックポリプロピレンが好ましい。
ブロックポリプロピレンは、エチレン−プロピレンブロック共重合体であって、プロピレン以外の成分が1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の含有量で、プロピレン成分の中に独立して存在する海島構造を有するものである。海島構造は、例えば、ホモポリプロピレンポリマーの「海」の中にエチレン−プロピレン重合体の「島」が浮かぶ構造であり、この「島」は、ホモポリエチレンポリマーの周辺をエチレン−プロピレン重合体で取り囲まれたものであっても構わない。なお、ブロックポリプロピレンは、上記のように、ホモポリプロピレン連鎖とエチレン−プロピレン共重合体連鎖が、必ずしも化学的に結合されているものではない。
本発明では、ブロックポリプロピレンは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が130〜180℃が好ましく、155〜165℃がさらに好ましい。
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が、上記のような範囲であることにより、成形装置への負荷の低減、樹脂組成物混練時の分散性が改善される。
上記融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えば、島津製作所社製のDSC−50で測定することができる。
また、230℃において荷重2.16kgfで測定したメルトフローレイト(MFR)は0.1〜50g/minが好ましく、0.5〜5g/minがさらに好ましい。
メルトフローレイト(MFR)が、上記のような範囲であることにより、成形装置への負荷の低減、樹脂組成物の流動性、樹脂組成物混練時の分散性が改善される。
上記メルトフローレイト(MFR)は、メルトインデクサー(例えば、東洋精機社製のメルトインデクサーG−01)を使用し、190℃において荷重2.16kgfの条件および方法で測定することができる。
ブロックポリプロピレンとしては、例えば、プライムポリマー社製のプライムポリプロ E150GK(商品名)、E253G(商品名)、サンアロマー社製PB270A(商品名)が挙げられる。
(酸変性ポリオレフィン)
酸変性は、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体によるものが好ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などが挙げられる。ポリオレフィンの酸変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を有機パーオキサイドの存在下で、加熱・混練することにより行うことができる。
酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性ポリオレフィン、酸変性ポリプロピレンが好ましく、酸変性ポリエチレンがより好ましく、酸変性の低密度ポリエチレンがさらに好ましく、酸変性の直鎖状低密度ポリエチレンが特に好ましい。
酸変性のポリオレフィンとしては、例えば、日本ポリエチレン社製のアドテックスL6100Mを含む「アドテックス」(商品名)、三井化学社製の「アドマー」(商品名)、三菱化学社製の「モディック」(商品名)、クロンプトン社製の「ポリボンド」(商品名)が挙げられる。
<ポリオレフィン樹脂中の各種ポリオレフィンの含有量>
本発明では、樹脂成分は、低密度ポリエチレン、または、低密度ポリエチレンと、ポリプロピレンおよび酸変性ポリオレフィンから選択される少なくとも1種の樹脂との併用が好ましい。
低密度ポリエチレンと、ポリプロピレンおよび酸変性ポリオレフィンから選択される少なくとも1種の樹脂との併用する場合、樹脂成分全体に占める低密度ポリエチレンの含有量は65質量%以上100質量%未満が好ましく、65質量%以上90質量%以下がより好ましく、77質量%以上82質量%以下がさらに好ましい。
低密度ポリエチレンと併用する樹脂は、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンと酸変性ポリオレフィンの両方と併用することも好ましい。
低密度ポリエチレンと併用するポリプロピレンは、ブロックポリプロピレンが好ましい。
低密度ポリエチレン、なかでもメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンとともにブロックポリプロピレンを使用することで、押出成形における樹脂組成物の押出速度(線速)の高速化が可能となり、電線・ケーブルの被覆材料などの成型品では、高速押出しても、外観にツヤがあり滑らかであり、外観異常が生じない。
このような効果は、ホモポリプロピレン、ランダムプロピレン、ブロックポリプロピレンのなかでも、ブロックポリプロピレンが最も優れている。
ブロックポリプロピレンを併用する場合、ポリオレフィン樹脂中に含有するブロックポリプロピレンの含有量は、0質量%を超え35質量%以下が好ましく、3質量%以上35質量%以下がより好ましく、8質量%以上13質量%以下がさらに好ましい。
低密度ポリエチレンと併用する酸変性ポリオレフィンは、酸変性ポリエチレンが好ましい。
酸変性ポリオレフィンを使用する場合、ポリオレフィン樹脂中に含有する酸変性ポリオレフィンの含有量は、0質量%以上35質量%未満が好ましく、0質量%を超え35質量%未満がより好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
特に、酸変性ポリオレフィンは、低密度ポリエチレンとポリプロピレンに加えて使用することが好ましく、酸変性ポリオレフィンを併用することで、引張特性や耐低温特性の向上の効果が高まる。
低密度ポリエチレンは、ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン以外に、エチレン−α−オレフィンとの共重合体の高密度ポリエチレン、チーグラ触媒ポリエチレン、非直鎖状ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン以外のモノマー(ブタジエン、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸もしくエステル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、塩化ビニルなど)との共重合体や、前述の熱可塑性ラストマー、合成ゴムおよびこれらの酸変性体が挙げられる。
これらのポリオレフィンを使用する場合、ポリオレフィン樹脂中に含有するこれらのポリオレフィンの含有量は、0質量%以上35質量%未満が好ましく、0質量%を超え35質量%未満がより好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
<ポリオレフィン樹脂以外の樹脂>
本発明では、ポリオレフィン樹脂とともに、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含有しても構わない。
このような樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンなどが挙げられる。
ただし、本発明では、樹脂成分としては、ポリオレフィン樹脂のみが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明では、酸化防止剤として、少なくともアミン化合物およびイミダゾール化合物を使用する。
なお、以下では、酸化防止剤のアミン化合物をアミン系酸化防止剤、イミダゾール化合物をイミダゾール系酸化防止剤と称す。同じく、酸化防止剤のフェノール化合物をフェノール系酸化防止剤(このなかでも好ましいヒンダードフェノール化合物をヒンダードフェノール系酸化防止剤)、チオエーテル結合(−S−)を有する化合物をチオエーテル系酸化防止剤と称す。
(アミン系酸化防止剤)
酸化防止剤のアミン化合物としては、ポリマーの劣化防止に使用されるアミン系酸化防止剤が好ましい。
このようなアミン化合物としては、脂肪族アミン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのような環状の5または6員環のアミン化合物、芳香族アミン化合物などが挙げられる。
本発明では、芳香族アミン化合物が好ましく、ジアリールアミン化合物、トリアリールアミン化合物、ベンゼン環が縮環した5または6員の環状アミン化合物がより好ましく、ジアリールアミン化合物、ジヒドロもしくはテトラヒドロキノリン環構造を有するアミン化合物もしくはその重合体がさらに好ましい。
一方、芳香族アミン化合物の好ましい化合物を一般式で示すと、下記一般式(A)で表される。
Figure 2017179267
一般式(A)において、Raは置換基を示す。nは0〜5の整数である。ここで、nが2〜5の場合、複数のRは互いに同一であっても異なってもよく、また、互いに結合して環を形成してもよい。Rbはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を示す。RaとRbが互いに結合して環を形成してもよい。
Raにおける置換基は、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
nは0〜3の整数が好ましく、0または1がより好ましく、1がさらに好ましい。
Rbにおけるアルキル基は炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシルが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、Raにおける置換基が挙げられる。
Rbにおけるアルケニル基は炭素数2〜24のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル、アリル、オレイルが挙げられる。
アルケニル基は、置換基を有してもよく、Raにおける置換基が挙げられる。
Rbにおけるシクロアルキル基の炭素数は3〜24が好ましい。環員数は3〜7員環が好ましく、3〜6員環がより好ましく、5または6員環がさらに好ましい。
シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
シクロアルキル基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、Raにおける置換基が挙げられる。
Rbにおけるアリール基は、炭素数は6〜24のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
アリール基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、Raにおける置換基が挙げられる。
Rbにおけるヘテロ環基の炭素数は0〜24が好ましく、環構成ヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子が好ましく、該ヘテロ原子を1〜5個有するヘテロ環基が好ましい。また、ヘテロ環基のヘテロ環は、5または6員環が好ましく、ヘテロ芳香環であってもよく、さらに、ヘテロ環に、ベンゼン環などの他の環が縮環していてもよい。
ヘテロ環基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、Raにおける置換基が挙げられる。
ヘテロ環基のヘテロ環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環またはこれらのベンゼン縮合環が挙げられる。
複数のRaが互いに結合して形成する環としては、3〜6員環が好ましく、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環が挙げられる。
RaとRbが互いに結合して形成する環としては、5または6員環が好ましく、芳香環でない環が好ましく、例えば、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環が挙げられる。
なお、形成された環に二重結合を含む環、例えば、シクロヘキセン環の場合、該二重結合で重合した重合体も好ましい。
Raは、結合位の原子が、水素原子を有しない炭素原子である基が好ましく、−C(Rc)で表されるアルキル基が好ましい。ここで、Rcは置換基を表し、該置換基としては、Raにおける置換基が挙げられ、アルキル基またはアリール基がなかでも好ましい。
Rbは、アリール基、または、第二級もしくは第三級アルキル基、またはRaと結合して環を形成する基が好ましい。
Rbが、アリール基の場合、結合位の原子が、水素原子を有しない炭素原子である基、特に上記−C(Rc)で表されるアルキル基が置換したアリール基が特に好ましい。
RbがRaと結合して環を形成する基は、形成された環が5または6員環で、上記の窒素原子と、水素原子を1個以下(好ましくは水素原子を有さない)の炭素原子を介して形成された環が特に好ましい。なかでも、環を形成することによって、一般式(A)で表される化合物が、1,2−ジヒドロキノリン環もしくはその重合体である場合が最も好ましい。
芳香族アミン化合物としては、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
アミン系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.1〜6質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
(イミダゾール系酸化防止剤)
イミダゾール化合物は、イミダゾール環を有する化合物であれば、ベンゼン環など、他の環が縮環した化合物でも構わないが、ベンズイミダゾール化合物が好ましい。
本発明では、イミダゾール環にメルカプト基が置換した化合物が特に好ましく、このメルカプト基は金属塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩)を形成しいてもよい。
イミダゾール化合物としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、4−メルカプトメチルベンズイミダゾール、5−メルカプトメチルベンズイミダゾールなどや、これらの亜鉛塩などが挙げられる。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
イミダゾール系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、7〜20質量部が好ましく、7〜14質量部がより好ましい。
(フェノール系酸化防止剤)
本発明では、アミン系酸化防止剤とイミダゾール系酸化防止剤に加えて、フェノール系酸化防止剤を併用しても構わない。
フェノール系酸化防止剤は、ポリマーの劣化防止に使用されるフェノール系酸化防止剤が好ましい。
このなかでも、フェノールのオルト位に、第二級もしくは第三級のアルキル基が置換したヒンダードフェノール化合物(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0〜2質量部が好ましく、0〜1質量部がより好ましい。
(チオエーテル系酸化防止剤)
本発明では、アミン系酸化防止剤とイミダゾール系酸化防止剤に加えて、チオエーテル系酸化防止剤を併用しても構わない。
チオエーテル系酸化防止剤は、チオエーテル結合(−S−)を有する化合物であり、アルキルチオ基を有するフェノールやアミノフェノールも存在する。
チオエーテル系酸化防止剤としては、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオン酸]2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロピルオキシ]メチル]−1,3−プロパンジイルなどが代表的であり、また、フェノールやアミノフェノールの置換基として、アルキルチオ基を有する、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、4−[[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなどが挙げられる。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
チオエーテル系酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0〜5質量部が好ましく、0〜2質量部がより好ましい。
<金属不活性化剤>
金属不活性化剤は、重金属イオンと錯体を形成することにより不活性化し、触媒作用を防止する化合物であり、いわゆるキレート剤である。
金属不活性化剤は、重金属イオンと錯体を形成する化合物であればどのような化学構造でも構わないが、本発明では、下記一般式(M)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017179267
一般式(M)において、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Rはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアシルアミノ基を示す。
におけるアルキル基は、炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシルが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
におけるアルキル基は、特に、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル基が好ましい。
におけるアリール基は、炭素数6〜24のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル、ナフチルが挙げられる。
アリール基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
におけるアリール基は、特に、2−ヒドロキシフェニル基が好ましい。
におけるアルキル基は、Rにおけるアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
におけるアリール基は、Rにおけるアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
におけるヘテロ環基の炭素数は0〜24が好ましく、環構成ヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子が好ましく、該ヘテロ原子を1〜5個有するヘテロ環基が好ましい。また、ヘテロ環基のヘテロ環は、5または6員環が好ましく、ヘテロ芳香環であってもよく、さらに、ヘテロ環に、ベンゼン環などの他の環が縮環していてもよい。
本発明では、Rにおけるヘテロ環基は、環構成原子が窒素原子のヘテロ環基が好ましく、ヘテロアリール基がより好ましく、5員環のヘテロアリール基がさらに好ましい。
ヘテロ環基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基のヘテロ環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環またはこれらのベンゼン縮合環が挙げられる。
におけるヘテロ環基は、特に、2H−1,2,4−トリアゾール−5−イル基が好ましい。
におけるアシルアミノ基の炭素数は1〜24が好ましく、ホルミルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アルケノイルアミノ基、シクロアルカノイルアミノ基、アリーロイルアミノ基、ヘテロ環カルボニルアミノ基を含む。
アシルアミノ基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
アシルアミノ基は、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、アクリロイルアミノ、メタクリロイルアミノ、シクロプロピオニルアミノ、シクロペンタノイルアミノ、シクロヘキサノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジノイルアミノが挙げられる。
におけるアシルアミノ基は、特に、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノイル基、11−(2−ヒドロキシベンゾイルヒドラジノカルボニル)ドデカノイルアミノ基が好ましい。
本発明では、Rがアルキル基またはアリール基であって、Rがヘテロ環基またはアシルアミノ基である場合が好ましい。
金属不活性化剤としては、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2−フェノキ シプロピオニルヒドラジド)、N−ホルミル−N‘−サリシロイルヒドラジン、2,2−オキザミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オキザリル ビス(ベンジリデンヒドラジド)などが挙げられる。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
金属不活性化剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.1〜6質量部が好ましく、2〜4質量部がより好ましい。
(酸化防止剤と金属不活性化剤の合計含有量)
全ての酸化防止剤および金属不活性化剤の合計含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、10〜30質量部が好ましく、10〜28質量部がより好ましく、12〜26質量部がさらに好ましい。
<難燃剤>
本発明では、難燃剤を使用することが特に好ましい。
難燃剤としては、水酸化金属を含む金属水和物やハロゲン系難燃剤などが挙げられる。
金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ、樹脂組成物中の樹脂成分との相溶性向上、樹脂組成物の機械特性向上などの点から、脂肪酸やシランカップリング剤で表面処理されたものでもよい。
ハロゲン系難燃剤としては、ハロゲン原子が、塩素原子、臭素原子のものが挙げられ、それぞれ塩素系難燃剤、臭素系難燃剤と称す。
塩素系難燃剤は、例えば、塩素化パラフィンが挙げられる。
このうち、本発明では、臭素系難燃剤が好ましい。
(臭素系難燃剤)
臭素系難燃剤は、臭素原子が置換した脂肪族炭化水素化合物、臭素原子が置換した脂環式炭化水素化合物、臭素原子が置換した芳香族炭化水素化合物、臭素原子が置換したエーテル化合物などが挙げられる。
本発明では、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)〔別名:ビス(ペンタブロモフェニル)エタン〕、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、TBBA−カーボネート・オリゴマー、TBBA−エポキシ・オリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBBA−ビス(ジブロモプロピルエーテル)、ポリ(ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン(HBB)が好ましい。
これらは1種で用いても2種以上併用してもよい。
臭素系難燃剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、18〜36質量部が好ましく、20〜32質量部がより好ましく、24〜30質量部がさらに好ましい。
(三酸化アンチモン)
三酸化アンチモンは臭素系難燃剤の難燃助剤として用いられ、臭素系難燃剤と併用すると相乗効果が得られ、難燃性がさらに向上する。このため、本発明では、三酸化アンチモンを使用することが、特に好ましい。
三酸化アンチモンは、鉱物として産出される三酸化アンチモンを粉砕処理して微粒化して用いる。その際、平均粒子径は、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
なお、三酸化アンチモンは純度99%以上のものを用いるのが好ましい。
三酸化アンチモンの含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、を6〜14質量部が好ましく、8〜14質量部がより好ましく、8〜12質量部がさらに好ましい。
また、臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの混合比率は、臭素元素とアンチモン元素のモル比において、樹脂組成物中に含有するアンチモン元素に対してモル比で2〜5倍モルの臭素量となる量の範囲内であるのが好ましい。すなわち、三酸化アンチモンの含有モル量に対して、2〜5倍モルの臭素量となる臭素系難燃剤を含有することが好ましい。
<耐熱性向上剤>
本発明では、耐熱性向上剤として硫化亜鉛、もしくは酸化亜鉛を適宜添加してもよい。
<架橋剤、架橋助剤>
本発明では、本発明の樹脂組成物を架橋することが好ましい。
このため、架橋剤もしくは架橋助剤を含有することが好ましい。
架橋する方法として、従来の電子線照射架橋法や化学架橋法が採用できる。
このうち、本発明では、電子線照射架橋法で架橋するのが好ましく、本発明の樹脂組成物中に架橋助剤を含有することが好ましい。
電子線架橋法の場合は、本発明の樹脂組成物を押出成形した後に常法により電子線を照射することにより架橋を行う。電子線の線量は、特に限定されないが、例えば、1〜30Mradが好ましい。電子線照射架橋法において、効率よく架橋を行うために、本発明の樹脂組成物に、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として配合させることができる。
本発明の樹脂組成物中の架橋助剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、1〜8質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましく、2〜4質量部がさらに好ましい。
一方、化学架橋法の場合は、本発明の樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として配合し、押出成形した後に、有機パーオキサイドが熱分解する温度以上に、加熱することにより、架橋を行うことができる。このとき用いる有機パーオキサイドは、熱分解によりラジカルを発生するものであれば特に限定されない。
本発明の樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、有機パーオキサイド中のパーオキシ結合「−O−O−」当たり20mmol以下が好ましく、15mmol以下がより好ましく、10mmol以下がさらに好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、電線、ケーブルなどにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、分散剤、可塑剤、充填剤、顔料などを本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ適宜配合することができる。
<<樹脂組成物の製造方法>>
本発明の樹脂組成物は、さらに必要に応じて、これ以外の樹脂、各種添加剤をそれぞれの所望の量調合し、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等のバッチ式混練機あるいは二軸押出機などの通常用いられる混練装置で溶融混練することにより得ることができる。
<<成形品、電線・ケーブルおよびその製造方法>>
本発明の樹脂組成物は、各種の成形品、なかでも電線・ケーブルの被覆材料として好ましく適用される。
電線・ケーブルを含む成型品は、本発明の樹脂組成物を押出機により押出成形して、所望の形状に成形して、製造されたものが好ましい。電線・ケーブルの場合、導体、芯線、導体束またはファイバ心線等(導体等ということがある)や、被覆層の周囲に本発明の樹脂組成物を押出被覆して、電線・ケーブルを製造することができる。
本発明の電線・ケーブルにおける導体径や導体の材質、被覆層の厚さなどは特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。
また、導体と被覆層、被覆層と被覆層の間に中間層や遮蔽層を設けるなどの多層構造をとってもよい。
本発明の樹脂組成物を押出成形する際の条件は、本発明の樹脂組成物を押出すことができれば特に限定されないが、押出機(押出成形機)への負荷を低減でき、しかも形状維持性をも確保できる点で、押出温度(ヘッド部)が170〜280℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。
また、押出成形の他の条件として、通常の条件を、適宜に設定でき、特に制限はない。押出速度(押出線速)は、制限するものではないが、特に、本発明では、高速押出に対して優れており、生産性が向上する。
押出機のスクリュー構成は、上述のように、特に限定されず、通常のフルフライトスクリュー、ダブルフライトスクリュー、先端ダブルフライトスクリュー、マドックスクリュー等を使用できる。
導体の形状や材質は、一般に電線・ケーブルで用いられている形状、材質(銅、アルミニウムなど)であればどのような導体でもよい。
また、被覆層の厚みは、特に制限がない。本発明の樹脂組成物を使用した場合、被覆層の厚みを薄くしても耐摩耗性に優れる利点がある。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明をこれらに限定されない。
実施例1〜30および比較例1〜18
実施例1〜30および比較例1〜18の樹脂組成物を形成する素材の構成を下記表1〜5に示した。
使用した素材の詳細は下記のとおりである。
(使用素材)
A.ポリオレフィン樹脂
・高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE)
ノバテック LF280(商品名 日本ポリエチレン(株)製、MFR0.7g/10min、密度0.928g/cm
B.酸化防止剤
(1)アミン系酸化防止剤
・ノクラックCD(商品名 大内新興化学工業(株)製)
・ノクラック224(商品名 大内新興化学工業(株)製)
(2)イミダゾール系酸化防止剤
・ノクラックMB(商品名 大内新興化学工業(株)製)
・ノクラックMMB(商品名 大内新興化学工業(株)製)
・ノクラックMBZ(商品名 大内新興化学工業(株)製)
(3)ヒンダートフェノール系酸化防止剤
・Irganox 1010(商品名 BASF社製)
(4)チオエーテル系酸化防止剤
・アデカスタブAO−412S(商品名 (株)アデカ製)
C.金属不活性化剤
・IRGANOX MD1024(商品名 BASF社製)
・アデカスタブCDA−1(商品名 (株)アデカ製)
・アデカスタブCDA−6(商品名 (株)アデカ製)
・アデカスタブCDA−10(商品名 (株)アデカ製)
D.難燃剤
(1)臭素系難燃剤
・SAYTEX 8010(商品名 アルベマール社製)
(2)三酸化アンチモン
・PATOX−C(商品名 日本精鉱(株)製)
E.架橋助剤
・オグモントT200(商品名 新中村化学工業(株)製:トリメチロールプロパンメタクリレート)
[樹脂組成物ペレットの製造]
下記表1〜5に示す配合処方に従い、1.7リットルのバンバリーミキサーを用いて170℃で溶融混合し、混合物を排出し、押出機を通して造粒して、各実施例および比較例の樹脂組成物ペレットを得た。
[絶縁電線の製作]
上記で得られた各樹脂組成物ペレットを、温度を130〜200℃に設定した押出機を用いて、導体上に押出被覆した後、被覆層を電子線で架橋し、それぞれ、以下の(i)および(ii)の2種の絶縁電線を製造した。
なお、電子線による架橋は、加速電圧1000keVにて、200kGyの条件で行った。
(i)断面積が3.0mmの銅からなる導体上に0.4mmの厚さで押出被覆した絶縁電線
(ii)断面積が30mmの銅からなる導体上に0.8mmの厚さで押出被覆した絶縁電線
[性能評価]
上記のようにして製造した各絶縁電線を、下記の耐摩耗性、難燃性および耐熱性の性能評価を行った。
(耐摩耗性)
前記(ii)の絶縁電線を使用し、自動車用電線規格(JASO) D618に規定されている方法に基づいて実施した。摩耗テープはアルミナ180番を使用し、追加荷重は1.9kgとし、以下の基準で評価した。
評価基準
A:導体が露出するまでのテープ移動距離が4500mm以上
B:導体が露出するまでのテープの移動距離が3430mm以上4500mm未満
C:導体が露出するまでのテープの移動距離が3430mm未満
(難燃性)
日本自動車技術会規格(JASO) D608−92に基づき、300mmの試料を準備し、水平燃焼試験を実施した。口径10mmのブンゼンバーナーを用いて還元炎の先端を試料中央部の下から10秒間当て、炎を静かに取り去った後の残炎時間を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準
A:炎がすぐに消えるもの
B:炎がすぐに消えないが、残炎時間が30秒以内のもの
C:残炎時間が30秒を超えるもの
(耐熱性)
自動車規格(JASO)D609:2001およびD611:2009の連続耐熱温度により耐熱性を評価した。具体的には、170℃、180℃、190℃、200℃の各温度で老化試験を実施し、引張伸びが100%を切るまでの時間を求め、アレニウスプロットにより、10000時間で伸びが100%となる温度を求め、耐熱寿命とし、以下の基準で評価した。
評価基準
A:151℃を超えるもの
B:150℃を超え、151℃未満のもの
C:150℃未満のもの
いずれの評価項目も、Cランクは、目標レベルに達しない。
得られた結果を下記表1〜5にまとめて示す。
ここで、表中の数字は質量部である。また、「−」は未使用であり、従って、配合量は0質量部である。
Figure 2017179267
Figure 2017179267
Figure 2017179267
Figure 2017179267
Figure 2017179267
上記表1〜5から、ポリオレフィン樹脂とともに、アミン系酸化防止剤、イミダゾール系酸化防止剤および金属不活性化剤の3種類が含まれている実施例1〜30の電線は、いずれも耐摩耗性、難燃性、耐熱性のいずれにも優れ、ともに合格レベルB以上を達成している。
ここで、酸化防止剤と金属不活性剤の合計量が20質量部を超えなければ耐摩耗性は優れたレベルAとなる傾向にある。また、金属不活性剤は充填しすぎると、難燃性が低下する傾向にあり、6質量部を超えると優れたレベルAにならず合格レベルBにとどまる性能となる。
これに対して、比較例1〜18の電線では、アミン系酸化防止剤とイミダゾール系酸化防止剤、金属不活性化剤の3種類が含まれていない樹脂組成では、耐摩耗性、難燃性、耐熱性のいずれかが、合格レベルBを達成していない。
このため、耐摩耗性、難燃性、耐熱性のいずれにも優れた効果を示すには、少なくともアミン系酸化防止剤、イミダゾール系酸化防止剤および金属不活性化剤の3種類が含まれていることが重要である。
上記結果から、本発明の樹脂組成物は、樹脂肉厚を薄くした場合にも、優れた耐摩耗特性、耐熱性、難燃性を有することから、自動車、電気・電子機器などに使用される電線・ケーブルの被覆材として好適に使用できることがわかる。

Claims (13)

  1. ポリオレフィン樹脂、酸化防止剤のアミン化合物、酸化防止剤のイミダゾール化合物および金属不活性化剤を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記酸化防止剤のアミン化合物が、芳香族アミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記金属不活性化剤が、下記一般式(M)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2017179267
    一般式(M)において、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Rはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアシルアミノ基を示す。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、前記アミン化合物の酸化防止剤を0.1〜6質量部、前記イミダゾール化合物の酸化防止剤を7〜20質量部および前記金属不活性化剤を0.1〜6質量部を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、フェノール化合物の酸化防止剤を0〜2質量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、チオエーテル化合物の酸化防止剤を0〜5質量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、三酸化アンチモンを6〜14質量部含有し、かつ、該三酸化アンチモンの含有モル量に対して、2〜5倍モルの臭素量となる臭素系難燃剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記の全ての酸化防止剤および前記金属不活性化剤の合計含有量が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、10〜28質量部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記樹脂組成物が、電線もしくはケーブルの被覆材樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
  12. 導体上に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる被覆層を有することを特徴とする電線・ケーブル。
  13. 導体上に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を押出成形して被覆層を形成することを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
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