JP2017179169A - 被膜形成用の塗布液、及び該塗布液を用いた被膜付基材 - Google Patents

被膜形成用の塗布液、及び該塗布液を用いた被膜付基材 Download PDF

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Abstract

【課題】造膜時の収縮を抑制でき、厚膜形成に好適な被膜形成用の塗布液、及びかかる塗布液を用いた膜付基材を提供する。【解決手段】 シリカ粒子と分散媒とを含む被膜形成用塗布液であって、シリカ粒子が、(a)平均粒子径が10〜500nm、(b)粒子径変動係数が20%以下、(c)SiO2純度が99.5%以上、(d)真球度が0.90以上、及び(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下、の要件を満たしている。【選択図】図1A

Description

本発明は、造膜時の収縮を抑制することができる被膜形成用の塗布液、及びかかる塗布液を用いた被膜付基材に関する。
近年、半導体装置、液晶装置、センサー装置、表示装置などの製造業界においては、半導体基板上、多層配線構造の配線層間、素子表面および/またはPN接合部を設けてなる基板上や液晶基板上などに、絶縁膜としてシリカ系膜を形成することが多い。シリカ系膜の形成には、CVD法や塗布法が用いられるが、CVD法では厚膜形成に時間がかかるため、短時間で形成できる塗布による成膜プロセスが求められている。
このようなシリカ系塗膜を形成するための液状組成物として、例えば、特定のアルコキシシランを加水分解重縮合させて得られるシリカゾルと、アルコキシシランの部分加水分解物との反応物を含む塗膜形成用塗布液が提案されている(特許文献1参照)。この塗布液は、まずシリカゾルを調製したのち、更にこのシリカゾルと新たなアルコキシシランまたはその部分加水分解物とを反応させて得られる。そのため、シリカ粒子の表面で、このシリカ粒子と新たなアルコキシシランとの結合反応が起り、その結果、ピンホールあるいはボイドなどが発生することがなく、緻密であって、密着性、機械的強度、耐薬品性、耐湿性、絶縁性などに優れ、更に比誘電率の低いシリカ系被膜を形成する塗布液が得られる。
また、シリカ微粒子と、特定のアルコキシシランおよび/または特定のハロゲン化シランまたはこれらの加水分解物との反応物を含有する低誘電率シリカ系塗膜形成用塗布液が提案されている(特許文献2参照)。この塗布液を得るために、シリカ微粒子と、特定のアルコキシシランまたは特定のハロゲン化シランの加水分解物の少なくとも一部とを反応させている。そのため、シリカ微粒子の表面で、このシリカ微粒子とアルコキシシランまたはハロゲン化シランとの反応が起こる。その結果、比誘電率が小さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、同時に耐クラック性に優れた絶縁膜を形成でき、しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦化できる塗布液が得られる。
特開平3−263476号公報 特開平9−315812号公報
上記特許文献1及び2に記載の塗布液は、シリカ微粒子調合後に、分散液の状態で、加熱処理を行うことでアルコキシシランの重縮合が一層促進され、シリカ微粒子内部が緻密化されたものである。しかしながら、分散液の沸点、又はオートクレーブでの処理程度の温度では、架橋反応が十分ではなく、未架橋のシラノール基が残ってしまうため、造膜時の加熱処理により収縮が起こり、厚みが2μm以上の膜を形成しようとすると、クラックが発生し、厚膜の形成ができないという問題があった。また、シリカ微粒子だけではなく、塗布液中に含まれるバインダーとなるアルコキシシランの加水分解物部分もSiOR基やSiOH基を含有しており、これが膜収縮の要因となって、クラック発生の原因となっていた。
さらに、上記特許文献1及び2に記載の塗布液を用いた造膜時の加熱処理温度は、高温になるとSiR基の分解による収縮も発生するため、高温プロセスを用いると、更にクラックが入り易いという問題もあった。
このように、従来の塗布液では、耐熱性に優れると共にクラックの発生しない2μm以上のシリカ系被膜を得ることは困難であった。
そこで、本発明は、造膜時の収縮を抑制でき、厚膜形成に好適な塗布液、及びかかる塗布液を用いた膜付基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、半導体基板等にシリカ系膜を形成する方法として、CVD法と比較して短時間かつ低コストで被膜形成が可能な塗布法に着目した。その結果、特定の要件を満たすシリカ粒子を用いた塗布液で被膜を形成することにより、厚膜形成時にも、クラックの発生し難い被膜を形成することができることを見いだした。さらに、この塗布液や被膜は、450℃を超える高温プロセスにも耐えられることを見いだした。
すなわち、本発明の塗布液は、下記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子と分散媒とを含んでいる。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数が20%以下
(c)SiO純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
また、本発明の被膜付基材は、上記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子を主体とする被膜が基材上に形成されている。
さらに、本発明の被膜形成用シリカ粒子は、上記(a)〜(e)の要件を満たす粒子である。
本発明の塗布液によれば、造膜時にシリカ粒子が収縮しないので、得られる被膜付基材は、クラックが発生し難く、厚膜の形成が可能である。
解砕を説明する模式図である。 粉砕を説明する模式図である。 本発明に用いる解砕装置の一態様を示すモデル図である。
[被膜膜形成用の塗布液]
本発明の塗布液は、下記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子と分散媒とを含んでいる。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数(CV値)が20%以下
(c)SiO純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
(シリカ粒子)
上記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子(以下、高密度シリカ粒子ということがある)は、粒子内部の緻密化が進んでいる。そのため、高密度シリカ粒子を含む塗布液を用いて被膜を形成する際、造膜加熱処理(膜乾燥工程、膜焼成工程)等の高温処理を受けても高密度シリカ粒子の収縮が抑えられ、クラックの発生を抑制することができ、また、形成された膜は低ストレスな膜となる。また、高密度シリカ粒子は粒子径が均一であることから、粒子配列時の高パッキングが可能であると共に均一な膜を形成することができ、これによっても、クラックの発生を抑制することができる。
(a)平均粒子径が10〜500nm
高密度シリカ粒子は、平均粒子径が10〜500nmである。高密度シリカ粒子の平均粒子径が10nm未満の場合には、焼成後、解砕工程において合着、融着により、一次粒子サイズに解砕することが困難となる。解砕できたとしても分散性が不充分となることがある。一方、500nmを超えると、膜にした際に下地膜との密着性が悪くなる。一次粒子サイズへの解砕や膜にした際の下地膜との密着性との観点から、高密度シリカの平均粒子径は、10〜300nmであることが好ましく、15〜150nmであることがより好ましい。なお、高密度シリカ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により撮影し、この画像の250個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:IP−1000)を用いて算出した値である。
(b)粒子径変動係数(CV値)が20%以下
高密度シリカ粒子は、粒子径変動係数(CV値)が20%以下であり、15%以下であること好ましく、10%以下であることがより好ましい。高密度シリカ粒子の粒子径変動係数(CV値)が20%を超えると、均一な粒子膜が得られない。
粒子径変動係数(CV値)は下記の式によって算出できる。なお、粒子径変動係数(CV値)を求める際の個々の粒子径及び平均粒子径は、上記「(a)平均粒子径が10〜500nm」の項で説明したのと同様の方法で算出したものである。
(c)SiO純度が99.5%以上
高密度シリカ粒子は、SiO純度が99.5%以上であり、99.7%以上であることが好ましく、99.9%以上であることがより好ましい。高密度シリカ粒子のSiOの純度が99.5%未満の場合には、不純分を多く含有することから、シリカ粒子同士の融着が促進され、一次粒子へと再分散(解砕)されにくい二次粒子となり、上記粒子径変動係数に関する要件(b)を満たすことが困難となる。仮に要件(b)を満たしたとしても、塗布液から造膜する際に、粒子同士の融着が起こり、膜が収縮して、クラックが発生しやすくなる。さらに、含有する不純分によっては、絶縁膜として使用した際に、絶縁性が低くなる。なお、高純度のシリカ粒子を得るにはシリカ源となる原料としてアルコキシドを用いることが好ましく、これにより、半導体などの電子デバイス分野へ適用が可能となる。
(d)真球度が0.90以上
高密度シリカ粒子は、真球度が0.90以上であり、0.93以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましい。高密度シリカ粒子の真球度が0.90未満の場合には、均一な粒子膜が得られない。なお、かかる高密度シリカの真球度は、走査型電子顕微鏡により写真撮影し、任意の50個の粒子についての、それぞれその最大径(D)とこれと直交する短径(D)との比(D/D)の平均値を意味する。
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
高密度シリカ粒子は、400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下であり、0.3%以下であることが好ましく、0.2%以下であることがより好ましい。すなわち、粒子内部の未架橋のシラノール基が少ない方が好ましい。したがって、高密度シリカ粒子は、600〜1200℃、好ましくは800〜1000℃で焼成された焼成粒子であることが好ましい。重量減が0.5%を超えると、膜の焼成時に膜収縮が大きくなり、クラックが発生しやすくなるという問題がある。なお、本発明において、400℃を基準とした1000℃における重量減を規定するのは、吸着水がすべて除去されると考えられる400℃を基準とし、実質的な未架橋のシラノール基量を指標とするためである。
SiO化が実質的に完了した粒子は、収縮し難いという点に加えて、塗布、造膜時の粒子配列時の高パッキングの点でも好ましい。相対的に高温で処理されたものは、反応基となり得る表面の水酸基(−OH基)も少なくなっており、分散媒の揮発に伴う高濃度化中にも隣接する粒子同士と相互作用することなく配列される方向に向かうからである。
また、例えば、膜の焼成時に800℃の高温の工程にさらされた際に、クラックの発生を効果的に防止するためには、高密度シリカ粒子が予めその温度以上に熱処理(焼成)されていることが好ましい。すなわち、例えば800℃で焼成された焼成粒子を含有する塗布液を、800℃上限のプロセス対応塗布液(700℃以下や800℃以下プロセス対応塗布液と表示等したものを含む)とする等、焼成温度以下の温度を対応プロセス温度とした塗布液とすることができる。
(f)粗大粒子量が5重量%以下(その他の好ましい要件)
高密度シリカ粒子は、平均粒子径の4倍以上の粒子径を持つ粗大粒子の割合が5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。粗大粒子を含まないことにより、より均一な被膜を得ることができる。なお、高密度シリカの製造過程で粗大粒子が発生する場合は、適宜分級等を行って除去することが好ましい。
なお、本発明の塗布液は、上記(a)〜(e)の要件を満たす粒子を2種又は3種以上含んでいてもよい。特に、2種混合が好ましい。すなわち、第1の平均粒子径を有する第1シリカ粒子(第1の高密度シリカ粒子)と、第2の平均粒子径を有する第2シリカ粒子(第2の高密度シリカ粒子)とを混合して用いることができる。このとき、第1シリカ粒子が、平均粒子径50〜500nm、好ましくは50〜300nm、より好ましくは50〜150nmの粒子(大径粒子)であると共に、第2シリカ粒子が、第1シリカ粒子の15〜30%、好ましくは20〜25%の平均粒子径の粒子(小径粒子)であることが望ましい。大径粒子と小径粒子を組み合わせることにより、より緻密な被膜を形成することが可能となる。この大径粒子と小径粒子の混合割合は、9:1〜6:4(重量比)であることが好ましい。
(分散媒)
本発明の塗布液に含まれる分散媒としては、一般的に使用される有機系分散媒を用いることができ、アルコール類、グリコール酸、エーテル類、ケトン類等が例示できる。分散媒中の高密度シリカ粒子の濃度は、0.5〜60重量%程度が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
この分散媒に含まれる水分量は1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。これにより、再水和によるシリカ粒子表面のSiOH化を防止することができる。
(その他の成分)
本発明の被膜形成用塗布液は、高密度シリカ粒子及び分散媒の他に他の成分を含んでいてもよい。例えば、必要に応じて、レベリング剤等の添加剤を加えることができる。
(被膜形成用塗布液の調製)
本発明の被膜形成用塗布液は、超音波分散機等の各種分散機を用いて、高密度シリカ粒子を分散媒に分散し、適宜フィルター等で濾過することにより製造することができる。
[被膜付基材]
本発明の被膜付基材は、シリカ粒子を主体とする被膜が基材上に直接的又は間接的に形成されている。シリカ粒子は、上記説明した(a)〜(e)の要件を満たす高密度シリカ粒子である。被膜の膜厚としては、例えば、1〜20μm程度である。本発明によれば、膜の主体となる高密度シリカ粒子の緻密化が進んでいるので、造膜時の加熱処理(膜乾燥工程、膜焼成工程)における収縮が抑えられ、2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上の厚膜であっても、クラックの発生が抑制される。なお、本発明の被膜は、200℃以下の低温で焼成しても緻密であるので、高温で焼成できない基材や用途等にも使用可能である。
ここで、シリカ粒子を主体とする被膜とは、シリカ粒子が膜全体の50重量%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上の被膜をいい、特に好ましくは実質的に全体がシリカ粒子からなる被膜(粒子からなる多孔質膜)である。したがって、高温処理を行ってもクラックを生じることがない被膜とすることができる。
被膜は、バインダー成分を含有していてもよい。バインダー成分は、例えば、被膜全体の0〜30重量%含有させることができ、0〜10重量%含有させることが好ましい。すわなち、高密度シリカ粒子の粒子間空隙にバインダー成分が充填され、これによって、より緻密な膜が得られ、下地との密着性、機械的強度、耐薬品性等を向上させることができる。バインダー成分は、その種類等に応じて、適切な製造過程で付与することができる。
ここで、バインダー成分としては、通常使用される無機バインダー、有機バインダーを使用できる。無機バインダーとしては、例えば、ポリシロキサン、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシラザン、ポリカルボシラザン、ポリメタロキサン、ポリボロシロキサンを挙げることができる。有機バインダーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム等の熱可塑性樹脂や、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や、紫外線硬化型アクリル樹脂等の光硬化性樹脂を挙げることができる。
(被膜付基材の製造方法)
本発明の被膜付基材の製造方法は、上記説明した被膜形成用塗布液を基材上に直接的又は間接的に塗布する塗布工程と、塗布液を塗布した基材を乾燥して分散媒を除去する膜乾燥工程とを備えている。好ましくは、分散媒除去工程後に膜焼成工程を備える。なお、各工程の前後に各種工程をさらに備えていてもよく、例えば、塗布工程前に、下地層形成工程等を備えることができる。
塗布工程における塗布方法としては、基材の形状や種類に応じて、スピンコート、スリットコート、バーコート、スキージコート、スキャンコート等を適宜選択することができる。
膜乾燥工程は、分散媒を除去することができる程度の温度で膜を乾燥させる工程であり、例えば、300℃以下の温度で行われる。
膜焼成工程は、膜の緻密化を図るために乾燥温度よりもさらに高い温度で膜を加熱し、焼締める工程であり、例えば、500℃以上、好ましくは600〜1200℃、より好ましくは800〜1000℃程度で行われる。なお、膜乾燥工程と膜焼成工程は、それぞれ別々の工程として行ってもよいが、例えば1000℃まで連続して温度を上げて一連の工程として行ってもよい。
[高密度シリカ粒子の調製方法]
以下、本発明の高密度シリカ粒子の好適な製造方法を示す。
(調合工程)
下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン(加水分解可能な含珪素化合物)を塩基性触媒成分の存在下で加水分解・縮重合させてシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を得る。シリカ微粒子の平均粒子径は、10〜500nmの範囲にあることが好ましい。
Si(OR’)4−n・・・(1)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基、ビニル基を表し、R’は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、ビニル基を表す。また、nは0〜3の整数である。)
ここで、アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、およびこれらの化合物を2種以上含む混合物が挙げられ、これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
分散液は、水とアルコールを含む水−アルコール系分散液であることが好ましい。ここで使用されるアルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどが挙げられる。この中でも、メチルアルコール、エチルアルコールまたはその混合物を使用することが好ましい。また、分散液中には、更に塩基性触媒成分を含むことが好ましい。
塩基性触媒成分としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム化合物、有機アミンおよびアミン系カップリング剤などが挙げられる。この中でも、アンモニア、水酸化アンモニウムまたは第4級アンモニウム化合物を使用することが好ましい。
(精製工程)
(精製方法1)
得られたシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を限外濾過装置にかけて、その容量が約2分の1から約5分の1になるまで濃縮して、該分散液中に含まれる反応が不十分な含珪素化合物の除去と、塩基性触媒成分の含有量の調整とを行ったシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を調製することが好ましい。
(精製方法2)
また、イオン成分の交換と共に吸着等の分離除去作用を期待できるイオン交換樹脂を用いた処理により、得られた分散液中に含まれる反応が不十分な含珪素化合物やナトリウムイオンなどを除去することもできる。アルコキシシランの未反応物は、陰イオン交換樹脂を用いて分離することができるが、更に陽イオン交換樹脂を用いることにより、ナトリウムイオン等を除去することができることから、双方のイオン交換樹脂を用いて分離除去することが好ましい。
陰イオン交換樹脂としてOH型陰イオン交換樹脂が好ましく、ビーズ状、繊維状等、その形態は問わない。また、処理方法としては、分散液中にイオン交換樹脂を投入してバッチ方式で処理する方法や、カラムにイオン交換樹脂を充填して通液する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
陽イオン交換樹脂としてH型陽イオン交換樹脂が好ましく、ビーズ状、繊維状等、その形態は問わない。また、上記同様、処理方法としては、分散液中にイオン交換樹脂を投入してバッチ方式で処理する方法や、カラムにイオン交換樹脂を充填して通液する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の処理を交互に複数回行うことにより、含珪素化合物及びナトリウムイオン等のアルカリ成分をより効果的に分離除去することができ、シリカ粒子同士の融着をより抑制することが可能となる。
(精製方法3)
さらに、上記精製方法1及び/又は2の処理の後に、又は上記精製方法1及び/又は2を行うことなく、水熱処理を行い、その後にイオン交換樹脂を用いた精製処理を行うことが好ましい。水熱処理により、シリカ粒子内部に存在する反応が不十分な含珪素化合物を粒子外部(分散液中)に排出することができ、続くイオン交換樹脂を用いた精製処理により、この分散液中に排出された含珪素化合物を分離除去することができることから、焼成時のシリカ粒子同士の融着を抑制できることができる。すなわち、シリカ粒子内部に反応が不十分な含珪素化合物が残存していると、乾燥の際、含珪素化合物が粒子表面に出現し、かかる含珪素化合物が、シリカ粒子同士の融着、すなわちネック部の生成及び成長を促進させると考えられるが、これを抑制することができる。
また、水熱処理においては、シリカ粒子内部に存在する反応が不十分な含珪素化合物と同時に、シリカ粒子表面に存在(付着)している反応が不十分な含珪素化合物も分散液中に排出することができると考えられ、続くイオン交換樹脂を用いた精製処理において、これも同時に分離除去されることから、焼成時のシリカ粒子同士の融着をより抑制することができる。また、もともとシリカ粒子外部(分散液中)に存在する反応が不十分な含珪素化合物も、続くイオン交換樹脂を用いた精製処理で同時に分離除去することができることから、これによってもシリカ粒子同士の融着を抑制することができる。更に、ナトリウムイオン等のアルカリ成分も、焼成時のシリカ粒子同士の融着を促進させる原因となるが、このアルカリ成分も同時にシリカ粒子内部から排出することができると考えられ、これを続くイオン交換樹脂を用いた精製処理で取り除くことにより、シリカ粒子同士の融着をより効果的に抑制することができる。
水熱処理条件としては、シリカ粒子内部に存在する反応が不十分な含珪素化合物を粒子外部に排出することができる条件であれば特に制限されるものではなく、バッチ式で行っても、連続式で行ってもよい。温度としては、100℃を超えて300℃以下であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましい。圧力は、通常、各処理温度での飽和圧力であり、更に加圧してもよい。また、処理時間としては、1〜24時間であることが好ましく、3〜15時間であることがより好ましい。これらの条件で水熱処理を行うことにより、シリカ粒子内部に存在する反応が不十分な含珪素化合物をより効果的に粒子外部に排出することができる。なお、続くイオン交換樹脂を用いた精製処理については、精製方法2と同様である。
なお、次工程の乾燥工程前に分散液の溶媒置換を行ってもよい。例えば、表面水酸基(−OH)との相互作用と表面張力の点から、ブタノール等に置換してもよい。また、表面水酸基をターミネートする溶剤(NMP、PVA等)を配合してもよい。
(乾燥工程)
精製工程で得られた分散液から分散媒を揮散、留去するために乾燥を行う。加熱乾燥や噴霧乾燥等の一般的な乾燥方法を採用することができるが、表面の相互作用を抑制して、後工程でシリカ粒子の合着、融着、焼結等の誘発をより抑制することが好ましいことから、例えば、分散媒の揮散と粒子の凝集をコントロールするためにペクレ数を下げる方向の処理が好ましい。具体的には、50〜200℃程度の低温で時間をかけて乾燥させる方法や、何段階かに分けて乾燥(ステップ乾燥)させる方法が好ましい。また、室温から20〜400℃(例えば、350℃)まで徐々に昇温してもよい。乾燥工程では、分散媒の揮散と共に、加水分解や脱水縮合等の化学反応も同時に起こるので注意が必要である。
(焼成工程)
焼成工程では、上記乾燥されたシリカ粒子を600〜1200℃で焼成する。これにより、シラノール(SiOH)がSiO化し、緻密化が起こる。急激な加熱による粒子内部の不均一化を防ぐために、室温から20〜400℃(例えば、350℃)まで昇温する乾燥工程に次いで、600〜1200℃、好ましくは800〜1000℃まで昇温する工程(焼成工程)を備えることが好ましい。焼成の際、シリカ粒子(一次粒子)はネック部で融着(焼結)し、更にこれらが凝集して集合粒子となる。ここで、焼成温度が600℃未満の場合は、得られる粒子(焼成シリカ粒子)の緻密化が十分に進んでおらず、膜にした際にクラックが発生し易くなる。一方、焼成温度が1200℃を超える場合、シリカ粒子の集合体粒子が焼結し易い。そのため、後述する解砕工程で元の粒子径になるまで解砕すること(すなわち、一次粒子に戻すこと)が困難である。このように、焼成により、一次粒子同士の焼結が生じる。焼成を行っても、一次粒子サイズの粒子を得るためには、焼結させないか、焼結したとしても、その後に一次粒子にまで再分散(解砕)させる必要がある。なお、上記精製工程を適用したものに対しては、800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度で焼成し、SiO化を進めることができる。焼成は空気雰囲気で行えるが、焼成後に冷却する際には、結露による吸湿を防ぐために、露点が0℃以下のガス雰囲気にすることが好ましい。露点−10℃以下のガス雰囲気が更に好ましい。
(解砕工程)
解砕工程は、焼成により焼結した一次粒子同士を一次粒子にまで再分散(解砕)させる工程であり、湿式による方法であっても、乾式による方法であってもよいが、解砕用容器内にガスを導入して旋回流を発生させ、この旋回流中に焼成工程で得られた焼成シリカ粒子を供給する方法が好ましい。これにより、焼成シリカ粒子の集合体粒子が焼成前のシリカ粒子の粒子径になるまで、粒子が破壊されることなく解砕される。これにより、高密度シリカ粒子が得られる。
ここで、解砕の様子を図1Aに模式的に示す。焼成工程により得られた焼成シリカ粒子10の集合体粒子を均一旋回流に供給して解砕すると、集合体粒子同士の接触により、集合体粒子の接触部分が分離して焼成シリカ粒子10が得られる。更に、焼成シリカ粒子10の融着部分であるネック部12が開裂し、一次粒子経に分散された高密度シリカ粒子13が得られる。
このように、均一な旋回流を用いた解砕によって得られる高密度シリカ粒子13は、粒子同士の衝突等ではなく旋回流中の剪断により解砕されるので、破壊面が発生し難い。また、粒子が融着した部分(ネック部)で開裂した際に生じる分離面14は、解砕される力で活性面となっても、破壊面に比べて面積が小さい。そのため、旋回流中の解砕によれば、粒子表面に新たに発生するSiOHは少なく、分散性に優れた高密度シリカ粒子13が得られ易い。
しかしながら、従来から使用される、旋回流を生じない装置、例えば、ハンマーミル等の粉砕装置で焼成シリカ粒子10を粉砕(破砕)する場合では、図1Bに模式的に示すように、焼成シリカ粒子10と容器の壁との衝突や粒子同士の衝突により、粒子が破壊されて活性表面である破壊面15を生じることがある。この破壊面15では、粒子のシロキサン結合が切断されることから、シラノール基を生成し易い。その結果、破壊面15は親水性の表面となり、目的の粒子を得ることができない。
図2は本発明に好適な解砕装置を示すモデル図である。焼成シリカ粒子は解砕用容器1に設けられた導入口3から解砕用容器1内に供給される。導入口3と焼成シリカ粒子の貯留部4は一つの密閉空間5にあり、密閉空間5に導入ガスが充填されることが好ましい。また、導入ガスはガス導入部2から容器内に流入する。
高圧ガスにより発生する旋回流を用いて解砕を行う解砕装置としては、例えば、アイシンナノテクノロジーズ社製のナノジェットマイザーシリーズや、サンレックス工業株式会社製のナノグラインディングミルシリーズ等が挙げられる。
ここで、導入ガスとしては、空気、酸素ガス、不活性ガス等を用いることができる。安全性や経済性の観点から空気が推奨される。
更に、解砕用容器に導入するガスの露点は0℃以下が好ましい。ガスの露点が0℃を超えていると、解砕により高密度シリカ粒子に現れた活性表面に、水分に依るシラノール基が生成しやすくなるからである。このような理由から、導入ガスの露点は−10℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。露点が0℃以下の導入ガスは、圧縮ガス、エアドライヤー、あるいは吸着剤による吸着除去法等の、公知の方法で調製することができる。解砕時の温度は、結露しない範囲であれば、制限はない。
更に、導入ガスの圧力は0.1〜1.5MPaの範囲にあることが好ましい。導入ガスの圧力が0.1MPa未満の場合は、ガスの旋回速度が足りず、解砕が不充分となる場合がある。導入ガスの圧力が1.5MPaを超えると、集合体粒子の解砕にとどまらず、粒子同士の衝突が増えて、粒子が破壊する虞がある。したがって、高圧側を抑えた0.1〜1.0MPaの範囲がより好ましい。また、膨張潜熱によるジュール・トムソン効果により局部的に低温となり、粒子の活性表面から水分を吸着することがある。このように、導入ガスの圧力が適正でないと、SiOH基の少ない高密度シリカ粒子を得ることが困難となる。
また、導入ガスの線速は、亜音速以上が好ましく、遷音速〜超音速がより好ましい。導入ガスの線速が亜音速未満であると、旋回速度が足りず解砕が不充分となる場合がある。また、超音速を超えると、集合体粒子の解砕にとどまらず、粒子同士の衝突が増えて粒子が破壊する虞がある。なお、導入ガスの線速は、導入ガスの圧力から算出することができる。
更に、一定の粉砕チャンバー容積に対する旋回流に供給する焼成シリカ粒子と導入ガスの量比(固気比:g/m)は、4.4〜36.3g/mが好ましく、6.6〜30.3g/mがより好ましい。固気比が、4.4g/m未満であると、焼成シリカ粒子の供給量が安定しない場合があり、36.3g/mを超えると、解砕が不充分となる場合がある。なお、固気比は、単位時間あたりの、焼成シリカ粒子(固体)供給量と、導入ガス(気体)の風量の比(固体(g/Hr)/気体(m/Hr))で算出することができる。なお、旋回流の流れが維持されて、粉砕チャンバー容積/固気比が維持されれば、粉砕チャンバーの大きさに制限されるものではない。
解砕用容器1内の表面の材質は炭化ケイ素(SiC)が適している。特に、900℃以上で焼成されたSiCを用いることが好ましい。材質がSiCである解砕用容器1を用いると、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ウラン(U)、トリウム(Th)等の不純物を含まない高密度シリカ粒子を得ることができる。そのため、信頼性に優れた電子デバイスが実現できる。
(実施例1)
[シリカ粒子の調製]
(調合工程)
99.9重量%濃度のメタノール(関東化学(株)製)508gと純水760gからなる敷き水1268gを調製した。99.9重量%濃度のメタノール16048gとエチルシリケート(多摩化学工業(株)製)を8452g加えて撹拌したエチルシリケート溶液24500gを調製した。次に、敷き水1268gを65℃の温度に加熱して保持し、これにエチルシリケート溶液24500gと1.9重量%濃度のアンモニア水9490gを同時に5時間かけて撹拌下で添加した。添加終了後、更に65℃に保って3時間、熟成操作を行い、6.7重量%のシリカ微粒子を含む水−メタノール分散液(以下、「水−メタノール分散液」という。)35258gを得た。
(精製工程)
次いで、得られた水−メタノール分散液を室温まで冷却し、この水−メタノール分散液のうち31860gに、純水20340gを加えて撹拌した後、25℃の温度条件下で限外濾過フィルター(旭化成(株)製、ACP−2013)を用いて、その重量が18711gになるまで濃縮した。これにより、該水−メタノール分散液中に含まれるエチルシリケートの未反応物や中間反応物などを除去した水−メタノール分散液(以下、「水−メタノール精製液」という。)18711gを得た。得られたシリカ微粒子の粒子径は概ね20nmであった。
(乾燥工程)
水−メタノール精製液をSUS製バットに移し、乾燥機にて100℃で乾燥させた。
(焼成工程)
次に、シリカ粉体をSiC製のるつぼ(焼成用容器)に入れ、電気炉を用いて900℃で10時間焼成した。これを冷却して焼成シリカ粒子が得られた。
(解砕工程)
続いて、この焼成シリカ粒子を、高圧ガスによる旋回流が発生している解砕装置(アイシンナノテクノロジーズ社製:ナノジェットマイザーNJ−100)に投入して、焼成シリカ粒子を解砕し、高密度シリカ粒子(B1)を得た。このとき、高圧ガスとして、エアドライヤーにより圧力が1.0MPaの場合に露点マイナス10℃(以下、「−10℃」という)に制御された乾燥空気を用いた。また、焼成シリカ粒子の導入口を密閉するように囲いを設けた。そこへ露点−10℃の乾燥空気を導入した。露点が−10℃の環境から焼成シリカ粒子を供給し、焼成シリカ粒子とともに導入される乾燥空気も露点−10℃の空気とした。
本装置の運転条件は、解砕圧力(解砕部における旋回流空気圧)を0.85MPa、焼成シリカ粒子の導入部における圧力を1.0MPa、原料の導入速度を5kg/Hr、旋回流の速度(線速)を391m/s、固気比を22.6g/mと設定した。
[高密度シリカ粒子(B1)の評価方法]
(a)シリカ微粒子の平均粒子径
高密度シリカ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により写真を撮影し、この画像の250個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:IP−1000)を使用して算出した。
(b)粒子径変動係数(CV値)
粒子径変動係数(CV値)は、上記「(a)シリカ微粒子の平均粒子径」における測定に基づき、下記式によって算出した。
(c)SiO純度(不純物含有量)
高密度シリカ粒子を1000℃で1時間焼成後、硫酸を数滴と弗化水素酸を加えて、砂浴上で乾固させ、1000℃で1時間焼成し、前後の重量の差からSiO純度を算出した。
(d)真球度の測定
走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により写真撮影し、任意の50個の高密度シリカ粒子について、それぞれその最大径(D)と、これと直交する短径(D)との比(D/D)の平均値を求め、これを真球度とした。
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減
株式会社リガク製の示差熱天秤TG8120を用い、室温から1000℃まで、1℃/分で昇温させながら、重量減少量を測定し、400℃の重量を基準とする1000℃における重量減少率を求めた。
(f)粗大粒子の測定
平均粒子径を測定する際に、粒子径の大きな粒子の分布が観察された場合、平均粒子径の4倍以上の粒子の割合(重量割合)を求め粗大粒子の含有量とした。
[被膜形成用塗布液の調製]
(分散工程)
高密度シリカ粒子1000gを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル2333gに加え、超音波を掛けながら分散させた。
(濾過工程)
得られた高密度シリカ粒子分散液を、0.5μmフィルターで濾過し、固形分濃度30重量%の塗布液1を得た。
[被膜付基材の調製]
塗布液1をシリコンウェハ上にスピンコート法にて300〜700rpmの回転速度で塗布し、120℃の温度で5分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて900℃の温度で30分間焼成して、厚さ1〜10μm(1μm刻み)の塗布膜(被膜付基材)をそれぞれ形成した。なお、膜厚は、接触式段差膜厚測定法(ACCRETECH社製 SURFCOM1400D)により測定した。
[被膜付基材の評価方法]
(シリカ系被膜のクラック耐性)
得られた塗布膜を顕微鏡(倍率:50倍)で観察し、クラックの有無を確認した。
(実施例2)
実施例1の調合工程で得られた、シリカ微粒子を含む水−メタノール分散液をシードとして用い、粒子径100nmまで成長させたこと以外は、実施例1と同様にして、塗布液2を得た。
(実施例3)
塗布液1と塗布液2を固形分比3:7で混合し、塗布液3を得た。
(比較例1)
実施例1の調合工程で得られた、シリカ微粒子を含む水−メタノール分散液に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、ロータリーエバポレーターを用いて分散媒を置換した。固形分濃度を30重量%に調整し、塗布液4を得た。
(比較例2)
実施例1の濾過工程において、3μmのフィルターを用いた以外は実施例1と同様にし、塗布液5を得た。
1 解砕用容器、2 ガス導入部、3 導入口、4 貯留部、5 密閉空間、10 焼成シリカ粒子、11 シリカ粒子、12 ネック部、13 高密度シリカ粒子、14 分離面、15 破壊面

Claims (10)

  1. シリカ粒子と分散媒とを含む被膜形成用の塗布液であって、
    前記シリカ粒子が、下記(a)〜(e)の要件を満たすことを特徴とする被膜形成用の塗布液。
    (a)平均粒子径が10〜500nm
    (b)粒子径変動係数が20%以下
    (c)SiO純度が99.5%以上
    (d)真球度が0.90以上
    (e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
  2. 前記シリカ粒子が、第1の平均粒子径を有する第1シリカ粒子と、第2の平均粒子径を有する第2シリカ粒子とを具備することを特徴とする請求項1に記載の塗布液。
  3. 前記第1の平均粒子径が50〜500nmであり、前記第2の平均粒子径が前記第1の平均粒子径の15〜30%であることを特徴とする請求項2に記載の塗布液。
  4. 基材と、該基材上に形成されたシリカ粒子を主体とする被膜とを備える被膜付基材であって、
    前記シリカ粒子が、下記(a)〜(e)の要件を満たす粒子であることを特徴とする被膜付基材。
    (a)平均粒子径が10〜500nm
    (b)粒子径変動係数が20%以下
    (c)SiO純度が99.5%以上
    (d)真球度が0.90以上
    (e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
  5. 前記シリカ粒子が、第1の平均粒子径を有する第1シリカ粒子と、第2の平均粒子径を有する第2シリカ粒子とを具備することを特徴とする請求項4に記載の被膜付基材。
  6. 前記第1の平均粒子径が50〜500nmであり、前記第2の平均粒子径が前記第1の平均粒子径の15〜30%であることを特徴とする請求項5に記載の被膜付基材。
  7. 前記被膜が、2μm以上の膜厚を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の被膜付基材。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布液を基材上に塗布する塗布工程と、塗布液を塗布した基材を乾燥して分散媒を除去する膜乾燥工程とを備えることを特徴とする被膜付基材の製造方法。
  9. 前記膜乾燥工程後に膜焼成工程を備え、該膜焼成工程における加熱温度が500℃以上であることを特徴とする請求項8に記載の被膜付基材の製造方法。
  10. 下記(a)〜(e)の要件を満たす粒子であることを特徴とする被膜形成用シリカ粒子。
    (a)平均粒子径が10〜500nm
    (b)粒子径変動係数が20%以下
    (c)SiO純度が99.5%以上
    (d)真球度が0.90以上
    (e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
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