JP2017179169A - 被膜形成用の塗布液、及び該塗布液を用いた被膜付基材 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、上記特許文献1及び2に記載の塗布液を用いた造膜時の加熱処理温度は、高温になるとSiR基の分解による収縮も発生するため、高温プロセスを用いると、更にクラックが入り易いという問題もあった。
このように、従来の塗布液では、耐熱性に優れると共にクラックの発生しない2μm以上のシリカ系被膜を得ることは困難であった。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数が20%以下
(c)SiO2純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
さらに、本発明の被膜形成用シリカ粒子は、上記(a)〜(e)の要件を満たす粒子である。
本発明の塗布液は、下記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子と分散媒とを含んでいる。
(b)粒子径変動係数(CV値)が20%以下
(c)SiO2純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
上記(a)〜(e)の要件を満たすシリカ粒子(以下、高密度シリカ粒子ということがある)は、粒子内部の緻密化が進んでいる。そのため、高密度シリカ粒子を含む塗布液を用いて被膜を形成する際、造膜加熱処理(膜乾燥工程、膜焼成工程)等の高温処理を受けても高密度シリカ粒子の収縮が抑えられ、クラックの発生を抑制することができ、また、形成された膜は低ストレスな膜となる。また、高密度シリカ粒子は粒子径が均一であることから、粒子配列時の高パッキングが可能であると共に均一な膜を形成することができ、これによっても、クラックの発生を抑制することができる。
高密度シリカ粒子は、平均粒子径が10〜500nmである。高密度シリカ粒子の平均粒子径が10nm未満の場合には、焼成後、解砕工程において合着、融着により、一次粒子サイズに解砕することが困難となる。解砕できたとしても分散性が不充分となることがある。一方、500nmを超えると、膜にした際に下地膜との密着性が悪くなる。一次粒子サイズへの解砕や膜にした際の下地膜との密着性との観点から、高密度シリカの平均粒子径は、10〜300nmであることが好ましく、15〜150nmであることがより好ましい。なお、高密度シリカ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により撮影し、この画像の250個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:IP−1000)を用いて算出した値である。
高密度シリカ粒子は、粒子径変動係数(CV値)が20%以下であり、15%以下であること好ましく、10%以下であることがより好ましい。高密度シリカ粒子の粒子径変動係数(CV値)が20%を超えると、均一な粒子膜が得られない。
高密度シリカ粒子は、SiO2純度が99.5%以上であり、99.7%以上であることが好ましく、99.9%以上であることがより好ましい。高密度シリカ粒子のSiO2の純度が99.5%未満の場合には、不純分を多く含有することから、シリカ粒子同士の融着が促進され、一次粒子へと再分散(解砕)されにくい二次粒子となり、上記粒子径変動係数に関する要件(b)を満たすことが困難となる。仮に要件(b)を満たしたとしても、塗布液から造膜する際に、粒子同士の融着が起こり、膜が収縮して、クラックが発生しやすくなる。さらに、含有する不純分によっては、絶縁膜として使用した際に、絶縁性が低くなる。なお、高純度のシリカ粒子を得るにはシリカ源となる原料としてアルコキシドを用いることが好ましく、これにより、半導体などの電子デバイス分野へ適用が可能となる。
高密度シリカ粒子は、真球度が0.90以上であり、0.93以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましい。高密度シリカ粒子の真球度が0.90未満の場合には、均一な粒子膜が得られない。なお、かかる高密度シリカの真球度は、走査型電子顕微鏡により写真撮影し、任意の50個の粒子についての、それぞれその最大径(DL)とこれと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。
高密度シリカ粒子は、400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下であり、0.3%以下であることが好ましく、0.2%以下であることがより好ましい。すなわち、粒子内部の未架橋のシラノール基が少ない方が好ましい。したがって、高密度シリカ粒子は、600〜1200℃、好ましくは800〜1000℃で焼成された焼成粒子であることが好ましい。重量減が0.5%を超えると、膜の焼成時に膜収縮が大きくなり、クラックが発生しやすくなるという問題がある。なお、本発明において、400℃を基準とした1000℃における重量減を規定するのは、吸着水がすべて除去されると考えられる400℃を基準とし、実質的な未架橋のシラノール基量を指標とするためである。
高密度シリカ粒子は、平均粒子径の4倍以上の粒子径を持つ粗大粒子の割合が5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。粗大粒子を含まないことにより、より均一な被膜を得ることができる。なお、高密度シリカの製造過程で粗大粒子が発生する場合は、適宜分級等を行って除去することが好ましい。
本発明の塗布液に含まれる分散媒としては、一般的に使用される有機系分散媒を用いることができ、アルコール類、グリコール酸、エーテル類、ケトン類等が例示できる。分散媒中の高密度シリカ粒子の濃度は、0.5〜60重量%程度が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
この分散媒に含まれる水分量は1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。これにより、再水和によるシリカ粒子表面のSiOH化を防止することができる。
本発明の被膜形成用塗布液は、高密度シリカ粒子及び分散媒の他に他の成分を含んでいてもよい。例えば、必要に応じて、レベリング剤等の添加剤を加えることができる。
本発明の被膜形成用塗布液は、超音波分散機等の各種分散機を用いて、高密度シリカ粒子を分散媒に分散し、適宜フィルター等で濾過することにより製造することができる。
本発明の被膜付基材は、シリカ粒子を主体とする被膜が基材上に直接的又は間接的に形成されている。シリカ粒子は、上記説明した(a)〜(e)の要件を満たす高密度シリカ粒子である。被膜の膜厚としては、例えば、1〜20μm程度である。本発明によれば、膜の主体となる高密度シリカ粒子の緻密化が進んでいるので、造膜時の加熱処理(膜乾燥工程、膜焼成工程)における収縮が抑えられ、2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上の厚膜であっても、クラックの発生が抑制される。なお、本発明の被膜は、200℃以下の低温で焼成しても緻密であるので、高温で焼成できない基材や用途等にも使用可能である。
本発明の被膜付基材の製造方法は、上記説明した被膜形成用塗布液を基材上に直接的又は間接的に塗布する塗布工程と、塗布液を塗布した基材を乾燥して分散媒を除去する膜乾燥工程とを備えている。好ましくは、分散媒除去工程後に膜焼成工程を備える。なお、各工程の前後に各種工程をさらに備えていてもよく、例えば、塗布工程前に、下地層形成工程等を備えることができる。
以下、本発明の高密度シリカ粒子の好適な製造方法を示す。
(調合工程)
下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン(加水分解可能な含珪素化合物)を塩基性触媒成分の存在下で加水分解・縮重合させてシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を得る。シリカ微粒子の平均粒子径は、10〜500nmの範囲にあることが好ましい。
RnSi(OR’)4−n・・・(1)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基、ビニル基を表し、R’は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、ビニル基を表す。また、nは0〜3の整数である。)
(精製方法1)
得られたシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を限外濾過装置にかけて、その容量が約2分の1から約5分の1になるまで濃縮して、該分散液中に含まれる反応が不十分な含珪素化合物の除去と、塩基性触媒成分の含有量の調整とを行ったシリカ微粒子の水−アルコール系分散液を調製することが好ましい。
また、イオン成分の交換と共に吸着等の分離除去作用を期待できるイオン交換樹脂を用いた処理により、得られた分散液中に含まれる反応が不十分な含珪素化合物やナトリウムイオンなどを除去することもできる。アルコキシシランの未反応物は、陰イオン交換樹脂を用いて分離することができるが、更に陽イオン交換樹脂を用いることにより、ナトリウムイオン等を除去することができることから、双方のイオン交換樹脂を用いて分離除去することが好ましい。
陽イオン交換樹脂としてH型陽イオン交換樹脂が好ましく、ビーズ状、繊維状等、その形態は問わない。また、上記同様、処理方法としては、分散液中にイオン交換樹脂を投入してバッチ方式で処理する方法や、カラムにイオン交換樹脂を充填して通液する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の処理を交互に複数回行うことにより、含珪素化合物及びナトリウムイオン等のアルカリ成分をより効果的に分離除去することができ、シリカ粒子同士の融着をより抑制することが可能となる。
さらに、上記精製方法1及び/又は2の処理の後に、又は上記精製方法1及び/又は2を行うことなく、水熱処理を行い、その後にイオン交換樹脂を用いた精製処理を行うことが好ましい。水熱処理により、シリカ粒子内部に存在する反応が不十分な含珪素化合物を粒子外部(分散液中)に排出することができ、続くイオン交換樹脂を用いた精製処理により、この分散液中に排出された含珪素化合物を分離除去することができることから、焼成時のシリカ粒子同士の融着を抑制できることができる。すなわち、シリカ粒子内部に反応が不十分な含珪素化合物が残存していると、乾燥の際、含珪素化合物が粒子表面に出現し、かかる含珪素化合物が、シリカ粒子同士の融着、すなわちネック部の生成及び成長を促進させると考えられるが、これを抑制することができる。
精製工程で得られた分散液から分散媒を揮散、留去するために乾燥を行う。加熱乾燥や噴霧乾燥等の一般的な乾燥方法を採用することができるが、表面の相互作用を抑制して、後工程でシリカ粒子の合着、融着、焼結等の誘発をより抑制することが好ましいことから、例えば、分散媒の揮散と粒子の凝集をコントロールするためにペクレ数を下げる方向の処理が好ましい。具体的には、50〜200℃程度の低温で時間をかけて乾燥させる方法や、何段階かに分けて乾燥(ステップ乾燥)させる方法が好ましい。また、室温から20〜400℃(例えば、350℃)まで徐々に昇温してもよい。乾燥工程では、分散媒の揮散と共に、加水分解や脱水縮合等の化学反応も同時に起こるので注意が必要である。
焼成工程では、上記乾燥されたシリカ粒子を600〜1200℃で焼成する。これにより、シラノール(SiOH)がSiO2化し、緻密化が起こる。急激な加熱による粒子内部の不均一化を防ぐために、室温から20〜400℃(例えば、350℃)まで昇温する乾燥工程に次いで、600〜1200℃、好ましくは800〜1000℃まで昇温する工程(焼成工程)を備えることが好ましい。焼成の際、シリカ粒子(一次粒子)はネック部で融着(焼結)し、更にこれらが凝集して集合粒子となる。ここで、焼成温度が600℃未満の場合は、得られる粒子(焼成シリカ粒子)の緻密化が十分に進んでおらず、膜にした際にクラックが発生し易くなる。一方、焼成温度が1200℃を超える場合、シリカ粒子の集合体粒子が焼結し易い。そのため、後述する解砕工程で元の粒子径になるまで解砕すること(すなわち、一次粒子に戻すこと)が困難である。このように、焼成により、一次粒子同士の焼結が生じる。焼成を行っても、一次粒子サイズの粒子を得るためには、焼結させないか、焼結したとしても、その後に一次粒子にまで再分散(解砕)させる必要がある。なお、上記精製工程を適用したものに対しては、800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度で焼成し、SiO2化を進めることができる。焼成は空気雰囲気で行えるが、焼成後に冷却する際には、結露による吸湿を防ぐために、露点が0℃以下のガス雰囲気にすることが好ましい。露点−10℃以下のガス雰囲気が更に好ましい。
解砕工程は、焼成により焼結した一次粒子同士を一次粒子にまで再分散(解砕)させる工程であり、湿式による方法であっても、乾式による方法であってもよいが、解砕用容器内にガスを導入して旋回流を発生させ、この旋回流中に焼成工程で得られた焼成シリカ粒子を供給する方法が好ましい。これにより、焼成シリカ粒子の集合体粒子が焼成前のシリカ粒子の粒子径になるまで、粒子が破壊されることなく解砕される。これにより、高密度シリカ粒子が得られる。
このように、均一な旋回流を用いた解砕によって得られる高密度シリカ粒子13は、粒子同士の衝突等ではなく旋回流中の剪断により解砕されるので、破壊面が発生し難い。また、粒子が融着した部分(ネック部)で開裂した際に生じる分離面14は、解砕される力で活性面となっても、破壊面に比べて面積が小さい。そのため、旋回流中の解砕によれば、粒子表面に新たに発生するSiOHは少なく、分散性に優れた高密度シリカ粒子13が得られ易い。
高圧ガスにより発生する旋回流を用いて解砕を行う解砕装置としては、例えば、アイシンナノテクノロジーズ社製のナノジェットマイザーシリーズや、サンレックス工業株式会社製のナノグラインディングミルシリーズ等が挙げられる。
更に、解砕用容器に導入するガスの露点は0℃以下が好ましい。ガスの露点が0℃を超えていると、解砕により高密度シリカ粒子に現れた活性表面に、水分に依るシラノール基が生成しやすくなるからである。このような理由から、導入ガスの露点は−10℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。露点が0℃以下の導入ガスは、圧縮ガス、エアドライヤー、あるいは吸着剤による吸着除去法等の、公知の方法で調製することができる。解砕時の温度は、結露しない範囲であれば、制限はない。
また、導入ガスの線速は、亜音速以上が好ましく、遷音速〜超音速がより好ましい。導入ガスの線速が亜音速未満であると、旋回速度が足りず解砕が不充分となる場合がある。また、超音速を超えると、集合体粒子の解砕にとどまらず、粒子同士の衝突が増えて粒子が破壊する虞がある。なお、導入ガスの線速は、導入ガスの圧力から算出することができる。
[シリカ粒子の調製]
(調合工程)
99.9重量%濃度のメタノール(関東化学(株)製)508gと純水760gからなる敷き水1268gを調製した。99.9重量%濃度のメタノール16048gとエチルシリケート(多摩化学工業(株)製)を8452g加えて撹拌したエチルシリケート溶液24500gを調製した。次に、敷き水1268gを65℃の温度に加熱して保持し、これにエチルシリケート溶液24500gと1.9重量%濃度のアンモニア水9490gを同時に5時間かけて撹拌下で添加した。添加終了後、更に65℃に保って3時間、熟成操作を行い、6.7重量%のシリカ微粒子を含む水−メタノール分散液(以下、「水−メタノール分散液」という。)35258gを得た。
(精製工程)
次いで、得られた水−メタノール分散液を室温まで冷却し、この水−メタノール分散液のうち31860gに、純水20340gを加えて撹拌した後、25℃の温度条件下で限外濾過フィルター(旭化成(株)製、ACP−2013)を用いて、その重量が18711gになるまで濃縮した。これにより、該水−メタノール分散液中に含まれるエチルシリケートの未反応物や中間反応物などを除去した水−メタノール分散液(以下、「水−メタノール精製液」という。)18711gを得た。得られたシリカ微粒子の粒子径は概ね20nmであった。
(乾燥工程)
水−メタノール精製液をSUS製バットに移し、乾燥機にて100℃で乾燥させた。
次に、シリカ粉体をSiC製のるつぼ(焼成用容器)に入れ、電気炉を用いて900℃で10時間焼成した。これを冷却して焼成シリカ粒子が得られた。
(解砕工程)
続いて、この焼成シリカ粒子を、高圧ガスによる旋回流が発生している解砕装置(アイシンナノテクノロジーズ社製:ナノジェットマイザーNJ−100)に投入して、焼成シリカ粒子を解砕し、高密度シリカ粒子(B1)を得た。このとき、高圧ガスとして、エアドライヤーにより圧力が1.0MPaの場合に露点マイナス10℃(以下、「−10℃」という)に制御された乾燥空気を用いた。また、焼成シリカ粒子の導入口を密閉するように囲いを設けた。そこへ露点−10℃の乾燥空気を導入した。露点が−10℃の環境から焼成シリカ粒子を供給し、焼成シリカ粒子とともに導入される乾燥空気も露点−10℃の空気とした。
(a)シリカ微粒子の平均粒子径
高密度シリカ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により写真を撮影し、この画像の250個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:IP−1000)を使用して算出した。
粒子径変動係数(CV値)は、上記「(a)シリカ微粒子の平均粒子径」における測定に基づき、下記式によって算出した。
高密度シリカ粒子を1000℃で1時間焼成後、硫酸を数滴と弗化水素酸を加えて、砂浴上で乾固させ、1000℃で1時間焼成し、前後の重量の差からSiO2純度を算出した。
走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S−5500型)により写真撮影し、任意の50個の高密度シリカ粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を求め、これを真球度とした。
株式会社リガク製の示差熱天秤TG8120を用い、室温から1000℃まで、1℃/分で昇温させながら、重量減少量を測定し、400℃の重量を基準とする1000℃における重量減少率を求めた。
平均粒子径を測定する際に、粒子径の大きな粒子の分布が観察された場合、平均粒子径の4倍以上の粒子の割合(重量割合)を求め粗大粒子の含有量とした。
(分散工程)
高密度シリカ粒子1000gを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル2333gに加え、超音波を掛けながら分散させた。
(濾過工程)
得られた高密度シリカ粒子分散液を、0.5μmフィルターで濾過し、固形分濃度30重量%の塗布液1を得た。
塗布液1をシリコンウェハ上にスピンコート法にて300〜700rpmの回転速度で塗布し、120℃の温度で5分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて900℃の温度で30分間焼成して、厚さ1〜10μm(1μm刻み)の塗布膜(被膜付基材)をそれぞれ形成した。なお、膜厚は、接触式段差膜厚測定法(ACCRETECH社製 SURFCOM1400D)により測定した。
(シリカ系被膜のクラック耐性)
得られた塗布膜を顕微鏡(倍率:50倍)で観察し、クラックの有無を確認した。
実施例1の調合工程で得られた、シリカ微粒子を含む水−メタノール分散液をシードとして用い、粒子径100nmまで成長させたこと以外は、実施例1と同様にして、塗布液2を得た。
(実施例3)
塗布液1と塗布液2を固形分比3:7で混合し、塗布液3を得た。
(比較例1)
実施例1の調合工程で得られた、シリカ微粒子を含む水−メタノール分散液に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、ロータリーエバポレーターを用いて分散媒を置換した。固形分濃度を30重量%に調整し、塗布液4を得た。
(比較例2)
実施例1の濾過工程において、3μmのフィルターを用いた以外は実施例1と同様にし、塗布液5を得た。
Claims (10)
- シリカ粒子と分散媒とを含む被膜形成用の塗布液であって、
前記シリカ粒子が、下記(a)〜(e)の要件を満たすことを特徴とする被膜形成用の塗布液。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数が20%以下
(c)SiO2純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下 - 前記シリカ粒子が、第1の平均粒子径を有する第1シリカ粒子と、第2の平均粒子径を有する第2シリカ粒子とを具備することを特徴とする請求項1に記載の塗布液。
- 前記第1の平均粒子径が50〜500nmであり、前記第2の平均粒子径が前記第1の平均粒子径の15〜30%であることを特徴とする請求項2に記載の塗布液。
- 基材と、該基材上に形成されたシリカ粒子を主体とする被膜とを備える被膜付基材であって、
前記シリカ粒子が、下記(a)〜(e)の要件を満たす粒子であることを特徴とする被膜付基材。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数が20%以下
(c)SiO2純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下 - 前記シリカ粒子が、第1の平均粒子径を有する第1シリカ粒子と、第2の平均粒子径を有する第2シリカ粒子とを具備することを特徴とする請求項4に記載の被膜付基材。
- 前記第1の平均粒子径が50〜500nmであり、前記第2の平均粒子径が前記第1の平均粒子径の15〜30%であることを特徴とする請求項5に記載の被膜付基材。
- 前記被膜が、2μm以上の膜厚を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の被膜付基材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布液を基材上に塗布する塗布工程と、塗布液を塗布した基材を乾燥して分散媒を除去する膜乾燥工程とを備えることを特徴とする被膜付基材の製造方法。
- 前記膜乾燥工程後に膜焼成工程を備え、該膜焼成工程における加熱温度が500℃以上であることを特徴とする請求項8に記載の被膜付基材の製造方法。
- 下記(a)〜(e)の要件を満たす粒子であることを特徴とする被膜形成用シリカ粒子。
(a)平均粒子径が10〜500nm
(b)粒子径変動係数が20%以下
(c)SiO2純度が99.5%以上
(d)真球度が0.90以上
(e)400℃を基準とした1000℃における重量減が0.5%以下
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