JP2017178789A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

水中油型乳化組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017178789A
JP2017178789A JP2016063476A JP2016063476A JP2017178789A JP 2017178789 A JP2017178789 A JP 2017178789A JP 2016063476 A JP2016063476 A JP 2016063476A JP 2016063476 A JP2016063476 A JP 2016063476A JP 2017178789 A JP2017178789 A JP 2017178789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
component
iob
water
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016063476A
Other languages
English (en)
Inventor
一貴 中条
Kazutaka Nakajo
一貴 中条
田中 健
Takeshi Tanaka
健 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kose Corp
Original Assignee
Kose Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kose Corp filed Critical Kose Corp
Priority to JP2016063476A priority Critical patent/JP2017178789A/ja
Publication of JP2017178789A publication Critical patent/JP2017178789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】ニコチン酸アミドを含有し、肌のハリ・弾力を向上させ、刺激感・べたつきがない使用感触に優れた水中油型乳化組成物を得ること。
【解決手段】
次の成分(A)〜(D):
(A)ニコチン酸アミド 3〜10質量%
(B)リン脂質 0.1〜5質量%
(C)グリセリンモノ脂肪酸エステル
(D)25℃で液状であり、IOB値が0.10〜0.39である油
(E)水
を含有し、より好ましくは組成物中の成分(A)と成分(B)の含有量比(A)/(B+C)が0.1〜20であり、かつ、組成物中の成分(A)と成分(C)および(D)の含有量比(A)/((C)+(D))が0.1〜20であり、かつ、組成物中の成分(C)および(D)の含有量比(C)/(D)が0.01〜5であることを特徴とする水中油型乳化組成物
【選択図】なし

Description

本発明は、肌のハリ・弾力を向上させ、かつ刺激感・べたつきがない使用感触に優れた水中油型乳化組成物に関するものである。
皮膚は加齢やストレスなどの内的要因や、紫外線や空気の乾燥などの外的要因により、しみやシワ、たるみ、色素沈着等を生じる。中でもシワやたるみといった形態的変化は、外観の印象を大きく左右するため改善を望む人は多い。それらシワ・たるみを予防・改善するために多くの薬剤が提案されている。このような中でも、ニコチン酸アミドはビタミン類であって安全性が高く、皮膚老化防止効果を有することが知られている。(特許文献1)しかしながら例えばアトピー性皮膚炎等の特に感受性の高い皮膚に対しては刺激感を与える場合があるという課題があった。ニコチン酸アミドを配合した上で、刺激感を低減する試みに関して、一部報告はあるものの、効果は不十分であった。(特許文献2、特許文献3)。さらに、ニコチン酸アミドを多量に含有するとべたつきなど、望ましくない使用感触があることが知られており、この改善を行ってきた。(特許文献4)
特開平10−130135号公報 特開2006−22051号公報 特開2003−104867号公報 特表2003−502435号公報
しかしながら、刺激感を低減しようとした特許文献2の技術は、糖と水溶性の皮膜形成高分子を共に含有するため、よりべたつきが増し使用感触が悪いものであった。また、同じく刺激感の低減を試みた特許文献3は、ニコチン酸アミドの含有量が低い場合にのみ限定され、高含有の場合にはその効果は不十分であった。一方で、べたつきを押さえようとした特許文献4はN−アセルチルグルコサミン及び酸性ムコ多糖をを共に含有する技術であるが、効果は不十分であった。
すなわち、ニコチン酸アミドを高濃度で含有し、肌のハリ・弾力を向上させ、刺激感・べたつきがない使用感触に優れた化粧料は知られていない状況である。
かかる実情を鑑み、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ニコチン酸アミドを3〜10質量%という高濃度で含有した場合においても、リン脂質、モノグリセリン脂肪酸エステル、および、25℃で液状であり、IOB値が0.10〜0.39である油を含有した場合に、ニコチン酸アミドによる使用時のべたつき、および、皮膚に対する刺激が低減されることを見出した。
さらに驚くべきことに、これらを組み合わせることにより、ニコチン酸アミド単体を含有するときよりも肌のハリ・弾力が向上することを見出し、シワ・たるみといった老化の形態的変化を予防・改善することを見出して本発明を完成した。
本発明の水中油型乳化組成物は、肌のハリ・弾力を向上させ、シワ・たるみといった老化の形態的変化を予防・改善すると共に、刺激感・べたつきがない使用感触に優れた効果を有するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、%で表記する数値は、特に記載した場合を除き、質量を基準にした値である。
成分(A):ニコチン酸アミド
本発明における成分(A)ニコチン酸アミドは、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)のアミドである。ニコチン酸アミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである公知の物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたり、あるいは公知の方法によって合成することができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることが出来る。
本発明において成分(A)の量は、肌荒れや肌のハリ・弾力を向上させ、べたつきを抑えるためには3〜10%が好ましく4〜8%が特に好ましい。3%未満では肌のハリ・弾力を向上させる効果が不十分である。10%を超えても効果は上昇しない。
成分(B):リン脂質
本発明に用いる成分(B)のリン脂質は、構造中にリン酸エステル部位をもつ脂質を指す。リン脂質は、大きく分けてグリセリンを骨格とするグリセロリン脂質と、スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質の2つが存在するがいずれのものも好適に使用できる。
本発明に用いる成分(B)のリン脂質は、具体的には大豆や卵黄から抽出した大豆レシチン、卵黄レシチン及び/又はこれらを水素添加した水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンや合成リン脂質など、一般にリン脂質として知られるものや、アシル化リン脂質、糖やポリエチレングリコールなどで修飾したリン脂質誘導体などが使用できる。
グリセリンと結合する脂肪酸が1本であるリゾリン脂質も使用可能である。
リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、およびホスファチジルイノシトールなどが好ましく、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。リン脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数7〜22の飽和あるいは不飽和カルボン酸が挙げられる。
本発明に係る水中油型乳化組成物の成分(B)の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく0.5〜3%が特に好ましい。0.1%未満では刺激低減効果が不十分である。5%を超えても刺激低減効果は増強せず、べたつきが増す。この範囲であればべたつくことなく、刺激低減効果を有する上に水中油型乳化組成物の安定性にも優れている。
成分(C): グリセリンモノ脂肪酸エステル
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸とのモノエステルである。グリセリンモノ脂肪酸エステルは、脂肪酸とグリセリンのエステル化反応、または油脂および脂肪酸エステルとグリセリンとのエステル交換反応によって得られる。
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸としては、炭素数6〜22の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。具体例としてはモノカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノオクタン酸グリセリル、モノノナン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノウンデシレン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノモノベヘン酸グリセリルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
成分(C)の中でも炭素数が12〜22であると刺激低減効果に優れ好ましい。中でもモノステアリン酸グリセリルが刺激低減効果とともにべたつきを低減させる効果に優れ特に好ましい。一方、炭素数が6〜12のグリセリンモノ脂肪酸エステルは刺激低減効果を有するとともに水中油型乳化組成物の保存安定性に優れる。この効果はモノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリルが特に好ましい。これらを1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(C)の水中油型乳化組成物中における含有量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.15〜3質量%であり、さらに好ましくは0.2〜2質量%である。当該範囲内であれば、べたつくことなく刺激低減効果を有する上に、水中油型乳化組成物の保存安定性に優れるため好ましい。
成分(D):25℃で液状であり、IOB値が0.10〜0.39である油
「液状」とは、1気圧下において、流動性を有している状態をいい、すなわち、融点以上の温度条件の下にある状態(融点を有さない非晶性物質においては溶融点以上の温度条件の下にある状態)をいう。なお、IOB値とは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
IOB値が0.10未満の油では刺激低減効果がなく、べたつきが増す。一方0.39を超えると水中油型乳化組成物の保存安定性に劣り、刺激低減効果が不十分である。
25℃で液状であり、IOB値が0.10〜0.39である油の具体的な例としては、2−エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.13)、イソノナン酸イソトリデシル(IOB=0.15)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(IOB=0.25)、ジカプリン酸プロピレングリコール(IOB=0.26)、リンゴ酸ジイソステアリル(IOB=0.28)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.16)、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.35)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB=0.18)、イソノナン酸イソデシル(IOB=0.19)、ネオペンタン酸オクチルドデシル(IOB=0.13)、ネオペンタン酸イソステアリル(IOB=0.14)、パルミチン酸イソプロピル(IOB=0.16)、ラウリン酸ヘキシル(IOB=0.17)、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル(IOB=0.13)、イソステアリン酸イソプロピル(IOB=0.15)、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(IOB=0.32)、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.33)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB=0.35)、イソデシルベンゾエート(IOB=0.23)、ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.32)、イソノナン酸イソノニル(IOB=0.20)、イソノナン酸エチルヘキシル(IOB=0.20)、ネオペンタン酸イソデシル(IOB=0.22)、エチルヘキサン酸エチルヘキシル(IOB=0.20)、トリエチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.36)、コハク酸ジエチルヘキシル(IOB=0.32)、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(IOB値=0.28)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらは、必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
本発明の化粧料における成分(D)の含有量は、特に制限されないが0.1〜20%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、さらに好ましくは1〜5質量%である。当該範囲内であれば、優れた使用感、保存安定性が得られるとともに肌のハリ・弾力に優れる。
発明に用いる成分(E)水は、水中油型乳化組成物とするために含有されるものであり、化粧料に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。水の他にも精製水、温泉水、深層水、或いは植物の水蒸気蒸留水でもよく、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また含有量は、特に限定されず、適宜、他の成分量に応じて含有することができるが、概ね30〜90%の範囲で用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分(A)〜(E)を含有することにより、肌のハリ・弾力を向上させ、シワ・たるみといった老化の形態的変化を予防・改善すると共に、刺激感・べたつきがない使用感触に優れた水中油型乳化組成物にすることが可能となる。
ここで、水中油型乳化組成物中における成分(A)と成分(B)及び成分(C)の含有量比(A)/((B)+(C))が0.1〜20であると、成分(A)の刺激が低減され好ましい。また、成分(A)と成分(C)および(D)の質量比(A)/((C)+(D))が0.1〜20であれば、水中油型乳化組成物のべたつきが低減され好ましい。さらに、(C)/(D)が0.01〜5の範囲内である場合、経時での製剤の安定性に特に優れる。
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、公知の乳化方法であれば特に限定されることなく製造可能である。具体的には、分散乳化法、転送乳化法、ゲル乳化法、転相温度乳化法等である。好ましいものを例示するならば、あらかじめ成分(A)、(E)を含む水性成分を調製しておき、これに成分(B)〜(D)の油性成分を添加混合して得られる分散乳化法を用いることで、経時安定性に優れた水中油型乳化組成物とすることができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に含有される任意成分、すなわち、低級アルコールや多価アルコール、さらにそれら以外の水性成分、油剤、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、成分(B)以外の界面活性剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、美容成分等を含有することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、他の成分との併用により種々の剤型とすることもできる。具体的には、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、固形状等、種々の剤型にて実施することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、種々の用途の化粧料として利用できる。例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、日焼け止めなどのスキンケア化粧料、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料ヘアミスト、トリートメント、ヘアクリーム、等の頭髪用化粧料などを例示することができる。その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、皮膚外用剤の用途としても利用可能である。例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等が挙げられる。またその使用方法は、前記した化粧料と同様に挙げることができる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。含有量は特記しない限り、その成分が含有される系に対する質量%で示す。
予備実験
下記表1に示す処方の水中油型乳化乳液を調製した。
処方1のようにニコチン酸アミドが少ないと十分な肌のハリ・弾力を得ることができなかった。十分な効果が得られるようにニコチン酸アミドの量を増やした場合(処方2)、リン脂質があっても刺激を感じる人がいた。刺激を感じなくなるまでリン脂質を増量した(処方3)ところ、べたつきが発生し感触的に許容できないものとなった。
実施例1 本発明品1〜7及び比較品1〜4:水中油型乳化乳液
下記表2に示す処方の水中油型乳化乳液を調製し、肌のハリ・弾力、べたつき、刺激感について下記の方法により評価した。その結果も併せて表2に示す。
(製造方法)
A:成分1〜6を70℃で均一に溶解混合する。
B:成分7〜8を70℃で均一に溶解混合する。
C:BにAを添加し70℃で乳化する。
D:Cに成分9〜14を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油型乳化乳液を得た。
(評価項目)
イ.肌のハリ・弾力
ロ.べたつき
ハ.刺激感
(評価方法)
[イ、ロについて(官能評価)]
20代〜40代の女性で官能評価の訓練を受け、一定の基準で評価が可能な専門パネルを10名選定した。各試料について専門パネルが皮膚に塗布した時に感じる、肌のハリ・弾力、べたつきを下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(イ.肌のハリ・弾力の評価)
絶対評価基準
(評点):(評価)
5点:非常に肌のハリ・弾力があると感じる
4点:肌のハリ・弾力があると感じる
3点:やや肌のハリ・弾力があると感じる
2点:あまり肌のハリ・弾力があると感じない
1点:肌のハリ・弾力があると感じない
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点を超える :非常に良好
○ :3点を超える4点以下 :良好
△ :2点を超える3点以下 :やや不良
× :2点以下 :不良
(ロ.べたつきの評価)
絶対評価基準
(評点):(評価)
5点:べたつきを感じない
4点:ほとんどべたつきを感じない
3点:ややべたつきを感じる
2点:べたつきを感じる
1点:非常にべたつきを感じる
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点を超える :非常に良好
○ :3点を超える4点以下 :良好
△ :2点を超える3点以下 :やや不良
× :2点以下 :不良
(評価方法)
[ハについて(官能評価)]
本発明における「刺激感」とは塗布直後のぴりぴり・ちくちくとした感触(スティンギング)であり、他に通常、紅斑や浮腫のような炎症性症状は伴わず、一過性に消失する反応を指すものである。事前に社内スティンギングテストを行い、刺激に感度が高く、安定した評価が可能な20代〜50代の男性10名を専門パネルとして選定した。各試料について専門パネルが皮膚に塗布した時に感じる、刺激感を下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(刺激感の評価)
絶対評価基準
(評点):(評価)
5点:刺激を感じない
4点:ほとんど刺激を感じない
3点:やや刺激を感じる
2点:刺激を感じる
1点:はっきりと刺激を感じる
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点を超える :刺激感はない
○ :3点を超える4点以下 :ほぼ刺激感はない
△ :2点を超える3点以下 :一般人ならばほぼ刺激を感じない
× :2点以下 :一般人でも刺激を感じる可能性あり
表2の結果から明らかなように、本発明品1〜7の水中油型乳化乳液は、比較品1〜4の水中油型乳化乳液に比べ、肌のハリ・弾力、刺激感、べたつきの全てにおいて優れたものであった。
これに対して成分(C)を配合しない比較品1では刺激感を低減できなかった。また、成分(C)の代わりに他の脂肪酸エステルを含有した比較品では刺激感を低減できず、べたつきも増す傾向にあった。
実施例2
本発明品8〜15及び比較品5〜8水中油型乳化乳液
下記表3に示す処方の水中油型乳化乳液を調製し、肌のハリ・弾力、べたつき、刺激感について上述の方法により評価した。その結果も併せて表3に示す。
なお、成分の後に示した数字はIOB値である。
(製造方法)
A:成分1〜11を70℃で均一に溶解混合する。
B:成分12〜14を70℃で均一に溶解混合する。
C:BにAを添加し70℃で乳化する。
D:Cに成分15〜20を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油型乳化乳液を得た。
表3の結果から明らかなように、本発明品の水中油型乳化乳液は、比較品の水中油型乳化乳液に比べ、肌のハリ・弾力、刺激感、べたつきの全てにおいて優れたものであった。
これに対して成分(D)の代わりにIOB値が範囲外の油剤を配合しても刺激感は低減しなかった。また、IOB値が範囲内であっても固体であるコレステロールではべたつきが改善しなかった。
実施例4:水中油型乳化クリーム
(成分) (質量%)
1.1,3−ブチレングリコール 12.0
2.グリセリン 5.0
3.精製水 残量
4.ニコチン酸アミド 5.0
5.リン脂質 0.5
6.リゾリン脂質 0.5
7.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.16)
1.0
8.イソノナン酸イソノニル(IOB=0.20) 1.0
9.N−ステアロイルジヒドロスフィンゴシン 0.1
10.アスタキサンチン 0.001
11.トコフェロール 0.01
12.セトステアリルアルコール 2.0
13.ベヘニルアルコール 1.0
14.グリセリンモノイソステアリン酸エステル 1.0
15.パラオキシ安息香酸メチル 適量
16.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 (注1) 0.15
17.キサンタンガム 0.1
18.水酸化ナトリウム2%溶液 0.2
19.香料 適量
注1:CARBOPOL 1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS 社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を70℃で均一に溶解混合する。
B:成分5〜15を80℃で均一に溶解混合する。
C:AにBを添加し70℃で乳化する。
D:Cに成分16〜19を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油型乳化クリームを得た。
実施例4の水中油型乳化クリームは、肌のハリ・弾力、刺激感、べたつきのなさ、の全てにおいて優れたものであった。
実施例5:水中油型化粧下地
(成分) (質量%)
1.1,3−ブチレングリコール 7.0
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.トリエタノールアミン 0.4
4.精製水 残量
5.ニコチン酸アミド 4.0
6.リン脂質 0.4
7.ステアリン酸 1.0
8.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(注2) 0.2
9.ポリソルベート80 0.1
10.イソステアリン酸イソプロピル(IOB=0.15) 1.0
11.トリエチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.36) 1.0
12.セトステアリルアルコール 0.3
13.ベヘニルアルコール 0.5
14.グリセリンモノカプリル酸エステル 0.3
15.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
16.キサンタンガム 0.1
17.タルク 0.4
18.含水シリカ 0.1
19.マイカ 1.3
20.酸化チタン 6.0
21.酸化鉄 0.1
注2:HCO-20(日本サーファクタント工業社製)
(製造方法)
A:成分15〜21を均一に分散する。
B:成分1〜5を70℃で均一に溶解し、Aを加え均一に混合する。
C:成分6〜14を80℃で均一に溶解混合する。
D:BにCを添加し70℃で乳化する。
E:Dを40℃まで冷却して水中油型化粧下地を得た。
実施例5の水中油型化粧下地は、肌のハリ・弾力、刺激感、べたつきのなさの全てにおいて優れたものであった。
実施例6:水中油型乳化美容液
(成分) (%)
1.1,3−ブチレングリコール 5.0
2.プロピレングリコール 5.0
3.精製水 残量
4.ニコチン酸アミド 8.0
5.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB=0.35) 0.25
6.ネオペンタン酸イソステアリル(IOB=0.14) 0.15
7.N−ステアロイルフィトスフィンゴシン 0.1
8.酢酸トコフェロール 0.01
9.セトステアリルアルコール 0.5
10.ベヘニルアルコール 0.6
11.グリセリンモノオレイン酸エステル 0.4
12.グリセリンモノカプリン酸エステル 0.1
13.カルボマー (注3) 0.15
14.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
(注4) 0.1
15.水酸化ナトリウム2%溶液 0.2
16.エタノール 5.0
17.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
18.加水分解ヒアルロン酸 0.01
19.加水分解コラーゲン 0.01
20.香料 適量
注3:CARBOPOL 980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS 社製)
注4:SIMULGEL EG(SEPIC社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を70℃で均一に溶解混合する。
B:成分5〜12を80℃で均一に溶解混合する。
C:AにBを添加し70℃で乳化する。
D:Cに成分13〜20を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油型乳化美容液を得た。
実施例6の水中油型乳化美容液は、肌のハリ・弾力、刺激感、べたつきの全てにおいて優れたものであった。
本発明は、化粧料、医薬部外品、皮膚外用剤等に適用できる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(D):
    (A)ニコチン酸アミド 3〜10質量%
    (B)リン脂質 0.1〜5質量%
    (C)グリセリンモノ脂肪酸エステル
    (D)25℃で液状であり、IOB値が0.10〜0.39である油
    (E)水
    を含有する、水中油型乳化組成物。
  2. 成分(C)の含有量が0.1〜5質量%である請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. 組成物中の成分(A)と成分(B)及び(C)の含有質量の割合(A)/((B)+(C))が0.1〜20である、請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
  4. 組成物中の成分(A)と成分(C)および(D)の含有質量の割合(A)/((C)+(D))が0.1〜20である、請求項1〜3に記載の水中油型乳化組成物。
  5. 組成物中の成分(C)および(D)の含有量比(C)/(D)が0.01〜5である請求項1〜4に記載の水中油型乳化組成物。
  6. 化粧料又は皮膚外用剤である請求項1〜5に記載の水中油型乳化組成物。
JP2016063476A 2016-03-28 2016-03-28 水中油型乳化組成物 Pending JP2017178789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016063476A JP2017178789A (ja) 2016-03-28 2016-03-28 水中油型乳化組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016063476A JP2017178789A (ja) 2016-03-28 2016-03-28 水中油型乳化組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017178789A true JP2017178789A (ja) 2017-10-05

Family

ID=60009201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016063476A Pending JP2017178789A (ja) 2016-03-28 2016-03-28 水中油型乳化組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017178789A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019131547A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 水性組成物
JP2019131552A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚有効成分の皮膚浸透性を向上した化粧料又は皮膚外用剤
JP2019131492A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚外用剤または化粧料
JP2019131507A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚外用剤又は化粧料
WO2020137017A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 日本精化株式会社 美白剤、ヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、細胞内活性酸素消去剤、刺激緩和剤、シワ改善剤、複合体、化粧料、及び皮膚外用剤
JP2020117500A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 ロート製薬株式会社 皮膚外用組成物
JP2020152681A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 株式会社マンダム 乳化化粧料組成物
JP2022103138A (ja) * 2020-12-25 2022-07-07 ちふれホールディングス株式会社 水中油型乳化化粧料
JP2022130776A (ja) * 2021-02-26 2022-09-07 株式会社ファンケル 乳化化粧料

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019131492A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚外用剤または化粧料
JP7071830B2 (ja) 2018-01-30 2022-05-19 株式会社コーセー 皮膚外用剤または化粧料
JP7104643B2 (ja) 2018-01-31 2022-07-21 株式会社コーセー 水性組成物
JP2019131552A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚有効成分の皮膚浸透性を向上した化粧料又は皮膚外用剤
JP2019131507A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 皮膚外用剤又は化粧料
JP2019131547A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 株式会社コーセー 水性組成物
JP7032945B2 (ja) 2018-01-31 2022-03-09 株式会社コーセー 皮膚外用剤又は化粧料
JP7364339B2 (ja) 2018-01-31 2023-10-18 株式会社コーセー 皮膚有効成分の皮膚浸透性を向上した化粧料又は皮膚外用剤
WO2020137017A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 日本精化株式会社 美白剤、ヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、細胞内活性酸素消去剤、刺激緩和剤、シワ改善剤、複合体、化粧料、及び皮膚外用剤
JP2020117500A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 ロート製薬株式会社 皮膚外用組成物
JP2020152681A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 株式会社マンダム 乳化化粧料組成物
JP7309400B2 (ja) 2019-03-20 2023-07-18 株式会社マンダム 乳化化粧料組成物
JP7159435B2 (ja) 2020-12-25 2022-10-24 ちふれホールディングス株式会社 水中油型乳化化粧料
JP2022103138A (ja) * 2020-12-25 2022-07-07 ちふれホールディングス株式会社 水中油型乳化化粧料
JP2022130776A (ja) * 2021-02-26 2022-09-07 株式会社ファンケル 乳化化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017178789A (ja) 水中油型乳化組成物
JP7079827B2 (ja) 油性保湿剤を含む皮膚外用組成物
JP6457765B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
JP2022087249A (ja) 水中油型乳化組成物
JP2019131492A (ja) 皮膚外用剤または化粧料
EA004662B1 (ru) Масла для кожи, образующие пузырьки и содержащие водно-масляные эмульгаторы с гидрофильно-липофильным балансом 2-6, способ получения и применение
TW201505661A (zh) 水中油型乳化皮膚化妝料
JP6348253B2 (ja) グリチルレチン酸ステアリル配合乳化組成物
JP2022075265A (ja) ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリルを含有する水中油型乳化組成物
JP5069841B2 (ja) 米糠から得られる植物ステロールエステルおよびトリテルペンアルコールエステルの使用方法
JP2008231087A (ja) 皮膚外用剤
TWI694841B (zh) W/o型乳化物及由其製造之預混物
JP2023553098A (ja) スクロースエステル及び溶媒を含む化粧品組成物
JP7364339B2 (ja) 皮膚有効成分の皮膚浸透性を向上した化粧料又は皮膚外用剤
JP6336313B2 (ja) 水中油型乳化組成物
CA2086689A1 (en) Cosmetic or dermatological composition containing a diol ester
JP2010270067A (ja) 乳化組成物
JP6918548B2 (ja) 皮膚外用剤又は化粧料
KR101815127B1 (ko) 온도 감응성 색조 화장료 조성물 및 이의 제조방법
JP6266877B2 (ja) グリチルレチン酸ステアリル配合乳化組成物
JP3671103B2 (ja) 化粧料
JP7032117B2 (ja) 油性組成物
US11039991B2 (en) Hydrophobic gel based on vitamin e free from silicone products for topical application
JP4250501B2 (ja) ジェル状油性化粧料
JP4783121B2 (ja) ラベンダー油と補酵素qを含む化粧料