JP2017177606A - 繰出式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸筒2の内部に、前方にペン先31を有した筆記体3が出没可能に配設され、筆記体3と該筆記体3を出没させる繰出機構部5との間にゲル状弾性体9が配設され、軸筒2にゲル状弾性体を視認する透明部22dが形成され、筆記体3の繰出時において該筆記体3と繰出機構部5との間で圧縮されたゲル状弾性体9を軸筒2の内面22aに密着させ、透明部22dより、ゲル状弾性体9が軸筒2に密着した状態を視認することができる構造の繰出式筆記具1とする。
【選択図】図4
Description
例えば、特許文献1及び特許文献2には、インキタンクと軸筒との間に弾性体を配設して、使用者の手に伝わる力を軽減させる構造が提案されている。前記両文献に記載されたボールペンによれば、使用者が強い力でペン先を紙面に接触させた場合でも、弾性体がその力を軽減させることが可能となる。
また、前記特許文献2に記載のボールペンでは、インキタンク(芯部)と軸筒後部に装着されたキャップとの間にゴムを配設してある。このゴムを弾性体として用いた場合には、筆記時における筆圧の変化が、前記特許文献1のボールペンと同様、ペン先の前後動や手に伝わる感触につながっていた。
また、前記両文献に記載されたボールペンでは、弾性体としてコイルスプリングあるいはゴムを採用することから、筆記時における筆圧の変化が、瞬時にペン先の前後動や手に伝わる感触につながってしまい、そのダイレクトな反応が好まれない場合もあった。
「軸筒の内部に、前方にペン先を有した筆記体が出没可能に配設され、前記筆記体と該筆記体を出没させる繰出機構部との間にゲル状弾性体が配設され、前記軸筒に前記ゲル状弾性体を視認する透明部が形成され、前記筆記体の繰出時において該筆記体と前記繰出機構部との間で圧縮された前記ゲル状弾性体を前記軸筒の内面に密着させ、前記透明部より、該ゲル状弾性体が該軸筒に密着した状態を視認することができる構造の繰出式筆記具。」である。
また、筆記体の繰出時においてゲル状弾性体が軸筒の内面に密着するよう圧縮されることで、その前後に設けられた部材と軸筒の内面との隙間に入り込むように伸び広がり、さらには軸筒の透明部で生じた光の屈折作用によって、ゲル状弾性体が密着した状態を、より顕著に認識することも可能となる。
尚、筆記体の繰出時において圧縮されるゲル状弾性体は、筆記時に筆圧が軽減できるよう弾性変形する必要があり、したがって筆記体の繰出時においてはゲル状弾性体がさらに弾性変形できるようにすることが肝要である。具体的には、筆記体の繰出時にはゲル状弾性体がその前後方向において完全に圧縮されない寸法設定にしたり、あるいは前述のように、前後に設けられた部材と軸筒の内面との隙間にゲル状弾性体の前後縁部が入り込めるようにすればよい。
本施例では、ペン先がある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。尚、説明を分かりやすくするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
また、尾栓33の後方には、後軸22の内径より若干小径の鍔部33cを形成してあり、インキタンク32の後端から突出させている。
固定カム6は、先端に山形状の凹凸部6aを有し、外面には、カム溝22bに係合する複数の突起6bを、凹凸部6aの頂部6cに位置するよう円周上に等間隔で設けてある。
回転カム7の外周面には、カム溝22bに係合する複数のカム突起7aを有し、カム突起7aの後端に前記凹凸部6aに噛み合う傾斜面7bで構成した噛合部7cを設けてある。
図3Aに示すように、本実施例のカム機構部5は、固定カム6の突起6b及び回転カム7のカム突起7aをカム溝22bに係合させた際、固定カム6の凹凸部6aの頂部6cが、噛合部7cの傾斜面7bの中間点に位置するようにしてある。
後軸22の後端開口部22cから突出した固定カム6のノック部6dを軸筒2の前方へ押動すると、固定カム6は、後軸22の内面22aに形成した深いカム溝221bと浅いカム溝222bに係合した突起6bに導かれて前進し、固定カム6に連接した回転カム7は、深いカム溝221bに係合したカム突起7aに導かれて前進する。
カム突起7aが、深いカム溝221bの先端に達して該カム溝から離脱すると、固定カム6の凹凸部6aの頂部6cは、回転カム7の噛合部7cの傾斜面7bの中間に位置する。この時、回転カム7は、筆記体3とゲル状弾性体9を介してコイルスプリング4で後方へ弾発された円板部材8に当接しているので、後方へ後退しようとして右側から左側に回転し(図において、噛合部7cの傾斜面7bが右下がりのため)、回転カム7の噛合部7cは固定カム6の凹凸部6aを滑って、カム突起7aの噛合部7cが浅いカム溝222bの先端の係止斜面223bに係止され、図4に示したように、先端開口部21bからペン先31を突出させた状態で維持することができる。
また再度、ノック部6dを軸筒2の前方へ押動することにより、カム突起7aの噛合部7cと浅いカム溝222bの係止斜面223bとの係止状態が解かれ、コイルスプリング4に弾発された回転カム7が後退しようとして右側から左側に回転し(図において、噛合部7cの傾斜面7bが右下がりのため)、回転カム7のカム突起7aが深いカム溝221bを後退して図3Aの状態となり、図1に示したように、先端開口部21bにペン先31が没入した状態となる。
また、本実施例の後軸22は、透明なポリカーボネートにて成形したことから、後軸22の全体が透明部22dであり、緑色に着色されたゲル状弾性体9を視認することができる。
図4に示すように、ゲル状弾性体9は、筆記体3を介してコイルスプリング4で後方へ弾発された力で圧縮され、後軸22の内面22aに密着する。この時、ゲル状弾性体9の前縁部9aは、尾栓33の鍔部33cと後軸22の内面22aとの隙間に入り込むように伸び広がり、ゲル状弾性体9の後縁部9bは、円板部材8と後軸22の内面22aとの隙間に入り込むように伸び広がるため、ゲル状弾性体9の前後方向の巾が広くなって、より見やすくなっている。さらに曲面で形成した後軸22の内面22aは、ゲル状弾性体9が密着することで、光の屈折作用によって、ゲル状弾性体9が後軸22の肉厚内部22cに存在するかのように見ることができた。
このゲル状弾性体9の変化により、使用者は、ゲル状弾性体9の弾性変形が可能な状況を視覚的に認識することができ、さらに筆記体3のペン先31が軸筒2から突出されて筆記が可能になった状態も認識することができた。
また図5に示したように、筆記時に紙面100にペン先31を押し当てて筆圧が掛かった際には、ゲル状弾性体9がさらに圧縮されるように変形し、使用者が受ける筆圧の反力が、筆記体3の後方に配設されたゲル状弾性体9によって軽減され、その際の筆圧の変化による反応は、ゲルの特性により緩やかなものとなった。
2…軸筒、
21…前軸、21a…内段、21b…先端開口部、
22…後軸、22a…内面、22b…カム溝、22c…肉厚内部、
221b…深いカム溝、222b…浅いカム溝、223b…係止斜面、
22c…後端開口部、22d…透明部、
3…筆記体、
31…ペン先、
32…インキタンク、32a…前端部、32b…孔部、
33…尾栓、33a…前方小径部、33b…スリット、33c…鍔部、
4…コイルスプリング、
5…回転カム機構部、
6…固定カム、
6a…凹凸部、6b…突起、6c…頂部、6d…ノック部、
7…回転カム、
7a…カム突起、7b…傾斜面、7c…噛合部、
8…円板部材、
9…ゲル状弾性体、
9a…前縁部、9b…後縁部、
100…紙面。
Claims (1)
- 軸筒の内部に、前方にペン先を有した筆記体が出没可能に配設され、前記筆記体と該筆記体を出没させる繰出機構部との間にゲル状弾性体が配設され、前記軸筒に前記ゲル状弾性体を視認する透明部が形成され、前記筆記体の繰出時において該筆記体と前記繰出機構部との間で圧縮された前記ゲル状弾性体を前記軸筒の内面に密着させ、前記透明部より、該ゲル状弾性体が該軸筒に密着した状態を視認することができる構造の繰出式筆記具。
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JP2016069665A JP6563842B2 (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 繰出式筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016069665A JP6563842B2 (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 繰出式筆記具 |
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2016
- 2016-03-30 JP JP2016069665A patent/JP6563842B2/ja active Active
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