JP2017177489A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固形粒子を含有するインクを用いた場合であっても、簡易な手段で、効率的にノズルの詰まりを防止することができるインクジェット記録装置等を提供する。【解決手段】インクジェットヘッド7が印画を行わない非印画領域に位置する際に、複数のノズル13からインクを射出させるリフレッシュ手段(駆動信号発生部)を備え、リフレッシュ手段(駆動信号発生部)が、複数のノズルを複数のブロックに分け、ブロックごとに単位時間当たりのインクの射出量を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法に関する。
従来、インクジェットヘッドに備えられた複数のノズルからインク滴を射出して被記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、近年では、紙、布帛、プラスチックシート等に印画を行うだけでなく、例えば、セラミックタイルの表面に図柄を印画する際にも用いられている。そして、これに伴い、インクジェット記録装置は多種多様のインクを安定に長時間射出できる性能が求められている。
しかし、インクとして、例えば、セラミックスの固形粒子を含むセラミックインクや、酸化チタン等の固形粒子を顔料として含む白インクを使用し、インクジェットヘッドからインク滴を射出することにより印画を行う場合、印画が行われない状態が一定時間続くと、インク中の固形粒子が沈降することがある。これは、インク中の固形粒子が、分散媒よりも比重が大きいためである。
ここで、ノズルに連通する圧力室内で固形粒子が沈降すると、ノズル近傍の固形粒子の密度が高くなり、ノズルが詰まることがある。また、密度が高くなった固形粒子が硬化すると、永続的に射出ができなくなるおそれもある。さらには、インク滴中の固形粒子が適正濃度ではなくなることで、射出速度の乱れや画像の不均一化を引き起こす原因にもなる。
従来、ノズルを形成した面を覆うようにキャップ部を設け、そのキャップ部に接続した吸引ポンプにより、そのキャップ部を介して印字ヘッドの内部からインクを吸引する吸引メンテナンス手段を有するインクジェット記録装置が知られている(特許文献1)。また、この吸引メンテナンス手段の応用として、キャップ部の内部を複数の領域に分けることで、吸引する必要のあるノズル領域のみを選択的に吸引できるようにしたインクジェット記録装置も知られている(特許文献2)。
これらの吸引メンテナンス手段により、ヘッド内のインクを新しいインクに置換できるため、上述したインク中の固形粒子の沈降を低減させ、ノズルの詰まりを防止できる。
また、他の例として、ヘッドチップ内にインクを循環させるための流路を有し、ノズル付近のインクを循環できるインクジェット記録装置が知られている(特許文献3)。この装置では、ヘッドチップ内のインクを循環できるため、インク中の固形粒子の沈降を低減させることができる。
特開平7−276671号公報 特開平10−181034号公報 特開2014−51049号公報
しかし、特許文献1のインクを吸引するメンテナンス手段を、近年の多数のノズルが配置されたインクジェットヘッドに使用する場合、それら多数のノズルのそれぞれからインクを射出する必要があるため、多量のインクを射出しなければならないという問題がある。
また、特許文献2のメンテナンス方法では、特定の領域のみを選択してインクを吸引できるため、射出するインクの合計量を抑えることができるものの、装置の構成が複雑になるという問題がある。
また、特許文献3のようなインクを循環できる流路を有するインクジェットヘッドを用いる方法では、特殊な構造を有するインクジェットヘッドが必要となる。
そのため、従来の方法よりも簡易な手段で、インク中の固形粒子を沈降しにくくし、効率的にノズルの詰まりを防止できるインクジェット記録装置が求められていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、固形粒子を含有するインクを用いた場合であっても、簡易な手段で、効率的にノズルの詰まりを防止することができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のために、請求項1に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、
インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルの各々からインクを射出させる複数の圧力発生手段と、を有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドが印画を行わない非印画領域に位置する際に、前記複数のノズルからインクを射出させるリフレッシュ手段と、
を備え、
前記リフレッシュ手段は、前記複数のノズルを複数のブロックに分け、当該ブロックごとに単位時間当たりのインクの射出量を制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記リフレッシュ手段は、前記複数のブロックのうち、ノズル列方向の端部に位置するノズルを含むブロックを、当該ノズル列方向の中央部に位置するノズルを含むブロックよりも、単位時間当たりのインクの射出量が多くなるように制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記リフレッシュ手段は、前記複数のノズルのそれぞれから、前記圧力室の容積と同等以上の液滴量を射出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記圧力発生手段として圧電素子を備え、
前記リフレッシュ手段は、当該圧電素子の駆動周波数によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数のノズルが形成されたノズル面に当接する吸引キャップを備え、
前記ノズル面に前記吸引キャップを当接した状態で、前記リフレッシュ手段によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御してインクを射出させながら、前記複数のノズルから前記インクジェットヘッド内のインクを吸引してインクを回収する吸引メンテナンス手段を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
前記吸引メンテナンス手段は、前記吸引キャップを前記ノズル面に当接させた後、インクを吸引する前に、前記吸引キャップ内の空気を排出することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のインクジェット記録装置において、
前記吸引キャップで回収したインクを、前記インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給系へ戻すインク帰還手段を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の圧力室が連通する共通インク室内のインクを循環させるインク循環手段を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェット記録装置において、
前記共通インク室内を上下に分離するフィルターを有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルの各々からインクを射出させる複数の圧力発生手段と、を有するインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置のリフレッシュ方法であって、
前記インクジェットヘッドが印画を行わない非印画領域に位置する際に、前記複数のノズルを複数のブロックに分け、当該ブロックごとにインクの単位時間当たりのインクの射出量を変更することを特徴とする。
本発明によれば、固形粒子を含有するインクを用いた場合であっても、簡易な手段で、効率的にノズルの詰まりを防止することができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法を提供することができる。
インクジェット記録装置の主要部を示す斜視図 インクジェットヘッドの斜視図 インクジェットヘッドの主要部の断面図 インク滴の射出速度検出部を示す図 インクジェット記録装置の制御系を示すブロック図 インク供給系を示す概略図 インク射出時の隔壁の動作を示す図 圧力室及びノズル近傍を示す断面図 インクジェット記録装置の動作を示すフロー図
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。但し、発明の範囲は図示例に限定されない。
[インクジェット記録装置]
インクジェット記録装置100は、図1に示すように、キャリッジ1、インクジェットヘッド7、搬送モーター11、吸引キャップ14、クリーニング部15、射出速度検出部16、ホームポジションセンサ18、回収タンク21、制御部22等から構成されている。なお、射出速度検出部16は、図1では記載を省略しているが、図4にその概略図を示す。
なお、被記録媒体6の搬送方向を前方向、被記録媒体6の搬送面において当該搬送方向(前方向)に直交する幅方向を左右方向とし、前後方向及び左右方向に垂直な方向を上下方向(インクの射出方向)として説明する。
キャリッジ1は、タイミングベルト2の一部に結合されており、キャリッジモーター3の正逆回転により駆動される。キャリッジ1は、ガイド部材4に案内されて、プラテン部5が設けられた位置に対応する印画領域A1と、吸引キャップ14が設けられた位置に対応する非印画領域A2とを、左右方向に往復移動できるように構成されている(図1)。
被記録媒体6は、プラテン部5の上面に支持されており、搬送モーター11の駆動により、前方向に搬送される。
インクジェットヘッド7は、被記録媒体6の搬送方向(前方向)と直交する幅方向(左右方向)に形成されたインク滴を射出する多数のノズル13を有し、キャリッジ1に搭載されている。ここで、ノズル13は、キャリッジ1への搭載時に、プラテン部5に対向するように配設されており、ノズル13から被記録媒体6に向かってインク滴が射出されるようになっている。
また、インクジェットヘッド7は、図2及び図3に示すように、圧力発生手段としての圧電素子からなる隔壁27で仕切られた筒状の複数の圧力室80と複数の空気室81が交互に形成されている。圧力室80,…はそれぞれ上方向の端部で共通インク室8に連通し、共通インク室8からインクが流れ込むようになっている。また、圧力室80,…はそれぞれ前方向の端部において、ノズル面17に形成された複数のノズル13に連通している。そして、各圧力室80にて隔壁27によって加圧されたインクは、各ノズル13から射出されるようになっている。一方で、空気室81,…は、共通インク室8には連通されておらず、空気室81,…内にインクが流れ込まないようになっている。また、空気室81,…は、ノズル13にも連通されていない。
なお、インクジェットヘッド7では、インクが供給される圧力室80と、インクが供給されない空気室81とが交互に配置されているとしたが、必ずしもこれに限られず、空気室81を設けずに圧力室80のみで形成されていることとしてもよい。ここで、前者の場合には、圧力室80の隔壁がせん断変形しても、隣接した他の圧力室80に影響することがないため、隔壁の駆動が容易である。
また、インクジェットヘッド7は、共通インク室8の上部に、インクの供給部9と、インクの排出部10が設けられている。そして、共通インク室8内のインクが循環できるようになっている(図6参照)。また、共通インク室8を上下に分離するフィルターFが設けられている。これにより、仮に共通インク室8内に気泡や異物等が存在していても、その気泡や異物等がフィルターFを通過しないため、圧力室80内に入り込まないようになっている。
また、インクジェットヘッド7の上部にはコネクタ12が設けられており、コネクタ12はケーブル19を介して制御部22に接続されている。
吸引キャップ14は、内部に空間部14aを有し、インクジェットヘッド7のノズル面17に当接して、ノズル13から射出や吸引されたインクを、その空間部14aによって回収することができる。
クリーニング部15は、印画領域A1と非印画領域A2の境界位置に設けられており、印画領域A1と非印画領域A2の間をキャリッジ1が移動する際に、インクジェットヘッド7のノズル面17に当接しながら清掃する。
射出速度検出部16は、インクジェット記録装置100の非印画領域A2に設けられており(図示省略)、インクジェットヘッド7のノズル13から射出されたインク滴の射出速度を検出することができる。射出速度検出部16としては、インク滴の射出速度を検出できれば適宜公知の検出装置を用いることができるが、以下、その一例について説明する。
射出速度検出部16は、図4に示すように、検出光Lを出射するLEDやレーザー等からなる投光部16aと、この検出光Lを受光するフォトセンサー等からなる受光部16bと、を備える。投光部16aと受光部16bは、検出光Lの光軸がノズル13の配列方向と平行にとなるよう、かつ、ノズル面17と平行となるように、ノズル13の直下に近接して配置されている。これにより、各ノズル13から射出されたインク滴aは、検出光Lと交差し、そのインク滴aが通過したときの陰影が受光部16bで捉えられるようになっている。そして、いずれかの圧力室80に射出パルスP1が印加され、ノズル13からインク滴aが射出されると、射出速度検出部16は、その射出パルスP1の印加から受光部16bがインク滴aの陰影をとらえるまでにかかった時間と、ノズル13から検出光Lの光軸までの距離とから、インク滴aの射出速度を算出することができる。
また、制御部22のCPU22a、又は射出速度検出部16のいずれかには、インク滴aの好ましい射出速度の下限を示す閾値が予め設定されている。そして、インク滴aの射出速度が、この閾値を下回った場合に、吸引メンテナンスを行うべき状態にあると判別するようになっている(図9参照)。
ホームポジションセンサ18は、光電センサ等からなり、キャリッジ1の側面を感知し、キャリッジ1の位置を検出する。
回収タンク21は、吸引キャップ14で回収したインクを貯溜するための回収タンクである。
制御部22は、インクジェット記録装置100の一連の動作を制御しており、CPU(Central Processing Unit)22a、RAM(Random Access Memory)22b、ROM(Read Only Memory)22c等を備えて構成される。ROM22cには、各種処理プログラムが記憶されており、CPU22aは、ROM22cに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM22bに展開し、展開したプログラムに従ってインクジェット記録装置100の各部の動作を制御する。
制御部22は、例えば、キャリッジモーター3の駆動によるキャリッジ1の移動、搬送モーター11の駆動による被記録媒体6の搬送、吸引キャップ14の移動によってインクジェットヘッド7のノズル面17に取り付けるキャッピング動作、射出速度検出部16の駆動によるインク滴の射出速度の検出、駆動信号発生部500の駆動によるインクジェットヘッド7におけるインク滴の射出、ポンプ24の駆動による共通インク室8のインクの循環、ポンプ30の駆動によるメインタンク20からサブタンク40へのインクの圧送、吸引ポンプ28の駆動によるインクジェットヘッド7内のインクの吸引、及びポンプ31の駆動による回収タンク21からサブタンク40へのインクの帰還等を制御する(図5)。
[インクの種類]
本実施形態のインクジェット記録装置100において使用されるインクは、特に種類は問わないが、分散媒の他に、該分散媒よりも比重が大きい固形粒子を含んだインクを用いることができる。固形粒子としては、例えば、セラミックインクにおけるセラミック粒子の他、酸化チタン等の顔料粒子が挙げられる。以下の説明では、固形粒子を含んだインクを用いる場合を例として説明する。
また、インクは常温、常圧では乾燥により揮発しないものが使用されることが好ましい。ここで、揮発しないとは、常温における蒸気圧が水より大きい物質の含有量が10%以下、好ましくは5%以下であるインクのことをいう。このようなインクは、使用時において、水系インク等のような揮発性のインクを使用する場合に見られる揮発成分の蒸発による粘度上昇が問題となることはない。このようなインクとしては、例えばUVインク、オイルインク等が挙げられる。
[インク供給系]
本実施形態のインク供給系は、メインタンク20、回収タンク21、サブタンク40、保存液タンク403等によって構成されている(図6)。
メインタンク20には、サブタンク40に供給するためのインクが貯留されている。メインタンク20は、第一流路203を介してサブタンク40につながれている。第一流路203の途中には、弁54と、ポンプ30が設けられており、ポンプ30の駆動によって、インクをメインタンク20からサブタンク40に圧送することができる。
サブタンク40は、インクジェットヘッド7のノズル13の液体背圧を安定させるために設けられており、インクジェットヘッド7に供給するためのインク及びインクジェットヘッド7から排出されたインクが貯留されている。サブタンク40は、第二流路23を介してインクジェットヘッド7の供給部9につながれており、第二流路23は、サブタンク40からインクジェットヘッド7へのインクの供給流路として用いられる。また、サブタンク40は、第三流路25を介してインクジェットヘッド7の排出部10につながれており、第三流路25は、インクジェットヘッド7からサブタンク40へのインクの排出流路として用いられる。
また、第二流路23には、流路の途中にインク循環手段としてのポンプ24が設けられており、ポンプ24の駆動によって、サブタンク40からインクジェットヘッド7に向かってインクの循環流を発生させることができる。そのため、第二流路23、インクジェットヘッド7の共通インク室8、及び第三流路25を循環流路として、サブタンク40を介してインクを循環させることができる。そしてインクの循環により、共通インク室8内のインク中の固形粒子の沈降や凝集を抑制することができる。
回収タンク21は、第四流路213を介して吸引キャップ14につながれており、インクジェットヘッド7から回収したインクが貯留されている。第四流路213の途中には、吸引メンテナンス手段としての吸引ポンプ28が設けられており、吸引ポンプ28の駆動によって、吸引キャップ14内のインクや、ノズル13からインクジェットヘッド7内のインクを吸引し、回収タンク21に回収することができる。
また、回収タンク21は、第五流路214を介してサブタンク40につながれている。第五流路214の途中にはインク帰還手段としてのポンプ31が設けられており、ポンプ31の駆動によって、回収タンク21内のインクをサブタンク40に戻すことができる。このように、吸引キャップ14で回収したインクをサブタンク40に戻すことにより、インクを再利用することができる。
なお、回収タンク21からサブタンク40にインクを戻す例について説明したが、インクを再利用できるような構成であればこれに限られず、回収タンク21からメインタンク20に戻すこととしてもよく、第四流路213で直接サブタンク40に戻す構成としてもよい。
ポンプ24、30、31及び吸引ポンプ28は、流路を可撓性のもので構成し、複数のローラー等の押圧部材でそのチューブの一部をチューブの長手方向に順次押しつぶすことで、液体を流動させる形式のものや、このほか公知の種々の形式のものが用いられる。
また、メインタンク20、サブタンク40及び回収タンク21には、それぞれ撹拌スクリュー201、401、211と、超音波発生部202、402、212とが設けられており、超音波振動させながらタンク内のインクを撹拌できるようになっている。超音波発生部としては、特別なものを用意する必要はなく、公知の超音波発生器でかまわない。
保存液タンク403には、停止時にインクジェットヘッド7内に充填するための保存液が貯留されている。保存液タンク403は、保存液流路407、408によって、第二流路23及び第三流路25の途中にある切替え弁405、406につながっている。ここで、例えば、インクジェット記録装置100を停止する場合に、切替え弁405、406を保存液流路407、408側に切り替え、インクジェットヘッド7のノズル面17を吸引キャップ14により封止して、キャップと接続されている吸引ポンプ28によりキャップ内に負圧を発生させるようになっている。これにより、保存液タンク403からインクジェットヘッド7内に保存液を流し、インクジェットヘッド7内のインクを保存液に置換することができる。また、この際に吸引キャップ14によって回収したインクは、吸引ポンプ28を介して回収タンク21に保持される。
また、インクジェット記録装置100を起動させた場合は、逆に、切替え弁405、406を第二流路23及び第三流路25側に切り替え、インクジェットヘッド7のノズル面17を吸引キャップ14により封止して、吸引ポンプ28によりキャップ内に負圧を発生させることにより、サブタンク40からインクをインクジェットヘッド7内に流し、保存液をインクに完全に置換する。
なお、保存液を有するインクを回収する際には、インクを回収する回収タンク21とは別のタンクに回収されることとしてもよく、回収せずに吐き捨てるようにしてもよい。
また、上記の置換方法のみに限定されず、少なくともインクジェットヘッド7内の保存液をインクに完全に置き換わる方法であればすべて利用可能である。このような置換により、装置停止中に、インクジェットヘッド7内部に固形粒子の沈降や凝集して、ノズルの詰まりの発生等を効果的に抑制できる。
保存液は、固形粒子を含有するインクを構成する溶媒と同一または類似の化合物を使用することが好ましい。インクを構成する溶媒と同一または類似の化合物を使用しているため、保存液が塗布するインクに混入した場合であっても、スペーサ粒子が沈降したり、凝集したりするおそれが少なくなる。
[インク射出時の隔壁の駆動]
本実施形態のインクジェットヘッド7は、図7(a)〜(c)に示すように、カバープレート124と基板26の間に、PZT等の圧電材料からなる複数の隔壁27A、27B、27C、27Dで隔てられた圧力室80と空気室81が交互に多数並設されたせん断モード(シェアーモード)タイプである。なお、図7(a)〜(c)では、多数の圧力室80と空気室81のうち一部のみを示している。
圧力室80の一端はノズル13に連通し、他端は共通インク室8に連通している。そして、各圧力室80、空気室81内の隔壁27A、27B、27C、27D表面には上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは駆動信号発生部500に接続されている。
また、各電極29A、29B、29Cのインクに接する表面には、絶縁性の保護膜が形成されている(図示省略)。保護膜としては、ポリパラキシリレンが好適である。
なお、各隔壁27A、27B、27C、27Dは、ここでは図7の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、片方の圧電材料27aのみであってもよく、構成は適宜変更可能である。
各隔壁27A、27B、27C、27D表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに、駆動信号発生部500の制御により射出パルスが印加されると、以下に例示する動作によって圧力室80内のインク滴をノズル13から射出する。
まず、電極29A、29B、29Cのいずれにも射出パルスが印加されないときは、隔壁27A、27B、27Cのいずれも変形しない。ここで、図7(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに射出パルスを印加すると、隔壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じる。そして、各隔壁27B、27C共に、それぞれ圧電材料27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図7(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、圧力室80の容積を拡大して圧力室80内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。
また、この状態から電位を0に戻すと、隔壁27B、27Cは図7(b)に示す膨張位置から図7(a)に示す中立位置に戻り、圧力室80内のインクに高い圧力がかかる。次いで、図7(c)に示すように、隔壁27B、27Cを互いに逆方向に変形するように射出パルスを印加して、圧力室80の容積を縮小すると、圧力室80内に正の圧力が生じる。これにより、圧力室80を満たしているインクの一部によるノズル13内のメニスカスがノズル13から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル13から吐出する程に大きくなると、インク滴はノズル13から吐出する。他の各圧力室80も射出パルスの印加によって上記と同様に動作する。このような射出をDRR駆動法と呼び、シェアーモードタイプのヘッドの代表的な駆動法である。
[インクジェットヘッドのリフレッシュ動作]
インクジェット記録装置100は、インクジェットヘッドが印画を行わない非印画領域A2に位置する際に、複数のノズル13からインクを射出するリフレッシュ動作を行う。
具体的には、リフレッシュ手段としての駆動信号発生部500が、複数のノズル13を複数のブロックに分け、当該ブロックごとにインクの単位時間当たりのインクの射出量を制御している。例えば、ブロックごとに隔壁27の駆動電極に印可する射出パルスを変更すれば、圧電素子からなる隔壁27の駆動周波数が変わるため、単位時間当たりのインクの射出量を制御することができる。つまり、駆動周波数が大きいほど単位時間当たりのインクの射出量が多くなる。なお、本明細書において単位時間当たりとは、例えば単位秒当たりを示す。
このように、ブロックごとに単位時間当たりのインクの射出量が異なると、共通インク室8から各圧力室80に流れるインクは、単位当たりのインクの射出量の多いブロックに対応する圧力室80の方が、単位当たりのインクの射出量の少ないブロックに対応する圧力室80よりも多くなる。これにより、共通インク室8と圧力室80,…との境界付近において、単位時間当たりのインクの射出量の少ないブロックから多いブロックへ、インクの流れが発生する。このように、インクの流れが発生すると、インクの撹拌作用により、インク中の固形粒子を分散させやすいため、リフレッシュ時に必要となるインクの量を抑え、効率的にノズルの詰まりを防止することができる。
また、各ブロックは、少なくとも1つのノズル13が含まれていればよいが、インクの流れを発生させ、インクの撹拌作用をより効果的に得る観点から、複数のノズル13が含まれていることが好ましい。
また、本実施形態の共通インク室8には、フィルターFが設けられているため、フィルターFより下側では上側よりもインクの循環流が低下しやすくなるが、本発明におけるインクの撹拌効果により、インク中の固形粒子の沈降や凝集を効果的に抑制することができる。
また、駆動信号発生部500は、複数のブロックのうち、ノズル列方向の端部に位置するノズル13を含むブロックが、中央部に位置するノズル13を含むブロックよりも、単位時間当たりのインクの射出量が多くなるように制御することが好ましい。共通インク室8のノズル列方向(左右方向)の端部付近の領域は、中央部付近と比較してインクの流れが発生しにくく、インク中の固形粒子も沈澱しやすくなるため、その領域の共通インク室8と圧力室80の境界付近において、中央部から端部に向かうインクの流れを強制的に発生させることによって、インクの撹拌作用を、より効果的に得ることができる。
ここで、インクジェットヘッド7における複数のノズル13を複数のブロックをわけ、当該ブロックごとに隔壁の駆動周波数(インクの単位時間当たりのインクの射出量)を変更した例について、具体例を挙げて説明する。
Figure 2017177489
表1には、ノズル列方向にノズルが100個並んでおり、最大駆動周波数が40kHzであるインクジェットヘッド7について、ノズルを複数のブロックをわけ、当該ブロックごとにノズル駆動周波数を変更した例を示している。1〜100の番号は、ノズル列方向に対して、左端から数えて何番目に位置しているかを示している。
実施例1では、100個のノズルを、ノズル番号1〜10、11〜90、及び91〜100の3つのブロックに分け、それぞれのブロックの駆動周波数を40kHz、20kHz、及び40kHzに設定した例を示している。この実施例の駆動周波数で実際に駆動すれば、共通インク室8と圧力室80,…との境界付近において、中央部から両端部に向かってインクの流れが発生するため、インクの撹拌作用により、固形粒子がより均等に分散されやすくなるという効果が得られる。
また、実施例2では、100個のノズルを、ノズル番号1〜10、11〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜90、及び91〜100の7つのブロックに分け、それぞれのブロックの駆動周波数を40kHz、30kHz、20kHz、10kHz、20kHz、30kHz及び40kHzに設定した例を示している。実施例2についても、この実施例の駆動周波数で実際に駆動すれば、共通インク室8と圧力室80,…との境界付近において、中央部から両端部に向かってインクの流れが発生するため、インクの撹拌作用により、固形粒子がより均等に分散されやすくなるという効果が得られる。また、実施例2の場合は、中央部のブロックから徐々に両端部に向かってインクが流れるため、より大きなインクの撹拌効果を得ることができると考えられる。
また、実施例1及び実施例2のように、両端部のノズル13を含むブロックを、最大駆動周波数とし、そのブロックには複数のノズル13が含まれることが好ましい。端部付近の領域は、中央部付近と比較してインクの流れが発生しにくく、インク中の固形粒子も沈澱しやすいため、中央部から両端部へ向かうインクの流れを強制的に発生させることで、固形粒子の沈澱を抑えることができる。
また、複数のノズル13のそれぞれから、圧力室80の容積と同等以上の液滴量を射出することが好ましい。ここでいう、圧力室80の容積とは、図8に示すように、圧力室80を形成する両隔壁27,27の間であって、圧力室80と共通インク室8との境界である開口部80aからノズル13の先端開口部13aまでのインク流路となる空間の容積のことである。1つの射出パルスによって射出される1滴の液滴体積は予め分かっているため、圧力室80の容積と同等以上となる液滴量は、射出パルスの総印加数(総印加時間)によって算出することができる。
このようなリフレッシュ動作を実行することによって、圧力室80内に貯留されているインクの全量をノズル13から強制的に射出することができる。そのため、圧力室80内で固形粒子の沈降が進行していたとしても、圧力室80内のインクの全ては、共通インク室8から新たに供給されるインクと置換されるため、圧力室80内で固形粒子が沈降したままとなることがなくなる。これにより、圧力室80内のインク中の固形粒子の濃度を一定に保つことができ、ノズルの詰まりの発生が抑制されて、長期に亘って安定した射出が可能となる。
リフレッシュ時に射出されるインクは、そのまま廃棄してもかまわないが、インクの再利用するために、吸引キャップ14によってインクを回収することが好ましい。なお、吸引キャップ14によって回収する場合は、必ずしも吸引する必要はないため、吸引キャップ14をノズル面17に必ずしも当接させる必要はない。
[インクジェット記録装置の動作フロー]
本実施形態のインクジェット記録装置100の動作フローの一例について説明する(図9)。
本実施形態のインクジェット記録装置100は、印画領域A1において、インクジェットヘッド7のノズル13からインク滴を射出することによって、画像形成が行われる(ステップS1)。
ここで、画像形成が終了した場合や、画像形成開始から所定時間を経過したタイミングで、インクジェットヘッド7を搭載したキャリッジ1が印画領域A1から非印画領域A2に移動する。また、キャリッジ1が印画領域A1から非印画領域A2に移動する途中で、クリーニング部15がインクジェットヘッド7のノズル面17に当接し、ノズル面17のクリーニングを行う(ステップS2)。
キャリッジ1が非印画領域A2に移動した後、リフレッシュ手段としての駆動信号発生部500によって生成された射出パルスが隔壁27の駆動電極に印加され、ノズル13からインク滴を射出するリフレッシュ動作が行われる(ステップS3)。リフレッシュ動作は、上述したように、インクジェットヘッド7における複数のノズル13を複数のブロックをわけ、当該ブロックごとにインクの単位時間当たりのインクの射出量を変更して行う。
リフレッシュ動作の後、射出速度検出部16によって、各ノズル13からのインク滴の射出速度を検出する(ステップS4)。
次に、検出したインク滴の射出速度と、あらかじめ射出速度検出部16に設定されている好ましい射出速度の下限値である閾値と比較し、すべてのノズル13からのインク滴の射出速度が、閾値以上となっているかを判定する(ステップS5)。ここで、1つでも閾値を下回ったノズル13がある場合(ステップS5;NO)、ステップS6に進み、すべてが閾値以上であった場合(ステップS5;YES)、ステップS8に進む。
ステップS6では、インクジェットヘッド7のノズル面17に対し、吸引キャップ14をノズル面17に当接させて取り付ける(ステップS6)。そして、吸引メンテナンス手段としての吸引ポンプ28によって、吸引キャップ14内の空気を排出した後、ステップS3で行ったリフレッシュ動作を実行しながら、インクジェットヘッド7内のインクを吸引して回収タンク21に送液し(ステップS7)、ステップS3に戻る。ここで、吸引前に、吸引キャップ14内の空気を排出することで、吸引キャップ14とインクジェットヘッド7を十分に密着させ、その後にインクを吸引することで、インクの吸引を効率よく行うことができる。また、リフレッシュ動作を実行しながら吸引することで、閾値を下回った不良ノズル内の気泡等の異物を除去しやすくなるため、メンテナンスの効果を高めることができる。
ステップS8では、印刷が完了していない画像データがあるかを判断し、画像データがある場合(ステップS8;YES)、キャリッジ1を非印画領域A2から印画領域A1に移動させ、ステップS1に戻る。他方、画像データがない場合(ステップS8;NO)、ステップS9に進む。
ステップS9では、装置を停止する指令があるかを判断し、停止する場合(ステップS9;YES)、ステップS11に進む。他方、停止しない場合(ステップS9;NO)、ステップS10に進む。
ステップS10では、画像データが送られてくるまで、共通インク室8のインクを循環しながら待機し、画像データが送られてきたら、ステップS3に戻る。インクの循環では、インク循環手段としてのポンプ24によって、サブタンク40からインクジェットヘッド7に向かってインクの循環流を発生させ、第二流路23、インクジェットヘッド7内の共通インク室8、及び第三流路25を循環流路として、サブタンク40を介してインクを循環する(図6)。
ステップS11では、インクジェットヘッド7内のインクを保存液に置換した後、インクジェット記録装置100を停止する。保存液の置換は、まず、図6に示すように、第二流路23及び第三流路25の途中にある切替え弁405、406を保存液流路407、408側に切り替え、インクジェットヘッド7のノズル面17を吸引キャップ14により封止する。そして、吸引ポンプ28により吸引キャップ内に負圧を発生させることにより、保存液タンク403からインクジェットヘッド7内に保存液を流し、インクジェットヘッド7内のインクを保存液に置換する。そして、インクジェットヘッド7に吸引キャップを密着させた状態でインクジェット記録装置100を停止する。
[本発明の技術的効果]
以上、説明した通り、本実施形態のインクジェット記録装置100は、複数のノズル13を複数のブロックに分け、当該ブロックごとに単位時間当たりのインクの射出量を制御するリフレッシュ手段(駆動信号発生部500)を有する。これにより、共通インク室8から各圧力室80に流れるインクは、単位当たりのインクの射出量の多いブロックに対応する圧力室80の方が、単位当たりのインクの射出量の少ないブロックに対応する圧力室80よりも多くなる。そして、共通インク室8と圧力室80,…との境界付近において、単位時間当たりのインクの射出量の少ないブロックから多いブロックへ、インクの流れが発生するため、インクの撹拌作用により、固形粒子が均等に分散されやすくなるという効果が得られる。このような簡易な手段でインクの撹拌作用が得られ、固形粒子を含有するインクを用いた場合であっても、リフレッシュ動作によって、ノズルの詰まりを防止しやすくなる。また、インクの撹拌作用により、インク中の固形粒子を分散させやすいため、リフレッシュ時に必要となるインクの量を抑え、効率的にノズルの詰まりを防止することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、リフレッシュ手段(駆動信号発生部500)が、複数のブロックのうち、ノズル列方向の端部に位置するノズル13を含むブロックを、当該ノズル列方向の中央部に位置するノズル13を含むブロックよりも、単位時間当たりのインクの射出量が多くなるように制御することが好ましい。これによって、共通インク室8のノズル列方向(左右方向)の端部付近の領域は、中央部付近と比較してインクの流れが発生しにくく、インク中の固形粒子も沈澱しやすくなるため、その領域の共通インク室8と圧力室80の境界付近において、中央部から端部に向かうインクの流れを強制的に発生させることによって、インクの撹拌作用をより効果的に得ることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、リフレッシュ手段(駆動信号発生部500)が、複数のノズル13のそれぞれから、圧力室80の容積と同等以上の液滴量を射出することが好ましい。これにより、圧力室80内に貯留されているインクの全量をノズル13から強制的に射出し、新しいインクに置換し、圧力室80内で固形粒子が沈降したままとなることを防止できる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、圧力発生手段として圧電素子を備え、リフレッシュ手段(駆動信号発生部500)が、当該圧電素子の駆動周波数によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御することが好ましい。これによって、安定したリフレッシュ動作を実行することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、複数のノズル13が形成されたノズル面17に当接する吸引キャップ14を備え、ノズル面17に吸引キャップ14を当接した状態で、リフレッシュ手段によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御してインクを射出させながら、複数のノズル13からインクジェットヘッド7内のインクを吸引してインクを回収する吸引メンテナンス手段(吸引ポンプ28)を備えることが好ましい。このように、リフレッシュ動作を実行しながら吸引することで、不良ノズル内の気泡等の異物を除去しやすくなるため、メンテナンスの効果を高めることができる
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、吸引メンテナンス手段が、吸引キャップ14をノズル面17に当接させた後、インクを吸引する前に、吸引キャップ14内の空気を排出することが好ましい。これにより、吸引前に、吸引キャップ14内の空気を排出することで、吸引キャップ14とインクジェットヘッド7を十分に密着させ、その後にインクを吸引することで、インクの吸引を効率よく行うことができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、吸引キャップ14で回収したインクを、インクジェットヘッド7にインクを供給するインク供給系へ戻すインク帰還手段(ポンプ31)を備えることが好ましい。これにより、インクを再利用することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、複数の圧力室80が連通する共通インク室8内のインクを循環させるインク循環手段(ポンプ24)を備えることが好ましい。これにより、共通インク室8内のインク中の固形粒子の沈降や凝集を抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、共通インク室8内を上下に分離するフィルターFを有することが好ましい。これにより、共通インク室8から各圧力室80へ気泡や異物等が入りこむことを防ぐことができる。また、フィルターFを設けると、フィルターFの下側では上側よりもインクの循環流が低下するが、本発明におけるインクの撹拌効果により、インク中の固形粒子の沈降や凝集を抑制することができる。
[その他]
本発明の今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した詳細な説明に限定されるものではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施形態では、エッジシューター型のインクジェットヘッド7を用いた例を示したが、ノズル13からの単位時間当たりのインクの射出量を制御可能なインクジェットヘッド7であればよく、例えば、サイドシューター型のインクジェットヘッド7を用いることもでき、シェアーモードタイプのインクジェットヘッド7でなくても用いることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置100では、キャリッジ1に搭載されるインクジェットヘッドが1つのみである例を説明したが、これに限られず、複数のヘッドを搭載してもよい。なお、複数のヘッドを搭載して、複数の色のインクを使用する場合、インクの循環やインクの回収は、インクの色ごとに行う構成とすればよい。
また、インクジェット記録装置100は、本実施形態の例に限られず、ラインヘッド方式とシリアルヘッド方式のいずれも使用可能である。
また、本実施形態では、印画領域A1と非印画領域A2がそれぞれ別々の位置に設けており、インクジェットヘッド7はそれらの領域を往復移動できることとしたが、インクジェットヘッド7が常に同じ位置に固定されていてもよい。その場合は、印刷を実行していないタイミングが非印画領域A2であるとして、本実施形態のリフレッシュ動作を実行することが可能である。
また、本実施形態のインクジェットヘッド7では、ノズル列が1列である例を示したが、これに限られず、複数のノズル列を有するインクジェットヘッド7を用いてもよい。
また、本実施形態の吸引メンテナンス(ステップS7)では、吸引ポンプで吸引する例を示したが、インクジェットヘッド7側を加圧することによって、吸引キャップ14にインクを射出することとしてもよい。
7 インクジェットヘッド
8 共通インク室
13 ノズル
14 吸引キャップ
17 ノズル面
28 吸引ポンプ(吸引メンテナンス手段)
31 ポンプ(インク帰還手段)
80 圧力室
100 インクジェット記録装置
500 駆動信号発生部(リフレッシュ手段)
A1 印画領域
A2 非印画領域
F フィルター

Claims (10)

  1. インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルの各々からインクを射出させる複数の圧力発生手段と、を有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドが印画を行わない非印画領域に位置する際に、前記複数のノズルからインクを射出させるリフレッシュ手段と、
    を備え、
    前記リフレッシュ手段は、前記複数のノズルを複数のブロックに分け、当該ブロックごとに単位時間当たりのインクの射出量を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記リフレッシュ手段は、前記複数のブロックのうち、ノズル列方向の端部に位置するノズルを含むブロックを、当該ノズル列方向の中央部に位置するノズルを含むブロックよりも、単位時間当たりのインクの射出量が多くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記リフレッシュ手段は、前記複数のノズルのそれぞれから、前記圧力室の容積と同等以上の液滴量を射出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記圧力発生手段として圧電素子を備え、
    前記リフレッシュ手段は、当該圧電素子の駆動周波数によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記複数のノズルが形成されたノズル面に当接する吸引キャップを備え、
    前記ノズル面に前記吸引キャップを当接した状態で、前記リフレッシュ手段によって、単位時間当たりのインクの射出量を制御してインクを射出させながら、前記複数のノズルから前記インクジェットヘッド内のインクを吸引してインクを回収する吸引メンテナンス手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記吸引メンテナンス手段は、前記吸引キャップを前記ノズル面に当接させた後、インクを吸引する前に、前記吸引キャップ内の空気を排出することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記吸引キャップで回収したインクを、前記インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給系へ戻すインク帰還手段を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記複数の圧力室が連通する共通インク室内のインクを循環させるインク循環手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記共通インク室内を上下に分離するフィルターを有することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルの各々からインクを射出させる複数の圧力発生手段と、を有するインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置のリフレッシュ方法であって、
    前記インクジェットヘッドが印画を行わない非印画領域に位置する際に、前記複数のノズルを複数のブロックに分け、当該ブロックごとにインクの単位時間当たりのインクの射出量を変更することを特徴とするインクジェット記録装置のリフレッシュ方法。
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