JP2005061245A - チューブポンプ及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプの能力のばらつきを防止することができるチューブポンプ及び同チューブポンプを使用した液体噴射装置を提供すること。組み付けにおける手間を軽減させることができるチューブポンプ及び同チューブポンプを使用した液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】プリンタは、複数のノズルが形成され、同ノズルの開口から紙に対してインクを噴射する記録ヘッドと、ノズルの開口面を覆うことが可能なキャップと、同キャップ内部に負圧を加えるチューブポンプとを備える。チューブポンプのチューブ32には、係合部38が凸設される。チューブ32を収容するケーシング31には、前記係合部38が嵌合される係合凹部31fが形成されている。チューブ32を取り付ける際は、係合部38と係合凹部31fとを係合させることで、チューブ32の位置決めが行われる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブポンプ及び同チューブポンプを使用した液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射ヘッドに形成されたノズル開口から、液滴をターゲットに対して吐出する液体噴射装置の一つとして、インクジェット式記録装置(以下、プリンタという。)がある。プリンタは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドのノズルを介して、液体としてのインク滴を吐出することにより印刷を行う。
【0003】
このノズルは記録ヘッドの一側面において開口していることから、ノズル内のインク溶媒の蒸発によりインク粘度が上昇したり、気泡が混入したりすることがあった。この問題を解消するために、プリンタには、これらを回復させるためのヘッドメンテナンス機構が設けられていた。
【0004】
このヘッドメンテナンス機構としては、記録ヘッドのノズル開口面を覆うキャップと、キャップに連通したインク排出路中に設けられたポンプとを備えるものが知られている。このヘッドメンテナンス機構は、前記ポンプによりキャップ内を負圧にすることで、ノズルからインクを吸引する。
【0005】
このようなポンプとしては、図12に示すような、チューブポンプ101が知られている。このチューブポンプ101は、ケーシング102と、ケーシング102に収容された回転体103と、同回転体103とケーシング102との間に設けられた可撓性チューブ104とを備える。回転体103は、可撓性チューブ104を加圧するローラ105を備えている。可撓性チューブ104は、ケーシング102に形成されたチューブ支持面106に沿って、例えば半周、又は図12のようにほぼ全周に亘って円弧状を描くように配設されている。
【0006】
そして、回転体103が図中矢印方向に回転すると、ローラ105が可撓性チューブ104を順次押し潰しながら移動する。その結果、ケーシング102内に収容された部分よりも上流側の可撓性チューブ104内が減圧され、キャップ内が負圧状態となる。
【0007】
この可撓性チューブ104を構成する材料としては、ローラ105によって押し潰された後の復元力、成形加工上の理由等から、シリコーンゴムが多用されていた(例えば、特許文献1参照。)。この可撓性チューブ104をケーシング102に配設する際は、チューブ支持面106の一端から可撓性チューブ104をケーシング102内に順次配設していく。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−234875号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ケーシング102に配設された可撓性チューブ104は、取付時に弛緩又は伸張されて取り付けられる場合があった。その結果、各チューブポンプによって、ケーシング102に配設された可撓性チューブ104の円弧状の部分の長さにばらつきが生じることがあった。円弧状部分の長さにばらつきがあると、ローラ105が可撓性チューブ104を十分に押し潰すことができなかったり、可撓性チューブ104に無理な力が加えられて亀裂等が生じたりする等により、各チューブポンプによって吸引能力に差が生じる可能性があった。
【0010】
また、可撓性チューブ104をケーシング102に組み付ける際に、可撓性チューブ104に弛緩又は伸張等が生じないように、調整しながら組み付けると、手間がかかることがあった。
【0011】
本発明の目的は、ポンプの能力のばらつきを防止することができるチューブポンプ及び同チューブポンプを使用した液体噴射装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、組み付けにおける手間を軽減させることができるチューブポンプ及び同チューブポンプを使用した液体噴射装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のチューブポンプは、チューブと、前記チューブを支持するハウジングと、前記チューブを加圧変形させる押圧手段とを備え、同押圧手段によって前記チューブ内に圧力変化を発生させるチューブポンプにおいて、前記チューブの少なくとも長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部を該チューブに一体に設けた。
【0013】
これによれば、チューブポンプを構成するチューブには、長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部が一体に設けられているため、この凹部又は凸部をチューブ取付の際の基準とすることでチューブの位置決めを行うことができる。
【0014】
このチューブポンプにおいて、前記凹部又は前記凸部は、前記チューブポンプを構成するハウジングに係合するものである。
これによれば、チューブの凹部又は凸部は、ハウジングに係合するものであるため、この凹部又は凸部をハウジングに係合させることで、容易にチューブの位置決めをすることができる。
【0015】
このチューブポンプにおいて、前記凹部又は前記凸部は、前記ハウジングに対する位置決めのための目印である。
これによれば、チューブの凹部又は凸部は、ハウジングに対する目印であるため、この凹部又は凸部の位置と、それに対応するハウジングの一部の位置とを合わせることで、容易にチューブの位置決めをすることができる。
【0016】
このチューブポンプにおいて、前記凹部又は前記凸部は、前記チューブの長手方向の異なる2箇所を結束する結束部材に対する位置決めのための目印である。
これによれば、チューブの凹部又は凸部は、チューブを結束する結束部材に対する目印であるため、この凹部又は凸部の位置と、それに対応する結束部材の位置とを合わせることで、容易にチューブの位置決めをすることができる。
【0017】
このチューブポンプにおいて、前記凹部又は前記凸部は、前記チューブの長手方向の異なる2箇所を結束する結束部材と係合される。
これによれば、チューブの凹部又は凸部は、チューブを結束する結束部材と係合するため、この凹部又は凸部と結束部材とを係合させることで、容易にチューブの位置決めをすることができる。
【0018】
このチューブポンプにおいて、前記チューブは射出成形により形成した。
これによれば、チューブは材料を金型内に流し込む射出成形により成形されるため、金型から押し出されて成形される押出成形よりも前記チューブの製造におけるばらつきを減少させることができる。
【0019】
このチューブポンプにおいて、前記チューブを、少なくともブチル系ゴムを含む材料で形成した。
これによれば、チューブは少なくともブチル系ゴムを含む材料で形成されるため、チューブのガス透過率を低下させることができる。
【0020】
このチューブポンプにおいて、前記チューブは、ブチル系ゴム及びエチレン・プロピレンゴムを混合した材料で形成した。
これによれば、チューブは、ブチル系ゴム及びEPDMを混合した材料からなるため、比較的低いガス透過率を保持しつつ、チューブにかかるコストを低減化することができる。
【0021】
このチューブポンプにおいて、前記チューブは、硬度が50〜60度のゴム組成物からなる。
これによれば、チューブは、硬度が50〜60度(JIS−A硬度)のゴムからなるため、ポンプチューブに配設されるチューブとして、適度な可撓性及び復元性を備えることができる。
【0022】
本発明の液体噴射装置は、チューブと、前記チューブを支持するハウジングと、前記チューブを加圧変形させる押圧手段とを有し、同押圧手段によって前記チューブ内に圧力変化を発生させるチューブポンプを備えるとともに、ターゲットに対して液体を噴射するノズルを備え、前記チューブポンプにより前記ノズル内の流体を吸引する液体噴射装置において、前記チューブの少なくとも長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部を該チューブに一体に設けた。
【0023】
これによれば、液体噴射装置に備えられるチューブポンプに、長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部が一体に設けられたチューブが配設される。このため、チューブポンプの組立ての際には、この凹部又は凸部をチューブ取り付けの際の基準とすることでチューブの位置決めを行うことができる。従って、チューブの取着状態が一定となり、チューブポンプの性能の低下を防止できるため、ノズルから流体を効率よく吸引することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0025】
図1に示すように、液体噴射装置としてのプリンタ本体11は、フレーム12が備えられており、このフレーム12にはプラテン13が架設されている。プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての紙Pが搬送される。また、フレーム12には、プラテン13の長手方向と平行にガイド部材15が架設され、このガイド部材15にはキャリッジ16が摺動可能に支持されている。このキャリッジ16は、キャリッジモータ18によりタイミングベルト17を介して図中X方向に往復移動可能となっている。
【0026】
このキャリッジ16の下面には、記録ヘッド20が搭載されている。図2に示すように、記録ヘッド20は、その下面で開口した複数のノズルNを有しており、ノズル開口面20aが紙Pに対向するように配設されている。そして、圧電素子20bが駆動されることで、ノズル開口から紙Pに向かってインク滴が吐出される。
【0027】
また、図1に示すように、キャリッジ16上には、内部にインクを収容したインクカートリッジ21が着脱可能に取着されている。インクカートリッジ21は、記録ヘッド20にインクを供給する。従って、キャリッジ16がガイド部材15に沿って移動しながら、印刷データに基づいて前記圧電素子20bが駆動して、記録ヘッド20から紙Pにインクが吐出されることで印刷が行われる。
【0028】
フレーム12の一側部の非印刷領域(ホームポジション)には、ヘッドメンテナンスユニット22が設けられている。このホームポジションは、プリンタの保管時等、印刷休止状態にあるときにキャリッジ16が配置される領域である。ヘッドメンテナンスユニット22は、キャップホルダ23と負圧を生成するチューブポンプ30(図2参照)とを備えている。このヘッドメンテナンスユニット22は、ノズルNの目詰まりを防止するためのクリーニング機能を備えており、チューブポンプ30の駆動により、キャップホルダ23を介して記録ヘッド20のノズルN内の流体としてのインク、気泡等を吸引する。
【0029】
キャップ手段を構成するキャップホルダ23は、一側面が開口しており、この開口面が記録ヘッド20のノズル開口面20aを向くように配設されている。そして、ヘッドメンテナンスユニット22の一部を構成する図示しない駆動モータ及び駆動モータの動力を伝達する動力伝達機構により、上下動可能となっている。
【0030】
図2に示すように、キャップホルダ23の内部には、キャップ手段を構成する、エラストマ等の可撓性材質からなるキャップ部材24が、キャップホルダ23の内壁面に当接させて設けられている。このキャップ部材24は、その上端縁がキャップホルダ23の上端縁よりも上方に突出している。そして、キャリッジ16がホームポジションまで移動したとき、キャップホルダ23の上下動により、キャップ部材24の上端縁が記録ヘッド20に当接することで、ノズル開口面20aを封止するようになっている。
【0031】
キャップホルダ23(キャップ部材24)の底面には、スポンジ材等からなる、シート状のインク吸収材Sが収容されている。このインク吸収材Sは、記録ヘッド20から吐出されるインクを受け止めて吸収するようになっている。そして、キャップ部材24が記録ヘッド20に当接することによりノズル開口面20aを封止した際に、ノズル開口面20aとキャップホルダ23とにより形成された空間(以下、キャップ内空間という。)に、吸収したインクの溶媒を揮発させる。このため、キャップ内空間は湿潤状態に保たれ、ノズルN内の乾燥が防止される。
【0032】
また、キャップホルダ23及びキャップ部材24の底面には、インク排出口28が貫通形成され、キャップホルダ23内のインクを外部に排出するようになっている。このインク排出口28には、キャップ側チューブ29が接続されている。キャップ側チューブ29は、継手29aを介して、チューブポンプ30に組み付けられたチューブ32の一端に連通されている。従って、ノズル開口面20aをキャップ部材24及びキャップホルダ23によって封止した状態で、チューブポンプ30を駆動させると、キャップ側チューブ29内及びキャップ内空間の空気が排出される。このため、キャップ内空間が減圧される。キャップ内空間に負圧が蓄積されると、その負圧でノズルN内のインクが吸引されてキャップホルダ23内に吐出され、インク吸収材Sに吸収される。吸引されたインクは、チューブポンプ30を介して、フレーム12内に配設された廃インクタンクTに収容される。
【0033】
さらに、キャップホルダ23の底面には、大気連通孔23aが貫通形成されており、この大気連通孔23aには大気連通チューブ23bが接続されている。この大気連通チューブ23bの端部には、大気開放バルブ23cが設けられている。大気開放バルブ23cを開状態にすると、キャップ内空間は大気連通孔23aを介して大気に連通される。
【0034】
従って、ヘッドクリーニングの際は、キャップホルダ23でノズル開口面20aを封止した状態で、大気開放バルブ23cを閉状態にし、チューブポンプ30により負圧を蓄積する。ヘッドクリーニングを行った後は、ノズル開口面20aとキャップホルダ23とで形成されるキャップ内空間が負圧になって、キャップ部材24がノズル開口面20aから離間しにくくなる。このとき、大気開放バルブ23cを開状態にすると、キャップ内空間が大気に連通されることにより、キャップ部材24がノズル開口面20aから容易に離間することができる。
【0035】
次に、チューブポンプ30について、図3〜図5に従って説明する。図3は、ローラがチューブから退避したレリース状態を示し、図4はローラがチューブを押し潰しながら回転するポンピング状態を示す。図5は、チューブポンプ30の分解斜視図である。チューブポンプ30は、ヘッドメンテナンスユニット22に挿入されたハウジングとしてのケーシング31、チューブ32、及びケーシング31内に回転自在に収容された押圧手段としての回転体33を備えている。チューブ32は、ケーシング31と回転体33との間に配設され、回転体33はこのチューブ32を押し潰しつつ回転することで負圧を生成する。
【0036】
図5に示すように、ケーシング31は、樹脂で構成されており、有底状であって略円筒形状に形成されている。ケーシング31の底面には、回転体33を支持するための支持孔31hが貫通形成されている。また、ケーシング31の中央には、円状凹部31aが形成されている。この円状凹部31aには、回転体33が収容される。回転体33と、ケーシング31の内壁面との間には、チューブ32の両端を交差させることによって円弧状となった部分、すなわちチューブ32の環状部32aが収容される。
【0037】
また、ケーシング31の外周面には、径方向外方へそれぞれ異なる方向(本実施形態では、相対角度が略90°である。)に突設された支持部31b,31cが設けられている。支持部31b,31cには、チューブ32の一部をそれぞれ収容する第1支持溝31d及び第2支持溝31eが形成されている。第1支持溝31dには、チューブ32の環状部32aよりも上流側(キャップホルダ23側)の端部である、上流側部分32bが収容される。また、第2支持溝31eには、チューブ32の環状部32aよりも下流側(廃インクタンクT側)の端部である下流側部分32cが収容される。すなわち、第1支持溝31dに収容されたチューブ32の端部は、キャップ側チューブ29に接続した継手29aに接続され、第2支持溝31eに収容されたチューブ32の端部は廃インクタンクTに連通している。
【0038】
また、図3〜図5に示すように、第1支持溝31d及び第2支持溝31eの内壁面には、一対の係合凹部31f,31gがそれぞれ形成されている。係合凹部31fは、第1支持溝31dの内壁面の対向した2箇所に、壁面に対して略直交する方向に延びるように凹設されている。同様に、係合凹部31gも、第2支持溝31eの内壁面の対向した2箇所に、略水平方向に形成されている。これらの係合凹部31f,31gは、ケーシング31上面において開口している。
【0039】
図5に示すように、回転体33は、回転軸33aと、回転軸33aの下端に設けられた下側板34及び上側板35を備えている。また、上側板35の上面側には回転軸33aの途中に設けられたローラ駆動円盤36が取付られている。下側板34と上側板35との間には、ローラ37が回転自在の状態に取着されている。このローラ37とケーシング31の内周面との間には、図3に示すようにチューブ32の環状部32aが配設される。
【0040】
また、ローラ駆動円盤36は、ヘッドメンテナンスユニット22に設けられた前記動力伝達機構の一部と係合し、駆動モータを駆動源として回転するようになっている。ローラ駆動円盤36とローラ37との間に配設された上側板35には、図3及び図4に示すように、ローラ37の中心軸37aをガイドする円弧状ガイド溝35aが形成されている。この円弧状ガイド溝35aは、円盤の中心からの径方向の距離が次第に大きくなるような勾配をもって形成されている。
【0041】
従って、ローラ駆動円盤36が図3中矢印方向(正方向)に回転すると、ローラ37は、図3に示す状態から径方向の外側に移動して、図4に示すように、チューブ32を押し潰しながら回転軸33aを中心に公転する。その結果、チューブ32上流側(キャップホルダ23側)に体積変化が生じ、その上流側のチューブ32内の圧力が低下する。従って、チューブ32に連通されたキャップ側チューブ29及びキャップ内空間が減圧され、記録ヘッド20のノズルNからインクが吸引されるようになっている。
【0042】
ローラ駆動円盤36が図4中の矢印方向(逆方向)に回転すると、ローラ37は半径方向内側に退避する。その結果、チューブ32が押し潰されていないレリース状態が保持される。
【0043】
回転体33と、ケーシング31との間に配設されるチューブ32は、内部に流路を有しており、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)が混合されたブチル系ゴムからなり、射出成形により形成される。チューブ32の長手方向の異なる2箇所には、凸部としての一対の係合部38がチューブ32と一体に形成されている。この係合部38は、チューブ32の環状部32aよりも各端部寄りにそれぞれ2個ずつ形成されている。この係合部38は、チューブ32がケーシング31に収容された際に、ケーシング31に形成された係合凹部31f,31gにそれぞれ嵌合するものである。
【0044】
ケーシング31に取り付けられたチューブ32は、係合部38と係合凹部31f,31gとの係合により、環状部32aの長さが決定される。従って、チューブ32を弛ませて配設したり、伸張した状態で配設したりする等、チューブ32の取着状態にばらつきが生じ難くなる。このため、チューブ32をローラ37により十分に押し潰すことができない等が防止される。
【0045】
また、チューブ32をケーシング31に取着する際は、チューブ32の係合部38と係合凹部31f,31gとを係合させるのみで、チューブ32の位置決めをすることができる。従って、チューブ32の環状部32aの長さを調整しつつ取り付ける必要がなく、容易にチューブ32の位置決めができるため、組み付けにおける手間が軽減される。
【0046】
また、チューブ32は、射出成形により形成されるため、係合部38を容易に形成することができる。射出成形方法では、射出成形装置に備えられる金型内に、溶融した樹脂を注入させた後、冷却固化させて成形品を得る方法である。従って、金型の形状を適宜変更することで所望の成形品を得ることができる。このため、樹脂を金型から押し出すことで成形品を得る押出成形方法よりも複雑な形状の成形品を得ることができ、チューブ32の側面に係合部38を容易に形成できる。また、射出成形品は、成形工程において金型内で冷却固定されるため、押出成形方法等よりも成形品の精度が高い。
【0047】
このチューブ32は、チューブ32を介したインク溶媒の透過を防止するために、ブチル系ゴムとEPDMとからなるが、ブチル系ゴムとしては、IIR(ブチルゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等が例示される。これらのブチル系ゴム及びEPDMはガス透過率が低いことが知られている。特にブチル系ゴムは、EPDMよりもさらにガス透過率が低い一方、EPDMよりも材料のコストが高い。このため、ブチル系ゴムにEPDMを混合させることによって、比較的低いガス透過率を保持するとともに、材料コストが低減されている。
【0048】
また、チューブ32を構成するゴム組成物の硬度は、50〜60度(JIS−A硬度)になっている。チューブ32を、この硬度範囲のゴム組成物から構成すると、チューブポンプに備えられるチューブとして適度な可撓性及び復元性を備えることができる。チューブ32が柔らかすぎると、チューブ32が押し潰された後の復帰力が小さく、チューブポンプ30のインクの吸引速度が低下することがある。インクの吸引速度が充分な速度に達しないと、ノズルN内に加わる負圧が小さすぎて、粘性の高くなったインク、塵埃、気泡等を充分に吸引することができない。また、チューブ32が押し潰されたとき、チューブ32の内壁面どうしが張り付いて、復帰しない可能性がある。
【0049】
図6は、チューブポンプにおけるインク吸引速度を説明するグラフであり、曲線aはチューブポンプに、硬度が50〜60度の範囲にあるゴム組成物からなるチューブを使用した場合、曲線bは前記範囲よりも低い硬度のゴム組成物からなるチューブを使用した場合を示す。図中点線は、クリーニング機能を発揮するために必要となるインク吸引速度を示す。ノズルNの目詰まりを防止するには、チューブポンプ30によるインクの吸引速度が所定の値以上である必要がある。インクの吸引速度が所定の値より小さいと、キャップホルダ23内に蓄積される負圧の大きさが不十分となり、ノズルの目詰まり防止の作用を発揮しない。
【0050】
硬度が50〜60度の範囲にあるゴム組成物を使用したチューブでは、チューブポンプの駆動を開始してからの時間経過に従って、吸引速度が大きくなり、しかも短時間で必要吸引速度に到達することができる。一方、硬度の低いゴム組成物を使用したチューブでは、押し潰された後の復元力が小さく、チューブポンプ上流側の空気を排出する効率が低下する。このため、図6に示すように、駆動を開始してから時間が経過しても、必要となる吸引速度まで減圧することができない。
【0051】
一方、60度以上の硬度を有するゴム組成物からなるチューブを使用した場合、チューブを押し潰す力として比較的大きな押圧力が必要となる。このため、回転体33に備えられた、ローラ37を径方向外方に付勢するバネ(図示せず)の付勢力によって、チューブを十分に押し潰すことが困難となる。また、チューブを押し潰す力が大きくなることにより、チューブポンプ30を駆動するモータの負荷が大きくなる問題も生じる。
【0052】
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、チューブポンプ30を構成するチューブ32の2箇所に、係合部38を一体に設けた。そして、チューブポンプ30のケーシング31に前記係合部38と係合する係合凹部31f,31gを設けた。このため、チューブ32をケーシング31に取り付ける際に、係合部38と係合凹部31f,31gとをそれぞれ係合させることで、チューブ32の位置決めを行うことができる。その結果、ケーシング31内に略円環状に引き回された環状部32aの長さが一定となる。このため、チューブ32の取着状態にばらつきが生じにくくなり、いずれのポンプでもチューブ32を十分に押圧することができる。従って、ポンプの能力におけるばらつきの発生を防止することができる。
【0053】
さらに、チューブ32が安定して押圧されると、ポンプ能力が低いポンプが生じにくくなり、ノズルNの目詰まりを解消できないポンプの発生が防止される。また、ポンプ能力のばらつきが生じ難くなることで、ヘッドクリーニングの際にチューブポンプ30によってノズルNから吸引されるインク量が安定し、インクカートリッジ21に残るインク量に大きなばらつきが生じるのが防止される。
【0054】
また、チューブ32を取り付ける際には、係合部38と係合凹部31f,31gとを係合させるのみで位置決めされるため、環状部32aの長さを調節しつつ取着する等の手間がなくなり、容易に取り付けることができる。
【0055】
(2)第1の実施形態では、チューブ32は射出成形により形成した。従って、押出成形方法等よりもチューブ32の肉厚、内径、外径等の精度を向上させることができる。また、チューブ32に、係合部38を容易に凸設することができる。
【0056】
(3)第1の実施形態では、チューブ32を、EPDMを混合したブチル系ゴムを含む材料で形成した。従って、チューブ32のガス透過率を低下させることができる。このため、プリンタが非印刷状態にあるときに、チューブ32からインク溶媒が透過して、キャップ内空間が乾燥することが防止される。
【0057】
また、EPDMを混合したため、比較的低いガス透過率を保持しつつ、チューブ32にかかるコストを低減化することができる。
(4)第1の実施形態では、チューブ32を、硬度が50〜60度のゴム組成物から構成した。このため、チューブポンプ30に配設されるチューブとして、適度な可撓性及び復元性を備えることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態のチューブの構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0059】
図7に示すように、本実施形態のチューブポンプ40は、ケーシング41、回転体42及びチューブ43を備える。ケーシング41には、円状凹部41aと、その円状凹部41aよりも径方向外方に延設された上流側支持溝41b、下流側支持溝41cが形成されている。円状凹部41aには、チューブ43の端部を交差させることで略円環状となった環状部43cが収容されている。上流側支持溝41bには、環状部43cよりも上流側(キャップホルダ23側)のチューブ43が収容され、下流側支持溝41cには環状部43cよりも下流側(廃インクタンクT側)のチューブ43が収容されている。
【0060】
ケーシング41に収容されたチューブ43の長手方向の異なる2箇所には、一対の凸部43aがそれぞれ一体に形成されている。一方の凸部43aは、環状部43cよりも上流側の2箇所に一体に形成されており、他方の凸部43aは、環状部43cよりも下流側の2箇所に一体に形成されている。この凸部43aは、チューブ43をケーシング41に収容した際に、上流側支持溝41b及び下流側支持溝41cの端部41d,41eにそれぞれ係合可能な位置に設けられている。従って、チューブ43をケーシング41に収容する際は、凸部43aの側面をそれぞれ端部41d,41eに係合させてチューブ43の位置決めを行うことができ、容易にチューブ43の組み付けを行うことができる。
【0061】
また、凸部43aと端部41d,41eとの係合によるチューブ43の位置決めが行われることで、チューブ43の環状部43cの長さが決定される。その結果、環状部43cの長さにおけるばらつきの発生が防止されるため、チューブポンプの能力が安定し、ポンプによって能力のばらつきが生じにくい。
【0062】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(2)〜(4)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5)第2の実施形態では、チューブ43に二対の凸部43aを一体に形成した。そして、前記凸部43aは、チューブ43をケーシング41に収容したときに、上流側支持溝41bの端部41d及び下流側支持溝41cの端部41eにそれぞれ係合するようにした。
【0063】
このため、チューブ32をケーシング31に取り付ける際は、凸部43aを、端部41d,41eに係合させることにより、チューブ43の位置決めが行われ、環状部43cの長さが決定される。このため、環状部43cの長さが一定となり、ポンプの能力のばらつきの発生を防止することができる。また、チューブ43は、凸部43aと、端部41d,41eとを係合させて位置決めされるため、環状部43cの長さを調整しつつ取り付ける必要がなく、容易にチューブ43の組み付けを行うことができる。
【0064】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図8に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第1の実施形態のチューブの構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分においてはその詳細な説明を省略する。
【0065】
図8に示すように、本実施形態のチューブポンプ45は、ケーシング46、回転体47、及びチューブ48を備える。ケーシング46には、円状凹部46a、上流側支持溝46b、及び下流側支持溝46cが形成されている。円状凹部46aにはチューブ48の環状部48cが収容されている。上流側支持溝46bには、キャップホルダ23側に連通されたチューブ48の端部が収容され、下流側支持溝46cには廃インクタンクT側に連通されたチューブ48の端部が収容されている。
【0066】
ケーシング46に収容されたチューブ48の両端部には、チューブの長手方向の異なる2箇所に溝状の凹部48aが設けられている。これらの凹部48aは、チューブ48の外周面に環状に形成されている。これらの凹部48aは、チューブ48をケーシング46に収容した際に、上流側支持溝46b及び下流側支持溝46cの端部46d,46eの位置に配置可能な箇所に設けられている。このため、チューブ48をケーシング46に収容する際は、凹部48aをそれぞれ端部46d,46eの位置に合わせて位置決めすることで、環状部48cの長さが決定される。このため、容易にチューブ48の組み付けを行うことができる。また、チューブ48の取着状態をほぼ一定とすることで、チューブポンプ45の能力におけるばらつきの発生が防止される。
【0067】
従って、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(2)〜(4)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(6)第3の実施形態では、チューブ48の2箇所に凹部48aを設けた。そして、チューブ48をケーシング46に収容するときに、これらの凹部48aが基準とされるようにした。すなわち、凹部48aの位置を上流側支持溝46bの端部46d及び下流側支持溝46cの端部46eの位置に合わせて取り付けることが可能なようにした。
【0068】
このため、チューブ48をケーシング46に取り付ける際は、凹部48aの位置を、端部46d,46eの位置に合わせて、環状部48cの位置決めをすればよく、容易にチューブ48の組み付けを行うことができる。
【0069】
また、チューブ48は、凹部48aの位置と、端部46d,46eの位置とを合わせることで、環状部48cの長さが一定となる。このため、ポンプの能力のばらつきの発生を防止することができる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図9及び図10に従って説明する。尚、第4の実施形態は、第1の実施形態のチューブの構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0071】
図9に示すように、本実施形態のチューブポンプ50は、ケーシング51、チューブ52、及び回転体53を備える。ケーシング51は、有底状の円筒形状に形成されており、その底面の中央には支持孔51aが貫通形成されている。また、ケーシング51の側面の一部分には、上方から下方に向かって底面の手前まで切り欠くようにして切り欠き部51bが形成されている。そして、ケーシング51には、この切り欠き部51bから、ケーシング51の径方向の外方に向かって延びるようにして、上面が開口した溝部51cが突設されている。また、溝部51cの内側には、上下方向(即ち、切り欠き部51bと平行な方向)に延びる一対の嵌合凹部51dが設けられている。
【0072】
本実施形態のチューブ52は、上側チューブ52a及び下側チューブ52bが一体化されたチューブによって構成されている。チューブ52の長手方向の異なる2箇所には、チューブ成形時に形成された凸部54が形成されており、1本のチューブにそれぞれ2個設けられている。
【0073】
このチューブ52は、上側チューブ52a及び下側チューブ52bが上下方向に並べられて、結束部58により束ねられた状態でケーシング31に取り付けられる。その結果、チューブ52の途中には円弧を描く環状部52cが形成される。結束部材としての結束部58は、樹脂製であって、略直方体形状に形成されている。結束部58は、第1結束部59と第2結束部60とが係合されることによりチューブ52を束ねるようになっており、それらの一側面にはチューブ52を挿通する孔を構成する挿通溝61〜64が形成されている。すなわち、第1結束部59には、挿通溝61,62が形成され、第2結束部60には挿通溝63,64が形成されており、これらが組み合わせられることにより、チューブの挿通孔(図示せず)が形成される。
【0074】
挿通溝61〜64の側面には、チューブ52の凸部54を嵌合するための凹部61a〜64aが形成されている。これらの凹部61a〜64aは、結束部58でチューブ52を結束した際に、チューブ52の凸部54と対応する位置に設けられている。
【0075】
また、第1結束部59及び第2結束部60の上面と下面には、第1結束部59及び第2結束部60を固定する締結部55(図10参照)の一側を係止する、係止凸部59a,60aが形成されている。さらに、第2結束部60の一側には、ケーシング51の嵌合凹部51dの一方に嵌合されるための第1嵌合凸部60bが形成されている。
【0076】
締結部55は、チューブ52を挿通した結束部58の一端からスライドさせて結束部58に嵌合されることで、第1結束部59及び第2結束部60を係合させた状態で固定する。この締結部55の一側面には、ケーシング51の嵌合凹部51dの一方に嵌合されるための第2嵌合凸部55aが形成されている。
【0077】
この結束部58によってチューブ52を束ねる際は、例えばチューブ52の下流側端部52eに設けられた凸部54を第1結束部59の凹部61a,62aに嵌合し、チューブ52の位置決めを行う。さらに、下流側端部52eを挿通溝61,62に係合させた状態で、上流側端部52dに設けられた凸部54を第2結束部60の凹部63a,64aに嵌合させ、第2結束部60を第1結束部59に重ねる。このとき、凸部54と凹部61a〜64aとの係合により、環状部52cの長さが一定となる。
【0078】
このとき、チューブ52は、その側部に設けられた凸部54を結束部58の凹部61a〜64aにそれぞれ嵌合させるのみで位置決めがされるため、チューブ52の環状部52cの長さを調節しつつ取り付ける等の手間がなくなる。このため、容易にチューブ52を取り付けることができる。
【0079】
そして、チューブ52を挿通した結束部58を締結部55によって固定する。
さらに、第2結束部60の第1嵌合凸部60bと、締結部55の第2嵌合凸部55aとをケーシング51の2箇所に形成された嵌合凹部51dにそれぞれ嵌合するように、ケーシング51の上面から下方にスライドさせて、取り付ける。
【0080】
従って、第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(2)〜(4)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(7)第4の実施形態では、チューブ52の長手方向に、凸部54を設けた。
そして、凸部54が、結束部58に形成された凹部61a〜64aにそれぞれ嵌合させて、結束部58によりチューブ52を束ねるようにした。このため、凸部54と凹部61a〜64aとを係合させることで、容易にチューブ52の位置決めをすることができる。従って、チューブ52の環状部52cの長さのばらつきが防止されるため、チューブポンプ50の能力のばらつきの発生が防止される。
また、取り付けの際に、環状部52cの長さを調整しつつ結束部58に挿通させる必要がないため、取り付けにおける手間が軽減される。
【0081】
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、プリンタは、キャリッジ16にインクカートリッジ21を搭載した、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンタとした。これを、キャリッジ16以外の場所に配設されたインクカートリッジ21から、チューブ等の流路を介して記録ヘッド20にインクを供給する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンタ等にしてもよい。即ち、本発明は、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うユニットを備えたプリンタ(液体噴射装置)であれば、他の構成のものにも適用可能である。
【0082】
・上記各実施形態では、チューブポンプ30,40,45,50は、一対のローラを備え、そのチューブが略円環状になるように配設されたものとしたが、この構成に限定されるものではない。チューブポンプは、例えば、二対のローラを備えたチューブポンプや、チューブが半周等に亘って設けられたもの、チューブが複数本設けられたもの等でもよく、ローラの数やチューブの引き回し角度等の構成は他の構成であってもよい。即ち、チューブポンプに備えられるケーシング、又は結束部材等に対して、凸部又は凹部が形成されたチューブの位置決めができればよい。
【0083】
・上記各実施形態では、チューブポンプ30,40,45,50に備えられるチューブには、円弧状となる部分よりも端部寄りに凸部又は凹部を形成したが、これ以外の箇所に設けてもよい。例えば、チューブの円弧状に配設された部分の途中に凸部又は凹部を設けてもよい。そして、ケーシングの円状凹部にこれらの凸部又は凹部と係合する凹部又は凸部を設けてもよい。
【0084】
・第1の実施形態では、チューブ32の両端部に一対の係合部38をそれぞれ形成し、合計4個の係合部38を設けた。これを、チューブ32に1個の係合部を設けたり、4個以外の複数個の係合部を設けたりしてもよい。また、係合部は部分的に設けるのではなく、チューブ32の外周面に環状に凸設するようにしてもよい。このとき、ケーシング31には、その係合部の形状に合わせた係合凹部が形成される。
【0085】
・第2の実施形態では、チューブ43の両端部に、二対の凸部43aを設け、合計4個の凸部43aを一体に形成した。これを、チューブ43の両端部に、チューブ43の外周面に沿った環状の凸部を一つずつ(又は複数)形成してもよい。
【0086】
・第3の実施形態では、チューブ48の両端に環状の凹部48aを形成したが、この凹部を、チューブ48に環状ではなく部分的に形成してもよい。また、この凹部と係合する凸部をケーシング46に形成してもよい。そして、ケーシング46の凸部と、チューブ48の凹部とを嵌合させて、チューブ48を取り付けるようにしてもよい。
【0087】
・第4の実施形態では、チューブ52に凸部54を設けたが、これを凹部としてもよい。このとき、結束部58には、これらの凹部に嵌合する嵌合用の凸部が形成される。
【0088】
・第4の実施形態では、チューブ52に、結束部58の凹部61a〜64aと係合する凸部54を一体に形成したが、これ以外に位置決めのための目印となる凸部又は凹部を形成してもよい。このとき、例えば、チューブ52に、結束部58に挿通された際に結束部58の一側面と係合する位置に凸部を設ける。そして、この凸部と結束部58の一側面とを係合させて組み付けるようにしてもよい。又は、チューブ52において、結束部58の一端部付近に配置可能な位置に凹部を設け、この凹部を位置決めの基準としてもよい。
【0089】
・第4の実施形態では、チューブ52に二対の凸部54を形成したが、チューブ52の両端部に、チューブ52の外周面に沿った環状の凸部を形成してもよい。このとき、結束部58の挿通溝61〜64には、その凸部の形状に沿った凹部が形成される。
【0090】
・第4実施形態では、チューブ52に凸部54を設け、上側チューブ52a及び下側チューブ52bに2個ずつ一体に形成した。これ以外に、上側チューブ52a及び下側チューブ52bに凸部を1個ずつ設けてもよい。このとき、第1結束部59又は第2結束部60には、その凸部と対応する位置に嵌合用の凹部が設けられる。
【0091】
・上記各実施形態では、チューブに形成した凹部又は凸部が、チューブポンプのケーシングに形成した凸部又は凹部に係合することで、チューブの位置決めがされるようにした。又は、前記チューブの凹部又は凸部が、ケーシングの端部や外周縁付近に配置されることで、チューブの位置決めがされるようにした。これ以外に、チューブの2箇所以上に互いに係合する係合手段を設け、これらの係合手段を係合させることによってチューブの環状部分又は円弧状部分が形成されるようにしてもよい。例えば、図11に示すように、チューブ65に突設された、凸部としての係合部66〜69を、対応する係合部にそれぞれ係合させることによって、チューブの端部を束ねるようにしてもよい。このようにすると、チューブ65をケーシングに取り付ける際、予め束ねたチューブ65をケーシングに収容するだけでよく、しかも円弧状部分の長さを一定にすることができる。また、ケーシングに凹部や凸部を設ける必要がない。又は、結束部58を設ける必要がないため、部品点数を減らすことができる。
【0092】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)請求項1に記載のチューブポンプにおいて、前記チューブの凹部又は凸部は互いに係合することを特徴とするチューブポンプ。
【0093】
従って、この(a)に記載の発明によれば、凹部又は凸部は互いに係合する。このため、凹部又は凸部を互いに係合させることで、チューブが束ねられ、位置決めされる。従って、組み付けの際には予め束ねられたチューブを前記ハウジングに収容するだけでよく、ハウジングに凹部又は凸部を設けたり、結束部材を別途設ける必要がない。このため、部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のプリンタ本体の斜視図。
【図2】第1の実施形態のヘッドメンテナンスユニットの説明図。
【図3】第1の実施形態のチューブポンプの平面図。
【図4】同チューブポンプの平面図。
【図5】同チューブポンプの分解斜視図。
【図6】チューブの硬さと吸引速度との関係を説明するための説明図。
【図7】第2の実施形態のチューブポンプの平面図。
【図8】第3の実施形態のチューブポンプの平面図。
【図9】第4の実施形態のチューブポンプの分解斜視図。
【図10】同チューブポンプの平面図。
【図11】別例のチューブポンプのチューブの説明図。
【図12】従来のチューブポンプの説明図。
【符号の説明】
11…液体噴射装置としてのプリンタ本体、20…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、20a…ノズル開口面、23…キャップを構成するキャップホルダ、24…キャップを構成するキャップ部材、30,40,45,50…チューブポンプ、31…ハウジングとしてのケーシング、32,42,48,52,65…チューブ、33,42,47,53…押圧手段としての回転体、38…凸部としての係合部、43a,54…凸部、48a…凹部、58…結束部材としての結束部、66〜69…凸部としての係合部、N…ノズル、P…ターゲットとしての紙。

Claims (10)

  1. チューブと、前記チューブを支持するハウジングと、前記チューブを加圧変形させる押圧手段とを備え、同押圧手段によって前記チューブ内に圧力変化を発生させるチューブポンプにおいて、
    前記チューブの少なくとも長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部を該チューブに一体に設けたことを特徴とするチューブポンプ。
  2. 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
    前記凹部又は前記凸部は、前記チューブポンプを構成するハウジングに係合するものであることを特徴とするチューブポンプ。
  3. 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
    前記凹部又は前記凸部は、前記ハウジングに対する位置決めのための目印であることを特徴とするチューブポンプ。
  4. 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
    前記凹部又は前記凸部は、前記チューブの長手方向の異なる2箇所を結束する結束部材に対する位置決めのための目印であることを特徴とするチューブポンプ。
  5. 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
    前記凹部又は前記凸部は、前記チューブの長手方向の異なる2箇所を結束する結束部材と係合されることを特徴とするチューブポンプ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のチューブポンプにおいて、
    前記チューブは射出成形により形成したことを特徴とするチューブポンプ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のチューブポンプにおいて、
    前記チューブを、少なくともブチル系ゴムを含む材料で形成したことを特徴とするチューブポンプ。
  8. 請求項7に記載のチューブポンプにおいて、
    前記チューブは、ブチル系ゴム及びエチレン・プロピレンゴムを混合した材料で形成したことを特徴とするチューブポンプ。
  9. 請求項8に記載のチューブポンプにおいて、
    前記チューブは、硬度が50〜60度のゴム組成物からなることを特徴とするチューブポンプ。
  10. チューブと、前記チューブを支持するハウジングと、前記チューブを加圧変形させる押圧手段とを有し、同押圧手段によって前記チューブ内に圧力変化を発生させるチューブポンプを備えるとともに、ターゲットに対して液体を噴射するノズルを備え、前記チューブポンプにより前記ノズル内の流体を吸引する液体噴射装置において、
    前記チューブの少なくとも長手方向の異なる2箇所に凹部又は凸部を該チューブに一体に設けたことを特徴とする液体噴射装置。
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