JP2017177483A - 加熱処理用共押出フィルムおよび深絞り包装体 - Google Patents

加熱処理用共押出フィルムおよび深絞り包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 食品を包装体のまま100℃以上の加熱調理する用途において、白化しない深絞り包装体を作製できるフィルムを提供することを課題とする。更には、油分を含む内容物を収容して電子レンジ処理しても白化しないフィルムの提供を課題とする。
【解決手段】 外層にポリアミド樹脂で構成される層、シール層に環状オレフィン共重合体で構成される層をそれぞれ有する、深絞り包装体の底材に用いられる加熱処理用共押出フィルム、およびそれを用いた深絞り包装体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子レンジやレトルト等の加熱処理に用い得る深絞り包装体用の共押出フィルム、及び該共押出しフィルムを用いた深絞り包装体に関する。
近年、社会の個食化や、調理済み食品の普及が進み、食品を包装体のまま加熱し食することが広がっている。加熱処理の例としては、例えば、ボイル、レトルト、電子レンジ、オーブン等があるが、中でも、電子レンジ用食品は、火炎を用いず且つ短時間に温め調理できる点で重宝され、急速に普及している。
また、それらのプラスチック包装体は、袋体、スキンパック、深絞り容器などの形態が開発され、使用されてきている。
例えば、特許文献1では、電子レンジ加熱によって溶け落ちないピロー包装袋用フィルムとして、エチレン系樹脂からなる両表面層とポリプロピレン系樹脂からなる中間層とから構成される共押出二軸延伸フィルムが開示されている。
また、内容物加熱による蒸気内圧が原因の包装体破裂を抑制する包装材層構成や形状の技術開発が為され、例えば特許文献2には、アンチブロッキング剤を含有したポリエチレンフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムとをドライラミネートした複合フィルムを用いて易蒸通手段を設けた包装袋が開示されている。特許文献3には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムや二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、低密度ポリエチレンフィルムとのドライラミネートの間の一部にエチレン−酢酸ビニル共重合体等のパターンコートをする技術が開示されている。
電子レンジ用の容器としては、例えば特許文献4のように、発泡ポリスチレン容器(トレー)にポリプロピレン系樹脂フィルムを積層し、電子レンジ加熱によるブリスター発生の抑制を検討した技術が開示されている。
しかしながら、これらのプラスチック包装材の技術には、嵩高い調理食品を収容するために必要な深絞り加工適性を有するものはなかった。
他方、一般の深絞り包装体用の包装材は、ポリエチレン/ナイロン6や、ポリプロピレン/ナイロン6などの共押出無延伸フィルムであり、これらは、加熱処理を施すとフィルムを構成する樹脂が溶融、結晶化し、フィルムが白化してしまう課題がある。
特に、深絞り包装体を電子レンジ加熱する場合は、蓋材を上側に、また底材を下側に向けて置き、ウィンナーソーセージ、ベーコン、角煮などの油脂分を含む調理済み食品が底材に接した状態で加熱される。従って、電子レンジ耐性としては、そういった条件を含め、包装体が変形、変質、白化しないことが要求されている。
特開2001−162737号公報 特開2005−088971号公報 特開2010−111440号公報 特開2014−054830号公報
本発明は、上記背景技術において、食品を包装体のまま100℃以上の加熱調理する用途において、白化しない深絞り包装体を作製できるフィルムを提供することを課題とする。
更には、油分を含む内容物を収容して電子レンジ処理しても白化しないフィルムの提供を課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによって上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明の主旨は、外層にポリアミド樹脂で構成される層、シール層に環状オレフィン共重合体で構成される層をそれぞれ有する、深絞り包装体の底材に用いられる加熱処理用共押出フィルムに存する。
本発明のフィルムによれば、深絞り加工ができ、且つ100℃以上の加熱によっても白化が起き難いので、食品を包装したままの状態で加熱することができると共に内容物の状態を視認できる。
外層(1)とシール層(2)から構成された本発明のフィルム(10)を深絞り包装体の底材に用い、蓋材(20)と組合せた深絞り包装体の断面概略図である。また収容物(3)を包装した場合の例図である。
以下、本発明について説明する。
本発明のフィルムは、ポリアミド樹脂で構成される外層と、環状オレフィン共重合体で構成されるシール層とを有する共押出フィルムである。本発明において、外層は包装体形状において外気側に位置し、シール層は内容物側に位置する。
<外層>
本発明のフィルムの外層は、ポリアミド樹脂から構成される。
ポリアミド樹脂としては、例えば、4ナイロン、ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、6ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。これらのポリアミドはホモポリマーであっても、コポリマーであってもよく、これらの樹脂の混合物であってもよい。
中でも、汎用性、柔軟性、強靭性の点から、6ナイロン、6−66ナイロンが好ましい。また、耐熱性の観点から、6ナイロンの結晶化度は20〜40%が好ましい。
また、ポリアミド樹脂層は、2層以上設けることもでき、その場合は各層が異なる種類の樹脂であってもよい。
環状オレフィン共重合体からなるシール層に対して、ポリアミド樹脂からなる外層を配することにより、フィルム全体に、柔軟性、フィルム強度、耐ピンホール性、深絞り加工性、耐加熱収縮性などを兼備させることができる。
本発明のフィルムの外層の厚みは、下限は耐ピンホール性の点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。上限は特に制限はないが、経済性の点から、100μm以下が好ましく、90μm以下がより好ましい
<シール層>
本発明のフィルムのシール層は、環状オレフィン共重合体から構成される。
環状オレフィン共重合体は、非晶性であるため、包装体を電子レンジやレトルトなどの加熱処理を行い、その後放冷しても結晶白化が発生しない。また、環状オレフィン共重合体は、溶融流動性と耐熱性を兼ね備えているため、フィルム製膜性、深絞り等の二次加工性、加熱調理耐性などに対し適している。
環状オレフィン共重合体としては、ノルボルネンとエチレンとの共重合体、テトラシクロドデセンとエチレンとの共重合体、またはその混合物や、それらの水素添加物、等が挙げられ、共重合にはV系触媒やメタロセン触媒系が用いられる。中でも、シール性と耐熱性の兼備の点から、適宜、好適なガラス転移温度の種類を選定できるノルボルネンとエチレンとの共重合体が好ましい。
環状オレフィン共重合体のガラス転移温度は、環状オレフィン骨格の種類や共重合比率などによりガラス転移温度が変化し、一般に50〜180℃程度であるが、本発明のフィルムのヒートシール層に用いる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度としては、ヒートシール温度、シール強度、耐熱性などの点から、50〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて測定できる。
また、環状オレフィン共重合体は、熱可塑性樹脂の中で特に透明性に優れるため、包装体の内容物視認性が高くなり、また商品に美観をもたらす。
本発明のフィルムのシール層には、環状オレフィン共重合体に非環状ポリオレフィン樹脂を含有させてもよい。重合体非環状ポリオレフィン樹脂を重合体含有させることによりフィルムのヒートシール性を向上することができる。非環状ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
深絞り包装体の蓋材のヒートシール層には、一般にポリエチレン系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂が用いられる。そのため、蓋材のシール層がポリエチレン系樹脂であれば、底材となる本発明のフィルムのシール層には、ポリエチレン系樹脂を含有させると良好なヒートシール密着性を得ることができる。同様に、蓋材のヒートシール層がポリプロピレン系樹脂であれば、本発明のフィルムのシール層には、ポリプロピレン系樹脂を含有させると良い。
本発明のフィルムのシール層に含有させるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン系アイオノマー、等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体やブロック共重合体が挙げられる。
フィルムのヒートシール性と加熱後の白化抑制のバランスの点からは、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましい。
本発明のフィルムのシール層における環状オレフィン共重合体の含有比率の下限は70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。上限は90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
一方、非環状ポリオレフィン樹脂の含有比率の上限は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。下限は10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
環状オレフィン共重合体が70質量%以上、非環状ポリオレフィン樹脂が30質量%以下により、包装体の加熱放冷後の白化が抑制され易い。また、環状オレフィン共重合体が90質量%以下、非環状ポリオレフィン樹脂が10質量%以上により、蓋材のヒートシール密着性が良好となり易い。
本発明のフィルムのシール層の厚みは、シール性及び電子レンジ耐熱性の点から、5μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。深絞り成形性及び経済性の点から100μm以下が好ましい。
<他の層>
本発明のフィルムは、深絞り包装体の底材に用いられる加熱処理用共押出フィルムとして、ポリアミド樹脂層からなる外層と環状オレフィン共重合体からなるシール層を有すれば良く、外層とシール層との間に他の層を有しても良い。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)からなる層を配することで、フィルムの酸素ガスバリア性が向上し、食品保存性が高まる。
EVOHのエチレン含有率とけん化度は、特に限定されるものではないが、共押出製膜安定性とフィルムの強度の観点から、エチレン含有率は27モル%以上47モル%以下が好ましく、32モル%以上44モル%以下がより好ましく、けん化度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOH層の厚みは、特に限定されるものではないが、ガスバリア性とフィルム柔軟性の点から、フィルム総厚の3%以上10%以下が好ましい。
また例えば、外層とシール層との間、EVOH層とシール層との間等に接着樹脂層を設けることにより、層間密着性を向上させることができる。
接着樹脂層は、酸変性ポリエチレン系樹脂、酸変性ポリプロピレン系樹脂が好ましく、シール層に隣接する接着樹脂層には酸変性ポリエチレン樹脂の使用が好ましい。
<フィルム全体>
本発明のフィルムは、公知のインフレーション法、Tダイ法等の共押出法によって作製できる。
本発明のフィルムの総厚は、耐熱性と成形性の観点から、100μm〜200μmの範囲が好ましい。
また、各層には、本発明のフィルムの機能や特性を害さない範囲で、添加剤を適宜含有させることができる。
本発明のフィルムは、被着材となる蓋材フィルムとのヒートシール密着性が良好である。例えば、包装体の密封性の点から、1.5N/15mm幅以上の剥離強度を有することが好ましく、2.0N/15mm幅以上がより好ましい。
一般に、熱可塑性プラスチックフィルムから構成される包装体は、電子レンジやレトルト等の加熱処理により、包装体そのものの高温化による収縮変形や白化、高温になった内容物からの被熱、水分や油脂の熱浸漬による包装体内層表面の変化が起こり易いが、本発明のフィルムでは、外層にポリアミド樹脂、シール層に環状オレフィン共重合体を用いることにより、加熱処理しても変形、白化が起き難い。
市販の電子レンジ機には、出力300W〜800W程度の一般家庭用、出力800〜1500W程度の業務用があるが、本発明のフィルムは、500〜800W程度で3分間、または800〜1500W程度で2分間の電子レンジ加熱処理に堪え、深絞り包装体の変形、溶融、穴開き、白化などが生じ難い。更には、ウィンナーソーセージ、ベーコン、角煮などの油分、脂分を含む食品が、フィルムのシール層面に接した状態で電子レンジ加熱しても、変形、変質、白化などが起き難い。
本発明のフィルムは、電子レンジ出力600W、加熱時間3分間の条件で処理した後のヘイズは11.0%以下が好ましく、10.0%以下がより好ましく、9.0%が更に好ましい。また、内容物と接触した状態で電子レンジ加熱処理した後でも、ヘイズ11.0%以下であることが好ましい。
フィルムヘイズが11.0%以下であることにより、内容物状態の視認性や、消費者の使用印象が高まる。
ヘイズは、JIS K 7136に基づき測定できる。
本発明のフィルムは、電子レンジ出力600W、加熱時間3分間の条件で処理した後のシール層表面の3次元算術平均表面粗さは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。また、内容物と接触した状態で電子レンジ加熱処理した後でも、3次元算術表面粗さ300μm以下であることが好ましい。
表面粗さはフィルムの熱収縮や内容物の影響(アタック)により増大し、また表面粗さが大きいと外部ヘイズが増すため、表面粗さは小さいことが望ましい。
<深絞り包装体、底材>
本発明のフィルムは、公知の深絞り包装機を使用し、深絞り包装体の底材に加熱成形することができる。
また、その底材は、後述の蓋材と組合せて両者の周縁部をヒートシール加工することにより、深絞り包装体を作製できる。
<蓋材>
本発明のフィルムを深絞り包装体の底材に用いる場合、その被着体となる蓋材には、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン樹脂から構成されたフィルムを用いることができる。
一般には、シール層にポリオレフィン樹脂層、外層にポリアミド樹脂層を配し、更に外気側にポリエステル樹脂層を配することもできる。
例えば、低密度ポリエチレンフィルムと、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸バリア性ナイロンフィルムとの積層が挙げられ、更に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの積層などが挙げられる。フィルムの積層は、公知のドライラミネート手法を用いることができる。
また、蓋材フィルムの総厚は、耐熱性とシール性の点から50μm以上150μm以下が好ましい。
以下に、実施例を説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
各例に示す層構成の共押出無延伸フィルムをTダイ法により作製した。尚、層構成表記の「/」は共押出の層間を示す。
用いた原材料とその略号は、次の通りである。樹脂のガラス転移温度、融点は、JIS K 7121に準じて測定した。
尚、各例の層構成表記における「+」は、混合を意味する。
・Ny; 6ナイロン樹脂 融点215℃ 結晶化度30%
・EVOH; エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン32モル%
・COC; ノルボルネン−エチレン共重合体 ガラス転移温度70℃
・PE; 低密度ポリエチレン樹脂 密度920kg/m 融点116℃
・PP; プロピレン−エチレンランダム共重合体 密度940kg/m 融点150℃
<実施例1> Ny(70μm)/COC(30μm)
<実施例2> Ny(60μm)/EVOH(10μm)/COC(30μm)
<実施例3> Ny(70μm)/COC+PE(質量比80:20)(30μm)
<実施例4> Ny(70μm)/COC+PP(質量比80:20)(30μm)
<比較例1> Ny(70μm)/PE(30μm)
<比較例2> Ny(70μm)/PP(30μm)
<比較例3> Ny(70μm)/COC+PE(質量比60:40)(30μm)
<比較例4> Ny(70μm)/COC+PE(質量比20:80)(30μm)
各例で得られたフィルムについて、以下の評価を行い、表1にまとめた。
<深絞り包装体の作製>
各例のフィルムを深絞り包装機(MULTIVAC製R530)に供し、成形温度100℃、成形時間2秒の条件で、長さ20cm幅10cm深さ3cmの略直方体状に深絞り成形した。
次いで、長さ約15cmのウィンナーを5本収容し、蓋材フィルムを被せ、シール温度140℃、シール時間2秒、シール幅20mmの条件でヒートシールを行った。
<蓋材密着性>
得られた包装体のシール部を、引張試験機(INSTRON製)を用い、引張速度200mm/分、180度剥離、室温下の条件で、剥離強度を測定した。
蓋材として、低密度ポリエチレン無延伸フィルム(40μm、両面コロナ処理)と二軸延伸ナイロンフィルム(15μm、片面コロナ処理)とのドライラミネート品を用いた場合の密着性を「剥離強度−1」と表した。
また、蓋材として、ポリプロピレン無延伸フィルム(40μm、両面コロナ処理)と二軸延伸ナイロンフィルム(15μm、片面コロナ処理)とのドライラミネート品を用いた場合の密着性を「剥離強度−2」と表した。
<電子レンジ処理>
得られた包装体を、電子レンジ(SHARP製RE−6300P)を用い、出力600W、3分間の条件で加熱し、室温まで放冷した。その後、開封して内容物を取り出し、包装体内部を傷つけないように洗浄した。
<電子レンジ耐性;ヘイズ>
電子レンジ処理後の底面中央部の底材フィルムを、JIS K 7136に基づき、シール層面から入射光させ、ヘイズ(%)を測定した。
<電子レンジ耐性;表面粗さ>
電子レンジ処理後の底面中央部の底材フィルムのシール層面を、白色干渉計(ブルカー製Contour)を用い、測定角1256μm×942μmの三次元算術平均表面粗さ(μm)を計測した。
Figure 2017177483
表中の「−」は、評価非実施である。
実施例1、実施例2は、蓋材ポリエチレン層との剥離強度が2N/15mm幅以上、且つ、電子レンジ処理後の表面粗さ80μm以下で、ヘイズが5%以下と透明性が良好であった。
実施例3、実施例4は、シール層にポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂を20質量%含有し、蓋材との剥離強度が実施例1よりも増大した。電子レンジ処理後のヘイズは、10.0%より低かった。
比較例1、比較例2は、シール層に環状オレフィン共重合体を用いず、剥離強度は3N/15mm幅以上であったが、電子レンジ処理後の底材フィルムのシール層表面が荒れ、ヘイズが高かった。
比較例3は、シール層の環状オレフィン共重合体とポリエチレン樹脂の質量含有比率が60:40であり、フィルム間剥離においてシール層内の凝集破壊が発生し、剥離強度が低かった。
比較例4は、シール層の環状オレフィン共重合体の含有率が20質量%と低く、電子レンジ処理後の透明性が悪かった。
本発明のフィルムによれば、深絞り包装体の形態のままで食品を、100℃以上で加熱調理でき、加熱放冷した後も底材フィルムが白化し難いので、内容物の状態を視認できる。更には、油脂分を含む食品が接した状態で電子レンジ加熱しても、包装体の変形や白化が起き難く、幅広い食品包装に適用できる。
1 外層
2 シール層
3 収容物
10 底材
20 蓋材

Claims (8)

  1. 外層にポリアミド樹脂で構成される層、シール層に環状オレフィン共重合体で構成される層をそれぞれ有する、深絞り包装体の底材に用いられる加熱処理用共押出フィルム。
  2. 前記シール層が、環状オレフィン共重合体と非環状ポリオレフィン樹脂とから構成される、請求項1に記載の加熱処理用共押出フィルム。
  3. 前記シール層が、70質量%以上90質量%以下の環状オレフィン共重合体と、10質量%以上30質量%以下の非環状ポリオレフィン樹脂とから構成される、請求項2に記載の加熱処理用共押出フィルム。
  4. 前記外層と前記シール層との間に、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物で構成される層を有する、請求項1〜3の何れかに記載の加熱処理用共押出フィルム。
  5. 前記加熱処理が電子レンジ処理である請求項1〜4の何れかに記載の加熱処理用共押出フィルム。
  6. 電子レンジ600Wで3分間処理した後のフィルムヘイズが11.0%以下である請求項5に記載の加熱処理用共押出フィルム。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の加熱処理用共押出フィルムからなる加熱処理用深絞り包装体の底材。
  8. 請求項7に記載の底材と、深絞り包装体の蓋材とで構成される深絞り包装体。
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