JP2017177247A - オイルシール取付け工具 - Google Patents

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渉 神崎
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渉 神崎
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Abstract

【課題】狭い設置箇所のオイルシール押さえプレートに装着されるオイルシールであっても装着箇所への取付けをオイルシール押さえプレートの平坦面に対して同一面となるように精度良く均一に行うことができるオイルシール取付け工具を提供する。【解決手段】このオイルシール取付け工具10では、中空円板9における円形穴外周の回りに挿入用円筒部8の他端側の平坦な環状端面を結合して一体化しており、オイルシール押さえプレートの装着箇所へのオイルシールの仮組み付け後に中空円板9における3箇所の穴に操作ノブ付押圧調整棒7の雄ねじ溝が設けられた棒状部分の先端を挿入した状態でオイルシール押さえプレートの対向する位置に予め設けられた雌ねじ溝に操作ノブ付押圧調整棒7の操作ノブを順次回転操作して螺合させることで挿入用円筒部8の一端側の平坦な環状端面でのオイルシールの平坦な環状端面への押圧を徐々に行って取付けを行う。【選択図】図4

Description

本発明は、潤滑剤のオイルが注入されるハウジングの両端面に設けられたオイルシール押さえプレートの中心を貫通する回転軸の回りに装着され、オイル漏れや異物の混入を防ぐためのオイルシールの取付けに用いられるオイルシール取付け工具に関する。
従来、この種の周知技術として、幅リップの反転を完全に防止すると共に、シャフト端面に対するオイルシールの軸方向相対位置を自動的に規制できる「オイルシール組込用治具」(特許文献1参照)が挙げられる。
実開昭60−70号公報
上述した特許文献1に係るオイルシール組込用治具は、薄肉の円筒体に形成されて、組込対象オイルシールを外挿されるシャフトの径寸法に比し僅かに大なる内径寸法を備える挿入用円筒部と、この挿入用円筒部の軸方向一方の端部に形成された底壁及び挿入用円筒部の外周壁に形成されて、底壁の壁面からの距離を組立状態にあるオイルシールとシャフトの端面との距離に略等しく設定された鍔部と、から構成されるものである。
しかしながら、こうした構成であれば、作業員がオイルシール組込用治具の挿入用円筒部の一方側の略円環状の平坦な端面をオイルシールに当接させて仮組み付けした後、ハンマーで挿入用円筒部の他方側の端面を叩いて取付け部材の面と同一面となるまで操作を行う必要があるため、例えばエレベータ装置の巻上機に付設されるブレーキ装置のような狭い設置箇所のオイルシール押さえプレートにおける装着箇所への取付けを想定すると、作業員によるハンマーを使用した手作業の操作ではオイルシール押さえプレートの平坦面に対して同一面となるように均一に挿入することが難しく、また近接するマグネットプレートやディスク等の他の組み付け部材が邪魔になる場合には他の組み付け部材を大部分取外して作業を行う手順が必要になって作業員への大きな負担となるため、実用上でなるべく回避されるべきという事情もある他、挿入の度合いに偏りが生じるとオイルシール押さえプレートにおける装着箇所への取付けが精度良く行われ難くなってしまい、挿入を強行するとオイルシールにおけるリングの外径面や内径面が損傷する虞があるだけでなく、オイルシールが装着されるオイルシール押さえプレートの装着箇所の壁面も損傷してしまう虞があり、損傷度合いによってはオイルシールの取付けを行ってもオイル漏れや異物の混入の防止効果が十分に図られなくなってしまう事態にもなりかねない。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、狭い設置箇所のオイルシール押さえプレートに装着されるオイルシールであっても装着箇所への取付けをオイルシール押さえプレートの平坦面に対して同一面となるように精度良く均一に行うことができるオイルシール取付け工具を提供することにある。
上記技術的課題を解決するため、潤滑剤のオイルが注入されるハウジングの両端面に設けられたオイルシール押さえプレートの中心を貫通する回転軸の回りに装着されるオイルシールの取付けに用いられるオイルシール取付け工具において、回転軸を挿通可能な中空部を有し、当該中空部の回りの一端側の環状端面がオイルシールの一方側の環状端面に当接される挿入用円筒部と、中心に回転軸を挿通可能な円形穴を有し、当該円形穴の外周付近の同心円状の3箇所以上に穴が穿孔された中空円板と、操作ノブが取付け固定された棒状部分に雄ねじ溝が設けられ、中空円板における3箇所以上の穴に当該棒状部分の先端を挿入した状態で当該オイルシール押さえプレートの対向する位置に予め設けられた雌ねじ溝に当該操作ノブを回転操作して螺合させることで挿入用円筒部の一端側の環状端面での当該オイルシールの一方側の環状端面への押圧を行う3個以上の操作ノブ付押圧調整棒と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、狭い設置箇所のオイルシール押さえプレートに装着されるオイルシールであっても装着箇所への取付けをオイルシール押さえプレートの平坦面に対して同一面となるように精度良く均一に行うことができるようになる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例に係るオイルシール取付け工具の取付け対象となるオイルシールが装着されたエレベータ装置の巻上機に付設されるブレーキ装置の概略構造を一部断面にして示した図である。 図1に示すブレーキ装置のオイルシール押さえプレートに装着される取付け対象のオイルシールの外観構成を示した斜視図であり、(a)はブレーキ装置のハウジングの内側方向から観た図、(b)はブレーキ装置のハウジングの外側方向から観た図である。 本発明の実施例に係るオイルシール取付け工具の基本構成を部材別に分解して示した斜視図であり、(a)は操作ノブ付押圧調整棒に関する図、(b)は挿入用円筒部に関する図、(c)は中空円板に関する図である。 図3(a)〜(c)に示す部材を組み付けたオイルシール取付け工具の基本構成を示した外観斜視図である。 図4に示すオイルシール取付け工具を用いたオイルシールの装着先となるオイルシール押さえプレートの基本構成を示した外観斜視図である。
以下に、本発明のオイルシール取付け工具について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るオイルシール取付け工具の取付け対象となるオイルシールが装着されたエレベータ装置の巻上機に付設されるブレーキ装置の概略構造を一部断面にして示した図である。
図1を参照すれば、この巻上機の駆動機2に付設されるブレーキ装置3は、良く知られているように、エレベータ装置の乗りかごが昇降する昇降路上の機械室に設置されるもので、潤滑剤のオイルが注入されるギヤケースのハウジングの両端面に設けられたオイルシール押さえプレート5a、5bの中心を貫通するモータ1の回転軸1aの回りにオイルシール6が装着される他、延在する回転軸1aの中途箇所のモータ1寄りにはディスク、回転軸1aの先端側にはマグネットプレート4が取付けられて構成される。ブレーキ装置3自体は、様々なタイプがあり、ここでは特に細部は問わないものとするが、オイルシール6が狭い設置箇所に取り付けられている電磁ブレーキタイプを対象とする。こうした場合、オイルシール押さえプレート5a、5bの装着箇所にオイルシール6を取付ける場合を想定すると、オイルシール6が狭い設置箇所に取付けられるため、特許文献1で開示されているオイルシール取付け工具を用いて取付けを行うと、オイルシール押さえプレート5a、5bの取付け面に対して同一面となるように挿入することが困難となり、挿入を強行するとオイルシール6におけるリングの外径面や内径面が損傷する虞があるだけでなく、オイルシール6が装着されるオイルシール押さえプレート5a、5bの装着箇所の壁面も損傷してしまう虞がある。
図2は、オイルシール6の外観構成を示した斜視図であり、同図(a)はブレーキ装置3のギヤケースのハウジングの内側方向から観た図、同図(b)はブレーキ装置3のギヤケースのハウジングの外側方向から観た図である。
図2(a)及び図2(b)を参照すれば、オイルシール6自体はハウジングの内側方向で内径周りにオイルシール取外し工具の係止片の先端のフック(鉤)に対する係合部となる環状凸部を有しており、ハウジングの外側方向で内径周りにやや突出した縁構造を持つ以外は平坦な環状端面を持つため、オイルシール押さえプレート5a、5bの装着箇所へのオイルシール6の仮組み付け後に例えば特許文献1のオイルシール取付け工具の挿入用円筒部の中空部回りの一端側の平坦な環状端面をオイルシールの平坦な環状端面に当接させて押圧すれば、原理的には取付けが可能である。但し、オイルシール押さえプレート5a、5bの取付け面に対して同一面となるように挿入できなければ、上述したようにオイルシール6におけるリングの外径面や内径面が損傷する虞やオイルシール押さえプレート5a、5bの装着箇所の壁面を損傷する虞があるため、構造上の工夫が必要になる。
図3は、本発明の実施例に係るオイルシール取付け工具の基本構成を部材別に分解して示した斜視図であり、同図(a)は操作ノブ付押圧調整棒7に関する図、同図(b)は挿入用円筒部8に関する図、同図(c)は中空円板9に関する図である。
図3(a)に示すオイルシール取付け工具の一部材である操作ノブ付押圧調整棒7は、操作ノブが取付け固定された棒状部分に雄ねじ溝が設けられている。また、図3(b)に示すオイルシール取付け工具の他部材である挿入用円筒部8は、マグネットプレート4を取外した状態での回転軸1aを挿入可能な中空部を有しており、その中空部の回りの一端側の径方向での肉厚部分における平坦な環状端面がオイルシール6の一方側の平坦な環状端面に当接される。更に、図3(c)に示すオイルシール取付け工具の別部材である中空円板9は、中心に回転軸1aを挿通可能な円形穴を有し、円形穴の外周付近の同心円状の所定箇所に3箇所以上の穴(ここでは総計6個の穴が等角度間隔で設けられた例を示す)が穿孔されている。
図4は、図3(a)〜(c)に示す部材(操作ノブ付押圧調整棒7、挿入用円筒部8、中空円板9)を組み付けたオイルシール取付け工具10の基本構成を示した外観斜視図である。
図4を参照すれば、オイルシール取付け工具10の組み付け状態では、中空円板9における円形穴外周の回りに挿入用円筒部8の他端側の径方向での肉薄部分における平坦な環状端面を結合して一体化し、中空円板9における各穴における120度間隔の穴のそれぞれに操作ノブ付押圧調整棒7の棒状部分を挿入し、この状態でオイルシール押さえプレート5aの装着箇所へのオイルシール6の仮組み付け後に回転軸1aへ挿入可能な状態で操作ノブ付押圧調整棒7の操作ノブが回転操作される様子を示している。因みに、このオイルシール取付け工具10は、オイルシール押さえプレート5aへのオイルシール6の取付けのみを行う場合には工具全体が回転軸1aを挿通できる構造であるために中空円板9及び挿入用円筒部8を必ずしも固定して一体化させなくても良いが、初期的に回転軸1aを挿通させない状態でオイルシール押さえプレート5bへのオイルシール6の取付けを行う場合には挿入用円筒部8が中空円板9に対して位置ズレして位置決めが困難になるため、一体化させた方が使用上で都合が良いと云える。中空円板9及び挿入用円筒部8の固定には、ねじ止めや溶接、それらの組み合わせ等の周知技術を適用できる。
図5は、実施例に係るオイルシール取付け工具10を用いたオイルシール6の装着先となるオイルシール押さえプレート5aの基本構成を示した外観斜視図である。
図5を参照すれば、オイルシール押さえプレート5aにおける中空円板9の各穴の対向する位置には、予め操作ノブ付押圧調整棒7の棒状部分の雄ねじ溝と螺合される雌ねじ溝11が設けられた様子を示している。図4に示すオイルシール取付け工具10では総計3個の操作ノブ付押圧調整棒7を用いているため、オイルシール押さえプレート5aで使用される雌ねじ溝11はそれらに対向する3箇所となる。中空円板9の全ての穴に総計6個の操作ノブ付押圧調整棒7の棒状部分を挿入した構成であれば、オイルシール押さえプレート5aで使用される雌ねじ溝11はそれらに対向する6箇所の全てとなる。
以下は、図4及び図5を参照し、オイルシール取付け工具10によるオイルシール押さえプレート5aの装着箇所へのオイルシール6の取付け手順について説明する。
オイルシール取付け工具10を用いてのオイルシール6の取付け手順では、オイルシール押さえプレート5aの装着箇所へのオイルシール6の仮組み付け後に中空円板9における3箇所の穴に操作ノブ付押圧調整棒7の雄ねじ溝が設けられた棒状部分の先端を挿入した状態でオイルシール押さえプレート5aの対向する位置に予め設けられた雌ねじ溝11に操作ノブ付押圧調整棒7の操作ノブを順次回転操作して螺合させることで挿入用円筒部8の一端側の平坦な環状端面でのオイルシール6の一方側の平坦な環状端面への押圧を徐々に行って取付ける。このとき、オイルシール6は120度ずつ隔たった箇所の螺合に伴い、挿入用円筒部8の平坦な環状端面で少しずつオイルシール押さえプレート5aの装着箇所へ挿入されるため、狭い設置箇所のオイルシール押さえプレート5aに装着されるオイルシール6であっても装着箇所への取付けをオイルシール押さえプレート5aの平坦面に対して同一面となるように精度良く均一に行うことができる。尚、実施例では図1中の左側のオイルシール押さえプレート5aに装着されるオイルシール6の取付けを説明したが、図1中の右側のオイルシール押さえプレート5bに装着されるオイルシール6については、上述したようにギヤケースを回転軸1aから取外した状態で初期的に同様な手順で取付けが行われるものである。
尚、上述した実施例に係るオイルシール取付け工具10は、各部における細部の構成(中空円板に設ける穴の形態や数、中空円板に設ける穴に挿入して使用する操作ノブ付押圧調整棒の使用数、或いは挿入用円筒部8の外観形状等)は類似した範囲で種々変更できるため、本発明は図3(a)〜(c)及び図4を参照して説明した実施例で開示した形態に限定されない。
1 モータ
1a 回転軸
2 駆動機
3 ブレーキ装置
4 マグネットプレート
5a、5b オイルシール押さえプレート
6 オイルシール
7 操作ノブ付押圧調整棒
8 挿入用円筒部
9 中空円板
10 オイルシール取付け工具
11 雌ねじ溝

Claims (2)

  1. 潤滑剤のオイルが注入されるハウジングの両端面に設けられたオイルシール押さえプレートの中心を貫通する回転軸の回りに装着されるオイルシールの取付けに用いられるオイルシール取付け工具において、
    前記回転軸を挿通可能な中空部を有し、当該中空部の回りの一端側の環状端面が前記オイルシールの一方側の環状端面に当接される挿入用円筒部と、中心に前記回転軸を挿通可能な円形穴を有し、当該円形穴の外周付近の同心円状の3箇所以上に穴が穿孔された中空円板と、操作ノブが取付け固定された棒状部分に雄ねじ溝が設けられ、前記中空円板における前記3箇所以上の穴に当該棒状部分の先端を挿入した状態で当該オイルシール押さえプレートの対向する位置に予め設けられた雌ねじ溝に当該操作ノブを回転操作して螺合させることで前記挿入用円筒部の一端側の環状端面での当該オイルシールの一方側の環状端面への押圧を行う3個以上の操作ノブ付押圧調整棒と、を備えたことを特徴とするオイルシール取付け工具。
  2. 請求項1記載のオイルシール取付け工具において、
    前記中空円板における前記円形穴外周の回りに前記挿入用円筒部の他端側の環状端面を結合して一体化した状態で前記回転軸への挿入に供されることを特徴とするオイルシール取付け工具。
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