JP5566259B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、メカニカルシールに関し、特に、それを取り付ける回転機器の軸方向に分割可能なメカニカルシールに関する。
メカニカルシールは、従来から、ポンプあるいは攪拌機等の回転機器の軸封手段として広く使用されている。メカニカルシールは、複数の環状部材から構成されている。このため、メカニカルシールを回転機器に取り付ける際あるいは回転機器から取り外す際、回転機器の一部を分解する必要から、取り付けや取り外しに多大な労力を要していた。このような取り付けや取り外しの作業労力を軽減するために、回転機器の回転軸方向に構成部品を分割した分割型メカニカルシールが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−048248号公報
一般的に、メカニカルシールの構成部品を軸方向に分割した場合、非分割型のメカニカルシールと比較して、その分割面からのオイルや水等の漏洩の可能性が高くなる。上述の特許文献1に開示されるメカニカルシールは、漏洩防止のため、その構成部品の外側に、ゴムパッキングおよびOリングを取り付けているが、それでも、ゴムパッキングとOリングとの接触部分から水やオイルが漏洩する危険性がある。
本発明は、かかる課題を解決すること、すなわち、オイルや水等の液体の漏洩をより低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、回転機器の回転軸に従動して回転するロータリーリングと、回転軸に従動して回転すると共にロータリーリングとシール状態にてその外側を覆うスリーブと、ロータリーリングと回転軸の軸方向にて当接するシールリングと、シールリングとシール状態にてその外側を覆うグランドカバーとを少なくとも備えるメカニカルシールであって、少なくともロータリーリング、スリーブ、シールリングおよびグランドカバーを軸方向に沿って分割し、スリーブまたは/およびグランドカバーの各分割面の一方の面に、フッ素系樹脂からなるコート層を有し、各分割面の他方の面に当該コート層、さらにその上に弾性接着層を積層し、分割したスリーブまたは/およびグランドカバーを組み合わせた際に、弾性接着層が2つのコート層の間に挟まれる状態にする構成としたメカニカルシールである。
別の本発明の一実施形態は、さらに、コート層を、厚さ5〜40μmのポリテトラフルオロエチレンから成る層とするメカニカルシールである。
別の本発明の一実施形態は、さらに、コート層を、2つの分割面が互いに接触する両平面のみに形成するメカニカルシールである。
本発明によれば、オイルや水等の液体の漏洩をより低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るメカニカルシールを部分的に分解して示す分解斜視図である。 図2は、図1に示すメカニカルシールを構成するプレアセンブリの一つを分解して示す分解斜視図である。 図3は、図1に示すプレアセンブリの一つを分割面側から見た側面図である。 図4は、図1に示すメカニカルシールを、大気側から機器側に向かって見た正面図である。 図5は、図3に示すプレアセンブリの一つにおいて、コート層、またはコート層と弾性接着層を形成する領域を示す図である。 図6は、図4に示すP部の拡大図である。 図7は、メカニカルシールの組み込み作業中に、セットスクリューを大気側に移動する前後およびプリセットチップの取り外し前後の状態を示す図である。
次に、本発明に係るメカニカルシールの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るメカニカルシールを部分的に分解して示す分解斜視図である。図2は、図1に示すメカニカルシールを構成するプレアセンブリの一つを分解して示す分解斜視図である。図3は、図1に示すプレアセンブリの一つを分割面側から見た側面図である。図4は、図1に示すメカニカルシールを、大気側から機器側に向かって見た正面図である。
1.メカニカルシールの概略的な全体構成
実施の形態に係るメカニカルシール1は、回転機器(以後、単に、「機器」ともいう)の回転軸Bに従動して回転するロータリーリング3と、回転軸Bに従動して回転すると共にロータリーリング3とシール状態にてその外側を覆うスリーブ2と、ロータリーリング3と回転軸Bの軸方向にて当接するシールリング4と、シールリング4とシール状態にてその外側を覆うグランドカバー5とを少なくとも備え、少なくともロータリーリング3、スリーブ2、シールリング4およびグランドカバー5を回転軸Bの軸方向に沿って分割した2つのプレアセンブリ1a,1bを備える。メカニカルシール1を構成する2つのプレアセンブリ1a,1bは、ともに、回転軸Bに取り付ける際に組み合わせ可能な分割面を有する。メカニカルシール1は、スリーブ2、ロータリーリング3、シールリング4、グランドカバー5以外に、Oリング6〜9を備える。Oリング6〜9も、軸方向に分割されている。この結果、プレアセンブリ1aは、半割スリーブ2aと、半割ロータリーリング3aと、半割シールリング4aと、半割グランドカバー5aと、半割Oリング6a〜9aとを備え、プレアセンブリ1bは、半割スリーブ2bと、半割ロータリーリング3bと、半割シールリング4bと、半割グランドカバー5bと、半割Oリング6b〜9bとを、それぞれ備える。なお、プレアセンブリ1a,1bは必須の構成ではなく、半割スリーブ2a、半割ロータリーリング3a、半割シールリング4a、半割グランドカバー5aを、また、半割スリーブ2b、半割ロータリーリング3b、半割シールリング4b、半割グランドカバー5bを、それぞれ一体化していなくても良い。
2.各構成部材の概要
2.1 スリーブ(半割スリーブ2a+半割スリーブ2b)
スリーブ2は、略円筒形状を有する。スリーブ2は、その長さ方向の両端側を径方向に大きく構成し、軸方向略中央領域に、ロータリーリング3、シールリング4およびグランドカバー5を配置するための空間10を備える。スリーブ2は、回転軸Bに取り付けた状態で、回転軸Bに従動して回転する回転環の一つである。スリーブ2は、この実施の形態では、例えば金属(好ましくは、SUS)から成る構成部材である。
2.2 ロータリーリング(半割ロータリーリング3a+半割ロータリーリング3b)
ロータリーリング3は、略円筒形状を有する。ロータリーリング3は、スリーブ2の空間10であって機器側に最も近い位置に取り付けられ、回転軸Bに従動して回転する回転環の一つである。ロータリーリング3は、この実施の形態では、例えば炭化珪素から成る構成部材である。
2.3 シールリング(半割シールリング4a+半割シールリング4b)
シールリング4は、一方を大径に構成するフランジ付きの円筒形状を有する。シールリング4は、空間10のロータリーリング3に接する位置に取り付けられ、回転軸Bに従動しない遊動環である。シールリング4は、この実施の形態では、例えばカーボンから成る構成部材である。
2.4 グランドカバー(半割グランドカバー5a+半割グランドカバー5b)
グランドカバー5は、長さ方向に短い略円筒形状を有する。グランドカバー5は、空間10に一部を挿入して、Oリング8を介してシールリング4と隣接状態にて機器に固定される。グランドカバー5は、この実施の形態では、例えば金属(好ましくは、SUS)から成る構成部材である。
2.5 Oリング(半割Oリング6a〜9a+半割Oリング6b〜9b)
Oリング6は、スリーブ2の内面と回転軸Bとの間に配置されるシール用リングである。Oリング7は、ロータリーリング3の外面と、スリーブ2のロータリーリング3を覆う外壁部の内面との間に配置されるシール用リングであって、ロータリーリング3の長さ方向に沿って、2本配置される。Oリング7は、ロータリーリング3がスリーブ2内で回るのを防止する回り止めとして機能する。2本のOリング7を用いることにより、金属製のピン等を用いて回り止めを行うのと比較し、加工工数を減らすことができる効果が得られる。
Oリング8は、シールリング4の外面と、グランドカバー5との間に配置されるシール用リングである。Oリング9は、グランドカバー5と機器との間に配置されるシール用リングである。Oリング6〜9は、この実施の形態では、例えばフッ素系エラストマーから成る。
以上の構成部材からメカニカルシール1を組み立てて、機器の回転軸Bに取り付けると、回転軸Bとともに、スリーブ2とロータリーリング3が回転する。グランドカバー5は、機器に固定されているので、動かない。シールリング4は、グランドカバー5とロータリーリング3との間に挟まれた状態にあり、ロータリーリング3やスリーブ2に固定されていないので、ロータリーリング3に対して摺動状態にて軸方向に遊動する。
3.メカニカルシールの詳細な構成
3.1 スリーブの構造
図1に示すように、半割スリーブ2aは、大気側において、分割面18に近い位置に、円周方向の一部を角型に切り欠いた切欠部11を備える。半割スリーブ2bも、スリーブ2の中心に対して上記の切欠部11と面内対称の位置に、同様の切欠部11を備える。切欠部11は、スリーブ2の分割面18に向かって貫通する貫通孔12を備える。また、半割スリーブ2a,2bは、一方の分割面18において、他方の分割面18側の貫通孔12,12と一致する位置に、内面にねじ溝を有するねじ孔13,13を備える。さらに、半割スリーブ2aは、機器側において、分割面18に近い位置に、円周方向の一部を角型に切り欠いた切欠部15を備える。半割スリーブ2bも、スリーブ2の中心に対して上記の切欠部15と面内対称の位置に、同様の切欠部15を備える。切欠部15は、スリーブ2の分割面18に向かって貫通する貫通孔16を備える。また、半割スリーブ2a,2bは、一方の分割面18において、他方の分割面18側の貫通孔16,16と一致する位置に、内面にねじ溝を有するねじ孔17,17を備える。半割スリーブ2aと半割スリーブ2bは、ボルト20を貫通孔12,12からねじ孔13,13に、貫通孔16,16からねじ孔17,17にそれぞれねじ入れることにより、組み立てられる。
半割スリーブ2a,2bは、切欠部11,11から外周に沿って、それぞれ2個のねじ孔21,21を備える。それぞれのねじ孔21は、半割スリーブ2a,2bの各内面側まで貫通形成されており、スクリュー25を回転軸Bに当接可能な位置までねじ入れ可能な構成である。スクリュー25を回転軸Bに当接するまでねじ孔21にねじ入れることによって、スリーブ2を、回転軸Bに固定することができる。ねじ孔21の円周方向隣に、別のねじ孔28も形成されている。ねじ孔28は、半割スリーブ2a,2bの各内面にまで到達しない孔であって、プレアセンブリ1a,1bを組み立てる際に、プリセットチップ120を仮固定するために用いるものである。プリセットチップ120は、スリーブ2とグランドカバー5との中心を合わせるための調整部材であり、この実施の形態では、4個設けられている。プリセットチップ120は、貫通孔121を有しており、その貫通孔121に低頭ボルト130を入れ、ねじ孔28に低頭ボルト130をねじ込むことにより、中心合わせの機能を持つ。
半割スリーブ2a,2bは、大気側に形成される大径のフランジ部において、その厚み方向に貫通する貫通孔32を、それぞれ3個備える。また、半割スリーブ2a,2bは、その内面に、周状に形成される溝26,26を備える。溝26,26は、半割Oリング6a,6bを固定するためのものであり、回転軸B側に開口する。
スリーブ2は、両分割面18,18の一方の面に、当該両分割面18,18の他方の面に向かって突出する凸部50〜53を備えると共に、両分割面18,18の他方の面に、凸部50〜53と嵌合する凹部40〜43を備える。ここで、「嵌合」とは、クリアランスがほとんど無く、密着状態となる係合状態をいう。
凹部43および凹部41は、回転軸Bの軸方向に沿って長く延び、それぞれ、半割スリーブ2a,2bの機器側端面から半割ロータリーリング3a,3b側に向かって細長く形成される。凹部42および凹部40は、回転軸Bの径方向に沿って長く延び、それぞれ、半割スリーブ2a,2bの外面から回転軸Bの径方向内側に向かって細長く形成される。凹部40と凹部41は、互いに直交し、接触しないように配置されている。凹部42と凹部43も同様である。
凸部51および凸部53は、回転軸Bの軸方向に沿って長く延び、それぞれ、半割スリーブ2a,2bの機器側端面から半割ロータリーリング3a,3b側に向かって細長く形成される。凸部50および凸部52は、回転軸Bの径方向に沿って長く延び、それぞれ、半割スリーブ2a,2bの外面から回転軸Bの径方向内側に向かって細長く形成される。凸部50と凹部51は、互いに直交し、接触しないように配置されている。凸部52と凸部53も同様である。
凸部50〜53は、略円柱形状のピン(例えば、SUS製のピン、これを「ドレープピン」と称する)によって形成するのが好ましい。半割スリーブ2aおよび半割スリーブ2bの両分割面18,18に、互いに対向するように1組の凹部を1または複数セット形成しておき、各セットの凹部にて形成される孔(ドレープピンの外径よりわずかに小径の孔)に、ドレープピンを打ち込み、半割スリーブ2aおよび半割スリーブ2bを分離することにより、半割スリーブ2aおよび半割スリーブ2bのいずれか一方に、ドレープピンを凸部として固定できる。ここで、半割スリーブ2a側の凹部を、これと対向する半割スリーブ2b側の凹部よりも大きな容積にて形成しておくと、半割スリーブ2aおよび半割スリーブ2bを分離した際に、ドレープピンが外れることなく、ドレープピンを半割スリーブ2a側の凹部に確実に固定できる。
3.2 グランドカバーの構造
図1に示すように、半割グランドカバー5aは、その円周側面上であって分割面58に近い位置に、円周方向の一部を角型に切り欠いた切欠部60を備える。半割グランドカバー5bも、グランドカバー5の中心に対して上記の切欠部60と対称の位置に、同様の切欠部60を備える。切欠部60は、グランドカバー5の分割面58に向かって貫通する貫通孔61を備える。また、半割グランドカバー5a,5bは、一方の分割面58において、他方の分割面58側の貫通孔61,61と一致する位置に、内面にねじ溝を有するねじ孔62,62を備える。半割グランドカバー5aと半割グランドカバー5bは、ボルト65,65を貫通孔61,61からねじ孔62,62にそれぞれねじ入れることにより、組み立てられる。
グランドカバー5は、両分割面58,58の一方の面に、当該両分割面58,58の他方の面に向かって突出する凸部80〜83を備えると共に、両分割面58,58の他方の面に、凸部80〜83と嵌合する凹部70〜73を備える。
凹部71および凹部73は、回転軸Bの軸方向に沿って長く延び、それぞれ、半割グランドカバー5a,5bの大気側から機器側に向かって細長く形成される。凹部70および凹部72は、回転軸Bの径方向に沿って長く延び、それぞれ、半割グランドカバー5a,5bの外面から回転軸Bの径方向内側に向かって細長く形成される。凹部70と凹部71は、互いに直交し、接触しないように配置されている。凹部72と凹部73も同様である。
凸部83および凸部81は、回転軸Bの軸方向に沿って長く延び、それぞれ、半割グランドカバー5a,5bの大気側から機器側に向かって細長く形成される。凸部82および凸部80は、回転軸Bの径方向に沿って長く延び、それぞれ、半割グランドカバー5a,5bの外面から回転軸Bの径方向内側に向かって細長く形成される。凸部80と凹部81は、互いに直交し、接触しないように配置されている。凸部82と凸部83も同様である。凸部80〜83は、スリーブ2の凸部50〜53と同様のドレープピンによって形成される。
半割グランドカバー5a,5bは、その厚み方向に貫通する貫通孔90を、それぞれ2個備える。貫通孔90は、図4に示すボルト96を挿入し、機器のスタッフィングボックスTにグランドカバー5を固定するために必要な孔である。半割グランドカバー5b(5aでも良い)は、機器と反対側の面からシールリング4bの方向に向かって斜めに貫通するドレーン孔(約4mm径)95を有する。ドレーン孔95は、漏洩する水やオイル等を外部に排出するための貫通孔である。
図2に示すように、半割グランドカバー5a,5bは、その機器側の面に、回転軸Bの周方向に沿って形成される溝66,66を備える。溝66,66は、半割Oリング9a,9bを固定するためのものであり、機器側に開口する。また、半割グランドカバー5a,5bは、その回転軸B側の面に、回転軸Bの周方向に沿って形成される溝68,68を備える。溝68,68は、半割Oリング8a,8bを固定するためのものであり、回転軸B側に開口する。
半割グランドカバー5a,5bは、貫通孔90よりも径方向内側において、周方向に3個のねじ孔132を備える。ねじ孔132は、半割グランドカバー5a,5bの厚さ方向に貫通する。ねじ孔132は、その内面にねじ溝を形成しており、セットスクリュー140を挿脱両方向に移動可能にする孔である。セットスクリュー140は、ロータリーリング3をスリーブ2に密着させるために、シールリング4側からロータリーリング3を押すために使用される。セットスクリュー140は、ロータリーリング3およびシールリング4の平面度不良を防止すると共に、プレアセンブリ1a,1bを分割した際に、各半割構成部品の脱落を防止する機能を有する。セットスクリュー140は、メカニカルシール1を機器に組み込んだ後、抜くか、あるいはシールリング4への押圧を解除すべく引き抜き方向に移動される。セットスクリュー140は、主にSUSから成り、シールリング4に接する側の先端のみをSUSより軟質の金属(例えば、銅)から構成される。このため、セットスクリュー140がシールリング4に接しても、シールリング4が破損しにくい。
グランドカバー5は、シールリング4との隙間に、シールリング4をロータリーリング3側に付勢するための2本のピン145および12本のスプリング146を備える。
3.3 ロータリーリングの構造
半割ロータリーリング3aは、図2に示すように、その外周に沿って形勢される2本の溝101,101を、厚さ方向に並べて備える。各溝101は、各半割Oリング7a,7bを固定するための溝であって、半割スリーブ2a,2b側に開口する。また、半割ロータリーリング3a,3bは、半割シールリング4a,4b側の端面に、半割シールリング4a,4b側に突出する突出面102を備える。突出面102と半割シールリング4a,4bとの間は、互いに接しており、摺動部Sとなる(図3参照)。
3.4 シールリングの構造
半割シールリング4a,4bは、図2に示すように、略L字状の断面を有する構成部材であって、半割ロータリーリング3a,3b側に、より大径のフランジ部111を備えると共に、当該フランジ部111に連接して、半割グランドカバー5a,5b側に延出するスリーブ部112を備える。スリーブ部112の半割グランドカバー5a,5b側の端面は、先に説明したピン145およびセットスクリュー140の先端部が接する部分である。また、スリーブ部112は、その内面に、半割グランドカバー5a,5b側の端面を開口する半円筒形状の溝115を有する。先に説明したピン145は、当該溝115に接し、シールリング4の回り止めの機能を有する。
3.5 分割面のコート処理
図5は、図3に示すプレアセンブリの一つにおいて、コート層、またはコート層と弾性接着層を形成する領域を示す図である。図6は、図4に示すP部の拡大図である。
スリーブ2およびグランドカバー5は、メカニカルシール1の分割面のシール特性を高めるために、スリーブ2およびグランドカバー5の各分割面18,58の一方の面に、フッ素系樹脂からなるコート層160aを有するのが好ましい。各分割面18,58の他方の面は、上記コート層160aと同様のコート層160bを、さらにその上に弾性接着層161を、順に積層する。これにより、2つのプレアセンブリ1a,1bを組み合わせた際に、スリーブ2およびグランドカバー5の各分割面18,58において、弾性接着層161を両コート層160a,160b(総称する場合には、「コート層160」と称する)に挟まれる状態とすることができる。弾性接着層161は、プレアセンブリ1a,1bの分割と組み合わせを繰り返し行っても、長期間、接着機能を保持できる層であるのが好ましい。コート層160の厚さは、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm、それより好ましくは15〜25μm、最も好ましくは20μmである。コート層160と弾性接着層161を用いることにより、従来から用いられるゴムパッキンとOリングとの接触部を無くすことが可能になる。この結果、水等の漏洩は生じにくくなる。
コート層160は、半割スリーブ2a,2bの両分割面18,18の全面、および半割グランドカバー5a,5bの両分割面58,58の全面に形成し、あるいは互いに接触する両平面にのみ形成することができる。両平面にのみ形成する場合、具体的には、図5にその一例として示すハッチング領域にのみコート層160を形成し、分割面18,58内において、凹部40〜43、凸部50〜53、凹部70〜73、凸部80〜83、半割ロータリーリング3a,3bの挿入領域、半割シールリング4a,4bの挿入領域等には、コート層160を形成しない。
一方、凹部40〜43を含む半割スリーブ2aの分割面の全面にコート層160と弾性接着層161を形成する場合、凹部40〜43を含む半割スリーブ2bの分割面の全面にコート層160を形成した後、半割スリーブ2a,2bを一体化してドレープピンを打ち込み、その後、半割スリーブ2a,2bを分割する。同様に、凹部70〜73を含む半割グランドカバー5aの分割面の全面にコート層160と弾性接着層161を形成し、凹部70〜73を含む半割グランドカバー5bの分割面の全面にコート層160を形成した後、半割グランドカバー5a,5bを一体化してドレープピンを打ち込み、その後、半割グランドカバー5a,5bを分割する。かかる方法を採用すると、漏水防止に寄与しない領域にもコート層160および弾性接着層161を塗布することになる反面、塗布領域を選択する必要が無い点で、コート層160および弾性接着層161の各形成が容易になる。
弾性接着層161は、半割スリーブ2a側あるいは半割スリーブ2b側のいずれに形成しても良い。図6に示すように、半割スリーブ2a側に弾性接着層161を形成した場合には、プレアセンブリ1a,1bの分割面は、矢印Qで示す面になり、半割スリーブ2b側に弾性接着層161を形成した場合には、プレアセンブリ1a,1bの分割面は、矢印Rで示す面になる。半割グランドカバー5a,5bについても、上記半割スリーブ2a,2bと同様である。なお、コート層160は、半割スリーブ2a,2bの分割面18,18のみ、あるいは半割グランドカバー5a,5bの分割面58,58のみに形成しても良い。
コート層160は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、トリフルオロ塩化エチレン、テトラフルオロエチレン等から形成でき、特に、テトラフルオロエチレンによって、より好適に形成できる。
弾性接着層161は、ウレタン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂、可撓性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、SBR等を主成分とする接着剤により好適に形成でき、より好ましくは、柔軟性に富み、分離を繰り返しても接着能を長期間維持可能なウレタン樹脂を主成分とする接着剤により形成できる。
4.メカニカルシールの組み立て方法
次に、本発明の実施の形態に係るメカニカルシール1の組み立て方法につき、プレアセンブリ1a,1bの組み立てと、その後の機器への組み込みとに分けて、説明する。
4.1 プレアセンブリの組み立て
組み立て手順は、以下の通りである。
1)半割スリーブ2a,2bの各分割面18に、フッ素系樹脂を塗布してコート層160を形成すると共に、半割スリーブ2a側のコート層160aの上に、ウレタン系接着剤を塗布し、弾性接着層161を形成する。
2)ボルト20を用いて、半割スリーブ2a,2bを一体化する。
3)凹部40〜43の各セットにより形成される孔に、ドレープピンを打ち込む。
4)半割Oリング6a,6bを、スリーブ2の溝26に取り付ける。
5)2組の半割Oリング7a,7bを、半割ロータリーリング3a,3bの2つの溝101,101に取り付ける。
6)半割ロータリーリング3a,3bを、スリーブ2内に挿入して取り付ける。
ここまでの手順にて、回転環の組み立てが完了する。
7)半割グランドカバー5a,5bの各分割面58に、フッ素系樹脂を塗布してコート層160を形成すると共に、半割グランドカバー5a側のコート層160aの上に、ウレタン系接着剤を塗布し、弾性接着層161を形成する。
8)ボルト65を用いて、半割グランドカバー5a,5bを一体化する。
9)凹部70〜73の各セットにより形成される孔に、ドレープピンを打ち込む。
10)半割Oリング8a,8bを、グランドカバー5の溝68に取り付ける。
11)半割Oリング9a,9bを、グランドカバー5の溝66に取り付ける。
12)グランドカバー5に、スプリング146およびピン145を取り付ける。
13)グランドカバー5に、半割シールリング4a,4bを挿入する。
ここまでの手順にて、シールリング4とグランドカバーの組み立てが完了する。
14)ボルト65を取り外し、グランドカバー5を分割する。
15)回転環の組み立て品の外周から、半割シールリング4a,4bと半割グランドカバー5a,5bとを挿入する。
16)再び、ボルト65を用いて、グランドカバー5を一体化する。
17)低頭ボルト130を用いて、プリセットチップ120をスリーブ2に固定する。
18)セットスクリュー140をねじ込んで、シールリング4、ロータリーリング3をスリーブ2に押し付ける。
ここまでの手順にて、プレアセンブリ1a,1bのカートリッジ化が完了する。
4.2 機器へのメカニカルシールの組み込み
1)メカニカルシール1からボルト20,65を外して、プレアセンブリ1a,1bに分割する。
2)プレアセンブリ1a,1bを機器の回転軸Bにあてがい、ボルト20を用いてスリーブ2を一体化する。
3)ボルト65を用いて、グランドカバー5を一体化する。
4)ボルト96を用いて、メカニカルシール1を機器(具体的には、機器のスタッフィングボックスT)に固定する。
5)スクリュー25にてスリーブ2を回転軸Bに固定する。
6)セットスクリュー140を大気側に移動し、シールリング4に対する押圧を解除する。7)低頭ボルト130を取り外し、スリーブ2からプリセットチップ120を取り外す。
図7は、メカニカルシールの組み込み作業中に、セットスクリューを大気側に移動する前後およびプリセットチップの取り外し前後の状態を示す図である。
ハッチング部分は、セットスクリュー140、低頭ボルト130およびプリセットチップ120である。図7に示すように、貫通孔32から治具(L型六角レンチ等)を差し込んで、矢印方向(大気側方向)にセットスクリュー140を移動させることにより、シールリング4への押圧が解除される。また、プレアセンブリ1a,1bのカートリッジ化の段階では、プリセットチップ120がグランドカバー5とスリーブ2との隙間Wに、その一部を入れた状態にある。プリセットチップ120は、低頭ボルト130を締めて、スリーブ2とグランドカバー5の同心を出すと共に隙間Wを確保する機能を有する。メカニカルシール1を機器に取り付けると、プリセットチップ120の役割は終了するため、機器の運転前に、これを取り外す。ここまでの手順にて、メカニカルシール1の組み込みが完了する。
本発明は、回転機器等の軸封に利用可能である。
1 メカニカルシール
1a,1b プレアセンブリ
2 スリーブ
3 ロータリーリング
4 シールリング
5 グランドカバー
18 分割面
58 分割面
160 コート層
160a コート層
160b コート層
161 弾性接着層
B 回転軸

Claims (3)

  1. 回転機器の回転軸に従動して回転するロータリーリングと、
    上記回転軸に従動して回転すると共に当該ロータリーリングとシール状態にてその外側を覆うスリーブと、
    上記ロータリーリングと上記回転軸の軸方向にて当接するシールリングと、
    当該シールリングとシール状態にてその外側を覆うグランドカバーと、
    を少なくとも備えるメカニカルシールであって、
    少なくとも上記ロータリーリング、上記スリーブ、上記シールリングおよび上記グランドカバーを上記軸方向に沿って分割し、
    上記スリーブまたは/および上記グランドカバーの各分割面の一方の面に、フッ素系樹脂からなるコート層を有し、各分割面の他方の面に当該コート層、さらにその上に弾性接着層を積層し、分割した上記スリーブまたは/および上記グランドカバーを組み合わせた際に、上記弾性接着層が2つの上記コート層の間に挟まれる状態にする構成とすることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 前記コート層は、厚さ5〜40μmのポリテトラフルオロエチレンから成る層であることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記コート層は、2つの前記分割面が互いに接触する両平面のみに形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメカニカルシール。
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