JP2017173906A - 通信制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアルタイムな車両情報の共有を実現しつつ、通信料を抑制可能な通信制御装置を提供する。
【解決手段】車載システム1は、他車両と直接的に車車間通信を実施する狭域通信処理部F3と、広域通信網を介して間接的に車車間通信(以降、間接型車車間通信)する広域通信処理部F4の両方を備える。車載システム1には間接型車車間通信によって自車両の車両データを示す通信パケットを送信する周期(以降、広域送信周期)として採用可能な設定値として、第1周期と第2周期が予め用意されている。第1周期は相対的に長い時間であって、第2周期は相対的に短い時間である。広域通信処理部F4は、周辺車両が存在しない場合には広域送信周期として第1周期を採用する一方、周辺車両が存在する場合には第2周期を採用する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車車間通信を実施するための通信モジュールの動作を制御する通信制御装置に関する。
近年、複数の車両のそれぞれが、現在位置や、走行速度、進行方向などの車両情報を示す通信パケット(以降、車両情報パケット)を逐次同報送信するとともに、他車両から送信された車両情報パケットを逐次受信する車車間通信システムが提案されている。
そのような車車間通信システムにおける車両同士の通信(つまり車車間通信)の態様としては、特許文献1に開示されているように、広域通信網を経由せずに、車両同士が車両情報パケットを直接送受信する態様が想定されている。車両同士の直接的な無線通信は、アクセス制御方式としてCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式を採用することで実現される。
また、車車間通信によって得られた他車両の車両情報は、ドライバの運転操作を支援する車両制御や、自動運転、ドライバへの情報提供などに用いられる。そのため、車車間通信によって取得される車両情報は、現在の状況とできるだけ近いリアルタイムな情報である必要がある。そのような要求を鑑みて、車両情報パケットの送信周期は数百ミリ秒(より具体的には100ミリ秒)に設定される場合が多い。
特開2013−5186号公報
車両同士がCSMA/CAで直接無線通信を実施する場合には、隠れ端末問題やトラックなどの大型車両によるシャドウイングといった周知の課題を考慮する必要がある。隠れ端末問題とは、複数の車両が互いの信号を受信できない位置関係となっていることに起因して無線信号の混信が生じてしまう問題である。また、シャドウイングとは、距離的には通信可能な距離となっているにも関わらず、大型車両によって電波を遮られてしまい、一時的に車両情報パケットが受信できなかったり受信信号強度が低下したりすることを指す。
そのような課題を解決する1つの解決策としては、車両同士が広域通信網を介して車両情報パケットを送受信する構成を採用することも考えられる。しかしながら、車両同士が広域通信網を経由して通信する場合には、通信量に応じた通信料が発生する恐れがある。したがって、広域通信網を介して車車間通信を実施する場合には、通信料を抑制するために車両情報パケットの送信頻度を抑えたいという要求と、リアルタイムな車両情報を互いに共有させるために車両情報パケットの送信間隔を短くしたいという要求の、互いに相反する要求が存在する。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、リアルタイムな車両情報の共有を実現しつつ、通信料を抑制可能な通信制御装置を提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、車両で用いられ、広域通信網を介さずに外部と直接無線通信を実施するための狭域通信モジュールと協働して、車両の周辺に存在する周辺車両と、広域通信網を介さない直接的な車車間通信である直接型車車間通信を実施する狭域通信処理部(F3)と、広域通信網を介して外部と無線通信するための広域通信モジュールと協働して、周辺車両と広域通信網を介した間接的な車車間通信である間接型車車間通信を実施する広域通信処理部(F4)と、車両に搭載されているセンサの検出結果に基づいて、車両の走行状態を示す車両データを生成する車両データ生成部(F2)と、を備え、狭域通信処理部は、車両データを含む通信パケットを所定の狭域送信周期で狭域通信モジュールから無線送信させ、広域通信処理部は、車両データを含む通信パケットを、広域通信モジュール及び広域通信網を介して、所定の広域送信周期で周辺車両に送信する処理を行うものであり、狭域通信処理部及び広域通信処理部が取得する車両データに基づいて、周辺車両に相当する他車両が車両の位置を基準として定まる所定範囲内に存在するか否かを判定する周辺車両判定部(F6)を備え、広域通信処理部は、周辺車両判定部によって他車両が所定範囲内に存在しないと判定されている場合には、広域送信周期として、狭域送信周期よりも長い所定の第1広域送信周期を採用する一方、周辺車両判定部によって他車両が所定範囲内に存在すると判定されている場合には、狭域送信周期と等しい値又はそれよりも小さい値に設定されている所定の第2広域送信周期を広域送信周期として採用することを特徴とする。
以上の構成では、周辺車両判定部によって他車両が自車両の周辺と見なすことができる所定の範囲(以降、周辺範囲)内に存在すると判定されている場合には、相対的に長い第1広域送信周期で間接型車車間通信による車両データの送信を実施する。一方、周辺車両判定部によって他車両が周辺範囲に存在する場合には、相対的に短い第2広域送信周期で間接型車車間通信による車両データの送信を実施する。なお、狭域通信処理部は、周辺車両判定部の判定結果に依らず、所定の狭域送信周期で車両データを逐次送信させる。
このような態様によれば、例えば周辺車両が存在する場合には、直接型車車間通信と間接型車車間通信の両方で車両データの送信が相対的に密に実施される。したがって、仮にシャドウイング等に起因して直接型車車間通信の通信品質が低下したとしても、間接型車車間通信によってリアルタイムな車両情報の共有を維持することができる。
また、他車両が自車両の周辺範囲に存在しない場合には、広域送信周期を第1広域送信周期(つまり、相対的に長い時間)に設定する。広域送信周期を長くするということは、広域通信網を介した通信を実施する頻度を抑制することに相当するため、通信量及び通信料を抑制することができる。なお、他車両が自車両の周辺範囲に存在しない場合、自車両の車両データは他車両によって利用されない。そのため、車両データを頻繁に送信する必要性が小さい。また、車両データの送信は、通信料がかからない直接型車車間通信によって他車両が周辺範囲に存在する場合と同じ頻度で実施されている。
したがって、他車両が自車両の周辺範囲に存在しない場合には広域送信周期を長くしても車両間における情報共有のリアルタイム性が損なわれる恐れは小さい。つまり、以上の構成によれば、リアルタイムな車両情報の共有を実現しつつ、通信料を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
車車間通信システム100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車載システム1の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 広域送信周期制御処理を説明するためのフローチャートである。 広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定している場合の通信制御部13の作動を説明するための図である。 広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定している場合の通信制御部13の作動を説明するための図である。 第2周期Tw2の他の態様を示す図である。 第2周期Tw2の他の態様を示す図である。 第2周期Tw2の他の態様を示す図である。 変形例3における通信制御部13の概略的な構成を示すブロック図である。 変形例3の通信制御部13が実施する広域送信周期制御処理を説明するためのフローチャートである。 車載システム1の構成の変形例を示すブロック図である。 車載システム1の構成の変形例を示すブロック図である。 通信制御部13の構成の変形例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に係る車車間通信システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、車車間通信システム100は、複数の車両Ma,Mbの各々に構築されている複数の車載システム1と、センタ2と、を備える。
なお、図1では、便宜上、車載システム1が適用されている車両(以降、適用車両)として、車両Maと車両Mbの2台しか図示していないが、実際には3台以上存在する。以降において、車両Ma,Mbに構築されている各車載システム1を区別する場合には、車両Maに構築されている車載システム1を車載システム1a、車両Mbに構築されている車載システム1を車載システム1bと記載する。
<全体の概要>
車車間通信システム100は、適用車両が互いに無線通信を実施するためのシステムである。適用車両は、道路上を走行する車両である。適用車両は、四輪自動車のほか、二輪自動車、三輪自動車等であってもよい。二輪自動車には原動機付き自転車も含まれる。本実施形態では一例として適用車両Ma,Mbは、四輪自動車とする。
各適用車両は、予め割り当てられた周波数帯の電波を用いて、広域通信網3を介さない無線通信(いわゆる車車間通信)を実施するように構成されている。便宜上、広域通信網3を介さない車車間通信のことを、ここでは直接型車車間通信と記載する。なお、直接型車車間通信を実施可能な範囲は、電波の送信出力に応じた限定的な範囲となる。つまり、直接型車車間通信を実施可能な範囲は、広域通信網を介した通信に比べて狭い範囲となる。そのため、直接型車車間通信は狭域通信とも呼ばれることがある。
直接型車車間通信に用いられる周波数帯は、適宜設計されれば良い。例えば直接型車車間通信は、760MHz帯の電波を用いて実現されればよい。もちろん、その他、直接型車車間通信は2.4GHz、5.9GHz帯などの電波を用いて実現されてもよい。
直接型車車間通信を実現するための通信規格は任意のものを採用することができる。ここでは一例として各適用車両は、IEEE1609等にて開示されているWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)の規格に準拠して直接型車車間通信を実施するものとする。
各適用車両は、自分自身の車両データを示す通信パケット(以降、車両データパケット)を、直接型車車間通信によって自車両周辺の他車両に対して所定の周期(以降、狭域送信周期)Tdで同報送信する。車両データには、その通信パケットを送信した車両(つまり送信元車両)を示す送信元情報、当該データの生成時刻、送信元車両の現在位置、進行方向、走行速度、加速度などが含まれる。送信元情報とは、送信元車両に対して予め割り当てられた、他の車両と区別するための識別情報(いわゆる車両ID)である。
また、各適用車両は、それぞれに搭載されている車載システム1によって広域通信網3に無線接続可能に構成されている。なお、ここでの広域通信網3とは、携帯電話網やインターネット等の、電気通信事業者によって提供される公衆通信ネットワークを指す。図1に示す基地局4は、車載システム1が広域通信網3に接続するための無線基地局である。
各適用車両は、直接型車車間通信によって同報送信する車両データパケットと同一の車両データを含む通信パケットを、所定の周期(以降、広域送信周期とする)Twで、基地局4及び広域通信網3を介してセンタ2へ送信する。
以降では、直接型車車間通信で定期送信する車両データパケットと区別するために、広域通信網3経由でセンタ2に送信される送信元車両の車両データを含む通信パケットのことを広域車両データパケットと記載する。また、直接型車車間通信で定期送信する車両データパケットのことを狭域車両データパケットと記載する。ただし、広域車両データパケットと狭域車両データパケットのそれぞれを区別しない場合には単に車両データパケットと記載する。また、以降では、広域通信網3に接続する他の通信端末(例えばセンタ2)宛に通信パケットを送信することを広域送信とも表現するとともに、直接型車車間通信で所定の通信パケットを送信することを狭域送信とも表現する。
センタ2は、或る車両から送信された広域車両データパケットを、その送信元車両の周辺に存在する他車両(つまり周辺車両)に転送する役割を担う。送信元車両の周辺とする領域は、その車両から所定の転送用車間距離以内となる範囲とする。つまり、転送用車間距離は、種々の適用車両の中から、受信した広域車両データパケットの転送先とする車両(換言すれば送信元車両にとっての周辺車両)を抽出するために用いられるパラメータとして機能する。
転送用車間距離は、一定値としてもよいし、送信元車両の走行速度などに応じて動的に決定されてもよい。ここでは一例として転送用車間距離は、送信元車両の走行速度が大きいほど大きい値に設定する。送信元車両から転送用車間距離以内に存在する他車両が周辺車両に相当する。
なお、他の態様として転送用車間距離は、送信元車両が走行している道路の種別に応じた値に動的に調整されてもよい。例えば、送信元車両が走行している道路の種別が高速道路である場合には、転送用車間距離を相対的に大きい値(例えば400m)に設定する一方、走行道路が一般道路である場合には、走行道路が高速道路である場合よりも小さい値(例えば200m)に設定する。
センタ2は、受信した広域車両データパケットの転送先を決定するためのサブ機能として、各適用車両の現在位置を管理する機能を備える。各適用車両の現在位置の管理は、図示しないデータベースを用いて実現されればよい。当該データベースにおいて各適用車両の現在位置は、車両IDなどと対応付けられて保存されている。便宜上、適用車両毎の現在位置を表したデータを位置管理データと称する。センタ2は、広域車両データパケットを受信する度に、その広域車両データパケットの内容を参照して、データベースに登録されている送信元車両の現在位置を更新する。
センタ2は、或る適用車両から送信された広域車両データパケットを受信した場合に、位置管理データに基づいて、その送信元車両から直線距離において転送用車間距離以内に存在する車両を抽出し、その抽出した車両に向けて受信した広域車両データパケットを転送する。
このようにして、車車間通信システム100は広域通信網3を介した間接的な車車間通信を提供する。直接型車車間通信と区別するため、以降では広域通信網3を介した間接的な車車間通信のことを、間接型車車間通信とも記載する。以降では、各車両に搭載される車載システム1の構成について、より詳細に述べる。
<車載システム1の構成について>
ここでは、適用車両Maに搭載されている車載システム1aを例にとって車載システム1の構成について述べる。なお、他の適用車両(例えば車両Mb)に構築されている車載システム1も同様の構成となっている。便宜上、車載システム1にとって自分自身が搭載されている車両(つまり車両Ma)のことを、他の車載システム1が搭載されている車両と区別して自車両とも記載する。
車載システム1は、図2に示すように、通信ユニット10、センサ20、及びロケータ30を備える。通信ユニット10は、車両内に構築された通信ネットワーク(つまり、LAN:Local Area Network)を介して、センサ20、及びロケータ30と接続されている。
通信ユニット10は周辺車両と車両データパケットの送受信を実施するためのユニットである。通信ユニット10は、より細かい要素として、狭域通信モジュール11、広域通信モジュール12、及び通信制御部13を備える。狭域通信モジュール11及び広域通信モジュール12はそれぞれ通信制御部13と相互通信可能に接続されている。
狭域通信モジュール11は、所定の周波数帯の電波を用いて他車両と直接無線通信(つまり直接型車車間通信)を実施するための通信モジュールである。この狭域通信モジュール11は、より細かい要素として、図示しない狭域通信用アンテナ及び狭域通信用送受信部を備える。
狭域通信用アンテナは、直接型車車間通信に用いられる周波数帯の電波を送受信するためのアンテナである。狭域通信用送受信部は、狭域通信用アンテナで受信した信号を復調して通信制御部13に提供するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して狭域通信用アンテナに出力し、無線送信する。なお、直接型車車間通信のアクセス制御は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)によって実施される。CSMA/CAに基づいたアクセス制御処理は、狭域通信用送受信部が担当してもよいし、通信制御部13が担当してもよい。
広域通信モジュール12は、広域通信網3に無線接続し、車載システム1が広域通信網3を介して他の通信装置と通信するための通信モジュールである。この広域通信モジュール12は、より細かい要素として、図示しない広域通信用アンテナ及び広域通信用送受信部を備える。
広域通信用アンテナは、基地局4との無線通信に用いられる所定の周波数帯の電波を送受信するためのアンテナである。広域通信用送受信部は、広域通信用アンテナで受信した信号を復調して通信制御部13に提供するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して広域通信用アンテナに出力し、無線送信する。
これら広域通信用アンテナ及び広域通信用送受信部の協働により、広域通信モジュール12は、受信したデータを通信制御部13に出力するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して外部装置(例えばセンタ2)に送信する通信モジュールとして機能する。
通信制御部13は、狭域通信モジュール11及び広域通信モジュール12の作動を制御する。この通信制御部13の詳細については別途後述するが、概略的には次の通りである。通信制御部13は、センサ20及びロケータ30から提供される情報に基づいて車両データを生成し、当該車両データを含む車両データパケットを、狭域通信モジュール11から送信させたり、広域通信モジュール12から送信させたりする。狭域通信モジュール11から通信パケットを送信させることが前述の狭域送信に相当し、広域通信モジュール12から通信パケットを送信させることが前述の広域送信に相当する。また、通信制御部13は、周辺車両から送信された車両データパケットを、直接型車車間通信及び間接型車車間通信によって受信する。
センサ20は、自車両の走行に関する種々の状態量を検出するための種々のセンサである。自車両の走行に関する状態量とは、例えば、走行速度、ヨーレート、操舵角、加速度、シフト位置などである。つまり、走行速度を検出する速度センサや、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、操舵角を検出する操舵角センサ、車両Maに作用する加速度を検出する加速度センサ、シフトポジションセンサ等が、センサ20に含まれる。なお、後述するロケータ30によって特定される自車両の現在位置を示す位置情報もまた、自車両の走行に関する状態量に含まれる。
種々のセンサ20の検出結果は、LANを介して通信ユニット10に逐次提供される。なお、種々のセンサ20の検出結果は、任意の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等を介して通信ユニット10に提供される構成となっていても良い。センサ20に該当するセンサは上述したものに限らない。また、上述した全てのセンサを備えている必要もない。センサ20の種類は適宜設計されればよい。
ロケータ30は、道路地図上において、自車両が現在走行している地点を特定する装置である。ロケータ30は、より細かい構成要素として、GNSS受信機31及び地図記憶部32を備える。
GNSS受信機31は、衛星航法システムであるGNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信し、受信した航法信号に基づいて現在位置を逐次算出する。
地図記憶部32は、道路の接続関係や、道路の形状(換言すれば道路構造)を示す道路地図データを記憶している。地図記憶部32は、ハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶媒体を用いて実現されればよい。
ロケータ30は、GNSS受信機31が検出している現在位置に基づいて、道路地図上における自車両の位置を特定する。道路地図上における車両位置を特定することを、以降ではマッピングとも記載する。車両位置のマッピングは、ナビゲーション装置で慣用されている既知のマップマッチング技術を援用して実施すれば良い。マップマッチング技術は、複数時点における車両の進行方向や走行速度から車両の走行軌跡を求め、この車両の走行軌跡と地図情報から得た道路形状とを比較して車両の現在位置を求める技術である。
ロケータ30は、現在位置を示す位置情報を通信ユニット10に逐次提供する。なお、ロケータ30は上述した機能を備えていればよく、自車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置をロケータ30として利用してもよい。
<通信ユニット10の構成について>
次に通信ユニット10について説明する。通信制御部13が請求項に記載の通信制御装置に相当する。通信制御部13は、CPU、RAM、ROM、I/O、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータとして構成されている。ROMには、通常のコンピュータを通信制御部13として機能させるためのプログラム(以降、通信制御プログラム)や車両ID等が格納されている。
なお、上述の通信制御プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、その具体的な記憶媒体はROMに限らない。例えば通信制御プログラムはフラッシュメモリに保存されていても良い。CPUが通信制御プログラムを実行することは、通信制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
この通信制御部13は、CPUがROMに格納されている上述の通信制御プログラムを実行することによって、図2に示す種々の機能を提供する。すなわち、通信制御部13は機能ブロックとして、車両情報取得部F1、車両データ生成部F2、狭域通信処理部F3、広域通信処理部F4、受信データ管理部F5、及び周辺車両判定部F6を備える。また、通信制御部13は、RAM等の書き換え可能な記憶媒体を用いて実現されるメモリM1を備える。
なお、通信制御部13が備える機能ブロックの一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等を用いて(換言すればハードウェアとして)実現してもよい。また、通信制御部13が備える機能ブロックの一部又は全部は、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
車両情報取得部F1は、LANを介してセンサ20及びロケータ30から、自車両の走行状態を示す種々の情報(つまり車両情報)を取得する。具体的には、自車両の現在位置や、走行速度、ヨーレート、進行方向などを取得する。車両情報取得部F1が取得した種々の情報はメモリM1に一定時間保存される。
車両データ生成部F2は、メモリM1に保存されている種々の情報に基づき、所定の生成周期Tgで、その生成時点における車両の走行状態を示す車両データを生成する。生成周期Tgは例えば100ミリ秒とすれば良い。車両データ生成部F2によって生成される車両データは、車両データパケットに収容されるデータ本体部分(いわゆるペイロード)に相当する。車両データ生成部F2が生成した車両データはメモリM1に保存されるとともに狭域通信処理部F3及び広域通信処理部F4に提供される。
狭域通信処理部F3は、車両データ生成部F2から車両データが提供される度に、当該車両データを含む狭域車両データパケットを生成して、狭域通信モジュール11へ出力する。狭域通信モジュール11は、狭域通信処理部F3から入力された狭域車両データパケットを変調して同報送信する。
なお、車両データ生成部F2は前述の通り生成周期Tgでデータを生成する。そのため、狭域通信処理部F3が狭域車両データパケットを送信する周期(つまり狭域送信周期)Tdは、生成周期Tgと等しくなる。換言すれば、本実施形態において狭域送信周期Tdは生成周期Tgと一致するように設定されている。
また、狭域通信処理部F3は狭域通信モジュール11が受信したデータ(例えば他車両からの狭域車両データパケット)を取得する。狭域通信処理部F3は、取得した狭域車両データパケットに示される車両データを受信データ管理部F5に提供する。狭域通信処理部F3が取得した他車両の車両データは、LANを介して他のECUに提供されてもよい。
なお、本実施形態では一例として車両データ生成部F2が所定の生成周期Tgで自発的に車両データを生成し、狭域通信処理部F3等に提供する態様とするが、車両データ生成部F2の作動は、これに限らない。
他の態様として車両データ生成部F2は、狭域通信処理部F3からの要求に基づいて車両データパケットを生成する態様してもよい。その場合、狭域通信処理部F3は、狭域送信周期Td毎に車両データ生成部F2に対して車両データを生成するように要求するものとする。そのような態様によっても、狭域車両データパケットが狭域送信周期Tdで送信される。
広域通信処理部F4は、車両データ生成部F2が生成した車両データを含む広域車両データパケットを、所定の広域送信周期Twで生成する。なお、広域通信処理部F4は、広域送信周期Twが満了するタイミングで送信される狭域車両データパケットと同一の車両データを含むように広域車両データパケットを生成する。
そして、その生成した広域車両データパケットを広域通信モジュール12へ出力し、無線送信させる。つまり、広域通信処理部F4は、所定の広域送信周期Twで広域車両データパケットを送信するための処理を実施する。なお、広域通信モジュール12から送信された広域車両データパケットは、基地局4、広域通信網3及びセンタ2を介して自車両の周辺車両に届けられる。
広域車両データパケットの生成及び送信を実施する周期(つまり広域送信周期)Tw自体は、広域通信処理部F4によって動的に変更される。本実施形態においては、ROMには広域送信周期Twとして採用可能な設定値として、それぞれ長さが異なる第1周期Tw1と第2周期Tw2が予め登録されている。広域通信処理部F4は、後述する周辺車両判定部F6の判定結果に基づいて、第1周期Tw1と第2周期Tw2のうち、広域送信周期Twとして採用するものを選択する。第1周期Tw1が請求項に記載の第1広域送信周期に相当し、第2周期Tw2が請求項に記載の第2広域送信周期に相当する。
第1周期Tw1は、第2周期Tw2に比べて大きい値に設定されていればよい。ここでは一例として第1周期Tw1は、狭域送信周期Tdの10倍(つまり1秒)とし、第2周期Tw2は、狭域送信周期Tdの1倍(つまり100ミリ秒)に設定されているものとする。もちろん、第1周期Tw1は0.5秒や、0.8秒、2秒などであっても良い。
ただし、第1周期Tw1及び第2周期Tw2は何れも狭域送信周期Td(換言すれば車両データの生成周期Tg)の整数倍に設定されていることが好ましい。これは広域送信される広域車両データパケットが示す車両データを、その送信時点前後において狭域送信される狭域車両データパケットが示す車両データと同一の内容とするためである。
また、第1周期Tw1は、通信量の抑制を目的として広域送信周期Twに設定される値である。したがって、第1周期Tw1は、通信量抑制の観点から相対的に大きい値に設定されていることが好ましい。広域送信周期Twが小さい程、広域通信網3を介した通信の量が増加し、通信料が高くなる場合があるためである。
一方、第2周期Tw2は、車両間におけるリアルタイムな情報共有が要求される場合において広域送信周期Twに設定するための値である。したがって、リアルタイムな情報共有の観点から相対的に小さい値(例えば300ミリ秒以下)に設定されていることが好ましい。例えば、第2周期Tw2は200ミリ秒や300ミリ秒に設定されていても良い。
なお、従来の車車間通信システムにおける車両データパケットの送信周期としては、数百ミリ秒程度の値が想定されている。つまり、本実施形態のように送信周期を100ミリ秒とすれば十分に車車間通信のリアルタイム性は確保される。換言すれば、リアルタイムな車両情報の共有を実現するためには、数百ミリ毎に互いの車両情報を交換できれば良いとされている。
もちろん、将来的に、より車両間における情報共有のリアルタイム性が要求されるようになった場合には、その要求に応じた値を第2周期Tw2として採用すれば良い。ただし、その場合には、車両データの生成周期Tgや狭域送信周期Tdも、その要求に応じた長さに設定されているものとする。
ところで、他の態様として第1周期Tw1は、広域車両データパケットの送信が実質的に実施されなくなるほど大きい値(例えば10000秒以上)に設計されてもよい。換言すれば、第1周期Tw1は広域通信処理部F4によって無限大として取り扱われる値に設定されていてもよい。また、広域通信処理部F4は、広域送信周期が第1周期Tw1に設定されている場合には広域車両データパケットの送信を実施しないように構成されていてもよい。
また、広域通信処理部F4は広域通信モジュール12が受信したデータ(具体的には他車両からの広域車両データパケット)を取得する。広域通信処理部F4は、取得した広域車両データパケットに示される車両データを、受信データ管理部F5に提供する。また、広域通信処理部F4が取得した他車両の車両データは、LANを介して種々のECUに提供されてもよい。
受信データ管理部F5は、狭域通信処理部F3及び広域通信処理部F4が取得した他車両の車両データを、その他車両の車両IDと対応付けてメモリM1に保存する。これによって、自車両周辺に存在する他車両についての情報が、車両毎に区別して管理される。便宜上、メモリM1に保存されている車両毎の車両データを周辺車両データと称する。
また、受信データ管理部F5は、車両データをメモリM1に保存する場合、メモリM1に保存されている車両データと、保存しようとしている車両データとを比較し、既に同じデータが保存されている場合には、重複するデータは保存せずに破棄する。重複するデータを保存する必要はないためである。
例えば、広域通信処理部F4から車両データが提供された場合、その車両データと同一のデータが既にメモリM1に保存されている場合には、広域通信処理部F4から提供された車両データは破棄する。
ここでの同一のデータとは、車両IDが一致しており、且つ、データの生成時刻も一致しているデータである。広域通信処理部F4から提供された車両データと同一のデータが既にメモリM1に保存されている場合とは、広域通信処理部F4よりも先に、狭域通信処理部F3から同一の車両データを既に提供されている場合である。もちろん、狭域通信処理部F3から車両データが提供された場合にも、同様の処理を実行することで、重複するデータの保存を回避する。
なお、本実施形態ではより好ましい態様として受信データ管理部F5は、或る車両データを保存する場合、その車両データの取得経路が直接型車車間通信であるか間接型車車間通信であるかを、フラグ等を用いて記録するものとする。例えば、狭域通信処理部F3から提供された車両データを保存する場合には、直接型車車間通信によって取得したデータであることを示すフラグをオンに設定する。また、広域通信処理部F4から提供された車両データを保存する場合には、間接型車車間通信によって取得したデータであることを示すフラグをオンにする。両方の経路で取得できたデータに対してはそれぞれのフラグをオンとすれば良い。
周辺車両判定部F6は、メモリM1に保存されている周辺車両データに基づいて、自車両の周辺と見なすことができる所定範囲(以降、周辺範囲)に、他車両が存在するか否かを判定する。つまり、周辺車両判定部F6は、自車両周辺に他車両が存在するか否か、換言すれば周辺車両が存在するか否かを判定する機能ブロックである。自車両の周辺とする範囲は適宜設計されればよい。ここでは一例として直接型車車間通信を実施可能な範囲と間接型車車間通信を実施可能な範囲を合わせた範囲を自車両にとっての周辺範囲と見なす。
周辺車両判定部F6は、現在から所定の時間(以降、判定用時間)以内に他車両の車両データパケットを受信したか否かを判定する。具体的には、現在から判定用時間以内に他車両の車両データパケットを受信していない場合には、自車両の周辺に他車両は存在しないと判定する。一方、判定用時間以内に他車両の車両データパケットを受信している場合には、自車両周辺に他車両が存在すると判定する。
ここで用いる判定用時間は、適宜設計されれば良い。ただし、判定用時間は第1周期Tw1の1倍よりも長くすることが好ましい。例えば判定用時間は第1周期Tw1の1.5倍などとすれば良い。
<広域送信周期制御処理>
次に、通信制御部13が実施する広域送信周期制御処理について図3に示すフローチャートを用いて述べる。広域送信周期制御処理は、広域送信周期Twを制御する処理である。この広域送信周期制御処理は、車両の電源(例えばイグニッション電源)がオンとなっている間、逐次(例えば100ミリ秒毎に)開始されればよい。或いは、広域通信処理部F4が広域車両データパケットを広域通信モジュール12へ出力したタイミングで開始されてもよい。
まず、ステップS1では周辺車両判定部F6が、メモリM1にアクセスし、周辺車両データを読みだしてステップS2に移る。ステップS2では周辺車両判定部F6が、ステップS1で読み出した周辺車両データに基づいて、自車両周辺に他車両が存在するか否かを判定する。自車両周辺に他車両が存在しないと判定した場合にはステップS2が否定判定されてステップS3に移る。一方、自車両周辺に他車両が存在すると判定した場合にはステップS2が肯定判定されてステップS4に移る。
ステップS3では広域通信処理部F4が、広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定して本フローを終了する。なお、既に広域送信周期Twが第1周期Tw1に設定されている場合には、そのままの設定を維持すればよい。
ステップS4では広域通信処理部F4が、送信周期を第2周期Tw2に設定して本フローを終了する。なお、既に広域送信周期Twが第2周期Tw2に設定されている場合には、そのままの設定を維持すればよい。
図4は、広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定している場合の車両データ生成部F2、狭域通信処理部F3、及び広域通信処理部F4のそれぞれの作動を表した図であり、横軸は時間の経過を表している。図中の下向き三角は、車両データ生成部F2が車両データを生成するタイミングを表している。狭域通信処理部F3や広域通信処理部F4に対応する横軸上に設けた矢印は、それぞれが車両データパケットを送信するタイミングを表している。
図4に示すように、狭域通信処理部F3は車両データ生成部F2による車両データの生成と同期して車両データパケットを送信する。一方、広域送信周期Twが第1周期Tw1に設定されている場合の広域通信処理部F4は、狭域通信処理部F3が車両データパケットを10回送信する毎に1回車両データパケットを送信する。なお、広域通信処理部F4が送信する車両データパケットには、同一タイミングで狭域通信処理部F3が送信する車両データパケットと同じ車両データが収容されている。
図5は、広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定している場合の車両データ生成部F2、狭域通信処理部F3、及び広域通信処理部F4のそれぞれの作動を表した図である。図中の記号は図4と同じ意味で用いている。
図5に示すように、広域送信周期Twが第2周期Tw2に設定されている場合の広域通信処理部F4は、狭域通信処理部F3と同じ頻度で車両データパケットを送信する。つまり、広域送信周期Twが第1周期Tw1に設定されている場合よりも他車両への情報発信をより密に実施する。
<実施形態のまとめ>
以上の構成では、周辺車両判定部F6によって自車両の周辺に他車両は存在しないと判定されている場合には、広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定する。また、周辺車両判定部F6によって自車両の周辺に他車両が存在すると判定されている場合には、広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定する。
第1周期Tw1は、通信量抑制の観点から、狭域送信周期Tdや第2周期Tw2に対して相対的に大きい値に設定されている。第2周期Tw2は、間接型車車間通信において直接型車車間通信と同程度のリアルタイム性を実現するために、換言すれば、直接型車車間通信と同程度にリアルタイムな情報共有を実現するために、狭域送信周期Tdと同程度の値に設定されている。
つまり、広域通信処理部F4は、自車両の周辺に他車両が存在しない場合には、広域送信周期Twを相対的に短い値に設定する一方、自車両の周辺に他車両が存在する場合には広域送信周期Twを相対的に長い値に設定する。なお、狭域通信処理部F3は、周辺車両判定部F6の判定結果に依らず、所定の狭域送信周期Tdで狭域車両データパケットを逐次送信させる。
したがって、以上の構成によれば自車両の周辺に他車両が存在する場合には、直接型車車間通信と間接型車車間通信の両方で車両データの送信が相対的に密に実施される。そのため、仮にシャドウイングや隠れ端末によって直接型車車間通信の通信品質が低下したとしても、間接型車車間通信によってリアルタイムな車両情報の共有を維持できる。
また、自車両の周辺に他車両が存在しない場合には、広域送信周期を相対的に長い第1周期Tw1に設定する。広域送信周期Twを長くするということは、広域通信網3を介した通信を実施する頻度を抑制することに相当するため、通信量及び通信料を抑制することができる。なお、自車両の周辺範囲に他車両が存在しない場合、自車両の車両データは他車両によって利用されない。そのため、車両データを頻繁に送信する必要性が小さい。また、車両データの定期送信は、広域通信網3を介さない直接型車車間通信によって、他車両が自車両周辺に存在する場合と同じ間隔で実施される。
したがって、他車両が自車両周辺に存在しない場合には広域送信周期Twを長くしても車両間における情報共有のリアルタイム性が損なわれる恐れは小さい。つまり、以上の構成によれば、リアルタイムな車両情報の共有を実現しつつ、広域通信網3を利用することで発生する通信料を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。種々の変形例は適宜組み合わせて実施することができる。さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、ロケータ30が備える機能の一部を通信制御部13が備える態様としても良い。
なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では一例として、現在から判定用時間以内に他車両の車両データパケットを受信している場合には、自車両周辺に他車両が存在すると判定する態様を例示したが、これに限らない。
受信した車両データに示されている他車両の位置と、その受信時点における自車両の位置との距離が、所定の周辺判定距離以上となっている場合には、当該他車両は自車両の周辺に存在する車両ではないと判定してもよい。つまり、間接型車車間通信や直接型車車間通信によって他車両の車両データパケットを受信している場合であっても、それらと自車両との距離が周辺判定距離以上となっている場合には自車両の周辺に他車両は存在しないと判定してもよい。これは、自車両から所定の周辺判定距離以内となる範囲を、請求項に記載の所定範囲として取り扱うことに相当する。
この変形例1で導入する周辺判定距離は、自車両と直接的又は間接的に車車間通信している他車両を、自車両の周辺に存在している他車両と見なすか否かを判定するための閾値として機能するパラメータである。周辺判定距離は、センタ2が採用している転送用車間距離と同一のパラメータであっても良いし、別途独立したパラメータとして定義されていても良い。また、周辺判定距離は、他車両の車両データに基づいて自車両が実行しようとしている車両制御の内容に応じて調整されても良い。
他車両の車両データに基づいて実行される車両制御の内容としては、例えば、車線変更や、右左折、追従走行、ドライバへの情報提供などがある。例えば追従走行を実施する場合には、車線変更などを実施する場合によりも短い値を周辺判定距離として採用することができる。制御内容に応じた周辺判定距離は、適宜設計されれば良い。
[変形例2]
前述の実施形態では第2周期Tw2を狭域送信周期Tdと同じ値とする態様を例示したがこれに限らない。例えば図6に示すように狭域送信周期Tdの2倍としてもよい。また、図7に示すように、狭域送信周期Tdの半分としてもよい。つまり、第2周期Tw2は狭域送信周期Tdよりも短くしてもよい。その場合、生成周期Tgは、第2周期Tw2に等しい値とすればよい。
また、広域車両データパケットは、狭域車両データパケットと同一の車両データを送信するように生成されればよく、その制約を満たす限りにおいて、広域送信周期Twとして用いられる第1周期Tw1や第2周期Tw2は、必ずしも狭域送信周期Tdの整数倍でなくともよい。例えば図8に示すように第1周期Tw1は狭域送信周期Tdの8.5倍に設定されていてもよい。この場合、時刻Tbにおいて広域通信処理部F4が送信する車両データパケットには、その直前に狭域通信処理部F3が送信した車両データパケットに収容されている車両データが含まれていれば良い。つまり、時刻Taにおいて生成された車両データが含まれていれば良い。
[変形例3]
上述した実施形態では、広域通信処理部F4は周辺車両の有無にのみ基づいて広域送信周期を変更する態様を例示したが、これに限らない。広域通信処理部F4は、周辺車両の有無に加えて、直接型車車間通信の通信品質が所定の許容レベル以上となっているか否かにも基づいて、広域送信周期Twを動的に変更してもよい。そのような態様を変形例3とする。この変形例3は例えば次のように実現されれば良い。
変形例3における通信制御部13は図9に示すように、実施形態として上述した種々の機能に加えて通信品質判定部F7を備える。通信品質判定部F7は、CPUが通信制御プログラムを実行することで実現されてもよいし、1つ又は複数のICなどを用いたハードウェアとして実現されていても良い。
通信品質判定部F7は、直接型車車間通信の通信品質が所定の許容レベル以上となっているか否かを判定する機能ブロックである。直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上であるか否かの判定方法としては種々の方法を採用することができる。なお、直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上となっている状態とは、周辺車両から送信された狭域車両データパケットを正常に受信できる状態、換言すれば、データの受信に失敗する確率が所定の閾値(例えば10%)以下となる状態に相当する。
ここでは一例として、通信品質判定部F7は、自車両の周辺に存在するはずの他車両の中に狭域車両データパケットを受信できていない他車両が存在する場合に、通信品質が許容レベル未満であると判定する。また、自車両の周辺に存在するはずの全ての他車両から狭域車両データパケットを受信できている場合には、直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上となっていると判定する。自車両の周辺に存在するはずの他車両は、間接型車車間通信によって取得した広域車両データパケットに基づいて特定されれば良い。
なお、通信品質の判定処理において周辺車両として用いる他車両は、自車両と直接型車車間通信が十分に実施できるはずの範囲に存在する他車両とすることが好ましい。例えば自車両から100m以内に存在する他車両を、通信品質を判定する上での周辺車両として採用すれば良い。つまり、間接型車車間通信によって認識している全ての他車両を周辺車両として用いる必要はない。
また、直接型車車間通信の通信品質が許容レベルとなっているか否かの判定方法は、上述した方法に限らない。例えば、直接型車車間通信によって取得した狭域車両データパケットの受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)に基づいて、通信品質が許容レベル以上であるか否かを判定してもよい。
具体的には、次のような構成及び手順によってRSSIから通信品質を判定することができる。まず、狭域通信モジュール11は、受信した狭域車両データパケットのRSSIを狭域通信処理部F3に提供し、狭域通信処理部F3は、狭域車両データパケットをそのRSSIとともに受信データ管理部F5に提供する。受信データ管理部F5は、直接型車車間通信によって取得した車両データパケットのRSSIを、当該他車両の車両データと対応付けてメモリM1に保存していく。なお、RSSIの特定は、RSSI回路として周知の構成を用いて実現すれば良い。
一般的にRSSIと通信端末間との距離には相関があり、通信端末間の距離が短いほどRSSIは大きくなる。そのため、車両間の距離に応じたRSSIの想定値は予め設計しておくことができる。車両間の距離に応じたRSSIの想定値を示すデータ(以降、RSSIデータ)は予めROM等に、通信制御プログラムの一部として登録しておけばよい。
そのような構成において通信品質判定部F7は、他車両の自車両との距離から定まるRSSIの想定値よりも、実際に受信した車両データパケットのRSSIが所定の閾値以上小さい値となっている他車両が存在している場合に、直接型車車間通信の通信品質が許容レベル未満であると判定する。また、他車両の自車両との距離から定まるRSSI想定値よりも、実際に受信した車両データパケットのRSSIが所定の閾値以上小さい値となっている他車両が存在しない場合には、通信品質が許容レベル以上となっていると判定する。このような判定手法によれば、間接型車車間通信によって取得した車両データを用いなくても、直接型車車間通信の通信品質を判定することができる。もちろん、上述した手法と組み合わせて通信品質を判定したほうが、より精度よく通信品質を判定できることは言うまでもない。
なお、車両同士の距離から定まるRSSIの想定値に対して、実際に受信した車両データパケットのRSSIが小さくなる場合とは、大型車両によるシャドウイングが生じている場合や、自車両周辺がマルチパス環境下となっている場合等が想定される。いずれの状況も、直接的な車車間通信の通信品質が低下しやすい状況(つまり直接型車車間通信が苦手とする状況)である。
<変形例3における広域送信周期制御処理>
次に、変形例3における通信制御部13が実施する広域送信周期制御処理について図10に示すフローチャートを用いて述べる。まず、ステップS101では周辺車両判定部F6が、メモリM1にアクセスし、周辺車両データを読み出してステップS102に移る。ステップS102では周辺車両判定部F6が、ステップS101で読み出した周辺車両データに基づいて、自車両周辺に他車両が存在するか否かを判定する。自車両周辺に車両がいるか否かの判断方法は前述の変形例1で言及した方法を適用してもよい。自車両周辺に他車両が存在すると判定した場合にはステップS102が肯定判定されてステップS103に移る。自車両周辺に他車両は存在しないと判定した場合にはステップS102が否定判定されてステップS104に移る。
ステップS103では通信品質判定部F7が、直接型車車間通信の通信品質が所定の許容レベル以上となっているか否かを判定する。直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上となっていると判定した場合にはステップS103が肯定判定されてステップS104に移る。一方、直接型車車間通信の通信品質が許容レベル未満であると判定した場合にはステップS103が否定判定されてステップS105に移る。
ステップS104では広域通信処理部F4が、広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定して本フローを終了する。もちろん、既に広域送信周期Twが第1周期Tw1に設定されている場合には、そのままの設定を維持すればよい。
ステップS105では広域通信処理部F4が、送信周期を第2周期Tw2に設定して本フローを終了する。もちろん、既に広域送信周期Twが第2周期Tw2に設定されている場合には、そのままの設定を維持すればよい。
<変形例3のまとめ>
変形例3における広域通信処理部F4は、周辺車両判定部F6によって自車両の周辺に他車両が存在しないと判定されている場合や、通信品質判定部F7によって直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上であると判定されている場合には、広域送信周期Twを第1周期Tw1に設定する。また、周辺車両判定部F6によって自車両の周辺に他車両が存在すると判定されており、かつ、通信品質判定部F7によって直接型車車間通信の通信品質が許容レベル未満であると判定されている場合に、広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定する。
つまり、変形例3における広域通信処理部F4が広域送信周期Twを相対的に短い値に設定する場合とは、自車両の周辺に他車両が存在するにも関わらず、直接型車車間通信の通信品質が許容レベルに達していない場合である。
直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上となっている場合には、直接型車車間通信によって車両間における情報共有のリアルタイム性は維持されている。したがって、直接型車車間通信の通信品質が許容レベルとなっている場合には、広域送信周期Twを短くする必要がなく、通信量抑制の観点からは広域送信周期Twは長いほうが好ましい。
つまり、以上の構成によれば、前述の実施形態に比べて、広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定する場面がより限定的となるため、より一層通信料を抑制することができる。
なお、直接型車車間通信の通信品質が許容レベルに達していない場合には、自車両の周辺に存在する他車両から狭域送信された狭域車両データパケットを受信できていない可能性がある。そこで、直接型車車間通信の通信品質が許容レベルに達していない場合には、広域送信周期Twを相対的に短い時間に設定することで、自車両のリアルタイムな車両情報を周辺車両が取得できるようになる。広域送信周期Twを短くするということは、広域通信網3への車両データパケットの送信頻度を多くし、他車両への情報発信をより密に実施することに相当するためである。また、他車両も自車両と同様に作動するため、自車両もまた周辺車両のリアルタイムな車両情報を取得できる。つまり、車両間における車両データの情報共有のリアルタイム性を前述の実施形態と同様に維持することができる。
[変形例4]
通信品質判定部F7による直接型車車間通信の通信品質の判定方法は、変形例3にて開示した方法に限らない。他車両毎に、狭域車両データパケットの受信失敗率(以降、パケットロス率)を算出し、パケットロス率が所定の閾値以上となっている他車両が存在する場合には、直接型車車間通信の通信品質が許容レベル未満であると判定してもよい。
或る他車両についてのパケットロス率は次のようにして算出されればよい。まず、受信データ管理部F5は、他車両からの狭域車両データパケットを受信できた場合には、その受信時刻を受信履歴としてメモリM1に登録していく。つまり、メモリM1は、車両毎の受信履歴を示すデータ(以降、直接受信履歴データ)を記憶している。
通信品質判定部F7は、他車両からの広域車両データパケットを受信できた場合には、直接受信履歴データに基づいて、その受信時点から過去1秒間以内に当該他車両から狭域送信された狭域車両データパケットを受信できた回数(以降、受信成功数)を特定する。
直接型車車間通信によって他車両から送信される車両データパケットを1秒間に受信する回数の期待値(以降、受信期待値)は、1秒間を狭域送信周期Tdで除算した値となる。具体的には、ここでは狭域送信周期Tdは0.1秒に設定されているため、受信期待値は10となる。
また、或る他車両から直接型車車間通信によって送信された車両データパケットの受信に失敗した数である受信失敗数は、受信期待値から当該他車両についての受信成功数を減算して得られる。さらに、或る他車両についての受信失敗数を受信期待値で除算した値が、当該他車両についてのパケットロス率に相当する。
つまり、通信品質判定部F7は、或る他車両の広域車両データパケットを取得した場合に、当該他車両についての直接受信履歴データから、受信成功数を特定し、その特定した受信成功数と受信期待値とに基づいて当該他車両についてのパケットロス率を算出する。なお、パケットロス率は、百分率で表されてもよい。ここでは受信失敗数を受信期待値で除算した値を百分率に変換せずにそのまま用いることとする。
そのようにして算出されたパケットロス率が所定の閾値(例えば0.2)以下となっている場合に、通信品質が許容レベル未満であると判定すればよい。なお、パケットロス率から通信品質が許容レベル以上であるか否かを判定するための閾値(以降、ロス率閾値)は、自車両と判定処理の対象とする他車両との距離に応じた値に設定されていてもよい。これは、車両間の距離が離れる程パケットロス率は上昇してしまう傾向があるためである。
[変形例5]
通信制御部13は、周辺車両判定部F6の判定結果に基づいて広域送信周期Twを第1周期Tw1から第2周期Tw2に変更する場合、周辺車両に対して広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定するように要求する通信パケット(以降、第2周期化要求パケット)を広域送信してもよい。第2周期化要求パケットの生成及び送信は広域通信処理部F4によって実施される。
広域通信処理部F4が広域通信モジュール12と協働して送信した第2周期化要求パケットは、センタ2によって周辺車両へ転送される。センタ2は、例えば車両Maからの第2周期化要求パケットを受信した場合には、車両Maの周辺車両を特定し、その特定した周辺車両に対して第2周期化要求パケットを転送する。各車載システム1の広域通信処理部F4は、第2周期化要求パケットを受信した場合、広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定する。
なお、広域通信処理部F4は、第2周期化要求パケットの受信したことをトリガとして広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定した場合には、第2周期化要求パケットの送信は実施しないものとする。仮に第2周期化要求パケットの受信に伴って広域送信周期Twを第2周期Tw2に設定した場合にも第2周期化要求パケットを送信すると、第2周期化要求パケットが連鎖的に拡散していってしまうためである。
この変形例5として開示の構成によれば、自車両が直接型車車間通信の通信品質が許容レベル未満であると判定した場合には、周辺車両にも第2周期Tw2で車両データパケットを送信させることができる。
なお、広域通信処理部F4は、第2周期化要求パケットを送信した後において、通信品質判定部F7によって直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上であると判定された場合には、広域送信周期Twを第1周期Tw1に戻すことを許可する通信パケット(以降、復帰許可パケット)を広域送信するものとする。
また、広域通信処理部F4は、第2周期化要求パケットを受信した場合、その通信パケットの送信元を示す情報(例えば車両ID)を、メモリM1に要求元車両として登録しておく。そして、全ての要求元車両から復帰許可パケットを受信した場合に、広域送信周期Twを第2周期Tw2から第1周期Tw1に戻す。なお、第2周期化要求パケットの送信元車両のうち、その後、広域車両データパケットを受信できなくなった車両については、自車両にとっての周辺車両ではなくなった可能性が高い。そのため、広域車両データパケットを受信できなくなった車両については、要求元車両としての登録を抹消すればよい。
[変形例6]
上述した変形例5では、通信品質判定部F7によって直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上であると判定されている場合に、復帰許可パケットを送信する態様を例示したがこれに限らない。例えば、交差点との位置関係に基づいて、復帰許可パケットを送信するか否かを決定してもよい。そのような態様を変形例6として以下に示す。
まず、前提として、変形例6におけるロケータ30は、自車両に対するマッピングの結果に基づき、自車両が走行している道路(以降、自車走行路)を逐次特定する。そして、その特定した自車走行路に関する道路地図情報(以降、走行道路情報)を通信制御部13に逐次提供する。走行道路情報には、自車走行路上に存在する道路接続点の位置や、自車走行路の道路形状を示す情報(以降、道路形状情報)が含まれていればよい。ここでの道路接続点とは、交差点や、高速道路本線への合流地点などである。
また、変形例6における通信制御部13は図13に示すように、上述した種々の機能に加えて道路情報取得部F8及び位置関係判定部F9を備える。道路情報取得部F8及び位置関係判定部F9のそれぞれは、CPUが通信制御プログラムを実行することで実現されてもよいし、1つ又は複数のICなどを用いたハードウェアとして実現されていても良い。
道路情報取得部F8は、ロケータ30から走行道路情報を取得する。取得した走行道路情報は位置関係判定部F9に提供される。
位置関係判定部F9は、道路情報取得部F8が取得した走行道路情報に含まれる道路接続点の位置情報と、自車両の現在位置とから、自車両前方に存在する道路接続点のうち、自車両から最も近い位置に存在する道路接続点(以降、直近接続点)までの距離(以降、前方接続点距離)と、自車両後方に存在する道路接続点のうち、自車両から最も近い位置に存在する道路接続点からの距離(以降、後方接続点距離)のそれぞれを特定する。
そして、位置関係判定部F9は、前方接続点距離と後方接続点距離の少なくとも何れか一方が、所定の周期変更距離Dth以下となっているか否かを判定する。換言すれば、位置関係判定部F9は、道路接続点から周期変更距離Dth以内となる範囲に自車両が存在しているか否かを判定する。
周期変更距離Dthは、自車両の現在位置が道路接続点付近であるか否かを判定するためのパラメータである。周期変更距離Dthは、予め設計された一定の値としてもよいし、自車両の走行速度に応じて動的に決定(換言すれば調整)されてもよい。ここではより好ましい態様として、位置関係判定部F9は、自車両の走行速度が大きいほど周期変更距離Dthを大きい値に設定するものとする。例えば、自車両の走行速度が一般道路の巡航速度(例えば50km/h)以下である場合には200mに設定し、高速道路の巡航速度(例えば80km/h)相当となっている場合には、400mなどに設定する。走行速度に応じた周期変更距離Dthの具体的な値は適宜設計されればよい。
そして、広域通信処理部F4は、第2周期化要求パケットを送信した後において、位置関係判定部F9によって前方接続点距離と後方接続点距離の両方が周期変更距離Dth以上であると判定された場合に、復帰許可パケットを送信する。
もちろん、広域通信処理部F4が復帰許可パケットを送信する条件は、これに限らない。例えば第2周期化要求パケットを送信した後において、位置関係判定部F9によって前方接続点距離と後方接続点距離の両方が周期変更距離Dth以上であると判定され、かつ、通信品質判定部F7によって直接型車車間通信の通信品質が許容レベル以上であると判定された場合に、復帰許可パケットを送信してもよい。
[変形例7]
以上では、広域通信モジュール12と通信制御部13とが同一に筐体に収容されている態様を例示したが、これに限らない。図11に示すように、広域通信モジュール12は、通信制御部13を備える通信ユニット10の外部に設けられ、広域通信モジュール12と通信制御部13とがLANを介して接続するように構成されていてもよい。
また、狭域通信モジュール11が、通信制御部13を備える通信ユニット10の外部に設けられ、狭域通信モジュール11と通信制御部13とがLANを介して接続するように構成されていてもよい。
さらに、図12に示すように、狭域通信モジュール11及び広域通信モジュール12の両方が通信制御部13を備えるユニット10Aの外部に設けられていてもよい。つまり、狭域通信モジュール11及び広域通信モジュール12のそれぞれが通信制御部13とLANを介して接続するように構成されていてもよい。
100 車車間通信システム、Ma・Mb 車両、1・1a・1b 車載システム、2 センタ、10 通信ユニット、11 狭域通信モジュール、12 広域通信モジュール、13 通信制御部、20 センサ、30 ロケータ、31 GNSS受信機、32 地図記憶部、F1 車両情報取得部、F2 車両データ生成部、F3 狭域通信処理部(狭域通信処理部)、F4 広域通信処理部(広域通信処理部)、F5 受信データ管理部、F6 周辺車両判定部、F7 通信品質判定部、F8 道路情報取得部、F9 位置関係判定部

Claims (10)

  1. 車両で用いられ、
    広域通信網を介さずに外部と直接無線通信を実施するための狭域通信モジュールと協働して、前記車両の周辺に存在する周辺車両と、前記広域通信網を介さない直接的な車車間通信である直接型車車間通信を実施する狭域通信処理部(F3)と、
    前記広域通信網を介して外部と無線通信するための広域通信モジュールと協働して、前記周辺車両と前記広域通信網を介した間接的な車車間通信である間接型車車間通信を実施する広域通信処理部(F4)と、
    前記車両に搭載されているセンサの検出結果に基づいて、前記車両の走行状態を示す車両データを生成する車両データ生成部(F2)と、を備え、
    前記狭域通信処理部は、前記車両データを含む通信パケットを所定の狭域送信周期で前記狭域通信モジュールから無線送信させ、
    前記広域通信処理部は、前記車両データを含む通信パケットを、前記広域通信モジュール及び前記広域通信網を介して、所定の広域送信周期で前記周辺車両に送信する処理を行うものであり、
    前記狭域通信処理部及び前記広域通信処理部が取得する前記車両データに基づいて、前記周辺車両に相当する他車両が前記車両の位置を基準として定まる所定範囲内に存在するか否かを判定する周辺車両判定部(F6)を備え、
    前記広域通信処理部は、
    前記周辺車両判定部によって前記他車両が前記所定範囲内に存在しないと判定されている場合には、前記広域送信周期として、前記狭域送信周期よりも長い所定の第1広域送信周期を採用する一方、
    前記周辺車両判定部によって前記他車両が前記所定範囲内に存在すると判定されている場合には、前記狭域送信周期と等しい値又はそれよりも小さい値に設定されている所定の第2広域送信周期を前記広域送信周期として採用することを特徴とする通信制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記狭域通信処理部が提供する前記直接型車車間通信の通信品質が所定の許容レベル以上となっているか否かを判定する通信品質判定部(F7)を備え、
    前記広域通信処理部は、前記周辺車両判定部によって前記他車両が前記所定範囲内に存在すると判定されており、かつ、前記通信品質判定部によって前記直接型車車間通信の通信品質が前記許容レベル未満であると判定されている場合に、前記広域送信周期として前記第2広域送信周期を採用することを特徴とする通信制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記広域通信処理部は、前記周辺車両判定部によって前記他車両が前記所定範囲内に存在すると判定されている場合であっても、前記通信品質判定部によって前記直接型車車間通信の通信品質が前記許容レベル以上であると判定されている場合には、前記広域送信周期として前記第1広域送信周期を採用することを特徴とする通信制御装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記通信品質判定部は、前記直接型車車間通信によって取得する通信パケットの受信信号強度又はパケットロス率に基づいて、前記直接型車車間通信の通信品質が前記許容レベル以上となっているか否かを判定することを特徴とする通信制御装置。
  5. 請求項2から4の何れか1項において、
    前記広域通信処理部は、前記周辺車両判定部によって前記他車両が前記所定範囲内に存在すると判定されたことに基づいて前記広域送信周期を前記第1広域送信周期から前記第2広域送信周期に変更する場合には、前記間接型車車間通信によって前記周辺車両に対して、前記広域送信周期を前記第2広域送信周期に設定するように要求する通信パケットである第2周期化要求パケットを送信することを特徴とする通信制御装置。
  6. 請求項5において、
    前記広域通信処理部は、前記間接型車車間通信によって前記第2周期化要求パケットを受信した場合には、前記広域送信周期を前記第2広域送信周期に設定することを特徴とする通信制御装置。
  7. 請求項6において、
    前記広域通信処理部は、前記第2周期化要求パケットを送信した時点以降において、前記通信品質判定部によって前記直接型車車間通信の通信品質が前記許容レベル以上であると判定された場合には、前記広域送信周期を前記第1広域送信周期に戻すことを許可する通信パケットである復帰許可パケットを送信することを特徴とする通信制御装置。
  8. 請求項7において、
    前記車両が走行している道路である自車走行路が他の道路と接続する点である道路接続点の位置を含む道路情報を取得する道路情報取得部(F8)と、
    前記道路情報取得部が取得した前記道路情報に基づいて、前記車両と前記道路接続点との距離が所定の周期変更距離以上となっているか否かを判定する位置関係判定部(F9)と、を備え、
    前記広域通信処理部は、前記第2周期化要求パケットを送信した時点以降において、前記位置関係判定部によって前記道路接続点からの距離が前記周期変更距離以上であると判定され、かつ、前記通信品質判定部によって前記直接型車車間通信の通信品質が前記許容レベル以上であると判定された場合に、前記復帰許可パケットを送信することを特徴とする通信制御装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記広域通信処理部は、
    前記第2周期化要求パケットの受信に基づいて前記広域送信周期を前記第2広域送信周期に設定している場合において、受信した前記第2周期化要求パケットの送信元に相当する全ての車両から前記復帰許可パケットを受信した場合には、前記広域送信周期を前記第1広域送信周期に設定することを特徴とする通信制御装置。
  10. 請求項1から6の何れか1項において、
    前記車両データは、前記車両の現在位置を示す位置情報、走行速度、進行方向、及び、当該車両データを生成した生成時刻を含むことを特徴とする通信制御装置。
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