JP5923802B2 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、乗場行先階登録装置を備えたエレベータの群管理システムに関する。
一般に、建物の各階の乗場には、乗場呼びを登録するための乗場呼びボタンが設置されている。エレベータの利用者がこの乗場呼びボタンを操作すると、乗りかごが乗場呼びの登録階に応答する。利用者が乗りかごに乗り込み、かご操作盤の行先階呼びボタンを操作すると、行先階が登録され、乗りかごがその行先階に移動する。
近年、上述した乗場呼びボタンとは別に、乗場にて直接行先階を指定可能な乗場行先階登録装置を備えたエレベータの群管理システムが実用化されている。このような群管理システムを「行先階制御システム(DCS:Destination Control System)」と呼ぶ。
行先階制御システムは、乗場で指定された行先階に基づいて乗りかごを割り当ることにより、輸送効率の向上を図っている。なお、エレベータ(乗りかご)が複数台存在する場合に「号機」と言う。また、乗場呼びが割り当てられた号機を「割当号機」と言う。
一方、マンションやホテル等の建物では、各階のセキュリティを確保するために、通常は各階を不停止階に設定しておき、カードリーダ等により利用者を特定できた場合に、その利用者の行先階に対する不停止設定を解除して運転を行う「オートロック連動運転システム」が導入される。
特開2010−184777号公報
しかしながら、上述したオートロック連動運転システムでは、同じ号機に不停止階に向かう利用者が乗り合わせると、各階の不停止設定が同時に解除される。このため、不停止階に向かう利用者が他人の不停止階で降車でき、セキュリティが低下する問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、利用者の行先階によって不停止設定を解除して運転している場合に、不停止階に向かう利用者同士の乗り合わせを防ぎ、不停止設定された階のセキュリティを確保することのできるエレベータの群管理システムを提供することである。
本実施形態に係るエレベータの群管理システムは、乗場で利用者の行先階を登録する乗場行先階登録装置を備えたエレベータの群管理システムにおいて、不停止設定手段と、第1の割当制御手段と、第2の割当制御手段とを備える。
不停止設定手段は、建物内の各階のいずれかを不停止階として設定する。第1の割当制御手段は、上記乗場行先階登録装置によって登録された上記利用者の行先階が上記不停止設定手段によって不停止階に設定されていた場合に当該階の不停止設定を解除し、上記各号機の中で不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられている号機を除外して割当処理を行う。第2の割当制御手段は、上記利用者の行先階が不停止階に設定されていない場合に上記各号機の中の最適な号機に割当処理を行う。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの群管理システムが適用される建物の構成を示す図である。 図2は同実施形態における乗場行先階登録装置の構成を示す図である。 図3は同実施形態における乗場行先階登録装置の表示部を示す図であり、図3(a)は割当号機が即時に決まった場合の表示例、同図(b)は割当保留された場合の表示例である。 図4は同実施形態における各号機の表示装置を示す図である。 図5は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。 図6は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの割当保留後の処理を示すフローチャートである。 図8は同実施形態における不停止階テーブルの一例を示す図である。 図9は第2の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの群管理システムが適用される建物の構成を示す図である。図1の例では、3台のエレベータ(A号機,B号機,C号機)が建物10に設置されている。なお、ここで言う「エレベータ」とは、基本的には「乗りかご」のことであり、1台1台の乗りかごのことを「号機」と呼ぶ。
本システムが適用される建物10は、例えばホテルやマンションなどであり、交通需要はあまり多くないが、各階のセキュリティが重視される。この建物10には、一般利用者および特定利用者が使用可能な共用階と、宿泊者や居住者などの特定利用者のみが使用可能な非共用階がある。図1の例では、1階〜3階が共用階であり、4階〜10階が非共用階である。非共用階は、通常は不停止階として設定されており、一般利用者が非共用階で降りることを防いでいる。
また、基準階である1階の乗場付近には、認証機能付きの乗場行先階登録装置11が設置されている。利用者は、この乗場行先階登録装置11を通じて行先階を登録する。その際、例えばID(identification)カード12を用いる。IDカード12には利用者を認証するためのID番号が予め記録されている。
図2は乗場行先階登録装置11の構成を示す図である。
乗場行先階登録装置11には、読取り部11a、操作部11b、表示部11cが設けられている。読取り部11aは、所謂「カードリーダ」であり、電磁誘導方式などによりIDカード12の情報を非接触で読み取る機能を有する。操作部11bは、行先階を指定するための複数のボタンからなる。表示部11cは、例えば液晶パネルなどからなり、読取り部11aによってIDカード12の情報を読み取った結果などを表示する。
利用者が持つIDカード12を読取り部11aに近づけると、IDカード12に記録されたID番号が読み取られる。このID番号により利用者が特定されると、操作部11bの操作により行先階を登録することができる。その際、一般利用者に対しては行先階の登録対象が規制されている。つまり、非共用階である4階〜10階に対応した行先階ボタンの操作が禁止され、1階〜3階に対応した行先階ボタンだけが操作できる。特定利用者に対しては、1階〜3階の他に、非共用階である4階〜10階に対応した行先階ボタンの操作が可能である。
なお、IDカード12に予め利用者の行先階を記録しておくことにより、利用者の認証と共に行先階を自動登録できるようにしても良い。
また、1階〜3階の登録は誰でもフリーにしておき、IDカード12を持つ利用者のみ4階〜10階を登録できるようにしても良い。
利用者の行先階が登録されると、図3(a)に示すように、表示部11cに当該行先階が割り当てられた号機(割当号機)に関する情報が表示される。利用者は、この表示部11cに表示される割当号機を見てから乗場に進む。一方、本実施形態では、行先階の割当処理が保留されることがある。その場合には割当号機の表示ではなく、図3(b)に示すように、利用者を乗場へ促すメッセージが表示される。
また、図1に示すように、各号機の乗降口付近(例えばドアの上)には、表示装置13a,13b,13cが設置されている。表示装置13a,13b,13cは、各号機の運転状態に関する情報が表示される。運転状態に関する情報とは、現在位置や運転方向となどであり、さらに図4に示すように行先階の情報も含まれる。この表示装置13a,13b,13cに表示される行先階から利用者が乗る号機を判断できる。
なお、図1では、3台のエレベータが設置された建物10を例としたが、エレベータ台数は3台に限られるものではない。また、乗場行先階登録装置11についても、基準階だけでなく、各階に設置されていても良い。
図5は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。なお、図1と同一部分には同じ符号を付して説明する。
建物10の基準階の乗場付近に認証機能付きの乗場行先階登録装置11が設置されている。図2で説明したように、乗場行先階登録装置11には読取り部11a、操作部11b、表示部11cが備えられている。利用者が持つIDカード12を読取り部11aに近づけると、IDカード12に記録されたID番号が読み取られる。このID番号により利用者が特定されると、操作部11bの操作により行先階を登録することができる。
この乗場行先階登録装置11によって登録された利用者の行先階は、乗場呼びの情報として群管理制御装置20に転送される。この乗場呼びには、行先階とその行先階を登録した階の情報が含まれる。なお、読取り部11aで読み取ったID番号を群管理制御装置20に送ることにより、群管理制御装置20側でそのID番号を用いて利用者を認証することでも良い。
群管理制御装置20は、各号機の運転を群管理制御するための装置である。本実施形態において、この群管理制御装置20には、呼び管理部21、不停止設定部22、行先階判定部23、第1の割当制御部24、第2の割当制御部25、表示制御部26が備えられている。なお、ここでは便宜上、呼び管理部21、不停止設定部22、行先階判定部23、第1の割当制御部24、第2の割当制御部25、表示制御部26の全てを群管理制御装置20に配置して記述したが、必ずしも同一装置に配置する必要はなく、別々の装置に配置する構成であっても良い。
呼び管理部21は、乗場行先階登録装置11によって登録された利用者の行先階を示す乗場呼びの情報を管理する。
不停止設定部22は、建物10の各階の中で不停止階を設定する。ここで言う「不停止階」とは、各階のセキュリティを確保するために、通常は各号機が止まらない階として設定されている階のことである。利用者が特定された場合に、その利用者の行先階に対する不停止設定が解除されて運転される。
なお、不停止階は予め設定されていても良いし、保守員や建物管理者などがスイッチ操作や端末操作により任意に設定できるようにしても良い。図1の例では、非共用階である4階〜10階が不停止階として予め設定されている。
行先階判定部23は、利用者が登録した行先階が不停止階に設定されているか否かを判定し、その判定結果に応じて第1の割当制御部24または第2の割当制御部25に利用者の行先階を示す乗場呼びを振り分ける。
第1の割当制御部24は、利用者の行先階が不停止階に設定されている場合に当該階の不停止設定を解除し、各号機の中で不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられた号機を除外して割当処理を行う。これ対し、第2の割当制御部25は、利用者の行先階が不停止階に設定されていない場合に通常の割当制御により各号機の中の最適な号機に割り当てを行う。
なお、各号機の運転情報(かご位置、運転方向、乗場呼び/かご呼びの割当状態など)は、後述する各号機の制御装置31a,31b,31cを通じて第1の割当制御部24および第2の割当制御部25に与えられている。
表示制御部26は、乗場行先階登録装置11の表示部11cと、各号機に設けられた表示装置13a,13b,13cに対する表示制御を行う。ここで、割当号機が直ぐに決定された場合には、表示制御部26は、その割当号機を利用者が乗車する号機として表示部11cに表示する(図3(a)参照)。一方、利用者の行先階に対する割当処理が保留された場合には、表示制御部26は、利用者を乗場へ促すメッセージを表示部11cに表示した後(図3(b)参照)、割当号機が決定された時点で各号機の表示装置13a,13b,13cの中の該当する表示装置に行先階の表示を行う(図4参照)。
また、群管理制御装置20には、各号機(ここではA〜C号機)に対応した号機制御装置31a,31b,31cが接続されている。これらの号機制御装置31a,31b,31cは、それぞれに個別に各号機の運転を制御するための装置である。具体的には、乗りかご32a,32b,32cを昇降動作させるためのモータの制御やドアの開閉制御などを行う。なお、群管理制御装置20と号機制御装置31a,31b,31cは、コンピュータによって実現される。
次に、本システムの動作について説明する。
図6は第1の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、コンピュータである群管理制御装置20が所定のプログラムを読み込むことにより実行される。
まず、乗場付近に設置された乗場行先階登録装置11によって利用者の行先階が登録すされる(ステップS11)。図2で説明したように、行先階が登録に際し、IDカード12によって利用者が認証される。一般利用者に対しては行先階の登録対象が規制され、共用階である1階〜3階のいずれかを行先階として呼び登録できる。特定利用者に対しては登録対象の規制はなく、非共用階を含めて各階のいずれかを行先階として呼び登録できる。
乗場行先階登録装置11によって登録された利用者の行先階は、乗場呼びの情報として群管理制御装置20に転送され、呼び管理部21に記憶される。行先階判定部23は、呼び管理部21を参照して、新たに登録された利用者の行先階が不停止階に設定されているか否かを判定する(ステップS12)。詳しくは、例えば図8に示すように、不停止階として設定された階の情報を記憶した不停止階テーブル27を用意しておき、新たな乗場呼びが登録された際に、このテーブル27を参照して当該乗場呼びに含まれる行先階が不停止階に設定されているか否かを判定する。
ここで、利用者の行先階が不停止階に設定されていない場合、つまり、共用階である1階〜3階のいずれかが行先階であれば(ステップS12のNo)、第2の割当制御部25によって通常の割当制御が実施される(ステップS13)。
この場合、利用者は共用階で降車するため、他の利用者が同一号機に乗り合わせていても問題ないと考える。第2の割当制御部25は、号機制御装置31a,31b,31cから各号機の運転情報(かご位置、運転方向、乗場呼び/かご呼びの割当状態など)を取得し、これらの運転情報と利用者の行先階を考慮して各号機の中から最適な号機を割当号機として選出する。
割当号機が決定されると、号機制御装置31a,31b,31の中の該当する号機の号機制御装置に対して当該行先階の割当指令が出力される。例えば、A号機が割当号機として決定された場合には、号機制御装置31aに対して当該行先階の割当指令が出力され、乗りかご32aが登録階に向かうことになる。
また、割当号機の決定に伴い、図3(a)に示すように、表示制御部26は、その割当号機を利用者が乗車する号機として乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示する(ステップS14)。これにより、利用者は自分の乗る号機を確認してから乗場に進むことができる。
一方、利用者の行先階が不停止階に設定されている場合、つまり、非共用階である4階〜10階のいずれかが行先階であれば(ステップS12のYes)、第1の割当制御部24によって不停止階専用の割当制御が実施される。
この場合、不停止階に向かう他の利用者との乗り合わせ(相乗り)を許可してしまうと、当該階のセキュリティが低下する可能性がある。そこで、第1の割当制御部24は、各号機の割当状態をチェックする(ステップS15)。各号機の割当状態は、号機制御装置31a,31b,31cから取得される各号機の運転情報から分かる。
各号機の割当状態をチェックした結果、各号機の中で不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられていない号機があれば(ステップS16のNo)、第1の割当制御部24、その号機を割当候補に含め、各号機の運転情報と利用者の行先階を考慮して上記割当候補の中から最適な号機を割当号機として選出する(ステップS13)。割当号機の決定に伴い、表示制御部26は、その割当号機を利用者が乗車する号機として乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示する(ステップS14)。
ここで、すべての号機に既に不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられていた場合には(ステップS16のYes)、第1の割当制御部24は、即時割当号機を決めずに、利用者の行先階に対する割当処理を保留しておく(ステップS17)。「利用者の行先階に対する割当処理を保留」とは、利用者の行先階を示す乗場呼びをキャンセルせずに、呼び管理部21に保留しておくことである。
このとき、図3(b)に示すように、表示制御部26は、利用者を乗場へ促すメッセージを乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示する(ステップS18)。これにより、利用者は立ち止まらずに乗場に向かうことができる。
このように、利用者の行先階によって不停止設定を解除して運転している場合に、各号機の割当状態をチェックした上で割当てを行うことで、不停止階に向かう他の利用者との乗り合わせを防ぐことができる。これにより、他の利用者が不停止設定された階で降車することがなくなり、その階のセキュリティを確保できる。ただし、上記ステップS17で乗場呼びを割当保留した場合には、割当号機の決定と利用者にどの号機に乗車すればいいのかを別途知らせる必要がある。
以下に、割当保留した場合の処理について説明する。
図7は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの割当保留後の処理を示すフローチャートである。
割当保留した乗場呼びがある場合(ステップS21のYes)、第1の割当制御部24は、各号機の割当状態をチェックし(ステップS22)、割当保留した乗場呼びを割当可能な号機があるか否かを判断する(ステップS23)。「割当保留した乗場呼びを割当可能な号機」とは、不停止階を行先階とした乗場呼びを持たない号機のことである。
該当する号機があれば(ステップS23のYes)、第1の割当制御部24は、その号機を割当号機として決定し、上記割当保留した乗場呼びを割り当てる(ステップS24)。なお、割当保留した乗場呼びが複数存在する場合には、第1の割当制御部24は、保留時間が最も長い乗場呼びから順に割当処理を実施する。
割当号機が決定されると、図4に示すように、表示制御部26は、各号機の表示装置13a,13b,13cの中の該当する表示装置に行先階の表示を行う(ステップS25)。例えば、B号機に割当保留した乗場呼びが割り当てられた場合には、B号機の乗降口付近に設置された表示装置13bに行先階が表示されることになる。これにより、利用者は自分が乗るべき号機を判断できる。
このように、割当保留した乗場呼びについても、各号機の割当状態をチェックした上で割当てを行うことで、不停止階に向かう他の利用者との乗り合わせを防いで、不停止階に対するセキュリティを確保することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、不停止階を行先階として呼び登録した場合に、不停止階に向かう利用者が乗っている号機については、その行先階に関係なく、当該号機を避けて割当てを行うようした。第2の実施形態では、行先階が同じであれば同乗させても問題ないと考えて、当該号機を割当候補に含めて割当てを行うものとする。
装置構成については図5と同様である。ただし、第1の割当制御部24は、各号機の中に利用者と同じ行先階を示す乗場呼びが割り当てられている号機があれば、その号機を割当候補に含める機能を備えている。
図9は第2の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、コンピュータである群管理制御装置20が所定のプログラムを読み込むことにより実行される。
図9において、ステップS31〜S36の処理は上記第1の実施形態における図6のステップS11〜S16の処理と同様である。すなわち、利用者が登録した行先階が不停止階に設定されていなければ、第2の割当制御部25によって通常の割当制御が実施され、各号機の中から割当号機が即時に決定される。また、割当号機の決定に伴い、乗場行先階登録装置11の表示部11cに利用者が乗車する号機の情報が表示される(ステップS31〜S34)。
一方、利用者が登録した行先階が不停止階に設定されていれば、第1の割当制御部24によって不停止階専用の割当制御が実施され、各号機の割当状態がチェックされ、不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられていない号機があれば、その号機が割当候補とて割当処理が行われ、乗場行先階登録装置11の表示部11c利用者が乗車する号機の情報が表示される(ステップS32のYes→S35〜S36,S33〜S34)。
ここで、すべての号機に既に不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられていた場合において(ステップS36のYes)、第1の割当制御部24は、当該利用者と同じ行先階(不停止階)に向かう号機があるか否かをチェックする(ステップS37)。該当する号機が存在すれば(ステップS37のYes)、その号機を割当候補に含め、各号機の運転情報と利用者の行先階を考慮して上記割当候補の中から最適な号機を割当号機として選出する(ステップS33)。
例えば、利用者の行先階が非共用階である10階であり、A〜C号機に既に非共用階を行先階とした呼びが割当済みであったとする。その場合に、上記第1の実施形態では、当該利用者の行先階に対する割当処理が保留されていたが、第2の実施形態では、当該利用者と同じ行先階に向かう号機であれば、割当候補に含められる。その際、例えばB号機だけが10階に向かうものとすると、B号機が割当号機として決定される。
割当号機の決定に伴い、表示制御部26は、その割当号機を利用者が乗車する号機として乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示する(ステップS34)。
当該利用者と同じ行先階(不停止階)に向かう号機が存在しない場合には(ステップS37のNo)、第1の割当制御部24は、即時割当号機を決めずに、利用者の行先階に対する割当処理を保留しておく(ステップS38)。また、表示制御部26は、利用者を乗場へ促すメッセージを乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示する(ステップS39)。なお、以後の割当保留した場合の処理については、図7のフローチャートと同様である。
このように第2の実施形態によれば、不停止階に向かう号機であっても、当該利用者と同じ行先階であれば、割当候補に含められる。この場合、不停止階利用者同士が同じ号機に乗り合わせることになるが、同じ行先階で降りるので問題はない。
なお、上記第1および第2の実施形態では、利用者が登録した行先階が不停止階に設定されていなかった場合(つまり、一般利用者が共用階に向かう場合)、各号機の割当状態に関係なく、各号機の中で最適な号機を選出するものとした。しかし、その場合には不停止階を行先階とした乗場呼びが割当済みの号機も割当候補に含まれるので、一般利用者と特定利用者が同じ号機に乗り合わる可能性がある。
そこで、利用者が登録した行先階が不停止階に設定されていなかった場合には、不停止階を行先階とした乗場呼びが割当て済みの号機を割当候補から除外して割当処理するようにしても良い。さらに、直ぐに割当号機が見つからなかった場合には、その乗場呼びを保留しておき、不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられていない号機が出現したときに割り当てる。その際、利用者を乗場へ促すメッセージを乗場行先階登録装置11の表示部11cに表示し、割当号機が決定された時点で各号機の表示装置13a,13b,13cの中の該当する表示装置に行先階の表示を行うものとする。
このようにすれば、一般利用者が共用階に向かう場合に、非共用階に向かう特定利用者との乗り合わせを防ぐことができる。これにより、非共用階である不停止階のセキュリティを強化できる。
なお、上記各実施形態は、不停止階の呼び(セキュリティ呼び)に対する割当ての際に、不停止階に向かう利用者同士(特定利用者同士)を同乗させないように制御するものである。しかし、もし誤乗車により不停止階行きの号機(セキュリティ号機)に不停止階に向かう他の利用者が乗車してしまった場合には、例えばかご内カメラや、かご床荷重検知装置などにより、本来乗車すべき人数よりも乗車人数が多く、誤乗車している利用者がいると判断して、ブザーやアナウンスなどで警告するようにしても良い。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、利用者の行先階によって不停止設定を解除して運転している場合に、不停止階に向かう利用者同士の乗り合わせを防ぎ、不停止設定された階のセキュリティを確保することのできるエレベータの群管理システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…建物、11…乗場行先階登録装置、11a…読取り部、11b…操作部、11c…表示部、12…IDカード、13a,13b,13c…表示装置、20…群管理制御装置、21…呼び管理部、22…不停止設定部、23…行先階判定部、24…第1の割当制御部、25…第2の割当制御部、26…表示制御部、27…不停止階テーブル、31a,31b,31c…号機制御装置、32a,32b,32c…乗りかご。

Claims (6)

  1. 乗場で利用者の行先階を登録する乗場行先階登録装置を備えたエレベータの群管理システムにおいて、
    建物内の各階のいずれかを不停止階として設定する不停止設定手段と、
    上記乗場行先階登録装置によって登録された上記利用者の行先階が上記不停止設定手段によって不停止階に設定されていた場合に当該階の不停止設定を解除し、複数の号機の中で不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられている号機を除外して割当処理を行う第1の割当制御手段と、
    上記利用者の行先階が不停止階に設定されていない場合に上記各号機の中の最適な号機に割当処理を行う第2の割当制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの群管理システム。
  2. 上記第1の割当制御手段は、
    上記各号機のすべてに不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられている場合には、上記利用者の行先階に対する割当処理を保留し、割当可能な号機が出現したときに割当処理を実行することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  3. 上記第1の割当制御手段は、
    上記各号機の中に上記利用者と同じ行先階を示す乗場呼びが割り当てられている号機があれば、その号機を割当候補に含めることを特徴とする請求項2記載のエレベータの群管理システム。
  4. 上記乗場付近に設置された第1の表示手段と、
    上記各号機毎にその乗降口付近に設置された複数の第2の表示手段と、
    上記第1の割当制御手段によって割当号機が直ぐに決定された場合にその割当号機を上記利用者が乗車する号機として上記第1の表示手段に表示し、上記利用者の行先階に対する割当処理が保留された場合には上記乗場へ促すメッセージを上記第1の表示手段に表示した後、割当号機が決定された時点でその割当号機を上記利用者が乗車する号機として上記各第2の表示手段の中の該当する号機に対応した表示手段に表示する表示制御手段と
    をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のエレベータの群管理システム。
  5. 上記第2の割当制御手段は、
    上記利用者の行先階が不停止階に設定されていない場合に、上記各号機の中で不停止階を行先階とした乗場呼びが割り当てられている号機を除外して割当処理を行うことを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  6. 上記利用者を認証する認証手段をさらに具備し、
    上記第1の割当制御手段は、
    上記認証手段によって上記利用者を特定できた場合に、上記利用者が登録した行先階の不停止設定を解除することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
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