JP2017172817A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高温再生器5、低温再生器6、蒸発器1、凝縮器7および吸収器2を備え、これらを配管接続して吸収液および冷媒の循環経路をそれぞれ形成してなる吸収式冷凍機100において、稀吸収液出口温度と冷却水入口温度との温度差が所定温度以上になった状態が所定時間継続していると判断した場合、報知部により、抽気性能不足である旨の予報発報を行うように制御する制御装置を備えている。
【選択図】図1
Description
このような吸収式冷凍機においては、凝縮器あるいは吸収器の内部において、水素ガス、酸素ガス、窒素ガスなどの不凝縮ガスが溜まってしまうことがあった。このような不凝縮ガスが溜まると、凝縮器や吸収器における熱交換効率が悪くなってしまうという問題があった。
しかしながら、凝縮器の内部に不凝縮ガスが滞在している場合にも、同様に、温度差が発生することがある。
そのため、本来、冷却水管に汚れが発生していないにも関わらず、不凝縮ガスの滞在により冷却水管の汚れの予報発報が行われてしまい、メンテナンスを行う技術者が冷却水管の清掃をしてしまうといった不都合があった。
このような不都合を解消するため、不凝縮ガスの滞在による熱交換効率の低下であるか、冷却水管の汚れによる熱交換効率の低下であるかを正確に判断することが望まれていた。
図1は、本実施形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。吸収式冷凍機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用し、この吸収液を、熱源発生装置(例えば太陽熱温水器やコージェネレーション装置)で生成された比較的低温(例えば約80℃程度)の温水で加熱する排熱再生器を備える排熱回収型(いわゆるジェネリンク)の吸収式冷温水機である。
また、吸収式冷凍機100は、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱回収器17と、稀吸収液ポンプ45と、濃吸収液ポンプ47と、冷媒ポンプ48とを備え、これらの各機器が吸収液管21〜25および冷媒管31〜35などを介して配管接続されて循環経路が構成されている。
吸収器2および凝縮器7には、吸収器2および凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管15が設けられており、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱管15A、15Bがそれぞれ吸収器2および凝縮器7内に配置されている。
この分岐稀吸収液管21Aは冷媒ドレン熱回収器17を経由した後に、稀吸収液管21の低温熱交換器12の下流側で再び稀吸収液管21に合流する。この稀吸収液管21の他端は、高温熱交換器13を経由した後、高温再生器5内に形成された熱交換部5Aの上方に位置する気層部5Bに開口している。
稀吸収液管21は、低温熱交換器12の下流側で第2分岐管21Bに分岐され、第2分岐管21Bは低温再生器6内に開口している。
第2中間吸収液管23の他端は、低温再生器6と吸収器2とを繋ぐ濃吸収液管25に接続されている。また、第2中間吸収液管23の高温熱交換器13上流側と吸収器2とは開閉弁V1が介在する吸収液管24により接続されている。
低温再生器6の吸収液溜り6Aには、濃吸収液管25の一端が接続され、この濃吸収液管25の他端は、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。濃吸収液管25には濃吸収液ポンプ47および低温熱交換器12が設けられている。この低温熱交換器12は、低温再生器6の吸収液溜り6Bから流出した濃吸収液の温熱で稀吸収液管21を流れる稀吸収液を加熱するものである。
濃吸収液ポンプ47の運転が停止した場合には、低温再生器6の吸収液溜り6Aに溜った吸収液は、濃吸収液管25およびバイパス管27を通じて吸収器2内に供給される。
また、凝縮器7の冷媒液溜り7Aには、この冷媒液溜り7Aから流出した冷媒が流れる冷媒管34の一端が接続され、この冷媒管34の他端は、下方に湾曲したUシール部34Aを介して蒸発器1の気層部1Aに接続されている。
蒸発器1の下方には、液化した冷媒が溜る冷媒液溜り1Bが形成され、この冷媒液溜り1Bと蒸発器1の気層部1Aの上部に配置される散布器1Cとは冷媒ポンプ48が介在するに冷媒管35により接続されている。
そして、エジェクタポンプ74を駆動することにより、吸収液管75を介して稀吸収液管21の稀吸収液をタンク71に取り込む。吸収液管75により流れ込んだ稀吸収液により、タンク71の内部が負圧となり、これにより、吸収器2の上部に貯留されている不凝縮ガスのみならず冷媒蒸気、気化した吸収液などが抽気管72を通ってタンク51の上方に導かれる。
図2は、本実施形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の吸収式冷凍機100は、コントローラ50を備えており、コントローラ50は、制御装置51を備えている。制御装置51は、吸収式冷凍機100の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、RAMなどのメモリ52、その他の周辺回路などを備えている。
また、制御装置51には、冷却水入口温度センサ36、冷却水出口温度センサ37、稀吸収液出口温度センサ38および凝縮冷媒温度センサ39の検出信号がそれぞれ入力されるように構成されている。
また、コントローラ50は、タイマ53と、操作部54と、報知部55とをそれぞれ備えている。
一般に、稀吸収液出口温度T1と冷却水入口温度T2との温度差は、約5℃となるように設計されており、設計上の温度差に対して+2℃、すなわち、所定温度差T3が7℃以上となったか否かを判断するようになっている。
一般に、冷媒凝縮温度T4と冷却水出口温度T5との温度差が一定以上ある場合には、凝縮器の内部に不凝縮ガスが滞在しており、熱交換効率が低下していると考えられるためであり、例えば、所定温度差T6は、5℃に設定される。
なお、本実施形態においては、コントローラ50の報知部55により予報発報を行うようにしているが、例えば、コントローラ50と有線または無線により通信可能とされたサービス管理会社などの外部システムにより予報発報を行うようにしてもよい。
冷房などの冷却運転時においては、冷水管14を介して図示しない熱負荷にブライン(例えば、冷水)が循環供給される。制御装置51は、ブラインの蒸発器1の出口側温度(冷水出口温度センサ36にて検出される温度)が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷凍機100に投入される熱量が制御される。
具体的には、制御装置51は、全てのポンプ45,47,48を起動し、かつ、ガスバーナ4におけるガスの燃焼制御を行うことで、冷水出口温度センサ36が計測するブラインの温度が所定の7℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。
高温再生器5に送られた吸収液は、この高温再生器5でガスバーナ4による火炎および高温の燃焼ガスにより加熱されるため、この吸収液中の冷媒が蒸発分離する。高温再生器5で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した中間吸収液は、高温熱交換器13を経由して濃吸収液管25に送られ、低温再生器6を経由した吸収液と合流する。
伝熱管14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱管14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するため、伝熱管14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷水管14から熱負荷に供給されて冷房などの冷却運転が行われる。
そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2に入り、低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜り2Aに溜り、稀吸収液ポンプ45によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。
本実施形態においては、制御装置51は、稀吸収液出口温度センサ38および冷却水入口温度センサ36により検出される稀吸収液出口温度T1および冷却水入口温度T2に基づいて、稀吸収液出口温度T1−冷却水入口温度T2≧所定温度差T3となった状態が所定時間(例えば、30分間)継続しているか否かを判断する(ST1)。
これによれば、不凝縮ガスが滞在したことによる熱交換効率の低下であることを確実に認識することができる。その結果、冷却水管15の汚れによる熱交換効率の低下とを区別することができ、適切なメンテナンスを行うことができる。
これによれば、不凝縮ガスが滞在したことによる熱交換効率の低下であることをより確実に認識することができる。その結果、冷却水管15の汚れによる熱交換効率の低下とを区別することができ、適切なメンテナンスを行うことができる。
これによれば、稀吸収液出口温度と冷却水入口温度との設計上の温度差+2℃以上となった場合に、予報発報を行うので、不凝縮ガスが滞在したことによる熱交換効率の低下を判断することができる。
例えば、本実施形態では、高温再生器にて吸収液を加熱する加熱手段として燃料ガスを燃焼させて加熱を行うガスバーナ4を備える構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、灯油やA重油を燃焼させるガスバーナを備える構成や、蒸気や排気ガスなどの温熱を用いて加熱する構成としてもよい。
2 吸収器
4 ガスバーナ(加熱手段)
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
12 低温熱交換器
13 高温熱交換器
14 冷水管
15 冷却水管
16 排温水供給管
21 稀吸収液管
36 冷却水入口温度センサ
37 冷却水出口温度センサ
38 稀吸収液出口温度センサ
39 凝縮冷媒温度センサ
45 稀吸収液ポンプ
47 濃吸収液ポンプ
48 冷媒ポンプ
50 コントローラ
51 制御装置
52 メモリ
53 タイマ
55 報知部
70 抽気装置
100 吸収式冷凍機
Claims (3)
- 高温再生器、低温再生器、蒸発器、凝縮器および吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液および冷媒の循環経路をそれぞれ形成してなる吸収式冷凍機において、
稀吸収液出口温度と冷却水入口温度との温度差が所定温度以上になった状態が所定時間継続していると判断した場合、報知部により、抽気性能不足である旨の予報発報を行うように制御する制御装置を備えていることを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記制御装置は、冷媒凝縮温度と冷却水出口温度との温度差が所定温度差以上になった状態が所定時間継続していると判断した場合、前記報知部により、抽気性能不足である旨の予報発報を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御装置は、稀吸収液出口温度と冷却水入口温度との設計上の温度差+2℃以上となった場合に、予報発報を行うように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収式冷凍機。
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