JP2017172237A - カーテンウォールユニット - Google Patents
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Abstract
Description
このような構成によれば、アルミ製の押出形材によって形成される下枠の肉厚を大きくして強度を高めなくても、金属製のパネル支え材を下枠の持出片部に沿って固定することで当該持出片部を補強できるうえ、持出片部からパネルの下方まで突出したパネル支え材によって当該パネルを支えることができる。
このような構成によれば、押縁見込み片部を室外壁部に対して前述した間隔を隔てて位置することで、押縁見込み片部と持出見込み片部との係合およびその解除に必要な掛り代分のスライド幅を確保しつつ、押縁見込み片部を枠形材の室外壁部に近接して配置できる。これにより、押縁と室外壁部との色や表面形状などを異ならせることで、枠体のセットバック部分において押縁見込み片部と室外壁部との外観意匠を種々設定できる。また、押縁を取り替えることによっても種々の外観意匠を構成できる。
このような構成によれば、カバー片が枠形材に絶縁材を介して取り付けられるため、枠形材からカバー片への熱伝達を絶縁できる。
ところで、隣接配置されるカーテンウォールユニットの枠形材は、室外側外気に影響されて温度変化するので、枠形材と室内空間とに温度差が生じ、枠形材の室内見込み面に結露が生じやすくなるおそれがある。そこで、本発明では、前述したようにカバー片を設置することで、枠形材からカバー片への熱伝達が絶縁材によって絶縁されるため、当該カバー片に結露が生じることを抑制できる。
加えて、カバー片は一つの枠形材に対して取り付けられるため、カーテンウォールユニットの現場ユニットの現場施工後、隣接配置される枠形材同士をまとめて覆って設置されるカバー部材と比べて、施工性に優れる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は、本実施形態に係るカーテンウォールユニット10を示している。カーテンウォールユニット10は、上下左右に並設されることで、建物の外壁面であるカーテンウォールを構成するものである。なお、建物は、梁と、梁で支持される床スラブとを備えており、床スラブの下部には吊り天井が設置されている。各カーテンウォールユニット10は床スラブにそれぞれ吊られて設置される。
枠体20は、アルミ製の押出形材によって形成された上枠30、下枠40、無目50および左右の縦枠60(60A,60B)を枠組みして構成されている。上枠30、下枠40および左右の縦枠60A,60Bは、断面形状が同一の枠形材によってそれぞれ形成されている。上枠30および下枠40の両端部および縦枠60A,60Bの両端部は互いに45°の角度で切断されて突き合わされ、各内部にコーナーブロックが差し込まれることによって互いに接合されている。また、無目50は、左右の縦枠60A,60Bに取り付けられている。
上枠30、無目50および左右の縦枠60A,60Bは、上側の開口23を形成しており、下枠40、無目50および左右の縦枠60A,60Bは、下側の開口24を形成している。パネル21は、単層ガラスパネルによって形成されて開口23に配置されている。パネル22は、複層ガラスパネルによって形成されて開口24に配置されている。
見込み片部312には、室外見付け片部311の内側端部との間で耐火パネル13を保持するアングル材14が取り付けられている。
室内見付け片部314は、見込み片部313よりも上枠30の見付け方向外側(上側)に突出している。
装着枠部316は、二つの溝形成部316A,316Bを有している。溝形成部316Aには水密材11Aが装着されており、溝形成部316Bには気密材12が装着されている。溝形成部316A,316B間には、嵌合凸部材15Aが嵌め込まれている。
パネル室内受け片部325は、上枠30の見付け方向に沿って配置されている。パネル室内受け片部325の外側端部(上端部)は、持出見込み片部321よりも上枠30の見付け方向外側(上側)に位置しており、パネル室内受け片部325の内側端部(下端部)は、持出見込み片部321よりも上枠30の見付け方向内側(下側)に位置している。
また、パネル室内受け片部325の室内面には、室内突部325Bが形成されている。室内突部325Bは、パネル室内受け片部325の内側端部に配置されている。
下枠40のパネル室内受け片部325は、パネル22の室内面に対向して配置されている。下枠40のパネル室内受け片部325の外側端部は、持出見込み片部321よりも下側に位置しており、内側端部は持出見込み片部321よりも上側に位置している。下枠40の室外突部325Aには、バックアップ材18が装着されており、バックアップ材18の上部にはシール材19が設けられている。これらのバックアップ材18およびシール材19は、パネル22の室内面に当接している。下枠40の室内突部325Bは、前述したシール材19が設けられた部分の室内側に位置している。下枠40には、当該下枠40の上面(室内見込み面)側を覆うカバー片41が装着されている。カバー片41は、その室外側でパネル室内受け片部325にカバー片断熱用の絶縁材43を介して取り付けられるとともに、その室内側で室内見付け片部314にカバー片断熱用の絶縁材44を介して取り付けられる。絶縁材43は室内突部325Bに係合しており、絶縁材44はカバー片41とともに室内見付け片部314にねじ止めされている。
このカバー片41は、持出見込み片部321および見込み片部312を間隔を隔てて覆っている。
下枠40の持出片部32に係合している押縁35もまた、上枠30の持出片部32に係合している押縁35と上下逆向きに配置されている。下枠40における押縁35のパネル室外受け片部355は、パネル22の室外面に対向して配置されており、当該パネル室外受け片部355に装着されたガスケット17は当該パネル22の室外面に当接している。
フラットバー42は、当該持出見込み片部321および押縁35の押縁見込み片部351間に挟み込まれており、下枠40の持出見込み片部321に沿って固定されている。フラットバー42は、持出片部32からパネル22の下方まで室外側に突出して配置されている。
なお、パネル22は、セッティングブロック上に載置されており、フラットバー42に対して上下方向に間隔を隔てて配置されている。
また、水密材11A同士と気密材12同士とが当接することによって等圧空間6を形成している。装着枠部316には等圧空間6に連通する孔7が形成されている。この孔7を通じて室外側外気と等圧空間6とが通気することで、等圧空間6は室外側外気と等圧状態とされる。なお、上枠30側の孔7は水抜き孔として利用される。
無目本体部51は、室外見付け片部511と、室外見付け片部511に連続している見込み片部512,513と、見込み片部512,513に連続している室内見付け片部514とを有しており、断面略矩形状に形成されている。見込み片部513は、見込み片部512よりも下方に位置している。
このカバー片61は、持出見込み片部321および見込み片部312を間隔を隔てて覆っている。
また、上枠30、下枠40および左右の縦枠60A,60Bの室外見付け片部311の見込み位置は、無目本体部51の室内見付け片部514の見込み位置と同位置である。
これにより、上枠30、下枠40および左右の縦枠60A,60Bの本体部31は、カーテンウォールユニット10の見込み方向において無目50よりも室内側にセットバックされて配置されている。
(1)本実施形態では、カーテンウォールユニット10は、上枠30、下枠40および左右の縦枠60を枠組みして構成される枠体20と、枠体20内に配置されるパネル21,22とを備え、上枠30、下枠40および左右の縦枠60は、断面形状が同一の枠形材によって形成され、枠形材は、室外見付け片部311を有する本体部31と、室外見付け片部311のうち枠形材の見付け方向内側に位置する部分から室外側に持ち出された持出片部32とを有し、持出片部32は、パネル21,22の室内面を受けるとともに、パネル21,22の室外面を押える押縁35が係合されることを特徴とする。
上記構成を有するため、室外見付け片部311のうち枠形材の見付け方向内側に位置する部分から室外側に持ち出された持出片部32がパネル21,22の室内面を受ける構成であるため、室外見付け片部311がパネル21,22の室内面を受ける構成と比べて、持出片部32がある分だけ室外見付け片部311をパネル21,22から室内側にセットバックでき、かつ、持出片部32が室外見付け片部311のうち枠形材の見付け方向内側に位置する部分にあるため、室外見付け片部311をパネル21,22よりも外周側に露出した位置に配置できる。また、断面形状が同一の枠形材によって上枠30、下枠40および左右の縦枠60が形成されるので、枠体20の室外側からの見えがかり面をパネル21,22の四周に沿ってセットバックした外観意匠を構成でき、パネル21,22が枠体20の室外面から室外側に突出したような新しいデザインを実現できる。
さらに、本実施形態では、以下の各効果を発揮できる。
(2)下枠40は、アルミ製の押出形材によって形成され、下枠40の持出片部32に沿って金属製のフラットバー42がねじ止めによって固定され、フラットバー42は、下枠40の持出片部32からパネル22の下方まで室外側に突出して配置される。
このため、アルミ製の押出形材によって形成される下枠40の肉厚を大きくして強度を高めなくても、フラットバー42を下枠40の持出片部32に沿って固定することで当該持出片部32を補強できるうえ、持出片部32からパネル22の下方まで突出したフラットバー42によって当該パネル22を支えることができる。
(3)持出片部32は、枠形材の見込み方向に沿って室外見付け片部311から室外側に延出した持出見込み片部321と、持出見込み片部321の室外端に形成されるパネル室内受け片部325とを有し、押縁35は、持出見込み片部321に沿って配置される押縁見込み片部351と、押縁見込み片部351の室外端に形成されるパネル室外受け片部355とを有し、持出見込み片部321および押縁見込み片部351は、互いに係合する鉤状の係合部323,353をそれぞれ有し、係合部323,353の係合状態で、押縁見込み片部351は、室外見付け片部311に対して、枠形材の見込み方向における係合部323,353同士の掛かり代に対応する間隔を隔てて位置する。
このため、押縁見込み片部351を室外見付け片部311に対して前述した間隔を隔てて位置することで、押縁見込み片部351と持出見込み片部321との係合およびその解除に必要な掛り代分のスライド幅を確保しつつ、押縁見込み片部351を枠形材の室外見付け片部311に近接して配置できる。これにより、押縁35と室外見付け片部311との色や表面形状などを異ならせることで、枠体20のセットバック部分において押縁見込み片部351と室外見付け片部311との外観意匠を種々設定できる。また、押縁35を取り替えることによっても種々の外観意匠を構成できる。
(4)枠体20は、持出片部32および見込み片部312を間隔を隔てて覆うカバー片41,61を備え、カバー片41,61は、その室外側で持出片部32にカバー片断熱用の絶縁材43,63を介して取り付けられるとともに、その室内側で本体部31にカバー片断熱用の絶縁材44,64を介して取り付けられる。
このため、カバー片41,61が枠形材に絶縁材43,44,63,64を介して取り付けられるため、枠形材からカバー片41,61への熱伝達を絶縁でき、カバー片41,61に結露が生じることを抑制できる。
また、カバー片41,61は一つの枠形材に対して取り付けられるため、カーテンウォールユニット10の現場ユニットの現場施工後、隣接配置される枠形材同士をまとめて覆って設置されるカバー部材と比べて、施工性に優れる。
(5)上枠30、下枠40および左右の縦枠60を、断面形状が同一の枠形材によって形成することで、形材コストを削減できるとともに、カーテンウォールユニット10の四周をセットバックして統一した外観意匠を構成できる。
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、下枠40の持出片部32に沿ってフラットバー42が固定されているが、この構成を省略してもよい。
また、持出片部32は、枠形材の見込み方向に沿った持出見込み片部321を有しているが、これに限られず、前記湾曲した室外壁部に連なって湾曲して室外側に突出する片部を有していてもよい。
Claims (4)
- 上枠、下枠および左右の縦枠を枠組みして構成される枠体と、前記枠体内に配置されるパネルとを備え、
前記上枠、下枠および左右の縦枠は、断面形状が同一の枠形材によって形成され、
前記枠形材は、室外壁部を有する本体部と、前記室外壁部のうち前記枠形材の見付け方向内側に位置する部分から室外側に持ち出された持出片部とを有し、
前記持出片部は、前記パネルの室内面を受けるとともに、前記パネルの室外面を押える押縁と係合される
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。 - 請求項1に記載のカーテンウォールユニットにおいて、
前記下枠は、アルミ製の押出形材によって形成され、
前記下枠の持出片部に沿って金属製のパネル支え材が固定され、
前記パネル支え材は、前記下枠の持出片部から前記パネルの下方まで室外側に突出して配置される
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。 - 請求項1または請求項2に記載のカーテンウォールユニットにおいて、
前記持出片部は、前記枠形材の見込み方向に沿って前記室外壁部から室外側に延出した持出見込み片部と、前記持出見込み片部の室外端に形成されるパネル室内受け片部とを有し、
前記押縁は、前記持出見込み片部に沿って配置される押縁見込み片部と、前記押縁見込み片部の室外端に形成されるパネル室外受け片部とを有し、
前記持出見込み片部および押縁見込み片部は、互いに係合する鉤状の係合部をそれぞれ有し、
前記係合部の係合状態で、前記押縁見込み片部は、前記室外壁部に対して、前記枠形材の見込み方向における前記係合部同士の掛かり代に対応する間隔を隔てて位置する
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカーテンウォールユニットにおいて、
前記枠形材の本体部は、前記室内壁部に連続する見込み片部を有し、
前記枠体は、前記持出片部および前記見込み片部を間隔を隔てて覆うカバー片を備え、
前記カバー片は、その室外側で前記持出片部にカバー片断熱用の絶縁材を介して取り付けられるとともに、その室内側で前記本体部にカバー片断熱用の絶縁材を介して取り付けられる
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。
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