JP2017172155A - ラッピング化粧板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板と、そのような構造のラッピング化粧板を容易に製造するための製造方法とを提供する。【解決手段】板状の基材10と、周縁部23が該基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように、該基材10の表面10a及び周囲側面10b,10b,10c,10cに接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えたラッピング化粧板1において、シート21の周縁部23であって上記基材10の各角部において該基材10の側面10b,10cからはみ出した余剰部分23cは、上記シート21の周縁部23であって上記基材10の短辺側面10cに設けられた短辺側面接着部23bに折り重ねられた状態で固定されている。【選択図】図6
Description
本発明は、建築物の床材や壁材等に用いられる板状の基材の表面がシートでラッピングされたラッピング化粧板及びその製造方法に関し、特に、ラッピング精度を向上させる技術に係るものである。
従来、この種のラッピング化粧板として、例えば、特許文献1,2に示すように、基材の表面からはみ出す大きさのシートで、基材の表面と周囲側面とを一体的にラッピングしたものがある。これらのラッピング化粧板では、シートを折り曲げながら基材の表面と周囲側面とに接着し、基材の4つの角部において基材の側面からはみ出した余剰部分を切除することによって基材の表面と周囲側面とをシートで一体的にラッピングしている。
しかしながら、上記ラッピング化粧板では、余剰部分を切除するため、その加工精度が悪いと、切除部分に隙間ができて基材が露出するおそれがあった。また、精度良く余剰部分を切除するのは容易ではなく、ラッピング化粧板を容易に製造することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板と、そのような構造のラッピング化粧板を容易に製造するための製造方法とを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、基材の表面よりも大きなシートを基材の表面と周囲側面とに接着して化粧シート層を形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材の側面からはみ出したシートの余剰部分を、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定することとした。
具体的には、第1の発明は、板状の基材と、周縁部が該基材の周囲側面に位置するように、該基材の表面及び周囲側面に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板を前提としている。
そして、第1の発明に係るラッピング化粧板は、上記化粧シート層では、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分が、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねられた状態で固定されていることを特徴とする。
第1の発明では、基材の化粧シート層を、シートをその周縁部が基材の周囲側面に位置するように基材の表面及び周囲側面に接着一体化することによって形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材からはみ出したシートの余剰部分が、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材からはみ出したシートの余剰部分をシートの側面接着部に折り重ねて固定する仕上げとしたため、余剰部分を切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記基材の側面には、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部が形成されていることを特徴とする。
ところで、上述のようにシートの余剰部分を切除することなく側面接着部に折り重ねて固定する構成では、化粧シート層の基材の側面に対応する側面部分において余剰部分が側面接着部に重なる重複部分がその他の部分よりも分厚くなる。このように化粧シート層の側面部分の一部が分厚く形成されると、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板の間に隙間が形成されるために目地が大きくなって意匠性を低下させるおそれがある。
第2の発明では、基材の側面に、余剰部分が側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成することとした。このような構成により、化粧シート層においてその他の部分よりも分厚い重複部分が収容凹部に収容される。そのため、化粧シート層の重複部分がその他の部分よりも基材の側面の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。従って、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板の間に隙間が形成されて目地が大きくなることがなく、意匠性の低下を抑制することができる。また、ラッピング化粧板の側面に段差が形成されないため、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ずれ等の施工不良を抑制することもできる。
第3の発明は、第2の発明において、上記収容凹部は、上記重複部分に対応する形状に形成されていることを特徴とする。
第3の発明では、収容凹部を重複部分の形状に合わせて形成することとしたため、収容凹部を無駄に大きく形成することなく、必要最小限の大きさに形成することができる。これにより、無駄に基材の強度を低下させることなく、ラッピング化粧板の側面において段差が生じるのを抑制することができる。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、上記基材の表面の周縁部は、外側に向かうほど裏面側に位置する面取り部に構成され、上記基材の周囲側面の各辺には、隣接するラッピング化粧板の基材と係合する雌実又は雄実がそれぞれ形成され、上記収容凹部は、上記基材の表裏方向において、上記面取り部の裏側端部と上記雌実又は雄実の表側端面との間に形成されている。
第4の発明では、収容凹部は、基材の側面において、面取り部と雌実又は雄実との間に形成されている。このような構成により、基材の周囲側面を切り欠いて面取り部や雌実又は雄実を形成する際に、容易に収容凹部も形成することができる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記基材は、木質材料からなる板状部材によって構成されている。
第5の発明では、基材が木質材料からなる板状部材で構成されている。木質材料からなる板状部材は平滑性が高い。そのため、加工性に優れ、化粧シート層の形成を容易に行うことができると共に、意匠性に優れたラッピング化粧板を構成することができる。また、木質材料からなる板状部材によって基材を構成することにより、基材の一部を切り欠くことによって容易に収容凹部を形成することができる。これにより、基材の切り欠き加工時(例えば、実加工時)に、同時に収容凹部を形成することができるため、基材に収容凹部を形成することとしても、加工工程を増やすことなく、容易に基材を形成することができる。
第6の発明は、板状の基材と、該基材に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板の製造方法が対象である。
そして、第6の発明に係るラッピング化粧板の製造方法は、上記基材の表面よりも大きい上記シートを、周縁部が上記基材の周囲側面に位置するように折り曲げて上記基材の表面と周囲側面とに接着するシート接着工程と、上記シート接着工程において、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着する余剰部分処理工程とを備えていることを特徴とする。
第6の発明では、基材の表面より大きなシートを折り曲げて基材の表面と周囲側面とに接着した後に、シートの周縁部であって基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、シートの周縁部であって基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着することとした。このようにシートの周縁部の余剰部分を基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着する仕上げとしたため、従来の製造方法のように余剰部分を切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板を製造することができる。また、余剰部分を精度よく切除する必要がないため、従来の製造方法よりもラッピング化粧板を容易に製造することができる。
第7の発明は、第6の発明において、上記シート接着工程の前に、上記基材の側面の一部を切り欠いて、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成する切り欠き工程を備え、上記余剰部分処理工程は、上記余剰部分を折り曲げて上記側面接着部に重ねる折り曲げ工程と、上記余剰部分が該側面接着部に重なる重複部分を、上記収容凹部に押し込みながら上記余剰部分を上記側面接着部に固定する接着工程とを備えていることを特徴とする。
第7の発明では、シートの周縁部の余剰部分を切除することなく、折り曲げて側面接着部に重ねた後、余剰部分が側面接着部に重なる化粧シート層の重複部分を、シートの接着前に基材の側面に形成した収容凹部に押し込みながら余剰部分を側面接着部に固定することとした。このような製造方法により、化粧シート層の側面部分においてその他の部分よりも分厚い重複部分が、基材の側面の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。そのため、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板を製造することができる。また、上記製造方法によれば、余剰部分を切断することなく、余剰部分を折り曲げて側面接着部に重ね、その重複部分を収容凹部に押し込みながら両者を接着するだけでよく、また、余剰部分を切除する従来の製造方法のように、加工精度によって仕上がりが大きく左右されることがないので、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板を容易に形成することができる。
本発明によれば、基材の表面よりも大きなシートを基材の表面と周囲側面とに接着して化粧シート層を形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材の側面からはみ出したシートの余剰部分を、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定する構成としたため、従来のように、余剰部分を切除する加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良が生じるおそれがなく、ラッピング精度の高いラッピング化粧板を提供することができる。また、化粧シート層を形成する際に余剰部分を精度よく切除する必要がないため、ラッピング精度の高いラッピング化粧板を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1を示している。このラッピング化粧板1は、例えば、床材等として用いられる。
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1を示している。このラッピング化粧板1は、例えば、床材等として用いられる。
−構成−
ラッピング化粧板1は、矩形板状の基材10と、この基材10に接着剤を介して接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えている。
ラッピング化粧板1は、矩形板状の基材10と、この基材10に接着剤を介して接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えている。
〈基材の構成〉
図3に示すように、上記基材10は、合板に中密度繊維板(MDF)等を積層することによって構成されている。なお、基材10は、このような構成に限られず、例えば、パーティクルボードやハードボード等のその他の木質材料、大建工業(株)製の製品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に建材として用いられる板状の材料を用いたらよい。基材10は、例えば、厚み15mm、幅303mm、長さ1818mmの長方形状に形成されている。
図3に示すように、上記基材10は、合板に中密度繊維板(MDF)等を積層することによって構成されている。なお、基材10は、このような構成に限られず、例えば、パーティクルボードやハードボード等のその他の木質材料、大建工業(株)製の製品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に建材として用いられる板状の材料を用いたらよい。基材10は、例えば、厚み15mm、幅303mm、長さ1818mmの長方形状に形成されている。
[雌実及び雄実]
基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cの各辺には雌実4又は雄実5が形成されている。具体的には、基材10の幅方向に対向する長辺側面10b,10bの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。また、基材10の長さ方向に対向する短辺側面10c,10cの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。長辺側面10b,10bの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の長辺側面10b,10bの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工され、短辺側面10c,10cの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の短辺側面10c,10cの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工されるように構成されている。
基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cの各辺には雌実4又は雄実5が形成されている。具体的には、基材10の幅方向に対向する長辺側面10b,10bの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。また、基材10の長さ方向に対向する短辺側面10c,10cの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。長辺側面10b,10bの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の長辺側面10b,10bの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工され、短辺側面10c,10cの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の短辺側面10c,10cの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工されるように構成されている。
上記長辺側面10b及び短辺側面10cの雌実4,4は、同じ構造に構成されている。雌実4,4は、雌実凹部4aと、表側雌実突部4bと、裏側雌実凸部4cとをそれぞれ有している。雌実凹部4aは、基材10の長辺側面10b及び短辺側面10cの厚み方向である表裏方向の中間部をそれぞれ凹溝状に切り欠くことで形成されている。表側雌実凸部4b及び裏側雌実凸部4cは、基材10の雌実凹部4aを切り欠いた残りの部分であって、表側雌実凸部4bは雌実凹部4aの表側に位置する部分であり、裏側雌実凸部4cは雌実凹部4aの裏側に位置する部分である。なお、本実施形態では、裏側雌実凸部4cの突出長さが、表側雌実凸部4bの突出長さよりも長くなるように、表側雌実凸部4bは、基材10の雌実凹部4aの表側の部分を雌実凹部4aよりも浅く凹溝状に切り欠くことによって形成されている。
上記長辺側面10b及び短辺側面10cの雄実5,5は、同じ構造に構成されている。雄実5,5は、雄実凸部5aと、表側雄実凹部5bと、裏側雄実凹部5cとをそれぞれ有している。雄実凸部5aと表側雄実凹部5bと裏側雄実凹部5cとは、基材10の長辺側面10b及び短辺側面10cの表裏方向の中間部が凸条になるように該中間部の表側と裏側とをそれぞれ切り欠くことによって形成されている。なお、本実施形態では、裏側雄実凹部5cは、表側雄実凹部5bよりも深く凹溝状に切り欠くことによって形成されている。
このように、本実施形態では、隣り合うラッピング化粧板1の端面が嵌合するように、基材10に、雌実4と雄実5とを形成する所謂本実加工を施している。しかしながら、隣り合うラッピング化粧板1の端面を嵌合させる構造はこれに限らない。例えば、基材10の短辺側面10c,10cの一方は基材10の厚み方向の表側部を切り欠き、他方は基材10の厚み方向の裏側部を切り欠く所謂合決り加工を施すこととしてもよい。また、本実加工は、上述のものに限られず、表側雌実凸部4bと裏側雌実凸部4cの突出長さが等しく、表側雄実凹部5bと裏側雄実凹部5cの深さが等しいものであってもよい。
[面取り部]
図3及び図4に示すように、基材10の表面10aは、ラッピング化粧板1の化粧面を構成する。基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部には、各角部を斜め(又は円弧状)に切り欠くことにより、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2が形成されている。
図3及び図4に示すように、基材10の表面10aは、ラッピング化粧板1の化粧面を構成する。基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部には、各角部を斜め(又は円弧状)に切り欠くことにより、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2が形成されている。
なお、図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、後述する化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30の詳細については後述する。
〈化粧シート層の構成〉
化粧シート層20は、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。接着剤としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(PURホットメルト接着剤)が用いられている。このように、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤を用いることで、シート21で基材10を容易にラッピングして該シート21を接着することができる。なお、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
化粧シート層20は、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。接着剤としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(PURホットメルト接着剤)が用いられている。このように、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤を用いることで、シート21で基材10を容易にラッピングして該シート21を接着することができる。なお、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
上記シート21は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系等の樹脂シート等からなり、その厚みは、0.1〜0.4mm程度のものが用いられる。また、シート21は、基材10の表面10aよりも大きい長方形状に形成されている。なお、シート21として、上述したもの以外に、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シート、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材を用いることができる。シート21の厚みは、ラッピング設備との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば例えば、0.05〜0.3mm程度のもの、木質薄化粧突き板であれば、0.15〜0.30mm程度のものが好適に用いられる。
図3及び図4に示すように、このシート21からなる化粧シート層20は、基材10の表面10aに装着される表面部20aと、基材10の長辺側面10b,10bにそれぞれ装着される2つの長辺側面部20b,20bと、基材10の短辺側面10c,10cにそれぞれ装着される2つの短辺側面部20c,20cとによって構成されている。
表面部20aは、接着剤によって基材10の表面10aに接着されたシート21の本体部22によって構成されている。
2つの長辺側面部20b,20bは、シート21の周縁部23であって接着剤によって基材10の長辺側面10b,10bに接着された長辺側面接着部23a、23aによって構成されている。
シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aのうち、雌実4が形成された長辺側面10b上に位置する長辺側面接着部23aは、長辺側面10bの一部である雌実4の表側雌実凸部4bの突出先端面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雌実凹部4aに到達しないように、表側雌実凸部4bの突出先端面において雌実凹部4a近傍まで延びている。
一方、シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aのうち、雄実5が形成された長辺側面10b上に位置する長辺側面接着部23aは、長辺側面10bの一部である雄実5の表側雄実凹部5bの底面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雄実凸部5aに到達しないように、表側雄実凹部5bの底面において雄実凸部5a近傍まで延びている。
2つの短辺側面部20c,20cは、シート21の周縁部23であって接着剤によって基材10の短辺側面10c,10cに接着された短辺側面接着部23b,23bと、同じくシート21の周縁部23であってシート21の接着時に基材10からはみ出した余剰部分23c,…,23cとによって構成されている。
シート21の2つの短辺側面接着部23b,23bのうち、雌実4が形成された短辺側面10c上に位置する短辺側面接着部23bは、基材10の短辺側面10cの一部である雌実4の表側雌実凸部4bの突出先端面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雌実凹部4aに到達しないように、表側雌実凸部4bの突出先端面において雌実凹部4a近傍まで延びている。
一方、シート21の2つの短辺側面接着部23b,23bのうち、雄実5が形成された短辺側面10c上に位置する短辺側面接着部23bは、基材10の短辺側面10cの一部である雄実5の表側雄実凹部5bの底面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雄実凸部5aに到達しないように、表側雄実凹部5bの底面において雄実凸部5a近傍まで延びている。
また、シート21の基材10に接着されずに、基材10の各角部において、長辺側面10b及び短辺側面10cからはみ出した余剰部分23c,…,23cは、短辺側面接着部23b,23bに折り重ねられ、その状態で接着剤によって接着されている。また、詳細については後述するが、この余剰部分23c,…,23cが短辺側面接着部23b,23bに重なる化粧シート層20の重複部分20dは、後述する基材10の短辺側面10c、10cに形成された収容凹部30に押し込まれて収容されている。
このような構成により、基材10の表面10a及び各側面10b,10cは、シート21によって覆われ、基材10の表面10a及び各側面10b,10c上に化粧シート層20が形成されている。
[収容凹部]
図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、上述した化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30は、2つの短辺側面10cの長手方向の両端部に形成されている。具体的には、収容凹部30は、雌実4が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部に形成され、雄実5が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部に形成されている。
図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、上述した化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30は、2つの短辺側面10cの長手方向の両端部に形成されている。具体的には、収容凹部30は、雌実4が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部に形成され、雄実5が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部に形成されている。
各収容凹部30は、表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部又は表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部を、シート21の余剰部分23dの厚み分だけ三角形状に切り欠いて形成した凹溝によって構成されている。各収容凹部30は、化粧シート層20の重複部分20dに対応する形状、具体的には、重複部分20dが押し込まれた際に収まるように、該重複部分20dよりも大きな三角形状に形成されている。このように形成された各収容凹部30に重複部分20dを押し込んで収容させることにより、化粧シート層20の重複部分20dがその他の部分よりも基材10の側面10b,10cの外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。
−製造方法−
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図7〜図11に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と面取り加工と凹溝加工とを有する。実加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。凹溝加工工程は、実加工工程後に行われる。
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図7〜図11に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と面取り加工と凹溝加工とを有する。実加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。凹溝加工工程は、実加工工程後に行われる。
[実加工工程]
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
[面取り加工工程]
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
[凹溝加工工程]
凹溝加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの長手方向の両端部を、三角形状の凹溝状に切り欠いて重複部分20dを収容する収容凹部30を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
凹溝加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの長手方向の両端部を、三角形状の凹溝状に切り欠いて重複部分20dを収容する収容凹部30を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
[接着剤塗布工程]
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
このシート21は、例えば、ロール等に巻き取られ、該ロールから連続的に繰り出されて供給されるものであり、予め、その幅が基材10にラッピングしたときに基材10の幅に対応する基準幅に設定されていてもよく、基準幅よりも大きくてもよい。具体的には、シート21の基準幅は、シート21を基材10に各々の幅方向を一致させてラッピングし、後述の第2シート接着工程において基材10の長辺側面10b,10bに接着されたシート21の長辺側面接着部23a、23aの先端(基材10の表裏方向の裏側端)が、基材10の長辺側面10b,10bの雌実凹部4a及び雄実凸部5aに到達しないような幅である。図7(a)においては基準幅のシート21を示している。
[第1シート接着工程]
図7(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
図7(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
[第2シート接着工程]
図8(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
図8(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
具体的には、加熱した折り曲げ治具を用いて、シート21の幅方向の両端部を、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、シート21裏面の接着剤を再活性化(再溶融)させるホットプレス動作を行う。その後、上記折り曲げ治具の加熱をやめ、加熱されない状態の折り曲げ治具で、シート21の幅方向の両端部を、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、上記再活性化された接着剤を冷却することによって固化させて接着するコールドプレス動作を行う。
以上のホットプレス動作とコールドプレス動作とにより、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の長辺側面接着部23a,23aを接着する。本実施形態では、シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aによって、化粧シート層20の2つの長辺側面部20b,20bが構成される。
[第3シート接着工程]
図9(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
図9(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
具体的には、加熱した折り曲げ治具を用いて、シート21の長手方向の両端部を、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、シート21裏面の接着剤を再活性化(再溶融)させるホットプレス動作を行う。その後、上記折り曲げ治具の加熱をやめ、加熱されない状態の折り曲げ治具で、シート21の長手方向の両端部を、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、上記再活性化された接着剤を冷却することによって固化させて接着するコールドプレス動作を行う。
以上のホットプレス動作とコールドプレス動作とにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bを接着する。
この第3シート接着工程が終了すると、基材10の2つの長辺側面10b,10b及び2つの短辺側面10c,10cに、長方形状のシート21の周縁部23が折り曲げられて接着された状態となる。このとき、基材10の周囲の4つの角部では、シート21の周縁部23の角部が基材10の長辺側面10bと短辺側面10cとからはみ出して基材10に接着されない余剰部分23c,…,23cとなって存在している。図9(b)に示すように、各余剰部分23cは、シート21の周縁部23の各角部が、基材10の各角部において、基材10の長辺側面10bからはみ出した部分と短辺側面10cからはみ出した部分の裏面どうしが重なるように折り曲げられることによって形成され、側面視において三角形状に形成されている。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重ねて接着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、接着剤塗布工程と、折り曲げ工程と、接着工程とを有する。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重ねて接着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、接着剤塗布工程と、折り曲げ工程と、接着工程とを有する。
[接着剤塗布工程]
接着剤塗布工程では、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に塗布するのに代えて、短辺側面接着部23bの余剰部分23cが重なる部分に塗布してもよい。
接着剤塗布工程では、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に塗布するのに代えて、短辺側面接着部23bの余剰部分23cが重なる部分に塗布してもよい。
[折り曲げ工程]
図10(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面に接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
図10(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面に接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
[接着工程]
図11(a)及び(b)に示すように、接着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dを、加圧することによって収容凹部30に押し込みながら、余剰部分23c又は短辺側面接着部23cに塗布された接着剤を固化させて余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する。
図11(a)及び(b)に示すように、接着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dを、加圧することによって収容凹部30に押し込みながら、余剰部分23c又は短辺側面接着部23cに塗布された接着剤を固化させて余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する。
以上のようにして、本ラッピング化粧板1は、基材10へのシート21のラッピング工程の後、上述の余剰部分処理工程を行うことにより、基材10に接着されずにはみ出したシート21の余剰部分23cが、切断されることなく、短辺側面接着部23bに折り重ねられた状態で接着されることとなる。
ところで、化粧シート層20において余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dは、その他の部分よりも分厚く形成される。このように化粧シート層20の短辺側面部分20cの一部が分厚く形成されると、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板1の間に隙間が形成されるために目地が大きくなって意匠性を低下させるおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、余剰部分処理工程において、余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する際に、化粧シート層20の重複部分20dを収容凹部30に押し込むことにしている。そのため、化粧シート層20の短辺側面部20cにおいてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが、基材10の短辺側面10cの外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染むこととなる。
−実施形態1の効果−
以上のように、本ラッピング化粧板1によれば、基材10の化粧シート層20を、シート21をその周縁部23が基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように基材10の表面10a及び周囲側面10b,10b,10c,10cに接着一体化することによって形成し、化粧シート層20において、基材10の各角部において該基材10からはみ出した余剰部分23cが、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b,23b)に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材10からはみ出したシート21の余剰部分23cをシート21の側面接着部(短辺側面10c,10c)に折り重ねて固定する仕上げとしたため、従来のように、余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供することができる。
以上のように、本ラッピング化粧板1によれば、基材10の化粧シート層20を、シート21をその周縁部23が基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように基材10の表面10a及び周囲側面10b,10b,10c,10cに接着一体化することによって形成し、化粧シート層20において、基材10の各角部において該基材10からはみ出した余剰部分23cが、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b,23b)に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材10からはみ出したシート21の余剰部分23cをシート21の側面接着部(短辺側面10c,10c)に折り重ねて固定する仕上げとしたため、従来のように、余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供することができる。
また、本ラッピング化粧板1では、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に、余剰部分23c,…,23cが側面接着部(短辺側面10c,10c)に重なる重複部分20dを収容する収容凹部30を形成することとした。このような構成により、化粧シート層20においてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが収容凹部30に収容されるため、化粧シート層20の重複部分20dがその他の部分よりも基材10の側面(短辺側面10c,10c)の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。従って、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板1の間に隙間が形成されて目地が大きくなることがなく、意匠性の低下を抑制することができる。また、ラッピング化粧板1の側面(短辺側面10c,10c)に段差が形成されないため、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ずれ等の施工不良を抑制することもできる。
ところで、本実施形態1では、収容凹部30は、上記重複部分20dに対応する形状に形成されている。このような構成により、収容凹部30を無駄に大きく形成することなく、必要最小限の大きさに形成することができる。これにより、無駄に基材10の強度を低下させることなく、ラッピング化粧板1の側面(短辺側面10c,10c)において段差が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、収容凹部30は、基材10の短辺側面10c,10cにおいて、面取り部2と雌実4又は雄実5との間に形成されている。このような構成により、基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cを切り欠いて面取り部3や雌実4又は雄実5を形成する際に、容易に収容凹部30も形成することができる。
また、本実施形態1では、基材10を木質材料からなる板状部材で構成している。木質材料からなる板状部材は平滑性が高い。そのため、加工性に優れ、化粧シート層20の形成を容易に行うことができると共に、意匠性に優れたラッピング化粧板1を構成することができる。また、木質材料からなる板状部材によって基材10を構成することにより、基材10の一部を切り欠くことによって容易に収容凹部30を形成することができる。これにより、基材10の切り欠き加工時(例えば、実加工時)に、同時に収容凹部30を形成することができるため、基材10に収容凹部30を形成することとしても、加工工程を増やすことなく、容易に基材10を形成することができる。
また、本実施形態1では、基材10の表面10aより大きなシート21を折り曲げて基材10の表面10aと周囲側面10b,10b,10c,10cとに接着した後に、シート21の周縁部23であって基材10の各角部において該基材10の側面10b,10b,10c,10cからはみ出した余剰部分23cを、シート21の周縁部23であって基材10の側面(短辺側面10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b)に折り重ねて接着することとした。このようにシート21の周縁部23の余剰部分23cを基材10の側面(短辺側面10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b)に折り重ねて接着する仕上げとしたため、従来の製造方法のように余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を製造することができる。また、余剰部分23cを精度よく切除する必要がないため、従来の製造方法よりもラッピング化粧板1を容易に製造することができる。
また、本実施形態1では、シート21の周縁部23の余剰部分23cを切除することなく、折り曲げて側面接着部(短辺側面接着部23b)に重ねた後、余剰部分23cが側面接着部(短辺側面接着部23b)に重なる化粧シート層20の重複部分20dを、シート21の接着前に基材10の側面(短辺側面10c)に形成した収容凹部30に押し込みながら余剰部分23cを側面接着部(短辺側面接着部23b)に固定することとした。このような製造方法により、化粧シート層20の側面部分(短辺側面部20c)においてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが、基材10の側面(短辺側面10c)の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。そのため、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板1を製造することができる。また、上記製造方法によれば、余剰部分23cを切断することなく、余剰部分23cを折り曲げて側面接着部(短辺側面接着部23b)に重ね、その化粧シート層20の重複部分20dを収容凹部30に押し込みながら両者を接着するだけでよく、また、余剰部分23cを切除する従来の製造方法のように、加工精度によって仕上がりが大きく左右されることがないので、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板1を容易に形成することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、基材10の短辺側面10c,10cに収容凹部30を形成していたが、収容凹部30は、基材10の長辺側面10b,10bに形成されていてもよい。収容凹部30は、基材10の各角部を挟む長辺側面10bと短辺側面10cの少なくとも一方に形成されていればよいが、両方に形成されていてもよい。
上記実施形態では、基材10の短辺側面10c,10cに収容凹部30を形成していたが、収容凹部30は、基材10の長辺側面10b,10bに形成されていてもよい。収容凹部30は、基材10の各角部を挟む長辺側面10bと短辺側面10cの少なくとも一方に形成されていればよいが、両方に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、収容凹部30は、三角形状の凹溝によって構成されていたが、収容凹部30は、化粧シート層20の重複部分20dを収容可能な大きさであれば、三角形状に限られない。矩形状の凹溝であってもよい。
また、上記実施形態では、シート21の余剰部分23cを側面接着部(短辺側面接着部23b)に固定する際に、接着剤を用いて接着することとしていたが、加熱することによって余剰部分23cを溶融させて側面接着部に融着することとしてもよい。
また、上記実施形態では、シート21の余剰部分23cが側面接着部(短辺側面接着部23b)に重なる化粧シート層20の重複部分20dを、収容凹部30に押し込むこととしていたが、収容凹部30を形成せずに、単に、シート21の余剰部分23cを切除せずに折り曲げて側面接着部に固定するだけであっても、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供でき、また、そのような構造のラッピング化粧板1を容易に製造することができる点において、従来のラッピング化粧板1より有利なものである。
また、上記各実施形態では、ラッピング化粧板1を床材として用いることとしていたが、ラッピング化粧板1の用途は床材に限られない。その他、例えば、壁材等に用いることも勿論可能である。
以上説明したように、本発明は、建築物の床材や壁材等に用いられる板状の基材の表面がシートでラッピングされたラッピング化粧板及びその製造方法について有用である。
1 ラッピング化粧板
2 面取り部
4 雌実
5 雄実
10 基材
10a 表面
10b 長辺側面(周囲側面、側面)
10c 短辺側面(周囲側面、側面)
20 化粧シート層
20d 重複部分
21 シート
23 周縁部
23 余剰部分
23a 長辺側面接着部(側面接着部)
23b 短辺側面接着部(側面接着部)
23c 余剰部分
30 収容凹部
2 面取り部
4 雌実
5 雄実
10 基材
10a 表面
10b 長辺側面(周囲側面、側面)
10c 短辺側面(周囲側面、側面)
20 化粧シート層
20d 重複部分
21 シート
23 周縁部
23 余剰部分
23a 長辺側面接着部(側面接着部)
23b 短辺側面接着部(側面接着部)
23c 余剰部分
30 収容凹部
本発明は、建築物の床材や壁材等に用いられる板状の基材の表面がシートでラッピングされたラッピング化粧板及びその製造方法に関し、特に、ラッピング精度を向上させる技術に係るものである。
従来、この種のラッピング化粧板として、例えば、特許文献1,2に示すように、基材の表面からはみ出す大きさのシートで、基材の表面と周囲側面とを一体的にラッピングしたものがある。これらのラッピング化粧板では、シートを折り曲げながら基材の表面と周囲側面とに接着し、基材の4つの角部において基材の側面からはみ出した余剰部分を切除することによって基材の表面と周囲側面とをシートで一体的にラッピングしている。
しかしながら、上記ラッピング化粧板では、余剰部分を切除するため、その加工精度が悪いと、切除部分に隙間ができて基材が露出するおそれがあった。また、精度良く余剰部分を切除するのは容易ではなく、ラッピング化粧板を容易に製造することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板と、そのような構造のラッピング化粧板を容易に製造するための製造方法とを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、基材の表面よりも大きなシートを基材の表面と周囲側面とに接着して化粧シート層を形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材の側面からはみ出したシートの余剰部分を、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定することとした。
具体的には、第1の発明は、板状の基材と、周縁部が該基材の周囲側面に位置するように、該基材の表面及び周囲側面に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板を前提としている。
そして、第1の発明に係るラッピング化粧板は、上記化粧シート層では、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分が、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねられた状態で固定されていることを特徴とする。
第1の発明では、基材の化粧シート層を、シートをその周縁部が基材の周囲側面に位置するように基材の表面及び周囲側面に接着一体化することによって形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材からはみ出したシートの余剰部分が、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材からはみ出したシートの余剰部分をシートの側面接着部に折り重ねて固定する仕上げとしたため、余剰部分を切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板を提供することができる。
また、第1の発明は、上記構成に加え、上記基材の側面には、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部が形成されていることを特徴とする。
ところで、上述のようにシートの余剰部分を切除することなく側面接着部に折り重ねて固定する構成では、化粧シート層の基材の側面に対応する側面部分において余剰部分が側面接着部に重なる重複部分がその他の部分よりも分厚くなる。このように化粧シート層の側面部分の一部が分厚く形成されると、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板の間に隙間が形成されるために目地が大きくなって意匠性を低下させるおそれがある。
第1の発明では、基材の側面に、余剰部分が側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成することとした。このような構成により、化粧シート層においてその他の部分よりも分厚い重複部分が収容凹部に収容される。そのため、化粧シート層の重複部分がその他の部分よりも基材の側面の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。従って、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板の間に隙間が形成されて目地が大きくなることがなく、意匠性の低下を抑制することができる。また、ラッピング化粧板の側面に段差が形成されないため、複数のラッピング化粧板を並べて床材や壁材として用いる際に、ずれ等の施工不良を抑制することもできる。
第2の発明は、第1の発明において、上記収容凹部は、上記重複部分に対応する形状に形成されていることを特徴とする。
第2の発明では、収容凹部を重複部分の形状に合わせて形成することとしたため、収容凹部を無駄に大きく形成することなく、必要最小限の大きさに形成することができる。これにより、無駄に基材の強度を低下させることなく、ラッピング化粧板の側面において段差が生じるのを抑制することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記基材の表面の周縁部は、外側に向かうほど裏面側に位置する面取り部に構成され、上記基材の周囲側面の各辺には、隣接するラッピング化粧板の基材と係合する雌実又は雄実がそれぞれ形成され、上記収容凹部は、上記基材の表裏方向において、上記面取り部の裏側端部と上記雌実又は雄実の表側端面との間に形成されている。
第3の発明では、収容凹部は、基材の側面において、面取り部と雌実又は雄実との間に形成されている。このような構成により、基材の周囲側面を切り欠いて面取り部や雌実又は雄実を形成する際に、容易に収容凹部も形成することができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記基材は、木質材料からなる板状部材によって構成されている。
第4の発明では、基材が木質材料からなる板状部材で構成されている。木質材料からなる板状部材は平滑性が高い。そのため、加工性に優れ、化粧シート層の形成を容易に行うことができると共に、意匠性に優れたラッピング化粧板を構成することができる。また、木質材料からなる板状部材によって基材を構成することにより、基材の一部を切り欠くことによって容易に収容凹部を形成することができる。これにより、基材の切り欠き加工時(例えば、実加工時)に、同時に収容凹部を形成することができるため、基材に収容凹部を形成することとしても、加工工程を増やすことなく、容易に基材を形成することができる。
第5の発明は、板状の基材と、該基材に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板の製造方法が対象である。
そして、第5の発明に係るラッピング化粧板の製造方法は、上記基材の表面よりも大きい上記シートを、周縁部が上記基材の周囲側面に位置するように折り曲げて上記基材の表面と周囲側面とに接着するシート接着工程と、上記シート接着工程において、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着する余剰部分処理工程とを備えていることを特徴とする。
第5の発明では、基材の表面より大きなシートを折り曲げて基材の表面と周囲側面とに接着した後に、シートの周縁部であって基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、シートの周縁部であって基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着することとした。このようにシートの周縁部の余剰部分を基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着する仕上げとしたため、従来の製造方法のように余剰部分を切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板を製造することができる。また、余剰部分を精度よく切除する必要がないため、従来の製造方法よりもラッピング化粧板を容易に製造することができる。
また、第5の発明は、上記構成に加え、上記シート接着工程の前に、上記基材の側面の一部を切り欠いて、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成する切り欠き工程を備え、上記余剰部分処理工程は、上記余剰部分を折り曲げて上記側面接着部に重ねる折り曲げ工程と、上記余剰部分が該側面接着部に重なる重複部分を、上記収容凹部に押し込みながら上記余剰部分を上記側面接着部に固定する接着工程とを備えていることを特徴とする。
第5の発明では、シートの周縁部の余剰部分を切除することなく、折り曲げて側面接着部に重ねた後、余剰部分が側面接着部に重なる化粧シート層の重複部分を、シートの接着前に基材の側面に形成した収容凹部に押し込みながら余剰部分を側面接着部に固定することとした。このような製造方法により、化粧シート層の側面部分においてその他の部分よりも分厚い重複部分が、基材の側面の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。そのため、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板を製造することができる。また、上記製造方法によれば、余剰部分を切断することなく、余剰部分を折り曲げて側面接着部に重ね、その重複部分を収容凹部に押し込みながら両者を接着するだけでよく、また、余剰部分を切除する従来の製造方法のように、加工精度によって仕上がりが大きく左右されることがないので、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板を容易に形成することができる。
本発明によれば、基材の表面よりも大きなシートを基材の表面と周囲側面とに接着して化粧シート層を形成し、化粧シート層において、基材の各角部において該基材の側面からはみ出したシートの余剰部分を、基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねた状態で固定する構成としたため、従来のように、余剰部分を切除する加工精度が低いために基材が露出する等のラッピング不良が生じるおそれがなく、ラッピング精度の高いラッピング化粧板を提供することができる。また、化粧シート層を形成する際に余剰部分を精度よく切除する必要がないため、ラッピング精度の高いラッピング化粧板を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1を示している。このラッピング化粧板1は、例えば、床材等として用いられる。
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1を示している。このラッピング化粧板1は、例えば、床材等として用いられる。
−構成−
ラッピング化粧板1は、矩形板状の基材10と、この基材10に接着剤を介して接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えている。
ラッピング化粧板1は、矩形板状の基材10と、この基材10に接着剤を介して接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えている。
〈基材の構成〉
図3に示すように、上記基材10は、合板に中密度繊維板(MDF)等を積層することによって構成されている。なお、基材10は、このような構成に限られず、例えば、パーティクルボードやハードボード等のその他の木質材料、大建工業(株)製の製品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に建材として用いられる板状の材料を用いたらよい。基材10は、例えば、厚み15mm、幅303mm、長さ1818mmの長方形状に形成されている。
図3に示すように、上記基材10は、合板に中密度繊維板(MDF)等を積層することによって構成されている。なお、基材10は、このような構成に限られず、例えば、パーティクルボードやハードボード等のその他の木質材料、大建工業(株)製の製品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に建材として用いられる板状の材料を用いたらよい。基材10は、例えば、厚み15mm、幅303mm、長さ1818mmの長方形状に形成されている。
[雌実及び雄実]
基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cの各辺には雌実4又は雄実5が形成されている。具体的には、基材10の幅方向に対向する長辺側面10b,10bの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。また、基材10の長さ方向に対向する短辺側面10c,10cの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。長辺側面10b,10bの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の長辺側面10b,10bの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工され、短辺側面10c,10cの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の短辺側面10c,10cの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工されるように構成されている。
基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cの各辺には雌実4又は雄実5が形成されている。具体的には、基材10の幅方向に対向する長辺側面10b,10bの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。また、基材10の長さ方向に対向する短辺側面10c,10cの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。長辺側面10b,10bの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の長辺側面10b,10bの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工され、短辺側面10c,10cの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の短辺側面10c,10cの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工されるように構成されている。
上記長辺側面10b及び短辺側面10cの雌実4,4は、同じ構造に構成されている。雌実4,4は、雌実凹部4aと、表側雌実突部4bと、裏側雌実凸部4cとをそれぞれ有している。雌実凹部4aは、基材10の長辺側面10b及び短辺側面10cの厚み方向である表裏方向の中間部をそれぞれ凹溝状に切り欠くことで形成されている。表側雌実凸部4b及び裏側雌実凸部4cは、基材10の雌実凹部4aを切り欠いた残りの部分であって、表側雌実凸部4bは雌実凹部4aの表側に位置する部分であり、裏側雌実凸部4cは雌実凹部4aの裏側に位置する部分である。なお、本実施形態では、裏側雌実凸部4cの突出長さが、表側雌実凸部4bの突出長さよりも長くなるように、表側雌実凸部4bは、基材10の雌実凹部4aの表側の部分を雌実凹部4aよりも浅く凹溝状に切り欠くことによって形成されている。
上記長辺側面10b及び短辺側面10cの雄実5,5は、同じ構造に構成されている。雄実5,5は、雄実凸部5aと、表側雄実凹部5bと、裏側雄実凹部5cとをそれぞれ有している。雄実凸部5aと表側雄実凹部5bと裏側雄実凹部5cとは、基材10の長辺側面10b及び短辺側面10cの表裏方向の中間部が凸条になるように該中間部の表側と裏側とをそれぞれ切り欠くことによって形成されている。なお、本実施形態では、裏側雄実凹部5cは、表側雄実凹部5bよりも深く凹溝状に切り欠くことによって形成されている。
このように、本実施形態では、隣り合うラッピング化粧板1の端面が嵌合するように、基材10に、雌実4と雄実5とを形成する所謂本実加工を施している。しかしながら、隣り合うラッピング化粧板1の端面を嵌合させる構造はこれに限らない。例えば、基材10の短辺側面10c,10cの一方は基材10の厚み方向の表側部を切り欠き、他方は基材10の厚み方向の裏側部を切り欠く所謂合決り加工を施すこととしてもよい。また、本実加工は、上述のものに限られず、表側雌実凸部4bと裏側雌実凸部4cの突出長さが等しく、表側雄実凹部5bと裏側雄実凹部5cの深さが等しいものであってもよい。
[面取り部]
図3及び図4に示すように、基材10の表面10aは、ラッピング化粧板1の化粧面を構成する。基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部には、各角部を斜め(又は円弧状)に切り欠くことにより、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2が形成されている。
図3及び図4に示すように、基材10の表面10aは、ラッピング化粧板1の化粧面を構成する。基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部には、各角部を斜め(又は円弧状)に切り欠くことにより、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2が形成されている。
なお、図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、後述する化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30の詳細については後述する。
〈化粧シート層の構成〉
化粧シート層20は、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。接着剤としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(PURホットメルト接着剤)が用いられている。このように、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤を用いることで、シート21で基材10を容易にラッピングして該シート21を接着することができる。なお、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
化粧シート層20は、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。接着剤としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(PURホットメルト接着剤)が用いられている。このように、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤を用いることで、シート21で基材10を容易にラッピングして該シート21を接着することができる。なお、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
上記シート21は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系等の樹脂シート等からなり、その厚みは、0.1〜0.4mm程度のものが用いられる。また、シート21は、基材10の表面10aよりも大きい長方形状に形成されている。なお、シート21として、上述したもの以外に、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シート、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、不織布、織布、木質薄化粧突き板、畳表等の薄いシート材を用いることができる。シート21の厚みは、ラッピング設備との兼ね合いで決定すればよく、紙であれば例えば、0.05〜0.3mm程度のもの、木質薄化粧突き板であれば、0.15〜0.30mm程度のものが好適に用いられる。
図3及び図4に示すように、このシート21からなる化粧シート層20は、基材10の表面10aに装着される表面部20aと、基材10の長辺側面10b,10bにそれぞれ装着される2つの長辺側面部20b,20bと、基材10の短辺側面10c,10cにそれぞれ装着される2つの短辺側面部20c,20cとによって構成されている。
表面部20aは、接着剤によって基材10の表面10aに接着されたシート21の本体部22によって構成されている。
2つの長辺側面部20b,20bは、シート21の周縁部23であって接着剤によって基材10の長辺側面10b,10bに接着された長辺側面接着部23a、23aによって構成されている。
シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aのうち、雌実4が形成された長辺側面10b上に位置する長辺側面接着部23aは、長辺側面10bの一部である雌実4の表側雌実凸部4bの突出先端面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雌実凹部4aに到達しないように、表側雌実凸部4bの突出先端面において雌実凹部4a近傍まで延びている。
一方、シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aのうち、雄実5が形成された長辺側面10b上に位置する長辺側面接着部23aは、長辺側面10bの一部である雄実5の表側雄実凹部5bの底面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雄実凸部5aに到達しないように、表側雄実凹部5bの底面において雄実凸部5a近傍まで延びている。
2つの短辺側面部20c,20cは、シート21の周縁部23であって接着剤によって基材10の短辺側面10c,10cに接着された短辺側面接着部23b,23bと、同じくシート21の周縁部23であってシート21の接着時に基材10からはみ出した余剰部分23c,…,23cとによって構成されている。
シート21の2つの短辺側面接着部23b,23bのうち、雌実4が形成された短辺側面10c上に位置する短辺側面接着部23bは、基材10の短辺側面10cの一部である雌実4の表側雌実凸部4bの突出先端面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雌実凹部4aに到達しないように、表側雌実凸部4bの突出先端面において雌実凹部4a近傍まで延びている。
一方、シート21の2つの短辺側面接着部23b,23bのうち、雄実5が形成された短辺側面10c上に位置する短辺側面接着部23bは、基材10の短辺側面10cの一部である雄実5の表側雄実凹部5bの底面に接着され、その基材10の表裏方向において裏側の先端が雄実凸部5aに到達しないように、表側雄実凹部5bの底面において雄実凸部5a近傍まで延びている。
また、シート21の基材10に接着されずに、基材10の各角部において、長辺側面10b及び短辺側面10cからはみ出した余剰部分23c,…,23cは、短辺側面接着部23b,23bに折り重ねられ、その状態で接着剤によって接着されている。また、詳細については後述するが、この余剰部分23c,…,23cが短辺側面接着部23b,23bに重なる化粧シート層20の重複部分20dは、後述する基材10の短辺側面10c、10cに形成された収容凹部30に押し込まれて収容されている。
このような構成により、基材10の表面10a及び各側面10b,10cは、シート21によって覆われ、基材10の表面10a及び各側面10b,10c上に化粧シート層20が形成されている。
[収容凹部]
図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、上述した化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30は、2つの短辺側面10cの長手方向の両端部に形成されている。具体的には、収容凹部30は、雌実4が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部に形成され、雄実5が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部に形成されている。
図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、上述した化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30は、2つの短辺側面10cの長手方向の両端部に形成されている。具体的には、収容凹部30は、雌実4が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部に形成され、雄実5が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部に形成されている。
各収容凹部30は、表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部又は表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部を、シート21の余剰部分23dの厚み分だけ三角形状に切り欠いて形成した凹溝によって構成されている。各収容凹部30は、化粧シート層20の重複部分20dに対応する形状、具体的には、重複部分20dが押し込まれた際に収まるように、該重複部分20dよりも大きな三角形状に形成されている。このように形成された各収容凹部30に重複部分20dを押し込んで収容させることにより、化粧シート層20の重複部分20dがその他の部分よりも基材10の側面10b,10cの外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。
−製造方法−
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図7〜図11に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と面取り加工と凹溝加工とを有する。実加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。凹溝加工工程は、実加工工程後に行われる。
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図7〜図11に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と面取り加工と凹溝加工とを有する。実加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。凹溝加工工程は、実加工工程後に行われる。
[実加工工程]
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
[面取り加工工程]
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
[凹溝加工工程]
凹溝加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの長手方向の両端部を、三角形状の凹溝状に切り欠いて重複部分20dを収容する収容凹部30を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
凹溝加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの長手方向の両端部を、三角形状の凹溝状に切り欠いて重複部分20dを収容する収容凹部30を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
[接着剤塗布工程]
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
このシート21は、例えば、ロール等に巻き取られ、該ロールから連続的に繰り出されて供給されるものであり、予め、その幅が基材10にラッピングしたときに基材10の幅に対応する基準幅に設定されていてもよく、基準幅よりも大きくてもよい。具体的には、シート21の基準幅は、シート21を基材10に各々の幅方向を一致させてラッピングし、後述の第2シート接着工程において基材10の長辺側面10b,10bに接着されたシート21の長辺側面接着部23a、23aの先端(基材10の表裏方向の裏側端)が、基材10の長辺側面10b,10bの雌実凹部4a及び雄実凸部5aに到達しないような幅である。図7(a)においては基準幅のシート21を示している。
[第1シート接着工程]
図7(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
図7(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
[第2シート接着工程]
図8(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
図8(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
具体的には、加熱した折り曲げ治具を用いて、シート21の幅方向の両端部を、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、シート21裏面の接着剤を再活性化(再溶融)させるホットプレス動作を行う。その後、上記折り曲げ治具の加熱をやめ、加熱されない状態の折り曲げ治具で、シート21の幅方向の両端部を、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、上記再活性化された接着剤を冷却することによって固化させて接着するコールドプレス動作を行う。
以上のホットプレス動作とコールドプレス動作とにより、基材10の長辺側面10bの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の長辺側面接着部23a,23aを接着する。本実施形態では、シート21の2つの長辺側面接着部23a,23aによって、化粧シート層20の2つの長辺側面部20b,20bが構成される。
[第3シート接着工程]
図9(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
図9(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
具体的には、加熱した折り曲げ治具を用いて、シート21の長手方向の両端部を、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、シート21裏面の接着剤を再活性化(再溶融)させるホットプレス動作を行う。その後、上記折り曲げ治具の加熱をやめ、加熱されない状態の折り曲げ治具で、シート21の長手方向の両端部を、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面に押し付け、上記再活性化された接着剤を冷却することによって固化させて接着するコールドプレス動作を行う。
以上のホットプレス動作とコールドプレス動作とにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bを接着する。
この第3シート接着工程が終了すると、基材10の2つの長辺側面10b,10b及び2つの短辺側面10c,10cに、長方形状のシート21の周縁部23が折り曲げられて接着された状態となる。このとき、基材10の周囲の4つの角部では、シート21の周縁部23の角部が基材10の長辺側面10bと短辺側面10cとからはみ出して基材10に接着されない余剰部分23c,…,23cとなって存在している。図9(b)に示すように、各余剰部分23cは、シート21の周縁部23の各角部が、基材10の各角部において、基材10の長辺側面10bからはみ出した部分と短辺側面10cからはみ出した部分の裏面どうしが重なるように折り曲げられることによって形成され、側面視において三角形状に形成されている。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重ねて接着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、接着剤塗布工程と、折り曲げ工程と、接着工程とを有する。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重ねて接着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、接着剤塗布工程と、折り曲げ工程と、接着工程とを有する。
[接着剤塗布工程]
接着剤塗布工程では、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に塗布するのに代えて、短辺側面接着部23bの余剰部分23cが重なる部分に塗布してもよい。
接着剤塗布工程では、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、各余剰部分23cの短辺側面接着部23bに連続する面に塗布するのに代えて、短辺側面接着部23bの余剰部分23cが重なる部分に塗布してもよい。
[折り曲げ工程]
図10(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面に接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
図10(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面に接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
[接着工程]
図11(a)及び(b)に示すように、接着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dを、加圧することによって収容凹部30に押し込みながら、余剰部分23c又は短辺側面接着部23cに塗布された接着剤を固化させて余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する。
図11(a)及び(b)に示すように、接着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dを、加圧することによって収容凹部30に押し込みながら、余剰部分23c又は短辺側面接着部23cに塗布された接着剤を固化させて余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する。
以上のようにして、本ラッピング化粧板1は、基材10へのシート21のラッピング工程の後、上述の余剰部分処理工程を行うことにより、基材10に接着されずにはみ出したシート21の余剰部分23cが、切断されることなく、短辺側面接着部23bに折り重ねられた状態で接着されることとなる。
ところで、化粧シート層20において余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dは、その他の部分よりも分厚く形成される。このように化粧シート層20の短辺側面部分20cの一部が分厚く形成されると、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板1の間に隙間が形成されるために目地が大きくなって意匠性を低下させるおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、余剰部分処理工程において、余剰部分23cを短辺側面接着部23cに接着する際に、化粧シート層20の重複部分20dを収容凹部30に押し込むことにしている。そのため、化粧シート層20の短辺側面部20cにおいてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが、基材10の短辺側面10cの外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染むこととなる。
−実施形態1の効果−
以上のように、本ラッピング化粧板1によれば、基材10の化粧シート層20を、シート21をその周縁部23が基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように基材10の表面10a及び周囲側面10b,10b,10c,10cに接着一体化することによって形成し、化粧シート層20において、基材10の各角部において該基材10からはみ出した余剰部分23cが、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b,23b)に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材10からはみ出したシート21の余剰部分23cをシート21の側面接着部(短辺側面10c,10c)に折り重ねて固定する仕上げとしたため、従来のように、余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供することができる。
以上のように、本ラッピング化粧板1によれば、基材10の化粧シート層20を、シート21をその周縁部23が基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように基材10の表面10a及び周囲側面10b,10b,10c,10cに接着一体化することによって形成し、化粧シート層20において、基材10の各角部において該基材10からはみ出した余剰部分23cが、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b,23b)に折り重ねた状態で固定されるようにした。このように基材10からはみ出したシート21の余剰部分23cをシート21の側面接着部(短辺側面10c,10c)に折り重ねて固定する仕上げとしたため、従来のように、余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供することができる。
また、本ラッピング化粧板1では、基材10の側面(短辺側面10c,10c)に、余剰部分23c,…,23cが側面接着部(短辺側面10c,10c)に重なる重複部分20dを収容する収容凹部30を形成することとした。このような構成により、化粧シート層20においてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが収容凹部30に収容されるため、化粧シート層20の重複部分20dがその他の部分よりも基材10の側面(短辺側面10c,10c)の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。従って、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ラッピング化粧板1の間に隙間が形成されて目地が大きくなることがなく、意匠性の低下を抑制することができる。また、ラッピング化粧板1の側面(短辺側面10c,10c)に段差が形成されないため、複数のラッピング化粧板1を並べて床材や壁材として用いる際に、ずれ等の施工不良を抑制することもできる。
ところで、本実施形態1では、収容凹部30は、上記重複部分20dに対応する形状に形成されている。このような構成により、収容凹部30を無駄に大きく形成することなく、必要最小限の大きさに形成することができる。これにより、無駄に基材10の強度を低下させることなく、ラッピング化粧板1の側面(短辺側面10c,10c)において段差が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態1では、収容凹部30は、基材10の短辺側面10c,10cにおいて、面取り部2と雌実4又は雄実5との間に形成されている。このような構成により、基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cを切り欠いて面取り部3や雌実4又は雄実5を形成する際に、容易に収容凹部30も形成することができる。
また、本実施形態1では、基材10を木質材料からなる板状部材で構成している。木質材料からなる板状部材は平滑性が高い。そのため、加工性に優れ、化粧シート層20の形成を容易に行うことができると共に、意匠性に優れたラッピング化粧板1を構成することができる。また、木質材料からなる板状部材によって基材10を構成することにより、基材10の一部を切り欠くことによって容易に収容凹部30を形成することができる。これにより、基材10の切り欠き加工時(例えば、実加工時)に、同時に収容凹部30を形成することができるため、基材10に収容凹部30を形成することとしても、加工工程を増やすことなく、容易に基材10を形成することができる。
また、本実施形態1では、基材10の表面10aより大きなシート21を折り曲げて基材10の表面10aと周囲側面10b,10b,10c,10cとに接着した後に、シート21の周縁部23であって基材10の各角部において該基材10の側面10b,10b,10c,10cからはみ出した余剰部分23cを、シート21の周縁部23であって基材10の側面(短辺側面10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b)に折り重ねて接着することとした。このようにシート21の周縁部23の余剰部分23cを基材10の側面(短辺側面10c)に接着された側面接着部(短辺側面接着部23b)に折り重ねて接着する仕上げとしたため、従来の製造方法のように余剰部分23cを切除する必要がない。よって、切除の加工精度が低いために基材10が露出する等のラッピング不良を生じることがない。従って、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を製造することができる。また、余剰部分23cを精度よく切除する必要がないため、従来の製造方法よりもラッピング化粧板1を容易に製造することができる。
また、本実施形態1では、シート21の周縁部23の余剰部分23cを切除することなく、折り曲げて側面接着部(短辺側面接着部23b)に重ねた後、余剰部分23cが側面接着部(短辺側面接着部23b)に重なる化粧シート層20の重複部分20dを、シート21の接着前に基材10の側面(短辺側面10c)に形成した収容凹部30に押し込みながら余剰部分23cを側面接着部(短辺側面接着部23b)に固定することとした。このような製造方法により、化粧シート層20の側面部分(短辺側面部20c)においてその他の部分よりも分厚い重複部分20dが、基材10の側面(短辺側面10c)の外側へ出っ張ることがなく、その他の部分に沿うように馴染む。そのため、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板1を製造することができる。また、上記製造方法によれば、余剰部分23cを切断することなく、余剰部分23cを折り曲げて側面接着部(短辺側面接着部23b)に重ね、その化粧シート層20の重複部分20dを収容凹部30に押し込みながら両者を接着するだけでよく、また、余剰部分23cを切除する従来の製造方法のように、加工精度によって仕上がりが大きく左右されることがないので、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板1を容易に形成することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、基材10の短辺側面10c,10cに収容凹部30を形成していたが、収容凹部30は、基材10の長辺側面10b,10bに形成されていてもよい。収容凹部30は、基材10の各角部を挟む長辺側面10bと短辺側面10cの少なくとも一方に形成されていればよいが、両方に形成されていてもよい。
上記実施形態では、基材10の短辺側面10c,10cに収容凹部30を形成していたが、収容凹部30は、基材10の長辺側面10b,10bに形成されていてもよい。収容凹部30は、基材10の各角部を挟む長辺側面10bと短辺側面10cの少なくとも一方に形成されていればよいが、両方に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、収容凹部30は、三角形状の凹溝によって構成されていたが、収容凹部30は、化粧シート層20の重複部分20dを収容可能な大きさであれば、三角形状に限られない。矩形状の凹溝であってもよい。
また、上記実施形態では、シート21の余剰部分23cを側面接着部(短辺側面接着部23b)に固定する際に、接着剤を用いて接着することとしていたが、加熱することによって余剰部分23cを溶融させて側面接着部に融着することとしてもよい。
また、上記実施形態では、シート21の余剰部分23cが側面接着部(短辺側面接着部23b)に重なる化粧シート層20の重複部分20dを、収容凹部30に押し込むこととしていたが、収容凹部30を形成せずに、単に、シート21の余剰部分23cを切除せずに折り曲げて側面接着部に固定するだけであっても、基材10の露出が生じないラッピング精度の高いラッピング化粧板1を提供でき、また、そのような構造のラッピング化粧板1を容易に製造することができる点において、従来のラッピング化粧板1より有利なものである。
また、上記各実施形態では、ラッピング化粧板1を床材として用いることとしていたが、ラッピング化粧板1の用途は床材に限られない。その他、例えば、壁材等に用いることも勿論可能である。
以上説明したように、本発明は、建築物の床材や壁材等に用いられる板状の基材の表面がシートでラッピングされたラッピング化粧板及びその製造方法について有用である。
1 ラッピング化粧板
2 面取り部
4 雌実
5 雄実
10 基材
10a 表面
10b 長辺側面(周囲側面、側面)
10c 短辺側面(周囲側面、側面)
20 化粧シート層
20d 重複部分
21 シート
23 周縁部
23 余剰部分
23a 長辺側面接着部(側面接着部)
23b 短辺側面接着部(側面接着部)
23c 余剰部分
30 収容凹部
2 面取り部
4 雌実
5 雄実
10 基材
10a 表面
10b 長辺側面(周囲側面、側面)
10c 短辺側面(周囲側面、側面)
20 化粧シート層
20d 重複部分
21 シート
23 周縁部
23 余剰部分
23a 長辺側面接着部(側面接着部)
23b 短辺側面接着部(側面接着部)
23c 余剰部分
30 収容凹部
Claims (7)
- 板状の基材と、周縁部が該基材の周囲側面に位置するように、該基材の表面及び周囲側面に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板であって、
上記化粧シート層では、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分が、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねられた状態で固定されている
ことを特徴とするラッピング化粧板。 - 請求項1において、
上記基材の側面には、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部が形成されている
ことを特徴とするラッピング化粧板。 - 請求項2において、
上記収容凹部は、上記重複部分に対応する形状に形成されている
ことを特徴とするラッピング化粧板。 - 請求項2又は3において、
上記基材の表面の周縁部は、外側に向かうほど裏面側に位置する面取り部に構成され、
上記基材の周囲側面の各辺には、隣接するラッピング化粧板の基材と係合する雌実又は雄実がそれぞれ形成され、
上記収容凹部は、上記基材の表裏方向において、上記面取り部の裏側端部と上記雌実又は雄実の表側端面との間に形成されている
ことを特徴とするラッピング化粧板。 - 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
上記基材は、木質材料からなる板状部材によって構成されている
ことを特徴とするラッピング化粧板。 - 板状の基材と、該基材の表面及び周囲側面に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板の製造方法であって、
上記基材の表面よりも大きい上記シートを、周縁部が上記基材の周囲側面に位置するように折り曲げて上記基材の表面と周囲側面とに接着するシート接着工程と、
上記シート接着工程において、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ねて接着する余剰部分処理工程とを備えている
ことを特徴とするラッピング化粧板の製造方法。 - 請求項6において、
上記シート接着工程の前に、上記基材の側面の一部を切り欠いて、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成する切り欠き工程を備え、
上記余剰部分処理工程は、
上記余剰部分を折り曲げて上記側面接着部に重ねる折り曲げ工程と、
上記余剰部分が該側面接着部に重なる重複部分を、上記収容凹部に押し込みながら上記余剰部分を上記側面接着部に接着する接着工程とを備えている
ことを特徴とするラッピング化粧板の製造方法。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5294403A (en) * | 1976-01-30 | 1977-08-09 | Toppan Printing Co Ltd | Method of producing hexagonal decorated board |
JP2003227203A (ja) * | 2002-01-31 | 2003-08-15 | Kokuyo Co Ltd | パネル |
JP2015020306A (ja) * | 2013-07-17 | 2015-02-02 | 大建工業株式会社 | ラッピング化粧板の製造方法及び製造装置 |
-
2016
- 2016-03-22 JP JP2016057567A patent/JP6200538B1/ja active Active
Patent Citations (3)
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