JP2017172011A - アルミニウム合金ブレージングシート - Google Patents
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Abstract
【課題】犠牲陽極材側の耐食性だけでなく、ろう材側の耐食性にも優れ、さらに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れるアルミニウム合金ブレージングシートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシート1は、心材2と、犠牲陽極材3と、ろう材4と、を備え、犠牲陽極材3のZnの含有量をCZn、犠牲陽極材3の厚さをtS、ろう材4の厚さをtB、アルミニウム合金ブレージングシート1の厚さをt、とした場合、a=CZn×erf(tS/55)で算出されるaが、1.0以上5.0以下、かつ、b=0.5×CZn×{erf((tS−t+tB)/55)+erf((tS+t−tB)/55)}で算出されるbが1.00以下であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム合金ブレージングシートに関し、特に、自動車用熱交換器等に使用されるアルミニウム合金ブレージングシートに関する。
ラジエータやヒータ等の自動車用熱交換器の構成部品であるチューブは、外面(ろう材側)は大気に曝され、内面(犠牲陽極材側)は冷却水等の冷媒に曝される。そして、チューブがこのような腐食環境に曝され続けると、表面に孔食が生じ、貫通孔が形成されるおそれがある。
チューブの内面(犠牲陽極材側)の防食対策としては、これまでにも、犠牲陽極材と心材との電位差を確保するとともに、自己防食効果を高めることを狙った技術が提案されている。
具体的には、特許文献1において、心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材と、からなるアルミニウム合金クラッド材であって、前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材が開示されている。
近年、自動車用熱交換器に対して軽量化が要求されていることから、熱交換器の材料として使用されるアルミニウム合金ブレージングシートにも薄肉化が求められている。
この薄肉化への要求に対して、特許文献1に係る技術を適用しようとすると、ろう付加熱時に犠牲陽極材のZnがろう材へ拡散し、ろう材側の電位が卑化することによって、チューブの外面(ろう材側)の耐食性が低下する可能性がある。
つまり、特許文献1に係る技術は、ろう材側の耐食性を向上させる点において改善の余地が存在していた。
この薄肉化への要求に対して、特許文献1に係る技術を適用しようとすると、ろう付加熱時に犠牲陽極材のZnがろう材へ拡散し、ろう材側の電位が卑化することによって、チューブの外面(ろう材側)の耐食性が低下する可能性がある。
つまり、特許文献1に係る技術は、ろう材側の耐食性を向上させる点において改善の余地が存在していた。
また、アルミニウム合金ブレージングシートをチューブ等の熱交換器の構成部品に適用することを考慮すると、当然、優れたろう付後強度や成形性も要求される。
そこで、本発明は、犠牲陽極材側の耐食性だけでなく、ろう材側の耐食性にも優れ、さらに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れるアルミニウム合金ブレージングシートを提供することを課題とする。
本発明者等は、ろう付加熱時における犠牲陽極材のZnが拡散する態様と耐食性との関係を鋭意検討した。そして、数多くの試験結果に基づき、ろう付相当加熱後において、犠牲陽極材表面でのZn量を推測する式、及び、ろう材と心材との界面でのZn量を推測する式を導き出し、この2つの式から算出される値を特定することにより、犠牲陽極材側とろう材側(以下、適宜「両側」という)での耐食性を両立できることを見出した。
さらに、本発明者等は、心材のMgが、Mg−Si系、Al−Mg−Si−Cu系の金属間化合物として心材の粒界で優先的に析出することを確認しており、Si、Cuの固溶元素の欠乏層が粒界近傍に形成されてしまうと推定している。そして、この欠乏層は、粒内よりも電位が卑なために優先的に腐食し易いため、粒界腐食感受性を高め、耐食性を低下させることも解明した。よって、心材のMgの含有量を特定することにより、粒界腐食感受性を軽減し、ろう材側での耐食性をさらに向上できることも見出した。
これらの知見に基づき、本発明を創出した。
これらの知見に基づき、本発明を創出した。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材と、前記心材の一方の面に設けられる犠牲陽極材と、前記心材の他方の面に設けられるろう材と、を備えるアルミニウム合金ブレージングシートであって、前記心材は、Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mn:0.50質量%以上2.00質量%以下、Cu:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.10質量%未満、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:7.0質量%以上15.0質量%以下、Si:0.30質量%以上1.20質量%以下、Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記ろう材はAl−Si系合金からなり、前記犠牲陽極材のZnの含有量をCZn(質量%)、前記犠牲陽極材の厚さをtS(μm)、前記ろう材の厚さをtB(μm)、前記アルミニウム合金ブレージングシートの厚さをt(μm)、とした場合、a=CZn×erf(tS/55)で算出される前記aが、1.0以上5.0以下、かつ、b=0.5×CZn×{erf((tS−t+tB)/55)+erf((tS+t−tB)/55)}で算出される前記bが1.00以下であり、厚さが200μm以下である。
このように、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材のMg等の含有量が特定されているとともに、犠牲陽極材の各組成の含有量が特定され、さらに、ろう付相当加熱後において、犠牲陽極材表面でのZn量を推測する式から算出される値と、ろう材と心材との界面でのZn量を推測する式から算出される値とが特定されていることにより、両側での耐食性が優れたものとなる。
また、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材の各成分の含有量等が特定されていることにより、ろう付後強度、及び、成形性に優れたものとなる。
また、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材の各成分の含有量等が特定されていることにより、ろう付後強度、及び、成形性に優れたものとなる。
また、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、前記犠牲陽極材が、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有していてもよい。
このように、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、犠牲陽極材にTi、Cr、Zrを含有していても、両側での耐食性が優れたものとなるとともに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れたものとなる。
このように、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、犠牲陽極材にTi、Cr、Zrを含有していても、両側での耐食性が優れたものとなるとともに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れたものとなる。
また、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、前記心材が、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有していてもよい。
このように、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材にTi、Cr、Zrを含有していても、両側での耐食性が優れたものとなるとともに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れたものとなる。
このように、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材にTi、Cr、Zrを含有していても、両側での耐食性が優れたものとなるとともに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れたものとなる。
本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材、犠牲陽極材の各組成の含有量が特定されているとともに、ろう付相当加熱後において、犠牲陽極材表面でのZn量を推測する式から算出される値と、ろう材と心材との界面でのZn量を推測する式から算出される値とが特定されていることによって、犠牲陽極材側の耐食性だけでなく、ろう材側の耐食性にも優れ、さらに、ろう付後強度、及び、成形性にも優れる。
以下、適宜図面を参照して、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートを実施するための形態(実施形態)について説明する。
[アルミニウム合金ブレージングシート]
本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシート(以下、適宜、ブレージングシートという)は、図1に示すように、心材2と、心材2の一方の面に設けられる犠牲陽極材3と、前記心材2の他方の面に設けられるろう材4と、を備える3層構造のブレージングシート1である。
そして、本実施形態に係るブレージングシート1は、心材2、及び、犠牲陽極材3の組成の含有量が特定されているとともに、2つの式にて算出されるa値とb値とが所定の範囲内又は所定値以下であり、厚さが所定値以下である。
本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシート(以下、適宜、ブレージングシートという)は、図1に示すように、心材2と、心材2の一方の面に設けられる犠牲陽極材3と、前記心材2の他方の面に設けられるろう材4と、を備える3層構造のブレージングシート1である。
そして、本実施形態に係るブレージングシート1は、心材2、及び、犠牲陽極材3の組成の含有量が特定されているとともに、2つの式にて算出されるa値とb値とが所定の範囲内又は所定値以下であり、厚さが所定値以下である。
以下、本実施形態に係るブレージングシートの心材の組成、犠牲陽極材の組成、a値、b値、及び、板厚について数値限定した理由を詳細に説明する。
[心材]
本実施形態に係るブレージングシートの心材は、Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mn:0.50質量%以上2.00質量%以下、Cu:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.10質量%未満、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの心材は、前記の成分以外にも、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有してもよい。
なお、心材の厚さは特に限定されないが、35μm以上190μm以下が好ましい。
本実施形態に係るブレージングシートの心材は、Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mn:0.50質量%以上2.00質量%以下、Cu:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.10質量%未満、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの心材は、前記の成分以外にも、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有してもよい。
なお、心材の厚さは特に限定されないが、35μm以上190μm以下が好ましい。
(心材のSi:0.10質量%以上1.00質量%以下)
Siは、Mnと共存させた場合、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させる。Siの含有量が0.10質量%未満では、ろう付後強度の向上という効果が小さい。一方、Siの含有量が1.00質量%を超えると心材の固相線温度が低下するため、ろう付時に心材が溶融する。
したがって、心材のSiの含有量は、0.10質量%以上1.00質量%以下である。
Siは、Mnと共存させた場合、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させる。Siの含有量が0.10質量%未満では、ろう付後強度の向上という効果が小さい。一方、Siの含有量が1.00質量%を超えると心材の固相線温度が低下するため、ろう付時に心材が溶融する。
したがって、心材のSiの含有量は、0.10質量%以上1.00質量%以下である。
(心材のMn:0.50質量%以上2.00質量%以下)
Mnは、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成することにより、ろう付後強度を向上させる。Mnの含有量が0.50質量%未満ではろう付後強度の向上という効果が不十分である。一方、Mnの含有量が2.00質量%を超えると鋳造時に形成される粗大な金属間化合物の量が増加することにより、圧延時の加工性が低下し、割れが発生するとともに圧延が困難となる。
したがって、心材のMnの含有量は、0.50質量%以上2.00質量%以下である。
Mnは、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成することにより、ろう付後強度を向上させる。Mnの含有量が0.50質量%未満ではろう付後強度の向上という効果が不十分である。一方、Mnの含有量が2.00質量%を超えると鋳造時に形成される粗大な金属間化合物の量が増加することにより、圧延時の加工性が低下し、割れが発生するとともに圧延が困難となる。
したがって、心材のMnの含有量は、0.50質量%以上2.00質量%以下である。
(心材のCu:0.10質量%以上1.00質量%以下)
Cuは、固溶することにより、ろう付後強度を向上させる。Cuの含有量が0.10質量%未満ではろう付後強度の向上という効果が不十分である。一方、Cuの含有量が1.00質量%を超えると心材の固相線温度が低下するため、ろう付時に心材が溶融する。
したがって、心材のCuの含有量は、0.10質量%以上1.00質量%以下である。
Cuは、固溶することにより、ろう付後強度を向上させる。Cuの含有量が0.10質量%未満ではろう付後強度の向上という効果が不十分である。一方、Cuの含有量が1.00質量%を超えると心材の固相線温度が低下するため、ろう付時に心材が溶融する。
したがって、心材のCuの含有量は、0.10質量%以上1.00質量%以下である。
(心材のMg:0.10質量%未満)
Mgは、Mg−Si系、Al−Mg−Si−Cu系金属間化合物を心材の粒界に析出させることにより、Si、Cuの固溶元素の欠乏層を粒界近傍に形成させる。そして、この欠乏層は、粒内よりも電位が卑なために優先的に腐食し易いため、粒界腐食感受性を高め、耐食性を低下させる。Mgの含有量が0.10質量%以上であると、粒界腐食感受性の向上が顕著となり、ろう材側の耐食性を低下させてしまう。
したがって、心材のMgの含有量は、0.10質量%未満(0.00質量%を含む)である。
Mgは、Mg−Si系、Al−Mg−Si−Cu系金属間化合物を心材の粒界に析出させることにより、Si、Cuの固溶元素の欠乏層を粒界近傍に形成させる。そして、この欠乏層は、粒内よりも電位が卑なために優先的に腐食し易いため、粒界腐食感受性を高め、耐食性を低下させる。Mgの含有量が0.10質量%以上であると、粒界腐食感受性の向上が顕著となり、ろう材側の耐食性を低下させてしまう。
したがって、心材のMgの含有量は、0.10質量%未満(0.00質量%を含む)である。
なお、ろう材側の耐食性をより向上させるために、心材のMgの含有量は、0.03質量%未満が好ましく、0.00質量%であるのがより好ましい。ただし、不可避的不純物として、心材にMgが0.005質量%以下程度含まれていてもよい。
(心材のTi:0.30質量%以下)
Tiは、Al合金中に層状に分布することによって、板厚方向への腐食の進行速度を低減させることができるため、耐食性の向上に寄与する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が形成されるため成形性が低下する。
したがって、心材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Tiを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のTiの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Tiは、Al合金中に層状に分布することによって、板厚方向への腐食の進行速度を低減させることができるため、耐食性の向上に寄与する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が形成されるため成形性が低下する。
したがって、心材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Tiを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のTiの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
(心材のCr:0.30質量%以下)
Crは、Al−Cr系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させることができる。ただし、Crの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が増え、成形性が低下するおそれがある。
したがって、心材にCrを含有させる場合、Crの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Crを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のCrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Crは、Al−Cr系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させることができる。ただし、Crの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が増え、成形性が低下するおそれがある。
したがって、心材にCrを含有させる場合、Crの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Crを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のCrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
(心材のZr:0.30質量%以下)
Zrは、Al−Zr系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させることができる。ただし、Zrの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が増え、成形性が低下するおそれがある。
したがって、心材にZrを含有させる場合、Zrの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Zrを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のZrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Zrは、Al−Zr系金属間化合物を形成し、ろう付後強度を向上させることができる。ただし、Zrの含有量が0.30質量%を超えると、粗大な金属間化合物が増え、成形性が低下するおそれがある。
したがって、心材にZrを含有させる場合、Zrの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Zrを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、心材のZrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
前記した心材のTi、Cr、Zrは、前記した上限値を超えなければ、心材に1種以上、つまり1種が含まれる場合だけでなく、2種、3種が含まれていても、本発明の効果を妨げない。
(心材の残部:Al及び不可避的不純物)
心材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、心材の不可避的不純物として、Fe、Zn等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Fe:0.3質量%未満、Zn:0.1質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
そして、Fe、Znについては、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記した上限値のみ規定しているMgや、必須成分ではないTi、Cr、Zrについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
心材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、心材の不可避的不純物として、Fe、Zn等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Fe:0.3質量%未満、Zn:0.1質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
そして、Fe、Znについては、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記した上限値のみ規定しているMgや、必須成分ではないTi、Cr、Zrについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの犠牲陽極材について説明する。
[犠牲陽極材]
本実施形態に係るブレージングシートの犠牲陽極材は、Zn:7.0質量%以上15.0質量%以下、Si:0.30質量%以上1.20質量%以下、Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの犠牲陽極材は、前記の成分以外にも、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有してもよい。
なお、犠牲陽極材の厚さは特に限定されないが、5μm以上30μm以下が好ましい。
[犠牲陽極材]
本実施形態に係るブレージングシートの犠牲陽極材は、Zn:7.0質量%以上15.0質量%以下、Si:0.30質量%以上1.20質量%以下、Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの犠牲陽極材は、前記の成分以外にも、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有してもよい。
なお、犠牲陽極材の厚さは特に限定されないが、5μm以上30μm以下が好ましい。
(犠牲陽極材のZn:7.0質量%以上15.0質量%以下)
Znは、アルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、犠牲防食効果を付与する。また、Znは、Mn、Siの自己防食効果を高める働きがある。Znの含有量が7.0質量%未満であるとMn、Siの自己防食効果が不十分となる。一方、Znの含有量が15.0質量%を超えると、犠牲陽極材の固相線温度が低下するため、ろう付時に犠牲陽極材が溶融する。
したがって、犠牲陽極材のZnの含有量は、7.0質量%以上15.0質量%以下である。
Znは、アルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、犠牲防食効果を付与する。また、Znは、Mn、Siの自己防食効果を高める働きがある。Znの含有量が7.0質量%未満であるとMn、Siの自己防食効果が不十分となる。一方、Znの含有量が15.0質量%を超えると、犠牲陽極材の固相線温度が低下するため、ろう付時に犠牲陽極材が溶融する。
したがって、犠牲陽極材のZnの含有量は、7.0質量%以上15.0質量%以下である。
なお、耐食性をより向上させるために、犠牲陽極材のZnの含有量は、7.5質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましい。また、ろう付時の犠牲陽極材の溶融をより確実に回避するために、犠牲陽極材のZnの含有量は、14.0質量%以下が好ましく、13.0質量%以下がより好ましい。
(犠牲陽極材のSi:0.30質量%以上1.20質量%以下)
Siは、水に溶出すると不溶性の被膜を形成して自己防食効果を発揮する。そして、Siは、溶出を促進させるZnが共存すると、犠牲陽極材の腐食をさらに抑制する。Siの含有量が0.30質量%未満であると、自己防食効果が不十分となる。一方、Siの含有量が1.20質量%を超えると、犠牲陽極材の固相線温度が低下するため、ろう付時に犠牲陽極材が溶融する。
したがって、犠牲陽極材のSiの含有量は、0.30質量%以上1.20質量%以下である。
Siは、水に溶出すると不溶性の被膜を形成して自己防食効果を発揮する。そして、Siは、溶出を促進させるZnが共存すると、犠牲陽極材の腐食をさらに抑制する。Siの含有量が0.30質量%未満であると、自己防食効果が不十分となる。一方、Siの含有量が1.20質量%を超えると、犠牲陽極材の固相線温度が低下するため、ろう付時に犠牲陽極材が溶融する。
したがって、犠牲陽極材のSiの含有量は、0.30質量%以上1.20質量%以下である。
なお、耐食性をより向上させるために、犠牲陽極材のSiの含有量は、0.35質量%以上が好ましく、0.40質量%以上がより好ましい。また、ろう付時の犠牲陽極材の溶融を確実に回避するために、犠牲陽極材のSiの含有量は、1.15質量%以下が好ましく、1.10質量%以下がより好ましい。
(犠牲陽極材のMn:0.30質量%以上1.80質量%以下)
Mnは、Siと同様、水に溶出すると不溶性の被膜を形成して自己防食効果を発揮する。そして、Mnは、溶出を促進させるZnが共存すると、犠牲陽極材の腐食をさらに抑制する。Mnの含有量が0.30質量%未満であると、自己防食効果が不十分となる。一方、Mnの含有量が1.80質量%を超えると、粗大なAl−Mn系、Al−Mn−Si系の化合物の量が増加し、成形性を低下させる。
したがって、犠牲陽極材のMnの含有量は、0.30質量%以上1.80質量%以下である。
Mnは、Siと同様、水に溶出すると不溶性の被膜を形成して自己防食効果を発揮する。そして、Mnは、溶出を促進させるZnが共存すると、犠牲陽極材の腐食をさらに抑制する。Mnの含有量が0.30質量%未満であると、自己防食効果が不十分となる。一方、Mnの含有量が1.80質量%を超えると、粗大なAl−Mn系、Al−Mn−Si系の化合物の量が増加し、成形性を低下させる。
したがって、犠牲陽極材のMnの含有量は、0.30質量%以上1.80質量%以下である。
なお、耐食性をより向上させるために、犠牲陽極材のMnの含有量は、0.35質量%以上が好ましく、0.40質量%以上がより好ましい。また、成形性の低下をより抑制するために、犠牲陽極材のMnの含有量は、1.70質量%以下が好ましく、1.65質量%以下がより好ましい。
(犠牲陽極材のTi:0.30質量%以下)
Tiは、Al合金中に層状に分布することによって、板厚方向への腐食の進行速度を低減させることができるため、耐食性の向上に寄与する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Ti系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Tiを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のTiの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Tiは、Al合金中に層状に分布することによって、板厚方向への腐食の進行速度を低減させることができるため、耐食性の向上に寄与する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Ti系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Tiを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のTiの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
(犠牲陽極材のCr:0.30質量%以下)
Crは、Al−Cr系金属間化合物を形成して、分散強化することで、ろう付後強度の向上と、結晶粒微細化による耐食性の向上に寄与する。ただし、Crの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Cr系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にCrを含有させる場合、Crの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Crを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のCrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Crは、Al−Cr系金属間化合物を形成して、分散強化することで、ろう付後強度の向上と、結晶粒微細化による耐食性の向上に寄与する。ただし、Crの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Cr系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にCrを含有させる場合、Crの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Crを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のCrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
(犠牲陽極材のZr:0.30質量%以下)
Zrは、Al−Zr系金属間化合物を形成して、分散強化することで、ろう付後強度の向上と、結晶粒微細化による耐食性の向上に寄与する。ただし、Zrの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Zr系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にZrを含有させる場合、Zrの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Zrを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のZrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
Zrは、Al−Zr系金属間化合物を形成して、分散強化することで、ろう付後強度の向上と、結晶粒微細化による耐食性の向上に寄与する。ただし、Zrの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAl−Zr系金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、圧延時に割れが発生し易くなる。
したがって、犠牲陽極材にZrを含有させる場合、Zrの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Zrを含有させることによって得られる効果をより確実なものとするために、犠牲陽極材のZrの含有量は0.01質量%以上が好ましい。
なお、前記したTi、Cr、Zrは、前記した上限値を超えなければ、犠牲陽極材に1種以上、つまり1種が含まれる場合だけでなく、2種、3種が含まれていても、本発明の効果を妨げない。
(犠牲陽極材の残部:Al及び不可避的不純物)
犠牲陽極材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、犠牲陽極材の不可避的不純物として、Cu、Mg、Fe等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Cu:0.1質量%未満、Mg:0.005質量%未満、Fe:0.3質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
そして、Cu、Mg、Feについては、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記した必須成分ではないTi、Cr、Zrについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
犠牲陽極材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、犠牲陽極材の不可避的不純物として、Cu、Mg、Fe等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Cu:0.1質量%未満、Mg:0.005質量%未満、Fe:0.3質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
そして、Cu、Mg、Feについては、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記した必須成分ではないTi、Cr、Zrについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートのろう材について説明する。
[ろう材]
本実施形態に係るブレージングシートのろう材は、アルミニウム合金ブレージングシートのろう付において通常用いられるAl−Si系合金(例えば、3〜13質量%程度のSiを含有するAl−Si系合金)を使用することができる。具体的には、JIS Z 3263:2002に記載されている合金番号4343、4045、4047相当のAl−Si合金等を使用することができる。また、共晶Siの改良処理剤として、ろう材にNa、Sr、Sb等を添加してもよい。
なお、ろう材の厚さは特に限定されないが、5μm以上40μm以下が好ましい。
[ろう材]
本実施形態に係るブレージングシートのろう材は、アルミニウム合金ブレージングシートのろう付において通常用いられるAl−Si系合金(例えば、3〜13質量%程度のSiを含有するAl−Si系合金)を使用することができる。具体的には、JIS Z 3263:2002に記載されている合金番号4343、4045、4047相当のAl−Si合金等を使用することができる。また、共晶Siの改良処理剤として、ろう材にNa、Sr、Sb等を添加してもよい。
なお、ろう材の厚さは特に限定されないが、5μm以上40μm以下が好ましい。
(ろう材の残部:Al及び不可避的不純物)
ろう材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、ろう材の不可避的不純物として、Mn、Cu、Mg、Fe、Zn、Ti、Cr、Zr等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Mn:0.1質量%未満、Cu:0.1質量%未満、Mg:0.005質量%未満、Fe:0.3質量%未満、Zn:0.1質量%未満、Ti:0.01質量%未満、Cr:0.01質量%未満、Zr:0.01質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
ろう材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、ろう材の不可避的不純物として、Mn、Cu、Mg、Fe、Zn、Ti、Cr、Zr等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Mn:0.1質量%未満、Cu:0.1質量%未満、Mg:0.005質量%未満、Fe:0.3質量%未満、Zn:0.1質量%未満、Ti:0.01質量%未満、Cr:0.01質量%未満、Zr:0.01質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
[ろう付相当加熱時における犠牲陽極材のZnが拡散する態様]
本実施形態に係るブレージングシートにろう付相当加熱を施すと、図2Aのグラフに示すように犠牲陽極材に一様に含まれていたZnが、図2Bのグラフに示すように心材、及び、ろう材に拡散する。
そして、本発明者等は、犠牲陽極材側の耐食性を考慮する場合は、犠牲陽極材表面のZn量(a値)を制御する必要があり、ろう材側の耐食性を考慮する場合は、ろう材と心材との界面でのZn量(b値)を制御する必要があることを見出した。
本実施形態に係るブレージングシートにろう付相当加熱を施すと、図2Aのグラフに示すように犠牲陽極材に一様に含まれていたZnが、図2Bのグラフに示すように心材、及び、ろう材に拡散する。
そして、本発明者等は、犠牲陽極材側の耐食性を考慮する場合は、犠牲陽極材表面のZn量(a値)を制御する必要があり、ろう材側の耐食性を考慮する場合は、ろう材と心材との界面でのZn量(b値)を制御する必要があることを見出した。
そこで、ろう付相当の熱処理を想定した、600℃で5分(窒素雰囲気下)、300℃以上600℃以下の範囲での平均昇降温速度60℃/minで熱処理したときの犠牲陽極材のZnが拡散する態様と、数々の試験結果と、に基づいて、前記のa値とb値とは、以下の2つの式で算出することができることを突き止めた。
a=CZn×erf(tS/55)
b=0.5×CZn×{erf((tS−t+tB)/55)+erf((tS+t−tB)/55)}
式中の「CZn」は犠牲陽極材のZnの含有量(質量%)、「tS」は犠牲陽極材の厚さ(μm)、「tB」はろう材の厚さ(μm)、「t」はアルミニウム合金ブレージングシートの厚さ(μm)である。また、「erf(x)」は誤差関数である。
a=CZn×erf(tS/55)
b=0.5×CZn×{erf((tS−t+tB)/55)+erf((tS+t−tB)/55)}
式中の「CZn」は犠牲陽極材のZnの含有量(質量%)、「tS」は犠牲陽極材の厚さ(μm)、「tB」はろう材の厚さ(μm)、「t」はアルミニウム合金ブレージングシートの厚さ(μm)である。また、「erf(x)」は誤差関数である。
[a値:1.0以上5.0以下]
a値は、ろう付相当加熱後における犠牲陽極材表面のZn量を推測した値である。a値が1.0未満であると、ろう付相当加熱後の犠牲陽極材表面でのZn量が少ないため、電位の卑化度が小さく、犠牲防食効果が不十分となり、犠牲陽極材側(内面側)の耐食性が低下する。一方、a値が5.0を超えると、ろう付相当加熱後の犠牲陽極材表面でのZn量が多くなり、犠牲陽極材の電位が卑化し過ぎることで、自己消耗速度が促進され、犠牲陽極材側(内面側)の耐食性が低下する。
したがって、a値は、1.0以上5.0以下である。
a値は、ろう付相当加熱後における犠牲陽極材表面のZn量を推測した値である。a値が1.0未満であると、ろう付相当加熱後の犠牲陽極材表面でのZn量が少ないため、電位の卑化度が小さく、犠牲防食効果が不十分となり、犠牲陽極材側(内面側)の耐食性が低下する。一方、a値が5.0を超えると、ろう付相当加熱後の犠牲陽極材表面でのZn量が多くなり、犠牲陽極材の電位が卑化し過ぎることで、自己消耗速度が促進され、犠牲陽極材側(内面側)の耐食性が低下する。
したがって、a値は、1.0以上5.0以下である。
なお、犠牲陽極材の犠牲防食効果をより向上させるため、a値は、1.2以上が好ましい。また、犠牲陽極材の自己消耗速度をより抑制させるため、a値は、4.6以下が好ましい。
[b値:1.00以下]
a値は、ろう付相当加熱後におけるろう材と心材との界面でのZn量を推測した値である。b値が1.00を超えると、ろう付相当加熱後のろう材と心材との界面でのZn量が多くなり、ろう材側の電位が卑化することで、ろう材側(外面側)の耐食性が低下する。
したがって、b値は、1.00以下である。
a値は、ろう付相当加熱後におけるろう材と心材との界面でのZn量を推測した値である。b値が1.00を超えると、ろう付相当加熱後のろう材と心材との界面でのZn量が多くなり、ろう材側の電位が卑化することで、ろう材側(外面側)の耐食性が低下する。
したがって、b値は、1.00以下である。
なお、ろう材側の耐食性をより向上させるため、b値は、0.90以下が好ましい。一方、b値の下限は特に限定されず、0.00でもよい。
[厚さ:200μm以下]
本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、200μmを超えると、材料の成形時に犠牲陽極材表面にかかる応力が大きくなり、犠牲陽極材に割れが生じやすく、成形性が低下する。特に、犠牲陽極材にMn、Siを含有し、Al−Mn系やAl−Mn−Si系金属間化合物を有する材料を成形すると、当該金属間化合物が起点となり犠牲陽極材の割れが助長されやすくなる。
したがって、ブレージングシートの厚さは、200μm以下である。
本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、200μmを超えると、材料の成形時に犠牲陽極材表面にかかる応力が大きくなり、犠牲陽極材に割れが生じやすく、成形性が低下する。特に、犠牲陽極材にMn、Siを含有し、Al−Mn系やAl−Mn−Si系金属間化合物を有する材料を成形すると、当該金属間化合物が起点となり犠牲陽極材の割れが助長されやすくなる。
したがって、ブレージングシートの厚さは、200μm以下である。
なお、成形性をより良くするため、ブレージングシートの厚さは、180μm以下が好ましい。一方、ブレージングシートが薄過ぎると、犠牲陽極材側又はろう材側で腐食が生じた場合に、板厚に対する腐食ピットの深さの割合が大きくなるため、外力が材料に付加されると、腐食ピットを起点として材料が破断し易くなる。よって、ブレージングシートの厚さは、80μm以上が好ましい。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法について説明する。
[アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法]
本実施形態に係るブレージングシートの製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、犠牲陽極材、ろう材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて面削(鋳塊の表面平滑化処理)、均質化処理して、それぞれの鋳塊を得る。均質化処理は、例えば、心材及び犠牲陽極材については430〜600℃×10時間以下の熱処理、ろう材については430〜560℃×10時間以下の熱処理を行う。
[アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法]
本実施形態に係るブレージングシートの製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、犠牲陽極材、ろう材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて面削(鋳塊の表面平滑化処理)、均質化処理して、それぞれの鋳塊を得る。均質化処理は、例えば、心材及び犠牲陽極材については430〜600℃×10時間以下の熱処理、ろう材については430〜560℃×10時間以下の熱処理を行う。
次に、それぞれの鋳塊を熱間圧延により、所定のクラッド率になるようにそれぞれ所定厚さの板材とする。次に、心材用の板材を、犠牲陽極材用の板材とろう材用の板材で挟んで重ね合わせ、この重ね合わせ材に熱処理(再加熱)を行った後、熱間圧延により圧着して一体の板材とし、さらに所定の最終板厚となるまで冷間圧延を行い、アルミニウム合金ブレージングシートとする(クラッド圧延)。前記冷間圧延において、必要に応じて中間焼鈍(連続焼鈍)を行ってもよい。また、最終板厚とした後に仕上げ焼鈍を実施してもよい。
本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法は、以上説明したとおりであるが、前記各工程において、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、前記各工程での処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることは言うまでもない。
次に、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートについて、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
[供試材作製]
表1に示す組成の犠牲陽極材、表2に示す組成の心材、Al−10%Si合金のろう材、をDC鋳造により造塊し、各々所望の厚さまで両面を面削した。犠牲陽極材、心材、及び、ろう材にはそれぞれ均質化処理(530℃×4h)を施し、ろう材−心材−犠牲陽極材の順で組み合わせて500℃×4hの加熱を施した後、3.0mm厚まで熱間圧延した。熱間圧延後、冷間圧延を施し、230℃×4hの条件で最終焼鈍を施すことで供試材を作製した。
最終的に得られた供試材の厚さ(t)、犠牲陽極材の厚さ(tS)、及び、ろう材の厚さ(tB)を表3、4、5に示す。
表1に示す組成の犠牲陽極材、表2に示す組成の心材、Al−10%Si合金のろう材、をDC鋳造により造塊し、各々所望の厚さまで両面を面削した。犠牲陽極材、心材、及び、ろう材にはそれぞれ均質化処理(530℃×4h)を施し、ろう材−心材−犠牲陽極材の順で組み合わせて500℃×4hの加熱を施した後、3.0mm厚まで熱間圧延した。熱間圧延後、冷間圧延を施し、230℃×4hの条件で最終焼鈍を施すことで供試材を作製した。
最終的に得られた供試材の厚さ(t)、犠牲陽極材の厚さ(tS)、及び、ろう材の厚さ(tB)を表3、4、5に示す。
次に、ろう付相当加熱の条件、並びに、犠牲陽極材側の耐食性評価、ろう材側の耐食性評価、ろう付加熱後強度評価の評価方法及び評価基準を示す。
[ろう付相当加熱]
ろう付相当加熱は、供試材を600℃で5分(窒素雰囲気下)、300℃以上600℃以下の範囲での平均昇降温速度60℃/minという条件で実施した。
なお、ろう付相当加熱時に、溶融した供試材については、各評価を行わなかった。
ろう付相当加熱は、供試材を600℃で5分(窒素雰囲気下)、300℃以上600℃以下の範囲での平均昇降温速度60℃/minという条件で実施した。
なお、ろう付相当加熱時に、溶融した供試材については、各評価を行わなかった。
[犠牲陽極材側の耐食性評価]
犠牲陽極材側(内面側)の耐食性評価は、ろう付相当加熱後の供試材の犠牲陽極材側を試験面として、OY水浸漬試験を行うことにより評価した。
詳細には、OY水浸漬試験とは、ろう付相当加熱後の供試材から50mm×50mmの試験片を切り出し、当該試験片の犠牲陽極材側を試験面(中央の40mm×40mm)として、OY水(Cl−:195質量ppm、SO4 2−:60質量ppm、Cu2+:1質量ppm、Fe3+:30質量ppm、pH:3.0)に3ヶ月間浸漬させるというものであった。そして、この浸漬試験は、OY水を、室温から1時間で88℃まで加熱し、この88℃で7時間保持した後、室温まで1時間で冷却し、この室温にて15時間保持するという一連の流れを1日1サイクルとし、3ヶ月間行うというものであった。
犠牲陽極材側(内面側)の耐食性評価は、ろう付相当加熱後の供試材の犠牲陽極材側を試験面として、OY水浸漬試験を行うことにより評価した。
詳細には、OY水浸漬試験とは、ろう付相当加熱後の供試材から50mm×50mmの試験片を切り出し、当該試験片の犠牲陽極材側を試験面(中央の40mm×40mm)として、OY水(Cl−:195質量ppm、SO4 2−:60質量ppm、Cu2+:1質量ppm、Fe3+:30質量ppm、pH:3.0)に3ヶ月間浸漬させるというものであった。そして、この浸漬試験は、OY水を、室温から1時間で88℃まで加熱し、この88℃で7時間保持した後、室温まで1時間で冷却し、この室温にて15時間保持するという一連の流れを1日1サイクルとし、3ヶ月間行うというものであった。
OY水浸漬試験後の犠牲陽極材表面に発生したピット深さを光学顕微鏡による焦点深度法によって求めた。
腐食深さが20μm未満である場合を非常に良好(◎)、20μm以上40μm未満である場合を良好(〇)、40μm以上の場合を不良(×)とした。
腐食深さが20μm未満である場合を非常に良好(◎)、20μm以上40μm未満である場合を良好(〇)、40μm以上の場合を不良(×)とした。
[ろう材側の耐食性評価]
ろう材側(外面側)の耐食性評価は、ろう付相当加熱後の供試材のろう材側を試験面として、ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT(Synthetic sea Water Acetic Acid salt spreyTest)試験を行うことにより評価した。
詳細には、ろう付相当加熱後の供試材から50mm×50mmの試験片を切り出し、当該試験片のろう材側を試験面(中央の40mm×40mm)として、ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT試験を実施した。試験条件は、ASTM D1141による人工海水に酢酸を添加してpH3に調整した腐食試験液(液温49℃)を用い、腐食試験液を30分噴霧したのち、湿潤状態(49℃、98%RH)に90分置き、これを120分1サイクルとして、60サイクル(5日間)実施するというものであった。
ろう材側(外面側)の耐食性評価は、ろう付相当加熱後の供試材のろう材側を試験面として、ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT(Synthetic sea Water Acetic Acid salt spreyTest)試験を行うことにより評価した。
詳細には、ろう付相当加熱後の供試材から50mm×50mmの試験片を切り出し、当該試験片のろう材側を試験面(中央の40mm×40mm)として、ASTM−G85−A3に規定されたSWAAT試験を実施した。試験条件は、ASTM D1141による人工海水に酢酸を添加してpH3に調整した腐食試験液(液温49℃)を用い、腐食試験液を30分噴霧したのち、湿潤状態(49℃、98%RH)に90分置き、これを120分1サイクルとして、60サイクル(5日間)実施するというものであった。
SWAAT試験後のろう材表面に発生したピット深さを光学顕微鏡による焦点深度法によって求めた。
腐食深さが15μm未満である場合を非常に良好(☆)、15μm以上25μm未満である場合を良好(◎)、25μm以上40μm未満である場合を良好(〇)、40μm以上の場合を不良(×)とした。
腐食深さが15μm未満である場合を非常に良好(☆)、15μm以上25μm未満である場合を良好(◎)、25μm以上40μm未満である場合を良好(〇)、40μm以上の場合を不良(×)とした。
[ろう付後強度評価]
ろう付相当加熱後の供試材から、引張方向が圧延方向と平行となるように、JIS5号試験片を切り出した。この試験片を用いて、JIS Z 2241:2011に準拠して室温にて引張試験を実施し、引張強さを測定した。なお、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
引張強さが150MPa以上のものをろう付強度が良好(○)、150MPa未満のものを不良(×)とした。
ろう付相当加熱後の供試材から、引張方向が圧延方向と平行となるように、JIS5号試験片を切り出した。この試験片を用いて、JIS Z 2241:2011に準拠して室温にて引張試験を実施し、引張強さを測定した。なお、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
引張強さが150MPa以上のものをろう付強度が良好(○)、150MPa未満のものを不良(×)とした。
[成形性評価]
成形性評価は、ろう付相当加熱を施していない供試材を、犠牲陽極材面が外側になるようにし、JIS Z 2248:2006に準拠して密着曲げ試験を行うことによって評価した。曲げR部(幅15mm)の割れ状態を目視で観察し、割れが0か所であれば非常に良好(◎)、割れが1か所〜5か所であれば良好(○)、6か所以上であれば不良(×)とした。
成形性評価は、ろう付相当加熱を施していない供試材を、犠牲陽極材面が外側になるようにし、JIS Z 2248:2006に準拠して密着曲げ試験を行うことによって評価した。曲げR部(幅15mm)の割れ状態を目視で観察し、割れが0か所であれば非常に良好(◎)、割れが1か所〜5か所であれば良好(○)、6か所以上であれば不良(×)とした。
以下、表1には、犠牲陽極材の組成、表2には、心材の組成、表3、4、5には、供試材の構成、及び、評価結果を示す。
なお、表1の犠牲陽極材、及び表2の心材の残部はAl及び不可避的不純物であり、表中の「−」は、含有していない(検出限界以下である)ことを示す。また、表では、供試材の厚さをt、犠牲陽極材の厚さをtS、ろう材の厚さをtBと示す。
なお、表1の犠牲陽極材、及び表2の心材の残部はAl及び不可避的不純物であり、表中の「−」は、含有していない(検出限界以下である)ことを示す。また、表では、供試材の厚さをt、犠牲陽極材の厚さをtS、ろう材の厚さをtBと示す。
[結果の検討]
供試材1−1〜1−17、供試材2−1〜2−18、供試材3−1〜3−20については、本発明の規定する要件を全て満たしていたことから、「犠牲陽極材側の耐食性」、「ろう材側の耐食性」、「ろう付後強度」、「成形性」のいずれの評価も良好という結果となった。
供試材1−1〜1−17、供試材2−1〜2−18、供試材3−1〜3−20については、本発明の規定する要件を全て満たしていたことから、「犠牲陽極材側の耐食性」、「ろう材側の耐食性」、「ろう付後強度」、「成形性」のいずれの評価も良好という結果となった。
一方、供試材1−18〜1−23、供試材2−19〜2−25、供試材3−21〜3−27については、本発明の規定する要件を満足しないことから、いずれかの評価項目において不良との結果となった。詳細には、以下のとおりである。
供試材1−18は、犠牲陽極材のZnの含有量が少なかったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材1−19は、犠牲陽極材のZnの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に犠牲陽極材が溶融してしまった。
供試材1−20は、犠牲陽極材のSiの含有量が少なかったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材1−21は、犠牲陽極材のSiの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に犠牲陽極材が溶融してしまった。
供試材1−22は、犠牲陽極材のMnの含有量が少なかったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材1−23は、犠牲陽極材のMnの含有量が多かったため、成形性が不良という結果となった。
供試材1−19は、犠牲陽極材のZnの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に犠牲陽極材が溶融してしまった。
供試材1−20は、犠牲陽極材のSiの含有量が少なかったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材1−21は、犠牲陽極材のSiの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に犠牲陽極材が溶融してしまった。
供試材1−22は、犠牲陽極材のMnの含有量が少なかったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材1−23は、犠牲陽極材のMnの含有量が多かったため、成形性が不良という結果となった。
供試材2−19は、a値が高かったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−20は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−21は、a値が高かったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−22は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−23は、a値が高かったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−24は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−25は、ブレージングシートの厚さが厚かったため、成形性が不良という結果となった。
供試材2−20は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−21は、a値が高かったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−22は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−23は、a値が高かったため、犠牲陽極材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−24は、b値が高かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材2−25は、ブレージングシートの厚さが厚かったため、成形性が不良という結果となった。
供試材3−21は、心材のSiの含有量が少なかったため、ろう付後強度が不良という結果となった。
供試材3−22は、心材のSiの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に心材が溶融してしまった。
供試材3−23は、心材のMnの含有量が少なかったため、ろう付後強度が不良という結果となった。
供試材3−24は、心材のMnの含有量が多かったため、圧延中に割れが発生してしまった。
供試材3−25は、心材のCuの含有量が少なかったため、ろう付後強度が不良という結果となった。
供試材3−26は、心材のCuの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に心材が溶融してしまった。
供試材3−27は、心材のMgの含有量が多かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
供試材3−22は、心材のSiの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に心材が溶融してしまった。
供試材3−23は、心材のMnの含有量が少なかったため、ろう付後強度が不良という結果となった。
供試材3−24は、心材のMnの含有量が多かったため、圧延中に割れが発生してしまった。
供試材3−25は、心材のCuの含有量が少なかったため、ろう付後強度が不良という結果となった。
供試材3−26は、心材のCuの含有量が多かったため、ろう付相当加熱時に心材が溶融してしまった。
供試材3−27は、心材のMgの含有量が多かったため、ろう材側の耐食性が不良という結果となった。
以上の結果より、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、犠牲陽極材側とろう材側との優れた耐食性を両立することができるとともに、ろう付強度、及び、成形性に優れることが確認できた。
1 アルミニウム合金ブレージングシート(ブレージングシート)
2 心材
3 犠牲陽極材
4 ろう材
2 心材
3 犠牲陽極材
4 ろう材
Claims (3)
- 心材と、前記心材の一方の面に設けられる犠牲陽極材と、前記心材の他方の面に設けられるろう材と、を備えるアルミニウム合金ブレージングシートであって、
前記心材は、Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mn:0.50質量%以上2.00質量%以下、Cu:0.10質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.10質量%未満、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
前記犠牲陽極材は、Zn:7.0質量%以上15.0質量%以下、Si:0.30質量%以上1.20質量%以下、Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
前記ろう材はAl−Si系合金からなり、
前記犠牲陽極材のZnの含有量をCZn(質量%)、前記犠牲陽極材の厚さをtS(μm)、前記ろう材の厚さをtB(μm)、前記アルミニウム合金ブレージングシートの厚さをt(μm)、とした場合、a=CZn×erf(tS/55)で算出される前記aが、1.0以上5.0以下、かつ、b=0.5×CZn×{erf((tS−t+tB)/55)+erf((tS+t−tB)/55)}で算出される前記bが1.00以下であり、
厚さが200μm以下であることを特徴とするアルミニウム合金ブレージングシート。 - 前記犠牲陽極材は、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
- 前記心材は、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
Priority Applications (1)
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JP2016060718A JP2017172011A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | アルミニウム合金ブレージングシート |
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- 2016-03-24 JP JP2016060718A patent/JP2017172011A/ja active Pending
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