JP2017171702A - 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、インク収容容器、活性エネルギー線硬化型組成物を用いた像形成装置と像形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、インク収容容器、活性エネルギー線硬化型組成物を用いた像形成装置と像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い硬度と密着性や加熱延伸性を両立させた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化型組成物の提供。【解決手段】(1)エチレン性不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマーと両親媒性官能基を有する無機微粒子とを含み、前記単官能モノマーが全重合性化合物の含有量に対し80質量%以上である活性エネルギー線硬化型組成物。(2)前記両親媒性官能基を有する無機微粒子がシリカ微粒子であり、その表面に親水基含有化合物が化学的に結合している(1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、該組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク、該インクが収容されたインク収容容器、及び該組成物を用いた2次元又は3次元の像形成装置と像形成方法に関する。
従来、光重合性インクは、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに使用されてきたが、近年、乾燥工程の簡略化によるコストダウンや、環境対応としての溶剤の揮発量低減などのメリットから使用量が増加している。
インクジェットインクとしては水系と溶剤系が多く使用されており、各々の特徴に応じて使い分けられている。しかしながら、水系及び溶剤系のインクジェットインクは、工業用としては使用可能な受容基材(インクが塗布される部材、被記録媒体)が制限されること、インク自体の耐水性が比較的悪いこと、インクの乾燥エネルギーが大きいこと、乾燥によってヘッドにインク成分が付着すること、などの問題点を有している。このため、水系及び溶剤系のインクジェットインクを比較的揮発性の低い光重合性インクに置き換えることが検討されている。
また最近は、光重合性インクジェットインクを基材に印刷した後、成形加工(後加工)を施すための要求も多くなっている。印刷部は成形加工物の最表面を覆うため、耐傷付き性、耐凹み性などが求められており、更に基材との密着性が高いことも重要である。耐傷付き性、耐凹み性を担保するには高い硬度を有する必要がある。インクジェットインクには重合性の単官能モノマーを用いることが一般的であるが、単純に単官能モノマーを配合するだけでは十分な硬度を示さない。また、重合性多官能モノマーを配合することにより硬度の上昇が見込まれることは一般的に良く知られているが、硬度の上昇に伴い印字部の剛直性が増し、基材への追従が困難となるため、密着性が失われてしまう。
このように、硬度と密着性は常にトレードオフの関係にあり、従来の技術ではこれらを高度に両立することが出来なかった。
例えば、特許文献1には、吐出性、硬化性、可とう性を課題として、Tgが20℃未満の単官能アクリルモノマーを配合した紫外線硬化型インキに係る発明が、特許文献2には、低Tgと高Tgのモノマーを併用する発明が、それぞれ開示されているが、硬度と延伸性の両立は図られていない。
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、高い硬度と密着性や加熱延伸性を両立させた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化型組成物の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明により解決される。
1) エチレン性不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマーと両親媒性官能基を有する無機微粒子とを含み、前記単官能モノマーが全重合性化合物の含有量に対し80質量%以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
本発明によると、高い硬度と密着性や加熱延伸性を両立させた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化型組成物を提供できる。
本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、その実施の態様には次の2)〜8)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記両親媒性官能基を有する無機微粒子がシリカ微粒子であり、その表面に親水基含有化合物が化学的に結合していることを特徴とする1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
3) 前記親水性基含有化合物の親水性基が、ヒドロキシル基、シラノール基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、これらの基のアルカリ金属塩、ポリアルキレンオキシド基、四級アンモニウム塩基及び四級ホスホニウム塩基からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
4) 1)〜3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク。
5) インクジェット記録方式により被記録媒体の表面に吐出することができる4)に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
6) 4)又は5)に記載の活性エネルギー線硬化型インクが収容されたインク収容容器。
7) 1)〜3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射する照射手段とを備えた2次元又は3次元の像形成装置。
8) 1)〜3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元又は3次元の像形成方法。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、組成物ということもある)は、エチレン性不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマーと両親媒性官能基を有する無機微粒子を含むが、更に必要に応じて、重合開始剤、重合促進剤、色材、有機溶媒、その他の成分を含んでも良い。
<単官能モノマー>
本発明で用いるエチレン性不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマーの例としては、以下のものが挙げられる。フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレ−ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート、N−ビニルホルムアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらのモノマーは必要に応じて二種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの単官能モノマーは、両親媒性官能基を有する無機微粒子の構造に応じて選択して用いることができる。
また、単官能モノマーの配合量は、全重合性化合物に対して80質量%以上にする必要がある。80質量%未満では延伸性に優れた硬化膜が得られない。
<両親媒性官能基を有する無機微粒子>
両親媒性官能基を有する無機微粒子を構成する無機材料としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、ゾノトライト、石膏、アルミボレート、及び、アラミド繊維、グラスファイバー等の各種繊維などが挙げられるが、硬度と透明性と吐出性能の観点からシリカが好ましい。
シリカ微粒子は、通常、表面にシラノール基やそのアルカリ金属塩等の親水性基が存在するのでこのまま用いることも可能であるが、有機成分との親和性を向上させる目的で、親水性基を導入することが好ましい。
シリカ微粒子の表面に、ポリアルキレンオキシド基のような有機親水性基又はヒドロキシル基を高濃度で有するシリケート等の半有機・半無機親水性基を化学的に結合させて表面を保護すると、活性エネルギー線硬化性の有機成分や有機溶媒との親和性が高くなり、同時に塗膜形成時のコロイダルシリカ成分の表面高濃度化が一層容易になる。その結果、塗膜形成時に、ポリアルキレンオキシド基やヒドロキシル基等の親水性基濃度と、シリカ表面のシラノール基やそのアルカリ金属塩等の親水性基濃度が高まるとともに、シリカの吸水性・湿分保持機能を表面に集めることができる。更に場合によってはカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基又はこれらのアルカリ金属塩基を同時に導入することもできる。
親水性基を導入するには、シリカ微粒子の表面に親水性基含有化合物を化学的に結合させる。好ましい親水性基としては、ヒドロキシル基、シラノール基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基及びそれらのアルカリ金属塩、ポリアルキレンオキシド基及びそのアルカリ金属化合物との付加・包接物、四級アンモニウム塩基、四級ホスホニウム塩基等が挙げられる。
これらの中でも、特にポリアルキレンオキシド基、及びヒドロキシル基やシラノール基を高濃度で有するシリケート基が好ましく、これらの親水性基を、適切な官能基を介してシリカ表面に化学的に結合させて導入する。
上記親水性基を有する好ましい化合物としては、例えば、(1)アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン化合物、(2)ポリオキシアルキレン基を有するシリケート化合物、(3)ヒドロキシル基、シラノール基を高濃度で有するシリケート化合物などが挙げられる。以下、順に説明する。

(1)アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン化合物
このような構造を有する代表的な化合物としては、次の(i)〜(iii)の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
(i)アルコキシシリル基を有するイソシアネートとヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物との反応により得られる化合物
(ii)アルコキシシリル基を有するメルカプタンと(メタ)アクリロイル基を有するポリオキシアルキレン化合物との反応により得られる化合物
(iii)アルコキシシリル基を有するエポキシドとヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物との反応により得られる化合物
(i)について
上記アルコキシシリル基を有するイソシアネートとしては、例えばトリエトキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学社製KBE9007)、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、又はトリメトキシシリルプロピルメルカプタン(信越化学社製KBM803、東レダウコーニングシリコン社製SH6062など)等のトリアルコキシシリルアルキルメルカプタンと、ジイソシアネート(例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、MDI、TDI等)の一方のNCO基とをチオウレタン結合で結合した化合物等が挙げられる。
前記ヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールのモノアルキルエーテル(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル等)、ポリエチレングリコールのモノアルキルフェニルエーテル(ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル等)などのエーテル型ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコールのモノカルボン酸エステル(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等)、ポリアルキレングリコールブロックコポリマーのモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールランダムコポリマーのモノアルキルエーテル、又はα,ω−ヒドロキシ末端ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物〔ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/テトラメチレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート等〕が挙げられる。中でも好ましいのは、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル又はポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである。
ヒドロキシル基とイソシアネート基からウレタン結合を生成させるには、例えば各化合物を、NCO基/OH基≦1、の割合で配合し、通常、60〜100℃で1〜20時間混合攪拌すればよい。この反応では、反応中のアクリロイル基による重合等を防止するため、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジンなどの重合禁止剤を用いるのが好ましく、その量は反応混合物に対して、通常0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%である。
また反応を促進するため、例えばジラウリン酸ジ−n−ブチル錫、ジアザビシクロオクタン(DABCO)のような公知の反応触媒を添加してもよい。またこの反応は、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル系溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等の、イソシアネート基と反応し得る基を含まない溶媒中で行うか、又は(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリルアミド基を有する活性エネルギー線硬化性化合物の存在下で行うことができる。更に、前記溶媒中でかつ活性エネルギー線硬化性化合物の存在下で行ってもよい。
(ii)について
前記アルコキシシリル基を有するメルカプタンとしては、例えば、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン(信越化学社製KBM803、東レダウコーニングシリコン社製SH6062等)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を有するポリオキシアルキレン化合物としては、例えば、α,ω−ヒドロキシ末端ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物〔ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/テトラメチレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート等〕が挙げられる。
両者の反応には一般にマイケル付加反応として知られている反応の条件が適用される。この反応は室温、無触媒でも進行するが、触媒を加えて反応を速やかに進行させることが実用上好ましい。反応に使用できる触媒としては、金属アルコキシド、環状アミン、四級アンモニウム塩、3級ホスフィン類等が挙げられる。これらの中でも触媒活性や取り扱い性の面から3級ホスフィン類が好ましく、特にトリフェニルホスフィンが好ましい。
(iii)について
前記アルコキシシリル基を有するエポキシドとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM403等)、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製KBE402等)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM303等)などが挙げられる。
前記ヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物としては、前述した(i)の場合と同様のものが挙げられる。
両者の反応は、エポキシ基とヒドロキシ基との反応における公知の条件が適用される。
(2)ポリオキシアルキレン基を有するシリケート化合物
ポリオキシアルキレン基を有するシリケート化合物は、ヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物(特に片末端にヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物)と、炭素数1〜4のアルキル基を有するシリケート又はそのオリゴマーとの脱アルコール・エステル交換反応により得られる。前記ヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン化合物としては、前述した(1)の(i)の場合と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するシリケートとしては、メチルシリケート(テトラメトキシシラン)、そのオリゴマー(三菱化学社製MS51、MS56等)、エチルシリケート(テトラエトキシシラン)、又はそのオリゴマー、及びこれらと、テトラプロポキシシランやテトラブトキシシランとの共変性オリゴマーなどが挙げられる。特にメチルシリケートオリゴマー、又はメチルシリケートオリゴマーを主成分とし、炭素数2〜4のアルキル基を有するシリケート類で共変性したオリゴマーが反応性や性能から好ましい。
前記脱アルコール・エステル交換反応の触媒の例としては、酸触媒として塩化水素溶液、リン酸溶液、硼酸等の無機酸、リン酸メチルや硼酸メチル等の無機酸エステル類、クエン酸、マレイン酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、アルカリ触媒としてアルコール性水酸化カリウム、アンモニア、トリアルキルアミン類、ジメチルアミノピリジン等の複素環含有アミン類、アルミニウムトリアセチルアセトナート等の金属アセチルアセトン錯体が挙げられる。
前記脱アルコール・エステル交換反応は、通常、室温から100℃で1〜100時間、好ましくは室温で4時間以上反応させた後、室温〜70℃で1〜10時間加熱して反応を進行させる。また反応を促進するため、副生するアルコールを系外に留去・除去してもよい。更に溶媒で反応系を希釈してもよい。溶媒としては加水分解物であるシランアルコキシドや水、触媒との相溶性があるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、THF、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のヒドロキシ基含有エーテル類等が挙げられる。
(3)ヒドロキシル基、シラノール基を高濃度で有するシリケート化合物
ヒドロキシル基、シラノール基を高濃度で有するシリケート化合物は、含フッ素アルコールと炭素数1〜4のアルキル基を有するシリケート又はそのオリゴマーとの脱アルコール・エステル交換反応後、部分加水分解することにより得られる。また、テトラメトキシシラン又はそのオリゴマーを主成分として含有するシリケート化合物を多量の水で加水分解・縮合することによっても得られる。
含フッ素アルコールとしては、他の親水性基との親和性、及び揮発除去の容易さから、炭素数2〜5の含フッ素アルコールが好ましい。代表例としては、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタノール等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するシリケートとしては、前記(2)で列挙したものと同様のものを用いることができる。
また、前記脱アルコール・エステル交換反応の触媒、反応条件、溶媒等は、前記(2)の脱アルコール・エステル交換反応の場合と同様である。
加水分解反応は、シリカ微粒子との反応を行う前に予め行っておいてもよいが、シリカ微粒子との反応時に同時に含フッ素アルコキシ基が効率的にはずれ、ヒドロキシル基やシラノール基を高濃度で生成し得るので、その方が効率面からも望ましい。
テトラメトキシシラン又はそのオリゴマーを主成分として含有するシリケート化合物を多量の水で加水分解・縮合する反応は、通常、全メトキシ基を分解するのに必要な化学量論量の1〜10倍量、好ましくは1.05〜5倍量の水を加えて行う(但し、全メトキシ基を分解するのに必要な化学量論量以上の水を使用した場合でもメトキシ基が全部分解されるのではなく、通常はメトキシ基が残存する)。
この反応についても、前記(2)の場合と同様の条件、媒体中で行うことができる。
シリカ微粒子と親水性基含有化合物との結合反応は、この種の化合物生成において一般的に用いられる種々の方法で行うことができる。基本的にはアルコキシシリル基を加水分解してシラノール基を生成させ、無機酸化物表面のアルコキシ基及び/又はヒドロキシル基と縮合反応を行い、結合させる方法が一般的である。
従って、通常、アルコキシシリル基を有する親水性基含有化合物を、加水分解条件下、シリカ微粒子の表面に縮合反応させることによって、表面に親水性基含有化合物を化学的に結合させることができる。水は塗膜の性能やコート液の安定性を損なわない範囲で用いる。水の量は、アルコキシシリル基に対し1モル%以上とし、好ましくは30モル%以上である。1モル%未満では加水分解、縮合反応が起こりにくい。なお、他に加水分解されやすい官能基を含む場合、過剰量の水が存在すると副反応が起こりやすいので、そのような場合には水の量を400モル%以下に抑える必要がある。また、使用される水としては蒸留水、イオン交換水、工業用水、軟水等が挙げられる。
更に、加水分解、縮合反応を促進するため、塗膜の性能やコート液の性能を損なわない範囲で、酸、アルカリ又はその他の適切な化合物を触媒として添加してもよい。酸触媒の例としては、塩化水素溶液、リン酸溶液、硼酸等の無機酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。アルカリ触媒の例としては、アルコール性水酸化カリウム、アンモニア、トリアルキルアミン類、ジメチルアミノピリジン等の複素環含有アミン類等が挙げられる。また、その他の触媒の例としては、アセチルアセトンアルミニウムのようなアセチルアセトン金属錯体が挙げられる。
シリカ微粒子と親水性基含有化合物の質量比は、シリカ微粒子/親水性基含有化合物=95/5〜10/90、好ましくは85/15〜30/70である。前記範囲よりもシリカ微粒子が多いと、シリカ微粒子の表面保護が不十分となりやすく、一方、前記範囲よりも親水性基含有化合物が多いと、アルコキシシラン自身の重合、架橋による分散状態の不安定化や、著しい粘度上昇等を起こしやすい。
前記結合反応は、通常、室温から100℃で1〜100時間、好ましくは0〜30℃で4時間以上反応させた後、20〜70℃で1〜30時間継続して反応を進行させる。また副反応を抑えるため反応系を溶媒で希釈してもよい。溶媒としては加水分解物であるシランアルコキシドや水、触媒との相溶性があるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、THF、ジオキサン等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のヒドロキシ基含有エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられる。
以上(1)(2)(3)で述べた親水性基含有化合物をシリカ微粒子に反応させる方法とは別に、予めメルカプト基を有するトリアルコキシシラン化合物をシリカ微粒子に反応させ、その後、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレンオキシドのアクリロイル基にメルカプト基を付加させ、同様の親水性基を導入する方法もある。
更に、メルカプト基を有するトリアルコキシシランをシリカ微粒子に反応させ、その後、メルカプト基をジイソシアネート化合物と反応させ、一方のイソシアネート基を用いてチオウレタン結合で結合させ、残りのイソシアネート基にヒドロキシル基を有するポリアルキレンオキシド化合物を作用させてウレタン結合で結合させる方法で、同様の親水性基を導入する方法もある。
<多官能モノマー>
本発明では、単官能モノマーに加えてエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能モノマーを用いることもできる。その例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化−1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの多官能のモノマーは必要に応じて二種以上を組み合わせて用いても良い。
<オリゴマー>
本発明では、単官能モノマーに加えて、エチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーを用いることができる。その例としては、芳香族ウレタンオリゴマー、脂肪族ウレタンオリゴマー、エポキシアクリレートリゴマー、ポリエステルアクリレートリゴマー、その他の特殊オリゴマーが挙げられる。
その市販品としては、日本化学合成社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B、UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454、サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701等が挙げられ、これらを併用することも可能である。
また、合成により得たオリゴマーを単独で又は併用することも可能である。
前記オリゴマーの中でも、不飽和炭素−炭素結合が2個〜5個のものが好ましく、更に2個のものが良好な延伸性が得られるので最も好ましい。
(非重合性樹脂)
本発明では更に重合性のエチレン性不飽和二重結合を持たない非重合性樹脂を用いてもよい。その例としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、PVC系樹脂、ケトン系樹脂、エポキシ系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、フェノキシ系樹脂、又はこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、アクリル系樹脂として、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)、Elvacite 4026、Elvacite 2028(Lucite International,Inc)等;ポリエステル系樹脂としてエリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等;ポリウレタン系樹脂として、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等;PVC系樹脂としてSOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等;ケトン系樹脂として、ハイラック(日立化成社製)、SK(デグザ社製)等;エポキシ系樹脂として、EPPN−201(日本化薬社製)、HP−7200(DIC社製)等;ニトロセルロース系樹脂として、HIG,LIG、SL,VX(旭化成社製)、工業用ニトロセルロースRS、SS(ダイセル化学社製);フェノキシ系樹脂として、YP−50、YP−50S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
また合成により得られた非重合性樹脂を用いても良く、前記市販品と併用してもよい。非重合性樹脂を合成する場合、原料として重合性のエチレン性不飽和二重結合を持つ材料を用いても良い。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他の成分としては特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し分散させて顔料分散液を調製し、該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34′×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細は後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、少なくとも、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部とを備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように加温機構を設けてもよい。また必要に応じて接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「%」は、特に断りがない限り、
「質量%」である。
実施例及び比較例で用いた材料は次のとおりである。また、表1−1、表1−2の実施例、及び表2の比較例の各欄に、これらの材料の種類及び配合量(質量部)を示す。
(単官能モノマー)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA:大阪有機工業社製)
・フェノキシエチルアクリレート(PEA)(SR339:サートマー社製)
・フェノキシジエチレングリコールアクリレート(PHE−2D:第一工業製薬社製)
・メトキシグリコールアクリレート(ME−3:第一工業製薬社製)

(多官能モノマー)
・1,3−ブチレングリコールジアクリレート:SR212(サートマー社製)

(オリゴマー)
・ポリエステル系ウレタンアクリレートオリゴマー:紫光UV−3010B(日本合成化学工業社製)

(非重合性樹脂)
・バイロン:GA−1310、Mn:20×103(東洋紡社製)
(重合開始剤)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:Irgacure 184(BASF社製)
・2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン:LUCIRIN TPO(BASF社製)
・2,4−ジエチルチオキサントン:KAYACURE−DETX−S(日本化薬社製)

(色材)
シアン顔料
三陽色素社製フタロシアニンブルーと、日本ルーブリゾール社製高分子分散剤S32000の質量比3:1の混合物
(無機微粒子)
シリカ微粒子
[製造例1] シランカップリング剤(S1)の調製
平均分子量350の片末端がメトキシ基のポリエチレングリコール350gとトリエトキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学社製、KBE9007)247gを、メチルエチルケトン597gで希釈し、縮合触媒としてジブチルスズジラウレート0.2gを加え、室温〜80℃で5時間反応させて、ポリエチレングリコール鎖を有するシランカップリング剤(S1)を得た(固形分50%)。
[製造例2] シランカップリング剤(S2)の調製
平均分子量400の片末端アクリル酸エステルのポリエチレングリコール(日本油脂社製、ブレンマーAE−400)400gと、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学社製、KBE9007)247gを、メチルエチルケトン650gで希釈し、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.4g、縮合触媒としてジブチルスズジラウレート0.2gを加え、室温〜80℃で5時間反応させて、ポリエチレングリコール鎖を有するシランカップリング剤(S2)を得た(固形分50%)。
[製造例3] シリケート(S3)の調製
テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学社製MKCシリケートMS51)152gと平均分子量350のポリエチレングリコールモノメチルエーテル350gを、520gのメチルエチルケトンに溶解させ、アルミニウムトリアセチルアセトナート1g、硼酸トリブチル0.3gを加え、メタノールを除去しながら20〜70℃で8時間反応させて、ポリエチレングリコール鎖を有するシリケート(S3)を得た(固形分50%)。
[製造例4] シリケート(S4)の調製
テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学社製MKCシリケートMS51)152gと平均分子量400のポリエチレングリコールモノアクリレート(日本油脂社製、ブレンマーAE−400)400gを、570gのメチルエチルケトンに溶解させ、アルミニウムトリアセチルアセトナート1g、硼酸トリブチル0.3g、重合禁止剤のp−メトキシフェノール0.2gを加え、メタノールを除去しながら20〜70℃で8時間反応させて、ポリエチレングリコール鎖を有するシリケート(S4)を得た(固形分50%)。
[製造例5] シリケート(S5)の調製
テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学社製MKCシリケートMS51)152gと平均分子量1100のポリエチレングリコールモノラウリルエーテル1100gを、1300gのメチルエチルケトンに溶解させ、アルミニウムトリアセチルアセトナート1g、硼酸トリブチル0.3gを加え、メタノールを除去しながら20〜70℃で8時間反応させてポリエチレングリコール鎖を有するシリケート(S5)を得た(固形分50%)。
[製造例6] シリケート(S6)の調製
テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学社製MKCシリケートMS51)152gとトリフルオロエタノール100gを、250gのメチルエチルケトンに溶解させ、アルミニウムトリアセチルアセトナート1g、硼酸トリブチル0.3gを加え、メタノールを除去しながら20〜70℃で8時間反応させて、トリフルオロエトキシ基を有するシリケートを得た。次に、このシリケート溶液に1.5gの水を加え、トリフルオロエタノールを除去しながら20〜70℃で8時間反応させて、ヒドロキシル基とシラノール基を高濃度で有するシリケート(S6)を得た(固形分50%)。
[製造例7] シリケート(S7)の調製
テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学社製MKCシリケートMS51)100gを105gのエタノールに溶解させ、アルミニウムトリアセチルアセトナート1g、水20gを加え、20〜30℃で4時間反応させて、シラノール基を高濃度で有するシリケート(S7)(部分加水分解縮合物)を得た(固形分50%)。
[製造例8]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)で溶媒置換し、水を除いた後、PGMで濃度15%に調整した。次いで、100gのPGMを添加した後、シランカップリング剤(S1)10g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2g、水0.4gを加え、20〜30℃で24時間反応させて、親水性基としてメトキシ末端ポリエチレンオキシド基を有するシリカ微粒子(A−01)を得た。
[製造例9]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100gをPGMで溶媒置換し、固形分を15%に調整した後、PGM100g、シランカップリング剤(S2)10g、p−メトキシフェノール0.2g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2g、水0.4gを加え、20〜30℃で24時間反応させて、親水性基としてアクリレート末端ポリエチレンオキシド基を有するシリカ微粒子(A−02)を得た。
[製造例10]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100gをPGMで溶媒置換し、固形分を15%に調整した後、PGM100g、シリケート(S3)10g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2g、水0.8gを加え、20〜50℃で24時間反応させて、親水性基としてメトキシ末端ポリエチレンオキシド基を有するシリケート基を有するシリカ微粒子(A−03)を得た。
[製造例11]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100gをPGMで溶媒置換し、固形分を15%に調整した後、PGM100g、シリケート(S4)10g、p−メトキシフェノール0.2g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2gを加え、20〜70℃で10時間反応させて、親水性基としてアクリレート末端ポリエチレンオキシド基を有するシリケート基を有するシリカ微粒子(A−04)を得た。
[製造例12]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100gをPGMで溶媒置換し、固形分を15%に調整した後、PGM100g、シリケート(S5)10g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2gを加え、20〜70℃で10時間反応させて、親水性基としてラウリルエーテル末端ポリエチレンオキシド基を有するシリケート基を有するシリカ微粒子(A−05)を得た。
[製造例13]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100g、イソプロパノール100g、シリケート(S6)10g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2gを加え、20〜70℃で10時間反応させて、親水性基としてヒドロキシル基、シラノール基を高濃度で有するシリケート基を有するシリカ微粒子(A−06)を得た。
[製造例14]
シリカ微粒子SFP−20M(電気化学工業社製)100g、イソプロパノール100g、シリケート(S7)10g、アルミニウムトリアセチルアセトナート0.2gを加え、20〜70℃で10時間反応させて、親水性基としてヒドロキシル基、シラノール基を高濃度で有するシリケート基を有するシリカ微粒子(A−07)を得た。
[製造例15]
ジルコニア微粒子(TZ−3Y−E、東ソー社製)10gに、表面修飾剤としてシランカップリング剤AY43−048(東レダウシリコーン社製)を5g加えて乾式混合し、ジルコニア微粒子の表面を表面修飾剤により修飾した(B−01)を得た。
[実施例1]
表1−1の実施例1の欄に示す材料を表の上から順に攪拌しながら添加混合し、1時間攪拌した後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過してヘッド詰まりの原因となる粗大粒子を除去し、インクを作製した。
このインクを、GEN4ヘッド(リコープリンティングシステムズ社製)搭載のインクジェット吐出装置を用いて、膜厚10μmになるようにポリカーボネートフィルム上に吐出した。吐出の直後に、フュージョンシステムズジャパン社製のUV照射機LH6により光量1500mJ/cmで紫外線を照射して硬化物を得た。
[実施例2〜15、比較例1〜10]
表1−1、表1−2の実施例2〜15、及び表2の比較例1〜10の各欄に示す材料を用いた点以外は実施例1と同様にしてインクを作製し、硬化物を得た。
得られた各硬化物について、以下のようにして特性(硬度、延伸性、密着性)を評価した。結果を表3−1、表3−2、表4に示す。

<硬度>
硬化物の鉛筆硬度(延伸前)をJIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準じて測定し、下記の基準で評価した。

(装置及び器具)
・装置:COTEC社製ひっかき鉛筆硬度TQC WWテスター(荷重750g専用)
・鉛筆:次の硬度の木製製図用鉛筆セット(三菱UNI)
6B、5B、4B、3B,2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H
・鉛筆けずり器:鉛筆の円筒状の芯をそのままに残して木部だけをけずり取る、特殊な
けずりの器とする。
・研磨紙:3M−P1000

[評価基準]
○:鉛筆硬度H以上
△:鉛筆硬度HB、F
×:鉛筆硬度B以下
<延伸性>
下記の装置及び条件で硬化物の引張試験を行って180℃における破断伸び率を求め、下記の基準で評価した。
・引張試験機;オートグラフ AGS−5kNX(島津製作所製)
・引張速度;20mm/min
・温度;180℃
・サンプル;JIS K6251 ダンベル状(6号)

破断伸び率=(引張試験後の長さ−引張試験前の長さ)/(引張試験前の長さ)
×100

[評価基準]
○:100%以上
△:50%以上、100%未満
×:50%未満
<密着性>
JIS K5400の碁盤目試験(旧規格)に準じて、硬化物の密着性を調べ、下記の基準で評価した。
なお、密着性の数値は、100個にカットした碁盤目部分のうち剥がれが一箇所もない状態を100とするものであり、密着性が80とは、剥がれていない部分の面積が80%の状態を意味する。

[評価基準]
○:密着性が90以上
△:密着性が80以上、90未満
×:密着性が80未満
Figure 2017171702
Figure 2017171702
Figure 2017171702
Figure 2017171702
Figure 2017171702
Figure 2017171702
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23 印刷ユニット
23a、23b、23c、23d 各色印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 硬化用光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 上下方向に可動なステージ
39 像形成装置
A 可動方向
B 可動方向
特許第4335955号公報 特許第5689614号公報

Claims (8)

  1. エチレン性不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマーと両親媒性官能基を有する無機微粒子とを含み、前記単官能モノマーが全重合性化合物の含有量に対し80質量%以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記両親媒性官能基を有する無機微粒子がシリカ微粒子であり、その表面に親水基含有化合物が化学的に結合していることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記親水性基含有化合物の親水性基が、ヒドロキシル基、シラノール基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、これらの基のアルカリ金属塩、ポリアルキレンオキシド基、四級アンモニウム塩基及び四級ホスホニウム塩基からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク。
  5. インクジェット記録方式により被記録媒体の表面に吐出することができる請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  6. 請求項4又は5に記載の活性エネルギー線硬化型インクが収容されたインク収容容器。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射する照射手段とを備えた2次元又は3次元の像形成装置。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元又は3次元の像形成方法。
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