JP2017169588A - ロールイン用可塑性油脂組成物及び層状小麦粉膨化食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、生地浮きが良好で、食した時にジューシー感が良好な層状小麦粉膨化食品を得ることのできる、作業性に優れたロールイン用に適した可塑性油脂組成物、及び該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品を提供することである。
【解決手段】可塑性油脂組成物を構成する全油脂中に、油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するロールイン用可塑性油脂組成物であって、前記油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた、上昇融点が25〜45℃の油脂であり、前記油脂Bは、非ラウリン系で、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃の油脂であり、前記油脂Cは、液体油であり、前記全油脂中のSSS(飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド)含有量が5〜20質量%であることを特徴とするロールイン用可塑性油脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】可塑性油脂組成物を構成する全油脂中に、油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するロールイン用可塑性油脂組成物であって、前記油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた、上昇融点が25〜45℃の油脂であり、前記油脂Bは、非ラウリン系で、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃の油脂であり、前記油脂Cは、液体油であり、前記全油脂中のSSS(飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド)含有量が5〜20質量%であることを特徴とするロールイン用可塑性油脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ロールインの用途に適した可塑性油脂組成物及び該可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品に関する。
一般に、ロールイン用可塑性油脂組成物は、デニッシュペストリー、クロワッサン、パイ等の層状小麦粉膨化食品の製造に使用されるものである。
ロールイン用可塑性油脂組成物は、これら層状小麦粉膨化食品の製造時に、生地の間に挟み込まれ、折り畳み、圧延を繰り返すことにより、生地中に薄い油脂の層を多数作る。これらの油脂の層は、折り畳み、圧延時に小麦粉生地層が相互に付着することを防止し、また、焼成中にはこれらの油脂の層が、生地から発生する水蒸気や炭酸ガスの発散をさえぎることにより、生地は層状に膨張する。そのため、作業性の面において、ロールイン用可塑性油脂組成物には、伸展性がよく、べたつきがない物性が必要とされる。
また、ロールイン用可塑性油脂組成物を用いて得られる層状小麦粉膨化食品は、生地浮き(膨らみ具合)がよいものである。更に、近年は、これらの性質に加えて、食した時にジューシー感が得られる層状小麦粉膨化食品が求められている。
ロールイン用可塑性油脂組成物は、これら層状小麦粉膨化食品の製造時に、生地の間に挟み込まれ、折り畳み、圧延を繰り返すことにより、生地中に薄い油脂の層を多数作る。これらの油脂の層は、折り畳み、圧延時に小麦粉生地層が相互に付着することを防止し、また、焼成中にはこれらの油脂の層が、生地から発生する水蒸気や炭酸ガスの発散をさえぎることにより、生地は層状に膨張する。そのため、作業性の面において、ロールイン用可塑性油脂組成物には、伸展性がよく、べたつきがない物性が必要とされる。
また、ロールイン用可塑性油脂組成物を用いて得られる層状小麦粉膨化食品は、生地浮き(膨らみ具合)がよいものである。更に、近年は、これらの性質に加えて、食した時にジューシー感が得られる層状小麦粉膨化食品が求められている。
伸展性や生地浮きのよいロールイン用可塑性油脂組成物として、油相中に直接β型結晶油脂と乳脂肪を配合するものが提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、このロールイン用可塑性油脂組成物は、ジューシー感の面で満足いくものではなかった。また、食した時にジューシー感の得られるロールイン用油中水型乳化組成物として、油相中にシュガーエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の結晶調整剤を配合するものが提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、このロールイン用油中水型乳化組成物も、べたつきがあり、作業性の面で満足いくものではなかった。
このため、生地浮きがよく、作業性に優れ(伸展性がよい、べたつきがない)、食した時にジューシー感のある層状小麦粉膨化食品を得ることのできるロールイン用可塑性油脂組成物が求められていた。
このため、生地浮きがよく、作業性に優れ(伸展性がよい、べたつきがない)、食した時にジューシー感のある層状小麦粉膨化食品を得ることのできるロールイン用可塑性油脂組成物が求められていた。
従って、本発明は、生地浮きが良好で、食した時のジューシー感が良好な層状小麦粉膨化食品を得ることのできる、作業性(伸展性がよい、べたつきがない)に優れたロールイン用に適した可塑性油脂組成物、及び該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ロールイン用可塑性油脂組成物の油脂中に、特定の油脂を配合することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)可塑性油脂組成物を構成する全油脂中に、油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するロールイン用可塑性油脂組成物であって、
前記油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた、上昇融点が25〜45℃の油脂であり、
前記油脂Bは、非ラウリン系油脂で、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃の油脂であり、
前記油脂Cは、液体油であり、
前記全油脂中のSSS(飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド)含有量が5〜20質量%であることを特徴とするロールイン用可塑性油脂組成物。
(2)前記油脂Bは、上昇融点が15〜40℃の油脂であることを特徴とする(1)に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(3)前記油脂Bが、パーム系油脂を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(4)前記油脂Bが、エステル交換して得られた油脂を含有することを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(5)前記全油脂中に、前記油脂Aを20〜60質量%、前記油脂Bを10〜55質量%、前記油脂Cを1〜40質量%含有することを特徴とする(1)〜(4)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(6)前記全油脂中に、油脂Dとして、上昇融点が45℃より大きく、油脂Dを構成する全脂肪酸中に炭素数16の飽和脂肪酸を50質量%以上含有し、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50質量%未満含有する油脂、を含有することを特徴とする(1)〜(5)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(7)(1)〜(6)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物を用いた層状小麦粉膨化食品。
前記油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた、上昇融点が25〜45℃の油脂であり、
前記油脂Bは、非ラウリン系油脂で、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃の油脂であり、
前記油脂Cは、液体油であり、
前記全油脂中のSSS(飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド)含有量が5〜20質量%であることを特徴とするロールイン用可塑性油脂組成物。
(2)前記油脂Bは、上昇融点が15〜40℃の油脂であることを特徴とする(1)に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(3)前記油脂Bが、パーム系油脂を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(4)前記油脂Bが、エステル交換して得られた油脂を含有することを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(5)前記全油脂中に、前記油脂Aを20〜60質量%、前記油脂Bを10〜55質量%、前記油脂Cを1〜40質量%含有することを特徴とする(1)〜(4)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(6)前記全油脂中に、油脂Dとして、上昇融点が45℃より大きく、油脂Dを構成する全脂肪酸中に炭素数16の飽和脂肪酸を50質量%以上含有し、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50質量%未満含有する油脂、を含有することを特徴とする(1)〜(5)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
(7)(1)〜(6)の何れか1つに記載のロールイン用可塑性油脂組成物を用いた層状小麦粉膨化食品。
本発明によれば、伸展性がよく、べたつきがない作業性に優れたロールイン用可塑性油脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した、生地浮きが良好で、食した時にジューシー感が得られる層状小麦粉膨化食品を提供することができる。
以下、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物について詳しく説明する。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するものである。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するものである。
油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた油脂であり、上昇融点が25〜45℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは25〜35℃の油脂である。ここで、ラウリン系油脂とは、該油脂の構成脂肪酸中におけるラウリン酸含有量が30質量%以上ものをいい、パーム核油や、ヤシ油及びこれらの分別油等が挙げられる。
また、油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた油脂であれば、1種のエステル交換油脂を用いてもよいし、2種以上のエステル交換油脂の混合物を用いてもよい。エステル交換の方法に特に制限はなく、1種の油脂又は2種以上の混合油脂に、触媒としてナトリウムメトキシド等のアルカリ触媒、又はリパーゼ等の酵素を用いて反応させる方法が挙げられる。エステル交換は、位置特異的なエステル交換であっても、ランダムエステル交換であってもよいが、ランダムエステル交換が好ましい。
油脂Aの上昇融点は、水素添加により適宜調整することもできる。なお、水素添加の方法は、特に制限はなく、例えば、ニッケル触媒の下、160〜200℃の条件にて行うことができる。さらに、エステル交換と水素添加の順序は逆であってもよい。
さらに、油脂Aは、油脂Aを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%、更に好ましくは20〜40質量%含有し、炭素数16以上の不飽和脂肪酸を、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは25〜50質量%、更に好ましくは30〜40量%含有し、炭素数16以上の飽和脂肪酸を、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは25〜50質量%、更に好ましくは30〜40質量%含有する油脂である。なお、炭素数8〜14の飽和脂肪酸と炭素数16以上の不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸の含量が上記を満たす範囲で、油脂Aを構成する脂肪酸には、その他の脂肪酸が含まれてもよい。
油脂Aの上昇融点、及び油脂Aを構成する脂肪酸が上記範囲であると、得られるロールイン用可塑性油脂組成物は、ひび割れやべたつきが発生せず、適正な伸展性が得られるため作業性が良い。また、該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品は、生地浮きが良好で、食してみると強いジューシー感が得られる。
また、油脂Aのラウリン系油脂を含有する油脂は、ラウリン系油脂を、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%、及びパーム系油脂を、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%を含む油脂をエステル交換して得ることができる。
油脂Aの上昇融点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996年)」の方法に準じて測定することができる。また、油脂中の各構成脂肪酸含量の分析は、ガスクロマトグラフィー法に準じて測定することができる(例えば、AOCS Celf−96に準じて測定することができる)。
油脂Bは、非ラウリン系の油脂であり、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃、好ましくは15〜40℃、より好ましくは20〜40℃、最も好ましくは20〜35℃の油脂である。油脂Bは、ラウリン系油脂以外の油脂であれば特に制限されず、1種または2種以上の油脂の混合油を使用することができる。さらに、油脂Bは、パーム系油脂を含むことが好ましい。ここで、パーム系油脂とは、パーム油及びパーム油を原料に分別されてできる油脂や、それらをエステル交換して得られる油脂であり、例えば、パーム油分別硬質部(パームステアリン、パームハードステアリン等)、パーム油分別軟質部(パームオレイン、パームスーパーオレイン等)、パーム油中融点画分等や、それらのエステル交換油脂が挙げられる。
また、油脂Bは、ラウリン系油脂以外の油脂をエステル交換して得られた油脂を含むことが好ましい。油脂Bは、1種のエステル交換油脂を含んでもよいし、2種以上のエステル交換油脂の混合物を含んでもよい。エステル交換の方法に特に制限はなく、1種の油脂、又は2種以上の混合油脂に触媒としてナトリウムメトキシド等のアルカリ触媒、又はリパーゼ等の酵素を用いて反応させる方法が挙げられる。エステル交換は、位置特異的なエステル交換であっても、ランダムエステル交換であってもよい。
油脂Bの上昇融点は、水素添加により適宜調整することもできる。なお、水素添加の方法は、特に制限はなく、例えば、ニッケル触媒の下、160〜200℃の条件にて行うことができる。なお、エステル交換油脂を含む場合は、該油脂のエステル交換と水素添加の順序は逆であってもよい。
さらに、油脂Bは、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数16以上の不飽和脂肪酸を、好ましくは40〜70質量%、より好ましくは50〜70質量%、更に好ましくは55〜65質量%含有し、炭素数16以上の飽和脂肪酸を、好ましくは25〜55質量%、より好ましくは30〜50質量%、更に好ましくは35〜45質量%含有する油脂である。なお、炭素数8〜14の飽和脂肪酸と炭素数16以上の不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸の含量が上記を満たす範囲で、油脂Bを構成する脂肪酸には、その他の脂肪酸が含まれてもよい。
油脂Bの上昇融点、及び油脂Bを構成する脂肪酸が上記範囲であると、得られるロールイン用可塑性油脂組成物は、ひび割れが発生せず、適正な伸展性が得られるため作業性が良い。また、該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品は、生地浮きが良好で、食してみると強いジューシー感が得られる。
また、油脂Bは、次の油脂B1及び/又は油脂B2を含むことが好ましい。すなわち、油脂B1は、エステル交換油脂の原料油脂にパーム系油脂を含有し、且つ全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を25〜40質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を50質量%以上(好ましくは60〜70質量%)含有する原料油脂を、1,3位特異的エステル交換した油脂を用いることが好ましい。
そして、油脂B2は、エステル交換油脂の原料油脂にパーム油を分別して得られたパーム油分別軟質部(例えば、パームオレイン)を含有し、且つ全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を41〜55質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を40質量%以上(好ましくは50〜59質量%)含有する原料油脂をランダムエステル交換した油脂を用いることが好ましい。
油脂B中の油脂B1の含量は、好ましくは0〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%、最も好ましくは40〜60質量%のものを用いることができる。また、油脂B中の油脂B2の含量は、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜60質量%、最も好ましくは40〜60質量%のものを用いることができる。
そして、油脂B2は、エステル交換油脂の原料油脂にパーム油を分別して得られたパーム油分別軟質部(例えば、パームオレイン)を含有し、且つ全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を41〜55質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を40質量%以上(好ましくは50〜59質量%)含有する原料油脂をランダムエステル交換した油脂を用いることが好ましい。
油脂B中の油脂B1の含量は、好ましくは0〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%、最も好ましくは40〜60質量%のものを用いることができる。また、油脂B中の油脂B2の含量は、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは10〜60質量%、最も好ましくは40〜60質量%のものを用いることができる。
油脂Bの上昇融点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996年)」の方法に準じて測定することができる。また、油脂中の各構成脂肪酸含量の分析は、ガスクロマトグラフィー法に準じて測定することができる(例えば、AOCS Celf−96に準じて測定することができる)。
油脂Cは、液体油であり、常温(25℃)で流動性を有し、上昇融点15℃未満の油脂である。また、前記液体油は、5℃において流動性及び/又は透明性を有する植物性油脂が好ましい。前記液体油の植物性油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、並びにそれら単独の油又は複数混合油の水素添加油、それら単独の油又は複数混合油のエステル交換油、及びそれら単独の油又は複数混合油の分別油等の加工油等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易性及び価格の観点から、大豆油、菜種油、コーン油を用いることが好ましい。
油脂Cの上昇融点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996年)」の方法に準じて測定することができる。
さらに、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に、油脂A、油脂B及び油脂Cの他に、油脂Dを配合することができる。ここで、前記油脂Dは、上昇融点が45℃より大きく、油脂Dを構成する全脂肪酸中に炭素数16の飽和脂肪酸を50質量%以上(好ましくは50〜70質量%)含有し、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50質量%未満(好ましくは1〜10質量%)含有する油脂である。油脂Dとして、パーム油を分別して得られたパームステアリンを用いることが好ましい。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に油脂Aを、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%、油脂Bを好ましくは10〜55質量%、より好ましくは20〜45質量%、油脂Cを好ましくは1〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%含有する。
また、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に油脂Dを、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%、更に好ましくは5〜10質量%含有する。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中に飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド(以下、SSSと略す。)を5〜20質量%、好ましくは10〜20質量%、より好ましくは13〜18質量%含有する。また、前記SSSは、SSS中にパルミチン酸が3分子結合しているトリグリセリド(以下、PPPと略す。)を、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%、更に好ましくは20〜35質量%含有する。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、全油脂中のSSS含量が上記範囲であると、該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状小麦粉膨化食品は、生地浮きが良好で、食してみると強いジューシー感が得られる。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物を構成する全油脂中のSSS及びPPP含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Ce5−86に準じて測定することができる)。
また、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、本発明の特徴を損なわない限り、上記油脂A、油脂B、油脂C、及び油脂D以外の油脂も配合することができる。例えば、乳脂が挙げられる。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、水を含有しないショートニングタイプであってもよく、水との乳化物であるマーガリンタイプであってもよいが、マーガリンタイプであることが好ましい。なお、マーガリンタイプとして用いられる場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれであってもよいが、油中水型であることが好ましい。
なお、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物中の全油脂の含量は、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜80質量%、更に好ましくは60〜70質量%である。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、上記全油脂と水以外の、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、乳化剤、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β‐カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
前記乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、縮合リシノレイン脂肪酸エステル、グリセリドエステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられる。
前記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられる。
次に、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の製造方法を説明する。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、上記油脂A、油脂B及び油脂Cを含有する油脂、又は上記油脂A、油脂B、油脂C、及び油脂Dを含有する油脂を溶解し、冷却し、結晶化することによって得ることができる。
具体的には、先ず、上記油脂と、必要に応じて乳化剤等の油溶性原料とを溶解する。また、必要により別途調製した水相と混合乳化してもよい。そして次に殺菌処理するのが好ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、上記油脂A、油脂B及び油脂Cを含有する油脂、又は上記油脂A、油脂B、油脂C、及び油脂Dを含有する油脂を溶解し、冷却し、結晶化することによって得ることができる。
具体的には、先ず、上記油脂と、必要に応じて乳化剤等の油溶性原料とを溶解する。また、必要により別途調製した水相と混合乳化してもよい。そして次に殺菌処理するのが好ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せが挙げられる。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せが挙げられる。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、その形状として、シート状、ブロック状、円柱状、直方体状等様々な形状とすることができる。その中でも、加工の容易性の観点から、シート状とすることが好ましい。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物をシート状とした場合の好ましい大きさは、その幅が50〜1000mm、その長さが50〜1000mm、その厚さが1〜50mmである。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物をシート状とした場合の好ましい大きさは、その幅が50〜1000mm、その長さが50〜1000mm、その厚さが1〜50mmである。
本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、マーガリン及びショートニングとして好ましく使用できる。特に、デニッシュペストリー、クロワッサン、パイ等の層状小麦粉膨化食品の製造に用いられるロールイン用として使用できる。
本発明の層状小麦粉膨化食品は、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物を用いること以外は、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例になんら制限されるものではない。
<測定方法>
以下に示すロールイン用可塑性油脂組成物を構成する油脂の脂肪酸含量、トリグリセリド含量、及び上昇融点は以下の方法により測定した。
脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Celf−96に準拠)により測定した。
トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86に準拠)により測定した。
上昇融点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996年)」に準じて測定した。
以下に示すロールイン用可塑性油脂組成物を構成する油脂の脂肪酸含量、トリグリセリド含量、及び上昇融点は以下の方法により測定した。
脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Celf−96に準拠)により測定した。
トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86に準拠)により測定した。
上昇融点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996年)」に準じて測定した。
<油脂の調製>
〔油脂A1〕:パーム核油(日清オイリオグループ(株)製造品、ラウリン酸含量46質量%)40質量部と、パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、前記混合油に対し、0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間撹拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂A1を得た。油脂A1の上昇融点は30℃であった。
〔油脂a1〕:パーム核ステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品、ラウリン酸含量55質量%)40質量部と、パームハードステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合し、前記混合油に対し、0.3質量%のリパーゼ(商品名:リパーゼQLM、名糖産業(株)製)を添加した後、50〜70℃にて約12時間撹拌し、エステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼをろ過によって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂a1を得た。油脂a1の上昇融点は47℃であった。
〔油脂B1〕:パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)65質量部と、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)35質量部を混合し、前記混合油に対し、1.2質量%の1,3位特異性リパーゼ(商品名:リポザイムTLIM、ノボザイムズ社製)を添加した後、40℃で20時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼをろ過によって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B1を得た。油脂B1の上昇融点は21℃であった。なお、反応前の混合油は、全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を34.8質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を64.1質量%含有していた。
〔油脂B2〕:パームオレイン(日清オイリオグループ(株)製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B2を得た。油脂B2の上昇融点は41℃であった。なお、反応前のパームオレインは、全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を44.8質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を53.2質量%含有していた。
〔油脂B3〕:パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。前記パーム油の上昇融点は36℃であった。
〔油脂C〕:液体油として、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)を使用した。前記菜種油は、25℃で流動性を有していた。
〔油脂D〕:パームステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。前記パームステアリンの上昇融点は54℃であり、炭素数16の飽和脂肪酸を62.5質量%、炭素数18以上の飽和脂肪酸を5.5質量%含有していた。
〔油脂A1〕:パーム核油(日清オイリオグループ(株)製造品、ラウリン酸含量46質量%)40質量部と、パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、前記混合油に対し、0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間撹拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂A1を得た。油脂A1の上昇融点は30℃であった。
〔油脂a1〕:パーム核ステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品、ラウリン酸含量55質量%)40質量部と、パームハードステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合し、前記混合油に対し、0.3質量%のリパーゼ(商品名:リパーゼQLM、名糖産業(株)製)を添加した後、50〜70℃にて約12時間撹拌し、エステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼをろ過によって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂a1を得た。油脂a1の上昇融点は47℃であった。
〔油脂B1〕:パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)65質量部と、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)35質量部を混合し、前記混合油に対し、1.2質量%の1,3位特異性リパーゼ(商品名:リポザイムTLIM、ノボザイムズ社製)を添加した後、40℃で20時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼをろ過によって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B1を得た。油脂B1の上昇融点は21℃であった。なお、反応前の混合油は、全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を34.8質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を64.1質量%含有していた。
〔油脂B2〕:パームオレイン(日清オイリオグループ(株)製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B2を得た。油脂B2の上昇融点は41℃であった。なお、反応前のパームオレインは、全脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を44.8質量%、炭素数18以上の不飽和脂肪酸を53.2質量%含有していた。
〔油脂B3〕:パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。前記パーム油の上昇融点は36℃であった。
〔油脂C〕:液体油として、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)を使用した。前記菜種油は、25℃で流動性を有していた。
〔油脂D〕:パームステアリン(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。前記パームステアリンの上昇融点は54℃であり、炭素数16の飽和脂肪酸を62.5質量%、炭素数18以上の飽和脂肪酸を5.5質量%含有していた。
<ロールイン用可塑性油脂組成物の調製−I>
以下の表1及び表2の配合表に従って、油脂を融解混合し、各油脂66質量部に対して、レシチン0.1質量部、乳化剤1.0質量部、及び香料1.0質量部を添加したものを加熱融解して油相を調製した。別途、水29.7質量部、食塩1.2質量部、呈味剤0.5質量部、及び脱脂粉乳0.5質量部を混合溶解し、水相を調製した。常法に従って、油相に水相を混合攪拌して予備乳化した後、コンビネーターにより急冷混捏し、レスティングチューブを通してシート状に成形して、ロールイン用可塑性油脂組成物を製造した。
また、配合例1〜7の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を実施例1〜7、配合例8〜12の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を比較例1〜5とした。
以下の表1及び表2の配合表に従って、油脂を融解混合し、各油脂66質量部に対して、レシチン0.1質量部、乳化剤1.0質量部、及び香料1.0質量部を添加したものを加熱融解して油相を調製した。別途、水29.7質量部、食塩1.2質量部、呈味剤0.5質量部、及び脱脂粉乳0.5質量部を混合溶解し、水相を調製した。常法に従って、油相に水相を混合攪拌して予備乳化した後、コンビネーターにより急冷混捏し、レスティングチューブを通してシート状に成形して、ロールイン用可塑性油脂組成物を製造した。
また、配合例1〜7の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を実施例1〜7、配合例8〜12の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を比較例1〜5とした。
<ロールイン用可塑性油脂組成物及びクロワッサンの調製と評価−I>
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5のロールイン用可塑性油脂組成物を2週間冷蔵し、ロールイン用可塑性油脂組成物の外観について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3に示した。
また、強力粉50質量部、中力粉50質量部、砂糖6質量部、食塩1.7質量部、全卵5質量部、乳製品3質量部、ショートニング6質量部、水53質量部、生イースト5質量部及びイーストフード1質量部からなるクロワッサン生地を調製し、生地3kgに対してシート状に成形した実施例1〜7及び比較例1〜5のロールイン用可塑性油脂組成物を800gのせ、常法に従って、可塑性油脂組成物を生地に折り込み、成形、ホイロ後、焼成してクロワッサンを得た。そして、可塑性油脂組成物の生地折り込み時の作業性、クロワッサンの生地浮き、及びクロワッサンを食したときのジューシー感について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3に示す。
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5のロールイン用可塑性油脂組成物を2週間冷蔵し、ロールイン用可塑性油脂組成物の外観について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3に示した。
また、強力粉50質量部、中力粉50質量部、砂糖6質量部、食塩1.7質量部、全卵5質量部、乳製品3質量部、ショートニング6質量部、水53質量部、生イースト5質量部及びイーストフード1質量部からなるクロワッサン生地を調製し、生地3kgに対してシート状に成形した実施例1〜7及び比較例1〜5のロールイン用可塑性油脂組成物を800gのせ、常法に従って、可塑性油脂組成物を生地に折り込み、成形、ホイロ後、焼成してクロワッサンを得た。そして、可塑性油脂組成物の生地折り込み時の作業性、クロワッサンの生地浮き、及びクロワッサンを食したときのジューシー感について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3に示す。
<評価の基準>
ロールイン用可塑性油脂組成物の外観
○ : ヒビや割れが見られない
× : ヒビや割れが見られる
生地への折り込みの作業性
◎ : べたつきが無く、伸びも良く、非常に良好
○ : べたつきが無く、伸びも良く、良好
× : べたつきがある、又は伸びが悪い
クロワッサンの生地浮き
◎ : 非常に生地浮きが良く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間があり良好
○ : 生地浮きが良く、生地と生地の間に隙間がある
△ : 生地浮きが悪く、生地と生地の間に十分な隙間の無い部分が多い
× : 生地浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間が無い
クロワッサンのジューシー感
◎ : ジューシー感が強く、非常に良好
○ : ジューシー感があり、良好
△ : ジューシー感に乏しい
× : パサパサして、ジューシー感が無い
ロールイン用可塑性油脂組成物の外観
○ : ヒビや割れが見られない
× : ヒビや割れが見られる
生地への折り込みの作業性
◎ : べたつきが無く、伸びも良く、非常に良好
○ : べたつきが無く、伸びも良く、良好
× : べたつきがある、又は伸びが悪い
クロワッサンの生地浮き
◎ : 非常に生地浮きが良く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間があり良好
○ : 生地浮きが良く、生地と生地の間に隙間がある
△ : 生地浮きが悪く、生地と生地の間に十分な隙間の無い部分が多い
× : 生地浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間が無い
クロワッサンのジューシー感
◎ : ジューシー感が強く、非常に良好
○ : ジューシー感があり、良好
△ : ジューシー感に乏しい
× : パサパサして、ジューシー感が無い
<ロールイン用可塑性油脂組成物の調製−II>
以下の表4の配合表に従って、上記配合例1〜12と同様にロールイン用可塑性油脂組成物を製造した。
また、配合例13の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を実施例8とした。
以下の表4の配合表に従って、上記配合例1〜12と同様にロールイン用可塑性油脂組成物を製造した。
また、配合例13の油脂を使用したロールイン用可塑性油脂組成物を実施例8とした。
<ロールイン用可塑性油脂組成物及びクロワッサンの調製と評価−II>
得られた実施例8のロールイン用可塑性油脂組成物について、上記実施例1〜7、比較例1〜5と同様に、外観の評価と該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用したクロワッサンの評価を行った。評価結果を表5に示す。
得られた実施例8のロールイン用可塑性油脂組成物について、上記実施例1〜7、比較例1〜5と同様に、外観の評価と該ロールイン用可塑性油脂組成物を使用したクロワッサンの評価を行った。評価結果を表5に示す。
Claims (7)
- 可塑性油脂組成物を構成する全油脂中に、油脂A、油脂B及び油脂Cを含有するロールイン用可塑性油脂組成物であって、
前記油脂Aは、ラウリン系油脂を含有する油脂をエステル交換して得られた、上昇融点が25〜45℃の油脂であり、
前記油脂Bは、非ラウリン系油脂で、油脂Bを構成する全脂肪酸中に炭素数8〜14の飽和脂肪酸を10質量%未満含有し、上昇融点が15〜45℃の油脂であり、
前記油脂Cは、液体油であり、
前記全油脂中のSSS(飽和脂肪酸が3分子結合しているトリグリセリド)含有量が5〜20質量%であることを特徴とするロールイン用可塑性油脂組成物。 - 前記油脂Bは、上昇融点が15〜40℃の油脂であることを特徴とする請求項1に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
- 前記油脂Bが、パーム系油脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
- 前記油脂Bが、エステル交換して得られた油脂を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
- 前記全油脂中に、前記油脂Aを20〜60質量%、前記油脂Bを10〜55質量%、前記油脂Cを1〜40質量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
- 前記全油脂中に、油脂Dとして、上昇融点が45℃より大きく、油脂Dを構成する全脂肪酸中に炭素数16の飽和脂肪酸を50質量%以上含有し、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50質量%未満含有する油脂、を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のロールイン用可塑性油脂組成物を用いた層状小麦粉膨化食品。
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