JP2017166658A - クラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式多板クラッチのクラッチドラムを、軸線に対し傾かずに安定的に支持できるクラッチ装置を提供する。
【解決手段】クラッチ装置100は、第1湿式多板クラッチ10と、その径方向内側に配置された第2湿式多板クラッチ20とを備える。第1湿式多板クラッチ10は、第1クラッチドラム11と第1クラッチハブ12とを有し、第2湿式多板クラッチ20は、第2クラッチドラム21と第2クラッチハブ22とを有する。第2クラッチドラムは、軸線CL0を中心とした円環部211と、第1クラッチハブ12の円環部122の軸方向端部に面して円環部211の軸方向端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1クラッチドラム11の円環部112の軸方向端部に支持されるガイド板部213とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】クラッチ装置100は、第1湿式多板クラッチ10と、その径方向内側に配置された第2湿式多板クラッチ20とを備える。第1湿式多板クラッチ10は、第1クラッチドラム11と第1クラッチハブ12とを有し、第2湿式多板クラッチ20は、第2クラッチドラム21と第2クラッチハブ22とを有する。第2クラッチドラムは、軸線CL0を中心とした円環部211と、第1クラッチハブ12の円環部122の軸方向端部に面して円環部211の軸方向端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1クラッチドラム11の円環部112の軸方向端部に支持されるガイド板部213とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、径方向に並べて配置された一対の湿式多板クラッチを有するクラッチ装置に関する。
従来より、径方向に並べて配置された一対の湿式多板クラッチを有するクラッチ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。上記特許文献1記載の装置では、一対の湿式多板クラッチが、複数の外側プレートを軸方向に移動可能に支持するクラッチドラムと、複数の内側プレートを軸方向に移動可能に支持するクラッチハブとをそれぞれ備え、クラッチドラムの内径側端部およびクラッチハブの内径側端部がそれぞれ回転軸に支持される。
ところで、例えばレイアウト上の都合により、湿式多板クラッチのクラッチドラムを回転軸から離して構成することが考えられる。しかしながら、この場合には、クラッチドラムの支持が不安定となり、回転軸線に対してクラッチドラムが傾くおそれがある。
本発明の一態様は、軸線を中心とした第1回転軸のトルクを、軸線を中心とした第2回転軸に伝達または非伝達する第1湿式多板クラッチと、第1湿式多板クラッチの径方向内側に配置され、第1回転軸のトルクを、軸線を中心とした第3回転軸に伝達または非伝達する第2湿式多板クラッチと、を備えるクラッチ装置であり、第1湿式多板クラッチは、軸線を中心とした第1アウタ円環部と、第1アウタ円環部の軸方向一端部から第1回転軸にかけて延設されたアウタ側板部と、を有する第1クラッチドラムと、軸線を中心とした第1インナ円環部と、第1インナ円環部の軸方向一端部から第2回転軸にかけて延設された第1インナ側板部と、を有する第1クラッチハブと、第1アウタ円環部の内周面および第1インナ円環部の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第1アウタプレートおよび第1インナプレートと、油圧力により第1アウタプレートと第1インナプレートとを互いに圧接する第1ピストンと、を有し、第2湿式多板クラッチは、軸線を中心とした第2アウタ円環部と、第1インナ円環部の軸方向他端部に面して第2アウタ円環部の軸方向端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1アウタ円環部の軸方向他端部に支持されるガイド板部と、を有する第2クラッチドラムと、軸線を中心とした第2インナ円環部と、第2インナ円環部の軸方向端部から第3回転軸にかけて延設された第2インナ側板部と、を有する第2クラッチハブと、第2アウタ円環部の内周面および第2インナ円環部の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第2アウタプレートおよび第2インナプレートと、油圧力により第2アウタプレートと第2インナプレートとを互いに圧接する第2ピストンと、を有する。
本発明によれば、第2クラッチドラムの一部のガイド板部を介して、第2クラッチドラムの外径側端部を第1クラッチの第1アウタ円環部の端部から支持するので、第2クラッチドラムを安定的に支持することができ、第2クラッチドラムの軸線に対する傾きを防止することができる。
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るクラッチ装置100の要部構成を示す断面図である。このクラッチ装置100は、車両に搭載されたエンジンからのトルクを変速機に伝達するトルク伝達経路に設けられる。なお、以下では、便宜上、図示のように軸線CL0に沿って前後方向を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。図1の前後方向は、例えば車両の長さ方向あるいは車幅方向に相当する。
図1に示すように、クラッチ装置100は、第1クラッチ10と、第1クラッチ10の径方向内側に配置された第2クラッチ20とを有する。第1クラッチ10は、トルクコンバータを介してまたは介さずにエンジンから出力され、入力軸(入力軸部)1を介して入力されたトルクを変速機の回転軸2に伝達または非伝達する湿式多板クラッチであり、第2クラッチ20は、入力軸1のトルクを変速機の回転軸3に伝達または非伝達する湿式多板クラッチである。
回転軸2のトルクは、例えば変速機内の1速、3速、5速等の奇数変速段のギヤに伝達され、回転軸3のトルクは、例えば変速機内の2速、4速、6速等の偶数変速段のギヤに伝達される。すなわち、第1クラッチ10は、奇数変速段用のクラッチであり、第2クラッチ20は、偶数変速段用のクラッチである。
第1クラッチ10は、第1クラッチドラム11と、第1クラッチハブ12と、第1アウタプレート13と、第1インナプレート14と、第1ピストン15と、第1リターンスプリング16とを有する。第2クラッチ20は、第2クラッチドラム21と、第2クラッチハブ22と、第2アウタプレート23と、第2インナプレート24と、第2ピストン25と、第2リターンスプリング26とを有する。
第1クラッチドラム11は、径方向に延在する側板部111と、側板部111の外周縁部から後方に延在する軸線CL0を中心とした円環部112と、円環部112の後端面から後方に突出する周方向複数の突起部113とを有する。側板部111の内径側端部は、入力軸1に接続され、第1クラッチドラム11は、入力軸1と一体に回転する。
第1クラッチハブ12は、第1クラッチドラム11の側板部111に面して側板部111の後方に配置され、径方向に延在する側板部121と、第1クラッチドラム11の円環部112の径方向内側にて、側板部121の外周縁部から後方に延在する軸線CL0を中心とした円環部122とを有する。側板部121の内径側端部は、回転軸2にスプライン123を介して接続され、第1クラッチハブ12は、回転軸2に支持されて回転軸2と一体に回転する。
第1クラッチドラム11の内径側端部と第1クラッチハブ12の内径側端部との間にはベアリング4が介装される。第1クラッチドラム11の内径側端部は、ベアリング4を介して第1クラッチハブ12の内径側端部に対し相対回転可能に支持される。
第1クラッチドラム11の円環部112の内周面にはスプライン112aが形成され、スプライン112aには、複数枚の第1アウタプレート13が軸方向(前後方向)に移動可能に係合される。第1クラッチハブ12の円環部122の外周面にはスプライン122aが形成され、スプライン122aには、複数枚の第1インナプレート14が第1アウタプレート13と交互に軸方向に移動可能に係合される。第1インナプレート14の前後面にはそれぞれ摩擦材14aが装着される。
第1ピストン15は、第1アウタプレート13および第1インナプレート14の後方において径方向に延在する側板部151と、側板部151の外径側端部から前方に突設された周方向複数の爪部152とを有する。側板部151の内径側端部はレリーズベアリング5に接続され、第1ピストン15にはレリーズベアリング5を介して第1ピストン15を前方に押動するような油圧力が作用する。第1ピストン15が前方に押動されると、爪部152から第1アウタプレート13および第1インナプレート14に圧接力が作用し、第1クラッチ10が係合する。
第1リターンスプリング16は、その内径側端部が外径側端部よりも前方に位置するリング状の板ばねにより構成される。第1リターンスプリング16の内径側端部は軸線CL0を中心とした円環状のストッパ17の後端部に当接し、外径側端部は第1ピストン15の側板部151の前面の屈曲部に当接する。ストッパ17は、後述する第2クラッチドラム21と一体の支持プレート30に支持され、これにより第1ピストン15は、第1リターンスプリング16によって後方に付勢される。なお、第1ピストン15の側板部151の後方にはクラッチカバー6が配置される。
第2クラッチドラム21は、軸線CL0を中心とした円環部211と、円環部211の前端部から径方向内側に延在する側板部212と、円環部211の後端部から径方向外側に延在するガイド板部213とを有する。側板部212の内径側端部はよりも第2クラッチハブ22よりも径方向外側に位置し、第2クラッチドラム21は入力軸1から分離する。なお、第2クラッチドラム21のより詳細な構成については後述する。
第2クラッチハブ22は、第1クラッチハブ12の側板部121に面して側板部121の後方に配置され、径方向に延在する側板部221と、第2クラッチドラム21の円環部211の径方向内側にて、側板部221の外周縁部から後方に延在する軸線CL0を中心とした円環部222とを有する。側板部221の内径側端部は、回転軸3にスプライン223を介して接続され、第2クラッチハブ22は、回転軸3に支持されて回転軸3と一体に回転する。
第2クラッチドラム21の円環部211の内周面にはスプライン211aが形成され、スプライン211aには、複数枚の第2アウタプレート23が軸方向(前後方向)に移動可能に係合される。第2クラッチハブ22の円環部222の外周面にはスプライン222aが形成され、スプライン222aには、複数枚の第2インナプレート24が第2アウタプレート23と交互に軸方向に移動可能に係合される。第2インナプレート24の前後面にはそれぞれ摩擦材24aが装着される。
第2ピストン25は、第2アウタプレート23および第2インナプレート24の後方かつ第1ピストンの側板部151の前方において径方向に延在する側板部251と、側板部251の外径側端部から前方に突設された周方向複数の爪部252とを有する。側板部251の内径側端部はレリーズベアリング7に接続され、第2ピストン25にはレリーズベアリング7を介して第2ピストン25を前方に押動するような油圧力が作用する。第2ピストン25が前方に押動されると、爪部252から第2アウタプレート23および第2インナプレート24に圧接力が作用し、第2クラッチ20が係合する。
第2リターンスプリング26は、その内径側端部が外径側端部よりも後方に位置するリング状の板ばねにより構成される。第2リターンスプリング26の内径側端部は第2ピストン25の側板部251の前面の屈曲部に当接し、外径側端部は支持プレート30に当接する。これにより第2ピストン25は、第2リターンスプリング26によって後方に付勢される。
本実施形態の特徴的構成である第2クラッチドラム21と支持プレート30についてより詳細に説明する。図2は、図1の要部拡大図であり、図3は第2クラッチドラム21および支持プレート30の斜視図(斜め前方から見た図)、図4は第2クラッチドラム21の正面図(後方から見た図)、図5は支持プレート30の正面図(後方から見た図)である。
図2〜4に示すように、第2クラッチドラム21のガイド板部213には、周方向複数の貫通孔214が開口され、貫通孔214に第1クラッチドラム11の周方向複数の突起部113が挿入されるとともに、その径方向内側に、第1ピストン15の先端部の周方向複数の爪部152が挿入される。これにより第1クラッチドラム11から第2クラッチドラム21にトルクが伝達され、第1クラッチドラム11と第2クラッチドラム21とが一体に回転する。
ガイド板部213の外径側端部は、第1クラッチドラム11の円環部112の外周面よりも径方向外側において、径方向内側に向け、さらに前方に向けて屈曲され、円環状のガイド部215が形成される。すなわち、ガイド板部213の外径側端部は縁立て(バーリング)される。ガイド部215の内周面の径は第1クラッチドラム11の円環部112の外周面の径とほぼ等しく、ガイド部215は円環部112の端部の外周面に嵌合する。これにより第2クラッチドラム21が円環部112の外周面から支持される。
さらにガイド板部213には、周方向に隣り合う貫通孔214の間の位相に、後方に向けて周方向複数のプレート支持部216が突設される。プレート支持部216の内周面には径方向外側に向けて嵌合溝217が形成される。
図2,3,5に示すように、支持プレート30は、その前後の表面がそれぞれ軸線CL0に垂直に形成された略リング状の平板部31と、平板部31の径方向内側端部から前方かつ径方向内側に斜めに突設された周方向複数のスプリング支持部32とを有する。スプリング支持部32の下端部は軸線CL0に対して垂直に屈曲し、屈曲部33が形成される。屈曲部33に第2リターンスプリング26が支持される。平板部31の外周面には周方向複数の凹部34が形成される。
凹部34は、第2クラッチドラム21のプレート支持部216の内周面に嵌合し、これにより第2クラッチドラム21と支持プレート30とが一体に回転する。支持プレート30を嵌合した状態で、嵌合溝217にスナップリング8が嵌合される。これにより、第2クラッチドラム21のガイド板部213とスナップリング8との間に支持プレート30が挟持され、第2クラッチドラム21と支持プレート30とが一体化する。
支持プレート30の後面には、周方向複数の凹部35が形成される。凹部35には、前端面が凹凸状に形成されたストッパ17の凸部が嵌合する。さらに支持プレート30には、周方向に隣り合うスプリング支持部32の間(図5では周方向3箇所)に、径方向内側に向けてピストン支持部36が突設される。ピストン支持部36の内周面には第2ピストン25の爪部252の外周面が嵌合する。爪部252は、第2ピストン25の前後方向の移動に伴い、ピストン支持部36に沿って前後方向に摺動する。
以上のように構成されたクラッチ装置100の主要な動作を、主に図1を参照して説明する。第1ピストン15が、第1リターンスプリング16の付勢力に抗してレリーズベアリング5に作用する油圧力により前方に押動されると、第1アウタプレート13と第1インナプレート14とが互いに圧接される。これにより第1クラッチ10が係合し、エンジンから出力されたトルクが、入力軸1、第1クラッチドラム11、第1アウタプレート13と第1インナプレート14、および第1クラッチハブ12を介して回転軸2に伝達される。
一方、レリーズベアリング5に作用する油圧力が解除されると、第1ピストン15は、第1リターンスプリング16の付勢力により後方に押動され、第1アウタプレート13と第1インナプレート14との圧接力が除去される。これにより第1クラッチ10の係合が解除され、第1クラッチドラム11から第1クラッチハブ12へのトルクが非伝達となる。
また、第2ピストン25が、第2リターンスプリング26の付勢力に抗してレリーズベアリング7に作用する油圧力により前方に押動されると、第2アウタプレート23と第2インナプレート24とが互いに圧接される。これにより第2クラッチ20が係合し、エンジンから出力されたトルクが、入力軸1、第1クラッチドラム11、第2クラッチドラム21、第2アウタプレート23と第2インナプレート24、および第2クラッチハブ22を介して回転軸3に伝達される。
このトルク伝達時において、本実施形態では、第2クラッチドラム21がガイド部を介して第1クラッチドラム11の円環部112に支持される。このため、第2クラッチドラム21が軸線CL0に対して傾きを生じることなく、第2アウタプレート23は第2クラッチドラム21のスプライン211aに沿って前後方向にスムーズに移動する。これにより、クラッチ係合時の振動や異音等を低減することができるとともに、第2アウタプレート23と第2インナプレート24とを摩擦材24aの全面で均一に接触させることができ、トルクの伝達効率を向上することができる。
さらに、本実施形態では、円環状のガイド部215により第2クラッチドラム21を支持するので、第2クラッチドラム21の支持剛性が高い。したがって、第2クラッチドラム21の変形を抑えることができ、第2クラッチ20を良好に係合状態とすることができる。第2ピストン25の前方への移動に伴い、第2リターンスプリング26の付勢力が増大するが、この付勢力は第2クラッチドラム21とは別体の支持プレート30の屈曲部33(図2)に作用する。このため、第2クラッチドラム21に過大な曲げ力が作用することを防止でき、第2クラッチドラム21の変形による軸線CL0に対する傾きを防止できる。
レリーズベアリング7に作用する油圧力が解除されると、第2ピストン25は、第2リターンスプリング26の付勢力により後方に押動され、第2アウタプレート23と第2インナプレート24との圧接力が除去される。これにより第2クラッチ20の係合が解除され、第2クラッチドラム21から第2クラッチハブ22へのトルクが非伝達となる。
図6は、図1の比較例としてのクラッチ装置100Aを示す図である。図6では、図1とは異なり第2クラッチドラム21Aがガイド板部を有さず、第2クラッチドラム21Aの前端部は、リング板形状の連結板40を介して第1クラッチドラム11の円環部112から支持される。より詳細には、連結板40の外径側端部は前方に屈曲され、第1クラッチドラム11の円環部112の外周面に係合される。連結板40には周方向複数の貫通孔が設けられ、この貫通孔を、第2クラッチドラム21Aの円環部211Aの後端面から突設された突起部211Bが貫通し、これにより第2クラッチドラム21Aが連結板40を介して第1クラッチドラム11の円環部112から支持される。連結板40の内径側端部には、支持プレート30(図2)と同様の屈曲部41が設けられ、この屈曲部41に第2リターンスプリング26が支持される。
このような図6の構成では、第2クラッチドラム21Aの円環部211Aの突起部211Bが連結板40の貫通孔により支持され、突起部211Bと連結板40との嵌合長さは、連結板40の板厚により規定される。このため、十分な嵌合長さを確保できず、突起部211Bと貫通孔との間でがたつきが生じ、第2クラッチドラム21Aの軸線CL0に対する傾きが生じやすい。さらに、連結板40の屈曲部41には第2リターンスプリング26の曲げ力が作用するため、連結板40が変形し、これによっても第2クラッチドラム21Aに傾きが生じやすい。
その結果、第2クラッチ20のジャダーや異音の発生、クラッチ滑り、クラッチ容量の低下等の問題が生じるおそれがある。さらに、第2クラッチドラム21Aの傾きにより、突起部211Bの嵌合部に偏磨耗が生じ、磨耗粉が第2アウタプレート23と第2インナプレート24の摺動面等に付着し、摺動面の磨耗や摩擦係数の低下等の悪影響を及ぼすおそれがある。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)クラッチ装置100は、軸線CL0を中心とした入力軸1のトルクを、軸線CL0を中心とした回転軸2に伝達または非伝達する第1クラッチ(第1湿式多板クラッチ)10と、第1クラッチ10の径方向内側に配置され、入力軸1のトルクを、軸線CL0を中心とした回転軸3に伝達または非伝達する第2クラッチ(第2湿式多板クラッチ)20とを備える(図1)。第1クラッチ10は、軸線CL0を中心とした円環部112と、円環部112の前端部から入力軸1にかけて延設された側板部111と、を有する第1クラッチドラム11と、軸線CL0を中心とした円環部122と、円環部122の前端部から回転軸2にかけて延設された側板部121と、を有する第1クラッチハブ12と、円環部112の内周面および円環部122の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第1アウタプレート13および第1インナプレート14と、油圧力により第1アウタプレート13と第1インナプレート14とを互いに圧接する第1ピストン15と、を有する(図1)。第2クラッチ20は、軸線CL0を中心とした円環部211と、第1クラッチハブ12の円環部122の後端部に面して円環部211の後端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1クラッチドラム11の円環部112の後端部に支持されるガイド板部213と、を有する第2クラッチドラム21と、軸線CL0を中心とした円環部222と、円環部222の軸方向端部から回転軸3にかけて延設された側板部221と、を有する第2クラッチハブ22と、円環部211の内周面および円環部222の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第2アウタプレート23および第2インナプレート24と、油圧力により第2アウタプレート23と第2インナプレート24とを互いに圧接する第2ピストン25と、を有する(図1)。
(1)クラッチ装置100は、軸線CL0を中心とした入力軸1のトルクを、軸線CL0を中心とした回転軸2に伝達または非伝達する第1クラッチ(第1湿式多板クラッチ)10と、第1クラッチ10の径方向内側に配置され、入力軸1のトルクを、軸線CL0を中心とした回転軸3に伝達または非伝達する第2クラッチ(第2湿式多板クラッチ)20とを備える(図1)。第1クラッチ10は、軸線CL0を中心とした円環部112と、円環部112の前端部から入力軸1にかけて延設された側板部111と、を有する第1クラッチドラム11と、軸線CL0を中心とした円環部122と、円環部122の前端部から回転軸2にかけて延設された側板部121と、を有する第1クラッチハブ12と、円環部112の内周面および円環部122の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第1アウタプレート13および第1インナプレート14と、油圧力により第1アウタプレート13と第1インナプレート14とを互いに圧接する第1ピストン15と、を有する(図1)。第2クラッチ20は、軸線CL0を中心とした円環部211と、第1クラッチハブ12の円環部122の後端部に面して円環部211の後端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1クラッチドラム11の円環部112の後端部に支持されるガイド板部213と、を有する第2クラッチドラム21と、軸線CL0を中心とした円環部222と、円環部222の軸方向端部から回転軸3にかけて延設された側板部221と、を有する第2クラッチハブ22と、円環部211の内周面および円環部222の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第2アウタプレート23および第2インナプレート24と、油圧力により第2アウタプレート23と第2インナプレート24とを互いに圧接する第2ピストン25と、を有する(図1)。
このように第2クラッチドラム21の一部のガイド板部213を介して、第2クラッチドラム21を第1クラッチドラム11の円環部112により支持することで、第2クラッチドラム21をがたつきなく強固に支持することができ、第2クラッチドラム21の軸線CL0に対する傾きを防止することができる。その結果、第2クラッチ20のジャダーや異音の発生、クラッチ滑り、クラッチ容量の低下等の問題の発生を回避することができ、第2クラッチ20を良好な係合状態とすることができる。
(2)ガイド板部213の外径側端部は、第1クラッチドラム11の円環部112の後端部から前端部に向けて屈曲され、円環部112の外周面に嵌合される(図2)。すなわち、ガイド板部213の外径側端部にガイド部215が設けられ、ガイド部215が円環部112の外周面に嵌合される。これにより第2クラッチドラム21を第1クラッチドラム11と同軸上に位置させることができるとともに、第2クラッチドラム21の支持剛性が高まり、第2クラッチドラム21の傾きをより確実に防止することができる。
(3)第1クラッチ10は、第1ピストン15に油圧力に対抗した付勢力を作用する第1リターンスプリング16を有し、第2クラッチ20は、第2ピストン25に油圧力に対抗した付勢力を作用する第2リターンスプリング26を有し、クラッチ装置100は、ガイド板部213に隣接して配置され、第1リターンスプリング16と第2リターンスプリング26とを支持する支持プレート30をさらに備える(図2)。これによりリターンスプリング16,26の付勢力が第2クラッチドラム21とは別体の支持プレート30に作用するため、リターンスプリング16,26の付勢力による第2クラッチドラム21の変形を抑制することができ、ピストン15,25の移動に伴いリターンスプリング16,26の付勢力が増大した場合であっても、第2クラッチドラム21を初期の姿勢に安定的に保持できる。
(4)ガイド板部213は、周方向に沿って嵌合溝217を有し、クラッチ装置100は、嵌合溝217に係合してガイド板部213との間で支持プレート30を挟持するスナップリング8をさらに備える(図2)。これにより第2クラッチドラム21と支持プレート30とを一体化することができ、クラッチ装置100の組立性が向上する。
なお、上記実施形態では、第1クラッチ(第1湿式多板クラッチ)10および第2クラッチ(第2)10を奇数変速段用のクラッチおよび偶数変速段用のクラッチとして用いたが、第1クラッチおよび第2クラッチを他の用途として用いてもよい。したがって、入力軸(第1回転軸)1、回転軸(第2回転軸)2、および回転軸(第3回転軸)3の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、ガイド板部213の外径側端部、すなわちガイド部215を第1クラッチドラム11の円環部112の外周面に嵌合するようにしたが、第1クラッチハブ12の円環部122の軸方向端部に面して第2クラッチドラム21の円環部211の軸方向端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が第1クラッチドラム11の円環部112の軸方向端部に支持されるのであれば、ガイド板部の構成は上述したものに限らない。
第1アウタ円環部としての円環部112の構成、アウタ側板部としての側板部111の構成、第1インナ円環部としての円環部122の構成、第1インナ側板部としての側板部121の構成、第2アウタ円環部としての円環部211の構成、第2インナ円環部としての円環部222の構成、第2インナ側板部としての側板部221の構成は上述したものに限らない。第1付勢部材としての第1リターンスプリング16の構成、第2付勢部材としての第2リターンスプリング26の構成、支持部材としての支持プレート30の構成、およびリング部としてのスナップリング8の構成も上述したものに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることもできる。
1 入力軸、2 回転軸、10 第1クラッチ、11 第1クラッチドラム、12 第1クラッチハブ、13 第1アウタプレート、14 第1インナプレート、15 第1ピストン、20 第2クラッチ、21 第2クラッチドラム、22 第2クラッチハブ、23 第2アウタプレート、24 第2インナプレート、25 第2ピストン、100 クラッチ装置、111 側板部、112 円環部、121 側板部、122 円環部、211 円環部、221 側板部、222 円環部
Claims (4)
- 軸線を中心とした第1回転軸のトルクを、前記軸線を中心とした第2回転軸に伝達または非伝達する第1湿式多板クラッチと、
前記第1湿式多板クラッチの径方向内側に配置され、前記第1回転軸のトルクを、前記軸線を中心とした第3回転軸に伝達または非伝達する第2湿式多板クラッチと、を備えるクラッチ装置であって、
前記第1湿式多板クラッチは、
前記軸線を中心とした第1アウタ円環部と、前記第1アウタ円環部の軸方向一端部から前記第1回転軸にかけて延設されたアウタ側板部と、を有する第1クラッチドラムと、
前記軸線を中心とした第1インナ円環部と、前記第1インナ円環部の軸方向一端部から前記第2回転軸にかけて延設された第1インナ側板部と、を有する第1クラッチハブと、
前記第1アウタ円環部の内周面および前記第1インナ円環部の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第1アウタプレートおよび第1インナプレートと、
油圧力により前記第1アウタプレートと前記第1インナプレートとを互いに圧接する第1ピストンと、を有し、
前記第2湿式多板クラッチは、
前記軸線を中心とした第2アウタ円環部と、前記第1インナ円環部の軸方向他端部に面して前記第2アウタ円環部の軸方向端部から径方向外側に延設され、その外径側端部が前記第1アウタ円環部の軸方向他端部に支持されるガイド板部と、を有する第2クラッチドラムと、
前記軸線を中心とした第2インナ円環部と、前記第2インナ円環部の軸方向端部から前記第3回転軸にかけて延設された第2インナ側板部と、を有する第2クラッチハブと、
前記第2アウタ円環部の内周面および前記第2インナ円環部の外周面に沿って、それぞれ軸方向に移動可能に支持された第2アウタプレートおよび第2インナプレートと、
油圧力により前記第2アウタプレートと前記第2インナプレートとを互いに圧接する第2ピストンと、を有することを特徴とするクラッチ装置。 - 請求項1に記載のクラッチ装置において、
前記ガイド板部の外径側端部は、前記第1アウタ円環部の前記軸方向他端部から前記軸方向一端部に向けて屈曲され、前記第1アウタ円環部の外周面に嵌合されることを特徴とするクラッチ装置。 - 請求項1または2に記載のクラッチ装置において、
前記第1湿式多板クラッチは、前記第1ピストンに前記油圧力に対抗した付勢力を作用する第1付勢部材を有し、
前記第2湿式多板クラッチは、前記第2ピストンに前記油圧力に対抗した付勢力を作用する第2付勢部材を有し、
前記ガイド板部に隣接して配置され、前記第1付勢部材と前記第2付勢部材とを支持する支持部材をさらに備えることを特徴とするクラッチ装置。 - 請求項3に記載のクラッチ装置において、
前記ガイド板部は、周方向に沿って係合溝を有し、
前記係合溝に係合して前記ガイド板部との間で前記支持部材を挟持するリング部材をさらに備えることを特徴とするクラッチ装置。
Priority Applications (1)
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JP2016054868A JP2017166658A (ja) | 2016-03-18 | 2016-03-18 | クラッチ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110273940A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-24 | 法雷奥离合器公司 | 具有被构造用于促动盘包的内盘载体的双湿式离合器机构 |
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2016
- 2016-03-18 JP JP2016054868A patent/JP2017166658A/ja active Pending
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CN110273940A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-24 | 法雷奥离合器公司 | 具有被构造用于促动盘包的内盘载体的双湿式离合器机构 |
CN110273940B (zh) * | 2018-03-15 | 2022-09-13 | 法雷奥离合器公司 | 具有被构造用于促动盘包的内盘载体的双湿式离合器机构 |
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