JP2017166589A - 軸受組立体および立軸ポンプ - Google Patents

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憲一 杉山
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則雄 高橋
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成夏 金
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Abstract

【課題】すべり軸受の温度上昇を抑制することができる軸受組立体を提供する。
【解決手段】軸受組立体は、すべり軸受41と、回転軸22に固定され、かつすべり軸受41の内周面41aに接触可能なスリーブ11と、スリーブ11に接触している潤滑油保持体70とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は回転軸を支持する軸受組立体および該軸受組立体を備えた立軸ポンプに関するものである。
近年の先行待機運転ポンプの状況により、背景技術の一例を説明する。近年、都市化の進展により、緑地の減少および路面のコンクリート化、アスファルト化の拡大が進むことでヒートアイランド現象が発生し、いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる局所的な集中豪雨が都市部で頻発している。局所的な大量の降雨は、コンクリート化、アスファルト化した路面では、地中に吸収されることなくそのまま水路に導かれる。その結果、大量の雨水が、短時間のうちに排水機場に流入する。
頻発するこのような集中豪雨によってもたらされる大量の雨水の速やかな排水に備えるために、排水機場に設置する排水ポンプでは、始動遅れによる浸水被害が生じないよう、雨水が排水機場に到達する前に予め始動させておく先行待機運転が行われている。
図7は、先行待機運転を行う立軸ポンプを示す模式図である。排水機場の水槽100には、縦方向に配置された回転軸122の先端に羽根車120を備え、羽根車120に水と共に空気を吸い込ませることにより、水槽100の水位が最低運転水位LWL以下であっても運転(先行待機運転)を継続することが可能な立軸ポンプが配置されている。回転軸122はすべり軸受135,145によって回転自在に支持されている。吸込ベルマウス110の側面部に貫通孔105が設けられており、この貫通孔105には、外気に接する開口106aを備えた空気管106が取付けられている。これにより、この立軸ポンプでは貫通孔105を介して立軸ポンプ内に供給する空気の供給量を水位に応じて変化させ、最低運転水位LWL以下で立軸ポンプの排水量がコントロールされる。
先行待機運転の運転状態について説明する。例えば大都市の雨水排水用として、吸込水位に関係なく降雨情報等により予め立軸ポンプを始動しておく(気中運転)。低水位の状態から水位が上昇するに従って、羽根車120の位置まで水位が達し、立軸ポンプは空運転(気中運転)から羽根車120で水を撹拌する運転(気水撹拌運転)を行う。さらに立軸ポンプは貫通孔105を経て供給される空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に増やす運転(気水混合運転)を経て100%水の排出を行う全量運転(定常運転)へ移行する。また、高水位から水位が低下するときは、立軸ポンプは全量運転から貫通孔105を経て供給する空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に減らす運転(気水混合運転)へ移行する。水位がLLWLの近くに至ると、立軸ポンプは水を吸い込まず排水もしない運転(エアロック運転)へ移行する。これら5つの特徴ある運転を総称して先行待機運転という。なお、ポンプ始動は、吸込ベルマウス110の下端よりも低い水位LLLWLから開始する。
図7に示す立軸ポンプは、ポンプ起動時には大気中で運転される。すなわち、すべり軸受135,145は液体の潤滑のないドライ条件で回転軸122に固定されたスリーブ111(図8参照)にすべり接触する。ここでドライ条件とは、ポンプ運転中のすべり軸受135,145の雰囲気が、液体の潤滑がない大気中である条件をいい、ドライ運転とはその条件で運転することをいう。また、すべり軸受135,145はすべり軸受135,145に通水した排水条件でもスリーブ111にすべり接触する。ここで、排水条件とは、ポンプ運転中のすべり軸受135,145の雰囲気が、土砂等の異物(スラリー)が混入した水中である条件をいい、排水運転とはその条件で運転すること、例えば気水混合運転、全量運転、エアロック運転等をいう。このような条件下ですべり軸受135,145が使用される。
特開2015−222117号公報
ここで、排水機場で用いられるポンプ等は、水中で運転されるだけでなく、先行待機運転の場合には、大気中での運転と水中での運転が繰り返される。大気中での運転の場合には、すべり軸受のすべり面(回転軸または回転軸の外周に設けられたスリーブと接触するすべり軸受の面)が、ドライ条件で低摩擦であることが求められる。この要求に鑑みて、すべり軸受にセラミックス、樹脂材料が用いられた場合、考慮すべき点がある。
セラミックス、樹脂材料の熱伝導率は小さく、これらの線膨張係数は大きい。ポンプが駆動すると、すべり軸受のすべり面に摩擦熱が発生する。すべり軸受が水中に没しているときは、水によってすべり面が冷却されるのですべり面の温度が低く保たれるが、空気中で運転するドライ運転時では、すべり軸受の熱伝導率が小さいのですべり面の摩擦熱が拡散せず、すべり軸受の温度が上昇する。これに加えて、すべり軸受の線膨張係数が大きいので、すべり軸受の温度の上昇に伴ってすべり軸受が膨張したときに、すべり軸受と回転軸(またはスリーブ)との隙間が小さくなり、摩擦によりすべり面が焼付く虞がある。また、すべり軸受135,145がスリーブ111にすべり接触する際に、接触部で多大な摩擦熱が発生しやすくなり、そこで局所的に高温となる虞がある。図8において、網掛け部分は局所的に高温になる部分である。
このようなスリーブ111の局所的な高温化によって、回転軸122は局所的に膨張し、結果的に回転軸122がわずかに曲がる虞がある。それによりポンプの回転部分と固定部分の干渉による振動や、軸受荷重の増加が起こりやすくなる。すなわち、回転体としてのアンバランス方向に接触し、この接触部が発熱するために軸断面に温度分布が生じ、熱膨張のために回転軸122が曲がる。この際、曲がりにより回転体重心がずれるために回転体全体のアンバランスが徐々に大きくなっていく。また、曲がりにより軸受の当たり方が変化し、各軸受の温度勾配が変化する場合もある。
さらに、軸曲がりによる変位が軸受すきまより大きくなると、図8に示すように、逆位相の2点接触状態となり、曲げ変位が拘束される。さらに熱膨張が続くために押付荷重が上昇するが、荷重上昇⇒発熱量増加⇒熱曲がり加速⇒荷重上昇といった悪循環に陥り、加速度的に軸受温度が上昇する。結果として、すべり軸受135,145が焼付いてしまい、最悪の場合、すべり軸受135,145が損傷してしまう。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、すべり軸受の温度上昇を抑制することができる軸受組立体を提供することを目的とする。さらに、本発明は該軸受組立体を備えた立軸ポンプを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、回転軸を支持するための軸受組立体であって、すべり軸受と、前記回転軸に固定され、かつ前記すべり軸受の内周面に接触可能なスリーブと、前記スリーブに接触している潤滑油保持体とを備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油保持体は前記スリーブの上端に接触していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油保持体は多孔質の材料から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油保持体は第1の潤滑油保持体であり、前記すべり軸受に接触している第2の潤滑油保持体をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2の潤滑油保持体は前記すべり軸受の上端に接触していることを特徴とする。
本発明の他の態様は、回転軸を支持するための軸受組立体であって、すべり軸受と、前記回転軸に固定され、かつ前記すべり軸受の内周面に接触可能なスリーブと、前記すべり軸受に接触している潤滑油保持体とを備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油保持体は前記すべり軸受の上端に接触していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油保持体は多孔質の材料から構成されていることを特徴とする。
本発明のさらに他の態様は、羽根車と、前記羽根車が固定された回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する上記軸受組立体とを備えることを特徴とする立軸ポンプである。
本発明によれば、液体のないドライ条件でスリーブがすべり軸受にすべり接触すると、潤滑油は潤滑油保持体から流出してスリーブに供給される。このスリーブ上の潤滑油は、すべり軸受とスリーブとの摩擦に起因して生じるすべり軸受の温度上昇を抑制することができる。
先行待機運転を行う立軸ポンプを示す模式図である。 上側軸受組立体の一実施形態を示す断面図である。 上側軸受組立体の他の実施形態を示す図である。 上側軸受組立体のさらに他の実施形態を示す図である。 上側軸受組立体のさらに他の実施形態を示す図である。 上側軸受組立体のさらに他の実施形態を示す図である。 先行待機運転を行う立軸ポンプを示す模式図である。 ポンプ運転時における回転軸、スリーブ、およびすべり軸受を示す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、先行待機運転を行う立軸ポンプを示す模式図である。図1に示すように、立軸ポンプは、吸込ベルマウス10および吐出ボウル12を有するポンプケーシング14と、ポンプケーシング14を水槽1内に吊り下げる揚水管16と、揚水管16の上端に接続された吐出エルボ管18と、ポンプケーシング14内に収容された羽根車20と、羽根車20が固定された回転軸22とを備えている。
揚水管16は、水槽1の上部のポンプ据付床24に形成された挿通孔26を通して下方に延びている。ポンプ据付床24にはポンプベース28が固定されており、揚水管16の上端はポンプベース28に接続されている。回転軸22は吐出エルボ管18、揚水管16、およびポンプケーシング14内を通って鉛直方向に延びている。
吸込ベルマウス10は下方を向いて開口し、吸込ベルマウス10の上端は吐出ボウル12の下端に固定されている。羽根車20は回転軸22の下端に固定されており、羽根車20と回転軸22とは一体的に回転するようになっている。この羽根車20の上方(吐出側)には複数のガイドベーン(静翼)34が配置されている。これらガイドベーン34は吐出ボウル12の内面に固定されている。
吸込ベルマウス10の側面部に貫通孔15が設けられており、この貫通孔15には、外気に接する開口17aを備えた空気管17が取付けられている。これにより、この立軸ポンプでは貫通孔15を介して立軸ポンプ内に供給する空気の供給量を水位に応じて変化させ、最低運転水位LWL以下で立軸ポンプの排水量がコントロールされる。
回転軸22は、吐出エルボ管18に設けられた孔を通って、水槽1の上方まで延びている。回転軸22は、水槽1の上方の位置において、駆動機(図示しない)に接続されている。駆動機は保守点検を容易に行うことができるように陸上に設けられる。駆動機の回転は回転軸22に伝達され、回転軸22に固定された羽根車20が回転する。羽根車20の回転によって水は吸込ベルマウス10から吸い込まれ、ポンプケーシング14、揚水管16、および吐出エルボ管18を通って外部に吐出される。
先行待機運転の運転状態について説明する。例えば大都市の雨水排水用として、吸込水位に関係なく降雨情報等により予め立軸ポンプを始動しておく(気中運転)。低水位の状態から水位が上昇するに従って、羽根車20の位置まで水位が達し、立軸ポンプは空運転(気中運転)から羽根車20で水を撹拌する運転(気水撹拌運転)を行う。さらに立軸ポンプは貫通孔15を経て供給される空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に増やす運転(気水混合運転)を経て100%水の排出を行う全量運転(定常運転)へ移行する。また、高水位から水位が低下するときは、立軸ポンプは全量運転から貫通孔15を経て供給する空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に減らす運転(気水混合運転)へ移行する。水位がLLWLの近くに至ると、立軸ポンプは水を吸い込まず排水もしない運転(エアロック運転)へ移行する。これら5つの特徴ある運転を総称して先行待機運転という。なお、ポンプ始動は、吸込ベルマウス10の下端よりも低い水位LLLWLから開始する。
立軸ポンプは、揚水管16内に設けられた上側軸受組立体40と、ポンプケーシング14内に設けられた下側軸受組立体36とをさらに備えている。回転軸22は、吐出エルボ管18の上部に設けられた外軸受43と、これら軸受組立体36,40により回転自在に支持されている。本実施形態において、回転軸22は2つの軸受組立体36,40によって支持されているが、軸受組立体36,40の数はこの実施形態に限定されない。軸受組立体の数は回転軸の長さに基づいて決定される。
吐出エルボ管18に設けられた孔と回転軸22との間の僅かな隙間には、フローティングシール、グランドパッキン、またはメカニカルシールなどの軸シール35が設けられている。この軸シール35は、立軸ポンプが扱う液体が吐出エルボ管18の外部に流出することを防止している。
上側軸受組立体40および下側軸受組立体36は同一の構成を有しているので、以下、上側軸受組立体40について図面を参照しつつ説明し、下側軸受組立体36の説明は省略する。
図2は上側軸受組立体40の一実施形態を示す断面図である。上側軸受組立体40は、回転軸22の周囲に配置されたすべり軸受41と、すべり軸受41が固定された金属リング42とを備えている。すべり軸受41および金属リング42は円筒形状を有しており、かつ互いに同心状に配置されている。
すべり軸受41は耐熱性の高い樹脂材料から構成されている。すべり軸受41に適用される樹脂材料の例として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が挙げられる。金属リング42は、すべり軸受41よりも高い熱伝導率を有する材料から構成されている。例えば、金属リング42は金属から構成されている。一実施形態では、金属リング42は、高い耐久性を有し、かつ高い熱伝導率を有するステンレス鋼から構成されている。
上側軸受組立体40は、回転軸22の外周面に固定された円筒状のスリーブ11をさらに備えている。スリーブ11は回転軸22と同心状に配置されており、回転軸22とともに回転する。スリーブ11は、例えば超硬合金から構成されている。一実施形態では、スリーブ11は、タングステンカーバイト系の超硬合金から構成されている。すべり軸受41は、スリーブ11を囲むように配置されている。すべり軸受41の内周面41aとスリーブ11の外周面との間には僅かな隙間が形成されている。すべり軸受41の内周面41aは、スリーブ11の外周面にすべり接触する支持面を構成している。スリーブ11はすべり軸受41の内周面41aに接触可能である。すべり軸受41の外周面41bは金属リング42の内周面に接触している。
上側軸受組立体40は、金属リング42を保持する軸受ケース45をさらに備えている。軸受ケース45は、揚水管16(図1参照)に固定された支持部材46に支持されている。軸受ケース45は、例えば鉄などの材料から構成されてもよい。好ましくは、軸受ケース45は、金属リング42と同じ材料、例えば、ステンレス鋼から構成されている。すべり軸受41が固定された金属リング42は軸受ケース45に固定されている。
軸受ケース45は、円筒部45aと、円筒部45aから外側に突出するフランジ部45bとを有している。円筒部45aは回転軸22の軸方向に延びている。円筒部45aおよびフランジ部45bは一体的に構成されている。金属リング42の外周面は、円筒部45aの内周面に接触している。
上側軸受組立体40は、スリーブ11に接触している潤滑油保持体(スリーブ側潤滑油保持体)70をさらに備えている。潤滑油保持体70は、その内部に潤滑油を保持することができるように、多孔質の材料から構成されている。例えば、潤滑油保持体70は、セラミックスや焼結金属などの焼結体、または活性炭から構成されている。
潤滑油保持体70は、環状形状を有しており、すべり軸受41と同心状に配置されている。潤滑油保持体70は回転軸22の第1の外周面22aに固定されており、スリーブ11は回転軸22の第2の外周面22bに固定されている。本実施形態では、潤滑油保持体70の外周面およびスリーブ11の外周面は同一面内にある。
潤滑油保持体70はスリーブ11上に配置されており、潤滑油保持体70の下端70aはスリーブ11の上端11aに接触している。回転軸22の第1の外周面22aと第2の外周面22bとの間には、環状の段部22cが形成されており、スリーブ11の上端11aは環状段部22cにも接触している。つまり、スリーブ11の上端11aは、潤滑油保持体70の下端70aおよび環状段部22cに接触している。
潤滑油保持体70はスリーブ11に接触しているため、スリーブ11の温度の上昇に伴って、潤滑油保持体70の温度も上昇する。潤滑油保持体70の温度が高くなると、潤滑油保持体70に保持された潤滑油の温度も高くなる。潤滑油の粘性は潤滑油の温度に依存するため、潤滑油の温度が高くなると、潤滑油の粘性は低くなり、結果的に、潤滑油は潤滑油保持体70から流れ出す。図2に示すように、スリーブ11は潤滑油保持体70の下側に位置しているため、流れ出した潤滑油はスリーブ11に接触し、スリーブ11の外周面を流下する。結果として、スリーブ11の外周面は潤滑油で覆われる。
このように、液体のないドライ条件でスリーブ11がすべり軸受41にすべり接触すると、潤滑油は潤滑油保持体70から流出してスリーブ11に供給される。このスリーブ11上の潤滑油は、すべり軸受41とスリーブ11との摩擦に起因して生じるすべり軸受41の温度上昇を抑制することができる。
スリーブ11がすべり軸受41にすべり接触すると、スリーブ11の温度は上昇し、スリーブ11は熱膨張により軸方向に延びる。スリーブ11の上端11aは回転軸22の環状段部22cに接触しているので、スリーブ11の上方への移動は環状段部22cによって制限される。したがって、潤滑油保持体70がスリーブ11に押されて変形または破損してしまうことを防止することができる。
潤滑油保持体70の下端70aは、すべり軸受41の上端41cよりも高い位置にある。したがって、スリーブ11がすべり軸受41に接触したとき、潤滑油保持体70はすべり軸受41に接触しない。このような配置により、潤滑油保持体70の損傷を防止することができる。したがって、潤滑油保持体70として、比較的強度の低い多孔質の材料を用いることができる。
本実施形態によれば、待機運転時でのすべり軸受41の温度を約10%低減することができる。したがって、すべり軸受41自体の耐久性を向上させることができる。つまり、すべり軸受41の温度上昇を抑制することにより、樹脂材料から構成されたすべり軸受41の劣化を抑制することができる。上側軸受組立体40および下側軸受組立体36は同一の構成を有しているので、下側軸受組立体36でも同様の効果が得られる。
図3は上側軸受組立体40の他の実施形態を示す図である。下側軸受組立体36も上側軸受組立体40と同様の構成を有しているため、その重複する説明を省略する。図3に示すように、上側軸受組立体40は円筒状の弾性リング49をさらに備えている。弾性リング49はゴムなどの弾性材から構成されている。弾性リング49は、すべり軸受41および金属リング42と同心状に配置されている。弾性リング49は、金属リング42と軸受ケース45との間に挟まれている。弾性リング49は、すべり軸受41と同じ軸方向の長さを有しており、軸方向においてすべり軸受41と同じ位置に配置されている。
すべり軸受41とスリーブ11との接触により、すべり軸受41にはラジアル荷重が作用する。弾性リング49は、このラジアル荷重を金属リング42から受けたときに弾性変形することができるので、ラジアル荷重に起因するすべり軸受41および金属リング42の損傷を防止することができる。さらに、弾性リング49は、スリーブ11とすべり軸受41との接触に起因する振動を吸収することができる。
図4は上側軸受組立体40のさらに他の実施形態を示す図である。下側軸受組立体36も上側軸受組立体40と同様の構成を有しているため、その重複する説明を省略する。図4に示す実施形態では、回転軸22に固定された潤滑油保持体70は設けられておらず、代わりに、すべり軸受41に接触している潤滑油保持体(軸受側潤滑油保持体)75が設けられている。
潤滑油保持体75はすべり軸受41の上側に配置されており、潤滑油保持体75の下端75aはすべり軸受41の上端41cに接触している。潤滑油保持体75は、その内部に潤滑油を保持することができるように、多孔質の材料から構成されている。例えば、潤滑油保持体75は、セラミックスから構成されている。潤滑油保持体75の内部には潤滑油が保持されている。潤滑油保持体75の上端75bはスリーブ11の上端11aと同じ高さに位置している。
スリーブ11がすべり軸受41にすべり接触すると、すべり軸受41の温度が上昇する。潤滑油保持体75はすべり軸受41に接触しているため、すべり軸受41の温度の上昇に伴って、潤滑油保持体75の温度も上昇する。結果として、潤滑油は潤滑油保持体75から流れ出し、すべり軸受41の内周面41aを流下する。したがって、すべり軸受41の内周面41aは潤滑油で覆われる。
このように、液体のないドライ条件でスリーブ11がすべり軸受41にすべり接触すると、潤滑油は潤滑油保持体75から流出してすべり軸受41に供給される。このすべり軸受41上の潤滑油は、すべり軸受41とスリーブ11との摩擦に起因して生じるすべり軸受41の温度上昇を抑制することができる。本実施形態によれば、潤滑油保持体75内の潤滑油は、すべり軸受41が過熱される前に流れ出すため、すべり軸受41の損傷が防止される。
図5は上側軸受組立体40のさらに他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図4に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図5に示すように、潤滑油保持体75は、複数の潤滑油保持部材から構成されてもよい。図5に示す実施形態では、潤滑油保持体75は、上側潤滑油保持部材75Aおよび下側潤滑保持部材75Bから構成されている。すべり軸受41は、上側すべり軸受41Aおよび下側すべり軸受41Bから構成されている。
上側潤滑油保持部材75Aは上側すべり軸受41A上に配置されており、上側すべり軸受41Aの上端は上側潤滑油保持部材75Aの下端に接触している。同様に、下側潤滑油保持部材75Bは下側すべり軸受41B上に配置されており、下側すべり軸受41Bの上端は下側潤滑油保持部材75Bの下端に接触している。下側潤滑油保持部材75Bは、上側すべり軸受41Aと下側すべり軸受41Bとの間に位置している。下側潤滑油保持部材75Bの上端は、上側すべり軸受41Aの下端に接触している。
図6は上側軸受組立体40のさらに他の実施形態を示す図である。図6に示すように、スリーブ11上に潤滑油保持体70を配置し、かつ、すべり軸受41上に潤滑油保持体75を配置してもよい。本実施形態では、潤滑油保持体70は第1の潤滑油保持体70と称し、潤滑油保持体75は第2の潤滑油保持体75と称する。本実施形態では、上側軸受組立体40は、第1の潤滑油保持体70および第2の潤滑油保持体75を備えているため、潤滑油の膜をスリーブ11の外周面およびすべり軸受41の内周面41aにそれぞれ形成することができる。したがって、より効果的にすべり軸受41の温度上昇を抑制することができる。
上述した実施形態は適宜組み合わせてもよい。例えば、図2に示す実施形態または図3に示す実施形態を、図5に示す実施形態と組み合わせてもよい。つまり、軸受組立体は、第1の潤滑油保持体70と、上側潤滑油保持部材75Aおよび下側潤滑油保持部材75Bから構成された第2の潤滑油保持体75を備えてもよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 水槽
10 吸込ベルマウス
11 スリーブ
11a 上端
12 吐出ボウル
14 ポンプケーシング
15 貫通孔
17 空気管
17a 開口
18 吐出エルボ管
20 羽根車
22 回転軸
22a 第1の外周面
22b 第2の外周面
22c 環状段部
24 ポンプ据付床
26 挿通孔
28 ポンプベース
34 ガイドベーン
35 軸シール
36 下側軸受組立体
40 上側軸受組立体
41 すべり軸受
41A 上側すべり軸受
41B 下側すべり軸受
41a 内周面
41b 外周面
41c 上端
42 金属リング
43 外軸受
45 軸受ケース
45a 円筒部
45b フランジ部
46 支持部材
49 弾性リング
70 潤滑油保持体(第1の潤滑油保持体)
70a 下端
75 潤滑油保持体(第2の潤滑油保持体)
75a 下端
75b 上端
75A 上側潤滑油保持部材
75B 下側潤滑油保持部材
100 水槽
105 貫通孔
106 空気管
110 吸込ベルマウス
111 スリーブ
120 羽根車
122 回転軸
135,145 すべり軸受

Claims (9)

  1. 回転軸を支持するための軸受組立体であって、
    すべり軸受と、
    前記回転軸に固定され、かつ前記すべり軸受の内周面に接触可能なスリーブと、
    前記スリーブに接触している潤滑油保持体とを備えることを特徴とする軸受組立体。
  2. 前記潤滑油保持体は前記スリーブの上端に接触していることを特徴とする請求項1に記載の軸受組立体。
  3. 前記潤滑油保持体は多孔質の材料から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受組立体。
  4. 前記潤滑油保持体は第1の潤滑油保持体であり、
    前記すべり軸受に接触している第2の潤滑油保持体をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸受組立体。
  5. 前記第2の潤滑油保持体は前記すべり軸受の上端に接触していることを特徴とする請求項4に記載の軸受組立体。
  6. 回転軸を支持するための軸受組立体であって、
    すべり軸受と、
    前記回転軸に固定され、かつ前記すべり軸受の内周面に接触可能なスリーブと、
    前記すべり軸受に接触している潤滑油保持体とを備えることを特徴とする軸受組立体。
  7. 前記潤滑油保持体は前記すべり軸受の上端に接触していることを特徴とする請求項6に記載の軸受組立体。
  8. 前記潤滑油保持体は多孔質の材料から構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の軸受組立体。
  9. 羽根車と、
    前記羽根車が固定された回転軸と、
    前記回転軸を回転自在に支持する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の軸受組立体とを備えることを特徴とする立軸ポンプ。
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