JP2017166164A - 自動車用ドアガラス保持構造 - Google Patents

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笹田 有
Tamotsu Sasada
有 笹田
秀典 古澤
Shusuke Furusawa
秀典 古澤
中野 寛之
Hiroyuki Nakano
寛之 中野
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Abstract

【課題】生産が容易で、放射音を効果的に減少させることができる自動車用ドアガラス保持構造を提供する。【課題を解決するための手段】自動車ドアの昇降するドアガラス2を保持する自動車用ドアガラス保持構造において、ドアガラス2は、下辺部2aにドアガラス昇降機構3とドアガラス2の振動を吸収する制振チャンネル10を取付ける。制振チャンネル10は、ドアガラス2の下辺部2aを挟持して振動を吸収する制振部材20と制振部材20を保持する制振部材ホルダー30を有する。制振部材20を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車ドアの昇降するドアガラスの振動を減衰させて、車両の放射音を低減する自動車用ドアガラス保持構造に関するものである。
図10に示すように、自動車のドア1には、ドアガラス2を昇降させるドアガラス昇降機構103が設けられて、ドアガラス2の下辺部を保持している。また、自動車の走行時において、ドアガラス2が振動して、その振動による放射音が車内騒音を生じさせることが知られている。
そのため、ドアガラス2の下辺部にドアガラス2の振動を吸収する制振チャンネル110が取り付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
この制振チャンネル110は、図11に示すように、金属製のチャンネル130の中に粘弾性部材であるゴム等の制振部材120が設けられて、その制振部材120の中央に形成された溝の中にドアガラス2の下辺部が挿入されている。
この従来のゴム等の制振部材120の材料として、ゴムや合成樹脂が好適に使用されるとして、特に限定はされないがブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を上げ、合成樹脂材料としてアクリル樹脂等を上げている。
しかしながら、従来のゴムや合成樹脂では、ドアガラス2の振動を減衰させる量が少ないためと、制振チャンネル110の取付位置が最適ではなく、放射音の低減が充分ではなかった。
特開2002−321526号公報
そこで、本発明は、生産が容易で、放射音を効果的に減少させることができる自動車用ドアガラス保持構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアの昇降するドアガラスを保持する自動車用ドアガラス保持構造において、
ドアガラスは、下辺部にドアガラスを昇降させるドアガラス昇降機構とドアガラスの振動を吸収する制振チャンネルを取付け、
制振チャンネルは、ドアガラスの下辺部を挟持して振動を吸収する制振部材と制振部材を保持する制振部材ホルダーを有し、
制振部材を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項1の本発明では、自動車ドアの昇降するドアガラスを保持する自動車用ドアガラス保持構造において、ドアガラスは、下辺部にドアガラスを昇降させるドアガラス昇降機構とドアガラスの振動を吸収する制振チャンネルを取付けている。このため、ドアガラス昇降機構によりドアガラスを保持してドアガラスを昇降させるとともに、自動車の走行時にドアガラス昇降機構や空気の振動によるドアガラスの振動を低減して、車内騒音を低下させることができる。
制振チャンネルは、ドアガラスの下辺部を挟持して振動を吸収する制振部材と制振部材を保持する制振部材ホルダーを有している。このため、制振部材によりドアガラスの振動を抑制するとともに、制振部材ホルダーにより制振部材を保持して、制振部材がドアガラスの下辺部を挟持し続けることができる。
制振部材を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である。このため、制振部材は、弾性を維持しつつ、充分な振動の吸収をすることができる。損失係数(tanδ)が0.3未満の場合には、振動吸収性が不十分となり、2.0を超える場合には弾性が少なくなり、制振部材がドアガラスの下辺部を挟持する力が弱くなる。
請求項2の本発明は、制振部材は、ドアガラスを挟持する内面、又は制振部材ホルダーに当接する外面に突条が形成された自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項2の本発明では、制振部材は、ドアガラスを挟持する内面、又は制振部材ホルダーに当接する外面に突条が形成されたため、車両ごとのドアガラスの振動の周波数に応じて、制振部材がドアガラスに当接するバネ定数を調整して、制振部材によりドアガラスの振動を抑制する最適なバネ定数を設定することができる。
請求項3の本発明は、制振チャンネルの1つ又は2つは、ドアガラス昇降機構と一体的にドアガラスの下辺部に取り付けられた自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項3の本発明では、制振チャンネルの1つ又は2つは、ドアガラス昇降機構と一体的にドアガラスの下辺部に取付けられたため、自動車走行時の振動がドアガラス昇降機構を経由して、ドアガラスに伝達されるのを低減して、車内騒音を低下させることができる。
請求項4の本発明は、制振部材ホルダーの長手方向の先端は、制振部材の先端を保持する制振部材ホルダー先端係止部材が設けられた自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項4の本発明では、制振部材ホルダーの長手方向の先端は、制振部材の先端を保持する制振部材ホルダー先端係止部材が設けられている。このため、制振部材ホルダー先端係止部材により、制振部材が制振部材ホルダー内に固定されて、制振部材が制振部材ホルダーから外れることが無い。制振部材ホルダー先端係止部材がドアガラスと接着されている場合には、制振チャンネルを強固にドアガラスに取付けることができる。
請求項5の本発明は、制振部材は、上端にドアガラスに当接する制振部材先端保持リップと、制振部材ホルダーの先端を覆う制振部材先端カバーリップが形成された自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項5の本発明では、制振部材は、上端にドアガラスに当接する制振部材先端保持リップと、制振部材ホルダーの上端を覆う制振部材先端カバーリップが形成されている。このため、制振部材とドアガラスの間の隙間を制振部材先端保持リップが塞ぎ、制振部材と制振部材ホルダーの間の隙間を制振部材先端カバーリップが塞ぐことができ、制振性を向上させることができる。
請求項6の本発明は、制振チャンネルは、ドアガラスの下辺部の前後方向における振動モードの腹の位置に取り付けられた自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項6の本発明では、制振チャンネルは、ドアガラスの下辺部の前後方向における振動モードの腹の位置に取り付けられたため、ドアガラスの振動を効果的に減衰させることができる。振動モードの腹の位置は、ドアガラスの制振モードの振幅の最大と最小の位置である。
請求項7の本発明は、制振チャンネルは、制振部材ホルダーに制振部材ホルダー締結孔を形成し、制振部材ホルダー締結孔にブッシュを挿入して、ブッシュを介して制振チャンネルをドアガラス昇降機構に取付けた自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項7の本発明では、制振チャンネルは、制振部材ホルダーに制振部材ホルダー締結孔を形成し、制振部材ホルダー締結孔にブッシュを挿入して、ブッシュを介して制振チャンネルをドアガラス昇降機構に取付けた。このため、自動車走行時の振動がドアガラス昇降機構と制振チャンネルを経由して、ドアガラスに伝達されるときに、ブッシュがドアガラス昇降機構から伝達される振動を低減して、制振部材へ伝達される振動を低減して、車内放射音を低下させることができる。
請求項8の本発明は、ブッシュを構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である自動車用ドアガラス保持構造である。
請求項8の本発明では、ブッシュを構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である。このため、ブッシュは、弾性を維持しつつ、ドアガラス昇降機構からの振動を充分に吸収をすることができる。損失係数(tanδ)が0.3未満の場合には、振動吸収性が不十分となり、2.0を超える場合には弾性が少なくなり、ブッシュがドアガラスの下辺部を保持する力が弱くなる。
制振チャンネルは、ドアガラスの下辺部を挟持して振動を吸収する制振部材と制振部材を保持する制振部材ホルダーを有しているため、制振部材によりドアガラスの振動を抑制するとともに、制振部材ホルダーにより制振部材を保持して、制振部材がドアガラスの下辺部を挟持し続けることができる。
制振部材を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0であるため、制振部材は、弾性を維持しつつ、充分な振動の吸収をすることができる。
本発明の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着し、ドアガラスにドアガラス昇降機構を取り付けた状態のドアの構造を示す概略透視図である。 本発明の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した、制振チャンネルの先端部分の拡大斜視図である。 本発明の第1の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した部分の断面図であり、図1におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した部分の断面図であり、図1におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の第3の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した部分の断面図であり、図1におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の第4の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した部分の断面図であり、図1におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着する態様を示し、ドアガラスの振動モードと制振チャンネルの取付場所を示す模式図である。(a)は、フロントドアガラスを示し、(b)はリアドアガラスを示す。 本発明の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着する他の態様を示し、ドアガラスの振動モードと制振チャンネルの取付場所を示す模式図である。(a)は、フロントドアガラスを示し、(b)はリアドアガラスを示す。 本発明の実施の形態である制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着する他の態様を示し、ドアガラスの振動モードと制振チャンネルの取付場所を示す模式図である。(a)は、フロントドアガラスを示し、(b)はリアドアガラスを示す。 従来の制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着し、ドアガラスにドアガラス昇降機構を取り付けた状態のドアの概略透視図である。 従来の制振チャンネルをドアガラスの下辺部に装着した部分の断面図である。
本発明の実施の形態を、図1〜図9に基づき説明する。
図1は、自動車のフロントのドア1の構造を示す概略透視図である。本発明は、自動車のフロントのドア1を例にとり説明するが、リアのドア1についても同様に使用することができる。
ドア1の内部には、ドアガラス2が取り付けられて、ドアガラス2はドアガラス昇降機構3により昇降される。ドアガラス昇降機構3は、本実施の形態では、2本のアームがX字形に交差されたXアーム3bにより構成されて、Xアーム3bの先端には、ドアガラス2の下辺部と締結するドアガラス取付部材4が設けられている。第1の実施の形態では、2個のドアガラス取付部材4の間のドアガラス2の下辺部2aに制振チャンネル10が取り付けられている。Xアーム3b以外の他のドアガラス昇降機構3を使用することもできる。
ドア1の周囲にはガラスラン5が取り付けられて、ドアフレームとドアガラス2の間をシールしている。
図2に示すように、制振チャンネル10は、ドアガラス2の下辺部2aを挟持して振動を吸収する制振部材20と制振部材20を保持する制振部材ホルダー30を有している。
制振部材ホルダー30は、制振性のよい合成樹脂、或いは剛性の大きな金属で形成することができる。
図2と図3に示すように、制振部材ホルダー30は、断面U字形に形成されて、断面U字形の内部は、制振部材ホルダー保持溝31が形成され、制振部材ホルダー保持溝31の内部に、制振部材20が保持される。このため、制振部材ホルダー30により制振部材20を保持して、制振部材20がドアガラス2の下辺部2aを強固に挟持し続けることができる。
図2に示すように、制振部材ホルダー30の長手方向の両側の先端は、制振部材20の先端を保持する制振部材ホルダー先端係止部材34が設けられている。制振部材ホルダー先端係止部材34により、制振部材20が制振部材ホルダー30内に固定されて、制振部材20が制振部材ホルダー30から外れることが無い。
制振部材ホルダー先端係止部材34は、接着剤を使用することもできる。制振部材ホルダー先端係止部材34が接着剤の場合には、ドアガラス2と制振部材ホルダー先端係止部材34が接着されて、制振チャンネル10がドアガラス2に強固に取付けられることができる。
また、制振部材20の上下方向への抜け止めとしては、制振部材ホルダー30を金属製として、制振部材ホルダー30をかしめて、制振部材20をドアガラス2と制振部材ホルダー30で挟持して、保持することもできる。
なお、図2に示すように、制振部材ホルダー30の先端部分に、制振部材ホルダー締結部32を形成して、制振部材ホルダー締結部32には、制振部材ホルダー締結孔33を形成することができる。この場合には、制振部材ホルダー締結孔33にブッシュ35を挿入することができる。ブッシュ35は円筒状に形成され、外周をゴム部35aで形成され、内周を金属製の金属カラー35bで形成される。
そして、ブッシュ35を制振部材ホルダー締結孔33に挿入して、ブッシュ35の金属カラー35bの内部に取付ネジ3cを挿入して、ドアガラス昇降機構3の締結部3aを制振部材ホルダー締結部32に取付ける。この場合には、自動車走行時の振動がドアガラス昇降機構3を経由して、ドアガラス2に伝達されるときに、ブッシュ35がドアガラス昇降機構3の振動を低減して、制振部材20へ伝達される振動を低減して、放射音を低下させることができる。
ブッシュ35は、後述する制振部材20と同じ材料を使用することができる。即ち、ブッシュ35を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0のブチルゴム(IIR)を使用することができる。この場合には、、ブッシュ35は、弾性を維持しつつ、ドアガラス昇降機構3からの振動を充分に吸収をすることができる。損失係数(tanδ)が0.3未満の場合には、振動吸収性が不十分となり、2.0を超える場合には弾性が少なくなり、ブッシュ35がドアガラス昇降機構3の締結部3aを保持する力が弱くなる。
図3に示すように、制振部材20は、制振部材本体21が断面U字形に形成されて、制振部材本体21の断面U字形の内部は、ドアガラス2の下辺部2aを保持する制振部材保持溝24を形成している。上述のように、制振部材本体21が、制振部材ホルダー30の制振部材ホルダー保持溝31の内部に取り付けられる。
本発明の第1の実施の形態では、制振部材保持溝24に面する制振部材本体21の面には、複数の長手方向に連続する制振部材内側突条23が形成されている。この制振部材内側突条23の断面形状と数を調整することにより、制振部材20がドアガラス2に当接するバネ定数を調整して、ドアガラス2の振動数を変化させて、車内の放射音への影響の少ない周波数にシフトさせることができる。
車両により、ドアガラス2の振動の周波数は異なるため、車両ごとのドアガラス2の振動の周波数に応じて、制振部材20がドアガラス2に当接するバネ定数を調整して、制振部材20によりドアガラス2の振動の影響の少ない周波数へシフトさせる最適なバネ定数を、車両ごとに設定することができる。
図3に示すように、制振部材20は、制振部材本体21の制振部材保持溝24を挟む両側の上端に、ドアガラス2に当接する制振部材先端保持リップ22と、制振部材ホルダー30の上端を覆う制振部材先端カバーリップ26が形成されている。このため、制振部材20とドアガラス2の間の隙間を制振部材先端保持リップ22が塞ぎ、制振部材20と制振部材ホルダー30の間の隙間を制振部材先端カバーリップ26が塞ぎ、制振性を向上させることができる。
制振部材20は、ブチルゴム(IIR)で形成されるが、そのブチルゴム(IIR)は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0であるものが使用される
制振部材20は、自動車の走行時等において、ドアガラス2が振動したときに、制振部材20が弾性を有しつつ、充分な振動の吸収をすることができる。損失係数(tanδ)が0.3未満の場合には、粘性が小さくなり、振動吸収性が不十分となり、2.0を超える場合には弾性が少なくなり、永久歪が大きくなるためである。
上記損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である材料を使用すると、自動車の走行時の車体の振動や、車外風圧によるドアガラス2の振動を吸収して、車室内の放射音を低減することができる。損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である材料は、弾性を有しつつ、粘性により振動エネルギーを効果的に熱エネルギーに変換して、振動を吸収することができるからである。
ブチルゴム(IIR)における、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0であるものは、JISK6253のタイプA硬度が50〜80が使用することができるが、タイプA硬度60程度が好ましい。
また、図4に示す第2の実施の形態として、最適なバネ定数を調整する手段として、例えば図4に示すように、制振部材本体21の制振部材ホルダー30と当接する外面に制振部材外側突条25を形成することができる。第1の実施の形態と同様に、この制振部材外側突条25の断面形状と数を調整することにより、制振部材20がドアガラス2に当接するバネ定数を調整することができる。
さらに、図5に示す第3の実施の形態として、最適なバネ定数を調整する手段として、例えば図5に示すように、制振部材本体21の制振部材ホルダー30と当接する外面と内面に制振部材外側突条25を形成することができる。第1の実施の形態と同様に、この制振部材外側突条25の断面形状と数を調整することにより、制振部材20がドアガラス2に当接するバネ定数を調整することができる。
さらに、図6に示す第4の実施の形態として、最適なバネ定数を調整する手段として、例えば図6に示すように、制振部材ホルダー30の内面に制振部材本体21の外面と当接する制振部材ホルダー内側突条36を形成することができる。この制振部材ホルダー内側突条36の断面形状と数を調整することにより、制振部材20がドアガラス2に当接するバネ定数を調整することができる。
制振チャンネル10をドアガラス2の下辺部2aに取付ける場所は、図1に示すように、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取り付けられる2個のドアガラス取付部材4が、ドアガラス2の下辺部2aに取付けられた間に取付けることができる。この場合には、制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の部分に取り付けられる。
ドアガラス2の振動モードの腹の部分に応じて、制振チャンネル10が取り付けられる場所について、図7〜図9に基づき説明する。図7〜図9において、(a)は、フロントドアを示し、(b)はリアドアを示す。図の下部に示す曲線は、フロントドアとリアドアのそれぞれの振動モードを示すものである。
図7(a)において、フロントドアのドアガラス2の下辺部2aでは、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取り付けられる2個のドアガラス取付部材4が、下辺部2aの両端に取り付けられて、2個のドアガラス取付部材4の間に、2個の制振チャンネル10が取り付けられている。2個の制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の上端と下端に対応する部分に取り付けられている。
図7(b)において、リアドアのドアガラス2の下辺部2aでは、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取り付けられる1個のドアガラス取付部材4が、下辺部2aに取り付けられて、1個のドアガラス取付部材4の両側に、2個の制振チャンネル10が取り付けられている。2個の制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の下端に対応する部分に取り付けられている。
図8(a)において、フロントドアのドアガラス2の下辺部2aでは、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取り付けられる2個のドアガラス取付部材4が、下辺部2aの互いに離れた部分に取り付けられて、2個のドアガラス取付部材4の間に1つと、2個のドアガラス取付部材4の外側に2個の、合わせて3個の制振チャンネル10が取り付けられている。3個の制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の上端と下端に対応する部分に取り付けられている。
図8(b)において、リアドアのドアガラス2の下辺部2aでは、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取り付けられる1個の制振チャンネル10が、下辺部2aに取り付けられて、1個の制振チャンネル10の制振部材ホルダー30には、Xアーム3bの先端と締結される締結部32が設けられている。締結部32を有する1個の制振チャンネル10の両側に、2個の制振チャンネル10が取付けられている。合わせて3個の制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の上端と下端に対応する部分に取り付けられている。
図9(a)において、フロントドアのドアガラス2の下辺部2aでは、ドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取付けられる2個のドアガラス取付部材4が、下辺部2aの互いに離れた部分の両端に取り付けられて、2個のドアガラス取付部材4の間に1つと、2個のドアガラス取付部材4の外側2この、合わせて3個の制振チャンネル10が取り付けられている。2個のドアガラス取付部材4の間に取付けられた制振チャンネル10は、他の制振チャンネル10よりも長く形成されている。
2個の締結部3aの外側に取付けられた制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の上端に対応する部分に取り付けられている。2個の締結部3aの間に取付けられた制振チャンネル10は、ドアガラス2の振動モードの腹の上端、下端及び上端にかけて対応するように取付けられている。
図9(b)において、リアドアのドアガラス2の下辺部2aでは、下辺部2aの全長に対応するように長い制振チャンネル10が取付けられて、制振チャンネル10に一体的にドアガラス昇降機構3のXアーム3bの先端に取付けられる1個の締結部32を有する制振チャンネル10が取付けられている。ドアガラス2の振動モードは、波長が短く、腹の上端と下端が多数存在し、多数の腹の上端と下端に対応するため、全長に亘り長い制振チャンネル10が取付けられている。
2 ドアガラス
2a 下辺部
3 ドアガラス昇降機構
3a 締結部
10 制振チャンネル
20 制振部材
21 制振部材本体
23 制振部材内側突条
25 制振部材外側突条
30 制振部材ホルダー
35 ブッシュ

Claims (8)

  1. 自動車ドアの昇降するドアガラスを保持する自動車用ドアガラス保持構造において、
    上記ドアガラスは、下辺部に上記ドアガラスを昇降させるドアガラス昇降機構と上記ドアガラスの振動を吸収する制振チャンネルを取付け、
    該制振チャンネルは、上記ドアガラスの下辺部を挟持して振動を吸収する制振部材と該制振部材を保持する制振部材ホルダーを有し、
    上記制振部材を構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である自動車用ドアガラス保持構造。
  2. 上記制振部材は、上記ドアガラスを挟持する内面、又は上記制振部材ホルダーに当接する外面に突条が形成された請求項1に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  3. 上記制振チャンネルの1つ又は2つは、上記ドアガラス昇降機構と一体的に上記ドアガラスの下辺部に取り付けられた請求項1又は請求項2に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  4. 上記制振部材ホルダーの長手方向の先端は、上記制振部材の先端を保持する制振部材ホルダー先端係止部材が設けられた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  5. 上記制振部材は、先端に上記ドアガラスに当接する制振部材先端保持リップと、上記制振部材ホルダーの先端を覆う制振部材先端カバーリップが形成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  6. 上記制振チャンネルは、上記ドアガラスの下辺部の前後方向における振動モードの腹の位置に取り付けられた請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  7. 上記制振チャンネルは、上記制振部材ホルダーに制振部材ホルダー締結孔を形成し、該制振部材ホルダー締結孔にブッシュを挿入して、該ブッシュを介して上記制振チャンネルを上記ドアガラス昇降機構に取付けた請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
  8. 上記ブッシュを構成する材料は、20℃で周波数0.4〜10KHzにおける損失係数(tanδ)が0.3〜2.0である請求項7に記載の自動車用ドアガラス保持構造。
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CN109572374A (zh) * 2017-09-28 2019-04-05 丰田合成株式会社 汽车用车门玻璃保持构造
JP2019064578A (ja) * 2017-09-28 2019-04-25 豊田合成株式会社 自動車用ドアガラス保持構造
JP2019138032A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 三井化学株式会社 ガラス板保持構造
JP2020186588A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 オイレスEco株式会社 ブラインド

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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