JP2017164930A - ナノ薄膜転写シート - Google Patents

ナノ薄膜転写シート Download PDF

Info

Publication number
JP2017164930A
JP2017164930A JP2016050445A JP2016050445A JP2017164930A JP 2017164930 A JP2017164930 A JP 2017164930A JP 2016050445 A JP2016050445 A JP 2016050445A JP 2016050445 A JP2016050445 A JP 2016050445A JP 2017164930 A JP2017164930 A JP 2017164930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
nano thin
layer
film layer
transfer sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016050445A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6660777B2 (ja
Inventor
晶 山城
Akira Yamashiro
晶 山城
和幸 加茂
Kazuyuki Kamo
和幸 加茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fancl Corp
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Fancl Corp
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fancl Corp, Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Fancl Corp
Priority to JP2016050445A priority Critical patent/JP6660777B2/ja
Publication of JP2017164930A publication Critical patent/JP2017164930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6660777B2 publication Critical patent/JP6660777B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

【課題】ナノ薄膜層を被着体に確実に、きれいに転写できるナノ薄膜転写シートを提供する。【解決手段】基材と、該基材上に積層されたナノ薄膜層とを有し、前記基材が、目付が15〜25g/m2、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布、目付が15〜25g/m2、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付が45〜60g/m2、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布のいずれかであるナノ薄膜転写シート。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ薄膜転写シート及びナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
近年、ナノ薄膜層を臓器、皮膚等に貼付するためのナノ薄膜転写シートが注目されている。例えば、特許文献1には、第1の浸透性基材と、ナノ薄膜層と、第2の浸透性基材とがこの順に積層されてなるナノ薄膜転写シートが提案されている。特許文献1に記載のナノ薄膜転写シートは、ナノ薄膜層上に溶解性支持層を形成し、その上に浸透性基材を積層した後に、溶解性支持層を溶媒により除去することにより製造される。しかしながら、特許文献1に記載のナノ薄膜転写シートは、溶解性支持層が十分に除去されず、浸透性基材がナノ薄膜層からきれいに剥離できない場合があった。
特開2015−16612号公報
本発明は、ナノ薄膜層を被着体に確実に、きれいに転写できるナノ薄膜転写シートを提供することを課題とする。
1.基材と、該基材上に積層されたナノ薄膜層とを有し、
前記基材が、目付が15〜25g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布、目付が15〜25g/m、厚みが0.05〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付が45〜60g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布のいずれかであることを特徴とするナノ薄膜転写シート。
2.前記ナノ薄膜層が、ポリカチオンを有するA層と、ポリアニオンを有するB層とを有することを特徴とする1.に記載のナノ薄膜転写シート。
3.前記ナノ薄膜層は、前記A層と前記B層とが交互に積層されていることを特徴とする2.に記載のナノ薄膜転写シート。
4.前記ポリカチオンは、1分子中に2個以上のアミノ基を有するカチオン性ポリマーであることを特徴とする2.又は3.に記載のナノ薄膜転写シート。
5.前記ポリアニオンは、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーであることを特徴とする2.〜4.のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
6.前記ナノ薄膜層の厚さは、1nm〜300nmであることを特徴とする1.〜5.のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
7.前記ナノ薄膜層は、皮膚貼付用であることを特徴とする1.〜6.のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
8.前記ナノ薄膜層は、化粧用であることを特徴とする1.〜7.のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
9.平滑な面を有する仮基材上にナノ薄膜層を形成する工程、
前記ナノ薄膜層上に溶解性支持層を形成する工程、
前記仮基材を剥離し、前記ナノ薄膜層の前記仮基材を剥離した面に基材を貼り合わせる工程、
前記溶解性支持層を溶解させて除去する工程、
を有し、
前記基材が、目付が15〜25g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布、目付が15〜25g/m、厚みが0.05〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付が45〜60g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布のいずれかであることを特徴とするナノ薄膜転写シートの製造方法。
本発明のナノ薄膜転写シートは、製造時にしわ、よれが生じにくく、生産性に優れている。また、本発明のナノ薄膜転写シートは転写性に優れており、ナノ薄膜層を確実に、きれいに被着体へ転写することができる。
ナノ薄膜層を皮膚に貼付することにより、角層の水分を保持し、水分の蒸散を抑えることができる。ナノ薄膜層は、非常に薄く、また、柔軟であるため、皮膚に貼付した状態で体を動かしても、貼付した部分に違和感がない。貼付したまま放置しておくと、擦れ等により自然に剥離するが、剥離した際に生じるカスも微細であるため、異物感がない。そのため、ナノ薄膜層を貼付したまま外出することも可能である。
本発明のナノ薄膜層は、水、水溶液、O/W乳化物、W/O乳化物等で湿らせた皮膚上に転写することができる。そのため、水性の化粧料、薬物等で湿らせた皮膚上に、ナノ薄膜層を貼付することができる。また、油性の化粧料、薬物等の場合は、これらを皮膚に塗布した後に水で湿らせた皮膚上に、ナノ薄膜層を貼付することができる。さらに、ナノ薄膜層に、化粧料・薬物等を保持させることもできる。本発明のナノ薄膜層は、肌を保湿した状態に保つことができるため、化粧料成分、薬効成分をより効果的に経皮吸収させることができる。
従来、にきび、吹き出物、イボ、皮膚炎、湿疹、乾癬等の皮膚疾患が、顔や手等の目立つ位置にできた場合、肌色の絆創膏で覆い隠すことが行われている。また、ニキビ等の治療薬を適用すると、治療薬に含まれる油剤等により化粧ノリが悪くなるため、治療と化粧とを両立することができなかった。
本発明のナノ薄膜層を皮膚疾患上に貼付し、貼付したナノ薄膜層の上から化粧を施すことにより、薬物による治療を行いながら、化粧により皮膚疾患を隠すことができる。
本発明の一実施態様であるナノ薄膜転写シートの断面図。 本発明の一実施態様であるナノ薄膜転写シートの製造方法の模式断面図。 実施例における角層水分量の測定結果を示す図。 実施例における水分蒸散量の測定結果を示す図。
以下、本発明の一実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の一実施態様に限定されるものではない。
図1に、本発明の一実施態様であるナノ薄膜転写シートの断面図を示す。なお、図1において、各層の厚さは実際の厚さを反映するものではない。
本発明のナノ薄膜転写シート1は、不織布からなる基材2上にナノ薄膜層3を有する。
本発明のナノ薄膜転写シート1は、基材2として特定の不織布を採用することにより、ナノ薄膜層3をしわ、よれ等が生じることなく製造することができ、また、皮膚等の被着体へきれいに転写することができる。
[ナノ薄膜層]
ナノ薄膜層3は、例えばポリカチオンを含むA層と、ポリアニオンを含むB層とを有する。
ナノ薄膜層3は、A層とB層が交互に積層された層(交互積層薄膜)であることが好ましい。A層とB層とが交互に積層されることによって、機械的強度及び自己密着性に優れたナノ薄膜層となる。なお、A層とB層とが交互に積層されるとは、1層のA層と1層のB層とが交互に積層されている場合に限られず、複数のA層からなる層と、複数のB層からなる層とが交互に積層されている場合も含む。
ナノ薄膜層3がA層とB層との交互積層体である場合、各層の積層の数は特に限定されるものではない。ナノ薄膜層3の透明性を確保しやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが1〜300層であることが好ましい。また、ナノ薄膜層3が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが10〜100層であることがより好ましく、20〜80層であることがさらに好ましい。
ナノ薄膜層3におけるA層とB層との積層構造は、例えばナノ薄膜層3をIR、NMR、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析、Time−of−Flight SIMS)等で観察することにより、確認することができる。
ナノ薄膜層3の厚みは特に制限されない。自己密着性、吸水性、乾燥状態での柔軟性等の特性がより優れたものとなることから、ナノ薄膜層3の厚みは、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、40〜300nmであることがより好ましく、40〜250nmの範囲内であることが特に好ましく、40〜200nmの範囲内であることが最も好ましい。
ナノ薄膜層3は、皮膚貼付用ナノ薄膜層、化粧用ナノ薄膜層、又は、化粧用皮膚貼付用ナノ薄膜層として好適に使用することができる。
(ポリカチオン)
本明細書において、ポリカチオンとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する化合物であり、カチオン性基とは、カチオン基又はカチオン基に誘導され得る基である。カチオン性基としては、例えば、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基及びグアニジノ基が挙げられる。なお、アミノ基はプロトンが配位結合した−NH3+であってもよい。
ポリカチオンとしては、カチオン性ポリマーが好ましい。なお、本明細書において、カチオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有するポリマーである。カチオン性ポリマーとしては、カチオン性基を有するモノマーを重合させた重合体が好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水の存在下で後述するアニオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、カチオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でカチオン性基が解離することにより正電荷を帯びるという特性を有するものを好適に使用できる。カチオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のアミノ基を有するポリマーが好ましい。
カチオン性ポリマーの好ましい例としては、コラーゲン、ポリヒスチジン、アイオネン、キトサン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンとの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジビニルピリジン等の塩基性ビニルポリマー;並びにそれらの塩類(塩酸塩、酢酸塩等)、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
さらに、上述のカチオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。カチオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。カチオン性ポリマーがアミノ基を有する場合には、カチオン性ポリマーのアミノ基をジカルボン酸と縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
カチオン性ポリマーとしては、塩基性多糖類若しくはその誘導体(例えば、アセチル化物等)又はそれらの塩が好適である。特に、塩基性多糖類としてはキトサンが好ましい。キトサンは、キチンの脱アセチル化物であり、その脱アセチル化度としては、生体吸収性、水溶性が優れることから、40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることがさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、ポリカチオンを含む溶液の粘度が高くなるため、ナノ薄膜層3の形成時に流延し難く、積層し難くなる傾向がある。また、被着体が生体である場合、カチオン性ポリマーの粘度平均分子量が大きいと、生体吸収性が低下する傾向がある。カチオン性ポリマーの粘度平均分子量は、1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることがさらに好ましい。
本明細書において、「粘度平均分子量」とは、一般的な測定方法である粘度法により評価すればよく、例えば、JIS K 7367−3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]から算出することができる。
ポリカチオンとして、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、低分子のジアミン及びポリアミンが挙げられる。このようなポリカチオンとして、具体的には、例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン等のジアミノアルカン類のように1分子中に2個のアミノ基を有する化合物、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノヘキサン等のモノ又はジリジルアミノアルカン類のように1分子中に3〜4個のアミノ基を有する化合物、及び、1分子中に5個以上のアミノ基を有する化合物を挙げることができる。
(ポリカチオンを含む溶液)
ポリカチオンを含む溶液中のポリカチオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%がさらに好ましい。
ポリカチオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、0.5〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、1〜100mPa・sの範囲内であることがさらに好ましい。本明細書において、粘度とは、株式会社エー・アンド・デイ製音叉型振動式粘度計SV−10を用い、サンプル量10mL、20℃で測定した値である。
ポリカチオンを含む溶液には、2種類以上のポリカチオンを併用してもよい。
ポリカチオンを含む溶液の溶媒としては、ポリカチオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
ポリカチオンを含む溶液は、ポリカチオンを溶媒に溶解させたものをそのまま用いることができる。例えば、ポリカチオンを含む溶液のpHは、1.2〜6.6にすることができる。
(ポリアニオン)
本明細書において、ポリアニオンとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する化合物であり、アニオン性基とは、アニオン基又はアニオン基に誘導され得る基である。アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、硫酸基、スルホン酸基及びリン酸基が挙げられる。
ポリアニオンとしては、アニオン性ポリマーが好ましい。なお、本明細書において、アニオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有するポリマーである。アニオン性ポリマーとしては、アニオン性基を有するモノマーを重合させた重合体が好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水の存在下で上記カチオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、アニオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でアニオン性基が解離することにより負電荷を帯びるという特性を有するものを好適に使用できる。アニオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するポリマーが好ましい。
アニオン性ポリマーの好ましい例としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチン、サクラン等のカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有する天然の酸性多糖類及びその誘導体;セルロース、デキストラン、デンプン等のカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有しない多糖類にアニオン性基を結合させて人工的に合成された酸性多糖類及びその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化セルロース及び硫酸化デキストラン並びにそれらの誘導体);ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体等の酸性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリアクリル酸等の酸性ビニルポリマー;並びにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、例えば、水酸基の一部又は全部を、酢酸、硝酸、硫酸、リン酸等と反応させたもの;カルボキシル基又はカルボキシレート基の一部をエチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子アルコールでエステル化した化合物が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、例えば、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル及びヒアルロン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。これらの誘導体におけるエステル化度は特に制限されないが、エステル化度が高くなりすぎると、カルボキシル基又はカルボキシレート基の割合、すなわちアニオン性が低下し、上記カチオン性ポリマーとの間に形成されるポリイオンコンプレックスの機械的強度が低下する傾向にある。そこで、酸性多糖類の誘導体におけるエステル化度は40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることがさらに好ましい。
酸性多糖類又は酸性多糖類の誘導体の塩としては、これらと1価のイオンとの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;及びアンモニウム塩が挙げられる。
さらに上述のアニオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。アニオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。アニオン性ポリマーが、カルボキシル基又はカルボキシレート基を有する場合には、アニオン性ポリマーのカルボキシル基又はカルボキシレート基をジアミンと縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
アニオン性ポリマーとしては、酸性多糖類若しくはその誘導体又はそれらの塩が好適である。特に、天然の多糖類であり、生体適合性に優れ、かつ入手が容易であることから、アルギン酸若しくはその誘導体(具体的には、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が好ましい。
アニオン性ポリマーの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、ポリアニオンを含む溶液の粘度が高くなるため、ナノ薄膜層3の形成時に流延し難く、積層し難くなる傾向がある。また、被着体が生体である場合、アニオン性ポリマーの粘度平均分子量が大きいと、生体吸収性が低下する傾向がある。アニオン性ポリマーの粘度平均分子量は1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアニオンとして、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、コハク酸、マロン酸等の1分子中に2個のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する化合物が挙げられる。
(ポリアニオンを含む溶液)
ポリアニオンを含む溶液中のポリアニオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%がさらに好ましい。
ポリアニオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、10〜100mPa・sの範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアニオンを含む溶液には、2種類以上のポリアニオンを併用してもよい。
ポリアニオンを含む溶液の溶媒としては、ポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、1.6〜5.4であることが好ましいが、ポリアニオンの溶解性により優れることから、1.8〜5.0の範囲内であることがより好ましく、2.0〜4.5の範囲内であることがさらに好ましく、2.5〜4.0の範囲内であることが特に好ましい。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸等の有機酸、又は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を添加することで調整できる。
カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの組合せは、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成し、ゲル化するものであれば、いずれの組合せでもよい。特に、安全性により優れることから、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーのうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであることが好ましい。
生体吸収性ポリマーとは、生分解され得るポリマーを意味する。具体的には、カチオン性ポリマーとして、キトサン、コラーゲン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アイオネン等が挙げられる。アニオン性ポリマーとして、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
(その他の成分)
ナノ薄膜層3には、化粧料に用いられる保湿剤やエモリエント成分等の化粧料成分、又はアスコルビン酸等の美容成分を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、化粧料成分や美容成分を徐々に薄膜フィルムから溶出させ、皮膚に徐々に吸収させることができる。
化粧料成分としては、保湿クリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、美容ジェル等のスキンケアやメイクアップに用いられる化粧料全般に配合されるものを用いることができる。美容成分としては、化粧品学的に許容される皮膚に有効な成分であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、保湿剤、美白成分、抗シワ成分、ビタミン類、抗炎症成分、血流促進成分、湿潤成分、油分、金属微粒子等の化粧料に用いられる成分を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このような化粧料成分、美容成分としては、例えば、アーモンド油、アクリル酸アルキルコポリマー、麻セルロース、アシタバエキス、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、キサンチン、アスタキサンチン、アスパラガスエキス、アスパラギン酸、アズレン、アセロラエキス、アデノシン三リン酸2Na、アボカド油、アマチャエキス、アミノ酪酸、アラニン、アラントイン、アルギニン、アルギン酸Na、アルジルリン、アルテアエキス、アルニカエキス、アルブミン、アロエベラエキス−2、キダチアロエエキス、安息香酸塩Na、イチョウエキス、イノシトール、ウコンエキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、塩化ナトリウム、オイスターエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オリーブ油、オリザノール、海塩、加水分解ケラチン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキリオン、加水分解シルク、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、褐藻エキス、カフェイン、カミツレエキス、カラミン、カリンエキス、カロチン、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カンフル、キイチゴエキス、キウイエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、クオタニウム−73、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、グリコール酸、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、グルコース、グルタチオン、グルタミン酸、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、ケープアロエエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コエンザイムQ10、コーヒーエキス、コーンスターチ、ココイル加水分解コラーゲンK、ココイル加水分解コラーゲンNa、ココベタイン、ゴボウエキス、ゴマ油、コムギデンプン、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、コレステロール、コンフリーエキス、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、サザンカオイル、サフラワー油、サリチル酸、サリチル酸Na、酸化亜鉛、酸化チタン、サンザシエキス、シアノコバラミン、シイタケエキス、ジオウエキス、ジグリセリン、シコンエキス、シソエキス、ジヒドロコレステロール、ジフェニルジメチルメコン、シモツケソウエキス、酒石酸、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シルク、シルクエキス、水添レシチン、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース、セイヨウキヅタエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、セタノール、セラミド3、セリン、セルロースガム、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズ発酵エキス、月見草油、ドクダミエキス、トコフェロール、トレハロース、ナイアシンアミド、ニコチン酸トコフェロール、乳酸、乳酸Na、尿素、バクガエキス、ハチミツ、パパイン、ハマメリスエキス、パルミチン酸レチノール、パンテノール、ヒアルロン酸Na、ビオチン、ヒキオコシエキス、ヒマシ油、ヒマワリ油、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子油、プラセンタエキス、プルラン、ベタイン、ヘチマエキス、ボタンエキス、ホップエキス、ホホバオイル、メドウフォーム油、メトキシケイヒ酸オクチル、メリッサエキス、メリロートエキス、メントール、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ヤシ油、ユーカリエキス、ユーカリ油、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、葉酸、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラズベリーケトン、ラクトフェリン、ラノリン、ラベンダーエキス、リシン、リシンHCl、リノール酸、リボフラビン、硫酸Na、リンゴエキス、レイシエキス、レシチン、レゾルシン、レタスエキス、レモンエキス、レモン油、ロイシン、ローズ水、ローズヒップ油、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリー、ワレモコウエキス、AHA、BG、DNA、PCA−Na、PCA−Naアラントイン、PG、PPG−28ブテス−35、RNA−NA、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、α−アルブチン、ムコ多糖、クレアチン、ジアセチルボルジン、ビタミンA及びその誘導体、リン酸リボフラビンナトリウム、リボフラビン、ヒドロキノン、リポ核酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体、各種植物エキス、各種動物由来抽出物など、が挙げられる。
ナノ薄膜層3には、色素を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)の貼付位置を目視等で簡単に確認できる。
色素としては、ナフトール染料(アゾ染料)、モーブ、パラレッド、フルオレセイン、フクシン、フェノールフタレイン、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体色素、メチレンブルー、ジヒドロイントール、コンゴーレッド、エオシン、インダンスレン、アニリンブラック、アクリジン、アゾ染料、アゾイック染料、ネオシアニン、クリプトシアニン、インドシアニングリーン、ヘモグロビン、ヘムエリトリン、フェオポルフィリン、フェオホルビド、チトクロム、バクテリオクロロフィル、クロロフィリド、クロロフィル、メラニン、カテキン、アントシアン、アントクロール、フラバノン、フラボン類、フラボノイド、ルテイン、リコピン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、キサントフィル、カロチン、カロチノイド、ゲニステイン、クロロクルオリン、クロリン、クロセチン、クルクミン、キサントンマチン、カルタミン、エリトロクルオリン、ウロビリン、インジゴ、アントラキノン、アリザリン、ビリルビン、ビリベルジン、フィトクロム、フィコエリスリン、フィコビリン、フィコシアニン、ミオグロビン、ポルフィン、ポルフィリン、ヘモシアニン、ヘモバナジン、ロドマチン、ロドキサンチン、ロドプシン、リトマス、レグヘモグロビン、ラミナラン、モリンジン、ホルビリン、マンゴスチン、ベルベリン、ベタシアニン、プルプリン、ブラジリン、ピンナグロビン、ヒペリシン、ビキシン、ツラシン、タンニン、ステルコビリン、シコニン、コンメリニン、ゴッシポール、コチニールなどが挙げられる。その中でも、イオン性の色素が水及びアルコールに溶解するので好ましい。
ナノ薄膜層3には、金属イオンを保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、金属イオンを徐々にナノ薄膜層3から溶出させ、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、金属イオンを利用して、抗菌、殺菌、消臭、制汗といった効果を付与することができる。
金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属イオン、金、銀、銅、白金、パラジウムなどの遷移金属イオン、アルミニウム、鉛、スズイオンなどが挙げられる。その中でも、抗菌、消臭効果がある銀イオンがより好ましい。
ナノ薄膜層3には、薬物を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、薬物を徐々にナノ薄膜層3から溶出させ、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、創傷治癒といった効果を付与することができる。
薬物としては、抗炎症剤、止血剤、血管拡張薬、血栓溶解剤、抗動脈硬化剤等が挙げられる。
ナノ薄膜層3に化粧料成分、美容成分、薬物等を保持させる場合、架橋剤として、アルキルジイミデート類、アシルジアジド類、ジイソシアネート類、ビスマレイミド類、トリアジニル類、ジアゾ化合物、グルタルアルデヒド、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)アルキオネート、ブロモシアン等を用いて、上記の成分とナノ薄膜層3中の所定の官能基とを架橋させてもよい。さらに、化粧料成分等が疎水性の場合、ナノ薄膜層3の疎水性領域に疎水性相互作用にて結合させる方法、化粧料成分等が水素結合性の場合、ナノ薄膜層3の水素結合性領域に水素結合にて結合させる方法、化粧料成分等が電荷を有する場合、ナノ薄膜層3の反対電荷領域に静電的相互作用にて結合させる方法を用いてもよい。
[仮基材]
仮基材4は、平滑な面を有するものであれば、特に限定されず、シート状又はロール状であってもよい。仮基材4としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又は、これらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PC)等のプラスチックフィルムが、好適に用いられる。積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
また、仮基材4の表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理などを施すこともできる。
仮基材4は、仮基材4上に樹脂膜、無機膜又は有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜層、無機膜層又は有機−無機膜層からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
仮基材4の膜厚は、1〜500μmの範囲内であることが好ましく、3〜300μmの範囲内であることがより好ましく、5〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
[浸透性基材]
浸透性基材6は、溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材であり、好ましくは、ナノ薄膜層を浸透性基材に支持させる溶解性支持層5(詳細は後述する)を溶解させる溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材である。また、浸透性基材6は、溶解性支持層5を溶解させる溶媒には溶解しない基材である。
浸透性基材6の膜厚は、追従性及び取扱性の観点から、1〜500μmであることが好ましく、3〜300μmであることがより好ましく、5〜200μmであることがさらに好ましい。
浸透性基材6は、取扱の容易性の観点から、シート(フィルム)状であることが好ましい。また、浸透性基材6は、上記溶媒を浸透又は透過させる孔を有することが好ましく、メッシュシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートであることがより好ましい。
メッシュシートとは、例えば直径100μm以下の糸状の材料が格子状に編みこまれたものを指す。
メッシュシートとしては、例えば、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、カーボンメッシュシート、フッ素樹脂メッシュシート、ポリプロピレンメッシュシート、シルクメッシュシートが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、ポリプロピレンメッシュシートが好ましく、ポリエステルメッシュシートがより好ましい。ポリエステルメッシュシートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートメッシュシートが好ましい例として挙げられる。
不織布シートとしては、繊維に加工できるほとんどの物質を原料として使用した不織布を使用することができる。また、複数の原料を組み合わせたり、繊維長や太さ、厚みなどの形状を調整したりすることにより、目的・用途に応じた機能を持たせることもできる。例えば、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。なお、これらの不織布とメッシュシートとを複合させて用いてもよい。
[基材]
基材2は、目付が15〜25g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布か、目付が15〜25g/m、厚みが0.05〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布か、目付が45〜60g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布である。
[ナノ薄膜転写シートの製造方法]
図2に、本発明の一実施態様であるナノ薄膜転写シートの製造方法の模式断面図を示す。図2において、各層の厚さは実際の厚さを反映するものではない。
(ナノ薄膜層形成工程)
仮基材4上にナノ薄膜層3を形成する(図2(a))。ナノ薄膜層3は、例えば仮基材4と、ポリカチオンを含む溶液(以下、「溶液a」ともいう。)と、ポリアニオンを含む溶液(以下、「溶液b」ともいう。)とを用いて、Langmuir,Vol.13,pp.6195−6203,(1997年)に記載された交互積層法によって製造することができる。
ナノ薄膜層形成工程は、溶液a又は溶液bに仮基材4を接触させて、仮基材4の表面にポリカチオン又はポリアニオンを有するA層又はB層を形成する工程、及び、(i)ポリカチオンを有するA層に溶液bを接触させて、A層上にポリアニオンを有するB層を形成するステップと、(ii)ポリアニオンを有するB層に溶液aを接触させて、B層上にポリカチオンを有するA層を形成するステップとを繰り返してナノ薄膜層3を形成する工程を備えることが好ましい。
この交互積層法によると、仮基材4上に形成されるポリカチオンを有するA層(又はポリアニオンを有するB層)と、溶液b(又は溶液a)とが接触することで、ポリカチオン及びポリアニオンが交互に吸着して積層膜が形成される。また、上記接触によりポリカチオン又はポリアニオンの吸着が進行して表面電荷が反転すると、さらなる静電吸着は起こらなくなるため、溶液a又は溶液bとの接触により形成される層の厚さは制御することができる。
ナノ薄膜層形成工程では、仮基材4に溶液aを接触させて、仮基材4の表面にポリカチオンを有するA層を形成するか、又は、仮基材4に溶液bを接触させて、仮基材4の表面にポリアニオンを有するB層を形成する。仮基材4の表面が負に帯電している場合は前者を、仮基材4の表面が正に帯電している場合は後者を行うことが好ましい。
また、仮基材4の表面の少なくとも一部を、溶液a又は溶液bに接触させればよい。
ステップ(i)又はステップ(ii)においては、表面電荷が反転すればよい。また、接触の回数は特に限定されるものではない。例えば、ステップ(i)において、溶液bとの接触を2回以上に分けて行ってもよく、ステップ(ii)において、溶液aとの接触を2回以上に分けて行ってもよい。
ステップ(i)とステップ(ii)とを繰り返す回数に特に制限はないが、ナノ薄膜層3の透明性を確保しやすい傾向にあることから、ポリカチオンを有するA層及びポリアニオンを有するB層のいずれもが1〜300層となるまで繰り返すことが好ましい。また、ナノ薄膜層3が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、ポリカチオンを有するA層及びポリアニオンを有するB層のいずれもが10〜100層となるまで繰り返すことがより好ましく、20〜80層となるまで繰り返すことが特に好ましい。なお、ナノ薄膜層3を形成する工程における繰り返し回数を制御することによって、ナノ薄膜層3の膜厚を制御することができる。
上記交互積層法においては、ナノ薄膜層形成工程が、ステップ(i)で終わるよりも、ステップ(ii)で終わることが好ましい。ポリカチオンを有するA層が最表層に位置することにより、ポリカチオンとして用いた物質の特性が発現しやすくなる。例えば、ポリカチオンとしてキトサンを用いた場合、キトサンの特性である抗菌性を発現しやすくなる。
ナノ薄膜層形成工程においては、仮基材4、ポリカチオンを有するA層、ポリアニオンを有するB層のいずれかと、溶液a又は溶液bとの接触後に接触面をリンスすることが好ましい。これにより、接触面から余分な材料を除去することができる。
リンスに用いるリンス液としては、水、有機溶媒又は水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。水溶性の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
ナノ薄膜層形成工程においては、仮基材4、ポリカチオンを有するA層及びポリアニオンを有するB層を、溶液a及び溶液bに浸漬することにより接触させることが好ましい(以下、「交互浸漬法」ともいう。)。これにより、より一層工業的に生産するのが容易となり、さらに汎用的な製造方法とすることができる。
交互浸漬法によるナノ薄膜層3の形成装置として、J.Appl.Phys.,Vol.79,pp.7501−7509,(1996)、特願2000−568599(特許第4302321号公報)等に記載されたディッパーと呼ばれる装置を用いてもよい。ディッパーを用いる場合、仮基材4を固定したアームが自動的に動き、プログラムに従って仮基材を溶液a中、溶液b中又はリンス液中に順次浸漬させることができる。
交互浸漬法によれば、表面電荷が反転する限り、ナノ薄膜層3の形成を継続することができる。そのため、通常のディップコート法よりも、交互浸漬法で形成したナノ薄膜層3の膜厚均一性は高く、かつ膜厚制御性も高い。
交互浸漬法を用いてナノ薄膜層3を形成する場合において、ポリアニオンを含む溶液bは、効率よく交互積層できる観点から、pHが1.6〜5.4であることが好ましい。
また、仮基材4の表面が凹凸形状を有していても、表面の構造に追従してナノ薄膜層3を形成することができる。さらに、仮基材4表面がナノメートルスケール又はサブミクロンスケールの構造を有していても、その構造に追従してナノ薄膜層3を形成することができる。
本実施形態のナノ薄膜層3は、仮基材4に溶液a又は溶液bを滴下又はスプレーするスピンコート法で交互積層膜を形成することにより製造してもよい。その際、リンス液は滴下、スプレー、シャワー又はそれらを組み合わせた方法で供給されてもよい。仮基材4は、搬送、回転等の運動を行っていてもよい。
いずれの製造方法を用いる場合も、溶液a又は溶液bの溶媒としては、それぞれ、ポリカチオン又はポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオン又はポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。ポリカチオン又はポリアニオンの溶液中の濃度は特に制限されるものではなく、各製造方法に応じて適宜設定すればよい。
さらに、ポリカチオン及びポリアニオンの少なくとも一方が塩であり、その塩におけるカチオン基又はアニオン基の対イオンを除去することによりポリカチオン又はポリアニオンの水への溶解性が低下する場合、ナノ薄膜層3を形成した後にナノ薄膜層3に含まれる対イオンを除去することによって、ナノ薄膜層3の力学的強度を向上させることができる。対イオンの除去は、例えば洗浄工程の回数を増やす、pH調整液に浸す等の方法により行うことができる。
(溶解性支持層形成工程)
次に、ナノ薄膜層3の仮基材4とは反対の面上に溶解性支持層5を形成する(図2(b))。
溶解性支持層5は、溶媒に溶解するものであれば限定されないが、水又はアルコールに可溶な高分子から形成された膜からなる層であることが好ましい。溶解性支持層5は、弱アルカリ性又は弱酸性水溶液に可溶な層であってもよい。
水又はアルコールに可溶な高分子としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の高分子電解質;ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート等の非イオン性の水溶性高分子;ノボラック又はポリ(N−アルキルシアノアクリレート)等の樹脂を例示することができる。
上記高分子の粘度平均分子量は、通常100〜1,000,000であることが好ましく、5,000〜500,000であることがより好ましい。
本実施形態においては、水又はアルコールに可溶な高分子として、ポリビニルアルコール又はその誘導体を用いることがより好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合、膜形成性及び溶媒への溶解性の観点から、平均重合度は、100〜2000であることが好ましく、200〜1000であることがより好ましい。ここで、平均重合度は、JIS K 6726で規定の方法に基づいて測定することができる。
また、溶解性支持層5の膜厚は、ナノ薄膜層3との剥離性及び貼り合わせ性の観点から、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜20μmの範囲内であることがさらに好ましい。
溶解性支持層5は、仮基材4の一面側に形成されたナノ薄膜層3上に、例えば水又はアルコールに溶解した高分子の溶液を塗布して、通常10分〜24時間、好ましくは1時間〜12時間乾燥させて水又はアルコールを除去することで形成される。
ナノ薄膜層3上への上記高分子の溶液の塗布の方法としては、例えばキャスト法、スピンコート法等があるが、これらに限定されるものではない。溶解性支持層5は、バーコーター又はロールコーターを用いて形成することもできる。
上記水又はアルコールに溶解した高分子の濃度は、特に制限はないが、塗工性の観点から1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。
溶解性支持層5は、ピンセット等を用いて仮基材4からナノ薄膜層3とともに剥離できる。ナノ薄膜層3と仮基材4の間の密着力よりも、ナノ薄膜層3と溶解性支持層5の間の密着力を強くすることにより、ナノ薄膜層3を溶解性支持層5に転写することができる。ナノ薄膜層と仮基材、または、溶解性支持層との密着力は、静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等に由来する。
(浸透性基材形成工程)
続いて、溶解性支持層5を溶解させる溶媒を浸透又は透過させる浸透性基材6を溶解性支持層5上に積層してもよい(図2(c))。浸透性基材6の積層方法としては、特に限定されないが、ラミネート等の方法を用いることができる。
(積層体形成工程)
続いて、仮基材4/ナノ薄膜層3/溶解性支持層5からなる積層体、または、仮基材4/ナノ薄膜層3/溶解性支持層5/浸透性基材6からなる積層体から、ピンセット等で仮基材4を剥離し(図2(d1)、(d2))、ナノ薄膜層3の仮基材4を剥離した面に基材2を貼り合わせる(図2(e1)、(e2))。基材2を貼り合せる方法としては、例えばラミネート等の方法を用いることができる。なお、ラミネートする際、ナノ薄膜層3は乾燥した状態でなく、水分を含んだ状態であることが好ましい。
(溶解除去工程)
続いて、溶解性支持層5を溶解させる溶媒(例えば水)に基材2/ナノ薄膜層3/溶解性支持層5からなる積層体、または、基材2/ナノ薄膜層3/溶解性支持層5/浸透性基材6からなる積層体を浸漬する。これにより、溶解性支持層5が直接溶媒に溶解するか、浸透性基材6が溶媒を浸透又は透過させるので、溶解性支持層5が溶媒に溶解する。したがって、溶解性支持層5が除去された基材2/ナノ薄膜層3からなるナノ薄膜転写シート1が得られる(図2(f))。浸透性基材6は、溶解性支持層5を十分に溶媒で湿潤除去することにより、きれいに剥離することができる。
(カバーフィルム積層工程)
続いて、基材2/ナノ薄膜層3からなるナノ薄膜転写シート1のナノ薄膜層3上にカバーフィルムを積層してもよい(図示せず)。
カバーフィルムとしては、平滑な面を有するものであれば、特に限定されず、シート状又はロール状であってもよい。カバーフィルムとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又は、これらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PC)等のプラスチックフィルムが、好適に用いられる。積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
また、カバーフィルムの表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理などを施してもよい。
カバーフィルムは、カバーフィルム上に樹脂膜、無機膜又は有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜層、無機膜層又は有機−無機膜層からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
カバーフィルムの膜厚は、1〜500μmの範囲内であることが好ましく、3〜300μmの範囲内であることがより好ましく、5〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
[ナノ薄膜転写シートの保存]
ナノ薄膜転写シート1は、水蒸気が少ない環境にて保管することが望ましいため、水蒸気バリア性を有する梱包材及び乾燥剤を用いて保管することが望ましい。水蒸気バリア性のある梱包材といえども、全く水蒸気を透過しないわけではなく、若干の水分透過は避けられないため、乾燥剤を入れることで梱包材内部の湿度を一定に保つのが、より有効である。
(梱包材)
水蒸気バリア性のある梱包材の性能は、水蒸気透過率で表される。この値が小さいほど水蒸気バリア性が良くなり、ナノ薄膜転写シート1の梱包には適する。しかしその一方で、水蒸気透過率の小さい梱包材は高価である。これらを勘案し、水蒸気透過率が1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)以下である水蒸気バリア性のある梱包材で梱包する。水蒸気透過率がこれより大きいと、梱包材内への水分浸透が増加し、乾燥剤の負担が大きくなり、経済性が悪化する。
このような水蒸気透過率を満足するものとしては、アルミ蒸着フィルム(水蒸気透過率0.7〜1.0g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、SiO蒸着フィルム(水蒸気透過率0.1〜0.7g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、アルミナ蒸着フィルム(水蒸気透過率1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)等がある。
また、水蒸気バリア性のある梱包材として、例えば、ポリエチレンフィルム(水蒸気透過率10〜20g/m・day(温度40℃、湿度90%RH))等の水蒸気バリア性に優れた材料からなるフィルム、バリア層、ヒートシール層を積層して構成したラミネートフィルム等を用いることができる。上記バリア層としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、マグネシウム等が用いられている。
ナノ薄膜転写シート1を、複数枚の梱包材で複数層に梱包し、最内層以外の少なくとも1層に水蒸気バリア性のある梱包材を使用することが好ましい。
(乾燥剤)
本発明のナノ薄膜転写シート1を梱包する場合、水蒸気バリア性のある梱包材より内側に乾燥剤を入れることが好ましい。また、梱包材内の湿度を70%RH以下の雰囲気に保持することが好ましい。
梱包材内部に入れる乾燥剤としては、塩化カルシウム、生石灰、シリカゲル、アルミノシリケート等があるが、製品の品質を保証する点から、潮解(吸湿による液化)を生じないシリカゲルやアルミノシリケートが好ましい。
乾燥剤の使用量は、組み合わせる梱包材の水蒸気バリア性及び保管日数から予測される水分浸透量を吸収できるように、乾燥剤の能力に応じて決定される。
ナノ薄膜転写シート1を梱包材内に袋詰めする作業は低温低湿の雰囲気中で行い、梱包材内の初期雰囲気を低温低湿にしておくのがよい。好ましい雰囲気は、具体的には温度18〜22℃、湿度30〜50%RHである。乾燥剤を使用しない場合は、この作業は特に重要である。
[ナノ薄膜転写シートの用途]
本発明の一実施態様であるナノ薄膜転写シート1は、水、水溶液、O/W乳化物、W/O乳化物、その他の乳化物、ゲル状組成物等で湿らせた皮膚等の被着体に、ナノ薄膜層3を貼り合わせ、基材2を剥離することにより、皮膚等に適用することができる。
ナノ薄膜転写シート1を皮膚に対して用いる際、保湿クリーム等の化粧料、ビタミンC等の化粧料成分、美容成分、薬剤等を皮膚に塗布し、その上にナノ薄膜層3を転写することもできる。この場合、皮膚に塗布した化粧料等が保持されて剥がれ落ちにくく、経皮吸収されやすいという効果が得られる。
また、皮膚に転写したナノ薄膜層3の上から化粧を施すことができる。ナノ薄膜層上から化粧を施すことで、皺、たるみ、しみ、あざ、そばかす、毛穴、傷跡、にきび跡、熱傷跡、又はにきび、吹き出物、イボ、皮膚炎、湿疹、乾癬等の皮膚疾患による変色等のある肌を目立たなくすることができる。
また、本発明のナノ薄膜転写シート1は、化粧料又は化粧料成分を保持させてなる化粧用シート、保湿シート、化粧補助貼付シート及び化粧保護シートとしても好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
カチオン性ポリマーとしてキトサン(株式会社キミカ製:粘度平均分子量90,000、粘度12.5mPa・s、濃度:0.1質量%)、アニオン性ポリマーとしてアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ製:粘度平均分子量100,000、粘度6.7mPa・s、濃度:0.1質量%)、酸成分として酢酸(和光純薬工業株式会社製)、リンゴ酸(和光純薬工業株式会社製)を用いた。
[実施例1]
ポリカチオンを含む溶液a1として、0.3質量%のキトサン水溶液をそのまま使用した。ポリアニオンを含む溶液b1として、0.1質量%アルギン酸ナトリウム水溶液100質量部に対して、リンゴ酸(1質量%水溶液)1質量部を滴下したものを使用した。
仮基材であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャインA4100」、150mm×100mm、100μm厚)を、(ii)ポリカチオンを含む溶液a1に1分間浸漬した後、リンス用の超純水(比抵抗18MΩ・cm)に1分間浸漬し、次いで、(i)ポリアニオンを含む溶液b1に1分間浸漬した後、リンス用の超純水に1分間浸漬した。
(i)及び(ii)を順番に行う手順を1サイクルとして、このサイクルを18回繰り返し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(仮基材)上に、ポリカチオン(キトサン)を有するA層とポリアニオン(アルギン酸ナトリウム)を有するB層からなるナノ薄膜層を形成した。形成したナノ薄膜層の膜厚を、フィルメトリスク株式会社製の型番:F20によって測定した結果、膜厚は100nmであった。
続いて、ポリビニルアルコール500(関東化学株式会社製、平均重合度=500)を超純水に溶解した10質量%水溶液を、乾燥後の膜厚が5μmとなるように、ナノ薄膜層上にバーコーターによって塗布し、溶解性支持層を形成した。
その後、浸透性基材として、ポリエチレンテレフタレートメッシュシート(大紀商事株式会社製、商品名「OKILON−SHA 2516」)を、溶解性支持層上に被覆し、室温(25℃)にて、水分を蒸発させた。その結果、仮基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、ナノ薄膜層(ポリカチオンを有するA層とポリアニオンを有するB層との交互積層膜)、溶解性支持層(ポリビニルアルコール)及び浸透性基材(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート)が順次積層されたシートを作製した。
その後、仮基材を剥離し、ナノ薄膜面に基材として目付が18g/m、厚みが0.16mmのポリプロピレン繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「エルタスPA3018」)を貼り合わせた。端部を固定し、貼り合わせたシートを水に24時間浸漬し、溶解性支持層を溶解させ、湿潤条件下で浸透性基材を剥離しその後、室温(25℃)にて、水分を蒸発させたナノ薄膜転写シートを作製した。
[実施例2]
基材を目付が20g/m、厚みが0.17mmのポリプロピレン繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「エルタスPA3020」)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2のナノ薄膜転写シートを作製した。
[実施例3]
基材を目付が20g/m、厚みが0.075mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布(JX ANCI株式会社製、商品名「ミライフ TY1010FE」)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3のナノ薄膜転写シートを作製した。
[実施例4]
基材を目付が56g/m、厚みが0.18mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布(JX ANCI株式会社製、商品名「ミライフワリフ」)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例1]
基材を目付が17g/m、厚みが0.09mmのポリエチレンテレフタレート繊維のメッシュシート(大紀商事株式会社製、商品名「OKILON HYBRID」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例2]
基材を目付が30g/m、厚みが0.25mmのポリプロピレン繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「エルタスPO3030」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例3]
基材を目付が50g/m、厚みが0.24mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼNE507」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例4]
基材を目付が13.5g/m、厚みが0.07mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSA14G」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例5]
基材を目付が27.5g/m、厚みが0.45mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSB283」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例6]
基材を目付が18.5g/m、厚みが0.26mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSC194」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例6のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例7]
基材を目付が27.5g/m、厚みが0.38mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSC282」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例7のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例8]
基材を目付が30g/m、厚みが0.28mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSD30G」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例8のナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例9]
基材を目付が38g/m、厚みが0.3mmのキュプラ繊維の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼSE384」)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例9のナノ薄膜転写シートを作製した。
(基材積層性)
作成したナノ薄膜転写シートのナノ薄膜層を目視で確認し、以下の基準によりナノ薄膜転写シートの基材積層性を評価した。評価結果を表1に示す。
よい :基材、ナノ薄膜層共に、しわ・よれなく作製可能
ややよい :基材に若干のよれがあるが、作製可能
よれる :基材に若干のよれがあり、ナノ薄膜層に多量の亀裂発生
かなりよれる:基材によれが多く使用不可
(評価結果)
実施例1〜4、比較例1は、基材積層性が「よい」あるいは「ややよい」であり、きれいなナノ薄膜転写シートを作製することができた。一方、比較例の基材積層性は、比較例2が「作成が困難」、比較例3、5〜9が「よれる」、比較例4が「かなりよれる」であり、実用性のあるナノ薄膜転写シートを作製することはできなかった。
(転写性の評価)
実施例1、2、及び比較例1のナノ薄膜転写シート(3cm×3cm)のナノ薄膜層を、水、O/W乳化物、W/O乳化物を用いて湿らせた皮膚表面に貼付した。ナノ薄膜転写シートの上を指の腹で10往復擦った後、基材を剥離してナノ薄膜層を皮膚に転写した。皮膚上にナノ薄膜層が何割貼り付けられたかを目視で評価した。
(評価結果)
評価結果を表2〜4に示す。
本発明である実施例1、2のナノ薄膜転写シートは、O/W乳化物、W/O乳化物を用いることにより、8割以上のシートで面積の8割以上を転写することができた。水を用いた場合は、少し転写しにくくなったが、半分のシートで面積の8割以上を転写することができた。
それに対し、比較例1の転写シートは、転写性に劣り、水、O/W乳化物、W/O乳化物のいずれを用いても、約半分のシートで面積の0〜4割しか転写できなかった。
(保湿性の評価)
荒れ肌にナノ薄膜層を貼付することで、角層の水分量が上昇するか、また、水分蒸散量が減少するか確認した。
前腕内側部の測定部位3カ所を、それぞれ7枚のセロハンテープにて角層を剥離し、荒れ肌とした。まず、荒れ肌の角層水分量の初期値を皮表角層水分量測定装置(株式会社ヤヨイ製、装置名「SKICON−200EX」)を用いて測定し、水分蒸散量の初期値を水分蒸散計(Delfin Technologies製、装置名「VAPOMETER」)を用いて測定した。
次いで、1カ所は無塗布とし、1カ所に5%グリセリン水溶液を塗布し、1カ所に5%グリセリン水溶液を塗布してさらに実施例1のナノ薄膜層を貼付した。
1時間後、2時間後に角層水分量を測定し、1時間後に水分蒸散量を測定した。結果を図3、4に示す。
本発明のナノ薄膜層を用いることにより、角層の水分を保持し、水分の蒸散を抑えられることが確かめられた。すなわち、ナノ薄膜層は、肌の保湿性に優れており、化粧料、薬物等を皮膚に塗布した上にナノ薄膜層を転写する、または、化粧料・薬物等を保持したナノ薄膜層を肌に転写することにより、化粧料成分、薬効成分をより効果的に経皮吸収させることができる。
1 ナノ薄膜転写シート
2 基材
3 ナノ薄膜層
4 仮基材
5 溶解性支持層
6 浸透性基材

Claims (9)

  1. 基材と、該基材上に積層されたナノ薄膜層とを有し、
    前記基材が、目付が15〜25g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布、目付が15〜25g/m、厚みが0.05〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付が45〜60g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布のいずれかであることを特徴とするナノ薄膜転写シート。
  2. 前記ナノ薄膜層が、ポリカチオンを有するA層と、ポリアニオンを有するB層とを有することを特徴とする請求項1に記載のナノ薄膜転写シート。
  3. 前記ナノ薄膜層は、前記A層と前記B層とが交互に積層されていることを特徴とする請求項2に記載のナノ薄膜転写シート。
  4. 前記ポリカチオンは、1分子中に2個以上のアミノ基を有するカチオン性ポリマーであることを特徴とする請求項2又は3に記載のナノ薄膜転写シート。
  5. 前記ポリアニオンは、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  6. 前記ナノ薄膜層の厚さは、1nm〜300nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  7. 前記ナノ薄膜層は、皮膚貼付用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  8. 前記ナノ薄膜層は、化粧用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  9. 平滑な面を有する仮基材上にナノ薄膜層を形成する工程、
    前記ナノ薄膜層上に溶解性支持層を形成する工程、
    前記仮基材を剥離し、前記ナノ薄膜層の前記仮基材を剥離した面に基材を貼り合わせる工程、
    前記溶解性支持層を溶解させて除去する工程、
    を有し、
    前記基材が、目付が15〜25g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリプロピレン繊維の不織布、目付が15〜25g/m、厚みが0.05〜0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付が45〜60g/m、厚みが0.1〜0.2mmのポリエチレン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維の不織布のいずれかであることを特徴とするナノ薄膜転写シートの製造方法。

JP2016050445A 2016-03-15 2016-03-15 ナノ薄膜転写シート Active JP6660777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016050445A JP6660777B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 ナノ薄膜転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016050445A JP6660777B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 ナノ薄膜転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017164930A true JP2017164930A (ja) 2017-09-21
JP6660777B2 JP6660777B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=59912459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016050445A Active JP6660777B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 ナノ薄膜転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6660777B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019220936A1 (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
WO2020022383A1 (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 凸版印刷株式会社 肌貼付用フィルム、および、転写シート
JP2020015685A (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 凸版印刷株式会社 皮膚貼付用フィルム、および、皮膚用転写シート
WO2020026529A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 株式会社資生堂 疑似皮膚フィルム、その製造方法及び使用方法、並びに該疑似皮膚フィルムを有する化粧キット
JP2020093990A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP2020093989A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP2020100573A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 凸版印刷株式会社 肌貼付用フィルム、および、転写シート
WO2020250633A1 (ja) 2019-06-12 2020-12-17 学校法人 東海大学 観察試料用被覆具、被覆具包装体及び観察試料の被覆方法
US20210008001A1 (en) * 2018-05-17 2021-01-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Living body-adhesive sheet
WO2021015167A1 (ja) * 2019-07-24 2021-01-28 凸版印刷株式会社 転写シート
KR102272906B1 (ko) * 2020-04-03 2021-07-05 한국과학기술원 수용성 고분자를 이용한 나노 패턴 전사 방법 및 나노 패턴 전사용 템플릿

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058157A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Toray Saehan Inc ソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法
JP2015016614A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 日立化成株式会社 ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及びナノ薄膜層の被着体への転写方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058157A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Toray Saehan Inc ソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法
JP2015016614A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 日立化成株式会社 ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及びナノ薄膜層の被着体への転写方法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6662502B1 (ja) * 2018-05-16 2020-03-11 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP2020089749A (ja) * 2018-05-16 2020-06-11 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
WO2019220936A1 (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP7322737B2 (ja) 2018-05-16 2023-08-08 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
CN112041158A (zh) * 2018-05-16 2020-12-04 凸版印刷株式会社 转印片材及薄膜层的转印方法
US20210008001A1 (en) * 2018-05-17 2021-01-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Living body-adhesive sheet
WO2020022383A1 (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 凸版印刷株式会社 肌貼付用フィルム、および、転写シート
JP2020015685A (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 凸版印刷株式会社 皮膚貼付用フィルム、および、皮膚用転写シート
JP7020330B2 (ja) 2018-07-25 2022-02-16 凸版印刷株式会社 皮膚貼付用フィルム、および、皮膚用転写シート
WO2020026529A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 株式会社資生堂 疑似皮膚フィルム、その製造方法及び使用方法、並びに該疑似皮膚フィルムを有する化粧キット
JP7412336B2 (ja) 2018-07-31 2024-01-12 株式会社 資生堂 疑似皮膚フィルム、その製造方法及び使用方法、並びに該疑似皮膚フィルムを有する化粧キット
JPWO2020026529A1 (ja) * 2018-07-31 2021-08-02 株式会社 資生堂 疑似皮膚フィルム、その製造方法及び使用方法、並びに該疑似皮膚フィルムを有する化粧キット
JP2020093990A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP7293629B2 (ja) 2018-12-11 2023-06-20 凸版印刷株式会社 転写シート、薄膜層の転写方法、および、転写シートの製造方法
JP2020093989A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 凸版印刷株式会社 転写シート、および、薄膜層の転写方法
JP7167692B2 (ja) 2018-12-20 2022-11-09 凸版印刷株式会社 肌貼付用フィルム、および、転写シート
JP2020100573A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 凸版印刷株式会社 肌貼付用フィルム、および、転写シート
JPWO2020250633A1 (ja) * 2019-06-12 2020-12-17
WO2020250633A1 (ja) 2019-06-12 2020-12-17 学校法人 東海大学 観察試料用被覆具、被覆具包装体及び観察試料の被覆方法
JP7406829B2 (ja) 2019-06-12 2023-12-28 学校法人東海大学 観察試料用被覆具、被覆具包装体及び観察試料の被覆方法
WO2021015167A1 (ja) * 2019-07-24 2021-01-28 凸版印刷株式会社 転写シート
JP2021020320A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 凸版印刷株式会社 転写シート
JP7268518B2 (ja) 2019-07-24 2023-05-08 凸版印刷株式会社 転写シート
KR102272906B1 (ko) * 2020-04-03 2021-07-05 한국과학기술원 수용성 고분자를 이용한 나노 패턴 전사 방법 및 나노 패턴 전사용 템플릿

Also Published As

Publication number Publication date
JP6660777B2 (ja) 2020-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6660777B2 (ja) ナノ薄膜転写シート
JP6405605B2 (ja) ナノ薄膜転写シート及びナノ薄膜転写シートの製造方法
JP6155543B2 (ja) 薄膜転写シート、その製造方法、及び薄膜層の被着体への転写方法
JP6409253B2 (ja) ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及びナノ薄膜層の被着体への転写方法
Pereira et al. Polymeric films loaded with vitamin E and Aloe vera for topical application in the treatment of burn wounds
JP6450945B2 (ja) 生体貼付用膜
CA2887988C (en) Topical cosmetic hyaluronic acid gels comprising a polyol and a polycarboxylic acid or oxycarbonic acid
JP5807484B2 (ja) 薄膜フィルム及びその製造方法
US10849834B2 (en) Cosmetic gel sheet and manufacturing method thereof
JP2016216620A (ja) フィブロイン溶液、フィブロインナノ薄膜、ナノ薄膜シート及びその製造方法、並びに、転写方法
JP2013071906A (ja) 薄膜フィルム及びその製造方法
JP2008179629A (ja) 化粧用シート
JP7122504B2 (ja) セルロース膜の皮膚貼り付け方法
JP6547511B2 (ja) ナノ薄膜転写シート及びその製造方法
JP2014214133A (ja) ナノ薄膜転写シート製品の製造方法及びその転写方法
JP6286903B2 (ja) ナノ薄膜転写シート及びナノ薄膜転写シートの製造方法
CA3021873A1 (en) Alcogel sheet for cosmetic use, and method for producing same
JP6544040B2 (ja) フィブロインナノ薄膜、ナノ薄膜シート及び転写方法
Zhao et al. Self-healing and shape-adaptive nanocomposite hydrogels with anti-inflammatory, antioxidant, antibacterial activities and hemostasis for real-time visual regeneration of diabetic wounds
JP6693049B2 (ja) ナノ薄膜転写シート及び転写方法
Ren et al. Double network hydrogel based on curdlan and flaxseed gum with photothermal antibacterial properties for accelerating infectious wound healing
JP6743939B2 (ja) ナノ薄膜転写シート及び転写方法
JP2015221086A (ja) フィブロインナノ薄膜転写シート及びフィブロインナノ薄膜転写シートの製造方法
JP6690156B2 (ja) フィブロイン溶液、フィブロインナノ薄膜、ナノ薄膜シート及びその製造方法、並びに、転写方法
JP2014153996A (ja) シート、シートの製造方法、並びに接触緩和シート、rfidのインレイ及び薄膜層の被着体への転写方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160408

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191021

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6660777

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350