JP2015016614A - ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及びナノ薄膜層の被着体への転写方法 - Google Patents

ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及びナノ薄膜層の被着体への転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業効率よく形成されたナノ薄膜層を備えるナノ薄膜転写シート、及び、ナノ薄膜層の形成時間を短縮でき、転写性に優れたナノ薄膜転写シートの製造方法を提供すること、並びに、ナノ薄膜転写シートのナノ薄膜層の被着体への転写方法を提供すること。【解決手段】本発明は、溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、植物性キトサン又はβグルカンを含有するキトサンを含むナノ薄膜層と、を備えるナノ薄膜転写シートに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ薄膜転写シート、ナノ薄膜転写シートの製造方法、及び、ナノ薄膜転写シートのナノ薄膜層を被着体に転写する方法に関する。
近年、ナノ薄膜層を臓器、皮膚等に貼付するためのナノ薄膜転写シートが注目されている。例えば、創傷被覆材として皮膚表面又は臓器創面に対して貼付する、医療用のナノ薄膜転写シートが提案されている(例えば非特許文献1参照)。
T.Fujie et al.,Adv.Funct.Mater.,2009年,19巻,2560−2568頁
従来のナノ薄膜転写シートを作製する際、所望の膜厚を有するナノ薄膜層を形成する際に時間を要する傾向にあり、作業時間を短縮し、より効率的にナノ薄膜転写シートを作製することが望まれている。
そこで、本発明は、作業効率よく形成されたナノ薄膜層を備えるナノ薄膜転写シート、及び、ナノ薄膜層の形成時間を短縮でき、また転写性の優れたナノ薄膜転写シートの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記ナノ薄膜転写シートのナノ薄膜層の被着体への転写方法を提供することを目的とする。
本発明は、[1]溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、植物性キトサンを含むナノ薄膜層と、を備える、ナノ薄膜転写シートに関する。
本発明はまた、[2]溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、βグルカンを含有するキトサンを含むナノ薄膜層と、を備える、ナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[3]ナノ薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層と、を有し、し、ポリカチオンが、植物性キトサン又はβグルカンを含有するキトサンを含有する、上記[1]又は[2]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[4]ナノ薄膜層が、A層と、B層とが交互に積層された層である、上記[3]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[5]植物性キトサンが、βグルカンを含有する、上記[1]、[3]又は[4]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[6]ポリアニオンが、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーである、上記[3]〜[5]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[7]第1の浸透性基材と、ナノ薄膜層と、第2の浸透性基材と、をこの順に備える、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[8]溶媒に可溶な溶解性支持層を更に備える、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[9]浸透性基材と、溶媒に可溶な溶解性支持層と、ナノ薄膜層と、カバーフィルムと、をこの順に備える、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[10]第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に、ナノ薄膜層及び溶解性支持層を備える、上記[8]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[11]第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に、ナノ薄膜層及び溶解性支持層を第1の浸透性基材側からこの順に備える、上記[10]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[12]第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に、溶解性支持層及びナノ薄膜層を第1の浸透性基材側からこの順に備える、上記[10]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[13]第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に、第1の溶解性支持層、ナノ薄膜層、及び第2の溶解性支持層を第1の浸透性基材側からこの順に備える、上記[10]に記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[14]第1の浸透性基材と第2の浸透性基材とは、隣接する層との接触面積が互いに異なる、上記[10]〜[13]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[15]浸透性基材が、メッシュ状のシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートである、上記[1]〜[14]のいずれかに記載のナノナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[16]溶解性支持層が、水又はアルコールに可溶な高分子層である、上記[8]〜[15]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[17]ナノ薄膜層の厚さが、1nm〜300nmである、上記[1]〜[16]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[18]ナノ薄膜層が、皮膚貼付用である、上記[1]〜[17]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートに関する。
また、本発明は、[19]ナノ薄膜層が、化粧用である、上記[1]〜[18]のいずれかに記載の薄膜転写シートに関する。
さらに、本発明は、[20]ポリカチオンを含む溶液又はポリアニオンを含む溶液にカバーフィルムを接触させ、該カバーフィルムの表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程と、(i)ポリカチオンに由来する層に、ポリアニオン溶液を接触させて、ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、(ii)ポリアニオンに由来する層に、ポリカチオンを含む溶液を接触させて、ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、を繰り返して第1のナノ薄膜層を形成する工程と、第1のナノ薄膜層上に、第1の溶解性支持層を形成する工程と、第1の溶解性支持層上に、第1の溶解性支持層を溶解する溶媒を浸透又は透過させ得る基材である第1の浸透性基材を形成する工程と、を含み、ポリカチオンが植物性キトサン又はβグルカンを含有するキトサンを含有する、ナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
また、本発明は、[21]第1の浸透性基材を形成する工程の後に、カバーフィルムを第1のナノ薄膜層から剥離し、第1のナノ薄膜層のカバーフィルムが剥離された側に、第2の浸透性基材、第2の溶解性支持層、及び第2のナノ薄膜層をこの順に備える積層体を貼合する工程を更に含む、上記[20]に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
また、本発明は、[22]第1の浸透性基材を形成する工程の後に、カバーフィルムを第1のナノ薄膜層から剥離し、第1のナノ薄膜層のカバーフィルムが剥離された側に、第2の浸透性基材を貼合する工程を更に含む、上記[21]に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
また、本発明は、[23]浸透性基材に溶媒を浸透又は透過させ、溶解性支持層を溶解させる工程を更に含む、上記[20]〜[22]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
また、本発明は、[24]ナノ薄膜層を形成する工程において、ステップ(i)とステップ(ii)とを交互に1〜300回繰り返す、上記[20]〜[23]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートの製造方法に関する。
また、本発明は、[25]上記[1]〜[19]のいずれかに記載のナノ薄膜転写シートを、ナノ薄膜層が被着体に接するように被着体に貼付する工程を含む、ナノ薄膜層の被着体への転写方法に関する。
本発明によれば、作業効率よく形成されたナノ薄膜層を備えるナノ薄膜転写シート、及び、ナノ薄膜層の形成時間を短縮でき、転写性に優れたナノ薄膜転写シートの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記ナノ薄膜転写シートのナノ薄膜層の被着体への転写方法を提供することができる。
ナノ薄膜転写シートの一実施形態を示す模式断面図である。 ナノ薄膜転写シートの別の実施形態を示す模式断面図である。 ナノ薄膜転写シートの別の実施形態を示す模式断面図である。 ナノ薄膜転写シートの製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、寸法比率は、図示された比率に限られるものではない。
本実施形態のナノ薄膜転写シートは、溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、植物性キトサンを含むナノ薄膜層とを備えることを特徴とする。また、本実施形態のナノ薄膜転写シートは、溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、βグルカンを含有するキトサンを含むナノ薄膜層とを備えることを特徴とする。
ナノ薄膜転写シートは、1又は2の浸透性基材を備えることができる。図1は、ナノ薄膜転写シートの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、ナノ薄膜転写シート1は、第1の浸透性基材2aと、ナノ薄膜層3と、第2の浸透性基材2bと、をこの順に備えていてもよい。
図2の(a)、(b)及び(c)は、それぞれナノ薄膜転写シートの別の実施形態を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、ナノ薄膜転写シート11は、第1の浸透性基材12aと、第1の溶解性支持層14aと、ナノ薄膜層13と、第2の溶解性支持層14bと、第2の浸透性基材12bと、をこの順に備えていてもよい。また、図2(b)に示すように、ナノ薄膜転写シート21は、第1の浸透性基材22aと、溶解性支持層24と、ナノ薄膜層23と、第2の浸透性基材22bと、をこの順に備えていてもよい。また、図2(c)に示すように、ナノ薄膜転写シート31は、第1の浸透性基材32aと、ナノ薄膜層33と、第2の溶解性支持層34と、第2の浸透性基材32bと、をこの順に備えていてもよい。
図3は、ナノ薄膜転写シートの更に別の実施形態を示す模式断面図である。図3に示すように、ナノ薄膜転写シート41は、浸透性基材42と、溶解性支持層44と、ナノ薄膜層43と、カバーフィルム45と、をこの順に備えていてもよい。
[ナノ薄膜層]
ナノ薄膜層は、上記構成を有しているため、取扱性、強靭性(機械的強度)、透明性及び保湿性に優れ、かつ、被着体(例えば、皮膚)に対する自己密着性を有する。このために、被着体への貼付が非常に容易であり、さらには被着体に貼付後のナノ薄膜層が目立ちにくく、かつ貼付後の違和感が低減される。また、ナノ薄膜層を形成する材料には生分解性又は生体適合性の高い材料を使用することができる。この場合、ナノ薄膜層は安全性が高く、皮膚アレルギーを起こし難いという利点がある。
ナノ薄膜層は、植物性キトサン、又は、βグルカンを含有するキトサンを含む。植物性キトサンとは、例えばマッシュルーム、エノキダケ、シイタケ、マイタケアガリクス・ブラゼイ、ナメコ、エリンギ、シメジ等の担子菌類から抽出される植物性キチンの脱アセチル化物である。
植物性キトサンの脱アセチル化度としては、生体吸収性及び水溶性がより優れることから、40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることが更に好ましい。
また、植物性キトサンの、動物性キトサンとの1つの相違は、βグルカンを多く含有する点であるので、本実施形態において使用するキトサンを、化学構造的な観点で特定する1つの方法としては、βグルカンを含有している点とすることもできる。本実施形態において使用する植物性キトサンは、高純度に精製したものであることが好ましいが、通常、検出可能な程度のβグルカンを含む。
本実施形態に係るナノ薄膜層は、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層とを有するとよい。
ナノ薄膜層は、A層とB層とが交互に積層された層(交互積層薄膜)であることが好ましい。A層とB層とが交互に積層されることによって、機械的強度及び自己密着性により優れたナノ薄膜層となる。なお、A層とB層とが交互に積層されるとは、1層のA層と1層のB層とが交互に積層されている場合に限られず、複数のA層からなる層と、複数のB層からなる層とが交互に積層されている場合も含む。
(ポリカチオン)
本明細書において、ポリカチオンとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する化合物をいい、カチオン性基とは、カチオン基又はカチオン基に誘導され得る基をいう。カチオン性基としては、例えば、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基及びグアニジノ基が挙げられる。なお、アミノ基はプロトンが配位結合した−NH であってもよい。
本実施形態に係るポリカチオンは、植物性キトサンを含有する。ポリカチオンが植物性キトサンを含有することによって、ナノ薄膜層の厚膜化が可能となり、ナノ薄膜層の形成時間を短縮することができる。植物性キトサン中のアミノ基が上記カチオン性基に該当する。
植物性キトサンは、キトサン成分のみから構成されるものであってもよく、βグルカン、複合糖質等の他の成分を含有していてもよい。植物性キトサンの純度は、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
植物性キトサンの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、ポリカチオンを含む溶液の粘度が高くなるため、ナノ薄膜層の形成時に流延し難く、積層し難くなる傾向がある。また、被着体が生体である場合、植物性キトサンの粘度平均分子量が大きいと、生体吸収性が低下する傾向がある。植物性キトサンの粘度平均分子量は、1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることが更に好ましい。
本明細書において、「粘度平均分子量」とは、一般的な測定方法である粘度法により評価すればよく、例えば、JIS K 7367−3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]から算出することができる。
ポリカチオンは、植物性キトサン以外のポリカチオンを含んでいてもよい。ポリカチオンとしては、カチオン性ポリマーを用いることができる。なお、本明細書において、カチオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有するポリマーをいう。カチオン性ポリマーとしては、カチオン性基を有するモノマーを重合させたものであることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水の存在下で後述するアニオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、カチオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でカチオン性基が解離することにより正電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。カチオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のアミノ基を有するポリマーが好ましい。
カチオン性ポリマーの好ましい例としては、コラーゲン、ポリヒスチジン、アイオネン、キトサン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンとの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジビニルピリジン等の塩基性ビニルポリマー;並びにそれらの塩類(塩酸塩、酢酸塩等)、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
さらに、上述のカチオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。カチオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。カチオン性ポリマーがアミノ基を有する場合には、カチオン性ポリマーのアミノ基をジカルボン酸と縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
カチオン性ポリマーとしては、塩基性多糖類若しくはその誘導体(例えば、アセチル化物等)又はそれらの塩が好適である。
ポリカチオンとして、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、低分子のジアミン及びポリアミンが挙げられる。このようなポリカチオンとして、具体的には、例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン等のジアミノアルカン類のように1分子中に2個のアミノ基を有する化合物、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノヘキサン等のモノ又はジリジルアミノアルカン類のように1分子中に3〜4個のアミノ基を有する化合物、及び、1分子中に5個以上のアミノ基を有する化合物を挙げることができる。
(ポリカチオンを含む溶液)
ポリカチオンを含む溶液中のポリカチオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%が更に好ましい。
ポリカチオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、0.5〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、1〜100mPa・sの範囲内であることが更に好ましい。本明細書において、粘度とは、株式会社エー・アンド・デー製音叉型振動式粘度計SV−10を用い、サンプル量10mL、20℃で測定した値である。
ポリカチオンを含む溶液には、植物性キトサン(又はβグルカンを含有するキトサン)以外のポリカチオンを併用してもよい。
ポリカチオンを含む溶液の溶媒としては、ポリカチオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
ポリカチオンを含む溶液は、ポリカチオンを溶媒に溶解させたものをそのまま用いることができる。例えば、ポリカチオンを含む溶液のpHは、1.2〜6.6にすることができる。
(ポリアニオン)
本明細書において、ポリアニオンとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する化合物をいい、アニオン性基とは、アニオン基又はアニオン基に誘導され得る基をいう。アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、硫酸基、スルホン酸基及びリン酸基が挙げられる。
ポリアニオンとしては、アニオン性ポリマーが好ましい。なお、本明細書において、アニオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有するポリマーをいう。アニオン性ポリマーとしては、アニオン性基を有するモノマーを重合させたものであることが好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水の存在下で上記カチオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、アニオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でアニオン性基が解離することにより負電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。アニオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するポリマーが好ましい。
アニオン性ポリマーの好ましい例としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチン、サクラン等のカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有する天然の酸性多糖類及びその誘導体;セルロース、デキストラン、デンプン等の天然ではカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有しない多糖類にアニオン性基を結合させて人工的に合成された酸性多糖類及びその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化セルロース及び硫酸化デキストラン並びにそれらの誘導体);ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体等の酸性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリアクリル酸等の酸性ビニルポリマー;並びにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、例えば、水酸基の一部又は全部を、酢酸、硝酸、硫酸、リン酸等と反応させたもの;カルボキシル基又はカルボキシレート基の一部をエチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子アルコールでエステル化した化合物が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、例えば、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル及びヒアルロン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。これらの誘導体におけるエステル化度は特に制限されないが、エステル化度が高くなりすぎると、カルボキシル基又はカルボキシレート基の割合、すなわちアニオン性が低下し、上記カチオン性ポリマーとの間に形成されるポリイオンコンプレックスの機械的強度が低下する傾向にある。そこで、酸性多糖類の誘導体におけるエステル化度は40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることが更に好ましい。
酸性多糖類又は酸性多糖類の誘導体の塩としては、これらと1価のイオンとの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;及びアンモニウム塩が挙げられる。
さらに上述のアニオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。アニオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。アニオン性ポリマーが、カルボキシル基又はカルボキシレート基を有する場合には、アニオン性ポリマーのカルボキシル基又はカルボキシレート基をジアミンと縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
アニオン性ポリマーとしては、酸性多糖類若しくはその誘導体又はそれらの塩が好適である。特に、天然の多糖類であり、生体適合性に優れ、かつ入手が容易であることから、アルギン酸若しくはその誘導体(具体的には、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が好ましい。
アニオン性ポリマーの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、ポリアニオンを含む溶液の粘度が高くなるため、ナノ薄膜層の形成時に流延し難く、積層し難くなる傾向がある。また、被着体が生体である場合、アニオン性ポリマーの粘度平均分子量が大きいと、生体吸収性が低下する傾向がある。アニオン性ポリマーの粘度平均分子量は1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることが更に好ましい。
ポリアニオンとして、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、コハク酸、マロン酸等の1分子中に2個のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する化合物が挙げられる。
(ポリアニオンを含む溶液)
ポリアニオンを含む溶液中のポリアニオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%が更に好ましい。
ポリアニオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、10〜100mPa・sの範囲内であることが更に好ましい。
ポリアニオンを含む溶液には、2種類以上のポリアニオンを併用してもよい。
ポリアニオンを含む溶液の溶媒としては、ポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、1.6〜5.4であることが好ましいが、ポリアニオンの溶解性により優れることから、1.8〜5.0の範囲内であることがより好ましく、2.0〜4.5の範囲内であることが更に好ましく、2.5〜4.0の範囲内であることが特に好ましい。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸等の有機酸、又は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を添加することで調整できる。
カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの組合せは、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成し、ゲル化するものであれば、いずれの組合せでもよい。特に、安全性により優れることから、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーのうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであることが好ましい。
生体吸収性ポリマーとは、生分解され得るポリマーを意味する。具体的には、カチオン性ポリマーとして、キトサン、コラーゲン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アイオネン等が挙げられる。アニオン性ポリマーとして、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
ナノ薄膜層が、A層とB層とが交互に積層されるものである場合、各層の積層の数は特に限定されるものではない。ナノ薄膜層の透明性を確保しやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが1〜300層であることが好ましい。また、ナノ薄膜層が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが10〜100層であることがより好ましく、20〜80層であることが更に好ましい。
本実施形態のナノ薄膜層におけるA層とB層との積層構造は、例えば、ナノ薄膜層をIR、NMR、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析、Time−of−Flight SIMS)等で観察することにより、確認することができる。
本実施形態のナノ薄膜層の厚みは特に制限されない。自己密着性、吸水性、乾燥状態での柔軟性等の特性がより優れたものとなることから、ナノ薄膜層の厚みは、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、40〜300nmであることがより好ましく、40〜250nmの範囲内であることが特に好ましく、40〜200nmの範囲内であることが最も好ましい。
上記ナノ薄膜層は、皮膚貼付用ナノ薄膜層、化粧用ナノ薄膜層、又は、化粧用皮膚貼付用ナノ薄膜層としても好適に使用することができる。
[溶解性支持層]
本実施形態において、溶解性支持層は、溶媒に溶解するものであれば、限定されないが、肌への刺激性を考慮すると、水又はアルコールに可溶な高分子から形成された膜からなる層であることが好ましい。溶解性支持層は、弱アルカリ性又は弱酸性水溶液に可溶な層であってもよい。すなわち、溶解性支持層は、可溶性支持膜である。
水又はアルコールに可溶な高分子としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の高分子電解質;ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、又は、デンプン、セルロースアセテート等の多糖類等の非イオン性の水溶性高分子;ノボラック又はポリ(N−アルキルシアノアクリレート)等の樹脂を例示することができる。
溶解性支持層(可溶性支持膜)を形成する高分子の粘度平均分子量は、通常100〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましい。
本実施形態においては、水又はアルコールに可溶な高分子として、ポリビニルアルコール又はその誘導体を用いることがより好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合、膜形成性及び溶媒への溶解性の観点から、平均重合度は、100〜2000が好ましく、200〜1000がより好ましい。ここで、平均重合度は、JIS K 6726で規定の方法に基づいて測定することができる。
また、溶解性支持層の膜厚は、ナノ薄膜層との剥離性及び貼り合わせ性の観点から、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、2〜50μmの範囲内であることがより好ましく、5〜20μmの範囲内であることが更に好ましい。
[浸透性基材]
浸透性基材は、溶解性支持層を溶かす溶媒には溶けないものから選ばれれば、材質は限定されない。但し、浸透性基材は、上記溶媒を浸透又は透過する機能を有する基材である。浸透性基材は、溶媒を浸透又は透過させる孔を有することが好ましく、不織布、繊維状、メッシュ状又は多孔質構造であることがより好ましい。浸透性基材は、直径100μm以下の糸状の材料が、格子状に編みこまれたメッシュクロス、又は、メッシュクロスと不織布との複合品であることが更に好ましい。浸透性基材は、シート(フィルム)状であることが取扱性及び入手の容易性から好ましい。
メッシュクロスとしては、例えば、ポリエステルメッシュクロス、ナイロンメッシュクロス、カーボンメッシュクロス、フッ素樹脂メッシュクロス、ポリプロピレンメッシュクロス、シルクメッシュクロス、これらメッシュクロスと不織布との複合品、等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルメッシュクロス、ナイロンメッシュクロス、ポリプロピレンメッシュクロスが好ましく、ポリエステルメッシュクロスがより好ましい。ポリエステルメッシュクロスとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートメッシュクロスが挙げられる。
メッシュクロスの空隙は、転写性の観点から、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性で、10〜100000cc/cm・secであることが好ましく、100〜50000cc/cm・secであることがより好ましく、1000〜10000cc/cm・secであることが更に好ましい。
メッシュクロスの目開きは、転写性の観点から、1〜300μmであることが好ましく、2〜200μmであることがより好ましく、5〜150μmであることが更に好ましい。また、メッシュシートの目開き率は、溶媒を浸透又は透過させる観点から、5〜45%であることが好ましく、5〜40%であることがより好ましい。
ナノ薄膜転写シートにおいて、浸透性基材として、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材を用いる場合、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材とで隣接する層との接触面積が互いに異なることが好ましい。この場合、ナノ薄膜転写シートの使用に際して、接触面積の小さい方の浸透性基材をナノ薄膜層から容易に剥離することが可能となる。
本実施形態に係る浸透性基材の膜厚は、追従性及び取り扱い性の観点から、1〜500μmであることが好ましく、3〜300μmであることがより好ましく、5〜200μmであることが更に好ましい。
[カバーフィルム]
カバーフィルムとしては、平滑な面を有するものであれば、特に限定されず、シート状又はロール状であってもよい。カバーフィルム8としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポロプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PC)等のプラスチックフィルムが、好適に用いられる。積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
また、カバーフィルムの表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリ、酸等による化学的エッチング処理等を施してもよい。
カバーフィルムは、カバーフィルム上に樹脂膜、無機膜又は有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜層、無機膜層又は有機−無機膜層からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
カバーフィルムは、ナノ薄膜6を形成するための基材として機能することもできる。また、カバーフィル8は、その両面にナノ薄膜6を形成し、形成した両面のナノ薄膜6上に、それぞれ溶解性支持4、更に浸透性基2を設けて多層ナノ薄膜転写シートとすることもできる。カバーフィル8の両面に形成したナノ薄膜6を、それぞれ用いることができるので便利である。以下、カバーフィルムを「基材」という場合もある。
カバーフィル8の膜厚は、1〜500μmの範囲内であることが好ましく、3〜300μmの範囲内であることがより好ましく、5〜200μmの範囲内であることが更に好ましい。
[ナノ薄膜転写シートの製造方法]
本実施形態のナノ薄膜転写シートの製造方法について説明する。図4は、ナノ薄膜層転写シートの製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。ナノ薄膜転写シートの製造方法は、ポリカチオンを含む溶液又はポリアニオンを含む溶液にカバーフィルムを接触させ、該カバーフィルムの表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程と、(i)ポリカチオンに由来する層に、ポリアニオン溶液を接触させて、ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、(ii)ポリアニオンに由来する層に、ポリカチオンを含む溶液を接触させて、ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、を繰り返して第1のナノ薄膜層を形成する工程と、第1のナノ薄膜層上に、第1の溶解性支持層を形成する工程と、第1の溶解性支持層上に、第1の溶解性支持層を溶解する溶媒を浸透又は透過させ得る基材である第1の浸透性基材を形成する工程と、を含む。
(ナノ薄膜層の形成工程)
図4(a)に示すように、ナノ薄膜層3aは、カバーフィルム5となる基材上に形成される。ナノ薄膜層3aは、例えば、基材(カバーフィルム)と、ポリカチオンを含む溶液(以下、「溶液A」ともいう。)と、ポリアニオンを含む溶液(以下、「溶液B」ともいう。)とから、Langmuir,Vol.13,pp.6195−6203,(1997年)に記載された交互積層法によって製造することができる。
本実施形態に係るナノ薄膜層3aの製造方法は、具体的には、溶液A又は溶液Bに後にカバーフィルム5となる基材を接触させて、基材の表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程(層形成工程)と、(i)ポリカチオンに由来する層に、溶液Bを接触させて、ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、(ii)ポリアニオンに由来する層に、溶液Aを接触させて、ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、を繰り返してナノ薄膜層を形成する工程と、を備えることが好ましい。上記ポリカチオンは、植物性キトサン(又はβグルカンを含有するキトサン)を含む。
この交互積層法によると、基材上に形成されるポリカチオンに由来する層(又はポリアニオンに由来する層)と、溶液B(又は溶液A)とが接触することで、ポリカチオン及びポリアニオンが交互に吸着して積層膜が形成される。また、上記接触によりポリカチオン又はポリアニオンの吸着が進行して表面電荷が反転すると、さらなる静電吸着は起こらなくなるため、溶液A又は溶液Bとの接触により形成される層の厚さは制御することができる。
ナノ薄膜層形成工程では、溶液Aに基材を接触させて、基材の表面にポリカチオンに由来する層を形成するか、又は、溶液Bに基材を接触させて、基材の表面にポリアニオンに由来する層を形成する。基材の表面が負に帯電している場合は前者を、基材の表面が正に帯電している場合は後者を行うことが好ましい。また、基材の表面の少なくとも一部を、溶液A又は溶液Bに接触させればよい。溶液A又は溶液Bとの接触は、2回以上に分けて行ってもよい。
ナノ薄膜層を形成する工程では、ステップ(i)又はステップ(ii)において、表面電荷が反転すればよい。また、接触の回数は特に限定されるものではない。例えば、ステップ(i)において、溶液Bとの接触を2回以上に分けて行ってもよく、ステップ(ii)において、溶液Aとの接触を2回以上に分けて行ってもよい。
ナノ薄膜層を形成する工程において、ステップ(i)とステップ(ii)とを繰り返す回数に特に制限はないが、ナノ薄膜層の透明性を確保しやすい傾向にあることから、ポリカチオンに由来する層及びポリアニオンに由来する層のいずれもが1〜300層となるまで繰り返すことが好ましい。また、ナノ薄膜層が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、ポリカチオンに由来する層及びポリアニオンに由来する層のいずれもが10〜100層となるまで繰り返すことがより好ましく、20〜80層となるまで繰り返すことが特に好ましい。なお、ナノ薄膜層を形成する工程における繰り返し回数を制御することによって、ナノ薄膜層の膜厚を制御することができる。
上記交互積層法においては、ナノ薄膜層を形成する工程がステップ(i)で終わるよりも、ステップ(ii)で終わることが好ましい。これにより、ポリカチオンとして用いているキトサンの特性である抗菌性を発現しやすくなる。
上記製造方法においては、層形成工程又はナノ薄膜層を形成する工程における、基材、ポリカチオンに由来する層又はポリアニオンに由来する層と、溶液A又は溶液Bとの接触後、吸着面をリンスすることが好ましい。これにより、吸着面から余分な材料を除去することができる。
リンスに用いるリンス液としては、水、有機溶媒又は、水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
上記製造方法においては、基材、ポリカチオンに由来する層又はポリアニオンに由来する層を、溶液A又は溶液Bに浸漬することにより接触させることが好ましい(以下、「交互浸漬法」ともいう。)。例えば、層形成工程においては、基材を溶液A又は溶液Bに浸漬することにより接触させることが好ましく、ナノ薄膜層を形成する工程においては、ポリカチオンに由来する層(又はポリアニオンに由来する層)を溶液B(又は溶液A)に浸漬することにより接触させることが好ましい。これにより、より一層工業的に生産するのが容易となり、より一層汎用可能な製造方法とすることができる。
交互浸漬法による積層膜の形成装置として、J.Appl.Phys.,Vol.79,pp.7501−7509,(1996)、特願2000−568599号(特許第4302321号公報)等に記載されたディッパーと呼ばれる装置を用いてもよい。ディッパーを用いる場合、基材を固定したアームが自動的に動き、プログラムに従って基材等を溶液A中、溶液B中又はリンス液中に順次浸漬させることができる。
交互浸漬法によれば、表面電荷が反転する限り、膜の形成を継続することができる。そのため、通常のディップコート法よりも、交互浸漬法で形成した薄膜の膜厚均一性は高く、かつ膜厚制御性も高い。
交互浸漬法を用いてナノ薄膜層を形成する場合において、ポリアニオンを含む溶液は、効率よく交互積層できる観点から、pHが1.6〜5.4であることが好ましい。
また、交互浸漬法によれば、基材の一部又は全部が筒状、糸状、繊維、発泡体等の形状を有していても、浸漬することにより溶液が入り込むことができるものであれば、積層膜がその表面に形成されるので使用することができる。また、基材の表面が凹凸形状を有していても、表面の構造に追従して積層膜を形成することができる。さらに、基材表面がナノメートルスケール又はサブミクロンスケールの構造を有していても、その構造に追従して積層膜を形成することができる。
本実施形態のナノ薄膜層は、基材に溶液A又は溶液Bを滴下又はスプレーするスピンコート法で交互積層膜を形成することにより製造してもよい。その際、リンス液は滴下、スプレー若しくはシャワー又はそれらを組み合わせた方法で供給されてもよい。基材は、搬送、回転等の運動を行っていてもよい。
いずれの製造方法を用いる場合も、溶液A又は溶液Bの溶媒としては、それぞれ、ポリカチオン又はポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオン又はポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。ポリカチオン又はポリアニオンの溶液中の濃度は特に制限されるものではなく、各製造方法に応じて適宜設定すればよい。
さらに、ポリカチオン及びポリアニオンの少なくとも一方が塩であり、その塩におけるカチオン基又はアニオン基の対イオンを除去することによりポリカチオン又はポリアニオンの水への溶解性が低下する場合、ナノ薄膜層を形成した後にナノ薄膜層に含まれる対イオンを除去することによって、ナノ薄膜層の力学的強度を向上させることができる。対イオンの除去は、例えば、洗浄工程の回数を増やす、pH調整液に浸す等の方法により行うことができる。
(溶解性支持層の形成工程)
次に、図3の(b)に示すように、ナノ薄膜層3aのカバーフィルム5が設けられた面と反対の面上に、溶解性支持層4aを形成する。
溶解性支持層4aは、カバーフィルム5上に形成されたナノ薄膜層3a上に、水又はアルコールに溶解した高分子の溶液を塗布して、通常10分〜24時間、好ましくは1時間〜12時間乾燥させることで水又はアルコールを除去して形成することができる。
ナノ薄膜層3a上への上記高分子の溶液の塗布の方法としては、例えば、キャスト法、スピンコート法等があるが、これらに限定されるものではない。溶解性支持層4aは、バーコーター又はロールコーターを用いて形成することもできる。
上記水又はアルコールに溶解した高分子の濃度は、特に制限はないが、塗工性の観点から1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が更に好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。
溶解性支持層(可溶性支持膜)4aはピンセット等を用いて、カバーフィルム5よりナノ薄膜層3aとともに剥離することができる。このとき、溶解性支持層4aとナノ薄膜層3aとの間に生じる静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等の2次結合力によって、剥離と同時にナノ薄膜層3aを溶解性支持層4aに移し取ることが可能となる。
(浸透性基材の形成工程)
図4(c)に示すように、溶解性支持層4aを溶かす溶媒を浸透又は透過する材料を、溶解性支持層4a上に積層することで浸透性基材2aを形成することができる。浸透性基材2aの形成方法は、特に限定されないが、ラミネート等の方法を用いることができる。なお、浸透性基材2aは、カバーフィルム5を除去した後に溶解性支持層4a上に積層してもよい。
本実施形態のナノ薄膜転写シートは、浸透性基材を使用しているために取扱性が良好である。加えて、ナノ薄膜層は、ナノメートルサイズの薄膜層であるため、被着体が有する微細な溝(例えば、皮膚の皺又は肌の細かな凹凸)等にも適合し、ナノ薄膜層を貼り付けた際の違和感を低減できる。また、ナノ薄膜層が透明である場合、貼付箇所が目立ち難くなる。被着体が皮膚である場合、皮膚に対する自己密着性を有するため、接着剤(粘着剤)を用いる必要がなく、接着剤によるかぶれ又は肌荒れを軽減できる。ナノ薄膜層に生分解性又は生体適合性ポリマーを使用した場合、皮膚に貼り付けた際に皮膚アレルギーが生じ難く、かつ、廃棄後、環境に悪影響を及ぼさないという利点を有する。
(ナノ薄膜転写シートの形成工程)
続いて、図4(d)に示すように、浸透性基材の形成工程で得られた積層体からカバーフィルムを除去し、第1の浸透性基材2a、第1の溶解性支持層4a及び第1のナノ薄膜層3aをこの順に備える積層体と、第2の浸透性基材2b、第2の溶解性支持層4b及び第2のナノ薄膜層3bをこの順に備える積層体とを準備する。これらの積層体のナノ薄膜層3a,3b同士を貼り合わせる。その結果、図4(e)に示すように、第1の浸透性基材2aと、第1の溶解性支持層4aと、ナノ薄膜層3と、第2の溶解性支持層4bと、第2の浸透性基材2bとをこの順で備えるナノ薄膜層転写シート11が得られる(図2(a))。
この工程おいては、第2の浸透性基材2b、第2の溶解性支持層4b及び第2のナノ薄膜層3bをこの順に備える積層体に代えて、第2の浸透性基材2bのみを第1のナノ薄膜層3aに貼り合せてもよい。この場合、図2(b)のナノ薄膜転写シート21が得られる。また、第1の浸透性基材2a、第1の溶解性支持層4a及び第1のナノ薄膜層3aをこの順に備える積層体に代えて、第1の浸透性基材2aのみを第2のナノ薄膜層3bに貼り合せてもよい。この場合、図2(c)のナノ薄膜転写シート31が得られる。
(溶解性支持層の除去工程)
続いて、図4(f)に示すように、溶解性支持層4a,4bを溶解させる水、アルコール等の溶媒6にナノ薄膜転写シートを浸漬する。これにより、図2(f)に矢印で模式的に示したように、浸透性基材2a,2bが溶媒6を浸透又は透過させるので、溶解性支持層4a,4bが溶媒6に溶解する。したがって、溶解性支持層4a,4bが除去されたナノ薄膜転写シート1(図1)が得られる。
[ナノ薄膜転写シートの保管]
該ナノ薄膜転写シートは、水蒸気が少ない環境にて保管することが望ましいため、水蒸気バリア性を有する梱包材及び、乾燥材を用いて保管することが望ましい。
(梱包材)
水蒸気バリア性のある梱包材といえども、全く水蒸気を透過しないわけではなく、若干の水分透過は避けられないため、乾燥剤を入れることで梱包材内部の湿度を一定に保つのが、より有効である。
水蒸気バリア性のある梱包材料の性能は水蒸気透過率で表される。この値が小さいほど水蒸気バリア性が良くなり、ナノ薄膜転写シートの梱包には適するが、その一方で水蒸気透過率の小さいものは高価である。
これらを勘案し、水蒸気バリア性のある梱包材料の水蒸気透過率は1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)以下とされ、ナノ薄膜転写シートを、水蒸気透過率が1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)以下である水蒸気バリア性のある梱包材で梱包する。
水蒸気透過率がこれより大きいと、梱包材内への水分浸透が増加し、溶解性支持層の溶融の抑制が困難になると共に、乾燥剤の負担が大きくなり、経済性が悪化する。
このような水蒸気透過率を満足するものとしては、アルミ蒸着フィルム(水蒸気透過率0.7〜1.0g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、SiO蒸着フィルム(水蒸気透過率0.1〜0.7g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、アルミナ蒸着フィルム(水蒸気透過率1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)等がある。
また、水蒸気バリア性のある梱包材として、基材フィルム、バリア層、ヒートシール層を積層して構成したラミネートフィルムからなるものが提案されており、そのバリア層として、アルミニウム、ニッケル、チタン、マグネシウム等が用いられている。なお、基材フィルムの一例であるポリエチレンフィルムの水蒸気透過率は10〜20g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)である。
本実施形態では、ナノ薄膜転写シートを、複数枚の梱包材で複数層に梱包し、最内層以外の少なくとも1枚に水蒸気バリア性のある梱包材を使用することが好ましい。
(乾燥材)
本実施形態のナノ薄膜転写シート製品は、水蒸気バリア性のある梱包材より内側に乾燥剤を入れることが好ましい。また、梱包材内の湿度を70%RH以下の雰囲気に保持することが好ましい。
梱包材内部に入れる乾燥剤としては、塩化カルシウム、生石灰、シリカゲル、アルミノシリケート等があるが、製品の品質を保証する点から、潮解(吸湿による液化)を生じないシリカゲル、アルミノシリケート等が好ましい。
乾燥剤の使用量は、組み合わせる梱包材料の水素バリア性及び保管日数から予測される水分浸透量を吸収できるように、乾燥剤の能力に応じて決定される。
ナノ薄膜転写シートを梱包材内に袋詰めする作業は低温低湿の雰囲気中で行い、梱包材内の初期雰囲気を低温低湿にしておくのがよい。好ましい雰囲気は、具体的には温度18〜22℃、湿度30〜50%RHである。乾燥剤を使用しない場合は、この作業は特に重要である。
[その他の成分]
本実施形態に係るナノ薄膜層及び溶解性支持層には、保湿クリーム等の化粧料、又はビタミンC等の化粧料成分を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、化粧料及び化粧料成分が徐々に薄膜フィルムから溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。
化粧料としては、保湿クリーム、スキンクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、及び美容ジェル等のスキンケアに用いられる化粧料全般を用いることができる。化粧料成分としては、化粧品学的に許容される皮膚に有効な成分であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、保湿剤、ホワイトニング成分、しみ取り成分、防皺成分、ビタミン類、抗炎症成分、血流促進成分、湿潤成分、油分、及び金属微粒子等の化粧料に用いられる成分を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような化粧料成分としては、例えば、アーモンド油、アクリル酸アルキルコポリマー、麻セルロース、アシタバエキス、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、キサンチン、アスタキサンチン、アスパラガスエキス、アスパラギン酸、アズレン、アセロラエキス、アデノシン三リン酸2Na、アボカド油、アマチャエキス、アミノ酪酸、アラニン、アラントイン、アルギニン、アルギン酸Na、アルジルリン、アルテアエキス、アルニカエキス、アルブミン、アロエベラエキス−2−キダチアロエエキス、安息香酸塩Na、イチョウエキス、イノシトール、ウコンエキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、塩化ナトリウム、オイスターエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オリーブ油、オリザノール、海塩、加水分解ケラチン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキリオン、加水分解シルク、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、褐藻エキス、カフェイン、カミツレエキス、カラミン、カリンエキス、カロチン、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カンフル、キイチゴエキス、キウイエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、クオタニウム−73、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、グリコール酸、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、グルコース、グルタチオン、グルタミン酸、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、ケープアロエエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コエンザイムQ10、コーヒーエキス、コーンスターチ、ココイル加水分解コラーゲンK、ココイル加水分解コラーゲンNa、ココベタイン、ゴボウエキス、ゴマ油、コムギデンプン、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、コレステロール、コンフリーエキス、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、サザンカオイル、サフラワー油、サリチル酸、サリチル酸Na、酸化亜鉛、酸化チタン、サンザシエキス、シアノコバラミン、シイタケエキス、ジオウエキス、ジグリセリン、シコンエキス、シソエキス、ジヒドロコレステロール、ジフェニルジメチルメコン、シモツケソウエキス、酒石酸、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シルク、シルクエキス、水添レシチン、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース、セイヨウキヅタエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、セタノール、セラミド3、セリン、セルロースガム、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズ発酵エキス、月見草油、ドクダミエキス、トコフェロール、トレハロース、ナイアシンアミド、ニコチン酸トコフェロール、乳酸、乳酸Na、尿素、バクガエキス、ハチミツ、パパイン、ハマメリスエキス、パルミチン酸レチノール、パンテノール、ヒアルロン酸Na、ビオチン、ヒキオコシエキス、ヒマシ油、ヒマワリ油、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子油、プラセンタエキス、プルラン、ベタイン、ヘチマエキス、ボタンエキス、ホップエキス、ホホバオイル、メドウフォーム油、メトキシケイヒサンオクチル、メリッサエキス、メリロートエキス、メントール、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ヤシ油、ユーカリエキス、ユーカリ油、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、葉酸、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラズベリーケトン、ラクトフェリン、ラノリン、ラベンダーエキス、リシン、リシンHCl、リノール酸、リボフラビン、硫酸Na、リンゴエキス、レイシエキス、レシチン、レゾルシン、レタスエキス、レモンエキス、レモン油、ロイシン、ローズ水、ローズヒップ油、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリー、ワレモコウエキス、AHA、BG、DNA、PCA−Na、PCA−Naアラントイン、PG、PPG−28ブテス−35、RNA−NA、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、α−アルブチン、ムコ多糖、クレアチン、ジアセチルボルジン、ビタミンA及びその誘導体、リン酸リボフラビンナトリウム、リボフラビン、ヒドロキノン、リポ核酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体、各種植物エキス、各種動物由来抽出物、が挙げられる。
本実施形態に係るナノ薄膜層及び溶解性支持層には、色素を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、貼付位置を確認することができる。
色素としては、ナフトール染料(アゾ染料)、モーブ、パラレッド、フルオレセイン、フクシン、フェノールフタレイン、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体色素、メチレンブルー、ジヒドロイントール、コンゴーレッド、エオシン、インダンスレン、アニリンブラック、アクリジン、アゾ染料、アゾイック染料、ネオシアニン、クリプトシアニン、インドシアニングリーン、ヘモグロビン、ヘムエリトリン、フェオポルフィリン、フェオホルビド、チトクロム、バクテリオクロロフィル、クロロフィリド、クロロフィル、メラニン、カテキン、アントシアン、アントクロール、フラバノン、フラボン類、フラボノイド、ルテイン、リコピン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、キサントフィル、カロチン、カロチノイド、ゲニステイン、クロロクルオリン、クロリン、クロセチン、クルクミン、キサントンマチン、カルタミン、エリトロクルオリン、ウロビリン、インジゴ、アントラキノン、アントシアン、アリザリン、ビリルビン、ビリベルジン、フィトクロム、フィコエリスリン、フィコビリン、フィコシアニン、ミオグロビン、ポルフィン、ポルフィリン、ヘモシアニン、ヘモバナジン、ロドマチン、ロドキサンチン、ロドプシン、リトマス、レグヘモグロビン、ラミナラン、モリンジン、ホルビリン、マンゴスチン、ベルベリン、ベタシアニン、プルプリン、ブラジリン、ピンナグロビン、ヒペリシン、ビキシン、ツラシン、タンニン、ステルコピリン、シコニン、コンメリニン、ゴッシポール、コチニールが挙げられる。その中でも、イオン性の色素が水及びアルコールに溶解するので好ましい。
本実施形態に係るナノ薄膜層及び溶解性支持層には、金属イオンを保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、金属イオンが徐々にナノ薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、金属イオンを利用して、抗菌、殺菌、消臭、制汗といった効果をもったナノ薄膜層にすることができる。
金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカル金属イオン、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン、金、銀、銅、白金、パラジウム等の遷移金属イオン、アルミニウム、鉛、スズイオンなどが挙げられる。 その中でも、抗菌、消臭効果がある銀イオンがより好ましい。
本実施形態に係るナノ薄膜層及び溶解性支持層には、薬物を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、薬物が徐々にナノ薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、創傷治癒といった効果をもったナノ薄膜層にすることができる。
薬物としては、抗炎症剤、止血剤、血管拡張薬、血栓溶解剤、抗動脈硬化剤等が挙げられる。
本実施形態に係るナノ薄膜層では、架橋剤として、アルキルジイミデート類、アシルジアジド類、ジイソシアネート類、ビスマレイミド類、トリアジニル類、ジアゾ化合物、グルタルアルデヒド、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)アルキオネート、ブロモシアン等を用いて、機能性物質及びナノ薄膜層中の対応する官能基と架橋させてもよい。
さらに、薬物・化粧料が疎水性の場合、ナノ薄膜層の疎水性領域に疎水性相互作用にて結合させる方法、薬物・化粧料が水素結合性の場合、ナノ薄膜層の水素結合性領域に水素結合にて結合させる方法、薬物・化粧料が電荷を有する場合、ナノ薄膜層の反対電荷領域に静電的相互作用にて結合させる方法を用いてもよい。
本実施形態に係るナノ薄膜層は、保湿クリーム等の化粧料、又はビタミンC等の化粧料成分を皮膚に塗布し、その上にナノ薄膜層を貼り合わせるようにして用いることもできる。この場合、化粧料及び化粧料成分が保持され、剥がれ落ちにくいという効果が得られる。
本実施形態に係るナノ薄膜層は、ナノ薄膜層を肌の上に貼り合せた後、その上に化粧料又は化粧料成分を塗布するように用いることもできる。この場合、皺、たるみ、しみ、あざ、そばかす、毛穴、傷跡、にきび跡、熱傷跡、又は皮膚疾患による変色等のある肌を目立たなくすることができる。
また、本発明のナノ薄膜転写シートは、化粧料又は化粧料成分を保持させてなる化粧用シート、保湿シート、化粧補助貼付シート及び化粧保護シートとして好適に使用できる。
以下、本発明を実施例及び参考例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
カチオン性ポリマーとしてホワイトマッシュルーム由来のキトサン(シグマアルドリッチ社製:粘度平均分子量110,000−150,000、βグルカン含有量2.9質量%、濃度:0.1質量%)、アニオン性ポリマーとしてアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ社製:粘度平均分子量100,000、粘度6.7mPa・s、濃度:0.1質量%)、酸成分として酢酸(和光純薬工業株式会社製)、リンゴ酸(和光純薬工業株式会社製)を用いた。
ポリカチオンを含む溶液として、0.2質量%のキトサン水溶液100質量部に対して、酢酸(1質量%水溶液)1質量部を滴下したものを使用した。ポリアニオンを含む溶液として、0.1質量%アルギン酸ナトリウム水溶液100質量部に対して、リンゴ酸(1質量%水溶液)1質量部を滴下したものを使用した。
後にカバーフィルムとなる、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「A4100」、150mm×100mm×100μm厚)を、(a)ポリカチオンを含む溶液に1分間浸漬した後、リンス用の超純水(比抵抗18MΩ・cm)に1分間浸漬し、次いで、(b)ポリアニオンを含む溶液に1分間浸漬した後、リンス用の超純水に1分間浸漬した。
(a)及び(b)を順番に行う手順を1サイクルとして、このサイクルを15回繰り返し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(カバーフィルム)上に、マッシュルームキトサン由来の層とアルギン酸ナトリウム由来の層からなるナノ薄膜層を形成した。形成したナノ薄膜層の膜厚及び屈折率を、フィルメトリスク社製の型番:F20によって測定した結果、膜厚は88nmであり、屈折率は1.52であった。
続いて、ポリビニルアルコール500(関東化学株式会社製、平均重合度=500)を超純水に溶解した10質量%水溶液を用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように、ナノ薄膜層上にバーコーターによって塗布し、溶解性支持層となる層を形成した。
その後、浸透性基材として、ポリエステルメッシュシート(大紀商事株式会社製、商品名「OKILON−SHA 2516」)を、溶解性支持層となる層上に被覆し、室温(25℃)にて、水分を蒸発させた。その結果、カバーフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、ナノ薄膜層(キトサン由来の層とアルギン酸由来の層との交互積層膜)、溶解性支持層(ポリビニルアルコール)及び浸透性基材(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート)が順次積層された、シートを作製した。
カバーフィルムを剥離し、ポリエステルメッシュシート(大紀商事株式会社製、商品名「OKILON HYBRID」、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性3600cc/cm・sec)を貼り合わせた。端部を固定し、貼り合わせたシートを水に24時間浸漬し、その後、室温(25℃)にて、水分を蒸発させた。
その結果、浸透性基材(「OKILON HYBRID」)上に、ナノ薄膜層(キトサン由来の層とアルギン酸由来の層との交互積層膜)、浸透性基材(「OKILON−SHA 2516」、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性5850cc/cm・sec)が順次積層された、ナノ薄膜転写シートを作製した。
[実施例2]
カチオン性ポリマーである「ホワイトマッシュルーム由来のキトサン(シグマアルドリッチ社製:粘度平均分子量110,000−150,000、濃度:0.1質量%)」を「ホワイトマッシュルーム由来のキトサン(シグマアルドリッチ社製:粘度平均分子量60,000−120,000、βグルカン含有量2.9質量%、濃度:0.1質量%)」に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ナノ薄膜転写シートを作製した。
[比較例3]
カチオン性ポリマーである「ホワイトマッシュルーム由来のキトサン(シグマアルドリッチ社製:粘度平均分子量110,000−150,000、濃度:0.1質量%)」を「カニ由来のキトサン(ナカライテスク社製:粘度平均分子量80,000、濃度:0.1質量%)」に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ナノ薄膜転写シートを作製した。
実施例1、2及び比較例1のナノ薄膜層の膜厚及び屈折率を表1に示す。
Figure 2015016614
1,11,21,31,41…ナノ薄膜層転写シート、2a,2b,12a,12b,22a,22b,32a,32b…浸透性基材、3,3a,3b,13,23,33,43a…ナノ薄膜層、4a,4b,14a,14b,24,34,44a…溶解性支持層、5,45…カバーフィルム、6…溶媒。

Claims (25)

  1. 溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、植物性キトサンを含むナノ薄膜層と、を備える、ナノ薄膜転写シート。
  2. 溶媒を浸透又は透過させ得る基材である浸透性基材と、βグルカンを含有するキトサンを含むナノ薄膜層と、を備える、ナノ薄膜転写シート。
  3. 前記ナノ薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層と、を有し、
    前記ポリカチオンが、前記植物性キトサン又はβグルカンを含有するキトサンを含有する、請求項1又は2に記載のナノ薄膜転写シート。
  4. 前記ナノ薄膜層が、前記A層と、前記B層とが交互に積層された層である、請求項3に記載のナノ薄膜転写シート。
  5. 前記植物性キトサンが、βグルカンを含有する、請求項1、3又は4に記載のナノ薄膜転写シート。
  6. 前記ポリアニオンが、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーである、請求項3〜5のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  7. 第1の前記浸透性基材と、前記ナノ薄膜層と、第2の前記浸透性基材と、をこの順に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  8. 前記溶媒に可溶な溶解性支持層を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  9. 前記浸透性基材と、前記溶媒に可溶な溶解性支持層と、前記ナノ薄膜層と、カバーフィルムと、をこの順に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  10. 第1の前記浸透性基材と第2の前記浸透性基材との間に、前記ナノ薄膜層及び前記溶解性支持層を備える、請求項8に記載のナノ薄膜転写シート。
  11. 第1の前記浸透性基材と第2の前記浸透性基材との間に、前記ナノ薄膜層及び前記溶解性支持層を前記第1の浸透性基材側からこの順に備える、請求項10に記載のナノ薄膜転写シート。
  12. 第1の前記浸透性基材と第2の前記浸透性基材との間に、前記溶解性支持層及び前記ナノ薄膜層を前記第1の浸透性基材側からこの順に備える、請求項10に記載のナノ薄膜転写シート。
  13. 第1の前記浸透性基材と第2の前記浸透性基材との間に、第1の前記溶解性支持層、前記ナノ薄膜層及び第2の前記溶解性支持層を前記第1の浸透性基材側からこの順に備える、請求項10に記載のナノ薄膜転写シート。
  14. 前記第1の浸透性基材と前記第2の浸透性基材とは、隣接する層との接触面積が互いに異なる、請求項10〜13のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  15. 前記浸透性基材が、メッシュ状のシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  16. 前記溶解性支持層が、水又はアルコールに可溶な高分子層である、請求項8〜15のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  17. 前記ナノ薄膜層の厚さが、1nm〜300nmである、請求項1〜16のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  18. 前記ナノ薄膜層が、皮膚貼付用である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  19. 前記ナノ薄膜層が、化粧用である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  20. ポリカチオンを含む溶液又はポリアニオンを含む溶液にカバーフィルムを接触させ、該カバーフィルムの表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程と、
    (i)ポリカチオンに由来する層に、ポリアニオン溶液を接触させて、前記ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、
    (ii)ポリアニオンに由来する層に、ポリカチオンを含む溶液を接触させて、前記ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、
    を繰り返して第1のナノ薄膜層を形成する工程と、
    前記第1のナノ薄膜層上に、第1の溶解性支持層を形成する工程と、
    前記第1の溶解性支持層上に、前記第1の溶解性支持層を溶解する溶媒を浸透又は透過させ得る基材である第1の浸透性基材を形成する工程と、
    を含み、
    前記ポリカチオンが、植物性キトサン又はβグルカンを含有するキトサンを含有する、ナノ薄膜転写シートの製造方法。
  21. 前記第1の浸透性基材を形成する工程の後に、前記カバーフィルムを前記第1のナノ薄膜層から剥離し、前記第1のナノ薄膜層の前記カバーフィルムが剥離された側に、第2の浸透性基材、第2の溶解性支持層及び第2のナノ薄膜層をこの順に備える積層体を貼合する工程を更に含む、請求項20に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
  22. 前記第1の浸透性基材を形成する工程の後に、前記カバーフィルムを前記第1のナノ薄膜層から剥離し、前記第1のナノ薄膜層の前記カバーフィルムが剥離された側に、第2の浸透性基材を貼合する工程を更に含む、請求項21に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
  23. 前記浸透性基材に溶媒を浸透又は透過させ、前記溶解性支持層を溶解させる工程を更に含む、請求項20〜22のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
  24. 前記ナノ薄膜層を形成する工程において、前記ステップ(i)と前記ステップ(ii)とを交互に1〜300回繰り返す、請求項20〜23のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
  25. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シートを、前記ナノ薄膜層が被着体に接するように被着体に貼付する工程を含む、ナノ薄膜層の被着体への転写方法。
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