JP2016215506A - ナノ薄膜転写シート及び転写方法 - Google Patents

ナノ薄膜転写シート及び転写方法 Download PDF

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和幸 加茂
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和幸 加茂
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Abstract

【課題】ナノ薄膜層を好適に転写できるナノ薄膜転写シートを提供すること。【解決手段】基材2と、基材2の主面上に設けられたナノ薄膜層3とを備え、基材2は、ナノ薄膜層3側からの平面視において、基材2の縁部2aの少なくとも一部を含み且つナノ薄膜層3が存在しない余白領域R0を有する、ナノ薄膜転写シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ薄膜転写シート及び転写方法に関する。
近年、ナノ薄膜層を皮膚等に貼付するためのナノ薄膜転写シートが注目されている。例えば、皮膚のつや、潤い、白さの改善、シワ防止等を目的とした化粧料成分をナノ薄膜層に保持させた化粧用のナノ薄膜転写シートが提案されている(例えば非特許文献1)。
このようなナノ薄膜転写シートでは、通常、基材上にナノ薄膜層が設けられている。そして、ナノ薄膜層と被転写体とが接触するようにナノ薄膜転写シートを配置した後、基材を剥離することでナノ薄膜層が被転写体に転写される。
T.Fujie et al.,Adv.Funct.Mater.,2009年,19巻,2560−2568頁
ナノ薄膜層は非常に薄い層であるため、従来のナノ薄膜転写シートにおいては、基材を剥離する際にナノ薄膜層が基材に追従して貼り付いてしまい、ナノ薄膜層が適切に転写されないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ナノ薄膜層を好適に転写できるナノ薄膜転写シート及び転写方法を提供することを目的とする。
本発明に係るナノ薄膜転写シートは、基材と、前記基材の主面上に設けられたナノ薄膜層とを備え、基材は、ナノ薄膜層側からの平面視において、基材の縁部の少なくとも一部を含み且つナノ薄膜層が存在しない余白領域を有する。
このナノ薄膜転写シートでは、基材が、平面視において、基材の縁部の少なくとも一部を含み且つナノ薄膜層が存在しない余白領域を有しているため、転写時に余白領域を起点に基材を剥離することで、基材のみを剥離しやすくなる。したがって、ナノ薄膜層が剥離される基材に追従して貼り付くことを抑制でき、ナノ薄膜層を好適に被転写体に転写できる。
基材の平面形状が多角形状であり、余白領域は、多角形状の少なくとも一つの角部を含むことが好ましい。この場合、角部を起点に基材を剥離することができるため、基材のみを剥離することが更に容易となる。
基材は、メッシュシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートであることが好ましい。この場合、基材とナノ薄膜層との接触面積が小さくなるため、転写時の基材の剥離が更に容易となる。
ナノ薄膜層は、フィブロインを含有することが好ましい。これにより、ナノ薄膜層の生体親和性が向上する。
ナノ薄膜層は、ポリカチオンを含有する溶液を用いて形成されるA層とポリアニオンを含有する溶液を用いて形成されるB層とが交互に積層された層であることが好ましい。これにより、ナノ薄膜層の機械的強度及び自己密着性が向上する。
本発明に係る転写方法は、上記のナノ薄膜転写シートをナノ薄膜層が被転写体と対向するように被転写体上に配置し、ナノ薄膜転写シートの基材側を押圧することによりナノ薄膜層を被転写体に転写する。
この転写方法では、ナノ薄膜転写シートの基材側を押圧することによりナノ薄膜層を被転写体に転写するため、被転写体とナノ薄膜層との追従性、接着性が向上する。したがって、ナノ薄膜層を被転写体に好適に転写できる。
ナノ薄膜転写シートの基材側を押圧する際の荷重は、10〜1000g/cmであることが好ましい。これにより、基材を剥離する際のナノ薄膜層の基材側への残存、及び、転写時の被転写体の損傷を容易に抑制できる。
本発明によれば、ナノ薄膜層を好適に転写できるナノ薄膜転写シート及び転写方法を提供することができる。
ナノ薄膜転写シートの一実施形態を示す(a)平面図及び(b)断面図である。 ナノ薄膜転写シートの作用効果を説明するための斜視図である。 ナノ薄膜転写シートの変形例を示す平面図である。 ナノ薄膜転写シートの他の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、ナノ薄膜転写シート及び転写方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、ナノ薄膜転写シートの一実施形態を示す(a)平面図及び(b)断面図である。図1に示すように、ナノ薄膜転写シート1は、基材2と、基材2の主面上に設けられたナノ薄膜層3とを備えている。
基材2としては、ナノ薄膜層3が被転写体に転写され得る基材が用いられる。例えば、基材2のナノ薄膜層3に対する接着力は、ナノ薄膜層3と被転写体との間の接着力よりも小さくなっている。
基材2は、例えば溶媒を浸透又は透過させることが可能な浸透性基材であってよい。基材2は、好ましくは、ナノ薄膜層3を基材2に支持させる溶解性支持層(詳細は後述する)を溶解させる溶媒を浸透又は透過させることが可能な浸透性基材である。浸透性基材は、例えば、溶解性支持層を溶解させる溶媒には溶解しない基材である。溶媒としては、水、アルコールが例示される。
基材2は、取扱性及び入手の容易性に優れる観点から、シート(フィルム)状であることが好ましい。基材2は、溶媒を浸透又は透過させる孔を有することが好ましく、メッシュシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートであることがより好ましい。このようなシートを用いることにより、基材2とナノ薄膜層3との接触面積が小さくなるため、転写時の基材2の剥離が更に容易となる。メッシュシートとは、例えば直径100μm以下の糸状の材料が格子状に編みこまれたシートである。
メッシュシートとしては、例えば、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、カーボンメッシュシート、フッ素樹脂メッシュシート、ポリプロピレンメッシュシート、シルクメッシュシートが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、ポリプロピレンメッシュシートが好ましく、ポリエステルメッシュシートがより好ましい。ポリエステルメッシュシートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートメッシュシートが好ましい例として挙げられる。これらのメッシュシートは、不織布シートと複合させて用いられてもよい。
基材2の厚さは、追従性及び取扱性に優れる観点から、好ましくは1〜500μm、より好ましくは3〜300μm、更に好ましくは5〜200μmである。
ナノ薄膜層3の厚さは、自己密着性、吸水性、乾燥状態での柔軟性等の特性がより優れることから、乾燥時の厚さとして、好ましくは1〜300nm、より好ましくは40〜300nm、更に好ましくは40〜250nm、特に好ましくは40〜200nmである。
ナノ薄膜層3は、生体親和性に優れる観点から、フィブロイン(シルクフィブロイン)を含有することが好ましい。フィブロインとしては、例えば、家蚕、野蚕、天蚕等の天然蚕、トランスジェニック蚕から産生されるフィブロインが挙げられる。
ナノ薄膜層3は、ポリカチオンを含有する溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含有する溶液を用いて形成されるB層とを有していることが好ましく、A層とB層とが交互に積層された層(交互積層)であることがより好ましい。これにより、ナノ薄膜層の機械的強度及び自己密着性が向上する。A層とB層とが交互に積層された層(交互積層)は、A層とB層とが1層ずつ交互に積層された層であってもよく、複数のA層からなる層と複数のB層からなる層とが交互に積層された層であってもよい。
ナノ薄膜層3がA層とB層との交互積層である場合、ナノ薄膜層3の透明性を確保しやすいことから、A層及びB層の層数は、それぞれ1〜300層であることが好ましい。ナノ薄膜層3が好適な自己密着性を有することから、A層及びB層の層数は、それぞれ10〜100層であることがより好ましく、それぞれ20〜80層であることが更に好ましい。
ナノ薄膜層3におけるA層とB層との積層構造は、例えばナノ薄膜層3をIR、NMR、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析、Time−of−Flight SIMS)等で観察することにより、確認することができる。
ポリカチオンとしては、カチオン性ポリマーが好ましい。本明細書において、カチオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有するポリマーをいう。カチオン性ポリマーの好ましい例としては、コラーゲン、ポリヒスチジン、アイオネン、キトサン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンとの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジビニルピリジン等の塩基性ビニルポリマー;ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、並びにそれらの塩類(塩酸塩、酢酸塩等)及び誘導体などが挙げられる。これらのポリマーは、架橋を形成していてよい。
ポリカチオンは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子化合物であってもよい。このような低分子化合物としては、例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン等のジアミノアルカンといった1分子中に2個のアミノ基を有する化合物、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノヘキサン等のモノ又はジリジルアミノアルカンといった1分子中に3〜4個のアミノ基を有する化合物、及び、1分子中に5個以上のアミノ基を有する化合物が挙げられる。
ポリカチオンを含有する溶液は、上述のポリカチオンの1種又は2種以上を、水等の溶媒に溶解させることにより得られる。溶液中のポリカチオンの濃度は、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%、更に好ましくは0.05〜1.0質量%である。
ポリアニオンとしては、アニオン性ポリマーが好ましい。本明細書において、アニオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有するポリマーをいう。アニオン性ポリマーの好ましい例としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチン、サクラン等のカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有する天然の酸性多糖類及びその誘導体;セルロース、デキストラン、デンプン等の天然の多糖類にアニオン性基を結合させて得られる酸性多糖類及びその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化セルロース及び硫酸化デキストラン並びにそれらの誘導体);ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体等の酸性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリアクリル酸等の酸性ビニルポリマー;並びにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が挙げられる。酸性多糖類の誘導体としては、例えば、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル及びヒアルロン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。これらのポリマーは、架橋を形成していてもよい。
ポリアニオンは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子化合物であってもよい。このような低分子化合物としては、例えば、コハク酸、マロン酸等の1分子中に2個のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する化合物が挙げられる。
ポリアニオンを含有する溶液は、上述のポリアニオンの1種又は2種以上を、水等の溶媒に溶解させることにより得られる。溶液中のポリアニオンの濃度は、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%、更に好ましくは0.05〜1.0質量%である。
カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの組合せは、水の共存下で混合した場合にポリイオンコンプレックスを形成しゲル化すれば、いずれの組合せでもよい。安全性により優れることから、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーのうちの少なくとも1種は、生体吸収性ポリマーであることが好ましい。生体吸収性ポリマーとは、生分解され得るポリマーを意味する。生体吸収性のカチオン性ポリマーとしては、キトサン、コラーゲン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アイオネン等が挙げられる。生体吸収性のアニオン性ポリマーとしては、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、コンドロイチン硫酸、並びにこれらの誘導体及び塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)等が挙げられる。
ナノ薄膜転写シート1は、例えば以下の工程により製造される。
(1)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成された支持基材の主面上にナノ薄膜層を形成する。
(2)ナノ薄膜層の支持基材と反対側に溶解性支持層を形成する。溶解性支持層は、水、アルコール等の溶媒に溶解する化合物で形成される。
(3)溶解性支持層のナノ薄膜層と反対側に、基材(例えば浸透性基材)をラミネート等により積層する。
(4)支持基材を剥離し、基材(浸透性基材)、溶解性支持層、及びナノ薄膜層をこの順に備える第1の積層体を得る。
(5)第1の積層体を二つ用意し、各積層体のナノ薄膜層が対向するように積層体同士を貼り合わせて第3の積層体を得る。
(6)溶解性支持層を溶解させる溶媒(例えば水)に第3の積層体を浸漬し、溶解性支持層を溶解させることにより、第1の基材(浸透性基材)、ナノ薄膜層、及び第2の基材(浸透性基材)をこの順で備える第4の積層体を得る。
(7)第4の積層体から、第1の基材(浸透性基材)及び第2の基材(浸透性基材)のいずれか一方を剥離することで、基材2(浸透性基材)及びナノ薄膜層3を備えるナノ薄膜転写シート1を得る。
ナノ薄膜層3がフィブロインを含有する場合、ナノ薄膜層3は、例えばキャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法によりフィブロイン水溶液を支持基材上に塗布することで形成される。フィブロイン水溶液を得る方法としては、公知のいかなる手法を用いてもよいが、例えば、高濃度の臭化リチウム水溶液にフィブロインを溶解後、透析による脱塩、風乾による濃縮を経てフィブロイン水溶液を得る方法が簡便である。この場合、臭化リチウム水溶液の濃度は、好ましくは8〜10M、より好ましくは8.5〜9.5Mである。臭化リチウム水溶液の濃度が上記範囲内であると、フィブロイン水溶液がゲル化しにくく、安定して均一な膜厚のナノ薄膜層3を得ることができる。フィブロイン水溶液中のフィブロイン濃度は、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0質量%、更に好ましくは0.1〜1.0質量%である。
ナノ薄膜層3が、ポリカチオンを含有する溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含有する溶液を用いて形成されるB層とを有している場合、ナノ薄膜層3の形成方法は、ポリカチオンを含有する溶液(以下「溶液A」ともいう)又はポリアニオンを含有する溶液(以下「溶液B」ともいう)に支持基材を接触させて、支持基材の表面にポリカチオンを含有する層(A層)又はポリアニオンを含有する層(B層)を形成する工程、及び、(i)A層に溶液Bを接触させて、A層上にB層を形成するステップと、(ii)B層に溶液Aを接触させて、B層上にA層を形成するステップとを繰り返してナノ薄膜層3を形成する工程を備える交互積層方法であることが好ましい。
交互積層法によれば、A層(又はB層)と、溶液B(又は溶液A)とが接触することで、ポリカチオン及びポリアニオンが交互に吸着して積層膜が形成される。交互積層法では、ポリカチオン又はポリアニオンの吸着が進行して表面電荷が反転すると更なる静電吸着は起こらなくなるため、溶液A及び溶液Bとの接触によりそれぞれ形成されるA層及びB層の厚さが制御される。
ナノ薄膜転写シートは、基材及びナノ薄膜層に加えて、その他の層を更に備えていてもよい。例えば、ナノ薄膜転写シートは、基材とナノ薄膜層との間に溶解性支持層を更に備えていてもよい。この場合、ナノ薄膜層の転写時に、水、アルコール等の溶媒を用いて溶解性支持層を溶解させ除去してもよい。
以上説明したナノ薄膜転写シート1を用いて、ナノ薄膜層3を臓器、皮膚等の被転写体に転写することができる。転写方法としては、ナノ薄膜転写シート1をナノ薄膜層3側が被転写体と対向するように被転写体上に配置し、ナノ薄膜転写シート1の基材2側を押圧することによりナノ薄膜層3を被転写体に転写する方法が好ましい。この方法では、基材2がナノ薄膜層3を覆っている状態でナノ薄膜転写シート1の基材2側を押圧することによりナノ薄膜層3を被転写体に転写するため、被転写体とナノ薄膜層との追従性、接着性が向上する。したがって、この方法では、例えば、基材2を予め剥離した上でナノ薄膜層3を被転写体に転写する方法、又は、押圧することなくナノ薄膜層3を被転写体に転写する方法に比べて、ナノ薄膜層3を好適に転写できる。
この転写方法においては、基材2に対して押圧する際、基材2全面に対して略均一に圧力を加えることが好ましい。押圧は、ローラー等の冶具を用いることで、より簡便かつ好適に行われる。
ナノ薄膜転写シート1の基材2側を押圧する際の荷重は、好ましくは10〜1000g/cm、より好ましくは30〜900g/cm、更に好ましくは50〜800g/cmである。荷重が下限値以上であると、基材2を剥離する際にナノ薄膜層3が基材2側に残存することを容易に抑制できる。一方、荷重が上限値以下であると、皮膚等の被転写体が損傷することを容易に抑制できる。
このナノ薄膜転写シート1では、図1(a)に示すように、基材2及びナノ薄膜層3はそれぞれ例えば略正方形の平面形状を有しており、基材2の略正方形状はナノ薄膜層3の略正方形状よりも大きくなっている。また、ナノ薄膜層3は、基材2の主面内に(基材2からはみ出さずに)設けられている。
すなわち、基材2は、ナノ薄膜層3側からの平面視において、ナノ薄膜層3が存在しない余白領域R0を有している。この余白領域R0は、基材2の縁部2a(略正方形状の四辺)の全部と、基材2の略正方形状の四つの角部2bとを含み、略正方形状の中空を有する略正方形枠状を呈している。換言すれば、基材2は、ナノ薄膜層3側からの平面視において、ナノ薄膜層3から露出する縁部2aを有している。
図2は、ナノ薄膜転写シート1の作用効果を説明するための斜視図である。図2に示すように、ナノ薄膜転写シート1では、基材2が、平面視において、基材2の縁部2aを含み且つナノ薄膜層3が存在しない余白領域R0を有しているため、転写時に余白領域R0を起点に基材2を剥離することで、基材2のみを剥離しやすくなる。したがって、ナノ薄膜層3が剥離される基材2に追従して貼り付くことを抑制でき、ナノ薄膜層3を好適に被転写体に転写できる。
また、ナノ薄膜転写シート1では、余白領域R0が基材2の略正方形状の角部2bを含んでいるため、角部2bを起点に基材2を剥離することができる。これにより、転写時に基材2のみを剥離することが更に容易となる。
ナノ薄膜転写シートは、上記実施形態に加えて、他の態様をとり得る。図3及び4は、ナノ薄膜転写シートの変形例を示す平面図である。上記実施形態に係るナノ薄膜転写シート1では、余白領域R0は、基材2の縁部2a(略正方形状の四辺)の全部と、基材2の略正方形状の四つの角部2bとを含み、略正方形状の中空を有する略正方形枠状を呈していたが、例えば図3(a)に示すように、ナノ薄膜転写シート11においては、余白領域R1は、基材2の縁部2aの一部(略正方形状の隣り合う二辺の全部及び該二辺のそれぞれに隣り合う二辺のそれぞれ一部)と、基材2の略正方形状の三つの角部2b(隣り合う各二辺に挟まれた角部)とを含み、L字状を呈していてもよい。
また、例えば図3(b)に示すように、ナノ薄膜転写シート21においては、余白領域R2は、縁部2aの一部(略正方形状の一辺の全部及び該一辺に隣り合う二辺のそれぞれ一部)と、基材2の略正方形状の角部2bの二つ(該一辺の両端部に位置する角部)とを含み、長方形状を呈していてもよい。また、例えば図3(c)に示すように、ナノ薄膜転写シート31においては、余白領域R3は、縁部2aの一部(略正方形状の隣り合う二辺のそれぞれ一部)と、基材2の略正方形状の角部2bの一つ(該二辺に挟まれた角部)とを含む略正方形状を呈していてもよい。また、例えば図3(d)に示すように、ナノ薄膜転写シート41においては、余白領域R4は、縁部2aの一部(略正方形状の隣り合う二辺のそれぞれ一部)と、基材2の略正方形状の角部2bの一つ(該二辺に挟まれた角部)とを含み、三角形状を呈していてもよい。
以上説明したとおり、上記実施形態では、余白領域R0は基材2の縁部2aの全部を含んでいるのに対し、図3に示すように、余白領域は、基材の縁部の一部のみを含んでいてもよい。換言すれば、上記実施形態では、ナノ薄膜層3側からの平面視において基材2の縁部2aの全部がナノ薄膜層3から露出しているのに対し、図3に示すように、ナノ薄膜層側からの平面視において基材の縁部の一部のみがナノ薄膜層から露出していてもよい。
さらに、上記実施形態では、基材2は略正方形の平面形状を有していたが、図4に示すように、基材12は、略円形の平面形状を有していてもよい。この場合、例えば図4(a)に示すように、ナノ薄膜転写シート51においては、ナノ薄膜層53は基材12よりも小さい略円形の平面形状を有していてよく、余白領域R5は基材12の縁部12a(円周)の全部を含み、略円形の中空を有する略円形枠状を呈していてよい。
また、例えば図4(b)に示すように、ナノ薄膜転写シート61においては、余白領域R6は、基材12の縁部12aの一部(円周の半分以下の長さの円弧)を含み、該円弧と円弧の両端を結ぶ弦とで囲まれた形状を呈していてもよい。また、例えば図4(c)に示すように、ナノ薄膜転写シート71においては、余白領域R7は、基材12の縁部12a(円周)の全部を含み、略正方形の中空を有する略円形枠状を呈していてもよい。
さらに、基材及びナノ薄膜層の平面形状は、それぞれの任意である。基材及びナノ薄膜層の平面形状は、上述した以外に、それぞれ略正方形状以外の四角形状、四角形状以外の多角形状(例えば五角形状、六角形状、七角形状、八角形状)、楕円形状等の平面形状であってもよい。
1,11,21,31,41,51,61,71…ナノ薄膜転写シート、2,12…基材、2a,12a…縁部、2b…角部、3,13,23,33,43,53,63,73…ナノ薄膜層、R0,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7…余白領域。

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の主面上に設けられたナノ薄膜層とを備え、
    前記基材は、前記ナノ薄膜層側からの平面視において、前記基材の縁部の少なくとも一部を含み且つ前記ナノ薄膜層が存在しない余白領域を有する、ナノ薄膜転写シート。
  2. 前記基材の平面形状が多角形状であり、
    前記余白領域は、前記多角形状の少なくとも一つの角部を含む、請求項1に記載のナノ薄膜転写シート。
  3. 前記基材が、メッシュシート、不織布シート又は多孔質構造を有するシートである、請求項1又は2に記載のナノ薄膜転写シート。
  4. 前記ナノ薄膜層がフィブロインを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  5. 前記ナノ薄膜層が、ポリカチオンを含有する溶液を用いて形成されるA層とポリアニオンを含有する溶液を用いて形成されるB層とが交互に積層された層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シートを前記ナノ薄膜層が被転写体と対向するように前記被転写体上に配置し、前記ナノ薄膜転写シートの前記基材側を押圧することにより前記ナノ薄膜層を被転写体に転写する、転写方法。
  7. 前記ナノ薄膜転写シートの前記基材側を押圧する際の荷重が10〜1000g/cmである、請求項6に記載の転写方法。
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