JP2017163062A - 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール構造として大幅な変更がなく、かつ難燃性が向上し、飛び火試験等に適合する太陽電池モジュールを提供することができる。また、本発明では、既に形成完了した太陽電池モジュールにシリコーンを後設置することで、難燃性が向上し、飛び火試験等に適合する特長を付加させることもできる。
【選択図】図1
Description
また、断熱で燃焼を抑制するイントメッセント系のリン酸アンモニウムなどの難燃材を封止材に添加する方法(特許文献2)、もしくは封止材にナノクレイ、含水珪酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのナノ粒子を添加する方法などが公開されている(特許文献3)。
特許文献2にあるイントメッセント系のリン酸アンモニウムなどの難燃材を封止材に添加する方法は、イントメッセント系の材料は、粒子径が大きく、封止材に添加したときに透過率を低下させてしまうという欠点がある。
特許文献3にあるナノクレイ、含水珪酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのナノ粒子を添加する方法は、粒子の分散状態を適正にコントロールしないと、封止材の透過率を損ねる可能性がある。
〔1〕
受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有し、裏面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材を有する太陽電池モジュールであって、裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材の外面にシリコーン層が形成されている構造を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
〔2〕
シリコーン層の厚みが、0.05〜3mmであることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池モジュール。
〔3〕
シリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物の硬化物からなることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池モジュール。
〔4〕
受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有し、裏面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材を有する太陽電池モジュールであって、裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材の外面に難燃性付与材を含むシリコーン層が形成されている構造を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
〔5〕
難燃性付与材を含むシリコーン層の厚みが、0.05〜3mmであることを特徴とする〔4〕記載の太陽電池モジュール。
〔6〕
難燃性付与材を含むシリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
(D)難燃性付与材
を含むシリコーン組成物の硬化物からなることを特徴とする〔4〕又は〔5〕記載の太陽電池モジュール。
〔7〕
未加硫状態のシリコーン組成物と、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材とを予め密着させた構造体を形成すると共に、受光面側光透過性基板もしくは受光面側光透過性フィルムと、太陽電池素子ストリングスと、封止材と、前記構造体とを積層させ、得られた積層体を真空ラミネーターを用いて真空下に加熱押圧を行い、未加硫状態のシリコーン組成物を硬化させて裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材の外面にシリコーン層を形成すると共に、太陽電池素子ストリングスを封止材にて封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔8〕
受光面側光透過性基板もしくは受光面側光透過性フィルムと、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材との間に太陽電池素子ストリングスが封止されてなる太陽電池モジュールの前記裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材の外面に未加硫状態のシリコーン組成物の層を積層し、加熱プレートを用いて上記シリコーン組成物を加熱硬化してシリコーン層を形成することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔9〕
未加硫状態のシリコーン組成物が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物である〔7〕又は〔8〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔10〕
未加硫状態のシリコーン組成物が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
(D)難燃性付与材
を含むシリコーン組成物である〔7〕又は〔8〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量。
この場合、難燃性を付与する目的で、(D)難燃性付与材を配合することができる。
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は炭素数1〜6の非置換又は置換の1価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基等の非置換の1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の1価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbが0.8〜2.0、cが0.2〜1.0、かつb+cが1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
まず、実施例で用いたシリコーン組成物について説明する。
<透光性シリコーン組成物の調製>
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.025モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.125モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積300m2/gのシリカ(商品名アエロジル300、日本アエロジル(株)製)70部、分散剤としてヘキサメチルジシラザン16部、水4部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンドを調製した。
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.025モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.125モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積200m2/gのシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30部、分散剤としてヘキサメチルジシラザン4部、水1.2部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンドを調製した。
[太陽電池モジュールの作製]
[1]未加硫シリコーンの作製と、裏面保護材への貼り付け
上記シリコーン組成物をカレンダー加工によりシート形成させた。このとき、未加硫状態のシリコーン組成物のシート厚みが0.03mm、0.05mm、0.1mm、0.5mm、1mm、3mm厚になるよう調製し、裏面保護材TPT104を基材として貼り付けながら加工成形した。
未加硫状態のシリコーン組成物上面はエンボスフィルムを押し付け、シリコーン面を保護しながら形成した。
[2]太陽電池素子(セル)の構成
太陽電池セルは、156mm四方の太陽電池用p型単結晶セルを使用した。
[3]太陽電池素子(セル)ストリングスの作製
太陽電池セルストリングス103は、60直サイズ(6×10列)に配列され、接続配線を、それぞれ直列に接続し、形成させた。
[4]太陽電池モジュールの形成
太陽電池モジュール100を例に説明する。
白板ガラス101の上面に、封止材EVA102を載置した。EVA102上面に上記太陽電池セルストリングス103を載置し、その上面にEVA102を載置し、最終、未加硫シリコーン組成物と裏面保護材TPT104を貼り付けた積層シートを、裏面保護材TPTが封止材EVA102に配向する形で載置した。
このようにして得られた積層体を、真空ラミネーターで、140℃、真空5分、真空圧着30分、真空加熱押圧して、太陽電池モジュールを形成した。このときに、真空ラミネーターの押圧面が、シリコーンシートに貼り付かないよう、テフロン(登録商標)含浸クロスシートをシリコーンシートの上面に使用した。
[飛び火試験]
建築基準法第63条に基づき実施した。
ブランドは、大きさ80mm×80mm×60mm、重さ155gの木製ブランドを1試験体あたり2個用意し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で24時間以上予め養生させた。
送風は、吹き出し口高さ250mm、幅1,000mm以上、かつ、吹き出しノズルの長さが1,200mm以上確保した。
バーナー温度はバーナー上端より60mmの位置で900±50℃になるように設置し、ブランドは、240秒間火炎に曝した。
上記のようにして作製した太陽電池モジュールは、受光面側ガラスが上になるように傾斜角30°に設置した。
ブランドは、建築基準法第63条に規定された通り、太陽電池モジュール上面指定箇所に2個載置した。ブランドの燃焼が完全に消えるまで試験を続行し、燃焼後の太陽電池モジュールの状態を観察した。
表2に示すように、太陽電池モジュール300は、飛び火試験後の太陽電池モジュールの状態において、燃焼貫通孔が発生し、ブランドが裏面に落下した。貫通孔は200×200mmであり、不合格となった。
また、合格判定であるいずれにおいても、太陽電池モジュール裏面で火炎を伴う燃焼は見られなかった。
更に、試験体の燃焼による火炎の先端が左右600mmの位置に達することはなかった。
101 光透過性基板
102 封止材EVA層
103 太陽電池素子ストリングス
104 裏面保護材
105 シリコーン層
106 難燃性付与シリコーン層
Claims (10)
- 受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有し、裏面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材を有する太陽電池モジュールであって、裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材の外面にシリコーン層が形成されている構造を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
- シリコーン層の厚みが、0.05〜3mmであることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- シリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池モジュール。 - 受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有し、裏面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材を有する太陽電池モジュールであって、裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材の外面に難燃性付与材を含むシリコーン層が形成されている構造を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
- 難燃性付与材を含むシリコーン層の厚みが、0.05〜3mmであることを特徴とする請求項4記載の太陽電池モジュール。
- 難燃性付与材を含むシリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
(D)難燃性付与材
を含むシリコーン組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項4又は5記載の太陽電池モジュール。 - 未加硫状態のシリコーン組成物と、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材とを予め密着させた構造体を形成すると共に、受光面側光透過性基板もしくは受光面側光透過性フィルムと、太陽電池素子ストリングスと、封止材と、前記構造体とを積層させ、得られた積層体を真空ラミネーターを用いて真空下に加熱押圧を行い、未加硫状態のシリコーン組成物を硬化させて裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材の外面にシリコーン層を形成すると共に、太陽電池素子ストリングスを封止材にて封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
- 受光面側光透過性基板もしくは受光面側光透過性フィルムと、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材との間に太陽電池素子ストリングスが封止されてなる太陽電池モジュールの前記裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材の外面に未加硫状態のシリコーン組成物の層を積層し、加熱プレートを用いて上記シリコーン組成物を加熱硬化してシリコーン層を形成することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
- 未加硫状態のシリコーン組成物が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物である請求項7又は8記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 未加硫状態のシリコーン組成物が、
(A)下記平均組成式(I)
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
(D)難燃性付与材
を含むシリコーン組成物である請求項7又は8記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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