JP5983549B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕 (i)表面・裏面二枚の硬質パネルそれぞれの片面にシリコーン硬化膜を形成する工程、
(ii)表面・裏面二枚の硬質パネルのシリコーン硬化膜面の間に太陽電池セルストリングスを挟み込むように配置し、積層体を形成する工程、
(iii)上記積層体を減圧空間内に配置し、加熱しながら押圧して太陽電池セルストリングスを封止する工程
を含む、表面・裏面二枚の硬質パネルの間に複数の太陽電池セルストリングスをシリコーン硬化膜で封止して太陽電池モジュールを製造する方法であって、表面・裏面二枚の硬質パネルに形成するシリコーン硬化膜が、それぞれ
(A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する23℃における粘度が100〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(A−1)成分+(A−2)成分の合計が100質量部となる量、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.25≦p<1.3となる量、
(C)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化膜(X)と、
(D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する23℃における粘度が100〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(D−1)成分+(D−2)成分の合計が100質量部となる量、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.3<q≦10となる量、
(F)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化膜(Y)であって、上記モル比p,qが、|q−p|>0.7、q/p≧1.3の関係を満たすことを特徴とする、シリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔2〕 前記(i)の工程において、表面・裏面二枚の硬質パネルの片面に外周部を残してシリコーン硬化膜(X)、(Y)を形成し、一方のパネルのシリコーン硬化膜未形成部分にシリコーン硬化膜よりも厚いブチルゴム系熱可塑性接着剤を配置し、次いで(ii)、(iii)の工程を行うことを特徴とする、〔1〕記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔3〕 上記オルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化膜(X)が、針入度20〜200のシリコーンゲルであり、上記オルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化膜(Y)が、針入度200以下のシリコーンゲル又はデュロメータタイプA硬度70以下のシリコーンゴムである〔1〕又は〔2〕記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔4〕 前記シリコーン硬化膜の厚みがそれぞれ200〜1,000μmであることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔5〕 前記(iii)工程は、前記二枚の硬質パネルと太陽電池セルストリングスを減圧下70〜150℃に加熱することを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔6〕 前記(iii)工程は、真空ラミネーターにより行われることを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
〔7〕 前記表面・裏面二枚の硬質パネルは、白板熱強化ガラス基板又はポリカーボネートであることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
(i)表面・裏面二枚の硬質パネルそれぞれの片面にシリコーン硬化膜を形成する工程、
(ii)表面・裏面二枚の硬質パネルのシリコーン硬化膜面の間に太陽電池セルストリングスを挟み込むように配置し、積層体を形成する工程、
(iii)上記積層体を減圧空間内に配置し、加熱しながら押圧して太陽電池セルストリングスを封止する工程
を含む。
(A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する23℃における粘度が100〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(A−1)成分+(A−2)成分の合計が100質量部となる量、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.25≦p<1.3となる量、
(C)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するものであり、以下更に詳しく説明する。
[(A−1)成分]
(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤であり、1分子中に1個以上、好ましくは2〜10個の脂肪族不飽和基を含有する。該脂肪族不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、炭素原子数が、通常2〜8、好ましくは2〜4程度のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分中におけるケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基は、例えば、分子鎖末端基(ジオルガノアルケニルシロキシ基、オルガノジアルケニルシロキシ基、トリアルケニルシロキシ基等のアルケニル基含有トリオルガノシロキシ基などの形で)及び/又は分子鎖側基(オルガノアルケニルシロキサン単位やジアルケニルシロキサン単位等のアルケニル基含有ジオルガノロキサン単位などの形で)として含まれる。なお、オルガノポリシロキサン中のアルケニル基の量は、0.003〜0.02mol/100gが好ましい。
(A−2)成分のケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物において、ケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等のアルケニル基や、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等が挙げられる。
このオルガノ(ポリ)シロキサン(シロキサンオリゴマー)の重合度又は分子中のケイ素原子の数は、通常2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8程度のものが好適に使用される。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A−1)成分及び(A−2)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(Si−Hで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、通常3〜500個、好ましくは3〜200個、より好ましくは3〜100個程度のSi−H基を有することが望ましい。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものが用いられる。
R3 mHnSiO(4-m-n)/2 (1)
(B)成分の配合量は、(A−1)成分中のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基及び(A−2)成分中のヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)のモル数(b)の比p[(b)/(a)]が、0.25≦p<1.3、好ましくは0.5〜1.2、更に好ましくは0.5〜0.8の範囲内となる量である。(B)成分の配合量あるいは上記pの値が少なすぎると組成物が十分に硬化しない場合があり、逆に多すぎると得られる組成物の硬化物同士の接着性が極端に劣る場合がある。
(D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上、好ましくは2個以上含有するオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(D−1)成分+(D−2)成分の合計が100質量部となる量、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.3<q≦10となる量、
(F)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するものである。
[(D−1)成分]
(D−1)成分のオルガノポリシロキサンは、(A−1)成分と同様のものを例示することができ、特に直鎖状のものが好ましい。この場合、(D−1)成分と(A−1)成分とは、同一のものでも、異なったものでもよく、23℃の粘度が100〜100,000mPa・s、特に500〜10,000mPa・sのものが好ましい。また、このオルガノポリシロキサンのアルケニル基量は0.005〜0.02mol/100gであることが好ましい。
ここで、Rとしては、炭素数1〜12の置換又は非置換の1価炭化水素基で、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられ、具体例としては、(A−1)成分において説明したものと同様のものが挙げられるが、樹脂共重合体の一分子中、アルケニル基は少なくとも1個、特に少なくとも2個有することが好ましく、また一分子中のアルケニル基の量は0.02〜0.15mol/100g、特に0.05〜0.1mol/100gであることが好ましい。
(D−2)成分のオルガノポリシロキサンは、(A−2)成分と同様のものを例示することができる。この場合も、(D−2)成分と(A−2)成分とは、同一のものでも、異なったものでもよい。なお、(D−2)成分としてオルガノ(ポリ)シロキサン(シロキサンオリゴマー)を用いる場合、23℃の粘度が100mPa・s未満、通常0.01〜50mPa・s、より好ましくは0.01〜30mPa・s、更に好ましくは0.1〜10mPa・s程度のものが好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)においては、上記以外の任意成分を添加することができる。例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤が挙げられる。また、充填剤としては、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等も挙げられる。
上記のようにして得られたオルガノポリシロキサン組成物を、太陽光を入射する透明部材のパネルと上記太陽光の入射方向と反対側のパネルにそれぞれ全面に亘って塗布し、硬化させてシリコーン硬化膜を形成する。
この場合、上記組成物(I)及び(II)は、表面・裏面二枚の硬質パネルの片面のいずれに塗布しても差し支えないが、好ましくは太陽光を入射する表面パネルに組成物(I)を塗布し、硬化させてシリコーンゲルからなるシリコーン硬化膜(X)を形成し、太陽光の入射方向と反対側のパネルに組成物(II)を塗布し、硬化させてシリコーンゴムからなるシリコーン硬化膜(Y)を形成することが推奨される。
図1は、この工程iを説明するもので、表面パネル1に組成物(I)を塗布し、これを硬化して硬化膜(X)を形成すると共に、裏面パネル2に組成物(II)を塗布し、これを硬化させて硬化膜(Y)を形成した状態を示す。
太陽光を入射させる側のパネルとしては、青板硝子、白板硝子又は強化硝子等の無機系ガラスが使用され、その他、合成樹脂材として、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はエポキシ樹脂等の有機系ガラスも使用することができる。一般的には、透明性、耐候性が高い厚さ3mm程度の白板強化ガラスやポリカーボネートが用いられる。
太陽光入射と反対側となる裏面には、上記表面パネルと同様のガラス無機系及び有機系を使用することができる。また、太陽電池モジュール内に生じる部分的なホットスポット現象を緩和するため、銅、アルミニウム、鉄等の金属シート、シリカをはじめ、酸化チタン、アルミナ、窒化アルミニウムなど高い熱伝導性を有する材料を担持した硬質の合成樹脂を用いてもよい。
ここで、上記工程iにおいて、表面・裏面二枚の硬質パネルの片面に組成物(I)、(II)を塗布する際、図3に示したように、表面パネル1及び裏面パネル2にそれぞれ各パネルの外周縁部を除いて組成物(I)、(II)を塗布し、硬化させる。この状態で上記組成物(I)、(II)が塗布されず、従ってシリコーン硬化膜(X)、(Y)が形成されていない上記パネル1及び2のいずれか一方の外周縁部にブチルゴム系熱可塑性接着剤4を配置する。図3では、表面パネル1の外周縁部に該接着剤4を配置したが、これに限られず、裏面パネル2の外周縁部に配置するようにしてもよい。
ここで、ブチル系熱可塑性接着剤としては、太陽電池モジュールとアルミフレームを固定・接着させるものが使用できる。
この接着剤としては市販品が使用し得、例えば、横浜ゴム株式会社製「M−155P」や、株式会社日本シールボンド製「SB−4」が挙げられる。
なお、ブチル系熱可塑性接着剤を配置する場合、シリコーン硬化膜(X)、(Y)より厚いことが必要であり、その厚さはシリコーン硬化膜(X)、(Y)の合計厚さに対し1〜3mm厚めであることが好ましい。
工程iiは、表面・裏面二枚の硬質パネルのシリコーン硬化膜の間に太陽電池セルストリングスを挟み込むように配置し、積層体を形成する工程である。
ここで、太陽電池セルは、一般的な単結晶シリコン又は多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン半導体を用いてなるもので、太陽電池セルストリングスは、ここでは、上記太陽電池セルをタブ線で接続し組みセルとしたものが挙げられる。
工程iiiは、上記積層体を減圧空間内に配置し、加熱しながら押圧して太陽電池セルストリングスをシリコーン硬化膜(X)、(Y)により封止する工程である。
図2は、工程iを採用した場合の太陽電池モジュールを示す。なお、図3は太陽電池セルストリングスである。
一方、図4は、工程i’を採用した場合の太陽電池モジュールを示す。この図4のモジュールにあっては、太陽電池セルストリングスはシリコーン硬化膜(X)、(Y)によって封止されていると共に、外周縁部においてブチルゴム系熱可塑性接着剤4によって封止されている。
ここで、積層体を減圧空間内に配置する場合、その減圧度は特に制限されないが、−0.08〜−0.10MPaであることが好ましい。また、加熱・押圧条件も適宜選定されるが、50〜120℃、特に60〜100℃の加熱において、3〜5分間の真空減圧後に大気圧で5〜10分間程度押圧することが好ましい。
[実施例1]
[オルガノポリシロキサン(I)]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン100質量部に、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.05質量部、付加反応制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.1質量部を加え、均一に混合した後、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H量:0.0055mol/g)1.2質量部加え、調製液を調合した(総Si−H/Si−Vi(p)=0.5)。この調製液を、340mm×360mm・厚み3.2mmの白板熱強化ガラスに周囲を10mmにマスキングテープで土手を作った後、500μmの厚みに塗布し、120℃,10分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを表面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度は針入度50であった。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン131質量部、(CH3)3SiO1/2単位、(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[〔(CH3)3SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2単位との合計〕/SiO2単位=0.8(モル比)、ビニル基含有量=0.0085mol/g]50質量部、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.3質量部、トリアリルイソシアヌレート0.2質量部、反応制御剤エチニルシクロヘキサノール0.05質量部、下記化学式(2)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン25質量部、下記化学式(3)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン2.5質量部を均一に混合した(総Si−H/Si−Vi(q)=2.0)。340mm×360mm・厚み3.2mmの白板熱強化ガラスに周囲を10mmにマスキングテープで土手を作った後、500μmの厚みに塗布し、120℃,10分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを裏面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度はデュロメータタイプA20であった。
表面、裏面パネルのマスキングテープを除去し、厚み2mmのテープ状の熱可塑性ブチルゴム接着剤(横浜ゴム株式会社製:M−155P)を裏面パネルの周囲(シリコーンが載っていない部分)に配置し、太陽電池セルストリングスを載せ、一番上に表面パネルのシリコーン塗膜面を太陽電池セルストリングス側を下にして積層体を作り、この積層体を真空ラミネーター槽に入れ、100℃で5分間減圧(−0.7MPa以下)後、5分間プレスを行った。
硬化物同士を密着させ、常圧で貼り合わせたものを120℃,30分間加熱した後、接着試験を行った。また、真空ラミネーターによるモジュール化後、シリコーン塗布膜により太陽電池セルストリングスが完全に封止されているか、目視にて確認を行った。また、モジュールを85℃⇔−40℃のヒートサイクル試験100回行い、改めて目視確認を行った。
[オルガノポリシロキサン(I)]
実施例1の(I)と同じように作製した。
[オルガノポリシロキサン(II)]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン147質量部、分子鎖片末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が800mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.004mol/100gであるジメチルポリシロキサン92質量部、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.06質量部、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.01質量部、分子鎖両末端のみにSi−H基を有する(Si−H量:0.013mol/g)オルガノハイドロジェンシロキサン21質量部、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H量:0.0055mol/g)0.5質量部加え、調製液を調合した(総Si−H/Si−Vi(q)=1.3)。この硬化物は針入度107のシリコーンゲルであった。これらを用い、実施例1と同様にしてモジュール化して評価を行った。
[オルガノポリシロキサン(I)]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン100質量部に、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.05質量部、付加反応制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.1質量部を加え、均一に混合した後、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H量:0.0055mol/g)1.9質量部加え、調製液を調合した(総Si−H/Si−Vi(p)=0.8)。この調製液を、340mm×360mm・厚み3.2mmの白板熱強化ガラスに周囲を10mmにマスキングテープで土手を作った後、500μmの厚みに塗布し、120℃,10分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを表面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度は針入度30であった。
[オルガノポリシロキサン(II)]
実施例1の(II)と同じように作製した。
これらを用い、実施例1と同様にしてモジュール化して評価を行った。
[オルガノポリシロキサン(I)]
実施例1の(I)と同じように作製した。
[オルガノポリシロキサン(II)]
実施例1の(I)と同じように作製した。
これらを用い、実施例1と同様にしてモジュール化して評価を行った。
[オルガノポリシロキサン(I)]
実施例1の(I)と同じように作製した。
[オルガノポリシロキサン(II)]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン112質量部、分子鎖片末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が800mPa・sであり、ビニル基(Vi)含有量が0.004mol/100gであるジメチルポリシロキサン73質量部、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.06質量部、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.01質量部、分子鎖両末端のみにSi−H基を有する(Si−H量:0.013mol/g)オルガノハイドロジェンシロキサン13質量部、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H量:0.0055mol/g)0.3質量部加え、調製液を調合した(総Si−H/Si−Vi(q)=1.0)。この硬化物は針入度65のシリコーンゲルであった。これらを用い、実施例1と同様にしてモジュール化して評価を行った。
[オルガノポリシロキサン(I)]
実施例2の(II)と同じように作製した。
[オルガノポリシロキサン(II)]
実施例2の(II)と同じように作製した。
これらを用い、実施例1と同様にしてモジュール化して評価を行った。
2:裏面パネル(太陽光入射側と反対側)
3:太陽電池セルストリングス
4:ブチルゴム系熱可塑性接着剤
X:オルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化膜
Y:オルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化膜
Claims (7)
- (i)表面・裏面二枚の硬質パネルそれぞれの片面にシリコーン硬化膜を形成する工程、
(ii)表面・裏面二枚の硬質パネルのシリコーン硬化膜面の間に太陽電池セルストリングスを挟み込むように配置し、積層体を形成する工程、
(iii)上記積層体を減圧空間内に配置し、加熱しながら押圧して太陽電池セルストリングスを封止する工程
を含む、表面・裏面二枚の硬質パネルの間に複数の太陽電池セルストリングスをシリコーン硬化膜で封止して太陽電池モジュールを製造する方法であって、表面・裏面二枚の硬質パネルに形成するシリコーン硬化膜が、それぞれ
(A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する23℃における粘度が100〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(A−1)成分+(A−2)成分の合計が100質量部となる量、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.25≦p<1.3となる量、
(C)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化膜(X)と、
(D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する23℃における粘度が100〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:80〜100質量部、
(D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物:0〜20質量部、
(D−1)成分+(D−2)成分の合計が100質量部となる量、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.3<q≦10となる量、
(F)白金系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化膜(Y)であって、上記モル比p,qが、|q−p|>0.7、q/p≧1.3の関係を満たすことを特徴とする、シリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記(i)の工程において、表面・裏面二枚の硬質パネルの片面に外周部を残してシリコーン硬化膜(X)、(Y)を形成し、一方のパネルのシリコーン硬化膜未形成部分にシリコーン硬化膜よりも厚いブチルゴム系熱可塑性接着剤を配置し、次いで(ii)、(iii)の工程を行うことを特徴とする、請求項1記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
- 上記オルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化膜(X)が、針入度20〜200のシリコーンゲルであり、上記オルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化膜(Y)が、針入度200以下のシリコーンゲル又はデュロメータタイプA硬度70以下のシリコーンゴムである請求項1又は2記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記シリコーン硬化膜の厚みがそれぞれ200〜1,000μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記(iii)工程は、前記二枚の硬質パネルと太陽電池セルストリングスを減圧下70〜150℃に加熱することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記(iii)工程は、真空ラミネーターにより行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記表面・裏面二枚の硬質パネルは、白板熱強化ガラス基板又はポリカーボネートであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコーン封止太陽電池モジュールの製造方法。
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