JP2013235932A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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智欣 降籏
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直樹 山川
Atsushi Yaginuma
篤 柳沼
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Abstract

【課題】低コストかつ簡便に、太陽電池セルストリングをシリコーン材料で封止する太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】二枚の板ガラス1a,1bの間に複数の太陽電池セル3からなる太陽電池セルストリングを樹脂封止する製造方法において、(i)板ガラス1a,1bそれぞれの片面にシリコーン硬化膜2を形成する工程、(ii)一方の板ガラス1aのシリコーン硬化膜2上に、太陽電池セルストリングを配置する工程、(iii)他方の板ガラス1bのシリコーン硬化膜形成面を前記太陽電池セルストリングに向けて、一方の板ガラス1aとの間に前記太陽電池セルストリングを挟むようにピラー4を介して他方の板ガラス1bを配置する工程、(iv)板ガラス1a,1bの間に25℃で粘度0.1〜5.0Pa・sの第2の硬化性シリコーン材料2を注入し硬化して太陽電池セルストリングを封止する工程を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、太陽電池セルストリングを樹脂封止する太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
太陽光発電は地球環境問題を解決する重要なエネルギー源として大きな期待が寄せられている。その主力はシリコンの結晶を用いた太陽電池で構成されたシステムであり、シリコンの結晶を用いた太陽電池は光電変換デバイスとして、その光電変換効率の改善が絶え間ない研究開発により成し遂げられてきた。その中で、単結晶シリコン太陽電池では、バンドギャップの大きい非晶質シリコン層をヘテロ接合層として利用した太陽電池や、光入射面の集電電極層を不要とすることで光入射面での電極による入射光の損失を極限まで無くしたバックコンタクト型の開発により20%超の光電変換効率を達成するまでに開発が進められてきた。
太陽光発電は、太陽の光を電気に変換する太陽電池モジュールとその変換された電気を系統電力網のケーブルに接続するためのケーブルと周辺システムからなる。太陽電池モジュールは屋外にて太陽光下で暴露されることから高い耐久性能が求められる。2009年に発表された独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構による『太陽光発電ロードマップ(PV2030+)』では、2017年には太陽電池の寿命25年、2025年には寿命30年を達成することが謳われている。太陽光発電を商用電力の主翼を担う火力、原子力、水力と並ぶ基幹の電力源とするには、開発計画を前倒しして耐久性能の高い太陽電池を実現することが求められている。
一方、太陽電池モジュールでは、結晶シリコン太陽電池を表面及び裏面から封止することでその信頼性を高める材料として広くEVA(エチレンビニルアセテートコポリマー)が用いられてきたが、このEVAはその低いガラス転移点により、高温では低粘度となり、低温では硬化する特性を持つために、屋外暴露における環境温度の変化による封止材のモジュラス増減現象が結晶シリコン太陽電池の配線不良を引き起こすことが指摘されており、EVAの使用がモジュール寿命25年超の足枷となっている。
そこで、高温又は低温にかかわらず低いモジュラスを有するシリコーン材料を太陽電池セルの封止材料に用いることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、電気、電子部品などをシリコーン材料で封止する方法については、シリコーンゲルからなる基相(未硬化)とその表面に、前記基相より比重が小さいシリコーンエラストマー又はシリコーンレジンからなる表面層(未硬化)からなるシリコーン複合体を、一体として同時に硬化処理する方法(例えば、特許文献1参照)、シリコーンゲルからなる基相(未硬化)とその表面に、前記基相と非相溶性を有するシリコーンエラストマー又はシリコーンレジンからなる表面層(未硬化)からなるシリコーン複合体を、一体として同時に硬化処理する方法(例えば、特許文献2参照)、第1の接着促進剤を含有するシリコーン層上に第2の接着促進剤を含有する第2の付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物を塗布、硬化して第2のシリコーン層を形成する方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
また特に、太陽電池セルの封止においては、太陽光を効率よくとり入れるためにセルと封止材料の間の気泡を取り除く方法(例えば、特許文献4、5参照)などが提案されている。
また、付加硬化型オルガノポリシロキサンに用いられる白金金属系触媒の例は、特許文献6〜9に開示されている。
特許第2547134号公報 特許第2547135号公報 特開2005−161132号公報 特表2007−527109号公報 特表2011−514680号公報 米国特許第3,220,972号明細書 米国特許第3,159,601号明細書 米国特許第3,159,662号明細書 米国特許第3,775,452号明細書
Barry Ketola,Keith R.McIntosh,Ann Norris,Mary Kay Tomalia,"Silicone For Photovoltaic Encapsulation":23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference 2008,pp.2969−2973
しかしながら、シリコーン材料を積層する際や、太陽電池セル封止材との間の気泡を除去するためには、それぞれの層を形成するためのプロセスや真空下での複雑なプロセスの設定が必要であり、太陽電池モジュールの量産レベルで考えるとコスト増となることから広く普及する上での妨げとなっており、低コストで封止可能な技術が求められている。
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、低コストかつ簡便に、太陽電池セルストリングをシリコーン材料で封止する太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、下記の太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
〔1〕 二枚の板ガラスの間に複数の太陽電池セルからなる太陽電池セルストリングを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(i)二枚の板ガラスそれぞれの片面に第1の硬化性シリコーン材料を塗布し硬化してシリコーン硬化膜を形成する工程と、
(ii)一方の板ガラスのシリコーン硬化膜上に、太陽電池セルストリングを配置する工程と、
(iii)他方の板ガラスのシリコーン硬化膜形成面を前記太陽電池セルストリングに向けて、前記一方の板ガラスとの間に前記太陽電池セルストリングを挟むようにスペーサを介して他方の板ガラスを配置する工程と、
(iv)前記二枚の板ガラスの間に温度25℃で粘度0.1〜5.0Pa・sの第2の硬化性シリコーン材料を注入し硬化して前記太陽電池セルストリングを封止する工程、
を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔2〕 前記第1の硬化性シリコーン材料及び第2の硬化性シリコーン材料は、それぞれ
(A)下記平均組成式(1)
aR’bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
で表される1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)成分のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対してケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜2.5倍モルとなる量、
(C)付加反応触媒: 触媒量
を含有することを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔3〕 (B)成分は、1分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを少なくとも一部に含むことを特徴とする〔2〕に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔4〕 前記第1の硬化性シリコーン材料及び第2の硬化性シリコーン材料は、それぞれ更に、(D)接着付与成分を(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部含有することを特徴とする〔2〕又は〔3〕に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔5〕 (D)成分の接着付与成分がビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのいずれかであることを特徴とする〔4〕に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔6〕 前記(iv)工程は、真空注型により前記二枚の板ガラス間に前記第2の硬化性シリコーン材料を注入するものであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔7〕 前記(ii)工程は、前記一方の板ガラスのシリコーン硬化膜形成面上に前記太陽電池セルストリングを配置し、複数のスペーサを太陽電池セルに当接させながら前記シリコーン硬化膜に付着して該太陽電池セルの位置決めと固定を行うものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔8〕 前記スペーサは、前記シリコーン硬化膜に対して粘着性を有することを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔9〕 前記太陽電池セルは、シリコン基板を用いて形成されたことを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔10〕 前記太陽電池セルが両面受光型であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、それぞれのシリコーン硬化膜形成面を対向させた二枚の板ガラスの間に太陽電池セルストリングを固定して挟み、該二枚の板ガラスの間に所定の粘度の硬化性シリコーン材料を注入し硬化させるので、低コストかつ簡便に太陽電池セルストリングと封止材との間に気泡を混入させることなく、シリコーン材料で太陽電池セルストリングを封止することが可能である。
二枚の板ガラス上にシリコーン硬化膜を形成した状態を示す断面図である。 一方の板ガラスのシリコーン硬化膜上に、太陽電池セルストリングを配置した状態を示す断面図である。 一方の板ガラスのシリコーン硬化膜上に、太陽電池セルストリングを配置した状態を示す斜視図である。 太陽電池セルストリングを挟むように一方の板ガラスの上方に他方の板ガラスを配置した状態を示す断面図である。 二枚の板ガラスの間に硬化性シリコーン材料を注入し硬化して太陽電池セルストリングを封止した状態を示す断面図である。 フレーミング処理された太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の好適な態様について図面を参照して説明する。
図1は、二枚の板ガラス上に硬化性シリコーン材料を塗布・硬化した層の断面の一例であり、図2はそのうち一枚の板ガラス上のシリコーン硬化膜上に太陽電池セルストリングを配置し、シリコーン硬化膜上に立てたスペーサ(ピラー)により太陽電池セルストリングを固定したものの断面の一例である。また、図3は、図2の外観を示す斜視図であり、太陽電池セルストリングとピラーの位置の一例を示すものである。図4は、図2で示した板ガラス上方に、シリコーン材料を塗布硬化したもう一枚の板ガラスを配置し、二枚の板ガラスの端面の一部を密封用材で密封した状態の一例である。図5は、図4で示した二枚の板ガラス間のピラーにより形成されるスペースに第2の硬化性シリコーン材料を注入し硬化した状態の一例である。図6は、二枚の板ガラス端面の全部を密封用材で密封し更にフレーム部材で固定した状態の一例である。
(i)シリコーン硬化膜形成工程(図1)
まず、図1に示すように、透明部材のパネルである二枚の板ガラス1a,1bそれぞれの片面に第1の硬化性シリコーン材料を塗布し硬化してシリコーン硬化膜2を形成する。
ここで、シリコーン硬化膜2は、透明性、耐候性をはじめとして屋外使用において20年以上の長期信頼性が必要であり、そのために紫外線耐性の高く、低モジュラスで、かつ前記透明部材である板ガラス1a,1bとの密着性が良好であることが必要である。
このシリコーン硬化膜2の形成に用いられる第1の硬化性シリコーン材料は、
(A)下記平均組成式(1)
aR’bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
で表される1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)成分のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対してケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜2.5倍モルとなる量、
(C)付加反応触媒: 触媒量
を含有することが好ましい。
前記(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、この組成物(第1の硬化性シリコーン材料)の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基Rとしては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンにおいて、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(一価炭化水素基)R’としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられるが、耐UV特性を鑑みると特にメチル基であることが好ましい。
このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等が挙げられるが、基本的に主鎖がジオルガノシロキサン単位(D単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサン、直鎖状のジオルガノポリシロキサンと分岐鎖状或いは三次元網状のオルガノポリシロキサンの混合物であることが好ましい。
この場合、レジン状(分岐鎖状、三次元網状)のオルガノポリシロキサンとしては、アルケニル基とSiO4/2単位(Q単位)及び/又はR’’SiO3/2(T単位)(R’’はR又はR’)を含有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されないが、SiO4/2単位(Q単位)と、RR’2SiO1/2単位やR’3SiO1/2単位等のM単位からなり、M/Qのモル比が0.6〜1.2であるレジン状オルガノポリシロキサンや、T単位とM単位及び/又はD単位からなるレジン状オルガノポリシロキサン等が例示される。
また、直鎖状オルガノポリシロキサンとレジン状オルガノポリシロキサンの好ましい配合割合は、質量比で好ましくは60:40〜100:0、特に好ましくは80:20〜100:0である。レジン状のオルガノポリシロキサンを40質量部以上添加すると、粘度が高くなり取り扱い性が悪化するおそれがある。
また、平均組成式(1)において、aは、0<a≦2、好ましくは0.001≦a≦1、bは、0<b<3、好ましくは0.5≦b≦2.5、a+bは、0<a+b≦3、好ましくは0.5≦a+b≦2.7を満たす数である。
この場合、直鎖状のジオルガノポリシロキサンとしては、前記式(1)において、a+bが1.8〜2.2の範囲、より好ましくは1.9〜2.1の範囲、更に好ましくは1.95〜2.05の範囲のものが好適である。また、その粘度は25℃において、100〜500,000mPa・s、特に400〜100,000mPa・sのものが好ましい。更に、前記レジン状オルガノポリシロキサンとしては、25℃において、粘度1,000,000mPa・s以上の液体又は固体のものが好ましい。
なお、本発明において、粘度は回転粘度計を用いて25℃で測定した値である。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン重合体、式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。
ここで、前記式中のR1はアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。また、前記式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基などが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜150個程度)、より好ましくは3〜100個程度のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
c3 dSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、c及びdは、0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数であり、好ましくは0.05≦c≦1、1.5≦d≦2かつ1.8≦c+d≦2.7となる数である。また、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、2〜100個、特に3〜50個が好ましい。)
式(2)中、R3の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、前記のR’として例示したものと同様のものが挙げられるほか、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられるが、好ましくはフェニル基等の芳香族基を含まないものであり、代表的なものは炭素数が1〜10、特に炭素数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、特に好ましくはメチル基、メトキシ基、エトキシ基である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R3 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR3 3SiO1/2単位、R3 2SiO2/2単位、R3(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR3SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、R3は前記と同じである)などの他、これらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換したものなどが挙げられ、更には下記式等で表されるものが挙げられる。
Figure 2013235932
(式中、R3は前記と同じであり、s、tはそれぞれ0又は1以上の整数である。)
ここで用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R3SiHCl2及びR3 2SiHCl(式中、R3は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを(共)加水分解し、或いは該クロロシランと一般式:R3 3SiCl及びR3 2SiCl2(式中、R3は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解し、縮合することにより得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように(共)加水分解縮合して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
また、ガラスへの接着性をより向上させるために、(B)成分の少なくとも一部に、SiH基に加えて1分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることが好ましい。
このような(B)成分としては、例えば、下記式(3)で示されるエポキシ基含有シロキサン、
Figure 2013235932
更に、下記式(4)〜(7)で示されるような、アルコキシシリル基含有シロキサンが挙げられる。
Figure 2013235932
Figure 2013235932
Figure 2013235932
(式中、R4はメチル基、エチル基等のアルキル基であり、mは0以上、好ましくは0〜40、より好ましくは2〜20の整数、nは2以上、好ましくは2〜30、より好ましくは3〜20の整数、p、q、rは1以上の整数、好ましくはpは1〜10、q及びrは1〜3である。)
Figure 2013235932
(B)成分は、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対してケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜2.5倍モル、好ましくは0.7〜1.8倍モルとなる量であり、通常(A)成分100質量部に対し0.5〜50質量部、好ましくは1〜30質量部である。0.4倍モル未満であると硬化物が十分な強度を有しない場合があり、2.5倍モルを超えると硬化物が黄変してしまうおそれがある。
次に、(C)成分の付加反応触媒については、前記アルケニル基とケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として白金族金属系触媒等の周知の触媒が挙げられる。
この白金族金属系触媒としては、ヒドロシリル化反応触媒として公知のものが全て使用できる。例えば、白金黒、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・yH2O、H2PtCl6・yH2O、NaHPtCl6・yH2O、KHPtCl6・yH2O、Na2PtCl6・yH2O、K2PtCl4・yH2O、PtCl4・yH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・yH2O(式中、yは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(例えば、前掲の特許文献6参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(例えば、前掲の特許文献7〜9参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。これらの中で、好ましいものとして、相溶性の観点及び塩素不純物の観点から、塩化白金酸をシリコーン変性したものが挙げられ、具体的には例えば塩化白金酸をテトラメチルジビニルジシロキサンで変性した白金触媒が挙げられる。
(C)成分の添加量は、白金原子にして(A)及び(B)成分の合計量に対し、質量換算で0.1〜500ppm、好ましくは0.5〜100ppm、より好ましくは1〜50ppmである。
また、(D)成分として、シリコーン組成物においてガラスへの接着性を付与する接着性付与剤として用いられる公知の接着付与成分を添加してもよく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなカーボンファンクショナルシランが挙げられる。このような(D)成分の添加は、(B)成分として前述した1分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを配合しない場合に特に有効である。
(D)成分は、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
なお、(D)成分の配合量は、通常(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部である。
また、前記第1の硬化性シリコーン材料の粘度は、25℃において、0.2〜10.0Pa・s、特に0.5〜5.0Pa・sであることが好ましい。
前記第1の硬化性シリコーン材料の塗布対象となる透明部材のパネルとしては、透明性、耐候性、耐衝撃性をはじめとして屋外使用において長期の信頼性能を有する部材が必要であり、例えば白板強化ガラス、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はポリカーボネート樹脂等が挙げられるが、一般的には厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラス等の板ガラスである。
また、前記透明部材のパネルの太陽光入射側と反対側のパネル(入射側と同じ位置でなくてもよい)である板ガラス1bにおいては、太陽電池素子の温度を効率よく放熱することが求められ、例えば青板硝子、白板硝子又は強化硝子等が挙げられる。
なお、太陽光入射側と反対側となる板ガラス1bにおいては、透明性を有する部材を用いることにより、太陽光の直達光及び散乱光の一部を太陽光入射の反対面側に透過させることができ、例えば草原などに設置した場合、太陽電池モジュールの入射面と反対側の、つまり本来日陰となってしまう部分にも太陽光に一部が照射されることにより植物の生育を促し、家畜の放牧等にも利用できる。
また、第1の硬化性シリコーン材料を板ガラス1a,1b上に塗布してシリコーン硬化膜2を形成するには、常法によりスプレーコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、スクリーンコーティング、流し込み及びそれらの組み合わせにより10〜1,000μm、好ましくは50〜500μm、更に好ましくは100〜300μmの厚さに形成する。10μmより薄いと太陽電池セル3(すなわち太陽電池セルストリング)の厚みを吸収することが出来なくなる可能性があり、また1,000μmより厚いと硬化性シリコーン材料の使用量が増えすぎてコスト高となる。
更に必要に応じて、塗布した硬化性シリコーン材料をホットプレート、又はオーブン等で所定時間、所定温度で硬化或いは部分硬化する。硬化は太陽電池セル3(すなわち太陽電池セルストリング)を配置可能となる状態まで硬化するのが好ましい。
(ii)太陽電池セルストリングの固定工程(図2,図3)
次に、図2、図3に示すように、一方の板ガラス1aのシリコーン硬化膜2上に、太陽電池セルストリングを配置し固定する。図2において、1aは前記図1で説明した板ガラス、2はその上に塗布、硬化されたシリコーン硬化膜であり、そのシリコーン硬化膜2上に太陽電池セル3とピラー4が配置されている。
ここで、太陽電池セル3は、単結晶シリコンもしくは多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン材料(シリコン基板)を用いて太陽電池セルとされたものである。太陽電池セル3は、両面受光型であることが好ましい。この場合、板ガラス1a,1bともに透明なものとする。
また、太陽電池セルストリングは、この太陽電池セル3同士をタブ線等のインターコネクタで電気的に直列に接続したものである。例えば、太陽電池セルストリングは、図3に示すように、複数の太陽電池セル3a,3b,3c,3dそれぞれのバスバー電極(不図示)に半田被覆銅線などのインターコネクタ5aを半田付けして該太陽電池セル3a,3b,3c,3dを電気的に接続する構成となっている。このとき、ある太陽電池セル3の裏面に接続されたインターコネクタ5aは次の太陽電池セル3の表面に接続される形で、2つの太陽電池セル3が接続される。なお、5bは、外部端子(不図示)に接続される外部取り出しインターコネクタ、5cは、インターコネクタ5aの方向を変える接続コネクタである。
太陽電池セルストリングにおける太陽電池セル3の連結数は通常、2〜60個である。
ピラー(スペーサ)4は、太陽電池セル3(太陽電池セルストリング)をシリコーン硬化膜2の上に配置した際に、太陽電池セル3(太陽電池セルストリング)がシリコーン硬化膜2の上で位置ずれを起こさないようにするために、該太陽電池セル3を固定する位置決め部材であり、太陽電池セル3の上方に前記シリコーン硬化膜2を形成した板ガラス1bを配置する際に、板ガラス1a、1bを一定の間隔で保持するスペーサである。
ピラー4の材質は、ゴム弾性があり、かつ第1又は第2の硬化性シリコーン材料の塗布硬化膜に対して粘着性を有するものであれば特に制限はなく、例えばシリコーン製ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等が挙げられるが、第1及び第2の硬化性シリコーン材料の塗布硬化膜と同程度のモジュラスであるシリコーン製ゴムを用いることが好ましい。
また、ピラー4の形状については特に制限はなく、例えば円柱状或いは四角柱状のものが一般的である。また、ピラー4の高さによって板ガラス1a,1bの間隔が決まることになり、好ましくは10〜1,000μm、より好ましくは50〜500μm、更に好ましくは100〜300μmの高さにする。ピラー4の高さが10μmより低いと毛細管現象の影響により後述する第2の硬化性シリコーン材料を注入する時間を長く要することになるおそれがあり、また1,000μmより高いと第2の硬化性シリコーン材料を多く必要としてコスト高となる場合がある。
図3は、板ガラス1aのシリコーン硬化膜2上にピラー4と太陽電池セルストリングを配置した例を示す斜視図である。
ここでは、まず一方の板ガラス1aのシリコーン硬化膜2上に太陽電池セルストリングを配置し、次に複数のピラー4を太陽電池セルストリングの太陽電池セル3a,3b,3c,3dのそれぞれの端面に当接させながらシリコーン硬化膜2に付着させることにより、該太陽電池セル3a,3b,3c,3dの位置決めと固定を行う。
配置するピラー4の数は、特に制限はないが、シリコーン硬化膜2を形成した板ガラス1bを太陽電池セルストリング上方に位置するようにピラー4上に配置したときに、板ガラス1a,1bを一定の間隔で保持でき、かつその後に行う第2の硬化性シリコーン材料を注入する際に太陽電池セル3又は太陽電池セルストリングが位置ずれを起こさない程度に太陽電池セル3を固定できる程度であればよい。
(iii)板ガラス挟持工程(図4)
次に、図4に示すように、他方の板ガラス1bのシリコーン硬化膜2形成面を板ガラス1aのシリコーン硬化膜2上に配置した太陽電池セルストリングに向けて、一方の板ガラス1aとの間にこの太陽電池セルストリングを挟むようにピラー4を介して他方の板ガラス1bを配置する。次いで、板ガラス1a,1bの端部の一部を密封用材6で密封する。
これにより、太陽電池セルストリングは、板ガラス1bのシリコーン硬化膜2との間に一定の間隔に空いたスペースが確保された状態で、板ガラス1a,1bの間に挟まれる。
(iv)シリコーン樹脂封止工程(図5)
次に、図5に示すように、二枚の板ガラス1a,1bの間に粘度0.1〜5.0Pa・sの第2の硬化性シリコーン材料を注入し硬化して前記太陽電池セルストリングを封止する。詳しくは、図4において、板ガラス1a,1bの間であって密封用材6で密封されていない開口部から第2の硬化性シリコーン材料を注入して、太陽電池セルストリングは、板ガラス1bのシリコーン硬化膜2との間のスペースに充填し、該第2の硬化性シリコーン材料を硬化させてシリコーン硬化層7とする。これにより、太陽電池セル3、すなわち太陽電池セルストリングはシリコーン硬化膜2及びシリコーン硬化層7で封止された状態となる。
ここで、第2の硬化性シリコーン材料の組成は、第1の硬化性シリコーン材料と同様に前記(A)〜(D)成分を含有したものであるが、その粘度が25℃において0.1〜5.0Pa・s、好ましくは0.5〜3.0Pa・sである。第2の硬化性シリコーン材料の粘度が0.1Pa・s未満であると、注入の際に気泡を巻き込む可能性が大きく、5.0Pa・s超となると、注入そのものに時間がかかり量産する上でコスト高になる場合がある。
また、この第2の硬化性シリコーン材料の注入方法は、一般的に重力注入法又は真空注入法でよいが、注入に要する時間を短くするため、及び封止系内に気泡を巻き込むことを防ぐために真空注型機による注入法が好ましい。更に、密封用材6は、シリコーン製ゴム或いはブチルゴムのものを用いることが好ましい。
(v)フレーミング工程(図6)
図6に示すように、樹脂封止後の板ガラス1a,1bの外周端部(額縁端部)全てをシリコーン製ゴム或いはブチルゴム等の密封用材6で密封し、その外周端部にフレーム部材8を装着して、太陽電池モジュールを完成する。
フレーム部材8は、衝撃、風圧又は積雪に対する強度が優れ、耐候性を有し、かつ軽量であるアルミニウム合金、ステンレス鋼等からなるものが好ましい。これらの材料で成形されたフレーム部材8が太陽電池セルストリング構造体を狭持した板ガラス1a,1bの外周を囲うように装着され、ねじにより固定されている。
以上のように製造された太陽電池モジュールでは、太陽電池セル3、すなわち太陽電池セルストリングは図6においてその下面ではシリコーン硬化膜2と接触し、その上面はシリコーン硬化層7と接触して、板ガラス1a,1bと直接接していないことから、例えば太陽電池モジュールの長期使用において板ガラス1a,1bからの溶出物等の影響を受けて劣化することが避けられる。また、太陽電池セルストリングは、シリコーン硬化膜2、シリコーン硬化層7を介して平坦な板ガラス1a,1bに保持されるようになるため、パネル状の太陽電池モジュールとして見た場合に太陽光に対する受光角度のブレが少なくなり、一定性能を示すものとなる。また、本発明によれば、このような一定性能の太陽電池モジュールの量産が容易となる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて、更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記例で、粘度は25℃において回転粘度計を用いて測定した値である。
[実施例1]
(第1の硬化性シリコーン材料の調製)
(A)分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する、分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された、粘度が5Pa・sのジメチルポリシロキサン100質量部、(B)粘度が15mPa・sである、下記式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン20質量部、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体10ppmを混合・脱気して、粘度2.5Pa・sの組成物1を調製した。
Figure 2013235932
(第2の硬化性シリコーン材料の調製)
(A)分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する、分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された、粘度が0.4Pa・sのジメチルポリシロキサン100質量部、(B)粘度が15mPa・sである、前記式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン10質量部、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体10ppmを混合・脱気して、粘度0.3Pa・sの組成物2を調製した。
(太陽電池モジュールの作製)
第1の硬化性シリコーン材料である前記組成物1を、340mm×360mmの厚さ3.2mmの白板強化ガラス二枚のそれぞれの片面にフローコーティングによりそれぞれ100μmの厚みで塗布した後、100℃のオーブンに投入し、10分間の硬化時間で硬化させてシリコーン硬化膜を得た。次に、そのうち一枚の白板強化ガラスのシリコーン硬化膜上に、両面受光型太陽電池セルを縦2個、横2個に配置してインターコネクタで直列接続した(2×2直の)シリコン単結晶太陽電池セルストリングを配置し、更に直径8mm高さ500μmの円柱状のシリコーンゴム製ピラーを太陽電池セルの端面に当接させながらシリコーン硬化膜に配置し、前記太陽電池セルストリングを固定した。このとき、ピラーはシリコーン硬化膜に対して粘着性を示し、シリコーン硬化膜に押し付けるだけで付着した。次に、もう一枚のシリコーン硬化膜が形成された白板強化ガラスをシリコーン硬化膜を内側として前記ピラー上に配置して二枚の白板強化ガラスで太陽電池セルストリングを挟むようにし、この二枚の白板強化ガラスからなる両面ガラスの三方をブチルゴムで密封した。次に、これを傾けて真空注型機に入れ、真空にした後、常法により第2の硬化性シリコーン材料である前記組成物2を両面ガラスの間に注入した。注入後、再度100℃のオーブンに10分間投入した後、両面ガラスの残りの一方をブチルゴムで密封し、更に両面ガラスの四方にアルミフレーム部材を装着した。なお、この場合は太陽光入射面及びその反対側の面の両面がガラスの構造となるので、通常両面ガラスの構造が用いられる両面受光型モジュールと同様に、両ガラスの間から外部取り出しインターコネクタを取り出し、外部端子に接続して配線を行った。
このように作製した太陽電池モジュールは、太陽電池セルストリングの封止樹脂に気泡の混入は認められず、太陽電池モジュールとして好適なものとなった。
[比較例1]
実施例1において、組成物2における(A)成分を粘度の異なる分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンに変更して、粘度が15.0Pa・sである組成物3を調製し、それ以外は実施例1と同じ条件で太陽電池モジュールを作製した。
その結果、両面ガラスの間への組成物3の注入の際に気泡の巻き込みが発生し、太陽電池セルストリングの封止樹脂に気泡の混入が認められ、太陽電池モジュールとして不適なものとなった。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1a,1b 板ガラス
2 シリコーン硬化膜
3,3a,3b,3c,3d 太陽電池セル
4 ピラー
5a インターコネクタ
5b 外部取り出しインターコネクタ
5c 接続コネクタ
6 密封用材
7 シリコーン硬化層
8 フレーム部材

Claims (10)

  1. 二枚の板ガラスの間に複数の太陽電池セルからなる太陽電池セルストリングを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
    (i)二枚の板ガラスそれぞれの片面に第1の硬化性シリコーン材料を塗布し硬化してシリコーン硬化膜を形成する工程と、
    (ii)一方の板ガラスのシリコーン硬化膜上に、太陽電池セルストリングを配置する工程と、
    (iii)他方の板ガラスのシリコーン硬化膜形成面を前記太陽電池セルストリングに向けて、前記一方の板ガラスとの間に前記太陽電池セルストリングを挟むようにスペーサを介して他方の板ガラスを配置する工程と、
    (iv)前記二枚の板ガラスの間に温度25℃で粘度0.1〜5.0Pa・sの第2の硬化性シリコーン材料を注入し硬化して前記太陽電池セルストリングを封止する工程、
    を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記第1の硬化性シリコーン材料及び第2の硬化性シリコーン材料は、それぞれ
    (A)下記平均組成式(1)
    aR’bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
    で表される1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)成分のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対してケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜2.5倍モルとなる量、
    (C)付加反応触媒: 触媒量
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. (B)成分は、1分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを少なくとも一部に含むことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記第1の硬化性シリコーン材料及び第2の硬化性シリコーン材料は、それぞれ更に、(D)接着付与成分を(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. (D)成分の接着付与成分がビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記(iv)工程は、真空注型により前記二枚の板ガラス間に前記第2の硬化性シリコーン材料を注入するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記(ii)工程は、前記一方の板ガラスのシリコーン硬化膜形成面上に前記太陽電池セルストリングを配置し、複数のスペーサを太陽電池セルに当接させながら前記シリコーン硬化膜に付着して該太陽電池セルの位置決めと固定を行うものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記スペーサは、前記シリコーン硬化膜に対して粘着性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記太陽電池セルは、シリコン基板を用いて形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記太陽電池セルが両面受光型であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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