JP6269527B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池素子マトリックスを樹脂封止する太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽電池モジュールの高効率化及び20年から30年超の長期信頼性を確保するための方策として、封止材に着目した報告や提案がなされている。高効率化という点においては、現在、封止材の主流であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)と比較して、シリコーン材料が波長300〜400nm付近の光透過率特性に基づく内部量子効率の優位性が報告され(例えば、非特許文献1参照)、また実際にEVAとシリコーン材料を封止材に用いた際の出力電力の比較実験も報告されている(例えば、非特許文献2参照)。更に、長期信頼性という点においては、シリコーンを封止材に用いたモジュールでは、29年の屋外曝露を経てもなお、最大出力の劣化率がわずかに−0.22%/年であることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
元々シリコーン材料を封止材として用いることは、既に1970年代前半に宇宙用の太陽電池を作製する上で成し遂げられていることだが、それを地上用途向けに製造するに当たり、シリコーン材料のコストの問題や封止する際の作業性の問題があったために、当時低コストで、かつフィルムで供給可能なEVAに置き換わったという経緯がある。
しかし、近年太陽電池の高効率化や長期信頼性が改めてクローズアップされると同時に、シリコーン材料の封止材としての性能、例えば、低モジュラス性、高透明性、高耐候性等が見直され、シリコーン材料を用いた新しい封止方法もさまざま提案されている。
例えば、シリコーンシートを用いる方法としては、特表2009−515365号公報(特許文献1)では、有機ポリシロキサン主体のホットメルトタイプのシートでの封止が提案されている。しかし、高透明性を維持したままシート状に加工するのは難しく、例えば1mm前後の厚みに加工するためには、その「脆さ」ゆえに注型法やプレス法などの加工方法に限られ、量産向きではない。また、特表2010−505670号公報(特許文献2)では、熱可塑性のシリコーンシートとして、ポリシロキサン−尿素系のコポリマーが提案されている。しかし、特に低波長側の透明性においてはポリシロキサンに比べて劣る可能性があり、また共重合体製造のためにコスト高になる可能性がある。
一方、液状のシリコーン組成物(液体シリコーン材料)を用いる方法として、特表2007−527109号公報(特許文献3)では、基板上にコーティングされた液体シリコーン材料上又は液体シリコーン材料中に、接続された太陽電池を多軸ロボットにより配置し、その後で液体シリコーン材料を硬化することにより気泡を取り込まずに封入することが提案されている。また、特表2011−514680号公報(特許文献4)では、移動可能なプレートを有したセルプレスを使用し、真空下で太陽電池セルを配置することにより気泡を取り込まずに封入することが提案されている。しかし、いずれの方法においても、従来の太陽電池の封止方法とは大きく異なり、現行の量産装置では対処できない可能性がある。
また一方では、封止材にシリコーンゴム等の粘着性のある材料を用いる方法として、特開平10−275928号公報(特許文献5)では、複数個の「あな」が形成された封止材を用いる方法が提案されている。更に、ミラブル型の未硬化のシリコーンゴム材料を封止材に用いる方法として、特開平10−321888号公報(特許文献6)では、未硬化のシリコーンゴム表面の粘着性を改善するために、シリコーンゴムシートの片面あるいは両面に有機微粉末を塗布する方法が提案されている。また、特開2010−158897号公報(特許文献7)では、接着促進剤を配合した付加硬化型シリコーン組成物を硬化して得られたシリコーン層の一方の上に、同じく接着促進剤を含有する付加硬化型シリコーン組成物を塗布し、当該組成物を硬化させる方法が提案されている。また一般的にシートを基材に隙間なく貼り合わせる工程においては、例えば半導体のドライフィルムレジストを基材に貼り合わせる工程で使用されるロールラミネータや、液晶フィルムの基板への貼り合わせで用いられる特殊なシート貼り合わせ装置が提案されている。しかし、これらいずれの方法においても、特に粘着性のあるシートを太陽電池モジュールの封止材として用いるためには、シートとして成形した後に新たな加工や新たな装置の導入が必要となり、製造コストが高くなる可能性がある。
特表2009−515365号公報 特表2010−505670号公報 特表2007−527109号公報 特表2011−514680号公報 特開平10−275928号公報 特開平10−321888号公報 特開2010−158897号公報
S.Ohl,G.Hahn,"Increased internal quantum efficiency of encapsulated solar cell by using two−component silicone as Encapsulant material",Proc.23rd,EU PVSEC,Valencia(2008),pp.2693−2697 Barry Ketola,Chris Shirk,Philip Griffith,Gabriela Bunea,"DEMONSTRATION OF THE BENEFITS OF SILICONE ENCAPSULATION OF PV MODULES IN A LARGE SCALE OUTDOOR ARRAY",Dow Corning Corporation 伊藤厚雄,大和田寛人,降籏智欣,金享培,山川直樹,柳沼篤,今瀧智雄,渡邉百樹,阪本貞夫:第9回次世代の太陽光発電システムシンポジウム予稿集,2012,p.54
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを封止材として用いて、太陽電池素子マトリックスを封止する際に、気泡(ボイド)の取り込みを抑制し、かつ従来の太陽電池モジュールの製造装置を使用して太陽電池素子を損傷することなく封止でき、しかも、未加硫のシリコーンゴムシートの硬化までは室温で操作でき、更に耐久性に優れた太陽電池モジュールを製造できる太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記の太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
〔1〕 透明パネルとパネルの間、又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子が接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(1)透明パネルの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第1積層体を用意する工程と、
(2)パネル又はバックシートの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第2積層体を用意する工程と、
(3)上記第1積層体と第2積層体とを互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池マトリックスを配置し、その状態で10℃〜50℃の間で減圧して、上記第1積層体及び第2積層体とを押圧して上記太陽電池マトリックスを封止する工程と、
(4)上記封止した積層体を、70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、シリコーンゴムシートを硬化する工程と、
を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔2〕 上記工程(2)が、ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムを、バックシートの一面にカレンダー法によりトッピング加工したバックシート−シリコーンゴム複合体を用意する工程であることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔3〕 上記シリコーンゴム組成物は、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 10〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔4〕 上記(C)成分は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化反応触媒の組み合わせ、又は有機過酸化物であることを特徴とする〔3〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、透明パネル、及びパネル又はバックシートそれぞれに、新たに貼り付け装置を導入することなく、例えば既存の真空ラミネータ装置を用いて、減圧下押圧することにより隙間なく未加硫のシリコーンゴムシートを貼り付けることが可能になるために、透明パネル、及びパネル又はバックシートと未加硫のシリコーンゴムシートとの間の気泡(ボイド)の取り込みを大幅に抑制できる。
また、未加硫のシリコーンゴムシートを貼り付けた透明パネル、及び未加硫のシリコーンゴムシートを貼り付けたパネル又はバックシートの間に太陽電池素子マトリックスを挟み込み、減圧(真空)下、上記工程に続き室温付近で(10℃〜50℃)押圧することができる。つまり、真空ラミネータ等の装置内の加熱板を加熱することなく使用できるため、加熱による装置及び装置部品の経年劣化を抑制することができ、また装置のランニングコストを軽減でき、更には作業環境の改善又は作業者の安全性も向上させることができる。
また、未加硫のシリコーンゴムを、パネル又はバックシートの一面に、常法によりカレンダー法によりトッピング加工したバックシート−シリコーンゴム複合体を用意することにより、真空ラミネータを用いて貼り付ける工程を省くことができるため、作業効率の改善を図ることができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の第1積層体を用意する工程の一例で、真空ラミネータを用いた処理の断面図であり、(1)は片面に保護シートの付いた未加硫のシリコーンゴムシートを透明パネルの上に載置し真空ラミネータにセットする状態、(2)は真空ラミネータ内の上部チャンバ及び下部チャンバを真空ポンプ等により減圧する状態、(3)は上部チャンバを大気圧に戻しダイヤフラムシートで、保護シートを介し所定時間押圧することにより未加硫のシリコーンゴムシートを透明パネルに貼り付ける状態、(4)は減圧を解除し、真空ラミネータのチャンバより取り出して保護シートを剥離して第1の積層体を得る状態を示す。 本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の第2積層体を用意する工程の一例で、真空ラミネータを用いた処理の断面図であり、(1)は片面に保護シートの付いた未加硫のシリコーンゴムシートをバックシートの上に載置し真空ラミネータにセットする状態、(2)は真空ラミネータ内の上部チャンバ及び下部チャンバを真空ポンプ等により減圧する状態、(3)は上部チャンバを大気圧に戻しダイヤフラムシートで、保護シートを介し所定時間押圧することにより未加硫のシリコーンゴムシートをバックシートに貼り付ける状態、(4)は減圧を解除し、真空ラミネータのチャンバより取り出して保護シートを剥離して第2の積層体を得る状態を示す。 本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の太陽電池マトリックスを封止する工程の一例で、真空ラミネータを用いた処理の断面図であり、(1)は第1積層体と第2積層体の間に太陽電池マトリックスを載置し真空ラミネータにセットする状態、(2)は真空ラミネータ内の上部チャンバ及び下部チャンバを真空ポンプ等により減圧する状態、(3)は上部チャンバを大気圧に戻しダイヤフラムシートで、所定時間押圧することにより太陽電池マトリックスを封止する状態、(4)は減圧を解除し、真空ラミネータのチャンバより取り出して封止した積層体を得る状態を示す。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、透明パネルとパネルの間、又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子が接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(工程1)透明パネルの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第1積層体を用意する工程と、
(工程2)パネル又はバックシートの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第2積層体を用意する工程と、
(工程3)上記第1積層体と第2積層体とを互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池マトリックスを配置し、その状態で10℃〜50℃の間で減圧して、上記第1積層体及び第2積層体とを押圧して上記太陽電池マトリックスを封止する工程と、
(工程4)上記封止した積層体を、70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、シリコーンゴムシートを硬化する工程と
を有することを特徴とするものである。
以下に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の好適な態様について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、第1の実施形態として、上記工程1が上記シリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの片面の保護シートを貼り付けたまま、透明パネルの一面に載置して減圧下10℃〜50℃で押圧により貼り付ける工程を有するものであり、上記工程2が上記シリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの片面の保護シートを貼り付けたまま、パネル又はバックシートの一面に載置して減圧下10℃〜50℃で押圧により貼り付ける工程を有するものである。
この場合、好ましくは、本実施形態における太陽電池モジュールの製造方法は、透明パネルとパネルとの間、又は透明パネルとバックシートとの間に介装された太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(i)(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 10〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの片面の保護シートを貼り付けたまま、透明パネルの一面に載置して減圧下10℃〜50℃で押圧により貼り付ける工程と、
(ii)パネル又はバックシートの一面に上記シリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの片面の保護シートを貼り付けたまま載置して、減圧下10℃〜50℃で押圧により貼り付ける工程と、
(iii)上記透明パネル、又はパネル又はバックシートのシリコーンゴムシート上に太陽電池素子マトリックスを配置し、上記透明パネルとパネル又はバックシートとをシリコーンゴムシートを内側にして重ね合わせ、減圧下10℃〜50℃で押圧して上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と、
(iV)上記封止した積層体を、加熱炉にいれて70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、シリコーンゴムシートを硬化する工程と、を含む。上記工程を更に詳述する。
(i)第1積層体を用意する工程
図1に示したように、透明パネル1の一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシート3aを片面に保護シート4aを貼り付けたまま減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付ける工程である。
なお、図1において、10は真空ラミネータであり、11はダイヤフラムシート、12はプレートである。この場合、上側開口部からの減圧で、ダイヤフラムシート11が真空ラミネータ10の上部内壁面に密着している。
ここで、透明パネルとは、太陽光を入射させる側(受光面側)となる透明部材であり、受光面パネルともいわれるものであり、透明性、耐候性、耐衝撃性をはじめとして屋外使用において長期の信頼性能を有する部材が必要である。例えば白板強化ガラス、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はポリカーボネート樹脂等が挙げられ、特に厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラスが好ましい。
未加硫のシリコーンゴムシートは以下に示すミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなるものが好ましい。
即ち、(A)成分は下記平均組成式(I)で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換した基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造がジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したものなどが好適である。
なお、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。これらの中でも特にトリビニルシロキシ基は反応性が高く、好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有することが必要である。通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%がアルケニル基であることが好ましい。なお、このアルケニル基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくはアルケニル基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)が好ましく、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着などの問題が生じ、ロール作業性が低下するおそれがある。なお、この重合度は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる(以下、同じ)。
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度が優れ、かつ透明性の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものである。
優れた機械的強度を持たせるためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。また、特に硬化後のシリコーンゴムとして波長300nm以下での優れた透明性を持たせるためには、比表面積200m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは250m2/g以上である。これにより、例えば上記シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率が90%以上であり、かつヘイズ値が10以下となる。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。これらの中でも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10(トクヤマ社製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F(トクヤマ社製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜150質量部であり、好ましくは50〜120質量部であり、更に好ましくは70〜100質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、またシリコーンゴムコンパウンド硬化後の透明性が低下する。多すぎる場合にはシリコーンポリマー中へのシリカの分散が困難になると同時に加工性が悪くなり、また機械的強度も低下する。
(C)成分の硬化剤としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化反応触媒との組み合わせ、又は(b)有機過酸化物が好ましい。
上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の正数である。)
ここで、R2は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、一分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの等が挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 0006269527

(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計により測定することができる。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させる有効量であり、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と、架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化反応触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化反応触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(b)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎるとコスト的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
また、透明パネル及びパネル又はバックシートとの接着性を改善するために、常法によりシランカップリング剤を添加してもよい。
上記(A)、(B)及び(C)成分の所定量を、2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによってシリコーンゴム組成物を得る。
このようにして調製されたシリコーンゴム組成物の可塑度(JIS K6249に準ずる)は、150以上1,000以下、好ましくは200以上800以下、更に好ましくは250以上600以下である。可塑度が150より小さいとシートの粘着性が増大し、作業性に劣り、また次工程以降でエンボス加工しエンボスシートを剥離する際にも作業しにくくなる。しかも、シリコーンゴムシート表面に付与されるエンボス構造の凹凸形状を維持することが困難となる。一方、可塑度が1,000を超えると、シート自体が脆くなり、エンボス加工しにくくなる可能性がある。
更に、上記シリコーンゴム組成物は、カレンダー成形法、インジェクション法、プレス法などの常法によりシート化することができる。この際、シリコーンゴムシートの厚みは0.3mm以上2.0mm以下の厚みで成形するのが好ましく、0.3mm以上1.0mm以下がより好ましい。0.3mmより薄いと次工程のエンボス加工する際にシートが柔らかいために傷付く可能性があり、2.0mmより厚いと特にカレンダー成形方法では成形が困難となり、またコスト的にも劣る可能性がある。以上のようにして、粘着性があり、表面が平坦な未加硫のシリコーンゴムシートを得る。
なお、得られたシリコーンゴムシート3aの表面の傷つき防止又は汚染防止のために、少なくとも一方の面には、保護シート4aを貼り付けることによりシリコーンゴムシート3a表面を保護しておくことが好ましい。この際に用いる保護シートの材質は、シリコーンゴムシートに対して剥離性の良いものであれば特に限定されず、例えばポリエチレン製のエンボスシートを用いることができる。また、保護シートの厚みは0.08mm以上0.3mm以下であることが好ましい。0.08mmより薄いと、シリコーンゴムシートより剥がす際に、剥がしにくくなる可能性があり、0.3mmより厚いとコスト高になってしまう。
上記透明パネル1の一面に、上記シリコーンゴムシート3aを片面の保護シート4aを貼り付けたままで、保護シートが貼られていない面を透明パネル上に載置する[図1(1)]。次いで、例えば真空ラミネータ10等のラミネート装置を用い、常法により減圧下[図1(2)]、10℃〜50℃の間にてダイヤフラムシート11により、保護シート4aを介して3分〜10分間押圧してシリコーンゴムシート3aを透明パネル1に貼り付ける[図1(3)]。なお、図中矢印は脱気方向を示す。貼り付け後、保護シートを剥がして第1積層体20を得る[図1(4)]。なお、上記シリコーンゴムシートを貼り付ける際の減圧に要する時間は2分〜10分で、減圧度は、好ましくは50Pa〜200Paの間、更に70Pa〜150Paであることが好ましい。減圧度が50Paより高いと減圧するのに時間がかかりすぎ、作業効率が劣る可能性があり、一方200Paより減圧度が低いと、シリコーンゴムシートと透明パネルの間に気泡が残る可能性がある。一方、温度領域については10℃〜50℃の間で、更には常温付近20℃〜40℃の範囲で行うことが好ましい。10℃より低いと特に夏場においては冷却の必要があり、作業コストがかかる可能性があり、また50℃より高いとシリコーンゴムシートが一部硬化する可能性がある。
また、真空ラミネータ装置としては、柔軟な膜体で仕切られた、隣接する2つの減圧槽を有する汎用の太陽電池モジュール作製用のラミネータ装置を採用できる。
(ii)第2積層体を用意する工程
図2に示したように、パネル又はバックシート2の一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシート3bを片面に保護シート4bを貼り付けたまま減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付ける工程である。なお、図1と同一構成部品については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
ここで、パネル又はバックシートは、透明パネルに対して対向して配置されるものであり、パネルとしては、太陽電池素子の温度を効率よく放熱することが求められ、材料として硝子材、合成樹脂材、金属材又はそれらの複合部材が挙げられる。硝子材の例としては、青板硝子、白板硝子又は強化硝子等が挙げられ、合成樹脂材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はエポキシ樹脂等が挙げられる。また、金属材としては、銅、アルミニウム又は鉄等が挙げられ、複合部材としては、シリカをはじめ、酸化チタン、アルミナ、窒化アルミニウムなど高い熱伝導性を有する材料を担持した合成樹脂等が挙げられる。なお、このパネルが太陽光入射の反対面のパネルとなる場合、太陽光を入射させるパネルと共に透明性を有する部材を用いることにより、太陽光の直達光及び散乱光の一部を太陽光入射の反対面側に透過させることができ、例えば草原などに設置した場合、太陽電池モジュールの入射面と反対側の、つまり本来日陰となってしまう部分にも太陽光に一部が照射されることにより植物の生育を促し、家畜の放牧等にも利用できる。
バックシートとしては、例えばETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム等のフッ素樹脂フィルム、またアルミ箔やPETをPVFのシートで挟み込んだりした積層シートやPETにフッ素樹脂塗料をコーティングしたシートなどを用いることができる。
上記パネル又はバックシート2の一面に、(i)と同様にして、上記シリコーンゴムシート3bを片面の保護シート4bを貼り付けたままで、保護シートが貼られていない面をパネル又はバックシート上に載置する[図2(1)]。次いで、例えば真空ラミネータ10等のラミネート装置を用い、常法により減圧下[図1(2)]、10℃〜50℃の間にてダイヤフラムシート11により、保護シート4bを介して3分〜10分間押圧してシリコーンゴムシート3bをパネル又はバックシート2に貼り付ける[図2(3)]。貼り付け後、保護シートを剥がして第2積層体30を得る[図2(4)]。なお、上記シリコーンゴムシートを貼り付ける際の減圧に要する時間は2分〜10分で、減圧度は、好ましくは50Pa〜200Paの間、更に70Pa〜150Paであることが好ましい。減圧度が50Paより高いと減圧するのに時間がかかりすぎ、作業効率が劣る可能性があり、一方200Paより減圧度が低いと、シリコーンゴムシートと透明パネルの間に気泡が残る可能性がある。一方、温度領域については10℃〜50℃の間で、更には常温付近20℃〜40℃の範囲で行うことが好ましい。10℃より低いと特に夏場においては冷却の必要があり、作業コストがかかる可能性があり、また50℃より高いとシリコーンゴムシートが一部硬化する可能性がある。
(iii)太陽電池マトリックスを封止する工程
図3に示したように、上記透明パネル1にシリコーンゴムシート3aを貼り付けた第1積層体20上に太陽電池素子マトリックス5を配置し、上記パネル又はバックシート2にシリコーンゴムシート3bを貼り付けた第2積層体30とを、シリコーンゴムシート3a,3bを内側にして太陽電池素子マトリックス5を、その受光面を透明パネル側に向けて挟み込んで重ね合わせ、減圧下10℃〜50℃で押圧して、上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程である。
ここで、太陽電池素子6は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン材料(シリコン基板)を用いて作製された太陽電池セルであり、太陽電池素子マトリックスは、通常4〜60個の太陽電池セルが縦横二次元方向それぞれに複数枚配置される状態(マトリックス状)に配置され、お互いにタブ線等のインターコネクタ7で電気的に直列に接続されたものである。なお、太陽電池素子が両面受光型の場合、透明パネルだけでなく、透明パネルに対向配置されるパネル又はバックシートも透明なものとする。
上記のように第1積層体20、太陽電池マトリックス5及び第2積層体30を積層し[図3(1),(2)]、減圧下10℃〜50℃で3分〜10分間押圧して上記太陽電池素子マトリックス5を封止する[図3(3)]。なお、封止する際の減圧に要する時間は2分〜10分で、減圧度は、好ましくは50Pa〜200Paの間、更に70Pa〜150Paであることが好ましい。減圧度が50Paより高いと減圧するのに時間がかかりすぎ作業効率が劣る可能性があり、一方200Paより減圧度が低いと、シリコーンゴムシート3aと透明パネル1の間に或いはシリコーンゴムシート3bとパネル又はバックシート2の間に気泡が残る可能性がある。一方、温度領域については10℃〜50℃の間で、更には常温付近20℃〜40℃の範囲で行うことが好ましい。10℃より低いと特に夏場においては冷却の必要があり、作業コストがかかる可能性があり、また50℃より高いとシリコーンゴムシートが一部硬化する可能性がある。
以上のようにして、複合積層体40を得る[図3(4)]。
一般的に、例えば封止材としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を用いる場合には、スタンダードキュアプロセス又はファーストキュアプロセスと呼ばれる封止プロセスがある。このプロセスはいずれも真空ラミネータ等の封止装置を100℃〜160℃に加温して、積層体を減圧下10分〜20分時間をかけて封止する。そして、特にスタンダードキュアプロセスでは、この封止工程の後に更に加熱炉で加熱することにより封止材の架橋を十分に行っている。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、封止にかかる真空ラミネータを加温することなく用いることが出来る。つまり、真空ラミネータの加温に要するユーティリティのコスト、装置の経年劣化を補うためのコストを削減することが出来、また加温された真空ラミネータを取り扱う作業環境の改善をも図ることができる。
(iV)上記太陽電池素子マトリックスを封止した複合積層体を、70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、シリコーンゴムシートを硬化する工程
次に、上記太陽電池素子マトリックスを封止した積層体を、加熱炉又は上記真空ラミネータのホットプレート上で、70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、加硫反応を促進させ、シリコーンゴムシート3a,3bを硬化する。このとき、硬化温度が70℃より低いと十分に加硫反応が進まない可能性があり、150℃より高い加硫反応速度が大きくなり、シリコーンゴムシートの硬化が早くなり、太陽電池セル間やインターコネクタ周辺部の特に段差がある部分で、完全に封止できなくなる可能性がある。
最後に、封止後の透明パネル及びパネル又はバックシートの外周端部(額縁端部)にフレーム部材を装着して、太陽電池モジュールを完成する。
フレーム部材は、衝撃、風圧又は積雪に対する強度が優れ、耐候性を有し、かつ軽量であるアルミニウム合金、ステンレス鋼等からなるものが好ましい。これらの材料で成形したフレーム部材が太陽電池素子を狭持したパネルの外周を囲うように装着され、ねじ等により固定される。
以上のように製造された太陽電池モジュールは、太陽電池素子マトリックスがシリコーンゴム硬化物を介して平坦な透明パネル及びパネル又はバックシートに保持されるようになるため、高効率で長期信頼性を有するものとなる。また、本発明によれば、このような高性能の太陽電池モジュールの量産が容易となる。
(第2の実施形態)
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、第2の実施形態として、上記図2で示す工程(ii)の第2積層体を用意する工程において、ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムを、予めバックシートの一面に常法によりカレンダー法により10℃〜50℃でトッピング加工したバックシート−シリコーンゴム複合体を用意しておくことにより、太陽電池モジュール製造現場においてバックシートにシリコーンゴムシートを貼る工程を省略でき、プロセスコストを低減することができる。この場合、用いるバックシートとしては、上記と同様に、例えばETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム等のフッ素樹脂フィルム、またアルミ箔やPETをPVFのシートで挟み込んだりした積層シートやPETにフッ素樹脂塗料をコーティングしたシートなどを用いることができる。つまり、上記シリコーン組成物からなる未加硫のシリコーンゴムを10℃〜50℃でカレンダーロールで圧延してシート化すると同時に、基材としてのバックシート上に貼り合わせる「トッピング加工」を行うことにより、上記太陽電池モジュール製造現場においてバックシートにシリコーンゴムシートを貼る工程を省略できる。この際、シリコーンゴムシートの厚みは0.3mm以上2.0mm以下の厚みで成形するのが好ましく、0.3mm以上1.0mm以下がより好ましい。0.3mmより薄いと次工程のエンボス加工する際にシートが柔らかいために傷付く可能性があり、2.0mmより厚いと特にカレンダー成形方法では成形が困難となり、またコスト的にも劣る可能性がある。また、トッピング加工を施したバックシート−シリコーンゴム複合体のシリコーンゴム表面には、汚れを防止するための保護シートを貼り付けておくのが好ましい。この際に用いる保護シートの材質は、上記と同様にシリコーンゴムシートに対して剥離性の良いものであれば特に限定されず、例えばポリエチレン製のエンボスシートを用いることができる。また、保護シートの厚みは0.08mm以上0.3mm以下であることが好ましい。0.08mmより薄いと、シリコーンゴムシートより剥がす際に、剥がしにくくなる可能性があり、0.3mmより厚いとコスト高になってしまう。
上記のようにして得られた第2の積層体を、上記(iii)及び(iv)と同様の手順で太陽電池マトリックスを封止し、シリコーンゴムシートを硬化させた後にフレーム部材を装着して、太陽電池モジュールを完成する。
以上のように製造された太陽電池モジュールは、太陽電池素子マトリックスがシリコーンゴム硬化物を介して平坦な透明パネル及びパネル又はバックシートに保持されるようになるため、高効率で長期信頼性を有するものとなる。また、本発明によればバックシート−シリコーンゴム複合体を用意することにより、真空ラミネータを用いて貼り付ける工程を省くことができるため、作業効率の改善を図ることができ、このような高性能の太陽電池モジュールの量産が容易となる。
以下、実施例、比較例及び参考例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は質量部を示す。また、室温は25℃を示す。また、質量平均重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算値である。
[実施例1]
以下の条件で太陽電池モジュールを作製した。
まず、ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積200m2/gの乾式シリカ(アエロジル(Arosil)200(日本アエロジル(株)製))80部、両末端にシラノール基を有し、粘度29mPa・s(25℃)のジメチルポリシロキサン5部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理し、ベースゴムコンパウンドを作製した。
次いで、付加硬化剤としてC−25A(白金触媒)0.5部及びC−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)2.0部(ともに信越化学工業(株)製)を2本ロールミルにて添加混合し、5mm厚のシリコーンゴムシートを作製した。なお、得られたシリコーンゴム組成物の可塑度をJIS K6249に準じて測定したところ、430であった。
次に、得られた5mm厚のシリコーンゴムシートを室温にて日本ロール(株)製カレンダー成形機にて0.8mm厚のシリコーンゴムシートに成形した後、同じく室温にてこのシリコーンゴムシートの両面に、保護シート(石島化学工業(株)製、エンボスNEFタイプ;厚さ0.15mm)をそのエンボス面をゴムローラにて押し付けて、シリコーンゴムシートの両面にエンボス加工を施した(以後、このシリコーンゴムシートを「両面保護シート付シリコーンゴムシート」という)。
次に、上記両面保護シート付シリコーンゴムシートの片面の保護シートを剥離した後、その剥離面を受光面側の透明パネルである厚さ3.2mm、縦横寸法340mm×360mmの白板強化ガラス基板(以下、ガラス基板)に載置した。
これを、ガラス基板を下にして、真空ラミネータにセットし(図1(1)に示す状態)、30℃で2分間減圧の後(図1(2)に示す状態)、下部チャンバの減圧度が100Pa以下になったことを確認して、上部チャンバを大気圧にして3分間プレスした(図1(3)に示す状態)。その後減圧を解除して、片面に保護シートがついたシリコーンゴムシートが隙間無くガラス基板に貼り付けられた積層体を得、更に上面の保護シートを剥離して第1積層体を得た(図1(4)に示す状態)。
次に上記と同様にして、両面保護シート付シリコーンゴムシートの片面の保護シートを剥離した後、その剥離面を、縦横寸法340mm×360mmの株式会社エムエーパッケージング製バックシートPTD250(テドラー−PET−テドラー積層タイプのバックシート、以下バックシート)に載置した。
これを、バックシートを下にして、真空ラミネータにセットし(図2(1)に示す状態)、30℃で2分間減圧の後(図2(2)に示す状態)、下部チャンバの減圧度が100Pa以下になったことを確認して、上部チャンバを大気圧にして3分間プレスした(図2(3)に示す状態)。その後減圧を解除して、片面に保護シートがついたシリコーンゴムシートが隙間無くバックシートに貼り付けられた積層体を得、更に上面の保護シートを剥離して第2積層体を得た(図2(4)に示す状態)。
次いで、図3(1)に示すように、ガラス基板側を下にした第1積層体の上に、太陽電池素子を縦横方向に2行2列に接続した合計4直の単結晶シリコン太陽電池素子マトリックスを載置・積層し、更にシリコーンゴムシート面を下にした第2積層体を載置・積層し、真空ラミネータにセットした上で、30℃で2分間減圧の後(図3(2)に示す状態)、下部チャンバの減圧度が100Pa以下になったことを確認して、上部チャンバを大気圧にして3分間プレスした(図3(3)に示す状態)。その後減圧を解除して、太陽電池マトリックスが封止された積層体を得た(図3(4)に示す状態)。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールAを作製した。
[実施例2]:トッピングしたシートを第2積層体として用いる方法
実施例1において、第2積層体として、バックシート−シリコーンゴム複合体を用いた他は実施例1と同様に行った。バックシート−シリコーンゴム複合体は、実施例1で得られたシリコーンゴム組成物を、幅1,000mmの株式会社エムエーパッケージング製バックシートPTD250を基材として、常法によりカレンダー法により30℃にてシリコーンゴム組成物を0.8mmの厚みで上記バックシートにトッピング加工し、更にシリコーンシート面に保護シートをローラーで押し付けることにより得た。これを縦横寸法340mm×360mmに切り出して第2積層体を得た。これを実施例1と同様に載置・積層した上で、30℃にて真空ラミネート処理を行った。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールBを作製した。
[比較例1]:第2積層体を用いないで積層する方法
実施例1において、シリコーンゴムシートを予め隙間なくバックシートに貼り付けた第2積層体を用いない他は、実施例1と同様に行った。つまり、ガラス基板側を下にした第1積層体の上に、4直の単結晶シリコン太陽電池素子マトリックスを載置・積層し、ついで、両面保護シート付シリコーンゴムシートの両面の保護シートを剥離した上で、上記太陽電池素子マトリックス上にシリコーンゴムシートを載置・積層し、更にバックシートを載置・積層した上で、30℃にて真空ラミネート処理を行った。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールCを作製した。
[比較例2]:第1積層体を用いないで積層する方法
実施例1において、シリコーンゴムシートを予め隙間なくガラス基板に貼り付けた第1積層体を用いない他は、実施例1と同様に行った。つまり、ガラス基板上に、両面保護シート付シリコーンゴムシートの両面の保護シートを剥離した上で載置・積層し、ついで4直の単結晶シリコン太陽電池素子マトリックスを載置・積層する。次に実施例1と同様なシリコーンシートを予めバックッシートに貼り合わせた第2積層体を載置・積層した上で、30℃にて真空ラミネート処理を行った。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールDを作製した。
[比較例3]:第1積層体を得る工程において、真空ラミネータの代わりにフィルムラミネータを用いてシリコーンシートをガラス基板に圧着する方法で得られた積層体と、トッピングしたシートを第2積層体として用いる方法
実施例2において、真空ラミネータを用いて作製した第1積層体を用いる代わりに、ロールラミネータを用いてシリコーンシートをガラス基板に圧着する方法で得られた積層体を使用した他は、実施例2と同様に行った。つまり、両面保護シート付シリコーンゴムシートの片面の保護シートを剥離した後、その剥離面を受光面側の透明パネルである厚さ3.2mm、縦横寸法340mm×360mmのガラス基板に載置した。次にガラス基板を下にして、株式会社MCK製のフィルムラミネータ(ロール幅=1,100mm)にセットし、上下2本の送りロールの間に挟んで、上下ロール間ギャップ=3.5mm、ロール圧力=0.4MPaの条件で、シリコーンゴムシートをガラス基板に圧着して貼り付けることにより積層体を得た。この積層体と、実施例2で用いたバックシート−シリコーンゴム複合体を第2積層体として用い、これを実施例2と同様に載置・積層した上で、30℃にて真空ラミネート処理を行った。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールEを作製した。
[比較例4]:第1積層体及び第2積層体を用いないで積層する方法
比較例2で示したように、ガラス基板上に、両面保護シート付シリコーンゴムシートの両面の保護シートを剥離した上で載置・積層し、ついで4直の単結晶シリコン太陽電池素子マトリックスを載置・積層した。次いで、比較例1で示したように、両面保護シート付シリコーンゴムシートの両面の保護シートを剥離した上で、上記太陽電池素子マトリックス上にシリコーンゴムシートを載置・積層し、更にバックシートを載置・積層した上で、30℃にて真空ラミネート処理を行った。
これを、130℃に加温した加熱炉に30分間入れて、シリコーンゴムシートを硬化することにより太陽電池モジュールFを作製した。
[比較例5]:第1積層体及び第2積層体を用いないで積層し、そのまま真空ラミネータにて加硫する方法
比較例4において、30℃にて真空ラミネート処理を行う代わりに、プレート温度を130℃に加温した真空ラミネータにセットした上で、5分間減圧の後、下部チャンバの減圧度が100Pa以下になったことを確認して、上部チャンバを大気圧にして30分間プレスして加硫まで行う他は、比較例4と同様に行い太陽電池モジュールGを作製した。
[参考例1]:第1積層体及び第2積層体を用いて積層し、そのまま真空ラミネータにて加硫する方法
実施例1において、30℃で真空ラミネータによるマトリックスを封止する工程及び加熱炉によるシリコーンゴムシートを硬化する工程の代わりに、プレート温度を130℃に加温した真空ラミネータにセットした上で、5分間減圧の後、下部チャンバの減圧度が100Pa以下になったことを確認して、上部チャンバを大気圧にして30分間プレスして加硫まで行う他は、実施例1と同様に行い太陽電池モジュールHを作製した。
表1に実施例1〜2、比較例1〜5、及び参考例1の封止工程をまとめた。
Figure 0006269527
次に、実施例1〜2、及び比較例1〜5及び参考例1において、各太陽電池モジュールのシリコーンゴム硬化物による封止状態を観察した。
表2にそれらの評価観察結果を示す。なお、封止評価においては、太陽電池モジュールの透明パネル(受光面ガラス)及びバックシート側を外側から目視で観察し、それぞれの面の面積全体におけるボイド(隙間)によって生じた未封止部分の面積の割合が、1%未満である状態を「○」、1%以上5%未満である状態を「△」、及び5%以上である状態を「×」と判定した。
Figure 0006269527
1 透明パネル
2 パネル又はバックシート
3a,3b シリコーンゴムシート
4a,4b 保護シート
5 太陽電池素子マトリックス
6 太陽電池素子
7 インターコネクタ
10 真空ラミネータ
11 ダイヤフラムシート
12 プレート
20 第1積層体
30 第2積層体
40 複合積層体

Claims (4)

  1. 透明パネルとパネルの間、又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子が接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
    (1)透明パネルの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第1積層体を用意する工程と、
    (2)パネル又はバックシートの一面にミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートを減圧下、10℃〜50℃の間で貼り付けた第2積層体を用意する工程と、
    (3)上記第1積層体と第2積層体とを互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池マトリックスを配置し、その状態で10℃〜50℃の間で減圧して、上記第1積層体及び第2積層体とを押圧して上記太陽電池マトリックスを封止する工程と、
    (4)上記封止した積層体を、70℃〜150℃の間で20分〜50分加熱し、シリコーンゴムシートを硬化する工程と、
    を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 上記工程(2)が、ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムを、バックシートの一面にカレンダー法によりトッピング加工したバックシート−シリコーンゴム複合体を用意する工程であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 上記シリコーンゴム組成物は、
    (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 10〜150質量部、
    (C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
    を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 上記(C)成分は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化反応触媒の組み合わせ、又は有機過酸化物であることを特徴とする請求項3記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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