JPH11103085A - 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット - Google Patents

太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット

Info

Publication number
JPH11103085A
JPH11103085A JP9279376A JP27937697A JPH11103085A JP H11103085 A JPH11103085 A JP H11103085A JP 9279376 A JP9279376 A JP 9279376A JP 27937697 A JP27937697 A JP 27937697A JP H11103085 A JPH11103085 A JP H11103085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
rubber sheet
solar cell
sheet
solar battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9279376A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Shimizu
敏夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP9279376A priority Critical patent/JPH11103085A/ja
Publication of JPH11103085A publication Critical patent/JPH11103085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を不要とし、熱プレスを行わないで簡
易に製造できるようにし、黄変しない太陽電池を提供す
る。 【解決手段】 太陽電池11Aは、常温硬化反応型のシ
リコーンゴム系材料からなるシリコーンゴムシート11
e、太陽電池セルシート11c、シリコーンゴムシート
11e、ガラス板11aの順に積層したものである。シ
リコーンゴムシート11eは、未硬化の粘土状のものを
用い、ガラス板11a上にシリコーンゴムシート11
e、太陽電池セルシート11c、シリコーンゴムシート
11eの順に積層圧着することによりシリコーンゴムシ
ート11eの粘着力で層間を粘着し、その後にシリコー
ンゴムシート11eを自然硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温硬化反応型の
シリコーンゴム系材料からなるシリコーンゴムシートを
用いた太陽電池とその製造方法、及び太陽電池ユニット
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の太陽電池ユニットの一例
を示す断面図である。太陽電池ユニット10は、太陽電
池11をシーリング材12によりホルダー13に固定し
たものである。太陽電池11は、ガラス板11a、EV
A11b、アモルファスシリコン(シリコン単結晶体)
11c、EVA11b及び樹脂シート11dを順次積層
したものである。
【0003】ガラス板11aは、例えば強化ガラスから
なり、太陽電池11の最上層に設けられ、光透過性を有
し、太陽電池11表面を保護するものである。EVA1
1bは、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂からなるシート
であり、アモルファスシリコン11cを保護することを
目的とするものである。なお、この樹脂が使用されてい
るのは、太陽光線吸収率及び光透過性が良く、緩衝機能
に優れているからである。アモルファスシリコン11c
は、太陽光を電力に変える太陽電池セルシートである。
樹脂シート11dは、例えばフッ素樹脂からなり、太陽
電池11の裏面側を保護するものである。
【0004】シーリング材12は、一般のシリコーンゴ
ムであり、太陽電池11の側周面を接着剤を介して又は
介さないで囲繞するとともにホルダー13に固定するも
のである。ホルダー13は、フッ素鋼板等の鋼板又はア
ルミニウム板を所定形状にしたものであり、例えば屋根
板を構成する瓦形状としたものである。
【0005】太陽電池11は、以下のように製造され
る。先ず、ガラス板11a上にEVA11b、アモルフ
ァスシリコン11c、EVA11b及び樹脂シート11
dを順次積層する。ここで、ガラス板11aとEVA1
1bとの間には接着剤を塗布する。そして、これらを熱
プレスにより一体化する。この熱プレスにより、EVA
11bとアモルファスシリコン11cとが溶着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
太陽電池11では、その製造に接着剤を必要とし、ま
た、熱プレスを行わなければならず、製造工程の簡素化
の点で問題があった。さらにまた、EVA11bは、シ
ート状に成形することが困難であるという問題があっ
た。さらには、EVA11bは、使用により黄変して外
観を損なうという問題があった。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、接着剤を不要とし、熱プレスを行わないで簡易に
製造できるようにし、黄変しない太陽電池とその製造方
法、及び太陽電池ユニットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、常温硬化反応型のシリコーン
ゴム系材料からなるシリコーンゴムシート、太陽電池セ
ルシート、前記シリコーンゴムシート、ガラス板の順に
積層したことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽
電池の製造方法であって、前記シリコーンゴムシート
は、未硬化の粘土状のものを用い、前記ガラス板上に前
記シリコーンゴムシート、前記太陽電池セルシート及び
前記シリコーンゴムシートの順に積層圧着することによ
り前記シリコーンゴムシートの粘着力で層間を粘着し、
その後に前記シリコーンゴムシートを自然硬化させるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、常温硬化反応型のシリ
コーンゴム系材料からなるシリコーンゴムシート、太陽
電池セルシート、前記シリコーンゴムシート、ガラス板
の順に積層した太陽電池を、前記シリコーンゴムシート
と同一の材料からなるシーリング材によってホルダーに
固定したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、従来のEVAに代えて、常
温硬化反応型のシリコーンゴム系材料からなるシリコー
ンゴムシートが用いられる。これにより、太陽電池セル
シートとシリコーンゴムシートとを非加熱プレスにより
粘着することができる。また、ガラス板とシリコーンゴ
ムシートとを接着剤を用いないで粘着することができ
る。さらにまた、シリコーンゴムシートにより、黄変を
防止することができるとともに、太陽電池の耐久性、耐
候性及び耐熱性を高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の一実施形態について説明する。図1は、本発明による
太陽電池ユニットの一実施形態を示す断面図であり、図
2に対応するものである。図1の太陽電池ユニット10
Aは、図2のものと比較して、EVA11b及びシーリ
ング材12の代わりに、それぞれシリコーンゴム系材料
からなるシリコーンゴムシート11e及びシーリング材
12Aを用いている点で異なる。これらのシリコーンゴ
ムシート11e及びシーリング材12Aは、ともに同一
のシリコーンゴム系材料から形成されている。太陽電池
ユニット10Aのその他の構成については、従来の太陽
電池ユニット10と同様である。
【0013】シリコーンゴム系材料は、オルガノハイド
ロジェンポリシロキサンと白金系触媒に代表される付加
反応系硬化触媒の添加による付加反応架橋により硬化す
る付加反応型、有機過酸化物によるラジカル反応架橋に
よりゴム状弾性体となるラジカル反応型、あるいは、空
気中の水分(湿気)による縮合反応で硬化する縮合反応
型のもの等から選択されるが、室温で接着硬化して着色
が容易な付加反応型のもの、冷温貯蔵が不要で取扱が容
易な縮合反応型のものが好ましく、また、未硬化におけ
る可塑度が150〜500程度のものが好ましい。
【0014】付加反応型シリコーンゴム材料としては、
オルガノポリシロキサンにシリカ系充填材、オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンおよび白金系触媒を添加
し、さらに、必要に応じて着色顔料、発泡剤、シリカ分
散剤等を配合したものが用いられる。
【0015】オルガノポリシロキサンは、下記の平均単
位式で示されるものであって、25℃における粘度が1
00cSt以上、より好ましくは、1000cSt以上
のもの、また、末端がシラノール基、メチル基、ビニル
基等で封鎖されたものが好ましい。
【0016】
【化1】 なお、上記中、aは1.90〜2.05で、Rはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、ト
リル基等のアリール基、または、これらの基の炭素原子
に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、
シアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基、シアノメチル基等のような同一
または異種の非置換または置換1価炭化水素基で、好ま
しくは、その80モル%がメチル基であり、0.1〜
0.5モル%がビニル基のものである。
【0017】シリカ系充填材は、フュームドシリカ、沈
降性シリカ、石英粉末、けい藻土等が代表的なものとし
て例示され、好ましくは、粒子径が50μm以下のもの
が用いられる。このシリカ系充填材は、オルガノポリシ
ロキサン100重量部に対して、20〜200重量部の
範囲で添加される。発泡剤は、アゾビス・イソ・ブチロ
ニトリル等に代表されるものが用いられる。シリカ分散
剤は、アルコキシ基やシラノール基等を含有するシラン
や低分子シロキサン等で代表されるものが用いられる。
着色顔料は無機系顔料が用いられる。
【0018】ハイドロジェンポリシロキサンは、分子中
にけい素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有す
るもの、具体的には、下記の化学式により例示されるも
の(式中、m、n、pは正の整数を示す)等が用いら
れ、オルガノポリシロキサン中のビニル基量に対して≡
SiH/≡Si(CH=CH2)=0.5〜5.0(モ
ル比)を与える範囲で添加される。白金系触媒は、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコール、エーテル、アルデヒ
ド、オレフィン、ビニルシロキサンとの錯塩等が例示さ
れ、1〜100ppmの範囲に添加される。
【0019】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0020】ラジカル反応型シリコーンゴム材料は、オ
ルガノポリシロキサンに有機過酸化物とシリカ系充填材
を、さらに、必要に応じて着色顔料、発泡剤、シリカ分
散剤等を配合したものが例示される。オルガノポリシロ
キサン、シリカ系充填剤、着色顔料、発泡剤、シリカ分
散剤等は上述した付加反応型と同様のものが同様の配合
比で添加される。
【0021】有機過酸化物は、ベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、オル
ソクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ビス
(t−ブチルパーオキサイド)−2,5−ジメチルヘキ
サン等が用いられる。
【0022】縮合反応型シリコーンゴム材料は、脱オキ
シム型、脱アルコール型、脱アセトン型等のいずれの型
であっても良く(特に脱オキシム型が好ましい)、オル
ガノポリシロキサンに架橋剤、触媒、補強性充填剤およ
び湿潤剤を配合し、さらに、接着助剤、非補強性充填
剤、無機顔料、防カビ剤等を必要に応じて添加したもの
が例示される。オルガノポリシロキサンは、上述したオ
ルガノポリシロキサンと同等のものであって、平均重合
度が3000以上、好ましくは、5000〜10000
程度のものが用いられる。
【0023】架橋剤は、ケイ素原子に結合したアルコキ
シ基やケトオキシム基を少なくとも3つ以上もつオルガ
ノシランやシロキサンオリゴマーから選ばれた1種ある
いは複数種を混合して用いられる。この架橋剤は、トリ
メトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、
トリエトキシフェニルシラン等に代表され、オルガノポ
リシロキサンの水酸基量に対して100〜500倍当
量、好ましくは、200〜400倍当量が配合される。
【0024】触媒は、チタン系触媒とスズ系触媒の双方
が用いられる。チタン系触媒は、ポットライフ等の保存
性の向上を目的に添加され、オルガノポリシロキサン1
00重量部に対して0.1〜1.0重量部、好ましく
は、0.2〜0.8重量部が添加される。スズ系触媒
は、硬化促進等を目的に添加され、オルガノポリシロキ
サン100重量部に対して0.02〜0.1重量部、好
ましくは、0.03〜0.07重量部添加される。
【0025】チタン系触媒は、アルキルチタネート等で
代表され、具体的には、Ti(OR)4 、特に、アルキ
ル基の炭素数が小さくなると硬化速度が速くなり加水分
解しやすく不安定になるため、アルキル基がエチル、プ
ロピル、アミル、ヘキシルあるいはブチル等のものが用
いられる。チタン系触媒は、スズの有機酸塩(R1 Sn
OCOR2 )で代表され、具体的にはR1 ,R2 の炭素
数が小さいほど硬化速度が早くなるためジブチルスズジ
アセテート、ジブチルスズジラウレート、オクテン酸ス
ズ等が用いられる。
【0026】補強性充填材は、物性および賦形性の付与
を目的として添加され、補強性シリカ等、好ましくは、
煙霧質シリカ、また、平均粒径が50μm以下のものが
用いられる。この補強性充填材は、オルガノポリシロキ
サン100重量部に対して、5〜50重量部、好ましく
は、10〜40重量部、より好ましくは、15〜35重
量部が添加される。
【0027】湿潤剤は、補強性充填材(シリカ)の凝集
を防ぐ分散剤として添加され、低重合度のシリコーンオ
イル、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、
ヘキサメチルジシラザン等、具体的には、ジメチルシリ
コーンオイル等が用いられる。この湿潤剤は、保存中の
可塑度の安定化と物性の維持を図るため、オルガノポリ
シロキサン100重量部に対して0.5〜10重量部、
望ましくは、2〜5重量部が配合される。
【0028】接着助剤は、シランカップリング剤やチタ
ネートカップリング剤等が用いられ、オルガノポリシロ
キサン100重量部に対して0〜2.0重量部程度が添
加される。非補強性充填材、無機顔料および防カビ剤は
周知のものが用いられ、適宜の量が配合される。
【0029】ここで、シリコーンゴム系材料として脱オ
キシム型の縮合反応型シリコーンゴム系材料を用いる場
合について、重複を省り見ずもさらに詳しく説明する。
脱オキシム型の縮合反応型シリコーンゴム系材料は、分
子鎖両末端に水酸基をもるオルガノポリシロキサン10
0重量部、上記水酸基に対して50〜500当量の架橋
剤、触媒0.005〜0.1重量部、充填剤5〜50重
量部、及び潤滑剤0.5〜10重量部からなるものであ
る。そして、本発明では、分子鎖両末端に、反応性官能
基である水酸基をもち、平均単位式Ra SiO(4-a)/2
(aは1.90〜2.05)で示されるオルガノポリシ
ロキサンを主成分とする。上記式中、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基又はこれ
らの炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロ
ゲン原子、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、シ
アノ基等で置換したものから選択される同一又は異種の
1価炭化水素基であり、特にはRの80%以上はメチル
基であるのが好ましい。また、上記オルガノポリシロキ
サンの平均重合度は、3,000以上、好ましくは5,
000〜10,000である。このようにオルガノポリ
シロキサンの平均重合度を3,000以上と高くするこ
とにより、シリコーンゴム系材料を定形にするために添
加する充填剤の量を少なくすることができ、かつ、ゴム
弾性を損なうことのない硬化物を得ることができる。そ
の上、残留する低分子量のオルガノポリシロキサンが少
なくなるので、未架橋物が硬化前に滲出にくくなり、被
着体等の汚染を防止することができる。
【0030】上記オルガノポリシロキサンを縮合硬化さ
せるために架橋剤を配合する。架橋剤には、けい素原子
に結合したケトオキシム基を1分子中に3個以上有する
オルガノシラン又はこれらの混合物を用いる。具体的に
は、テトラキス(メチルエチルケトオキシム)シラン、
メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メ
チルトリス(アセトンオキシム)シラン、ビニルトリス
(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス
(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス
(ジエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチ
ルプロピルケトオキシム)シラン等が挙げられるが、特
には、架橋速度の適切さの点から、メチルトリス(メチ
ルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチル
エチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチル
エチルケトオキシム)シランが好ましい。また、けい素
原子に結合したケトオキシム基を1分子中に2個有する
オルガノシラン、例えば、ジメチルビス(メチルエチル
ケトオキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルエチ
ルケトオキシム)シランを、架橋密度の調整のため併用
しても良い。ただし、ケトオキシム基を1分子中に3個
以上有する架橋剤に対して、重量比で20%を越えない
ことが望ましい。20%を越えると物性の低下を招きや
すいからである。
【0031】架橋剤の配合量は、オルガノポリシロキサ
ンの水酸基に対し50〜500当量とし、特には150
〜400当量が好ましい。50当量未満の場合、防湿保
存性が低下しやすく、500当量を越えた場合、本来の
硬化反応が阻害されやすくなる。
【0032】また、縮合架橋によるオルガノポリシロキ
サンの硬化速度を適切に調節するため、触媒を配合す
る。触媒としては、オクタン酸スズやオクテン酸スズ等
の有機酸塩や、ジブチルスズジウレート、ジブチルスズ
オレート等のアルキルスズ化合物、Ti(OR)4 (R
は、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル等の
アルキル基)で示される有機チタン化合物、ジメチルヒ
ドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン等のアミ
ン酸がある。これらは1種類に限定されるものではな
く、2種以上を組み合わせても良い。触媒の配合量は、
上記オルガノポリシロキサン100重量部に対して、
0.05〜0.1重量部が好ましく、特には0.01〜
0.05重量部が好ましい。0.05重量部未満の場
合、内部硬化が不完全となるおそれがあり、0.1重量
部を越える場合、防湿保存性が低下するとともに、硬化
速度が速くなりやすい。なお、後に述べる接着助剤とし
て、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミン
系シランカップリング材を用いる場合は、これらが触媒
効果も有するため、上記触媒は添加する必要がないか、
あるいは極微量の添加で良い。
【0033】オルガノポリシロキサンに強度や賦形性等
を付与するため、充填剤を配合する。炭酸カルシウム、
酸化チタン等も用いることができるが、耐熱性や補強効
果の点からシリカ系充填剤が好ましい。シリカ系充填剤
としては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、疎水性シリカ、
石英粉末、けいそう土等が挙げられるが、特に煙霧質シ
リカが好ましい。これらのシリカ系充填剤には、分散性
を向上させるため、クロロシラン、シラザン等で予め表
面処理を施しても良い。また、シリカ系充填剤の粒径
は、50μm以下とするのが良い。50μmより大きい
と補強効果が低下しやすい。充填剤の配合量は、上記オ
ルガノポリシロキサン100重量部に対して、通常5〜
50重量部とされ、好ましくは10〜30重量部であ
る。配合量が5重量部未満の場合、十分な強度や賦形性
等が得られず、50重量部を越えた場合、オルガノポリ
シロキサン組成物が硬くなり、施工性が低下する。
【0034】充填剤の分散性を高め、安定した強度を得
るために潤滑剤を配合する。潤滑剤は、例えば、末端に
水酸基をもち、重合度が5〜20程度の低重合度のジメ
チルシリコーンオイル、ジフェニルシランジオール、ヘ
キサメチルジシラザンが挙げられる。その配合量は、オ
ルガノポリシロキサン100重量部に対して、0.5〜
10重量部とする。配合量が0.5重量部未満の場合、
分散性向上効果が得られず、10重量部を越えた場合、
強度が低下する。
【0035】本発明では、上記各成分の他、接着助剤、
非補強性充填剤、無機顔料、紫外線吸収剤、防カビ剤等
を適宜配合しても良い。接着助剤は、例えば、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤やイ
ソプロピルイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、
テトラオクチルビス[(ジトリデシル)フォスファイ
ト]チタネート等のチタネートカップリング剤が挙げら
れ、その配合量はオルガノポリシロキサン100重量部
に対して2.0重量部以下とするのが好ましい。
【0036】次に、太陽電池ユニット10Aの製造方法
について説明する。先ず、従来と同様にガラス板11a
上に、シリコーンゴムシート11e、アモルファスシリ
コン11c、シリコーンゴムシート11e及び樹脂シー
ト11dを順次積層する。本実施形態では、ガラス板1
1aの厚みは約3.2mm、シリコーンゴムシート11
eの厚みは約1mm、アモルファスシリコン11cの厚
みは約0.04mm、樹脂シートの厚みは約0.01m
mである。また、製造前のシリコーンゴムシート11e
は、未硬化の粘度状のもの(粘着性を有するもの)であ
る。なお、シリコーンゴムシート11eの厚みが上記程
度であれば、シリコーンゴムシート11eの光透過性は
従来のEVA11bと差異はない。
【0037】次に、上記積層体を非加熱で(常温で)プ
レスする。このプレスにより、シリコーンゴムシート1
1e自体が有する粘着性により、全ての層間が粘着され
る。したがって、ガラス板11aとシリコーンゴムシー
ト11eとの間に接着剤は塗布しない。
【0038】このように形成された太陽電池11Aを、
フッ素鋼板、カラーステンレス又はカラーアルミニウム
等からなるホルダー13の断面凹状部分内に配置し、太
陽電池11Aとホルダー13の側壁との間にシーリング
材12Aを充填して、両者を連結する。これにより、太
陽電池ユニット10Aが形成される。そして、これを大
気中に放置すれば、シリコーンゴムシート11e及びシ
ーリング材12Aが硬化する。例えば、シリコーンゴム
系材料がラジカル反応型又は付加反応型のものである場
合には常温硬化し、縮合反応型のものである場合には大
気中の水分(湿気)により硬化する。
【0039】以上より、太陽電池11Aの製造では接着
剤を用いることなく、かつ熱プレスを行わないので、製
造工程を簡易にすることができる。特に、シリコーンゴ
ム系材料はガラス板11aとの粘着性(密着性)に優れ
ているので、従来のガラス板11aとEVA11bとの
層間以上に粘着性を高めることができる。
【0040】さらにまた、アモルファスシリコン11c
を上下面から上記シリコーンゴム系材料からなるシリコ
ーンゴムシート11eが覆うので、太陽電池11Aの耐
候性、耐熱性及び耐久性が、従来以上に向上する。さら
には、プレス後に放置するだけでシリコーンゴムシート
11e及びシーリング材12Aを自然硬化させることが
できる。また、EVA11bのように黄変しないので、
外観劣化を防止することができる。
【0041】なお、本発明は、従来と同様のシーリング
材12を用いても良いが、シーリング材12Aを用いれ
ば、シーリング時には未硬化で粘土状であるので、シー
リング作業性を容易にすることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、接着剤を不要とし、か
つ熱プレスを行わないので、製造工程の簡素化を図るこ
とができる。また、ガラス板とシリコーンゴムシートと
の粘着性を高めることができる。さらに、太陽電池の耐
候性、耐熱性及び耐久性を向上させることができる。ま
た、プレス後に放置するだけでシリコーンゴムシート及
びシーリング材を自然硬化させることができる。さらに
は、太陽電池の黄変をなくして、外観劣化を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による太陽電池ユニットの一実施形態を
示す断面図である。
【図2】従来の太陽電池ユニットの一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10A 太陽電池ユニット 11A 太陽電池 11a ガラス板 11c アモルファスシリコン(太陽電池セルシート) 11d 樹脂シート 11e シリコーンゴムシート 12A シーリング材 13 ホルダー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温硬化反応型のシリコーンゴム系材料
    からなるシリコーンゴムシート、太陽電池セルシート、
    前記シリコーンゴムシート、ガラス板の順に積層したこ
    とを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の太陽電池の製造方法で
    あって、 前記シリコーンゴムシートは、未硬化の粘土状のものを
    用い、 前記ガラス板上に前記シリコーンゴムシート、前記太陽
    電池セルシート及び前記シリコーンゴムシートの順に積
    層圧着することにより前記シリコーンゴムシートの粘着
    力で層間を粘着し、その後に前記シリコーンゴムシート
    を自然硬化させることを特徴とする太陽電池の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 常温硬化反応型のシリコーンゴム系材料
    からなるシリコーンゴムシート、太陽電池セルシート、
    前記シリコーンゴムシート、ガラス板の順に積層した太
    陽電池を、前記シリコーンゴムシートと同一の材料から
    なるシーリング材によってホルダーに固定したことを特
    徴とする太陽電池ユニット。
JP9279376A 1997-09-29 1997-09-29 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット Pending JPH11103085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9279376A JPH11103085A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9279376A JPH11103085A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11103085A true JPH11103085A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17610291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9279376A Pending JPH11103085A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11103085A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515365A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 ダウ・コーニング・コーポレイション 光電池カプセル化
WO2012091082A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 信越化学工業株式会社 集光型太陽光電池用の有機材料光学シート
JP2013521640A (ja) * 2010-03-05 2013-06-10 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ゲーエムベーハー 太陽電池モジュールのための封止材としての使用のための硬化性ポリオルガノシロキサン組成物
JP2013153085A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池モジュールの製造方法及び太陽電池モジュール
JP2013175746A (ja) * 2006-03-18 2013-09-05 Solyndra Inc ケース入長形光電池
JP2015050371A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 信越化学工業株式会社 太陽電池封止用シリコーン接着剤シート並びにそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法
WO2016121188A1 (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 信越化学工業株式会社 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法
JP2016152389A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 信越化学工業株式会社 太陽電池モジュールの製造方法
CN109227431A (zh) * 2018-09-03 2019-01-18 郑州福耀玻璃有限公司 大巴玻璃雨感器支架安装工装

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515365A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 ダウ・コーニング・コーポレイション 光電池カプセル化
JP2013175746A (ja) * 2006-03-18 2013-09-05 Solyndra Inc ケース入長形光電池
US8742252B2 (en) 2006-03-18 2014-06-03 Solyndra, Llc Elongated photovoltaic cells in casings with a filling layer
US9991406B2 (en) 2010-03-05 2018-06-05 Momentive Performance Materials Gmbh Curable polyorganosiloxane composition for use as an encapsulant for a solar cell module
JP2013521640A (ja) * 2010-03-05 2013-06-10 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ゲーエムベーハー 太陽電池モジュールのための封止材としての使用のための硬化性ポリオルガノシロキサン組成物
US9543460B2 (en) 2010-03-05 2017-01-10 Momentive Performance Materials Gmbh Curable polyorganosiloxane composition for use as an encapsulant for a solar cell module
JP5603434B2 (ja) * 2010-12-28 2014-10-08 信越化学工業株式会社 集光型太陽光電池用の有機材料光学シート
WO2012091082A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 信越化学工業株式会社 集光型太陽光電池用の有機材料光学シート
JP2013153085A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池モジュールの製造方法及び太陽電池モジュール
JP2015050371A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 信越化学工業株式会社 太陽電池封止用シリコーン接着剤シート並びにそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法
WO2016121188A1 (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 信越化学工業株式会社 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法
JP2016139683A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 信越化学工業株式会社 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法
TWI677107B (zh) * 2015-01-27 2019-11-11 日商信越化學工業股份有限公司 太陽電池模組及太陽電池模組之製造方法
JP2016152389A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 信越化学工業株式会社 太陽電池モジュールの製造方法
CN109227431A (zh) * 2018-09-03 2019-01-18 郑州福耀玻璃有限公司 大巴玻璃雨感器支架安装工装
CN109227431B (zh) * 2018-09-03 2023-08-08 郑州福耀玻璃有限公司 大巴玻璃雨感器支架安装工装

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5364921A (en) Silicone rubber with self-adhesion to glass and metal
EP1746132B1 (en) Silicon-containing curable composition and cured object obtained by thermally curing the same
KR101226373B1 (ko) 실온 경화성 오르가노폴리실록산 조성물
EP0304958B1 (en) Room temperature-curable organopolysiloxane composition
JP6234617B2 (ja) 可撓性ペルチェデバイス及び温度調整装置
US6566443B2 (en) Room temperature curable silicone rubber composition
AU699926B2 (en) RTV silicone compositions using aminohydrocarbyl-substituted ketoximinosilanes
JP2012509393A (ja) シリコーン組成物およびその製造方法
US6562931B1 (en) Room temperature vulcanizable silicone compositions with improved adhesion to acrylic
EP0345645B1 (en) Room temperature-curable organopolysiloxane composition
JP3962926B2 (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JPH11103085A (ja) 太陽電池とその製造方法及び太陽電池ユニット
US11396616B2 (en) Liquid curable silicone adhesive composition, cured product thereof, and use thereof
JP3413707B2 (ja) シート状接着剤
JP6915551B2 (ja) 難燃性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物、電気又は電子部品並びに電気又は電子部品における耐熱接着性の向上方法
JP2020147750A (ja) 二成分型室温縮合硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP2005162974A (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JPH11100241A (ja) 積層合わせガラス
JP4499950B2 (ja) 建築用窓ガラス構造体およびその製造方法
JPH10321888A (ja) 太陽電池モジュール用保護シート
JP2004067961A (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP7006058B2 (ja) シーリング材及びシーリング方法
JPH11100239A (ja) 接着性封口部材及びこれを用いてなる複層ガラス
KR101938959B1 (ko) 공명음 저감 타이어
JPH11107641A (ja) ガラスパネル構造体及びその施工方法