JP6512113B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に未加硫のシリコーンゴムシートのような熱硬化性のシート状封止材料を用いて太陽電池素子マトリックスを封止する際に、気泡を取り込むことなく、かつ太陽電池素子にダメージを与えることなく封止することができる太陽電池モジュールの製造方法に関する。
従来、太陽電池素子を封止する技術においては、図1に示すように、二枚のパネル(1,2)、又は一枚のパネル1及びバックシート2の間に、太陽電池素子マトリックス3の受光面側と受光面と反対側を熱可塑性シート(封止材)4で挟みこみ、その積層体(以下、被ラミネート体5とする)を真空ラミネーターで減圧下、加熱しながら脱気し、封止材を溶融させて封止するのが一般的である。
その際に、例えば一般的に用いられているエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を封止材として用いる場合、真空ラミネート時に溶融したEVAが上記被ラミネート体端面からはみ出したり、真空ラミネーターのホットプレートやダイヤフラムに付着してしまう。それを防ぐために、一般的には、図2に示すように、シート6として、例えば、耐熱性や機械的特性に優れたガラスクロスシートを上記被ラミネート体5の上下に配置した後に封止を行う。なお、図2中、7は真空ラミネーター装置内のホットプレート、8は真空ラミネーター装置内のダイヤフラムである。
その際に用いられる耐熱性や機械的特性に優れたシート6の材質として、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂などがあり、具体的には、シリコーンゴムシート、フッ素ゴムシート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)フィルム、PTFEコートガラスクロスシートなどが例示されている。中でも上記積層体の封止の際、積層体の封止材樹脂が、溶融することにより積層体の端部からはみ出し、真空ラミネーターユニットのプレートやダイヤフラムに付着するのを防止するため、離型性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂が用いられる(特開平11−254526号公報;特許文献1)。また従来の薄いガラス強化テフロン(登録商標)を用いて封止を行う方法もある(特許第5488489号公報;特許文献2、特開2012−124335号公報;特許文献3)。しかし、その封止の状態、例えば空隙の有無などに対する影響や効果などには言及されていない。特に、封止材そのものの物性として粘着性があり、かつ熱硬化性の未加硫のシリコーンゴムシートのような封止材料においては、封止工程において完全には脱気できずに空隙が発生する可能性がある。
一方、モジュール化する際に内部に気泡が残らないラミネート装置として、被ラミネート体をラミネーター装置に搬入する際にプレートヒーター面上に持ち上げた状態で保持する保持手段を備えたラミネート装置が提案されている(登録実用新案第3037201号公報;特許文献4、特許第4420764号公報;特許文献5)が、これらの保持手段を備えたラミネート装置は一般的ではなく、これらの保持手段を追加搭載するのは容易なことではない。
特開平11−254526号公報 特許第5488489号公報 特開2012−124335号公報 登録実用新案第3037201号公報 特許第4420764号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特に未加硫のシリコーンゴムシートのような熱硬化性のシート状封止材料を用いて太陽電池素子マトリックスを封止する際に、気泡を取り込むことなく、かつ太陽電池素子にダメージを与えることなく封止することができる太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、透明パネルと裏面パネルの間又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子が接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、2枚の熱硬化性シートを各々、上記透明パネルに貼り付けた第1積層体と、裏面パネル又はバックシートに貼り付けた第2積層体とを、互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して重ね合わせて形成した積層体の上部全体及び/又は下部全体に、スポンジシートをさらに積層した上で、真空下で加熱しながら押圧して、上記太陽電池素子マトリックスを封止することが、気泡を取り込むことなく、かつ太陽電池素子にダメージを与えることなく封止することができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
〔1〕
透明パネルと裏面パネルの間又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子がマトリックス状に配置されて互いに電気接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して、太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(i)上記透明パネルの一面に熱硬化性シートを貼り付けて第1積層体を用意する工程と、
(ii)上記裏面パネル又はバックシートの一面に熱硬化性シートを貼り付けて第2積層体を用意する工程と、
(iii)上記第1積層体と第2積層体とを互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して積層体を形成する工程と、
(vi)加熱したホットプレート上にスポンジシートを配置し、その上に透明パネル側を下にして(iii)の積層体を配置して該積層体の透明パネル全面にスポンジシートをさらに積層した上で、真空下でホットプレートの熱をスポンジシートを介して積層体に伝えることにより該積層体を加熱すると共に押圧して、上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と
を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔2〕
上記工程(vi)が、ホットプレート及びダイヤフラムを備え、加熱したホットプレート上に被ラミネート体を配置して減圧した後、ホットプレートからの熱で被ラミネート体を加熱しながらダイヤフラムにより押圧して被ラミネート体中の封止材料により封止を行う真空ラミネーター装置において、加熱したホットプレート上に上記スポンジシートを配置し、その上に透明パネル側を下にして(iii)の積層体をさらに積層した状態で2〜10分間減圧した後に、真空下で該積層体をホットプレート側からスポンジシートを介して加熱しながらダイヤフラムにより10〜40分間押圧して上記太陽電池素子マトリックスを封止するものである〔1〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔3〕
(iii)の積層体の裏面パネル又はバックシート側にもスポンジシートを積層するようにした〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔4〕
熱硬化性シートが未加硫のシリコーンゴムシートである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔5〕
上記工程(vi)において、スポンジシートの厚みが3〜10mmであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔6〕
上記工程(vi)の加熱温度が80〜180℃である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明の製造方法によれば、気泡を取り込むことなく、かつ太陽電池素子にダメージを与えることなく封止することができ、得られる太陽電池モジュールは、高効率で長期信頼性を有するものとなる。
従来の太陽電池モジュールの製造方法において、真空ラミネーター装置に配置する積層体(被ラミネート体)を示す概略図である。 従来の太陽電池モジュールの製造方法において、被ラミネート体の上下にガラスクロスシートを積層して真空ラミネーター装置に配置した状態を示す概略図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、真空ラミネーター装置に配置する積層体(被ラミネート体)の一例を示す概略図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、被ラミネート体を真空ラミネーター装置に配置した状態の一例を示す概略図である。 従来の太陽電池モジュールの製造方法において、被ラミネート体を真空ラミネーター装置に配置した状態の一例を示す概略図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、被ラミネート体を真空ラミネーター装置に配置した状態の他の例を示す概略図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、被ラミネート体を真空ラミネーター装置に配置した状態の別の例を示す概略図である。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、図3に示すように、2枚の熱硬化性シート(封止材)9を各々、受光面側の透明パネル(受光面パネル)1に貼り付けた第1積層体aと、受光面と反対側の裏面パネル又はバックシート2に貼り付けた第2積層体bとを、互いの熱硬化性シート9を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックス3を配置して形成した被ラミネート体5を、図4に示すように、真空ラミネーター装置を用いて、真空下でホットプレート7より加熱しながらダイヤフラム8により押圧して封止する際に、受光面側に従来の薄いガラスクロスシート6の代わりに又はガラスクロスシート6と併用してスポンジシート10を積層するものである。具体的には、真空ラミネーターのホットプレート7を加熱した状態で、ホットプレート7上にスポンジシート10を配置し、その上に受光面パネル1側を下にして被ラミネート体5を配置し、さらにこの上にガラスクロスシート6又はスポンジシート10を配置した状態で封止することにより、スポンジシート10の効果で、ガラス等によって形成された透明パネル(受光面パネル)1の反りが緩和されるものである。
即ち、真空ラミネーターの加熱されたプレートから急激に受ける熱をスポンジシート10により緩和できるため、透明パネル(受光面パネル)1の反りを抑止できる。つまり、図5の従来技術に示すように、真空ラミネーターのホットプレート7を加熱し、従来用いられている薄いガラスクロスシート6を配置した上に受光面パネル1側を下にして被ラミネート体5を配置し、さらにこの上にガラスクロスシート6を配置した状態で封止すると、受光面パネル1表面の急激な温度状況により受光面パネル1が反ってしまい、また反った受光面パネル1の影響で、受光面パネル1の内側に予め貼り付けた熱硬化性シート9が、反対側の裏面パネル又はバックシート2の内側に予め貼り付けた熱硬化性シート9と付着してしまい、隙間が発生した状態となってしまう。このように、被ラミネート体5を封止する際に、受光面パネル1が反ってしまうと、被ラミネート体5端面の受光面側と受光面と反対側の裏面パネル又はバックシート2に積層した熱硬化性シート9の間に隙間を残したまま封止され、結果的にモジュール内部に空隙が発生してしまう。
なお、図6に示すように、熱硬化性シート9を内側にして重ね合わせた被ラミネート体5(図3)で、特にバックシート11を用いた被ラミネート体5を封止する場合、真空ラミネーター装置を用いて、真空下でホットプレート7より加熱しながらダイヤフラム8により押圧して封止する際に、従来の薄いガラスクロスシート6を受光面と反対側、つまりバックシート11側に配置して封止すると、太陽電池素子マトリックス3における太陽電池セル上のタブ線などの凹凸(段差)を吸収できない。つまり、従来の薄いガラスクロスシートでは、バックシート11上の凹凸に追従した押圧ができないため、モジュール内部に隙間12を残したままで封止される可能性がある。
そこで、図7に示すように、図6においてバックシート11側に配置した薄いガラスクロスシート6の代わりに又はガラスクロスシート6と併用してスポンジシート10を用いて封止することにより、封止の際に段差の吸収を改善でき、段差に追従した押圧が可能となり、上記隙間を軽減できる。また上記の方法によれば、スポンジシートを用いるのみであるため、プレート上に被ラミネート体を持ち上げて保持する等の装置の改良等は必要ない。
以下に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の好適な態様について説明する。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、透明パネルと裏面パネルの間又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子が接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、2枚の熱硬化性シートを各々、上記透明パネルに貼り付けた第1積層体と、裏面パネル又はバックシートに貼り付けた第2積層体とを、互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して重ね合わせた積層体の上部全体及び/又は下部全体、特に少なくともホットプレート側に配置される透明パネル(受光面パネル)全面に、スポンジシートをさらに積層した上で、真空下で加熱しながら、特に裏面パネル又はバックシート側から押圧して、上記太陽電池素子マトリックスを封止する。
ここで、透明パネルとは、受光面パネルのことであり、受光面パネルとは、太陽光を入射させる側となる透明部材であり、透明性、耐候性、耐衝撃性をはじめとして屋外使用において長期の信頼性能を有する部材が必要である。例えば、白板強化ガラス、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はポリカーボネート樹脂等が挙げられ、特に厚さ2〜5mm程度の白板強化ガラスが好ましい。
また、受光面と反対面の裏面パネルにおいては、太陽電池素子の温度を効率よく放熱することが求められ、材料として硝子材、合成樹脂材、金属材又はそれらの複合部材が挙げられるが、本発明の太陽電池モジュール製造方法においては、屈曲性のある合成樹脂材が好適に用いられる。屈曲性のある合成樹脂材としては、厚さ2mm以下のアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、バックシートを用いる場合には、具体的には、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム等のフッ素樹脂フィルム、またアルミ箔やPETをPVFのシートで挟み込んだりした積層シートなどを用いることができる。
また、太陽電池素子とは、単結晶シリコンもしくは多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン材料(シリコン基板)を用いて作製された太陽電池セルであり、通常2〜60個の太陽電池セルが互いにタブ線等のインターコネクタで電気的に直列に接続されて太陽電池マトリックスを構成している。また、太陽電池素子に両面受光型を用いた場合は、受光面パネル及び受光面と反対側の裏面パネル又はバックシートは、共に透明なものとする。
まず、2枚の熱硬化性シートを各々、上記透明パネルに貼り付けた第1積層体と、上記裏面パネル又はバックシートに貼り付けた第2積層体とを、互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して重ね合わせた積層体(被ラミネート体)を構成する。
この際用いる熱硬化性シートは、例えば未加硫のシリコーンゴムシートが挙げられる。この未加硫のシリコーンゴムシートとしては、例えば、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 10〜150質量部
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
の3成分を含むシリコーンゴム組成物を加工して得ることができる。
ここで、(A)成分は、下記平均組成式(I)で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換した基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したものなどが好適である。
なお、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。これらの中でもビニルジメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基が好ましく、特にトリビニルシロキシ基は反応性が高く、好ましい。
特に、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有することが必要である。通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%がアルケニル基であることが好ましい。なお、このアルケニル基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、さらに好ましくはアルケニル基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)が好ましく、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着などの問題が生じ、ロール作業性が低下するおそれがある。なお、この重合度は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度が優れ、かつ透明性の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものである。優れた機械的強度を持たせるためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。また、特に波長300nm以下での優れた透明性を持たせるためには、200m2/g以上であることが好ましい。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。これらのなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10(トクヤマ社製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F(トクヤマ社製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜150質量部であり、好ましくは50〜120質量部であり、さらに好ましくは70〜100質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、またシリコーンゴムコンパウンド硬化後の透明性が低下する。多すぎる場合にはシリコーンポリマー中へのシリカの分散が困難になると同時に加工性が悪くなり、また機械的強度も低下する。
なお、本発明の製造方法においては、必要に応じて、(B)補強性シリカの分散剤(ウェッター)を任意成分として配合することができる。このウェッターとしては、例えば、ジフェニルシランジオール等のシラノール基(即ち、ケイ素原子結合水酸基)含有シラン化合物や、分子鎖両末端シラノール基封鎖の直鎖状ジメチルシロキサンオリゴマー(例えば、重合度又は分子中のケイ素原子数が2〜30個、特には3〜20個程度の低重合ポリマー)等のシラノール基含有オルガノシロキサンオリゴマーなどから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
ウェッターの配合量としては、ベースポリマー((A)成分)100質量部に対し、0〜25質量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部の範囲の配合量とすることができる。
(C)成分の硬化剤としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(b)有機過酸化物が好ましい。
上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の正数である。)
ここで、R2は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、さらに好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの等が挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 0006512113
(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させる有効量であり、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
また、上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と、架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液等の白金化合物などの白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(b)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎるとコスト的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
また、透明パネル、裏面パネルあるいはバックシートとの接着性を改善するために、常法によりシランカップリング剤を添加してもよい。
上記、(A)、(B)及び(C)成分の所定量を、2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによってシリコーンゴム組成物を得る。
このようにして調製されたシリコーンゴム組成物の可塑度(JIS K6249に準ずる)は、150以上1,000以下であることが好ましく、より好ましくは200以上800以下、さらに好ましくは250以上600以下である。可塑度が150以上であるとシートの粘着性が増大しにくく、作業性に優れる。一方可塑度が1,000以下であると、シート自体のまとまりがよく取扱い易い。
さらに、上記シリコーンゴム組成物は、カレンダー成形法、インジェクション法、プレス法などの常法によりシート化してシリコーンゴムシート(未加硫の熱硬化性シート)とすることができる。この際、シリコーンゴムシートの厚みは0.3〜2.0mmの厚みで成形するのが好ましい。0.3mm以上であるとシートが柔らかすぎないため傷がつきにくく、2.0mm以下であると特にカレンダー成形方法では成形が容易である。得られたシリコーンゴムシートはエンボスフィルムなどの保護シートで片面及び/又は両面を保護してもよい。
なお、上記シリコーンゴムシートの硬化条件としては、110〜160℃で10〜30分間とすることができる。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法としては、まず、上記のように作製した2枚の熱硬化性シートを各々、上記透明パネル、及び裏面パネル又はバックシートに室温下真空ラミネーターによる方法やローラー等を用いて圧着して貼り付け第1積層体及び第2積層体とし、互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して重ね合わせた積層体(被ラミネート体)を構成する。
次に、太陽電池モジュールを作製するために、上記被ラミネート体を真空ラミネーターに配置する。その際に、例えば、図4、図6又は図7に示すように、被ラミネート体5の上部側(ダイヤフラム8側)全体及び/又は下部側(ホットプレート7側)全体、特に下部のホットプレート7側の透明パネル1全面にスポンジシート10をさらに積層した上で、真空下で加熱しながらダイヤフラム8側から押圧して、上記太陽電池素子マトリックス3を封止する。この場合、スポンジシート10は、被ラミネート体5の下部側(ホットプレート7側)全体に積層することが好ましく、特には被ラミネート体5の上部側(ダイヤフラム8側)全体及び下部側(ホットプレート7側)全体に積層することが好ましい。
この際に用いるスポンジシートは特に制限はないが、200℃以上での耐熱性があるスポンジシートが好ましく、例えば、シリコーンスポンジシート、フッ素ゴムスポンジシートなどが挙げられる。厚みは3〜10mmであることが好ましく、さらに3〜6mmであることがより好ましい。厚みが3mm以上であると、上記図4、図6又は図7のように、被ラミネート体5とスポンジシート10を積層し、真空ラミネーターでモジュール化する際のプレス工程の前に熱が被ラミネート体5に緩やかに伝わるため、被ラミネート体5に反りが発生しにくく、ラミネート終了後に気泡が残存しにくい。一方、厚みが10mm以内であると、同じく上記図4、図6又は図7のように、被ラミネート体5とスポンジシート10を積層し、真空ラミネーターでモジュール化する際にプレス工程後においても、熱が十分に被ラミネート体5に伝わり、結果的に、熱硬化性シート9が十分に硬化する。
なお、本発明においては、上述したように、スポンジシートと併用して、又は単体でガラスクロスシート等の耐熱性や機械的特性に優れたシートを積層させることもでき、併用する場合、ホットプレート側にあっては、該シートはスポンジシートと真空ラミネーターの間に積層することが好ましい。一方、ダイヤフラム側にあっては、スポンジシートと積層体との間又はスポンジシートとダイヤフラムとの間のいずれであってもよいが、スポンジシートとダイヤフラムとの間に積層することが好ましい。
次に、被ラミネート体を上記のように真空ラミネーターにセットした後、真空ポンプによる減圧の後、大気圧によるプレス工程によりモジュール化を行う。
この際、減圧の時間は、2分〜10分とすることが好ましい。2分以上だと減圧が十分であり被ラミネート体中に気泡が残存せず、また10分以内であると封止材である熱硬化シートの硬化が始まらないため、続くプレス工程で太陽電池素子を破壊してしまう可能性がない。さらに、プレス工程は、10分〜40分とすることが好ましい。プレス工程が10分以上だとプレス工程終了後において十分に熱硬化シートが硬化し、40分を超えるとプレス工程時間が長くなりすぎ量産性能が劣る可能性がある。ここで、真空ラミネーターのプレートの温度は、80〜180℃が好ましく、100〜160℃が特に好ましい。温度が上記範囲以内であると加硫反応速度が適切であり、被ラミネート体中に気泡が残存することなく熱硬化シートが十分に硬化する。
上記のようにして熱硬化性シートが硬化して太陽電池素子が封止されたラミネート体に、常法によりフレーム部材、端子ボックスを装着して、太陽電池モジュールを完成する。
以上のように製造された太陽電池モジュールは、太陽電池素子マトリックスがシリコーンゴム硬化物のような熱硬化性シートの硬化物を介して平坦な透明パネル及び裏面パネル又はバックシートに保持されるようになるため、高効率で長期信頼性を有するものとなる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は質量部を示す。また、室温は25℃を示す。また、質量平均重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算値である。
[実施例1]
以下の条件で太陽電池モジュールを作製した。
まず、ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積200m2/gの乾式シリカ(アエロジル(Arosil)200(日本アエロジル(株)製))80部、両末端にシラノール基を有し、粘度29mPa・s(25℃)のジメチルポリシロキサン5部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理し、ベースゴムコンパウンドを作製した。
次いで、付加硬化剤としてC−25A(白金触媒)0.5部及びC−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)2.0部(ともに信越化学工業(株)製)を2本ロールミルにて添加混合し、5mm厚の熱硬化性シリコーンゴムシートを作製した。なお、得られた熱硬化性シリコーンゴム組成物の可塑度をJIS K6249に準じて測定したところ、430であった。
次に、得られた5mm厚の熱硬化性シリコーンゴムシートを室温にて日本ロール(株)製カレンダー成形機にて0.7mm厚の熱硬化性シリコーンゴムシートに成形した後、同じく室温にてこの熱硬化性シリコーンゴムシートの両面に、保護シート(石島化学工業(株)製、エンボスNEFタイプ;厚さ0.15mm)をそのエンボス面をゴムローラにて隙間なく押し付けて、熱硬化性シリコーンゴムシートの両面にエンボス加工を施した(以後、この熱硬化性シリコーンゴムシートを「両面保護シート付熱硬化性シリコーンゴムシート」という)。
次に、上記両面保護シート付熱硬化性シリコーンゴムシートの片面の保護シートを剥離した後、その剥離面を受光面側の透明パネルである厚さ3.2mm、縦横寸法340mm×360mmの白板強化ガラス基板(以下、ガラス基板)に載置した後に、室温下真空ラミネーターにセットして2分間減圧した後に、3分間大気圧にてプレスしてガラス基板に貼り付け、貼付け面の反対側の保護シートを剥離して、熱硬化性シリコーンゴムシートを貼りつけた受光面用ガラス基板(第1積層体)を得た。
上記と同様にして、裏面側のパネルとしても上記ガラス基板を用いて熱硬化性シリコーンゴムシートを貼りつけた裏面用ガラス基板(第2積層体)を得た。
次いで、上記第1積層体の熱硬化性シリコーンゴムシート面を上にし、その面に、太陽電池素子を縦横方向に2行2列に接続した合計4直の単結晶シリコン太陽電池素子マトリックスを載置し、さらにシリコーンゴムシート面を下にした上記第2積層体を載置し、被ラミネート体1を得た。
次に、プレート温度を140℃に加熱した真空ラミネーターに、下からガラスクロスにフッ素樹脂をコーティングした本多産業株式会社製ファブリックシート「HGS−M590(厚さ0.98mm)」、厚さ3mmのクレハエラストマー株式会社製シリコーンスポンジシート「SSR930N」、上記被ラミネート体1及び上記本多産業株式会社製ファブリックシート「HGS−M590」を積層してセットし、真空減圧時間5分、大気圧によるプレスを30分行ったところ、受光面側及び裏面側に気泡が発生することなくラミネートすることができた。
[実施例2]
実施例1において、裏面側のガラス基板の代わりに株式会社エムエーパッケージング製バックシートPTD250を用いた以外は、実施例1と同様にして被ラミネート体2を得た。
ついで、プレート温度を140℃に加熱した真空ラミネーターに、下から上記本多産業株式会社製ファブリックシート「HGS−M590」、厚さ3mmのクレハエラストマー株式会社製シリコーンスポンジシート「SSR930N」、上記被ラミネート体2及び厚さ3mmのクレハエラストマー株式会社製シリコーンスポンジシート「SSR930N」を積層してセットし、真空減圧時間5分、大気圧によるプレスを30分行ったところ、受光面側及び裏面側に気泡が発生することなくラミネートすることができた。
[実施例3]
実施例1において、真空ラミネーターにセットする際に、被ラミネート体1の下側に厚さ3mmのクレハエラストマー株式会社製シリコーンスポンジシート「SSR930N」の代わりに2mm厚のクレハエラストマー株式会社製シリコーンスポンジシート「SSR930N」を用いたほかは、実施例1と同様に行った結果、受光面側にわずかな気泡残りが発生した。
[比較例1]
実施例1において、真空ラミネーターにセットする際に、被ラミネート体1の上下には上記本多産業製ファブリックシート「HGS−M590」のみを積層し、スポンジシートを積層しない状態で行ったほかは、実施例1と同様に行った結果、受光面及び裏面側に気泡残りが大量に発生した。
なお、封止評価においては、上記実施例及び比較例で得られた太陽電池モジュールの透明パネル(受光面側)及びパネル(裏面側)を外側から目視で観察し、それぞれの面の面積全体におけるボイド(隙間)によって生じた未封止部分の面積の割合が、1%未満である状態を「○」、1%以上5%未満である状態を「△」、及び5%以上である状態を「×」と判定した。
Figure 0006512113
1 受光面パネル(透明パネル)
2 裏面パネル又はバックシート
3 太陽電池素子マトリックス
4 熱可塑性シート(封止材)
5 被ラミネート体
6 ガラスクロスシート
7 真空ラミネーター装置内のホットプレート
8 真空ラミネーター装置内のダイヤフラム
9 熱硬化性シート(封止材)
10 スポンジシート
11 バックシート
12 隙間
a 第1積層体
b 第2積層体

Claims (6)

  1. 透明パネルと裏面パネルの間又は透明パネルとバックシートの間に介装された複数の太陽電池素子がマトリックス状に配置されて互いに電気接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して、太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
    (i)上記透明パネルの一面に熱硬化性シートを貼り付けて第1積層体を用意する工程と、
    (ii)上記裏面パネル又はバックシートの一面に熱硬化性シートを貼り付けて第2積層体を用意する工程と、
    (iii)上記第1積層体と第2積層体とを互いの熱硬化性シートを対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置して積層体を形成する工程と、
    (vi)加熱したホットプレート上にスポンジシートを配置し、その上に透明パネル側を下にして(iii)の積層体を配置して該積層体の透明パネル全面にスポンジシートをさらに積層した上で、真空下でホットプレートの熱をスポンジシートを介して積層体に伝えることにより該積層体を加熱すると共に押圧して、上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と
    を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 上記工程(vi)が、ホットプレート及びダイヤフラムを備え、加熱したホットプレート上に被ラミネート体を配置して減圧した後、ホットプレートからの熱で被ラミネート体を加熱しながらダイヤフラムにより押圧して被ラミネート体中の封止材料により封止を行う真空ラミネーター装置において、加熱したホットプレート上に上記スポンジシートを配置し、その上に透明パネル側を下にして(iii)の積層体をさらに積層した状態で2〜10分間減圧した後に、真空下で該積層体をホットプレート側からスポンジシートを介して加熱しながらダイヤフラムにより10〜40分間押圧して上記太陽電池素子マトリックスを封止するものである請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. (iii)の積層体の裏面パネル又はバックシート側にもスポンジシートを積層するようにした請求項又は2記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 熱硬化性シートが未加硫のシリコーンゴムシートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 上記工程(vi)において、スポンジシートの厚みが3〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 上記工程(vi)の加熱温度が80〜180℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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