JP2016000635A - 保護フィルム剥離補助具、保護フィルム剥離方法及び太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

保護フィルム剥離補助具、保護フィルム剥離方法及び太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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智欣 降籏
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淳一 塚田
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厚雄 伊藤
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Hiroto Owada
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Abstract

【課題】粘着性ゴムシート表面に貼り付けられた保護フィルムを手作業で簡便、均一かつ該ゴムシートにダメージを与えることなく剥離することができる保護フィルム剥離補助具を提供する。【解決手段】ベース板部11bとベース板部11bの先端下部に一体に突設され、板幅が保護フィルムの幅以上であってその先端部がゴムシートから剥離した保護フィルムに当接して該保護フィルムを折り返す案内板部11aとを有し、積層シートの剥離対象の保護フィルム上に摺動可能に載置される剥離板11と、剥離板11の両側にそれぞれ固定された側板13と、案内板部11aの先端部から所定距離だけ内側に入った位置の案内板部11aの上方で、両側板13,13間に回転可能に配設され、ゴムシートから剥離して折り返された保護フィルムに上から当接し、引張り出される該保護フィルムと共に回転して保護フィルムをベース板部11b上方に案内するガイドローラ12とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、保護フィルム剥離補助具及び太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に粘着性シリコーンゴムシート表面を保護するために貼り付けられた保護フィルムを手作業で簡便、均一かつ該シリコーンゴムシートにダメージを与えることなく剥離することができる保護フィルム剥離補助具及び該補助具を用いた保護フィルム剥離方法並びに太陽電池モジュールの製造方法に関する。
従来、特に粘着性シート表面あるいは粘着性フィルム表面を傷やゴミから保護するために用いられてきた保護フィルムを剥離する技術においては、液晶表示パネル表面の偏光板剥離技術の分野や偏光板表面を保護するフィルム剥離技術の分野において多く提案されている。
例えば、液晶表示パネル表面の偏光板剥離技術の分野においては、被着体から引き剥がされた粘着フィルムを挟み込むと同時に剥離方向に一定回転しながら粘着フィルムを巻き取って剥離する方法が特開平8−292433号公報(特許文献1)に提案され、被着体の被着面に対し90度より大きい角度を保って剥離する方法が特開2008−209530号公報(特許文献2)に提案されている。しかしながら、いずれも装置が大掛かりであり簡便性がなかったり、被着体が可撓性のある基板である場合には上手く引き剥がせなかったりする可能性がある。
また、偏光板表面を保護するフィルム剥離技術の分野においては、棒状の剥離ローラを用いて剥離する方法が特開平9−114384号公報(特許文献3)に提案され、接着テープを介してローラを保護フィルムに押し付けて回転させることによって剥離する方法が特許第4771729号公報(特許文献4)に提案されている。しかしながら、これらの場合も装置が大掛かりであり簡便性がなかったり、被着体が可撓性のある基板である場合には上手く引き剥がせなかったりする可能性がある。
一方、液晶関連分野以外では、太陽電池の製造技術分野において、太陽電池モジュールのラミネート時に封止材から剥離シートを引き剥がす構成のラミネート装置が特許第5201441号公報(特許文献5)で提案されているが、この場合も装置が大掛かりであり簡便性がなかったり、被着体が可撓性のある基板である場合には上手く引き剥がせなかったりする可能性がある。また同じく太陽電池モジュールの製造時に、リワークの作業としてバックシートをガイド部材の曲面部に這わせて剥離する装置が実用新案登録第3181776号公報(特許文献6)に提案されているが、簡便な保護フィルム剥離補助具には適用できない可能性があり、またガイド部材の曲面部の幅が太陽電池モジュールの幅と同等である場合には、保護フィルムを剥がす方向を変えることができず上手く剥がせない可能性がある。
特開平8−292433号公報 特開2008−209530号公報 特開平9−114384号公報 特許第4771729号公報 特許第5201441号公報 実用新案登録第3181776号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、粘着性のゴムシート表面を保護するために貼り付けられた保護フィルムを手作業で簡便、均一かつ該ゴムシートにダメージを与えることなく剥離することができる保護フィルム剥離補助具、保護フィルム剥離方法及び太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記の保護フィルム剥離補助具、保護フィルム剥離方法及び太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
〔1〕 粘着性のゴムシートの一方の面に基材が貼り付けられ、他方の面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートから保護フィルムを手作業で剥離するための保護フィルム剥離補助具において、
ベース板部と該ベース板部の先端下部に一体に突設され、板幅が保護フィルムの幅以上であってその先端部がゴムシートから剥離した保護フィルムに当接して該保護フィルムを折り返す案内板部とを有し、積層シートの剥離対象の保護フィルム上に摺動可能に載置される剥離板と、剥離板の両側にそれぞれ固定された側板と、上記案内板部の先端部から所定距離だけ内側に入った位置の案内板部の上方で、上記両側板間に回転可能に配設され、ゴムシートから剥離して折り返された保護フィルムに上から当接し、引張り出される該保護フィルムと共に回転して保護フィルムをベース板部上方に案内するガイドローラとを備える保護フィルム剥離補助具。
〔2〕 上記ガイドローラが保護フィルムの剥離角度を150〜180°の範囲で規定することを特徴とする〔1〕記載の保護フィルム剥離補助具。
〔3〕 上記ガイドローラは、保護フィルムの排出方向にのみ回転可能である〔1〕又は〔2〕記載の保護フィルム剥離補助具。
〔4〕 粘着性のゴムシートの一方の面に基材が貼り付けられ、他方の面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートを保護フィルムを上に向けて平面上に載置し、該保護フィルム上に〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の保護フィルム剥離補助具を載置した状態で積層シートの端から保護フィルムを剥離させ、剥離した保護フィルムを案内板部の先端部で折り返した後にガイドローラの下をくぐらせておき、このガイドローラ下をくぐらせた剥離した保護フィルムを斜め上方に引張ると共に、上記保護フィルム剥離補助具をその自重で積層シートを押さえながら保護フィルム上を滑らせて保護フィルムの引張り方向の水平成分方向に移動させることにより連続的に保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離方法。
〔5〕 最初に積層シートのいずれかの角部付近で該積層シートの長辺及び短辺と剥離板の幅方向とが交差するように保護フィルム剥離補助具を斜めに載置しておき、積層シートのこの角部から保護フィルムの剥離を開始することを特徴とする〔4〕記載の保護フィルム剥離方法。
〔6〕 2枚のパネルの間に複数の太陽電池素子がマトリックス状に配置され互いに電気接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(工程1)ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの両面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートを2枚用意する工程と、
(工程2)〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の保護フィルム剥離補助具を用いて上記2枚の積層シートそれぞれについて一方の保護フィルムを剥離し、2枚のパネルそれぞれの片面に該シリコーンゴムシートを貼り付けて2つの積層体を得る工程と、
(工程3)上記2つの積層体それぞれについて他方の保護フィルムを剥離した後、該2つの積層体を互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置し、その状態で減圧し、上記2つの積層体を加熱しながら押圧してシリコーンゴムシートを硬化させて上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と
を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔7〕 上記保護フィルムは、ポリエチレン又はポリエステルからなるフィルムであることを特徴とする〔6〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔8〕 更に、上記工程3において上記積層体から他方の保護フィルムを剥離するときに、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の保護フィルム剥離補助具を用いることを特徴とする〔6〕又は〔7〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明の保護フィルム剥離補助具及び保護フィルム剥離方法によれば、新たに大掛かりな装置を導入することなく、手作業で簡便に、粘着性のゴムシート表面を保護するために貼り付けられた保護フィルムを、均一かつ該ゴムシートにダメージを与えることなく剥離することができる。また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、この保護フィルム剥離補助具を用いるものであって、特に、太陽電池マトリックスの封止材として、例えば太陽電池素子9個を直列接続した太陽電池ストリングを4列並列配置して直列接続したもの(36直)以上の大きさの太陽電池マトリックスに対応した大判の粘着性のあるシリコーンゴムシートを用いる場合、このシリコーンゴムシートの保護や取り扱い性改善のためにその両面に保護フィルムを貼り付けて積層シートとするが、この積層シートから保護フィルムを剥離する際の保護フィルム剥離補助具として用いて誰でも簡単に1人ないし2人で保護フィルム剥離作業を行うことを実現する。
本発明に係る保護フィルム剥離補助具の構成を示す斜視図である。 本発明に係る保護フィルム剥離補助具の構成を示す断面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて積層シートの保護フィルムを剥離する様子を示す断面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて積層シートの保護フィルムを剥離する様子(1)を示す上面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて積層シートの保護フィルムを剥離する様子(2)を示す上面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて積層シートの保護フィルムを剥離する様子(3)を示す上面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて積層シートの保護フィルムを剥離する様子(4)を示す上面図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法で用いる積層シートの構成例を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法で用いる積層体の構成例を示す断面図である。 図1の保護フィルム剥離補助具を用いて図9の積層体の保護フィルムを剥離する様子を示す断面図である。 太陽電池モジュール構成部材の積層配置の状態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法において真空ラミネータ装置のラミネート処理により太陽電池素子マトリックスを樹脂封止した状態を示す断面図である。 実施例1で用いた保護フィルム剥離補助具の構成を示す断面図である。 実施例2で用いた保護フィルム剥離補助具の構成を示す断面図である。 比較例2で用いた保護フィルム剥離補助具の構成を示す断面図である。
[保護フィルム剥離補助具]
以下に、本発明に係る保護フィルム剥離補助具の好適な態様について説明する。
本発明に係る保護フィルム剥離補助具は、粘着性のゴムシートの一方の面に基材が貼り付けられ、他方の面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートから保護フィルムを手作業で剥離するための保護フィルム剥離補助具である。図1、図2にその構成例を示す。
保護フィルム剥離補助具10は、積層シートを押さえる重しとなる厚さt1のベース板部11bと該ベース板部11bの先端下部に一体に突設され、ベース板部11bよりも薄く(t2<t1)、板幅Wが保護フィルムの幅以上、長さL1が30〜50mmであって、その先端部がゴムシートから剥離した保護フィルムに当接して該保護フィルムを折り返す案内板部11aとを有し、積層シートの剥離対象の保護フィルム上に摺動可能に載置され自重で積層シートを押さえる剥離板11と、剥離板11の両側にそれぞれ固定された側板13と、上記案内板部11aの先端部から所定距離pだけ内側に入った位置の案内板部11aの上方で、両側板13,13間に回転可能に配設され、ゴムシートから剥離して折り返された保護フィルムに上から当接し引張り出される剥離した保護フィルムと共に回転して該保護フィルムをベース板部11b上方に案内するガイドローラ12とを備える。また、側板13は、剥離し折り返された保護フィルムを幅方向に外れることなくベース板部11b上方に適切に案内するものでもある。
ここで、底面11fは、案内板部11aの底面とベース板部11bの底面とからなる面であって剥離対象の保護フィルムに直接接する部分である。底面11fは、この保護フィルムを保護フィルム剥離補助具の重量で均一に押さえることができ、かつ保護フィルムを積層シートから剥離するのと同時に未剥離の保護フィルム上を保護フィルム剥離補助具10が滑らかに移動できるように、平坦かつ滑らかであることが好ましい。底面11fが平坦でないと、保護フィルムを押さえる荷重にムラができ、その結果、剥離しようとする保護フィルムに粘着性のゴムシートが付いてきてしまう部分が発生して上手く剥離できない場合がある。また底面11fが滑らかでないと、未剥離の保護フィルム上を滑らかに移動させることができず、その結果、ゴムシート上に溝跡のような状態となったストップマークが発生し、後述する太陽電池モジュールに適用する場合には封止樹脂の透明性を劣化させる可能性がある。
また、剥離板11は自重により積層シートを2〜6gf/cm2(1.96〜5.88N/mm2)の荷重(押し圧)で押さえることが好ましく、3〜5gf/cm2(2.94〜4.93N/mm2)の荷重(押し圧)で押さえることがより好ましい。本発明の保護フィルム剥離補助具10は、自重のみの押し圧で粘着性ゴムシート及び保護フィルムの積層シートを押さえており、そのため単位面積当たりの積層シートへの押し圧が2gf/cm2未満であると、保護フィルム剥離補助具10のみで上記積層シートを押さえることができない可能性があり、その結果として案内板部11aの先端部が当接する保護フィルムの折り返し部分で保護フィルム剥離補助具10が保護フィルム上に浮き上がってしまい保護フィルムを滑らかに引張ることができない可能性がある。一方、単位面積当たりの保護フィルムへの押し圧が6gf/cm2より大きいと、積層シートにおいて保護フィルムを介して粘着性ゴムシートを押し潰してしまう可能性があり、また剥離した保護フィルムを押し返して引張る際に大きな引張り力が必要となるため、保護フィルムの強度が十分でない場合は保護フィルムが破断してしまう可能性がある。
また、このような荷重を実現する上で、剥離板11はステンレスやスチールなどの比重が7.7から7.9の材料からなることが好ましい。
案内板部11aは、保護フィルムの剥離角度を規定するための部材である。また、案内板部11aにおいてガイドローラ12と対向する面は、剥離し折り返した保護フィルムが接触する場合があることから平滑であることが好ましい。この面が平滑でないと剥離した保護フィルムがこの面でスムーズに摺動せず、その結果、ゴムシート上にストップマークが発生するおそれがある。
案内板部11aの厚さt2は、1〜3mmであることが好ましい。厚さt2が1mm未満では案内板部11aの剛性が保てなくなるおそれがあり、3mm超では保護フィルムの剥離角度が確保できない場合がある。なお、この厚さ範囲内であれば厚さt2は一定であってもよいし、先端部11atからガイドローラ12側に徐々に厚くなるようにしてもよい。
案内板部11aの幅Wは、剥離する保護フィルムの幅以上とし、保護フィルムの幅より広くすると保護フィルム剥離補助具10をその幅方向が積層シートの長手方向に対して交差するように配置して保護フィルムを剥離することが可能となることから好ましい。例えば、太陽電池モジュールの製造に用いる場合には案内板部11aの幅Wを700〜1200mmとすることが好ましい。
案内板部11aの長さL1は、30〜50mmであることが好ましい。長さL1はガイドローラ12の配置位置となる先端部11atからの距離pと遊び空間14の広さとから決まる。
案内板部11aの先端部11atが先端R0.5〜1.0mmの曲面を有することが好ましい。先端Rが0.5mm未満では折り返される保護フィルムの曲率が大きくなりすぎて腰折れするおそれがあり、1.0mm超では保護フィルムの剥離角度が確保できない場合がある。
ベース板部11bは、保護フィルム剥離補助具10の重量の大部分を占めるものであり、その厚さt1は例えば5〜10mmである。また、ベース板部11bの幅は案内板部11aの幅と同じであることが好ましい。
また、ベース板部11bの保護フィルムとの接触面側であって保護フィルムを剥離するときの保護フィルム剥離補助具10の移動方向前方となる角部11btに、半径0.5mm以上のアール(曲面)を設けることが好ましい。これにより、保護フィルム剥離補助具10を保護フィルム上でより滑らかに移動させることができる。
ガイドローラ12は、図3に示すように、積層シート210のゴムシート21から剥離して折り返された保護フィルム21hに上から当接して該保護フィルムの剥離角度θを150〜180°の範囲で、好ましくは160〜180°の範囲で規定するものである。ここで、人手による引張りによって保護フィルムの引張り角度がずれたとしても、保護フィルムの折り返し部分、即ち案内板部11aの上面又は先端部11atとガイドローラ12との位置関係によって保護フィルムの剥離角度θが常に一定となる。なお、剥離角度θが150°未満である場合には、保護フィルムが粘着性ゴムシートから剥離しないおそれがある。
ここでいう剥離角度θは、積層シートのゴムシート上面に対する先端部11atで折り返された保護フィルム上面とのなす角度である。剥離角度180°とは、両者の面が平行な関係にあることを意味する。
ガイドローラ12は、案内板部11aの0.5〜5mm上方の位置、即ち案内板部11aとの間の間隙gが0.5〜5mmとなるように配置されることが好ましく、0.5〜1.0mmとなるように配置されることがより好ましい。間隙gは剥離し折り返された保護フィルムを通す空間であり、間隙gが0.5mm未満であると、最初に剥離した保護フィルムを通しづらく、また5mm超であると保護フィルムの剥離角度θが小さくなるために結果として保護フィルムを粘着性ゴムシートから剥離できないおそれがある。なお、ガイドローラ12と案内板部11aの上面との間で積層シートを略ピンチするように間隙gを設定すると、保護フィルム剥離作業中に引張っている保護フィルムから作業者の手が離れて保護フィルムの引張りテンションがゆるんでしまっても積層シートからの剥離部分の剥離力が急に小さくなることを防ぐことになり、粘着性ゴムシートに顕著なストップマークが発生することを防ぐことが可能となり好ましい。
ガイドローラ12は、案内板部11aの先端部11atから10〜25mmの距離pだけ内側に入った位置の案内板部の上方に配置されることが好ましい。この距離pと間隙gとの関係で保護フィルムの剥離角度θが規定される。
また、ガイドローラ12のロール径は3mm以上7mm以下であることが好ましい。ロール径が3mm未満ではロールの材質にもよるが、保護フィルムを引張り出す時に保護フィルムからガイドローラ12に掛かる上向きの力でガイドローラ12への負荷が大きくなり、その結果としてガイドローラ12が曲がってしまう可能性がある。ロール径が7mm超では、案内板11aとガイドローラ12との間隙gが確保できなくなるおそれがある。
また、ガイドローラ12は、保護フィルムの排出方向にのみ回転可能であることが好適である。即ち、図2においてガイドローラ12が左回りのみに回転し右回りしない構造とすることによって一度剥離しガイドローラ12を通過した保護フィルムが逆戻りしないようにすることが好ましい。保護フィルム剥離補助具10は、人手により使用することを前提としているので保護フィルム剥離中に何らかの原因で手から引張っていた保護フィルムが離れてしまっても、積層シートからの剥離部分の剥離力が急に小さくなることを防ぐことになり、結果的に粘着性ゴムシートに顕著なストップマークが発生することを防ぐことが可能となる。
更に、ガイドローラ12の保護フィルム排出側の該ガイドローラ12と剥離板11との間に、引張りテンションのゆるんだ保護フィルムが滞留する遊び空間14を有することが好ましい。保護フィルムの剥離作業中に、引張って剥離している保護フィルムから作業者の手が離れた場合には保護フィルムは引張りテンションがゆるんでその引張り方向とは反対方向に戻ろうとするが、遊び空間14に保護フィルムが滞留し、積層シート側まで戻らないため、粘着性ゴムシートにストップマークが発生することを防止できる。
[保護フィルム剥離方法]
本発明に係る保護フィルム剥離方法は、上述した本発明の保護フィルム剥離補助具を用いる方法であって、図3に示すように、粘着性のゴムシート21の一方の面に基材(この場合、保護フィルム21h)が貼り付けられ、他方の面に保護フィルム21hが貼り付けられた積層シート210を剥離対象の保護フィルム21hを上に向けて平面上に載置し、該保護フィルム21h上に本発明の保護フィルム剥離補助具10を載置した状態で積層シート210の端の保護フィルム21hを剥離させ、剥離した保護フィルム21hを案内板部11aの先端部11atで折り返した後にガイドローラ12の下をくぐらせておき、このガイドローラ12下をくぐらせた剥離した保護フィルム21hを斜め上方(図中、矢印A方向)に引張ると共に、上記保護フィルム剥離補助具10をその自重で積層シート210を押さえながら保護フィルム21h上を滑らせて保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向(図中、矢印B方向)に移動させることにより連続的に保護フィルム21hを剥離することを特徴とするものである。
ここで、保護フィルムの剥離を始めるときに該保護フィルムの一辺全体から剥離しようとすると、保護フィルムの一辺全体をガイドローラの下をくぐらせなければならず作業効率が悪い。そこで、保護フィルムを剥離する手順として以下のように行うことが好ましい。
最初に、図4に示すように、積層シート210のいずれかの角部付近(図4では左下の角部)で該積層シート210の長辺及び短辺と剥離板11の幅方向が交差するように保護フィルム剥離補助具10を斜めに載置しておき、積層シート210のこの角部から保護フィルム21hの剥離を開始する。保護フィルム21hの1つの角の部分をガイドローラ12の下をくぐらせばよいので簡便に作業が行える。このとき、保護フィルム剥離補助具10の移動方向及び保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向は積層シート210の長辺及び短辺に対して角度45°となる方向(図4中、矢印方向)である。
この状態のまま、保護フィルム21hの剥離を行い、図5に示すように、積層シート210の剥離を開始した角部に隣接する角部まで保護フィルム21hを剥離すると、そこで保護フィルム21hの剥離を継続しながら、保護フィルム剥離補助具10を剥離板11の幅方向が積層シート210の短辺と平行で長辺と直交する関係となるまで回転させる(図5では右回転)。
次いで、保護フィルム剥離補助具10の剥離板11の幅方向が積層シート210の短辺と平行で長辺と直交する関係になると、図6に示すように、保護フィルム剥離補助具10の移動方向及び保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向を積層シート210の長手方向として保護フィルム21hの剥離を継続し、完了する。
なお、保護フィルム21hの剥離の残りが少なくなったときに、図7に示すように、保護フィルム21hの剥離を継続しながら、保護フィルム剥離補助具10を剥離板11の幅方向が積層シート210の短辺と交差するようになるまで回転させ(図7では左回転)、その後保護フィルム剥離補助具10の移動方向及び保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向を積層シート210の長手方向に対して斜め方向として、最終的に積層シート210の1つの角部の保護フィルム21を剥離するようにするときれいに剥離することができ好ましい。
以上のように、積層シート210の角部から保護フィルム21hを剥離することにより、より効果的に保護フィルム21hを剥離することができる。
以上のような構造の保護フィルム剥離補助具及び保護フィルム剥離方法によれば、新たに装置を導入することなく簡便に、粘着性ゴムシート表面を保護するために貼り付けられた保護フィルムを、均一かつ該粘着性ゴムシートにダメージを与えることなく剥離することができる。また、特に多品種の保護フィルム剥離作業に対応でき、また誰でも簡単に1人乃至2人で保護フィルム剥離作業を行うことができる。
[太陽電池モジュールの製造方法]
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、2枚のパネルの間に複数の太陽電池素子がマトリックス状に配置され互いに電気接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
(工程1)ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの両面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートを2枚用意する工程と、
(工程2)上述した本発明の保護フィルム剥離補助具を用いて上記2枚の積層シートそれぞれについて一方の保護フィルムを剥離し、2枚のパネルそれぞれの片面に該シリコーンゴムシートを貼り付けて2つの積層体を得る工程と、
(工程3)上記2つの積層体それぞれについて他方の保護フィルムを剥離した後、該2つの積層体を互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置し、その状態で減圧し、上記2つの積層体を加熱しながら押圧してシリコーンゴムシートを硬化させて上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と
を有することを特徴とするものである。
以下に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の好適な態様について説明する。
(工程1)積層シート準備工程
本工程では、図8に示すように、粘着性のゴムシート21、具体的にはミラブルタイプのシリコーン組成物からなる粘着性のある未加硫のシリコーンゴムシートを準備し、その両面に保護フィルム21hを貼り付けた積層シート210を2枚用意する。
未加硫のシリコーンゴムシートは以下に示すミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる。
即ち、(A)成分は下記平均組成式(I)で表される一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換した基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造がジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したものなどが好適である。
なお、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。これらの中でも特にトリビニルシロキシ基は反応性が高く、好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有することが必要である。通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%がアルケニル基であることが好ましい。なお、このアルケニル基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくはアルケニル基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)が好ましく、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着などの問題が生じ、ロール作業性が低下するおそれがある。なお、この重合度は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる(以下、同じ)。
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度が優れ、かつ透明性の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものである。
優れた機械的強度を持たせるためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。また、特に硬化後のシリコーンゴムとして波長300nm以下での優れた透明性を持たせるためには、比表面積200m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは250m2/g以上である。これにより、例えば上記シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートの全光線透過率が90%以上であり、かつヘイズ値が10以下となる。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。これらの中でも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10(トクヤマ社製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F(トクヤマ社製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜150質量部であり、好ましくは50〜120質量部であり、更に好ましくは70〜100質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、またシリコーンゴムコンパウンド硬化後の透明性が低下する。多すぎる場合にはシリコーンポリマー中へのシリカの分散が困難になると同時に加工性が悪くなり、また機械的強度も低下する。
(C)成分の硬化剤としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化反応触媒との組み合わせ、又は(b)有機過酸化物が好ましい。
上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の正数である。)
ここで、R2は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、一分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの等が挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。

(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計により測定することができる。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させる有効量であり、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と、架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化反応触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化反応触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(b)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎるとコスト的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
また、透明パネル及びパネル又はバックシートとの接着性を改善するために、常法によりシランカップリング剤を添加してもよい。
上記(A)、(B)及び(C)成分の所定量を、2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによってシリコーンゴム組成物を得る。
このようにして調製されたシリコーンゴム組成物の可塑度(JIS K6249に準ずる)は、150以上1,000以下、好ましくは200以上800以下、更に好ましくは250以上600以下である。可塑度が150より小さいとシートの粘着性が増大し、作業性に劣る場合がある。一方、可塑度が1,000を超えると、シート自体が脆くなるおそれがある。
更に、上記シリコーンゴム組成物は、カレンダー成形法、インジェクション法、プレス法などの常法によりシート化することができる。この際、シリコーンゴムシートの厚みは0.3mm以上2.0mm以下の厚みで成形するのが好ましく、0.3mm以上1.0mm以下がより好ましい。0.3mmより薄いとシートが柔らかいために次工程以降でシートが疵付く可能性があり、2.0mmより厚いと特にカレンダー成形方法では成形が困難となり、またコスト的にも劣る可能性がある。以上のようにして、粘着性があり表面が平坦な未加硫のシリコーンゴムシート21を得る。
このとき、シリコーンゴムシート21は粘着性を有することから太陽電池モジュールの大きさ(例えば、幅1m弱×長さ約1.6m)に対応したシリコーンゴムシート21をそのままの状態で扱うことは困難である。そこで、シリコーンゴムシート21の両面に保護フィルム21hを貼り付けてその取り扱いが容易となるようにする。
なお、保護フィルム21hは、シリコーンゴムシート21の疵付き防止、汚染防止及び粘着性の保持が可能で、かつシリコーンゴムシート21から容易に剥離可能であればどのようなフィルムでもよいが、例えば保護フィルムとして一般的に用いられているポリエチレン(PE)系のフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系のフィルム、表面処理したクラフト紙などの可撓性を有する平坦なフィルムを用いることができる。
保護フィルム21hの厚さは、50μm以上150μm以下であることが好ましく、80μm以上100μm以下であればより好ましい。保護フィルム21hの厚さが150μmより厚いと保護フィルム剥離補助具10において案内板部の先端部11atで150度以上の剥離角度となるように折り返すことができない可能性があり、その結果として保護フィルム21hが粘着性ゴムシートから剥離させることができない場合がある。一方、厚さが50μm未満では剥離するときの引張り力により伸びてしまう場合がある。
(工程2)積層体形成工程
本工程は、保護フィルム剥離工程とシリコーンゴムシート貼り付け工程からなる。
(工程2(1))保護フィルム剥離工程
工程1で用意した2枚の積層シート210それぞれについて、本発明の保護フィルム剥離補助具10を用いて一方の保護フィルム21hを剥離する。詳しくは、上述した本発明の保護フィルム剥離方法によって行うものであり、図3に示すように、積層シート210を剥離対象の保護フィルム21hを上に向けて平面上に載置し、該保護フィルム21h上に本発明の保護フィルム剥離補助具10を載置した状態で積層シート210の端の保護フィルム21hを剥離させ、剥離した保護フィルム21hを案内板部11aの先端部11atで折り返した後にガイドローラ12の下をくぐらせておき、このガイドローラ12下をくぐらせた剥離した保護フィルム21hを斜め上方(図中、矢印A方向)に引張ると共に、上記保護フィルム剥離補助具10をその自重で積層シート210を押さえながら保護フィルム21h上を滑らせて保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向(図中、矢印B方向)に移動させることにより手作業で連続的に保護フィルム21hを剥離するものである。積層シート210は、一方の面の保護フィルム21hが剥離されて、粘着性のゴムシート21の一方の面に基材(保護フィルム21h)が貼り付けられ、他方の面が露出した積層シート210’となる。
(工程2(2))シリコーンゴムシート貼り付け工程
本工程では、2枚のパネル22それぞれの片面に積層シート210’のシリコーンゴムシート露出面を貼り付けて、図9に示すようなパネル22、シリコーンゴムシート21、保護フィルム21hがこの順番で積層された積層体220を得る。
シリコーンゴムシートの貼り付け方法としては、例えばパネル22に、積層シート210’のシリコーンゴムシート露出面をパネル22に当てた状態で常法によりゴムローラ等で押圧してシリコーンゴムシート21を貼り付ける。あるいは圧着ローラを有するラミネータ装置を用いてもよい。いずれの方法でもよいが、パネル22とシリコーンゴムシート21とが隙間なく、即ち気泡を取り込むことなく密着した状態で貼り合わされるようにする。
ここで、2枚のパネル22のうち、一方は透明パネル22aであり、他方はパネル又はバックシート22bである。
透明パネルは、太陽光を入射させる側(受光面側)となる透明部材であり、受光面パネルともいわれるものであり、透明性、耐候性、耐衝撃性をはじめとして屋外使用において長期の信頼性能を有する部材が必要である。例えば白板強化ガラス、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はポリカーボネート樹脂等が挙げられ、特に厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラスが好ましい。
また、パネル又はバックシートは、透明パネルに対して対向して配置されるものであり、パネルとしては、太陽電池素子の温度を効率よく放熱することが求められ、材料として硝子材、合成樹脂材、金属材又はそれらの複合部材が挙げられる。硝子材の例としては、青板硝子、白板硝子又は強化硝子等が挙げられ、合成樹脂材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はエポキシ樹脂等が挙げられる。また金属材としては、銅、アルミニウム又は鉄等が挙げられ、複合部材としては、シリカをはじめ、酸化チタン、アルミナ、窒化アルミニウムなど高い熱伝導性を有する材料を担持した合成樹脂等が挙げられる。なお、このパネルが太陽光入射の反対面のパネルとなる場合、太陽光を入射させるパネルと共に透明性を有する部材を用いることにより、太陽光の直達光及び散乱光の一部を太陽光入射の反対面側に透過させることができ、例えば草原などに設置した場合、太陽電池モジュールの入射面と反対側の、つまり本来日陰となってしまう部分にも太陽光に一部が照射されることにより植物の生育を促し、家畜の放牧等にも利用できる。
バックシートとしては、例えばETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム等のフッ素樹脂フィルム、またアルミ箔やPETをPVFのシートで挟み込んだりした積層シートなどを用いることができる。
(工程3)太陽電池素子マトリックス封止工程
本工程は、積層体からの保護フィルム剥離工程と真空ラミネート処理工程とからなる。
(工程3(1))保護フィルム剥離工程
工程2で用意した2枚の積層体220それぞれについて、本発明の保護フィルム剥離補助具10を用いて他方の保護フィルム21hを剥離することが好ましい。詳しくは、上述した本発明の保護フィルム剥離方法によって行うものであり、図10に示すように、積層体220を剥離対象の保護フィルム21hを上に向けて平面上に載置し、該保護フィルム21h上に本発明の保護フィルム剥離補助具10を載置した状態で積層体220の端の保護フィルム21hを剥離させ、剥離した保護フィルム21hを案内板部11aの先端部11atで折り返した後にガイドローラ12の下をくぐらせておき、このガイドローラ12下をくぐらせた剥離した保護フィルム21hを斜め上方(図中、矢印A方向)に引張ると共に、上記保護フィルム剥離補助具10をその自重で積層体220を押さえながら保護フィルム21h上を滑らせて保護フィルム21hの引張り方向の水平成分方向(図中、矢印B方向)に移動させることにより手作業で連続的に保護フィルム21hを剥離する。
(工程3(2))真空ラミネート処理工程
次いで、上記のようにして得られた2つの積層体を互いのシリコーンゴムシート21を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックス23を配置して積層する(図11)。即ち、透明パネル22a、シリコーンゴムシート21、太陽電池素子マトリックス23、シリコーンゴムシート21、パネル又はバックシート22bをこの順番で積層配置している。
上記のように太陽電池モジュール構成部材を積層配置したものについて、真空ラミネータ装置(不図示)を用いて真空下で加熱しながら押圧してシリコーンゴムシートを硬化させて上記太陽電池素子マトリックスを封止する。
ここで、太陽電池素子は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン材料(シリコン基板)を用いて作製された太陽電池セルである。また、太陽電池素子マトリックス23は、複数の太陽電池セルを縦横二次元方向それぞれに複数枚配置される状態(マトリックス状)に配置し、互いに電気接続したものである。通常2〜12個の太陽電池セルが互いにタブ線等のインターコネクタで電気的に直列に接続された直線状の太陽電池素子ストリングを複数用意し、これら(太陽電池素子ストリングス)を平行に配列し、その太陽電池素子ストリング同士を直列接続して太陽電池素子マトリックス23を構成している。この太陽電池素子マトリックス23は通常4〜60個の太陽電池素子から構成される。なお、太陽電池素子が両面受光型の場合、透明パネル22aだけでなく、透明パネル22aに対向配置されるパネル又はバックシート22bも透明なものとする。
また、真空ラミネータ装置としては、柔軟な膜体で仕切られた、隣接する2つの減圧槽を有する汎用の太陽電池モジュール作製用のラミネータ装置を採用できる。
この場合、例えば一方の減圧槽内に、図11に示すように透明パネル22a及びバックシート22b等の太陽電池モジュール構成部材を仮積層した状態でセットして2つの減圧槽を減圧し、略真空状態にする。ここで、未加硫のシリコーンゴムシート21の表面にエンボス加工を施して凹凸を形成しておくと、効率的に太陽電池素子マトリックスとの間、シリコーンゴムシート同士の間を脱気でき好ましい。このときの減圧状態(真空度)の程度は、この後の圧縮時に各積層間の隙間が気泡として残らず、完全に埋まる程度とすればよい。次いで、仮積層された透明パネル22a及びバックシート22b等の太陽電池モジュールの構成部材がセットされた減圧槽内の減圧状態を維持したまま、他方の減圧槽の減圧を開放し、常圧とし又は加圧して膜体で透明パネル22a及びバックシート22bをその板厚方向に圧縮するようにする。このとき、上記のように各積層間が脱気されているので、その空間がシリコーンゴムにより隙間なく埋められるようになる。このとき、透明パネル22a及びバックシート22bを70〜150℃、好ましくは90〜130℃、更に好ましくは110〜120℃に加熱しながら、1〜30分間押圧すると、二枚の未加硫のシリコーンゴムシート21同士が融着すると共に硬化し、更に太陽電池素子マトリックス23、透明パネル22a及びバックシート22bに固着するようになる。即ち、太陽電池素子マトリックス23が透明パネル22a及びバックシート22bの間で上記シリコーンゴム組成物の硬化物である封止材21sで封止された状態となる(図12)。これにより、封止材21sで密封するようになり、太陽電池モジュールの端面からの水分等のガスの浸入を防止でき、耐久性の高い太陽電池モジュールを実現できる。
このとき、70℃より加熱温度が低いと、シリコーンゴムシート21の加硫反応が完全には進まない可能性があり、150℃より温度が高いと、加硫反応速度が大きくなり、シリコーンゴムシート21の硬化が早くなり封止が完全にはできなくなり、透明パネル22aやパネル又はバックシート22bとの間に空隙ができてしまう可能性がある。
最後に、封止後の透明パネル及びパネル又はバックシートの外周端部(額縁端部)にフレーム部材を装着して、太陽電池モジュールを完成する。
フレーム部材は、衝撃、風圧又は積雪に対する強度が優れ、耐候性を有し、かつ軽量であるアルミニウム合金、ステンレス鋼等からなるものが好ましい。これらの材料で成形したフレーム部材が太陽電池素子を狭持したパネルの外周を囲うように装着され、ねじ等により固定される。
以上のように製造された太陽電池モジュールは、太陽電池素子マトリックスがシリコーンゴム硬化物を介して平坦な透明パネル及びパネル又はバックシートに保持されるようになるため、高効率で長期信頼性を有するものとなる。また、本発明によれば、このような高性能の太陽電池モジュールの量産が容易となる。
以下、実施例、比較例及び参考例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
本発明の保護フィルム剥離補助具10として、図13に示す構成の保護フィルム剥離補助具をステンレスで作製した。各部位の寸法は次の通りとした。
・剥離板11;
・・長さL:70mm
・案内板部11a;
・・幅W:100cm
・・先端部11atの厚さt2:2mm
・・長さL1:40mm
・ベース板部11b;
・・厚さt1:6mm
・ガイドローラ12;
・・直径:4mm
・・先端部11atからの距離p:20mm
・・案内板部11aとの間の間隙g:1mm
・・従動方向:保護フィルム排出方向のみ(図13において右回転のみ)
・保護フィルムの剥離角度:170°
これにより、保護フィルムとの接触面(底面11f)において、保護フィルム剥離補助具の自重による保護フィルムへの荷重は単位面積当たり3.1gf/cm2(3.04N/mm2)となった。
次に、粘着性を有するシリコーンゴムシート(厚さ1.0mm×縦42cm×横100cm)の両面に同じサイズの保護フィルムとして厚さ100μmのポリエチレン製フィルムを貼った積層シートを準備し、真空チャックテーブル上に配置した後、上記保護フィルム剥離補助具を用いて手作業で片面の保護フィルムを剥離した。
剥離作業は、図4に示すように、積層シート210の保護フィルム21h上に保護フィルム剥離補助具10を配置し、保護フィルム21hの角を保護フィルム剥離補助具10のガイドロール12下を通した後、両手で図4に示すように積層シート210の長辺に対して45度となる角度で保護フィルム21hを剥離し、図5に示すように積層シート210の隣接する角の部分まで剥離し、そこで保護フィルム剥離補助具10の剥離方向の角度を変えながら、保護フィルム剥離補助部10の幅方向が積層シート210の剥離開始の角と上記隣接する角を含む辺(短辺)と平行になるように保護フィルム剥離補助具10を動かした後、更に図6に示すように保護フィルム剥離補助具10を保護フィルム21hの剥離を継続しながら積層シート210の長手方向に移動し、最後に図7に示すように、保護フィルム剥離補助具の剥離方向の角度を変えて剥離を行なった。その結果、粘着性シリコーンゴムシートを潰すことなく保護フィルム21hを剥離することができ、また保護フィルム剥離補助具10の剥離方向を変えたり、更に保護フィルム剥離補助具10の移動を停止し一時的に保護フィルム21hの剥離スピードが0になったりしたが、シリコーンゴムシートにストップマークをつけることもなく保護フィルム21を剥離できた。なお、平均の剥離スピードは2.0cm/secであった。
また、剥離力測定器(株式会社イマダ製フォースゲージZTS-500N)を積層シート210の保護フィルム21hにセットしてこの測定器を介して同様に剥離する過程でその剥離力を測定したところ6.5Nから9.2Nの剥離力値を示した。
[実施例2]
本発明の保護フィルム剥離補助具10として、図14に示す構成の保護フィルム剥離補助具をステンレスで作製した。各部位の寸法は次の通りとした。
・剥離板11;
・・長さL:60mm
・案内板部11a;
・・幅W:100cm
・・先端部11atの厚さt2:2mm
・・長さL1:40mm
・ベース板部11b;
・・厚さt1:10mm
・ガイドローラ12;
・・直径:5mm
・・先端部11atからの距離p:20mm
・・案内板部11aとの間の間隙g:1mm
・・従動方向:保護フィルム排出方向のみ(図14において右回転のみ)
・保護フィルムの剥離角度:170°
これにより、保護フィルムとの接触面(底面11f)において、保護フィルム剥離補助具の自重による保護フィルムへの荷重は単位面積当たり4.4gf/cm2(4.31N/mm2)となった。
次に、保護フィルム21hを厚さ120μmのポリエチレン製フィルムとした以外は実施例1と同じ構成とした積層シート210について、上記条件の保護フィルム剥離補助具10を用いてそれ以外は実施例1と同様に保護フィルムの剥離作業を行ったところ、粘着性シリコーンゴムシートを潰すことなく、かつストップマークをつけることなく保護フィルム21hを剥離することができた。
また、積層シート210における保護フィルム21hの剥離力を測定したところ、9.3Nから14.5Nの剥離力値を示した。
[実施例3]
実施例2において、保護フィルム剥離補助具10及び積層シート210は実施例2と同じものを用い、剥離方法として、積層シート210の角部から剥離するのではなくて短辺側全体から保護フィルム21hの剥離を開始し、そのまま積層シート210の長手方向に保護フィルム剥離補助具10に移動させながら保護フィルム21hの剥離作業を行った。その結果、粘着性シリコーンゴムシートを潰すことなく、かつストップマークをつけることなく保護フィルム21hを剥離することができた。
なお、最初に短辺側の保護フィルム21hを剥離するのに時間を要したため、平均の剥離スピードは0.6cm/secとなり、実施例2の場合と比較して約4倍の時間を要した。
また、このときの積層シート210における保護フィルム21hの剥離力を測定したところ13.1Nから14.5Nの剥離力値を示した。
[比較例1]
実施例1において、ガイドロール12を固定して回転しないようにした他は、実施例1で用いた保護フィルム剥離補助具を用い、同様に積層シートの剥離作業をおこなった結果、図5のように保護フィルム剥離補助具10の剥離方向の角度を変えるところで一時的に剥離スピードが0になった時に剥離した保護フィルム21hが積層シート210側に戻ったため、シリコーンゴムシートにストップマークが発生した。
また、このときの積層シート210における保護フィルムの剥離力を測定したところ7.0Nから12.4Nの剥離力値を示した。
[比較例2]
比較例の保護フィルム剥離補助具として、図15に示す構成の保護フィルム剥離補助具をステンレスで作製した。即ち、この保護フィルム剥離補助具は、本発明の保護フィルム剥離補助具10のような案内板部11a及びガイドロール12を有さず、厚さ6mm、長さ38mm、幅100cmの板状の部材であって、剥離した保護フィルムと当接する先端部が該保護フィルムの剥離角度が143°になるような傾斜を有するものである。
これにより、保護フィルムとの接触面において、保護フィルム剥離補助具の自重による保護フィルムへの荷重は単位面積当たり4.2gf/cm2(4.12N/mm2)となった。
次に、実施例1と同じ構成の積層シート210について、上記条件の保護フィルム剥離補助具を用いてそれ以外は実施例1と同様に保護フィルムの剥離作業を行ったところ、剥離した保護フィルムの折り返し部分で保護フィルムにシリコーンゴムシートがまとわり付いてしまい上手く剥離できなかった。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10 保護フィルム剥離補助具
11 剥離板
11a 案内板部
11at 先端部
11b ベース板部
11bt 角部
12 ガイドローラ
13 側板
14 遊び空間
15 側板との止めねじ
21 シリコーンゴムシート(ゴムシート)
21h 保護フィルム
21s 封止材
22 パネル
22a 透明パネル
22b パネル又はバックシート
23 太陽電池素子マトリックス
210、210’ 積層シート
220 積層体

Claims (8)

  1. 粘着性のゴムシートの一方の面に基材が貼り付けられ、他方の面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートから保護フィルムを手作業で剥離するための保護フィルム剥離補助具において、
    ベース板部と該ベース板部の先端下部に一体に突設され、板幅が保護フィルムの幅以上であってその先端部がゴムシートから剥離した保護フィルムに当接して該保護フィルムを折り返す案内板部とを有し、積層シートの剥離対象の保護フィルム上に摺動可能に載置される剥離板と、剥離板の両側にそれぞれ固定された側板と、上記案内板部の先端部から所定距離だけ内側に入った位置の案内板部の上方で、上記両側板間に回転可能に配設され、ゴムシートから剥離して折り返された保護フィルムに上から当接し、引張り出される該保護フィルムと共に回転して保護フィルムをベース板部上方に案内するガイドローラとを備える保護フィルム剥離補助具。
  2. 上記ガイドローラが保護フィルムの剥離角度を150〜180°の範囲で規定することを特徴とする請求項1記載の保護フィルム剥離補助具。
  3. 上記ガイドローラは、保護フィルムの排出方向にのみ回転可能である請求項1又は2記載の保護フィルム剥離補助具。
  4. 粘着性のゴムシートの一方の面に基材が貼り付けられ、他方の面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートを保護フィルムを上に向けて平面上に載置し、該保護フィルム上に請求項1〜3のいずれか1項記載の保護フィルム剥離補助具を載置した状態で積層シートの端から保護フィルムを剥離させ、剥離した保護フィルムを案内板部の先端部で折り返した後にガイドローラの下をくぐらせておき、このガイドローラ下をくぐらせた剥離した保護フィルムを斜め上方に引張ると共に、上記保護フィルム剥離補助具をその自重で積層シートを押さえながら保護フィルム上を滑らせて保護フィルムの引張り方向の水平成分方向に移動させることにより連続的に保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離方法。
  5. 最初に積層シートのいずれかの角部付近で該積層シートの長辺及び短辺と剥離板の幅方向とが交差するように保護フィルム剥離補助具を斜めに載置しておき、積層シートのこの角部から保護フィルムの剥離を開始することを特徴とする請求項4記載の保護フィルム剥離方法。
  6. 2枚のパネルの間に複数の太陽電池素子がマトリックス状に配置され互いに電気接続されてなる太陽電池素子マトリックスを樹脂封止して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法において、
    (工程1)ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴムシートの両面に保護フィルムが貼り付けられた積層シートを2枚用意する工程と、
    (工程2)請求項1〜3のいずれか1項記載の保護フィルム剥離補助具を用いて上記2枚の積層シートそれぞれについて一方の保護フィルムを剥離し、2枚のパネルそれぞれの片面に該シリコーンゴムシートを貼り付けて2つの積層体を得る工程と、
    (工程3)上記2つの積層体それぞれについて他方の保護フィルムを剥離した後、該2つの積層体を互いのシリコーンゴムシート面を対向させて配置すると共に、その間に太陽電池素子マトリックスを配置し、その状態で減圧し、上記2つの積層体を加熱しながら押圧してシリコーンゴムシートを硬化させて上記太陽電池素子マトリックスを封止する工程と
    を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 上記保護フィルムは、ポリエチレン又はポリエステルからなるフィルムであることを特徴とする請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 更に、上記工程3において上記積層体から他方の保護フィルムを剥離するときに、請求項1〜3のいずれか1項記載の保護フィルム剥離補助具を用いることを特徴とする請求項6又は7記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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