JP2009162940A - 表示モジュール及び/又は光学部材の剥離方法 - Google Patents

表示モジュール及び/又は光学部材の剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示モジュールと保護透明板等の光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部や、2枚の光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部を有する、フラットパネルディスプレイ用の複合部材から、表示モジュール、光学部材等を再利用可能な状態に剥離する方法を提供する。
【解決手段】表示モジュールと光学部材がポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化した第1接着積層部、及び/又は、第2接着積層部を有するフラットパネルディスプレイ用の複合部材における当該第1接着積層部及び第2接着積層部の各々について、複合部材の側面から、透明粘着シート層の厚みよりも線径が小さい高弾性線材を透明粘着シート層内に挿入し、該線材を該透明粘着シート層内を複合部材の全域に亘って移動させることで、表示モジュール又は/及び光学部材を剥離する。
【選択図】なし

Description

本発明はフラットパネルディスプレイ用の複合部材から表示モジュール及び/又は光学部材を再利用可能に剥離する方法に関する。
従来から、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイでは、何らかの衝撃が加わった場合に、その衝撃が表示パネルや表示モジュールに伝わらないように、表示モジュールを保護するアクリル板やガラス板等の透明板を含む保護パネルと、表示モジュールとは、一定の間隙を介して設けられている。
しかしながら、通常、この間隙は、空気層であるため、表示モジュールや保護パネルを構成する材料と空気層との屈折率の差に起因する光の反射損失が大きくなり、良好な視認性が得られないという問題点を有している。
そこで、例えば、液晶表示装置において、液晶表示モジュールと保護パネルの隙間(空気層)を無くすために、特定の可塑度を有するポリオルガノシロキサン組成物からなる粘着剤(シリコーン系粘着剤)を液晶モジュールと保護パネルの間に充填した液晶表示装置が提案されている(特許文献1)。また、同様の目的で、アクリル系粘着剤からなる透明粘着シート(例えば、アクリル酸エステル共重合体をエポキシ系、イソシアネート系、メラミン系あるいは金属化合物系の架橋剤で架橋させたものや紫外線硬化型のアクリル系粘着剤等をシート状に加工したもの)を介して液晶パネルに保護用の透明板を貼り合せて、液晶表示モジュールと透明板を密着一体化する技術が知られている(例えば、特許文献2等)。
しかしながら、上記特許文献1、2のように、表示モジュールに透明粘着シートを介して保護透明板を貼り合わせる場合、表示モジュールと保護透明板とはズレがないように貼り合わせる必要があるが、貼り合わせミスを完全に無くすことはできず、貼り合わせミスがあった場合、上記のシリコーン系やアクリル系の透明粘着シートは透明板や液晶パネルに一旦接着すると、剥離することが困難なため、高価な表示モジュール(表示パネル)を廃棄しなければならないという問題があった。
そこで、本願の出願人は、貼り合わせのやり直しができる再剥離性に優れる透明粘着シートとして、ポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを提案した(特願2007−112194)。かかるポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートは、接着対象物(被接着部材)に対して比較的高い接着力で接着し得るとともに、接着対象物(被接着部材)から容易に再剥離できる再剥離性を有している。従って、かかる透明粘着シートによって、貼り合わせミスをしたときの、表示モジュール(表示パネル)の廃棄を回避できるようになった。
特開2004−212521号公報 特開2002−348546号公報
ところが、フラットパネルディスプレイを含む種々の表示機器は、近時、目覚ましいスピードで薄型化が進んでおり、それに搭載される表示モジュール(表示パネル)やそれを保護する保護透明板の厚みもより薄くすることが必要になってきている。例えば、携帯電話機、携帯ゲーム機、カーナビゲーションシステム等の小型の機器に組み込まれる小サイズの表示モジュール(表示パネル)やそれを保護する保護透明板の場合、ガラス部材においては1.0mmよりもさらに薄い厚みのものが検討されている。しかし、このような厚みが1.0mm未満の薄い厚みのガラス部材を用いた表示モジュール(表示パネル)や保護透明板に上述のポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを貼り付け後、再剥離すると、表示モジュール(表示パネル)や保護透明板のガラス部材が破損するという問題を発生した。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は、表示パネルや表示モジュールと保護透明板等の光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部や、2枚の光学部材(例えば、タッチパネルと保護透明板)が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部を有するフラットパネルディスプレイ用の複合部材から、表示パネル、表示モジュール、光学部材等を再利用可能な状態に剥離する方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、表示モジュールと保護透明板のような2枚の薄層部材をポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化している複合部材の透明粘着シート層に高い弾性率の線材を挿入して移動させると、当該透明粘着シート層を境界にして2枚の薄層部材が剥離し、しかも、剥離(線材の移動)がスムーズになされることから、破損や破断を生じさせることなく薄層部材を剥離することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)表示モジュールと光学部材がポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化した第1接着積層部、及び/又は、2枚の光学部材がポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化した第2接着積層部を有するフラットパネルディスプレイ用複合部材の、該第1接着積層部及び/又は第2接着積層部に対して、該複合部材の側面から、透明粘着シート層の厚みよりも線径が小さい高弾性線材を透明粘着シート層内に挿入し、該線材を該透明粘着シート層内を複合部材の全域に亘って移動させることにより、表示モジュール又は光学部材を剥離することを特徴とする、フラットパネルディスプレイ用複合部材から表示モジュール及び/又は光学部材を再利用可能に剥離する方法、
(2)高弾性線材が弾性率が5GPa以上の線材である、上記(1)記載の方法、
(3)剥離後の表示モジュール及び/又は光学部材の表面に付着している透明粘着シートの残存物を溶剤で洗浄除去する、上記(1)又は(2)記載の方法、及び
(4)ポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートが下記A〜C成分を含む組成物の硬化物よりなる透明粘着シートである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法、
A:1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
B:1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を有する化合物
C:ヒドロシリル化触媒
に関する。
なお、本発明でいう、「フラットパネルディスプレイ」とは、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機又は無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、表面電解ディスプレイ(SED)等を含む概念である。また、表示モジュールは、通常、表示パネルにドライバIC等を実装したもの意味するが、本発明では「表示モジュール」は「表示パネルのみ」も含む概念である。また、「光学部材」とは、保護透明板(ガラス板、透明プラチック板)、タッチパネル(透明電極を有するガラス板/接着層/透明電極を有するガラス板からなるパネル体)、衝撃緩和フィルム(表示パネルと保護透明板の間に挿入される透明プラスチックフィルム)、保護透明板割れ飛散防止フィルム(保護透明板が割れたときの飛散を防する透明プラスチックフィルム)等を含む概念である。
本発明方法によれば、表示モジュールと光学部材(保護透明板、タッチパネル、衝撃緩和フィルム等)が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部や、2枚の光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された接着積層部を有する、フラットパネルディスプレイ用の複合部材から、簡単な作業で、表示モジュール、光学部材等を再利用可能な状態に剥離することがきる。従って、複合部材の作製時、接着一体化する部材を所定の位置関係から外れた状態に接着する作業ミスがあっても、本発明方法によって各部材を再利用可能な状態に剥離することで、作業のやり直しができる。
以下、本発明を好適な実施形態に即して説明する。
図1は、本発明方法によって表示モジュール、光学部材等の剥離が成されるフラットディスプレイ用複合部材の一例の模式断面図であり、液晶ディスプレイにおける液晶表示モジュールと保護透明板を透明粘着シートを介して接着一体化した複合部材を示している。
当該複合部材100は、液晶表示モジュール2と保護透明板3の間に透明粘着シート1が介在して、液晶表示モジュール2と保護透明板3とが一体化されている。すなわち、当該複合部材は、本発明でいう、「表示モジュールと光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された第1接着積層部」を有する複合部材である。
図2(a)〜(c)はこの複合部材100に対して、本発明方法により液晶表示モジュール2と保護透明板3を剥離する作業を示す模式図であり、保護透明板3側からみた平面図である。すなわち、本実施形態では、高弾性線材5としてピアノ線を使用し、平面形状が矩形の複合部材100の一対の短辺10A、10Bの一方の短辺10Aの側の側面から、ピアノ線5を、接着積層部(液晶表示モジュール2/透明粘着シート1/保護透明板3)の透明粘着シート1の層内に挿入し、複合部材100の一対の短辺10A、10Bの他方の短辺10Bの側へ移動させることで、線材5を該透明粘着シート1の層内を複合部材100の全域に亘って移動させている。これにより、透明粘着シート1の層はその厚み方向の略中間部で上下の二層に分断され、液晶表示モジュール2から保護透明板3が剥離される(保護透明板3から液晶表示モジュール2が剥離される)。
図3は、本発明方法によって表示モジュール、光学部材等の剥離が成される複合部材の他の例の模式図であり、液晶ディスプレイにおける液晶表示モジュール2とタッチパネル4と保護透明板3が2枚の透明粘着シート1を用いて接着一体された複合部材200を示す。すなわち、本発明でいう「表示モジュールと光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された第1接着積層部」と「2枚の光学部材が透明粘着シートを介して接着一体化された第2接着積層部」を有する複合部材である。
このような第1接着積層部(液晶表示モジュール2/透明粘着シート1/タッチパネル4の積層部)と、第2接着積層部(タッチパネル4/透明粘着シート1/保護透明板3の積層部)を有する複合部材では、複合部材の側面から、それぞれの接着積層部について、剥離操作を行うことができる。すなわち、高弾性線材(ピアノ線)5を、第1接着積層部(液晶表示モジュール2/透明粘着シート1/タッチパネル4の積層部)の透明粘着シート1の層に挿入し、複合部材200の全域に亘って移動させていることで、タッチパネル4から液晶表示モジュール2が剥離される。また、高弾性線材(ピアノ線)5を、第2接着積層部(タッチパネル4/透明粘着シート1/保護透明板3の積層部)の透明粘着シート1の層に挿入し、複合部材200の全域に亘って移動させていることで、タッチパネル4から保護透明板3が剥離される(保護透明板3からタッチパネル4が剥離される)。
本発明方法では、高弾性線材5の線径は複合部材の接着積層部の透明粘着シート1の厚みよりも小さくすることが重要である。高弾性線材5の線径が接着積層部の透明粘着シート1の厚みと同等かそれよりも大きいと目的の剥離作業が行えないか、或いは、剥離作業を行えても、表示モジュールや光学部材を傷付けてしまい、再利用できなくなってしまう。なお、透明粘着シートの層内での高弾性線材5の移動は人間の手作業で簡単に行うことができるが、機械(ロボット)が線材の両端を把持して線材を平行移動させるようにしてもよい。
本発明における高弾性線材5とは、弾性率(JIS Z 2280に準拠)が少なくとも5GPa以上を示す線材のことであり、弾性率が5〜300GPaの範囲内のものが特に好適である。かかる高弾性線材5としては、ピアノ線(炭素を0.6〜0.95重量%含んだ硬鋼線)等の硬鋼線、ステンレス鋼線等の金属線材、アラミド繊維、高分子量ポリエチレン繊維等の樹脂線材等が挙げられるが、上記の弾性率を有する線材であれば、金属や樹脂以外の材料の線材も使用可能である。なお、弾性率が5GPa未満の線材を使用すると、作業途中に断線を生じやすく、好ましくない。
また、高弾性線材5はその断面(横断面)形状が円、楕円等の角部を持たない形状が好ましい。角部を有すると表示パネルや表示モジュール、光学部材を傷付ける虞があり、好ましくない。
本発明方法において、透明粘着シート1は、部材間の接着強度及びフラットパネルディスプレイの薄型化の点から、通常、20〜250μm程度の厚みで使用される。
本発明方法を、表示モジュール、光学部材等に対する接着力がかなり大きい透明粘着シートを使用した複合部材に適用した場合は、目的の剥離作業(部材に損傷を与えない剥離作業)を行うことが困難である。従って、本発明方法は、接着力(剥離力)がある程度低い透明粘着シートを使用した複合部材にて実施可能であり、表示モジュール及び光学部材を、再利用可能に剥離することができる。具体的には、対ガラス接着力(剥離力)が1〜25N/25mm(23℃)の範囲内にある透明粘着シートを使用して作製された複合部材であり、このような透明粘着シートとしては、ポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シート、より好適には特願2007−112194で提案の下記A〜C成分を含む組成物を硬化せしめた硬化物よりなる透明粘着シートが挙げられる。
A:1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
B:1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物
C:ヒドロシリル化触媒
主体成分であるA成分の「1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体」は、好適には、重合体の主鎖が、下記の一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
一般式(1):−R−O−
(式中、Rはアルキレン基である)
は、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましい。
一般式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。重合体の主鎖にはオキシアルキレン基(一般式(1)で示される繰り返し単位)以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。この場合、重合体中のオキシアルキレン単位の総和は好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
A成分の重合体は、直鎖状の重合体でも分岐を有する重合体でもよく、それらの混合物であってもよいが、良好な粘着性を得るために、直鎖状の重合体を50重量%以上含有していることが好ましい。
A成分の重合体の分子量としては、数平均分子量で500〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましい。また、A成分の重合体は、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.6以下である分子量の分布が比較的狭いものが好ましく、Mw/Mnが1.6以下である重合体は、組成物の粘度が低くなり、作業性が向上する。Mw/Mnは、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下である。ここでいう、Mw/Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求められる値のことである。
A成分の重合体(1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体)において、アルケニル基は特に制限はないが、下記の一般式(2)で示されるアルケニル基が好適である。
一般式(2):HC=C(R
(式中、Rは水素原子又はメチル基である)
アルケニル基のポリオキシアルキレン系重合体への結合様式は、特に制限はないが、例えば、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合等が挙げられる。
当該A成分の重合体の具体例としては、
一般式(3):{HC=C(R3a)−R4a−O}a5a
(式中、R3aは水素原子又はメチル基、R4aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基であって、1個以上のエーテル基が含まれていてもよい、R5aはポリオキシアルキレン系重合体残基であり、aは正の整数である。)
で示される重合体が挙げられる。式中のR4aは、具体的には、−CH−、−CH
−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCHCH−,−CHCHOCHCH−、または−CHCHOCHCHCH−などを挙げることができるが、合成の容易さからは−CH−が好ましい。
また、一般式(4):{HC=C(R3b)−R4b−OCO}a5b(式中、R3b、R4b、R5b及びaは、それぞれR3a、R4a、R5a、aと同義である。)
で示されるエステル結合を有する重合体が挙げられる。
また、一般式(5):{HC=C(R3c)}a5c
(式中、R3c、R5c及びaは、それぞれR3a、R5a、aと同義である。)
で示される重合体も挙げられる。
さらに、一般式(6):{HC=C(R3d)−R4d−O(CO)O}a5d(式中、R3d、R4d、R5d及びaは、それぞれR3a、R4a、R5a及びaと同義である。)
で示されるカーボネート結合を有する重合体も挙げられる。
アルケニル基は、A成分の重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜5個、より好ましくは、1.5〜3個存在するのがよい。A成分の重合体1分子中に含まれるアルケニル基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また5個より多くなると網目構造があまりに密となるため、良好な粘着特性を示さなくなる場合がある。なお、A成分の重合体は、特開2003−292926号に記載の方法に従って、合成することができ、また、市販されているものについては、市販品をそのまま使用することができる。
B成分である「1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物」は、ヒドロシリル基(Si−H結合を有する基)を有するものであれば特に制限無く使用できるが、原材料の入手の容易さやA成分への相溶性の面から、特に有機成分で変性されたオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。上記有機成分で変性されたポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中に平均して2〜8個のヒドロシリル基を有するものがより好ましい。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの構造を具体的に示すと、例えば、
Figure 2009162940
(式中、2≦m+n≦50、2≦m、0≦nである。R6aは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい)、
Figure 2009162940
(式中、0≦m+n≦50、0≦m、0≦nである。R6bは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい)、
又は、
Figure 2009162940
(式中、3≦m+n≦20、2≦m≦19、0≦n<18である。R6cは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい)等で示される鎖状又は環状のものや、これらのユニットを2個以上有する、以下の
Figure 2009162940
(式中、1≦m+n≦50、1≦m、0≦nである。R6dは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦bである。R8aは2〜4価の有機基であり、R7aは2価の有機基である。ただし、R7aは、R8aの構造によってはなくても構わない。)、
Figure 2009162940
(式中、0≦m+n≦50、0≦m、0≦nである。R6eは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦bである。R8bは2〜4価の有機基であり、R7bは2価の有機基である。ただし、R7bは、R8bの構造によってはなくても構わない。)、又は
Figure 2009162940
(式中、3≦m+n≦50、1≦m、0≦nである。R6fは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦bである。R8cは2〜4価の有機基であり、R7cは2価の有機基である。ただし、R7cは、R8cの構造によってはなくても構わない。)
等で示されるものが挙げられる。
B成分は、A成分及びC成分との相溶性、又は、系中での分散安定性が良好なものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、B成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。
A成分及びC成分との相溶性、又は、分散安定性が比較的良好なB成分を具体的に示すと、以下のものが挙げられる。
Figure 2009162940
(式中、nは4以上10以下の整数である、)
Figure 2009162940
(式中、2≦m≦10、0≦n≦5であり、R6gは炭素数8以上の炭化水素基である。)
当該B成分の好ましい具体例としては、ポリメチルハイドロジェンシロキサンが挙げられ、また、A成分との相溶性確保と、SiH量の調整のために、α−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステル等により変性した化合物が例示され、一例として、以下の構造があげられる。
Figure 2009162940
(式中、2≦m≦20、1≦n≦20である。)
B成分は、公知の方法により合成することができ、市販されているものについては、市販品をそのまま使用することができる。
C成分の「ヒドロシリル化触媒」は特に限定されず、任意のものを使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸;白金の単体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO)等};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh、Pt(PBu等};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)、Pt〔P(OBu)等};Pt(acac);Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号に記載された白金−炭化水素複合体;Lamoreauxらの米国特許第3220972号に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。(上記式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基、acacはアセチルアセトナトを表し、n、mは整数を表す。)
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl等が挙げられる。
これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−ホスフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。
C成分の配合量は、特に制限はないが、組成物のポットライフの確保及びシートの透明性の観点から、A成分中のアルケニル基1molに対して一般に1×10−1mol以下、好ましくは5.3×10−2mol以下であるが、特にシートの透明性の観点から、より好ましくは3.5×10−2mol以下、とりわけ好ましくは1.4×10−3mol以下である。A成分中のアルケニル基1molに対して1×10−1molを超えると、最終的に得られるシートが黄変しやすく、シートの透明性が損なわれる傾向となる。なお、C成分の配合量が少なすぎる場合、組成物の硬化速度が遅く、また硬化性が不安定になる傾向となるため、C成分の配合量は8.9×10−5mol以上が好ましく、1.8×10−4mol以上がより好ましい。
以上説明のA〜C成分を含む組成物は、粘着付与樹脂を無添加または少量添加であっても、粘着特性(他の物体への接着機能)を発現できるという特徴を有する。
当該組成物においては、B成分(化合物B)のヒドロシリル基が、A成分(化合物A)のアルケニル基に対して官能基比が0.3以上、2未満となるように含有(配合)されることが好ましく、より好ましくは0.4以上、1.8未満の範囲であり、さらに一層好ましくは0.5以上、1.5未満の範囲である。前記官能基比が2を超えるように含有されると、架橋密度が高くなり、粘着付与樹脂を無添加または少量添加において粘着特性を得ることはできなくなる場合がある。また、官能基比が0.3未満になると、架橋が緩くなりすぎて、再剥離時の糊残りの発生や高温で特性保持が低下する場合がある。このようにA成分とB成分の配合比率を特定の範囲で選択することで、粘着付与樹脂を配合しなくとも良好な粘着特性が発現し得、しかも、実用上充分に速いライン速度にて硬化させることができる。
なお、かかる組成物には保存安定性を改良する目的で、保存安定性改良剤を配合してもよい。この保存安定性改良剤としては、上記B成分の保存安定剤として知られている公知の化合物を制限なく使用できる。例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォリニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、必要に応じて、液晶パネル及び/又は保護透明板への粘着性(接着性)を向上させるための接着付与剤を添加することができる。接着付与剤の例としては、各種シランカップリング剤やエポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ基、メタクリロイル基、ビニル基等の官能基を有するシランカップリング剤は、硬化性に及ぼす影響も小さく、接着性の発現にも効果が大きいため、好ましいものである。また、シランカップリング剤やエポキシ樹脂と併用して、シリル基やエポキシ基を反応させるための触媒を添加することができる。なお、これらの使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。また、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤、シリコン化合物を適宜添加してもよい。充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの充填剤の中では、特にシリカ微粉末、とりわけ粒子径が50〜70nm(BET比表面積が50〜380m/g)程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処理を施した疎水性シリカが、強度を好ましい方向に改善する働きが大きいので特に好ましい。さらに、タック等の特性を上げるため、必要に応じて粘着付与樹脂を添加してもよく、粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、ロジンエステル等が例示され、用途に合わせて自由に選択することができる。
また、特性改善の面から、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂等の樹脂類を添加することが可能である。また、アクリル粘着剤、スチレンブロック系粘着剤、オレフィン系粘着剤等の粘着剤成分を同様の目的から添加することが可能である。
また、当該透明粘着シートはITO、TO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)、CTO(酸化錫カドミウム)等の透明導電性材料と接触しても該透明導電性材料を腐食させない、優れた非透明導電性材料腐食性(特に非ITO腐食性)を有するので、保護透明板と表示モジュールとの間にタッチパネルを介在させた複合部材を得る場合により有利に作用する。
かかる透明粘着シートは、例えば、次の方法で製造される。
ポリオキシアルキレン系重合体を主体成分とする組成物(上記A〜C成分を含む組成物)を、必要に応じて有機溶剤とともに、真空機能を備えた攪拌装置に仕込み、真空状態(真空下)で攪拌することで脱泡を行い、該真空脱泡後の流動物を各種の支持体上に塗布(流延)し、熱処理してシート化する。熱処理によって組成物は加熱硬化され、硬化物によるシートが得られる。支持体上への塗布は、例えば、グラビア、キス、コンマ等のロールコーター、スロット、ファンテン等のダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーター等の公知の塗布装置によって行うことができる。この際の熱処理条件としては50〜200℃(好ましくは100〜160℃)で、0.01〜24時間(好ましくは0.05〜4時間)程度加熱するのが好ましい。なお、上記の真空機能を備えた攪拌装置としては、公知の真空装置付攪拌装置を使用すればよく、具体的には、遊星式(公転/自転方式)攪拌脱泡装置やディスパー付脱泡装置等が挙げられる。また、真空脱泡を行う際の減圧の程度としては、10kPa以下が好ましく、3kPa以下がより好ましい。また、攪拌時間は攪拌装置や流動物の処理量によっても異なるが、概ね、0.5〜2時間程度が好ましい。脱泡処理により、シート内には実質的に気泡(ボイド)が存在せず、優れた光学的特性(透明性)を示す。例えば、後述の試験方法で測定されるシートのヘイズ値が好ましくは1.2%以下、より好ましくは0.9%以下を示す。
かかる透明粘着シートを、特に、携帯電話機、携帯ゲーム機、カーナビゲーションシステム等の小型機器に搭載する表示モジュールと光学部材の貼り合せに使用する場合、小面積サイズのシートに加工する必要があるが、量産性(生産効率)を考慮した場合、例えば、第1の支持体(ベースセパレーター)/上記A〜C成分を含む組成物の硬化物層(透明粘着シート)/第2の支持体(カバーセパレーター)の積層構成からなるロールを調製し、該ロールを展開しつつ、打抜き加工を施して製造するのが好ましい。
上記ロールは、例えば、第1の支持体に離型処理剤を塗布して離型処理を行う一方、上記A〜C成分を含む組成物の攪拌、真空脱泡を行い、該真空脱泡後の流動物を第1の支持体上に塗布(流延)し、熱処理してシート化し、その上に離型処理を施した第2の支持体を貼り合せた後、ロール状に巻き取ることで作製される。
第1及び第2の支持体の具体例としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、エチレン−メタクリル酸コポリマーの分子間を金属イオン(Na、Zn2+等)で架橋したアイオノマー樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニルコポリマー)、PVC(ポリ塩化ビニル)、EEA(エチレン・エチルアクリレートコポリマー)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ポリアミド、ポリブチラール、ポリスチレンなどの熱可塑樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩ビ系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系、ポリノルボルネン系、ポリスチレン・ポリオレフィン共重合体系、(水添)ポリスチレン・ブタジエン共重合体系、ポリスチレン・ビニルポリイソプレン共重合体系などのゴム弾性を示す種々の熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンに熱可塑エラストマーをブレンドしたもの等からなる単層のフィルム(シート)や、ポリオレフィン(ポリプロビレン(PP)又はポリエチレン(PE)等)/熱可塑性樹脂(例えば、EVA)/ポリオレフィン、ポリオレフィン(PP又はPE)+熱可塑性エラストマー/ポリオレフィン(PP又はPE)、PP/PE/PPなどの多層(積層)、ポリオレフィン+熱可塑性エラストマーのブレンド比を変えた複合系の多層(積層)等の多層(積層)のフィルム(シート)等が挙げられる。また、含浸紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、布、アセテート布、不織布、ガラス布等が挙げられる。
第1及び第2の支持体に使用する離型処理剤としては、例えば、シリコーン系型離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル系離型処理剤等を挙げることができ、中でも、シリコーン系離型処理剤が好ましく、硬化方法としては、紫外線照射や電子線照射等の硬化方法を用いるのが好ましい。さらに、シリコーン系離型処理剤の中でもカチオン重合性の紫外線硬化型シリコーン系離型処理剤が好ましい。カチオン重合性の紫外線硬化型シリコーン系離型処理剤は、カチオン重合型のシリコーン(分子内にエポキシ官能基を有するポリオルガノシロキサン)とオニウム塩系光開始剤を含む混合物であるが、オニウム塩系光開始剤がホウ素系光開始剤からなるものが特に好ましく、このようなオニウム塩系光開始剤がホウ素系光開始剤からなるカチオン重合性の紫外線硬化型シリコーン系離型処理剤を使用することで特に良好な剥離性(離型性)が得られる。カチオン重合型のシリコーン(分子内にエポキシ官能基を有するポリオルガノシロキサン)は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ官能基を有するものであって、直鎖状のもの、分岐鎖状のものまたはこれらの混合物であってもよい。ポリオルガノシロキサンに含有されるエポキシ官能基の種類は特に制限されないが、オニウム塩系光開始剤によって開環カチオン重合が進行するものであればよい。具体的には、γ−グリシジルオキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、β−(4−メチル−3,4エポキシシクロヘキシル)プロピル基などが例示できる。かかるカチオン重合型のシリコーン(分子内にエポキシ官能基を有するポリオルガノシロキサン)は上市されており、市販品を使用することができる。例えば、東芝シリコーン社製のUV9315、UV9430、UV9300、TPR6500、TPR6501等、信越化学工業社製のX−62−7622、X−62−7629、X−62−7655、X−62−7660,X−62−7634A等、荒川化学社製のPoly200、Poly201、RCA200、RCA250、RCA251等を挙げることができる。
カチオン重合性のシリコーンの中でも下記の構造単位(A)〜(C)からなるポリオルガノシロキサンが特に好ましい。
Figure 2009162940

また、かかる構造単位(A)〜(C)からなるポリオルガノシロキサンにおいては、構造単位(A)〜(C)の組成比((A):(B):(C))が50〜95:2〜30:1〜30(mol%)であるものが特に好ましく、50〜90:2〜20:2〜20(mol%)であるものがとりわけ好ましい。なお、かかる構造単位(A)〜(C)からなるポリオルガノシロキサンはPoly200、Poly201、RCA200、X−62−7622、X−62−7629、X−62−7660として入手できる。
一方、オニウム塩系光開始剤としては、公知のものを特に制限無く使用できる。具体例としては、例えば、(R、ArN 、又は(R、(これらの式中、Rはアルキル基および/またはアリール基を、Arはアリール基を、Xは[B(C]、[B(C]、[B(CCF]、[(CBF]、[CBF]、[B(C]、BF 、PF 、AsF 、HSO 、またはClO 等を示す。)で表される化合物が挙げられるが、これの中でも、式中のXが[B(C]、[B(C]、[B(CCF]、[(CBF]、[CBF]、[B(C]又はBF である化合物(ホウ素系光開始剤)が好ましく、特に好ましくは(R[B(C](式中、Rは置換又は非置換のフェニル基を示す)で表わされる化合物(アルキルヨードニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)である。なお、オニウム塩系光開始剤として、従来からアンチモン(Sb)系開始剤が知られているが、アンチモン(Sb)系開始剤を使用した場合、重剥離化が起こり、透明粘着シートをセパレーターから剥離しにくい傾向となる。
オニウム塩系光開始剤の使用量は特に制限されるものではないが、カチオン重合型のシリコーン(ポリオルガノシロキサン)100重量部に対して、0.1〜10重量部程度とするのが望ましい。使用量が0.1重量部より少ないと、シリコーン剥離層の硬化が不十分となるおそれがある。また使用量が10重量部より多いと、コスト面において実用的ではない。なお、カチオン重合型のシリコーン(ポリオルガノシロキサン)とオニウム塩系光開始剤を混合する際、オニウム塩系開始剤を有機溶剤に溶解または分散させてポリオルガノシロキサンに混合してもよい。有機溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。
離型処理剤の塗布は、例えば、ロールコーター法、リバースコーター法、ドクターブレード法等の一般的な塗工装置を用いて行うことができる。離型処理剤の塗布量(固形分量)は特に限定はされないが、一般に0.05〜6mg/cm程度である。
ところで、本発明の表示モジュール、光学部材等の剥離方法では、通常、剥離した表示モジュールや光学部材の表面には透明粘着シートの付着成分が残存する。従って、高弾性線材を用いて表示モジュール、光学部材等の剥離を行った後、剥離された表示モジュールや光学部材の表面を溶剤で洗浄して、残存する透明粘着シートの付着成分を除去するのが好ましい。ここで、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤が好適であり、その他、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル系(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリコールジアセテート等)も使用できる。
以下、実施例および比較例を示して、本発明をより具体的に説明する。
なお、後述のソーダガラスに対する透明粘着シートの接着力(23℃)は以下の方法で測定した。
[ガラス接着力試験]
透明粘着シート(サンプル幅:25mm)を、ソーダガラス板(厚み1.0mm、縦100mm、横50mm)に、23℃、65%RHの雰囲気でハンドローラーを用いて貼り合わせた(貼り合わせ長さ100mm)。このサンプルをオートクレーブ処理(0.5MPa、60℃)を30分間行った後、80℃で24時間加温し測定試料とした。この試料を引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して、引張速度300mm/minで、180°剥離試験を行い、接着力(N/25mm)を測定した。
実施例1
[透明粘着シートの作製]
前述の(A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体(数平均分子量:約20,000)に、(B)成分であるヒドロシリル化合物(そのヒドロシリル基量が(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体のアルケニル基量に対して官能基比で0.75となる量)および(C)成分であるヒドロシリル化触媒を含む組成物(株式会社カネカ製)(A成分中のアルケニル基に対して0.75mol)を真空装置付攪拌装置(シーテック社製ミニダッポー)に投入し、真空状態(100Pa)で1時間攪拌して脱泡を行った。次いで、真空脱泡した組成物を室温下でロールコーターを用い、離型処理が施されたポリエステルフィルム(厚さ100μm)からなるベースセパレーター(支持体)上に、組成物の厚みが200μmになるように塗布(流延)した。加熱オーブンで130℃で10分間加熱することで硬化させ、こうして得られた硬化シートに、同様に離型処理が施されたポリエステルフィルム(厚さ100μm)からなるカバーセパレーター(剥離ライナー)を貼り合せることによって透明粘着シート(厚み:0.2mm)を得た。
[試料作製]
厚み1.0mm、縦100mm、横50mmの矩形のソーダガラス板と、厚み0.5mm、縦100mm、横50mmの矩形のソーダガラス板を用意した。上記で作製した透明粘着シート(厚み:0.2mm)をこれらソーダガラス板と同形、同面積の矩形状にカットして、一方のソーダガラス板に貼り合わせ、その上に他方のソーダガラス板を貼り合わせて、オートクレーブ処理(0.5MPa、50℃、30分)をし、ソーダガラス板(厚み1.0m)/透明粘着シート(厚み0.2mm)/ソーダガラス板(厚み0.5m)の接着積層物からなる試料を作製した。
オートクレーブ処理終了から60分経過後、透明粘着シートのソーダガラスに対する接着力を測定したところ、12N/25mmであった。
[剥離作業]
試料(ソーダガラス板(厚み1.0m)/透明粘着シート(厚み0.2mm)/ソーダガラス板(厚み0.5m))の一対の短辺のうちの一方側の側面から線径が0.15mmの弾性率が206GPaのピアノ線を透明粘着シートの層内に挿入し、線材の両端を手で持って、該他方側の短辺に向けて移動させることで(図2参照)、2枚のソーダガラス板が剥離(分離)した。そして、剥離された2枚のガラス板の表面をイソプロピルアルコールで洗浄して残存付着していた粘着成分を除去し、表面を目視観察したところ、表面に傷などは認められなかった。
比較例1
透明粘着シートとして、厚み0.2mmのアクリル系粘着剤のシートを使用した以外は実施例1と同様にして試料を作製し、また、同様にして剥離作業を行ったところ、アクリル系粘着剤のシートのソーダガラスに対する接着力は40N/25mmであり、剥離作業ではピアノ線が破断して、2枚のガラス板を剥離(分離)することができなかった。
比較例2
ピアノ線の代わりにカッターナイフを2枚のソーダガラス板間の透明粘着シートの層に押し込んで2枚のソーダガラス板を剥離したところ、ガラス板を破損することなく剥離できたが、ガラス板の表面にキズが発生した。
比較例3
線径が0.2mmのピアノ線を使用した以外は、実施例1と同様にして、2枚のソーダガラス板を剥離したところ、2枚のガラス板が剥がれていく途中で厚み0.5mmのガラス板が割れた。
本発明方法によって表示モジュール、光学部材等の剥離が成されるフラットディスプレイ用複合部材の一例の模式断面図である。 本発明方法による剥離作業を模式的に示した図である。 本発明方法によって表示モジュール、光学部材等の剥離が成されるフラットディスプレイ用複合部材の他の一例の模式断面図である。
符号の説明
1 透明粘着シート
2 液晶モジュール
3 保護透明板
4 タッチパネル
5 高弾性線材
100、200 複合部材

Claims (4)

  1. 表示モジュールと光学部材がポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化した第1接着積層部、及び/又は、2枚の光学部材がポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートを介して接着一体化した第2接着積層部を有するフラットパネルディスプレイ用複合部材の、該第1接着積層部及び/又は第2接着積層部に対して、該複合部材の側面から、透明粘着シート層の厚みよりも線径が小さい高弾性線材を透明粘着シート層内に挿入し、該線材を該透明粘着シート層内を複合部材の全域に亘って移動させることにより、表示モジュール又は光学部材を剥離することを特徴とする、フラットパネルディスプレイ用複合部材から表示モジュール及び/又は光学部材を再利用可能に剥離する方法。
  2. 高弾性線材が弾性率が5GPa以上の線材である、請求項1記載の方法。
  3. 剥離後の表示モジュール及び/又は光学部材の表面に付着している透明粘着シートの残存物を溶剤で除去する、請求項1又は2記載の方法。
  4. ポリオキシアルキレン系重合体を主成分とする透明粘着シートが下記A〜C成分を含む組成物の硬化物よりなる透明粘着シートである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
    A:1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
    B:1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を有する化合物
    C:ヒドロシリル化触媒
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